プリント配線板及びプリント配線板の製造方法
【課題】 半田バンプをファインピッチに配置することができるプリント配線板を提供する。
【解決手段】 半田パッド158L1の周囲にリング状のダミーパターン158L2が設けられているので、プリント配線板を搭載する器機が落下等により衝撃を受けた際に、プリント配線板の表面上を振動が伝わるが、振動の伝達をダミーパターン158L2が食い止め、内側の半田パッド158L1へ伝わるのを防ぐ。このため、接続信頼性を高めることができる。また、半田パッド上の半田バンプがダミーパターンの外側まで延在することが無く、半田量の多い高さの有る半田パッドをファインピッチに設けても、半田バンプが他の半田バンプと短絡することが無い。
【解決手段】 半田パッド158L1の周囲にリング状のダミーパターン158L2が設けられているので、プリント配線板を搭載する器機が落下等により衝撃を受けた際に、プリント配線板の表面上を振動が伝わるが、振動の伝達をダミーパターン158L2が食い止め、内側の半田パッド158L1へ伝わるのを防ぐ。このため、接続信頼性を高めることができる。また、半田パッド上の半田バンプがダミーパターンの外側まで延在することが無く、半田量の多い高さの有る半田パッドをファインピッチに設けても、半田バンプが他の半田バンプと短絡することが無い。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品あるいは外部基板と接続するための半田パッドを有するプリント配線板、及び、該プリント配線板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子部品あるいは外部基板と接続するために、プリント配線板の半田パッド上に半田バンプが設けられる。半田バンプは、ソルダーレジスト層の開口により露出される半田パッド上に、半田ボールを搭載し、半田ボールをリフローすることで形成されている。
【0003】
特許文献1は、円形の導体14−2とその導体14−2を囲むスリット8と、スリットを囲むリング状の導体14−1からなるパッド(第4のパッド14)を開示している(図2参照)。パッドの一部である導体14−1は表面パターンを介して第1のパッド11に繋がっている。そして、第1のパッド11は、表面パターン17とビア導体を介して第1の内層パターン21に繋がっている。一方、パッドの一部である導体14−2はビア導体を介して第3の内層パターン23に繋がっている。第4のパッド14の目的は、入出力信号の切り替えによる改造作業を容易にすることにある。例えば、最初は第1のパッド11と第1の内層パターンが表面パターン17により導通している。このとき、導体14−1と導体14−2とは導通していない。回路網の変更が必要になったときに、表面パターン17を切断し、導体14−1と導体14−2とをスダッドバンプ6で接続する。これにより、第1のパッド11は第1の内層パターンから第3の内層パターンに繋がるので、入出力信号の切り替えが完了する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平04−320093号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、入出力信号の切り替えのため、一部の導体回路が切断される。導体回路を切断するとき、導体回路の下の絶縁層も切断されると考えられる。そのため、特許文献1のプリント配線板は絶縁層にクラックが発生しやすいと考えられる。
特許文献1では、ソルダーレジスト層で最外層の導体回路が被覆されていない。特許文献1が、ソルダーレジスト層を設けない理由は、表面の導体回路の切断を容易にするためと考えられる。
【0006】
本発明の目的は、半田バンプをファインピッチに配置することができるプリント配線板、及び、該プリント配線板の製造方法を提供することである。また、半田パッドと半田バンプ間の接続信頼性が高いプリント配線板を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1面と該第1面とは反対側の第2面とを有する絶縁層と、前記絶縁層の第2面上の導体回路と、前記絶縁層の第2面と前記導体回路上に形成されていて、第1面と第1面とは反対側の第2面を有すると共にビア導体用の開口を有する最外の層間樹脂絶縁層と、前記最外の層間樹脂絶縁層の第2面上に形成されていて前記ビア導体用の開口の周囲に形成されている第1のランドと、前記最外の層間樹脂絶縁層のビア導体用の開口に形成されていて前記絶縁層の第2面上の導体回路と前記第1のランドとを接続しているビア導体と、前記最外の層間樹脂絶縁層の第2面上に形成されていて前記第1のランドの周囲にスペースを介して形成されている第2のランドと、前記ビア導体と前記第1のランドとからなる第2の半田パッド上に形成されている第2の半田バンプとからなるプリント配線板であって、
前記第1のランドと前記ビア導体は直接接続されていて、前記絶縁層の第2面と前記最外の層間樹脂絶縁層の第1面は対向している。
【発明の効果】
【0008】
プリント配線板を搭載する器機の落下等によりプリント配線板が衝撃を受ける場合がある。その時、プリント配線板の表面上を振動が伝わると考えられる。本実施形態のプリント配線板は、第2の半田パッドの周囲にリング状の第2のランドを有している。そのため、振動の伝達を第2のランドが食い止め、内側の半田パッド(第2の半田パッド)へ伝わる振動の振幅を小さくすることができると考えられる。このため、落下等の衝撃により、半田パッドから半田バンプが取れる可能性を下げ、接続信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】(A)〜(D)は第1実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法を示す工程図である。
【図2】(A)〜(E)は第1実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法を示す工程図である。
【図3】(A)〜(C)は第1実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法を示す工程図である。
【図4】(A)〜(D)は第1実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法を示す工程図である。
【図5】(A)〜(D)は第1実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法を示す工程図である。
【図6】(A)〜(D)は第1実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法を示す工程図である。
【図7】(A)〜(D)は第1実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法を示す工程図である。
【図8】第1実施形態の多層プリント配線板の断面図が示されている。
【図9】図9(A)は、第1実施形態の第2の半田パッドと第2のランドの平面図であり、図9(B)は、短絡配線を示す図である。
【図10】第1と第2のランドを形成するためのメッキレジストが示されている図である。
【図11】ビアランドを形成するためのメッキレジストが示されている図である。
【図12】図12(A)は窪みの拡大図であり、図12(B)は第2の半田パッドにフラックスが塗布されている状態を示す拡大図である。
【図13】第1の半田パッドと第2の半田パッドに高い半田バンプが形成されている状態を示している図である。
【図14】第1実施形態の第2改変例に係る多層プリント配線板の断面図が示されている。
【図15】第1実施形態の第2改変例に係る半田バンプの形成方法が示されている図である。
【図16】図8に示す多層プリント配線板にICチップが実装されている状態を示す断面図である。
【図17】第2実施形態に係るプリント配線板が示されている断面図である。
【図18】第3実施形態に係るプリント配線板の製造方法が示されている工程図である。
【図19】第3実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法が示されている工程図である。
【図20】第3実施形態に係る多層プリント配線板とその製造方法が示されている工程図である。
【図21】第3実施形態の第1改変例に係る多層プリント配線板とその製造方法が示されている工程図である。
【図22】第4実施形態の多層プリント配線板を示す断面図である。
【図23】図22に示す多層プリント配線板にICチップが実装されている状態を示す断面図である。
【図24】第5実施形態の多層プリント配線板の断面図が示されている。
【図25】図24に示す多層プリント配線板にICチップが実装されている状態を示す断面図である。
【図26】第1のランドと第2のランドとスペースの拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態に係る製造方法により製造される多層プリント配線板10の構成について、図8を参照して説明する。図8は多層プリント配線板10の断面図を示している。図8に示すように、多層プリント配線板10では、絶縁性基板30の表面(第1面)と裏面(第2面)に導体回路34U、34Lが形成されている。絶縁性基板30の表面の導体回路34Uと裏面の導体回路34Lとはスルーホール導体36bを介して接続されている。絶縁性基板30の両面に、下層の層間樹脂絶縁層50U、50Lが形成されている。
【0011】
下層の層間樹脂絶縁層50U、50Lには下層の第1層間樹脂絶縁層50Uと下層の第2層間樹脂絶縁層50Lがある。第1面と第2面を有する下層の第1層間樹脂絶縁層50Uがコア基板の表面上に形成されていて、第1面と第2面を有する下層の第2層間樹脂絶縁層50Lはコア基板の裏面上に形成されている。第1面はコア基板と対向する面であり、第2面は第1面と反対側の面である。下層の第1層間樹脂絶縁層50U上に下層の第1導体回路58Uが形成され、下層の第2層間樹脂絶縁層50L上に下層の第2導体回路58Lが形成されている。下層の第1層間樹脂絶縁層50Uは、下層の第1層間樹脂絶縁層を貫通する第1開口51Uを有し、下層の第2層間樹脂絶縁層50Lは、下層の第2層間樹脂絶縁層を貫通する第2開口51Lを有する。第1開口51Uを充填している第1ビア導体60−1がコア基板上の導体回路34Uと下層の第1層間樹脂絶縁層50U上の導体回路58Uを接続している。第2開口51Lを充填している第2ビア導体60−2がコア基板上の導体回路34Lと下層の第2層間樹脂絶縁層50L上の導体回路58Lを接続している。下層の第1層間樹脂絶縁層50Uと導体回路58U上に第1面と第2面を有する上層の第1層間樹脂絶縁層150Uが形成され、下層の第2層間樹脂絶縁層50Lと導体回路58L上に第1面と第2面を有する上層の第2層間樹脂絶縁層150Lが形成されている。
【0012】
上層の第1層間樹脂絶縁層150Uの第1面は下層の第1層間樹脂絶縁層50Uの第2面と対向する面であり、上層の第1層間樹脂絶縁層150Uの第2面は上層の第1層間樹脂絶縁層の第1面と反対側の面である。上層の第2層間樹脂絶縁層150Lの第1面は下層の第2層間樹脂絶縁層の第2面と対向する面であり、上層の第2層間樹脂絶縁層150Lの第2面は上層の第2層間樹脂絶縁層の第1面と反対側の面である。上層の第1層間樹脂絶縁層150Uの第2面上にビアランド158ULと上層の導体回路158Uが形成されている。上層の第1層間樹脂絶縁層150Uは上層の第1層間樹脂絶縁層を貫通する第3開口151Uを有し、上層の第2層間樹脂絶縁層150Lは上層の第2層間樹脂絶縁層を貫通する第4開口151Lを有する。第3開口151Uを充填し、下層の第1導体回路58Uまたは第1のビア導体60−1とビアランド158ULまたは上層の導体回路158Uを接続している第3ビア導体160−1が上層の第1層間樹脂絶縁層150Uに形成されている。ビアランド158ULは第3ビア導体160−1の周りに形成されていて第3ビア導体160−1に直接接続している部分である。上層の第2層間樹脂絶縁層150Lの第2面上に第1のランド158L1と第2のランド158L2が形成されている。第4開口151Lを充填し、下層の第2導体回路58Lまたは第2のビア導体60−2と第1のランド158L1を接続している第4ビア導体160−2が上層の第2層間樹脂絶縁層150Lに形成されている。第1のランド158L1は第4ビア導体160−2の周りに形成されていて第4ビア導体160−2に直接接続している部分である。
【0013】
第2のランド158L2はスペースSを介して第1のランド158L1を囲んでいる。上層の第1層間樹脂絶縁層150Uの第2面と第3ビア導体160−1と上層の導体回路158U上にソルダーレジスト層70が形成されている。ソルダーレジスト層は第1の半田パッドを露出する開口71を有している。開口71は第3ビア導体160−1や上層の導体回路158Uの上面を露出している。開口71により露出している第3ビア導体160−1や上層の導体回路158Uの上面が第1の半田パッドとして機能する。
【0014】
本実施形態では、上層の第2層間樹脂絶縁層150Lが最外の層間樹脂絶縁層に相当し、下層の第2層間樹脂絶縁層50Lが絶縁層に相当する。また、第1実施形態では、上層の第2層間樹脂絶縁層150Lの第2面は第1のランド158L1と第2のランド158L2から露出している。第1のランド158L1と第2のランド158L2が形成されている部分以外、上層の第2層間樹脂絶縁層の第2面は外部に露出している。上層の第2層間樹脂絶縁層の第2面上に第1のランド158L1や第2のランド158L2以外、導体回路やソルダーレジスト層70は形成されていない。
【0015】
図9(A)に、図8中の第4ビア導体160−2と第1のランド158L1及び第2のランド158L2の平面図を示す。第4ビア導体160−2と第1のランド158L1とからなる第2の半田パッド160R上に第2の半田バンプ78Lが形成される。第1のランド158L1の周囲にスペースSを介してリング状の第2のランド158L2が形成されている。点線L内の部分が第4ビア導体160−2であり、点線L外の部分が第1のランド158L1である。第2のランド158L2は、上層の第2層間樹脂絶縁層の第2面上で他の導体回路と接続していない。第4のビア導体160−2の直径Vは30〜150μmであり、第1のランド158L1の直径R1は40〜190μmであり、第2のランド158L2の内径D1は52〜340μmであり、第2のランド158L2の外径D2は64〜490μmであり、第2ランド158L2の幅は12〜150μmであり、スペースSの幅Gは12〜150μmである。第4のビア導体の直径Vは上層の第2層間樹脂絶縁層の第2面における第4開口の直径と同等である。同様に、各ビア導体の直径は各層間樹脂絶縁層の第2面における各開口の直径と同等である。
【0016】
プリント配線板10を搭載する器機(例えば携帯電話)が落下すると、衝撃波がプリント配線板の表面を伝播すると考えられる。第1実施形態の多層プリント配線板10では、第4のビア導体160−2と第1のランド158L1とからなる第2の半田パッド160Rの周囲に第2のランド158L2が形成されている。プリント配線板10の表面を伝播すると考えられる衝撃波が第2のランド158L2に到達すると、第2のランド158L2は防波堤のような機能を果たすと考えられる。そのため、第2のランド158L2が衝撃波の進行を止めると考えられる。もしくは、第2のランド158L2が衝撃波の強度を弱くすると考えられる。第2のランド158L2は、第2のランド158L2内に形成されている第2の半田パッド160Rに到達する衝撃波の強度を弱くすると考えられる。このため、第1実施形態のプリント配線板では、落下等の衝撃により第2の半田パッド160Rから半田バンプ78Lが取れる可能性を下げ、接続信頼性を高めることができる。
【0017】
第2のランドがダムの役割をするため第2の半田パッド160R上の半田バンプが第2のランドを越えがたくなる。そのため、半田により隣接する第2の半田パッド間でのショートを防止することができる。第2の半田パッド160Rと第2のランド158L2間に半田が濡れ難い最外の層間樹脂絶縁層が存在するので、半田バンプを第2の半田パッド上に形成することができる。第1実施形態では、第2の半田パッドをファインピッチに設け、第2の半田パッド上にボリュームが多く高さが高い半田バンプを形成しても、半田バンプが他の半田バンプと短絡し難い。
【0018】
引き続き、図8に示されている多層プリント配線板10の製造方法について図1〜図7を参照して説明する。
(1)厚さ0.2〜0.8mmのエポキシ樹脂またはBT(ビスマレイミドトリアジン)樹脂からなる絶縁性基板30の両面に5〜25μmの銅箔32がラミネートされている銅張積層板30Aを出発材料とする(図1(A))。絶縁性基板30はガラスクロスなどの心材を有することが好ましい。まず、この銅張積層板30Aにドリルやレーザなどでスルーホール導体用の貫通孔(スルーホール導体用貫通孔)33を形成する(図1(B))。その後、無電解めっき処理および電解めっき処理を施し、貫通孔33の側壁にスルーホール導体36bを形成する(図1(C))。同時に、銅箔上に無電解めっき膜と電解めっき膜とからなる導電膜36が形成される。図1(C)に示すように、第1実施形態では、貫通孔34が金属で充填されておらず、第1実施形態のプリント配線板はスルーホール導体の内側にスルーホール導体内貫通孔36Aを有している。
【0019】
スルーホール導体36bの表面と導電膜36に粗化面36αを形成する(図1(D))。
【0020】
(2)次に、平均粒径3〜5μmのガラス等の無機粒子を含む樹脂充填剤37をスルーホール導体内貫通孔36Aに充填し、乾燥、硬化させる(図2(A))。
【0021】
引き続き、スルーホール導体内貫通孔36Aからはみ出ている樹脂充填剤37を研磨により除去し、基板30の表面を平坦にする。スルーホール導体内貫通孔36Aが樹脂充填剤37で充填される(図2(B))。
【0022】
(3)その後、基板30の表面に、パラジウム触媒(アトテック社製)を付与し、無電解銅めっきを施すことにより、厚さ0.2〜2μmの無電解銅めっき膜23を形成する(図2(C))。その後、電解銅めっきを施し、厚さ15μmの電解銅めっき膜24を形成する。無電解銅めっき膜23と電解銅めっき膜24とからなるめっき膜が銅箔32上に形成される。同時に、めっき膜はスルーホール導体36bと樹脂充填剤37を覆う(図2(D))。
【0023】
(4)めっき膜を有する基板3000の両面に、市販のドライフィルムを張り付ける。その後、フォトリソにより、めっき膜上にエッチングレジスト25を形成する(図2(E))。そして、エッチングレジストから露出するめっき膜、導電膜36、銅箔32を、エッチング液にて溶解除去し、さらに、エッチングレジストを除去する(図3(A))。絶縁性基板30の第1面に表面の導体回路34Uが形成され、絶縁性基板30の第2面に裏面の導体回路34Lが形成される。同時に、充填剤37を覆う表面の被覆回路42Uと裏面の被覆回路42Lが形成される(図3(A))。絶縁性基板30と表面の導体回路34Uと裏面の導体回路34Lとスルーホール導体36bと被覆回路42U、42Lとからなるコア基板300が完成する(図2(B))。そして、表面の導体回路34U、裏面の導体回路34L、裏面の被覆回路42Lおよび表面の被覆回路42Uの表面を粗化し、粗化面を形成する(図示せず)。表面の被覆回路は表面の導体回路に含まれ、裏面の被覆回路は裏面の導体回路に含まれる。
【0024】
[ビルドアップ層の形成]
(5)コア基板300の両面に、層間樹脂絶縁層用樹脂フィルム(味の素社製:商品名;ABF−45SH)を積層する。その後、層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムを硬化することでコア基板の両面に下層の層間樹脂絶縁層50U、50Lが形成される(図2(B))。コア基板の表面に形成されている下層の層間樹脂絶縁層が下層の第1層間樹脂絶縁層50Uである。下層の第1層間樹脂絶縁層50Uは第1面と第1面とは反対側の第2面を有する。下層の第1層間樹脂絶縁層50Uの第1面はコア基板と対向する面である。コア基板の裏面に形成されている下層の層間樹脂絶縁層が下層の第2層間樹脂絶縁層50Lである。下層の第2層間樹脂絶縁層50Lは第1面と第1面とは反対側の第2面を有する。下層の第1層間樹脂絶縁層50Lの第1面はコア基板と対向する面である。
【0025】
(6)次に、CO2 ガスレーザにて、下層の層間樹脂絶縁層50U、50Lに、直径30〜150μmのビア導体用開口51U、51Lを形成する(図3(C))。下層の第1層間樹脂絶縁層50Uは下層の第1層間樹脂絶縁層50Uを貫通し表面の導体回路34Uまたは表面の被覆回路42Uに至る第1開口51Uを有する。下層の第2層間樹脂絶縁層50Lは下層の第2層間樹脂絶縁層50Lを貫通し裏面の導体回路34Lまたは裏面の被覆回路42Lに至る第2開口51Lを有する。ビア導体用開口51U、51Lを有する基板を、60g/lの過マンガン酸を含む80℃の溶液に10分間浸漬し、ビア導体用開口51U、51Lの内壁を含む下層の層間樹脂絶縁層50U、50Lの表面に粗面を形成する(図4(A))。
【0026】
(7)次に、ビア導体用開口51U、51Lを有する基板を、中和溶液(シプレイ社製)に浸漬してから水洗いする。さらに、層間樹脂絶縁層50U、50Lの表面およびビア導体用開口51U、51Lの内壁に触媒を付与する(図示せず)。
【0027】
(8)次に、市販の無電解めっき水溶液中に、基板を浸漬して、層間樹脂絶縁層の表面とビア導体用開口の内壁に厚さ0.3〜3.0μmの無電解めっき膜52を形成する(図4(B))。無電解めっき膜としては、銅やニッケルなどを例示することができる。本実施形態の無電解めっき膜は無電解銅めっき膜である。無電解めっき膜の代わりにスパッタ膜などの蒸着膜を層間樹脂絶縁層とビア導体用開口に形成することができる。
【0028】
(9)ついで、無電解銅めっき膜52上に所定パターンのメッキレジスト54を形成する。
【0029】
(10)次いで、市販の電解銅めっき液(例えば上村工業社製のめっき液)に浸漬する。無電解銅めっき膜をシード層として、メッキレジストから露出する無電解銅めっき膜上に電解銅めっき膜56を形成する(図4(C))。ビア導体用開口は電解めっき膜56で充填される。電解銅めっき膜の代わりに、電解ニッケル膜や電解半田膜を形成することができる。電解めっき膜の厚さは10〜20μmである。
【0030】
(11)メッキレジストを除去し、電解銅めっき膜間の無電解銅めっき膜52をエッチングで除去する。下層の第1層間樹脂絶縁層の第2面上に下層の第1導体回路58Uが形成される。第1開口51Uを充填する第1のビア導体60−1が下層の第1層間樹脂絶縁層に形成される。第1ビア導体60−1は表面の導体回路34Uまたは表面の被覆回路42Uと下層の第1導体回路58Uとを接続している。下層の第2層間樹脂絶縁層の第2面上に下層の第2導体回路58Lが形成される。第2開口51Lを充填する第2ビア導体60−2が下層の第2層間樹脂絶縁層に形成される。第2のビア導体60−2は裏面の導体回路34Lまたは裏面の被覆回路42Lと下層の第2導体回路58Lとを接続している。
【0031】
次に、下層の第1導体回路、下層の第2導体回路、第1ビア導体と第2ビア導体の表面を粗化する(図示せず)。
その後、下層の第1層間樹脂絶縁層50U、下層の第1導体回路58Uと第1のビア導体60−1上に層間樹脂絶縁層用樹脂フィルム(味の素社製:商品名;ABF−45SH)を積層する。同様に下層の第2層間樹脂絶縁層50L、下層の第2導体回路58Lと第2のビア導体60−2上に層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムを積層する。その後、層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムを硬化することで下層の層間樹脂絶縁層上に上層の層間樹脂絶縁層150U、150Lが形成される(図5(A))。
【0032】
下層の第1層間樹脂絶縁層50U上に形成されている層間樹脂絶縁層が上層の第1層間樹脂絶縁層150Uである。上層の第1層間樹脂絶縁層150Uは第1面と第1面とは反対側の第2面を有する。上層の第1層間樹脂絶縁層150Uの第1面は下層の第1層間樹脂絶縁層50Uの第2面と対向する面である。下層の第2層間樹脂絶縁層50L上に形成されている層間樹脂絶縁層が上層の第2層間樹脂絶縁層150Lである。上層の第2層間樹脂絶縁層150Lは第1面と第1面とは反対側の第2面を有する。上層の第2層間樹脂絶縁層150Lの第1面は下層の第2層間樹脂絶縁層50Lの第2面と対向する面である。
【0033】
(12)次に、CO2レーザにて、上層の層間樹脂絶縁層150U、150Lに、直径30〜150μmのビア導体用開口151U、151Lを形成する。上層の第1層間樹脂絶縁層150Uは上層の第1層間樹脂絶縁層150Uを貫通し下層の第1導体回路58Uまたは第1ビア導体60−1に至る第3開口151Uを有する。上層の第2層間樹脂絶縁層150Lは上層の第2層間樹脂絶縁層150Lを貫通し下層の第2導体回路58Lまたは第2ビア導体60−2に至る第4開口151Lを有する。上層の層間樹脂絶縁層150U、150Lの第2面を下層の層間樹脂絶縁層の第2面と同様に粗化する(図5(B))。
【0034】
その後、ビア導体用開口151U、151Lを有する基板を、中和溶液(シプレイ社製)に浸漬してから水洗いする。さらに、上層の層間樹脂絶縁層150U、150Lの表面およびビア導体用開口151U、151Lの内壁に触媒を付与する。次に、市販の無電解めっき水溶液中に、基板を浸漬して、層間樹脂絶縁層の表面とビア導体用開口の内壁に厚さ0.3〜3.0μmの無電解めっき膜152U、152Lを形成する(図5(C))。無電解めっき膜としては、銅やニッケルなどを例示することができる。本実施形態の無電解めっき膜は無電解銅めっき膜である。無電解めっき膜の代わりにスパッタ膜などの蒸着膜を層間樹脂絶縁層とビア導体用開口に形成することができる。
【0035】
ついで、無電解銅めっき膜152U、152L上に所定パターンのメッキレジスト154を形成する(図5(D))。図10(A)に上層の第2層間樹脂絶縁層150Lの第2面上に形成されている無電解めっき膜152Lを示す。この無電解めっき膜152L上に形成されるメッキレジスト154Lについて以下に説明する。
図10(A)はメッキレジスト154Lの断面を示す図であり、図10(B)はメッキレジスト154Lの平面を示す図である。図10(B)中の点線Lは上層の第2層間樹脂絶縁層の第2面における第4開口151Lの外周である。
【0036】
第4開口151Lと第4開口151Lの周辺部分Mはメッキレジスト154Lから露出している。図10(A)、(B)中のmは周辺部分Mの幅である。そして、周辺部分Mの外側に幅W1のメッキレジスト154L−1Wが形成されている。メッキレジスト154L−1Wの外側に幅Nの無電解めっき膜152LLがメッキレジスト154Lから露出している。幅Nの無電解めっき膜152LLの外側の無電解めっき膜152Lはメッキレジスト154Lで覆われている。mは10〜150μmであり、W1は10〜155μmであり、Nは10〜155μmである。
【0037】
図11(A)に上層の第1層間樹脂絶縁層150Uの第2面上の無電解めっき膜152Uを示す。この無電解めっき膜152U上に形成されるメッキレジスト154Uについて以下に説明する。
図11(A)はメッキレジスト154Uの断面を示す図であり、図11(B)はメッキレジスト154Uの平面を示す図である。図11(A)は、図11(B)中のA‘−A’部分の断面図である。図11(B)中の点線L2は上層の第1層間樹脂絶縁層の第2面における第3開口151Uの外周である。第3開口151Uの周囲の無電解めっき膜152Uはビアランド158ULを形成するためメッキレジスト154Uから露出している。図11(B)中の右側では、第3開口151U以外にメッキレジスト154Uから露出している略円形の露出部分E2が存在している。第3開口151Uを含む露出部分E1と露出部分E2間にメッキレジスト154Uから露出している略線状の露出部分E3が存在する。これらの露出部分に電解めっき膜が形成されることで、半田パッドや導体回路やビア導体やビアランド形成される。
【0038】
次いで、市販の電解銅めっき液(例えば上村工業社製のめっき液)に浸漬する。無電解銅めっき膜をシード層として、メッキレジスト154U、154Lから露出する無電解銅めっき膜上に電解銅めっき膜156を形成する(図6(A))。ビア導体用開口は電解めっき膜156で充填される。電解銅めっき膜の代わりに、電解ニッケル膜や電解半田膜を形成することができる。上層の層間樹脂絶縁層の第2面上の電解めっき膜の厚さは10〜20μmである。
【0039】
メッキレジスト154U、154Lを除去し、電解銅めっき膜156間の無電解銅めっき膜152をエッチングで除去する。上層の第1層間樹脂絶縁層の第2面上に上層の導体回路158Uとビアランド158ULが形成される(図6(B))。第3開口151Uを充填する第3ビア導体160−1が上層の第1層間樹脂絶縁層に形成される。第3ビア導体160−1は下層の第1導体回路58Uまたは第1ビア導体と上層の導体回路158Uまたはビアランド158ULとを接続している。ビアランド158ULは第3ビア導体の周囲に形成されていて第3ビア導体に直接接続している。ビアランド158ULは点線L2より外側の露出部分E1(図11(B)参照)に形成されている無電解めっき膜と電解めっき膜とからなるめっき膜である。上層の導体回路158Uは露出部分E3(図11(B)参照)の部分に形成される無電解めっき膜と電解めっき膜とからなるめっき膜である。パッドは露出部分E2(図11(B)参照)の部分に形成される無電解めっき膜と電解めっき膜とからなるめっき膜である。第3ビア導体の上面を第1の半田パッドに利用することができる。パッドの上面を第1の半田パッドとして利用することができる。導体回路やパッドの厚みは10〜20μmであって、ビア導体やパッドの上面と導体回路の上面は略同一平面に位置している。
【0040】
上層の第2層間樹脂絶縁層150Lの第2面上に第1のランド158L1と第2のランド158L2が形成される。第4開口151Lを充填する第4のビア導体160−2が上層の第2層間樹脂絶縁層150Lに形成される。第4ビア導体160−2は下層の第2導体回路158Lまたは第2ビア導体と第1のランド158L1とを接続している。第1のランド158L1は第4ビア導体160−2の周囲に形成されていて第4ビア導体に直接接続している。
【0041】
第3ビア導体160−1と第4ビア導体160−2の上面を半田パッドに用いる場合、第3ビア導体160−1と第4ビア導体160−2の上面が凹んでいることが好ましい(図6(B)参照)。窪み160iの深さKは1〜7μmが好ましい。窪みの深さKは窪みの底から第1のランドやビアランドの上面までの距離である(図12(A)参照)。半田パッドの上面が凹んでいるとリフローで半田バンプが所定の半田パッドから他の半田パッドへ移動し難い。また、半田バンプが半田パッドから脱落し難い。従って、半田パッド上に半田バンプを形成し易い。第2の半田パッドが窪みを有するビア導体からなると、周りに第2のランドを有するため、第2の半田パッド上に半田バンプを形成し易い。第2のランドがめっき膜からなるので、半田バンプは第2のランドに濡れ易い。第2のランドと半田バンプが接着するので、半田バンプが所定の第2の半田パッドから第2のランドを越えて他の半田パッドなどへ移動しがたい。
【0042】
(13)次に、上層の第1層間樹脂絶縁層150Uの第2面と上層の導体回路158Uと第3ビア導体160−1上に、市販のソルダーレジスト組成物70を15〜25μmの厚さで塗布し、乾燥処理する。引き続き、露光処置、現像処理と硬化処理を行う。開口71を有するソルダーレジスト層70が得られる(図6(C))。ソルダーレジスト層の厚みは15〜25μmである。開口71は第3ビア導体160−1の上面やパッドPの上面を露出する。開口71により、露出している第3ビア導体160−1の上面やパッドPの上面は半田パッド(第1の半田パッド)として機能する。ソルダーレジスト層に開口71を形成するために、上層の第2層間樹脂絶縁層の第2面に付着している触媒が除去されてもよい。
【0043】
上層の第2層間樹脂絶縁層150Lの第2面上にソルダーレジスト層は形成されていない。上層の第1層間樹脂絶縁層150U上にソルダーレジスト層を形成するとき、上層の第2層間樹脂絶縁層150Lの第2面上に保護フィルムを貼り付けることができる。保護フィルムを形成する場合、第2の半田パッドに金属膜を形成する前に保護フィルムを除去する必要がある。
【0044】
(14)次に、基板を、無電解ニッケルめっき液に浸漬して、第1の半田パッドの上面と第4のビア導体と第1のランドとからなる第2の半田パッドの表面(上面と側面)と第2のランドの表面(上面と側面)にニッケルめっき層72が形成される。ニッケル層の厚みは1〜5μmである。さらに、その基板を無電解金めっき液に浸漬して、ニッケルめっき層72上に、金めっき層74が形成される。金めっき層の厚さは0.03〜3μmである。第1の半田パッドと第2の半田パッドと第2のランド上にニッケルめっき層72と金めっき層74とからなる金属層を形成する(図6(D))。ニッケル層とニッケル層上のパラジウム層とパラジウム層上の金層とからなる金属層を半田パッド上と第2のランド上に形成することができる。金属層が形成される前に、ソルダーレジスト層上に保護膜を形成し、上層の第2層間樹脂絶縁層の第2面に付着している触媒が除去されてもよい。その後、ソルダーレジスト層上の保護膜が除去され、第1の半田パッドと第2の半田パッドと第2のランド上に金属層が形成される。触媒が付いている基板を過マンガン酸溶液に浸漬するこ
とで、触媒を除去することができる。
【0045】
(15)第2の半田パッドに対応する開口80aを有するマスク80を準備する。開口80aの径は第2の半田パッドの径より小さい。開口80aの径/第2の半田パッドの径は0.5〜0.9が好ましい。マスクの開口80aと第2の半田パッドとの位置合わせの精度を低くできる。第2の半田パッドと開口80aが位置合わせされると、マスク80は上層の第2樹脂絶縁層150L上に固定される(図7(A))。開口80aを介して第2のパッド上にフラックス82が塗布される。フラックス82は液状なので第2の半田パッド上を濡れ広がる。第2のパッドの周りにスペースSを介して第2のランドが存在するので、フラックス82は第2のランドを越えることが難しい。従って、フラックス82は図12(B)に示すように第2のランド158L2内にとどまりやすい。続いて、マスク80が除去される。半田ボールを搭載するためのマスク84を準備する。半田ボールを搭載するためのマスク84は第2の半田パッドに対応する位置に開口84aを有している。第2の半田パッドと半田ボールを搭載するためのマスクの開口が位置合わせされると、半田ボールを搭載するためのマスク84が上層の第2層間樹脂絶縁層上に固定される。
【0046】
その後、US2006/0157540(A1)に開示されている半田ボール搭載方法で第2の半田パッド上に半田ボールが搭載される。半田ボールはフラックスの接着力で第2の半田パッド上に固定される。この時、フラックス82が第2のランド内に形成されているので、第2の半田パッド以外の部分に半田ボールが搭載される確率が小さくなる。第2の半田パッドが窪みを有すると半田ボールが第2の半田パッドから転がり落ちがたくなる。また、フラックス82が第2のランドを越えがたくなる。その後、リフローすることで第2の半田パッド160R上に第2の半田バンプ78Lが形成される。上述の通り、第1実施形態のプリント配線板は第2のランドを有するため、上層の第2層間樹脂絶縁層の第2面上にソルダーレジスト層を有していなくても第2の半田パッド上に第2の半田バンプを形成することができる。
【0047】
次に、第1の半田パッドに対向する位置に開口を有するマスクがソルダーレジスト層70上に固定される。印刷法により、半田パッド上であってソルダーレジスト層の開口71内に半田ペーストが印刷される。次いで、リフローすることで第1の半田パッド上に第1の半田バンプ78Uが形成される(図8)。第1の半田バンプ78Uの融点は第2の半田バンプの融点より低い。第1の半田バンプと第2の半田バンプの組み合わせの例として、第1の半田バンプがSn/Pb、第2の半田バンプがSn/Agの組み合わせを挙げることができる。その他の例として、第1の半田バンプがSn/Pb、第2の半田バンプがSn/Cuの組み合わせを挙げることができる。
【0048】
第1実施形態のプリント配線板では、上層の第1層間樹脂絶縁層上にソルダーレジスト層70が形成されている。そのため、上層の第1層間樹脂絶縁層150U上に導体回路158Uを形成することが可能になる。
【0049】
第1実施形態のプリント配線板は、上層の第2層間樹脂絶縁層の第2面上にソルダーレジスト層を有することなく、第2の半田パッドの周りに第2のランドを有している。このため、第2の半田パッド上に高い半田バンプを形成することができる。図13(A)は第2の半田パッド160Rに高い半田バンプ78Lを形成している例を示している。図13(B)は第1の半田パッドに高い半田バンプ78Uを形成している例を示している。図13(A)の第2の半田パッドの径と図13(B)の第1の半田パッドの径は同じである。また、図13(A)の第2の半田バンプのボリュームと図13(B)の第1の半田バンプのボリュームは同じである。第1の半田パッド上の半田バンプの高さが高くなると、図13(B)に示すようにソルダーレジスト層の開口の角(X部分)で半田バンプが屈曲しやすい。それに対し、第2の半田パッド上の半田バンプは図13(B)に示す屈曲部を有しがたい。その結果、プリント配線板10と外部基板(マザーボード)94との間やプリント配線板10と電子部品との間に生じる応力を第2の半田バンプで吸収することができる。プリント配線板10と外部基板間94間やプリント配線板10と電子部品との間の接続信頼性が高くなる。半田パッド上に高い半田バンプを形成することに関し、第2の半田パッドは第1の半田パッドより有利である。
【0050】
半田バンプの径が半田パッドの径を越えると、上述の問題が発生しやすい。そのため、半田パッドの径より半田バンプの径が大きい場合、半田パッドとして第2の半田パッドを用いることが好ましい。
【0051】
第2の半田パッドの数は第1の半田パッドの数に比べ少ないので、上層の第2樹脂絶縁層の第2面上に導体回路を設ける必要性が少ない。そのため、上層の第2樹脂絶縁層の第2面上にソルダーレジスト層を形成する必要性は少ない。
【0052】
第1実施形態のプリント配線板では、最外層の層間樹脂絶縁層(上層の第2層間樹脂絶縁)150Lは無機粒子と樹脂とからなることが好ましい。
【0053】
第1の半田パッドや第2の半田パッドがビア導体からなり、ビア導体が窪み160iを有する場合、半田バンプと半田パッドとの密着性が高い。
【0054】
第1実施形態のプリント配線板とその製造方法によれば、第2の半田パッドの周囲に第2のランドが設けられているので、リフローの際に半田パッド上の半田バンプが第2のランドの外側へ移動し難い。そのため、ボリュームが多く、高さが高い半田バンプを狭ピッチな第2の半田パッドに設けても、半田バンプが他の半田バンプと短絡し難い。
【0055】
第1実施形態のプリント配線板の製造方法では、マスク80を介して半田ボールを第2のパッドに搭載している。そのため、半田の供給量が一定になり、均一な高さの半田バンプ78Lを形成することができる。
【0056】
[第1実施形態の第1改変例]
図9(B)は、第1実施形態の第1改変例に係るプリント配線板の第2の半田パッドと第2のランド158L2の平面図である。第1実施形態では、図9(A)に示すように第2のランド158L2は、他の導体回路や第1のランドから独立して形成されている。これに対して、第1実施形態の第1改変例では、第2の半田パッド160Rと第2のランド158L2が短絡用配線159aを介して接続されている。短絡用配線(短絡配線)はスペースに形成されている。第1実施形態の第1改変例に係るプリント配線板は、第1実施形態のプリント配線板に対し、さらに短絡配線159aを有している。短絡配線159a以外、第1実施形態の第1改変例に係るプリント配線板と第1実施形態のプリント配線板は同様である。
【0057】
第1実施形態の第1改変例のプリント配線板では、第2の半田パッド160Rとリング状の第2のランド158L2が短絡配線159aで接続されている。そのため、第2のランド158L2が孤立しない。第2のランドが独立して存在しない。第2の半田パッドを介して高周波の信号が伝送されても、第1実施形態の第1改変例のプリント配線板は第1実施形態のプリント配線板より信号にノイズがのりにくい。それ故、第1実施形態の第1改変例のプリント配線板は高速信号伝送に適するプリント配線板であると考えられる。
【0058】
[第1実施形態の第2改変例]
図14は、第1実施形態の第2改変例に係る多層プリント配線板1212の断面図である。
第1実施形態の第2改変例では、第2の半田バンプ78Lが第2の半田パッド160Rと第2のランド158L2上に形成されている。
第1実施形態では、マスク80の開口の位置と第2の半田パッドの位置を整合させ、半田ボールは第2のパッドに搭載される。それに対し、第1実施形態の第2改変例では、マスク80の開口の位置と第2の半田パッドの位置をずらしている(図15(A)参照)。マスク80の開口の位置と第2の半田パッドの位置をずらすことで、半田ボール86Dを第2の半田パッドと第2のランド上に搭載する(図15(B)参照)。その後、リフローすることで、第2の半田バンプが第2の半田パッドと第2のランド上に形成される。
【0059】
第1実施形態の第2改変例のプリント配線板では、第2の半田パッドと第2のランドが第2の半田バンプで接続されている。そのため、第2のランド158L2が孤立しない。第1実施形態の第1改変例と同様に第1実施形態の第2改変例のプリント配線板は高速信号伝送に適するプリント配線板である。また、第2の半田バンプは、第2の半田パッドのみならず第2のランド158L2とも接続しているので、第2の半田バンプと第2の半田パッド間の接続強度が高くなる。第1実施形態の第2改変例のプリント配線板が落下衝撃等を受けても半田バンプが脱落し難い。第2の半田バンプは主に第2の半田パッド上に形成されている。第1実施形態と同様に第2のランドが第2の半田パッドに伝わる衝撃波の強度を弱くすることができるので、第2の半田バンプと第2の半田パッド間の接合強度は第2のランドを有しないプリント配線板に比べ高いと考えられる。
第1実施形態とその改変例では、上層の第2層間樹脂絶縁層が最外の層間樹脂絶縁層に相当し、下層の第2層間樹脂絶縁層が絶縁層に相当する。
【0060】
[第1実施形態とその改変例の応用例]
図16に第1実施形態と第1実施形態の改変例の応用例を示す。第1実施形態とその改変例の応用例では上層の第1層間樹脂絶縁層側がC4面である。フリップチップでICチップ90などの電子部品が実装される側である。
図16は、図8に示す多層プリント配線板10にICチップなどの電子部品90が実装され、多層プリント配線板10がマザーボード94へ搭載されている状態を示している。
図16に示すように、多層プリント配線板10の上層の第1層間樹脂絶縁層側の半田バンプ78Uは、ICチップなどの電子部品90の電極92へ接続されている。一方、上層の第2層間樹脂絶縁層側の半田バンプ78Lは、マザーボード94のランド96へ接続されている。上層の第1層間樹脂絶縁層の第2面上に導体回路を形成することができるので、層間樹脂絶縁層の層数を多くすることなく端子数の多い電子部品を実装することができる。
【0061】
図示しないが、多層プリント配線板10とICチップとの間に封止樹脂が充填され、同様に、多層プリント配線板10とマザーボード94との間にも封止樹脂が充填される。
この応用例では、第4のビア導体160−2の直径Vは60〜150μmである。第1のランド158L1の幅(L1W)は10〜40μmであり、外径(L1D)は80〜200μmである。スペースSの幅Wは70〜130μmである。第2のランド158L2の幅(L2W)は70〜130μmである。隣接する第2のランド158L2間の間隔は70〜130μmである。
【0062】
[第2実施形態]
第2実施形態のプリント配線板を図17に示す。第2実施形態のプリント配線板の層間樹脂絶縁層の層数は第1実施形態のプリント配線板に比べ1層少ない。図3(A)に示されているコア基板300の両面に上層の層間樹脂絶縁層150(上層の第1層間樹脂絶縁層150U、上層の第2層間樹脂絶縁層150L)が積層される。その後、コア基板の導体回路34U、34Lや被覆回路42U、42Lに至るビア導体用開口151(第3開口151U、第4開口151L)が上層の層間樹脂絶縁層150U、150Lに形成される。その後、第1実施形態の図5(C)〜図7と同様な処理が実施される。第2実施形態では、第3ビア導体はコア基板の導体回路34Uや被覆回路42Uに繋がっている。また、第4ビア導体はコア基板の導体回路34Lや被覆回路42Lに繋がっている。第3ビア導体と第4ビア導体が上層の層間樹脂絶縁層上で繋がっている導体は第1実施形態と同様である。
第2実施形態では、第1実施形態の改変例と同様なプリント配線板を得ることができる。
【0063】
第2実施形態では、上層の第2層間樹脂絶縁層150Lが最外の層間樹脂絶縁層に相当し、コア基板の絶縁性基板30が絶縁層に相当する。第2実施形態のプリント配線板は第1実施形態のプリント配線板より薄い。
【0064】
[第3実施形態]
図18〜図20を参照して本発明の第3実施形態に係る多層プリント配線板について説明する。
第1実施形態に係る多層プリント配線板では、コア基板の両面に層間樹脂絶縁層及び導体回路が積層されている。これに対して、第3実施形態は、コア基板を有しない。本実施形態はコアレスの多層プリント配線板に関する。第3実施形態では、プリント配線板を薄くできる。
【0065】
図20(D)に示されているプリント配線板30000Aの製造方法を図18〜図20に示す。
(1)銅板1000を出発材料とする(図18(A))。
(2)銅板上にメッキレジスト1001を形成する(図18(B))。
(3)メッキレジストから露出する銅板上に電気めっきでニッケルめっき膜1002と銅めっき膜1003を形成する(図18(C))。
(4)メッキレジスト1001を除去する(図18(D))。
【0066】
(5)銅板1000と銅めっき膜上に層間樹脂絶縁層1004を形成する(図18(E))。層間樹脂絶縁層1004は第1面と第1面とは反対側の第2面とを有する。第1面は銅板と対向する面である。第1面は外部に露出している面である(図20参照)。
【0067】
(6)続いて、銅めっき膜1003に至るビア導体用開口1005を形成する(図18(F))。
(7)層間樹脂絶縁層1004の第2面とビア導体用開口1005の内壁とビア導体用開口1005から露出する銅めっき膜1003上に無電解めっき膜2300を形成する(図19(A))。
【0068】
(8)無電解めっき膜2300上に第1のランドと第2のランドを形成するためのメッキレジスト2301を形成する(図19(B))。第1のランドと第2のランドを形成するためのメッキレジスト2301のパターンは第1実施形態と同様である。
(9)メッキレジスト2301から露出する無電解めっき膜2300上に電解めっき膜2304を形成する。同時にビア導体用開口1005は電解めっき膜2304で充填される(図19(C)。
【0069】
(10)メッキレジスト2301を除去する。続いて、電解めっき膜2304から露出する無電解めっき膜を除去する(図19(D))。層間樹脂絶縁層1004の第2面上に第1のランド158L1と第2のランド158L2が形成される。第1のランドと銅めっき膜1003を接続するビア導体2302が形成される。第1のランド158L1とビア導体2302からなる第2の半田パッドが形成される。ビア導体2302の上面と第2のランドの上面は実質的に同一レベルである。層間樹脂絶縁層の第2面に付着している触媒を除去してもよい。
【0070】
(11)層間樹脂絶縁層1004の第2面とビア導体2302と第1のランド158L1と第2のランド158L2上に保護膜2303を貼り付ける(図20(A))。
(12)銅板1000をエッチング液で除去する(図20(B))。
(13)ニッケルめっき膜1002をエッチングで除去する。保護膜2303を除去する(図20(C))。電極の第1面が露出する。電極の第1面は第1の半田パッドとして機能する。
図20(C)に示されるコアレスタイプのプリント配線板30000が完成する。
(14)その後、第1実施形態と同様な方法で第1の半田パッドPに第1の半田バンプ78Uを形成し、第2の半田パッド160Rに第2の半田バンプ78Lを形成する(図20(D))。
【0071】
プリント配線板30000は第1面と第1とは反対側の第2面を有する層間樹脂絶縁層1004と、層間樹脂絶縁層1004の第1面側で層間樹脂絶縁層1004に埋まっている電極(銅めっき膜)1003と、層間樹脂絶縁層1004の第2面に形成されている第1のランド158L1と第2のランド158L2と、層間樹脂絶縁層1004を貫通し、第1のランド158L1と電極1003とを接続しているビア導体2302とからなる。そして、層間樹脂絶縁層1004の第1面から露出する電極1003の第1面1003Fは層間樹脂絶縁層1004の第1面から凹んでいる。ビア導体2302は電極1003の第2面上に形成されていて、電極の第1面と第2面は対向している。
【0072】
[第3実施形態の第1改変例]
第3実施形態の第1改変例のプリント配線板もコアレスタイプのプリント配線板である。
図21(E)に第3実施形態の第1改変例に関するプリント配線板4000が示されている。プリント配線板4000は第3実施形態と同様な方法で製造される。
第3実施形態の第1改変例の製造方法は第3実施形態の(1)〜(7)まで第3実施形態の製造方法と同様である。
【0073】
その後、無電解めっき膜2300上にビアランドと導体回路を形成するためのメッキレジスト3300を形成する(図21(A))。
メッキレジスト3300から露出する無電解めっき膜2300上に電解めっき膜3301を形成する(図21(B))。
メッキレジストを除去後、エッチング液で電解めっき膜から露出する無電解めっき膜2300を除去する。層間樹脂絶縁層1004の第2面に導体回路1008とビアランド1010が形成される。同時にビア導体用開口1005に下層のビア導体1009が形成される。下層のビア導体1009はビアランド1010と銅めっき膜1003を接続している(図21(C))。
【0074】
層間樹脂絶縁層1004の第2面とビア導体1009、導体回路1008、ビアランド1010上に上層の層間樹脂絶縁層1011を形成する。上層の層間樹脂絶縁層1011は第1面と第1面とは反対側の第2面とを有する。第1面は層間樹脂絶縁層1004の第2面と対向する面である。続いて、下層のビア導体1009に至る上層のビア導体用開口3306を形成する(図21(D))。
【0075】
その後、上層のビア導体用開口を有する上層の層間樹脂絶縁層に第3実施形態の(7)〜(12)と同様な処理を施す。コアレスタイプのプリント配線板4000が完成する(図21(E))。
(13)第3実施形態の(13)と同様な方法で第1の半田パッド(電極1003)に第1の半田バンプ78Uを、第2の半田パッド160Rに第2の半田バンプ78Lを形成する(図21(F))。
【0076】
第3実施形態のプリント配線板4000は、第1面と第1とは反対側の第2面を有する層間樹脂絶縁層1004と、層間樹脂絶縁層1004の第1面側で層間樹脂絶縁層1004に埋まっている電極(銅めっき膜)1003と、層間樹脂絶縁層1004の第2面に形成されているビアランド1010と導体回路1008と、層間樹脂絶縁層を貫通し、ビアランド1010と電極(銅めっき膜)1003を接続している下層のビア導体1009と、層間樹脂絶縁層1004の第2面とビア導体1009、導体回路1008、ビアランド1010上に形成されていて第1面と第1面とは反対側の第2面とを有する上層の層間樹脂絶縁層1011と、上層の層間樹脂絶縁層1011の第2面に形成されている第1のランド158L1と第2のビアランド158L2と、上層の層間樹脂絶縁層1011を貫通し第1のランド158L1と下層のビア導体1009とを接続している上層のビア導体1013とからなる。そして、層間樹脂絶縁層1004の第1面から露出する電極1003の第1面は層間樹脂絶縁層1004の第1面に対し凹んでいる。電極1003の第2面上に下層のビア導体1009が形成されていて、電極の第1面は第2面と対向する面である。層間樹脂絶縁層の第2面と上層の層間樹脂絶縁層の第1面が対向している。
層間樹脂絶縁層1004が絶縁層に相当し、上層の層間樹脂絶縁層1011が最外層の層間樹脂絶縁層に相当する。
【0077】
第3実施形態とその改変例のプリント配線板は厚い絶縁基板30を有しないので、第1実施形態のプリント配線板より強度が低い。第3実施形態とその改変例のプリント配線板は落下衝撃に弱いと考えられるが、第3実施形態とその改変例のプリント配線板は第2のランドを有しているので、半田バンプと第2の半田パッド間の接合強度が強くなる。第3実施形態とその改変例のプリント配線板は第2のランドを有すると共に電極1003(第1の半田パッド)が層間樹脂絶縁層1004から凹んでいる。そのため、第3実施形態とその改変例のプリント配線板では、プリント配線板の両面にソルダーレジスト層70を設けなくても、電極と第2の半田パッド上に半田バンプを形成することができる。第3実施形態とその改変例のプリント配線板の厚みを薄くすることができる。ソルダーレジスト層を有しないことから、第3実施形態とその改変例のプリント配線板は曲げに対して強くなる。また、変形しやすいので、電子部品とプリント配線板間の接続信頼性が高くなる。実装歩留まりが高くなる。
【0078】
第3実施形態とその改変例に用いられる層間樹脂絶縁層は無機粒子と樹脂とからなり、厚みは30μm〜180μmである。第1実施形態の絶縁基板30に比べ厚みが薄い。第3実施形態とその改変例のプリント配線板の強度を増すため、第3実施形態に用いられる層間樹脂絶縁層は、さらに、ガラスクロス等の補強材を有しても良い。
第1実施形態と同様に、第3実施形態とその改変例のプリント配線板の第2の半田パッドは窪み160iを有することが好ましい。
【0079】
[第3実施形態とその改変例の応用例]
[応用例1]
第3実施形態とその改変例のプリント配線板に第1の半田バンプを介してICチップなどの電子部品を搭載することができる。第3実施形態とその改変例のプリント配線板は第2の半田バンプを介してマザーボードと接続することができる。
【0080】
この応用例では、第2の半田パッドを構成するビア導体の直径Vは60〜150μmである。第1のランド158L1の幅は10〜40μmであり、外径は80〜200μmである。スペースSの幅Wは70〜130μmである。第2のランド158L2の幅は70〜130μmである。隣接する第2のランド158L2間の間隔は70〜130μmである。
電極間の間隔が狭い電子部品を搭載することができる。
【0081】
[応用例2]
第3実施形態とその改変例のプリント配線板に第2の半田バンプを介してICチップなどの電子部品を搭載することができる。第3実施形態とその改変例のプリント配線板は第1の半田バンプを介して第1の半田パッドとマザーボードを接続することができる。
【0082】
この応用例では、第4のビア導体の直径は40〜80μmであり、第1のランド158L1の幅は10〜20μmであり、外径は60〜120μmである。スペースSの幅Wは12〜20μmである。第2のランド158L2の幅は12〜20μmである。隣接する第2のランド158L2間の間隔は12〜20μmである。
第2のパッドは、その上に高い半田バンプを有することができる。そのため、電子部品の電極と第2の半田パッド間の距離が長くなるので、電子部品とプリント配線板間の応力が緩和されやすい。
【0083】
[第4実施形態]
図22を参照して本発明の第4実施形態に係る多層プリント配線板について説明する。
図22は第4実施形態の多層プリント配線板1313の断面図を示している。図23に第4実施形態の応用例を示す。図23は、図22に示す多層プリント配線板1313にICチップ90が実装され、マザーボード94へ搭載されている状態を示している。第4実施形態のプリント配線板1313は第1実施形態のプリント配線板と同様である。しかしながら、第1実施形態と第4実施形態ではマザーボードや電子部品に接続する半田バンプが異なる。それ以外、第1実施形態のプリント配線板と第4実施形態のプリント配線板は同様である。第4実施形態では、第2の半田パッド上にICなどの電子部品が実装される。また、第1の半田バンプ78Uを介してプリント配線板1313の第1の半田パッドとマザーボードが接続されている。上層の第2層間樹脂絶縁層150Lにソルダーレジストが形成されていない。上層の第2層間樹脂絶縁層150Lの第2面は第1のランド158L1と第2のランド158L2から露出している。一方、マザーボード94に接続する側の上層の第1層間樹脂絶縁層150Uの第2面上にソルダーレジスト70が形成されている。
【0084】
本実施形態では、第2の半田パッドにICチップが実装されるので、第4のビア導体の直径Vは40〜80μmである。第1のランド158L1の幅L1Wは10〜20μmであり、外径L1Dは60〜120μmである。スペースSの幅Wは12〜20μmである。第2のランド158L2の幅L2Wは12〜20μmである(図26参照)。隣接する第2のランド158L2間の間隔は12〜20μmである。
【0085】
[第4実施形態の改変例]
第4実施形態のプリント配線板において、第1のランドと第2のランドとを短絡配線159aや第2の半田バンプで接続することができる。本改変例のプリント配線板では、第2の半田パッド上にICチップを実装することができる。本改変例のプリント配線板では、第1の半田パッドにマザーボードを接続することができる。
【0086】
第4実施形態とその改変例では上層の第2層間樹脂絶縁層150Lが最外の層間樹脂絶縁層に相当し、下層の第2層間樹脂絶縁層50Lが絶縁層に相当する。第4実施形態とその改変例の応用例では上層の第2層間樹脂絶縁層側がC4面である。フリップチップでICチップ90などの電子部品が実装される側である。第4実施形態とその改変例では、高い第2の半田バンプでICチップを搭載できるので、ICチップなどの電子部品とプリント配線板間の応力を緩和することができる。
【0087】
[第5実施形態]
図24、図25を参照して本発明の第5実施形態に係る多層プリント配線板1515について説明する。
図24は第5実施形態の多層プリント配線板1515の断面図を示している。図25に第5実施形態の応用例を示す。図25は、図24に示す多層プリント配線板1515にICチップ90が実装され、マザーボード94へ搭載されている状態を示している。
第5実施形態の多層プリント配線板では、上層の第1層間樹脂絶縁層150Uの第2面と上層の第2層間樹脂絶縁層150Lの第2面上に第1のランド158L1と第2のランド158L2が形成されている。また、両面の最外の層間樹脂絶縁層上にソルダーレジストが形成されていない。
【0088】
[第5実施形態の改変例]
第5実施形態のプリント配線板において、第1のランド158L1と第2のランド158L2とを短絡配線159aや第2の半田バンプで接続することができる。
第5実施形態とその改変例では、上層の第1層間樹脂絶縁層150Uと上層の第2層間樹脂絶縁層150Lが最外の層間樹脂絶縁層に相当し、下層の第1層間樹脂絶縁層50Uと下層の第2層間樹脂絶縁層50Lが絶縁層に相当する。
【0089】
第5実施形態において、下層の第1層間樹脂絶縁層50Uと下層の第2層間樹脂絶縁層50Lを削除することができる。その場合、絶縁性基板30が絶縁層に相当し、上層の第2層間樹脂絶縁層150Lや上層の第1層間樹脂絶縁層150Uが最外の層間樹脂絶縁層に相当する。
第5実施形態とその改変例では、落下衝撃に対し、両側の半田バンプが半田パッドから脱落し難くなる。
【0090】
[第5実施形態の応用例]
第5実施形態とその改変例のプリント配線板では、上層の第1層間樹脂絶縁層側の第2の半田パッド上にICチップを実装することができる。また、上層の第2層間樹脂絶縁層側の第2の半田パッドを介してプリント配線板1515とマザーボードを接続することができる。
【0091】
第5実施形態とその改変例のプリント配線板では、第3のビア導体の直径Vは40〜80μmである。上層の第1層間樹脂絶縁層150Uの第2面に形成されている第1のランド158L1の幅L1Wは10〜20μmであり、外径は60〜120μmである。上層の第1層間樹脂絶縁層150Uの第2面に形成されている第1のランドと第2のランド間のスペースSの幅Wは12〜20μmである。上層の第1層間樹脂絶縁層150Uの第2面に形成されている第2のランド158L2の幅は12〜20μmである。上層の第1層間樹脂絶縁層150Uの第2面に形成されていて、隣接する第2のランド158L2間の間隔は12〜20μmである。第4のビア導体の直径Vは60〜150μmである。上層の第2層間樹脂絶縁層150Lの第2面に形成されている第1のランド158L1の幅L1Wは10〜40μmであり、外径L1Dは80〜200μmである。上層の第2層間樹脂絶縁層150Lの第2面に形成されている第1のランドと第2のランド間のスペースSの幅Wは70〜130μmである。上層の第2層間樹脂絶縁層150Lの第2面に形成されている第2のランド158L2の幅は70〜130μmである。上層の第2層間樹脂絶縁層150Lの第2面に形成されていて隣接する第2のランド158L2間の間隔は70〜130μmである。
いずれの実施形態のプリント配線板において、第1のランドと第2のランドとを短絡配線159aや第2の半田バンプで接続することができる。
【0092】
[第1実施例]
[コア基板の作成]
(1)銅張積層板30Aが出発材料である(図1(A))。銅張積層板30Aの絶縁性基板30はガラスクロスとエポキシ樹脂とからなり、厚さは0.6mmである。また、絶縁性基板30の両面に12μmの銅箔32がラミネートされている。まず、この銅張積層板30Aにドリルでスルーホール導体用の貫通孔(スルーホール導体用貫通孔)33を形成する(図1(B))。その後、無電解めっき処理および電解めっき処理を施し、貫通孔33の側壁にスルーホール導体36bを形成する(図1(C))。同時に、銅箔上に無電解めっき膜と電解めっき膜とからなる導電膜36が形成される。図1(C)に示すように、第1実施形態では、貫通孔34が金属で充填されておらず、第1実施例のプリント配線板はスルーホール導体の内側にスルーホール導体内貫通孔36Aを有している。
スルーホール導体36bの表面と導電膜36に粗化面を形成する(図1(D))。
【0093】
(2)次に、平均粒径5μmのガラス粒子を含む樹脂充填剤37をスルーホール導体内貫通孔36Aに充填し、乾燥、硬化させる(図2(A))。
引き続き、スルーホール導体内貫通孔36Aからはみ出ている樹脂充填剤37を研磨により除去し、基板30の表面を平坦にする(図示せず)。スルーホール導体内貫通孔36Aが樹脂充填剤37で充填される(図2(B))。
【0094】
(3)その後、基板30表面に、パラジウム触媒(アトテック社製)を付与し、無電解銅めっきを施すことにより、厚さ1.2μmの無電解銅めっき膜23を形成する(図2(C))。その後、電解銅めっきを施し、厚さ15μmの電解銅めっき膜24を形成する。無電解銅めっき膜23と電解銅めっき膜24とからなるめっき膜が銅箔32上に形成される。同時に、めっき膜はスルーホール導体36bと樹脂充填剤37を覆う(図2(D))。
【0095】
(4)めっき膜を有する基板3000の両面に、市販のドライフィルムを張り付ける。その後、フォトリソにより、めっき膜上にエッチングレジスト25を形成する(図2(E))。そして、エッチングレジストから露出するめっき膜、導電膜36、銅箔32を、エッチング液にて溶解除去し、さらに、エッチングレジストを除去する。絶縁性基板30上に表面の導体回路34Uと裏面の導体回路34Lが形成される。同時に、充填剤37を覆う表面の被覆回路42Uと裏面の被覆回路42Lが形成される(図3(A))。絶縁性基板30と表面の導体回路34Uと裏面の導体回路34Lとスルーホール導体36bと被覆回路42とからなるコア基板300が完成する。そして、表面の導体回路34U、裏面の導体回路34L、裏面の被覆回路42Lおよび表面の被覆回路42Uの表面を粗化し、粗化面を形成する(図示せず)。
【0096】
[ビルドアップ層の形成]
(1)コア基板300の両面に、層間樹脂絶縁層用樹脂フィルム(味の素社製:商品名;ABF−45SH)を積層する。その後、層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムを硬化することでコア基板の両面に下層の層間樹脂絶縁層50U、50Lが形成される(図2(B))。コア基板の表面に形成されている下層の層間樹脂絶縁層が下層の第1層間樹脂絶縁層50Uである。下層の第1層間樹脂絶縁層50Uは第1面と第1面とは反対側の第2面を有する。下層の第1層間樹脂絶縁層50Uの第1面はコア基板と対向する面である。
【0097】
コア基板の裏面に形成されている下層の層間樹脂絶縁層が下層の第2層間樹脂絶縁層50Lである。下層の第2層間樹脂絶縁層50Lは第1面と第1面とは反対側の第2面を有する。下層の第1層間樹脂絶縁層50Lの第1面はコア基板と対向する面である。
【0098】
(2)次に、CO2 ガスレーザにて、下層の層間樹脂絶縁層50に、直径60μmのビア導体用開口51を形成する(図3(C))。下層の第1層間樹脂絶縁層50Uは下層の第1層間樹脂絶縁層50Uを貫通し表面の導体回路34Uまたは表面の被覆回路42Uに至る第1開口51Uを有する。下層の第2層間樹脂絶縁層50Lは下層の第2層間樹脂絶縁層50Lを貫通し裏面の導体回路34Lまたは裏面の被覆回路42Lに至る第2開口51Lを有する。ビア導体用開口51を有する基板を、60g/lの過マンガン酸を含む80℃の溶液に10分間浸漬し、ビア導体用開口51U、51Lの内壁を含む下層の層間樹脂絶縁層50U、50Lの表面に粗面を形成する(図4(A))。
【0099】
(3)次に、ビア導体用開口51を有する基板を、中和溶液(シプレイ社製)に浸漬してから水洗いする。さらに、層間樹脂絶縁層50の表面およびビア導体用開口51の内壁に触媒を付与する(図示せず)。
【0100】
(4)次に、市販の無電解めっき水溶液中に、基板を浸漬して、層間樹脂絶縁層の表面とビア導体用開口の内壁に厚さ0.3〜3.0μmの無電解銅めっき膜52を形成する(図4(B))。
(5)ついで、無電解銅めっき膜52上に所定パターンのメッキレジスト54を形成する。
【0101】
(6)次いで、市販の電解銅めっき液(例えば上村工業社製のめっき液)に浸漬する。無電解銅めっき膜をシード層として、メッキレジストから露出する無電解銅めっき膜上に電解銅めっき膜56を形成する(図4(C))。ビア導体用開口は電解銅めっき膜56で充填される。電解めっき膜の厚さは12μmである。
【0102】
(7)メッキレジストを除去し、電解銅めっき膜間の無電解銅めっき膜52をエッチングで除去する。下層の第1層間樹脂絶縁層の第2面上に下層の第1導体回路58Uが形成される。下層の第1層間樹脂絶縁層にビア導体用開口51Uを充填する第1のビア導体60−1が形成される。第1のビア導体60−1は表面の導体回路34Uまたは表面の被覆回路42Uと下層の第1導体回路58Uとを接続している。
【0103】
下層の第2層間樹脂絶縁層の第2面上に下層の第2導体回路58Lが形成される。下層の第2層間樹脂絶縁層に第2開口51Lを充填する第2のビア導体60−2が形成される。第2ビア導体60−2は裏面の導体回路34Lまたは裏面の被覆回路42Lと下層の第2導体回路58Lとを接続している。
次に、下層の第1導体回路、下層の第2導体回路、第1のビア導体と第2のビア導体の表面を粗化する(図示せず)。
【0104】
(8)その後、下層の第1層間樹脂絶縁層、下層の第1導体回路と第1のビア導体上に層間樹脂絶縁層用樹脂フィルム(味の素社製:商品名;ABF−45SH)を積層する。下層の第2層間樹脂絶縁層、下層の第2導体回路と第2のビア導体上に層間樹脂絶縁層用樹脂フィルム(味の素社製:商品名;ABF−45SH)を積層する。その後、層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムを硬化することで下層の層間樹脂絶縁層50U、50L上に上層の層間樹脂絶縁層150U、150Lが形成される(図5(A))。
【0105】
下層の第1層間樹脂絶縁層50U上に形成されている上層の層間樹脂絶縁層が上層の第1層間樹脂絶縁層150Uである。上層の第1層間樹脂絶縁層150Uは第1面と第1面とは反対側の第2面を有する。上層の第1層間樹脂絶縁層150Uの第1面は下層の第1層間樹脂絶縁層50Uの第2面と対向する面である。
下層の第2層間樹脂絶縁層50L上に形成されている上層の層間樹脂絶縁層が上層の第2層間樹脂絶縁層150Lである。上層の第2層間樹脂絶縁層150Lは第1面と第1面とは反対側の第2面を有する。上層の第2層間樹脂絶縁層150Lの第1面は下層の第2層間樹脂絶縁層50Lの第2面と対向する面である。
【0106】
(9)次に、CO2 レーザにて、上層の層間樹脂絶縁層150U、150Lにビア導体用開口151U、151Lを形成する(図5(B))。上層の第1層間樹脂絶縁層150Uは上層の第1層間樹脂絶縁層150Uを貫通し下層の第1導体回路58Uまたは第1ビア導体60−1に至る第3開口151Uを有する。ビア導体用開口151Uの直径は60μmである。上層の第2層間樹脂絶縁層150Lは上層の第2層間樹脂絶縁層150Lを貫通し下層の第2導体回路58Lまたは第2ビア導体60−2に至る第4開口151Lを有する。ビア導体用開口151Lの直径は120μmである。
(10)上層の層間樹脂絶縁層150U、150Lの表面を下層の層間樹脂絶縁層の表面と同様に粗化する(図5(B))。
【0107】
(11)その後、ビア導体用開口151を有する基板を、中和溶液(シプレイ社製)に浸漬してから水洗いする。さらに、上層の層間樹脂絶縁層150U、150Lの表面およびビア導体用開口151U、151Lの内壁に触媒を付与する。
(12)次に、市販の無電解めっき水溶液中に、基板を浸漬して、層間樹脂絶縁層の表面とビア導体用開口の内壁に厚さ0.3〜3.0μmの無電解銅めっき膜152U、152Lを形成する(図5(C))。
【0108】
(13)図10に示すよう、上層の第1層間樹脂絶縁層150Uの無電解銅めっき膜152U上に第1のランドと第2のランドを形成するための所定パターンを有するメッキレジスト154Uが形成される。また、上層の第2層間樹脂絶縁層150Lの無電解銅めっき膜152L上に第1のランドと第2のランドを形成するための所定パターンを有するメッキレジスト154Lが形成される。
上層の第1層間樹脂絶縁層150Uの第2面上におけるmは22μmであり、W1は12μmであり、Nは20μmでである。
上層の第2層間樹脂絶縁層150Lの第2面上におけるmは22μmであり、W1は105μmであり、Nは105μmである。
【0109】
(14)次いで、市販の電解銅めっき液(上村工業社製)に浸漬する。無電解銅めっき膜をシード層として、メッキレジストから露出する無電解銅めっき膜上に電解銅めっき膜156を形成する。ビア導体用開口151は電解めっき膜156で充填される。上層の層間樹脂絶縁層上の電解めっき膜の厚さは12μmである。
【0110】
(15)メッキレジストを除去し、電解銅めっき膜156間の無電解銅めっき膜152U、152Lをエッチングで除去する。上層の第1層間樹脂絶縁層150Uの第2面と上層の第2層間樹脂絶縁層の第2面上に第1のランド158L1と第2のランド158L2が形成される(図24参照)。第3のビア導体160−1と第1のランドとからなる第2−1の半田パッドが形成される。第4のビア導体160−2と第1のランドとからなる第2−2の半田パッドが形成される。第1のランドと第2のランドを有する基板は、60g/lの過マンガン酸水溶液に浸漬される。水溶液の温度は60℃で、浸漬される時間は1分である。上層の層間樹脂絶縁層の第2面に付着している触媒が除去される。
【0111】
上層の第1層間樹脂絶縁層150Uの第2面上における第1のランド158L1の幅L1Wは20μmであり、スペースSの幅Gは16μmであり、第2のランドの幅は16μmである。隣接する第2のランド間の間隔は16μmである。
上層の第2層間樹脂絶縁層150Lの第2面上における第1のランド158L1の幅L1Wは20μmであり、スペースSの幅Gは100μmであり、第2のランドの幅は100μmである。隣接する第2のランド間の間隔は100μmである。
第3のビア導体160−1と第4のビア導体160−2の上面は凹んでいる。窪み160iの深さは5μmである。
【0112】
(16)次に、基板を、無電解ニッケルめっき液に浸漬して、第2−1の半田パッドの表面(上面と側面)と第2−2半田パッドの表面(上面と側面)と第2のランドの表面(上面と側面)に厚さ5μmのニッケルめっき層72を形成する。さらに、その基板を無電解金めっき液に浸漬して、ニッケルめっき層72上に、厚さ0.03μmの金めっき層74を形成する(図24)。
【0113】
(17)第2−2の半田パッドに対応する開口80aを有するマスク80を準備する。開口80aの径は120μmであり、第2−2の半田パッドの径は160μmである。第2−2の半田パッドと開口80aが位置合わせされ、マスク80は上層の第2樹脂絶縁層上に置かれる(図7(A))。マスク80の開口80aを介して第2のパッド上にフラックス82が塗布される。続いて、マスク80を上層の第2樹脂絶縁層から取り外す(図7(B)。半田ボールを搭載するためのマスクを準備する。半田ボールを搭載するためのマスクは第2−2の半田パッドに対応する位置に開口を有している。第2の半田パッドと半田ボールを搭載するためのマスクの開口84aが位置合わせされ、半田ボール搭載用のマスク84が上層の第2樹脂絶縁層上に固定される(図7(C))。その後、US2006/0157540(A1)に開示されている半田ボール搭載方法で第2−2の半田パッド上にSn/Agからなる半田ボールが搭載される。半田ボールを搭載するためのマスクが基板から取り外される。リフローすることで第2−2の半田パッド上に第2の半田バンプ78Lが形成される。
【0114】
(18)次に、第2−1の半田パッドに対向する位置にマスク80が位置あわせされる。その後、上層の第1層間樹脂絶縁層の第1面上にマスクが固定される。マスク80の開口の径は60μmであり、第2−1の半田パッドの径は100μmである。マスク80の開口80aを介して、第2−1の半田パッド上にフラックスが塗布される。続いて、マスク80を上層の第1樹脂絶縁層から取り外す。半田ボールを搭載するためのマスクを準備する。半田ボールを搭載するためのマスクは第2−1の半田パッドに対応する位置に開口を有している。第2−1の半田パッドと半田ボールを搭載するためのマスクの開口が位置合わせされ、半田ボール搭載用のマスクが上層の第1樹脂絶縁層上に置かれる。その後、US2006/0157540(A1)に開示されている半田ボール搭載方法で第2−1の半田パッド上にSn/Pbからなる半田ボールが搭載される。半田ボールを搭載するためのマスクが基板から取り外される。リフローすることで第2−1の半田パッド上に第1の半田バンプが形成される。図24に示されているプリント配線板1515が完成する。
【0115】
(第2実施例)
[コア基板の形成方法]
コア基板の形成方法は第1実施例と同様である。
【0116】
[ビルドアップ層の形成]
ビルドアップ層の形成方法は第1実施例と類似している。第2実施例のプリント配線板は、上層の層間樹脂絶縁層上に無電解銅めっき膜が形成されるまで、第1実施例と同様に製造される。上層の第2層間樹脂絶縁層上に形成されている無電解銅めっき膜上に第1のランドと第2のランドを形成するための所定パターンを有するメッキレジストが形成される(図10参照)。上層の第2層間樹脂絶縁層150Lの第2面上におけるmは22μmであり、W1は105μmであり、Nは105μmである。
【0117】
上層の第1層間樹脂絶縁層上に形成されている無電解銅めっき膜上にビアランドと導体回路とパッドを形成するための所定パターンを有するメッキレジストが形成される(図11参照)。上層の第1層間樹脂絶縁層150Uの第2面上におけるXは22μmである。
次いで、市販の電解銅めっき液(上村工業社製)に浸漬する。無電解銅めっき膜をシード層として、メッキレジストから露出する無電解銅めっき膜上に電解銅めっき膜156を形成する(図6(A))。ビア導体用開口は電解めっき膜156で充填される。上層の層間樹脂絶縁層上の電解めっき膜の厚さは12μmである。
【0118】
メッキレジストを除去し、電解銅めっき膜156間の無電解銅めっき膜152をエッチングで除去する。上層の第1層間樹脂絶縁層上にビアランドと導体回路とパッドが形成される。ビアランドの幅は20μmであり、外径は100μmである。上層の第2層間樹脂絶縁層上に第1のランド158L1と第2のランド158L2が形成される。第4のビア導体と第1のランドとからなる第2の半田パッドが形成される。第1のランド158L1の幅L1Wは20μmである。第1のランドの外径L1Dは180μmである。スペースSの幅Gは100μmである。第2のランドの幅は100μmである。第4のビア導体の上面は凹んでいる。窪み160iの深さは2μmである。
【0119】
次に、上層の第1層間樹脂絶縁層の第2面と第3のビア導体とビアランドと導体回路とパッドを覆うソルダーレジスト層70を形成する。第3のビア導体の上面とパッドの上面を露出させる開口がレーザでソルダーレジスト層に形成される。ソルダーレジスト層から露出している第3のビア導体の上面やパッドの上面が第1の半田パッドになる。上層の第2層間樹脂絶縁層の第2面にウエットタイプのブラスト処理を施す。上層の第2層間樹脂絶縁層の第2面から触媒が除去される。
第1の半田パッドの表面と第2の半田パッドの表面と第2のランドの表面にNi/Pd/Auからなる金属層が形成される。
【0120】
第2の半田パッド上に第1実施例の(17)に記載されている方法で第2の半田バンプが形成される。
第1の半田パッド上にSn/Pbからなる半田ペーストが印刷され、リフローされることで第1の半田パッド上にSn/Pbからなる第1の半田バンプが形成される。図8に示されているプリント配線板10が完成する。
【0121】
[第3実施例]
(1)0.3mmの銅板1000を準備する(図18(A))。
(2)銅板上に電極を形成するための所定パターンを有するメッキレジスト1001を形成する(図18(B))。
(3)銅板をシード層として、メッキレジストから露出する銅板上にニッケルめっき膜1002を形成する。続いて、ニッケルめっき膜上に銅めっき膜1003を形成する(図18(C))。ニッケル膜の厚みは5μmであり、銅めっき膜の厚みは15μmである。
【0122】
(4)メッキレジスト1001を除去する(図18(D))。
(5)銅板と銅めっき膜上に第1面と第1面とは反対側の第2面とを有する層間樹脂絶縁層1004(味の素社製:商品名;ABF−45SH)を形成する。第1面は銅板と対向する面である(図18(E))。
(6)層間樹脂絶縁層1004に銅めっき膜に至る開口1005を形成する(図18(F))。開口の径(層間樹脂絶縁層の第2面での直径)は50μmである。
【0123】
(7)無電解銅めっき液(上村工業社製のスルカップ)に層間樹脂絶縁層1004の表面(開口1005の内壁が含まれる)と開口1005により露出している電極を浸漬する。層間樹脂絶縁層1004の表面(開口1005の内壁が含まれる)と開口1005により露出している電極に1.2μmの無電解銅めっき膜2300が形成される(図19(A))。
【0124】
(8)無電解銅めっき膜2300上に第1のランドと第2のランドを形成するためのメッキレジスト2301を形成する(図19(B))。
(9)メッキレジスト2301から露出する無電解銅めっき膜を硫酸銅めっき液に浸漬する。無電解銅めっき膜2300をシード層として、メッキレジスト2301から露出する無電解銅めっき膜上に電解銅めっき膜2304を形成する(図19(C))。同時に、開口1005は電解銅めっき膜で充填されビア導体2302が形成される。層間樹脂絶縁層1004上の電解銅めっき膜2302の厚さは12μmである。
【0125】
(11)めっきレジスト1001が除去される。電解銅めっき膜間の無電解銅めっき膜がエッチング液で除去されることで、層間樹脂絶縁層1004の第2面上に第1のランド158L1と第2のランド158L2が形成される(図19(D))。第1のランドの外径は80μmであり、第2のランドの内径は110μmであり、第2のランドの外径は140μmである。スペースSの幅Wは15μmである。第2のランドの上面とビア導体2302の上面は略同一レベルである。第1のランド158L1とビア導体2302とからなる第2の半田パッドが得られる。過マンガン酸水溶液に浸漬することで触媒が除去される。
【0126】
(12)層間樹脂絶縁層の第2面と第2の半田パッドと第2のランドをPETフィルム2303で覆う(図20(A))。
(13)銅板1000をエッチング液(日本化学産業社製のCopper selective etchant-CS series)で選択的にエッチングする(図20(B))。
(14)ニッケルめっき膜1002をエッチング液(日本化学産業社製のNickel selective etchant-NC)で選択的にエッチングする。PETフィルム2303を剥がすことで図20(C)に示されるプリント配線板30000が完成する。
【0127】
(15)US2006/0157540(A1)に開示されている半田ボール搭載方法で第2の半田パッドと電極上に半田バンプを形成する。第2の半田パッド160R上に形成される半田バンプが第2の半田バンプ78Lであり、電極1003上に形成される半田バンプが第1の半田バンプ78Uである。
【0128】
[第4実施例]
第4実施例は第3実施例に類似しているプリント配線板である。第3実施例の(1)〜(7)の手順は同様である。
その後、無電解銅めっき膜2300上にビアランドと導体回路を形成するためのメッキレジスト3300を形成する(図21(A))。
【0129】
無電解めっき膜2300をシード層として、メッキレジスト3300から露出する無電解銅めっき膜上に電解銅めっき膜3301を形成する(図21(B))。同時に、開口1005は電解銅めっき膜で充填され下層のビア導体1009が形成される。下層の層間樹脂絶縁層1004上の電解銅めっき膜3301の厚さは12μmである。
メッキレジスト3300を除去する。電解銅めっき膜3301から露出している無電解銅めっき膜を除去する(図21(C))。下層の層間樹脂絶縁層1004の第2面上にビアランド3301と下層の導体回路1008が形成される。
【0130】
下層の層間樹脂絶縁層1004の第2面と下層のビア導体1009とビアランド3301と下層の導体回路1008上に上層の層間樹脂絶縁層1011を形成する。上層の層間樹脂絶縁層1101は第1面と第1面とは反対側の第2面を有する。上層の層間樹脂絶縁層1101の第1面は下層の層間樹脂絶縁層1004の第2面と対向している。上層の層間樹脂絶縁層を貫通し、下層のビア導体1109に至る上層の開口3336を上層の層間樹脂絶縁層に形成する(図21(D))。
【0131】
以降、第3実施例の(7)〜(14)の処理が施され、図21(E)に示されるプリント配線板4000が完成する。
【0132】
[応用例3]
第1実施例や第2実施例、第3実施例、第4実施例で得られるプリント配線板は、第1の半田バンプを介してICチップなどの電子部品を実装することができ、第2の半田のバンプを介してマザーボードに搭載されることができる。
【0133】
[応用例4]
第1実施例や第2実施例、第3実施例、第4実施例で得られるプリント配線板は、第2の半田バンプを介してICチップなどの電子部品を実装することができ、第1の半田のバンプを介してマザーボードに搭載されることができる。
多端子の電子部品を搭載する観点からすると、応用例1は応用例2より優れ、応用例3は応用例4より優れている。
【符号の説明】
【0134】
30 基板
36 スルーホール
40 樹脂充填層
50 層間樹脂絶縁層
58 導体回路
60 バイアホール
70 ソルダーレジスト層
159 ダミーパターン
159a 短絡用配線
160D バイアホール
160R ランド
160i 窪み
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品あるいは外部基板と接続するための半田パッドを有するプリント配線板、及び、該プリント配線板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子部品あるいは外部基板と接続するために、プリント配線板の半田パッド上に半田バンプが設けられる。半田バンプは、ソルダーレジスト層の開口により露出される半田パッド上に、半田ボールを搭載し、半田ボールをリフローすることで形成されている。
【0003】
特許文献1は、円形の導体14−2とその導体14−2を囲むスリット8と、スリットを囲むリング状の導体14−1からなるパッド(第4のパッド14)を開示している(図2参照)。パッドの一部である導体14−1は表面パターンを介して第1のパッド11に繋がっている。そして、第1のパッド11は、表面パターン17とビア導体を介して第1の内層パターン21に繋がっている。一方、パッドの一部である導体14−2はビア導体を介して第3の内層パターン23に繋がっている。第4のパッド14の目的は、入出力信号の切り替えによる改造作業を容易にすることにある。例えば、最初は第1のパッド11と第1の内層パターンが表面パターン17により導通している。このとき、導体14−1と導体14−2とは導通していない。回路網の変更が必要になったときに、表面パターン17を切断し、導体14−1と導体14−2とをスダッドバンプ6で接続する。これにより、第1のパッド11は第1の内層パターンから第3の内層パターンに繋がるので、入出力信号の切り替えが完了する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平04−320093号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、入出力信号の切り替えのため、一部の導体回路が切断される。導体回路を切断するとき、導体回路の下の絶縁層も切断されると考えられる。そのため、特許文献1のプリント配線板は絶縁層にクラックが発生しやすいと考えられる。
特許文献1では、ソルダーレジスト層で最外層の導体回路が被覆されていない。特許文献1が、ソルダーレジスト層を設けない理由は、表面の導体回路の切断を容易にするためと考えられる。
【0006】
本発明の目的は、半田バンプをファインピッチに配置することができるプリント配線板、及び、該プリント配線板の製造方法を提供することである。また、半田パッドと半田バンプ間の接続信頼性が高いプリント配線板を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1面と該第1面とは反対側の第2面とを有する絶縁層と、前記絶縁層の第2面上の導体回路と、前記絶縁層の第2面と前記導体回路上に形成されていて、第1面と第1面とは反対側の第2面を有すると共にビア導体用の開口を有する最外の層間樹脂絶縁層と、前記最外の層間樹脂絶縁層の第2面上に形成されていて前記ビア導体用の開口の周囲に形成されている第1のランドと、前記最外の層間樹脂絶縁層のビア導体用の開口に形成されていて前記絶縁層の第2面上の導体回路と前記第1のランドとを接続しているビア導体と、前記最外の層間樹脂絶縁層の第2面上に形成されていて前記第1のランドの周囲にスペースを介して形成されている第2のランドと、前記ビア導体と前記第1のランドとからなる第2の半田パッド上に形成されている第2の半田バンプとからなるプリント配線板であって、
前記第1のランドと前記ビア導体は直接接続されていて、前記絶縁層の第2面と前記最外の層間樹脂絶縁層の第1面は対向している。
【発明の効果】
【0008】
プリント配線板を搭載する器機の落下等によりプリント配線板が衝撃を受ける場合がある。その時、プリント配線板の表面上を振動が伝わると考えられる。本実施形態のプリント配線板は、第2の半田パッドの周囲にリング状の第2のランドを有している。そのため、振動の伝達を第2のランドが食い止め、内側の半田パッド(第2の半田パッド)へ伝わる振動の振幅を小さくすることができると考えられる。このため、落下等の衝撃により、半田パッドから半田バンプが取れる可能性を下げ、接続信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】(A)〜(D)は第1実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法を示す工程図である。
【図2】(A)〜(E)は第1実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法を示す工程図である。
【図3】(A)〜(C)は第1実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法を示す工程図である。
【図4】(A)〜(D)は第1実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法を示す工程図である。
【図5】(A)〜(D)は第1実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法を示す工程図である。
【図6】(A)〜(D)は第1実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法を示す工程図である。
【図7】(A)〜(D)は第1実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法を示す工程図である。
【図8】第1実施形態の多層プリント配線板の断面図が示されている。
【図9】図9(A)は、第1実施形態の第2の半田パッドと第2のランドの平面図であり、図9(B)は、短絡配線を示す図である。
【図10】第1と第2のランドを形成するためのメッキレジストが示されている図である。
【図11】ビアランドを形成するためのメッキレジストが示されている図である。
【図12】図12(A)は窪みの拡大図であり、図12(B)は第2の半田パッドにフラックスが塗布されている状態を示す拡大図である。
【図13】第1の半田パッドと第2の半田パッドに高い半田バンプが形成されている状態を示している図である。
【図14】第1実施形態の第2改変例に係る多層プリント配線板の断面図が示されている。
【図15】第1実施形態の第2改変例に係る半田バンプの形成方法が示されている図である。
【図16】図8に示す多層プリント配線板にICチップが実装されている状態を示す断面図である。
【図17】第2実施形態に係るプリント配線板が示されている断面図である。
【図18】第3実施形態に係るプリント配線板の製造方法が示されている工程図である。
【図19】第3実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法が示されている工程図である。
【図20】第3実施形態に係る多層プリント配線板とその製造方法が示されている工程図である。
【図21】第3実施形態の第1改変例に係る多層プリント配線板とその製造方法が示されている工程図である。
【図22】第4実施形態の多層プリント配線板を示す断面図である。
【図23】図22に示す多層プリント配線板にICチップが実装されている状態を示す断面図である。
【図24】第5実施形態の多層プリント配線板の断面図が示されている。
【図25】図24に示す多層プリント配線板にICチップが実装されている状態を示す断面図である。
【図26】第1のランドと第2のランドとスペースの拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態に係る製造方法により製造される多層プリント配線板10の構成について、図8を参照して説明する。図8は多層プリント配線板10の断面図を示している。図8に示すように、多層プリント配線板10では、絶縁性基板30の表面(第1面)と裏面(第2面)に導体回路34U、34Lが形成されている。絶縁性基板30の表面の導体回路34Uと裏面の導体回路34Lとはスルーホール導体36bを介して接続されている。絶縁性基板30の両面に、下層の層間樹脂絶縁層50U、50Lが形成されている。
【0011】
下層の層間樹脂絶縁層50U、50Lには下層の第1層間樹脂絶縁層50Uと下層の第2層間樹脂絶縁層50Lがある。第1面と第2面を有する下層の第1層間樹脂絶縁層50Uがコア基板の表面上に形成されていて、第1面と第2面を有する下層の第2層間樹脂絶縁層50Lはコア基板の裏面上に形成されている。第1面はコア基板と対向する面であり、第2面は第1面と反対側の面である。下層の第1層間樹脂絶縁層50U上に下層の第1導体回路58Uが形成され、下層の第2層間樹脂絶縁層50L上に下層の第2導体回路58Lが形成されている。下層の第1層間樹脂絶縁層50Uは、下層の第1層間樹脂絶縁層を貫通する第1開口51Uを有し、下層の第2層間樹脂絶縁層50Lは、下層の第2層間樹脂絶縁層を貫通する第2開口51Lを有する。第1開口51Uを充填している第1ビア導体60−1がコア基板上の導体回路34Uと下層の第1層間樹脂絶縁層50U上の導体回路58Uを接続している。第2開口51Lを充填している第2ビア導体60−2がコア基板上の導体回路34Lと下層の第2層間樹脂絶縁層50L上の導体回路58Lを接続している。下層の第1層間樹脂絶縁層50Uと導体回路58U上に第1面と第2面を有する上層の第1層間樹脂絶縁層150Uが形成され、下層の第2層間樹脂絶縁層50Lと導体回路58L上に第1面と第2面を有する上層の第2層間樹脂絶縁層150Lが形成されている。
【0012】
上層の第1層間樹脂絶縁層150Uの第1面は下層の第1層間樹脂絶縁層50Uの第2面と対向する面であり、上層の第1層間樹脂絶縁層150Uの第2面は上層の第1層間樹脂絶縁層の第1面と反対側の面である。上層の第2層間樹脂絶縁層150Lの第1面は下層の第2層間樹脂絶縁層の第2面と対向する面であり、上層の第2層間樹脂絶縁層150Lの第2面は上層の第2層間樹脂絶縁層の第1面と反対側の面である。上層の第1層間樹脂絶縁層150Uの第2面上にビアランド158ULと上層の導体回路158Uが形成されている。上層の第1層間樹脂絶縁層150Uは上層の第1層間樹脂絶縁層を貫通する第3開口151Uを有し、上層の第2層間樹脂絶縁層150Lは上層の第2層間樹脂絶縁層を貫通する第4開口151Lを有する。第3開口151Uを充填し、下層の第1導体回路58Uまたは第1のビア導体60−1とビアランド158ULまたは上層の導体回路158Uを接続している第3ビア導体160−1が上層の第1層間樹脂絶縁層150Uに形成されている。ビアランド158ULは第3ビア導体160−1の周りに形成されていて第3ビア導体160−1に直接接続している部分である。上層の第2層間樹脂絶縁層150Lの第2面上に第1のランド158L1と第2のランド158L2が形成されている。第4開口151Lを充填し、下層の第2導体回路58Lまたは第2のビア導体60−2と第1のランド158L1を接続している第4ビア導体160−2が上層の第2層間樹脂絶縁層150Lに形成されている。第1のランド158L1は第4ビア導体160−2の周りに形成されていて第4ビア導体160−2に直接接続している部分である。
【0013】
第2のランド158L2はスペースSを介して第1のランド158L1を囲んでいる。上層の第1層間樹脂絶縁層150Uの第2面と第3ビア導体160−1と上層の導体回路158U上にソルダーレジスト層70が形成されている。ソルダーレジスト層は第1の半田パッドを露出する開口71を有している。開口71は第3ビア導体160−1や上層の導体回路158Uの上面を露出している。開口71により露出している第3ビア導体160−1や上層の導体回路158Uの上面が第1の半田パッドとして機能する。
【0014】
本実施形態では、上層の第2層間樹脂絶縁層150Lが最外の層間樹脂絶縁層に相当し、下層の第2層間樹脂絶縁層50Lが絶縁層に相当する。また、第1実施形態では、上層の第2層間樹脂絶縁層150Lの第2面は第1のランド158L1と第2のランド158L2から露出している。第1のランド158L1と第2のランド158L2が形成されている部分以外、上層の第2層間樹脂絶縁層の第2面は外部に露出している。上層の第2層間樹脂絶縁層の第2面上に第1のランド158L1や第2のランド158L2以外、導体回路やソルダーレジスト層70は形成されていない。
【0015】
図9(A)に、図8中の第4ビア導体160−2と第1のランド158L1及び第2のランド158L2の平面図を示す。第4ビア導体160−2と第1のランド158L1とからなる第2の半田パッド160R上に第2の半田バンプ78Lが形成される。第1のランド158L1の周囲にスペースSを介してリング状の第2のランド158L2が形成されている。点線L内の部分が第4ビア導体160−2であり、点線L外の部分が第1のランド158L1である。第2のランド158L2は、上層の第2層間樹脂絶縁層の第2面上で他の導体回路と接続していない。第4のビア導体160−2の直径Vは30〜150μmであり、第1のランド158L1の直径R1は40〜190μmであり、第2のランド158L2の内径D1は52〜340μmであり、第2のランド158L2の外径D2は64〜490μmであり、第2ランド158L2の幅は12〜150μmであり、スペースSの幅Gは12〜150μmである。第4のビア導体の直径Vは上層の第2層間樹脂絶縁層の第2面における第4開口の直径と同等である。同様に、各ビア導体の直径は各層間樹脂絶縁層の第2面における各開口の直径と同等である。
【0016】
プリント配線板10を搭載する器機(例えば携帯電話)が落下すると、衝撃波がプリント配線板の表面を伝播すると考えられる。第1実施形態の多層プリント配線板10では、第4のビア導体160−2と第1のランド158L1とからなる第2の半田パッド160Rの周囲に第2のランド158L2が形成されている。プリント配線板10の表面を伝播すると考えられる衝撃波が第2のランド158L2に到達すると、第2のランド158L2は防波堤のような機能を果たすと考えられる。そのため、第2のランド158L2が衝撃波の進行を止めると考えられる。もしくは、第2のランド158L2が衝撃波の強度を弱くすると考えられる。第2のランド158L2は、第2のランド158L2内に形成されている第2の半田パッド160Rに到達する衝撃波の強度を弱くすると考えられる。このため、第1実施形態のプリント配線板では、落下等の衝撃により第2の半田パッド160Rから半田バンプ78Lが取れる可能性を下げ、接続信頼性を高めることができる。
【0017】
第2のランドがダムの役割をするため第2の半田パッド160R上の半田バンプが第2のランドを越えがたくなる。そのため、半田により隣接する第2の半田パッド間でのショートを防止することができる。第2の半田パッド160Rと第2のランド158L2間に半田が濡れ難い最外の層間樹脂絶縁層が存在するので、半田バンプを第2の半田パッド上に形成することができる。第1実施形態では、第2の半田パッドをファインピッチに設け、第2の半田パッド上にボリュームが多く高さが高い半田バンプを形成しても、半田バンプが他の半田バンプと短絡し難い。
【0018】
引き続き、図8に示されている多層プリント配線板10の製造方法について図1〜図7を参照して説明する。
(1)厚さ0.2〜0.8mmのエポキシ樹脂またはBT(ビスマレイミドトリアジン)樹脂からなる絶縁性基板30の両面に5〜25μmの銅箔32がラミネートされている銅張積層板30Aを出発材料とする(図1(A))。絶縁性基板30はガラスクロスなどの心材を有することが好ましい。まず、この銅張積層板30Aにドリルやレーザなどでスルーホール導体用の貫通孔(スルーホール導体用貫通孔)33を形成する(図1(B))。その後、無電解めっき処理および電解めっき処理を施し、貫通孔33の側壁にスルーホール導体36bを形成する(図1(C))。同時に、銅箔上に無電解めっき膜と電解めっき膜とからなる導電膜36が形成される。図1(C)に示すように、第1実施形態では、貫通孔34が金属で充填されておらず、第1実施形態のプリント配線板はスルーホール導体の内側にスルーホール導体内貫通孔36Aを有している。
【0019】
スルーホール導体36bの表面と導電膜36に粗化面36αを形成する(図1(D))。
【0020】
(2)次に、平均粒径3〜5μmのガラス等の無機粒子を含む樹脂充填剤37をスルーホール導体内貫通孔36Aに充填し、乾燥、硬化させる(図2(A))。
【0021】
引き続き、スルーホール導体内貫通孔36Aからはみ出ている樹脂充填剤37を研磨により除去し、基板30の表面を平坦にする。スルーホール導体内貫通孔36Aが樹脂充填剤37で充填される(図2(B))。
【0022】
(3)その後、基板30の表面に、パラジウム触媒(アトテック社製)を付与し、無電解銅めっきを施すことにより、厚さ0.2〜2μmの無電解銅めっき膜23を形成する(図2(C))。その後、電解銅めっきを施し、厚さ15μmの電解銅めっき膜24を形成する。無電解銅めっき膜23と電解銅めっき膜24とからなるめっき膜が銅箔32上に形成される。同時に、めっき膜はスルーホール導体36bと樹脂充填剤37を覆う(図2(D))。
【0023】
(4)めっき膜を有する基板3000の両面に、市販のドライフィルムを張り付ける。その後、フォトリソにより、めっき膜上にエッチングレジスト25を形成する(図2(E))。そして、エッチングレジストから露出するめっき膜、導電膜36、銅箔32を、エッチング液にて溶解除去し、さらに、エッチングレジストを除去する(図3(A))。絶縁性基板30の第1面に表面の導体回路34Uが形成され、絶縁性基板30の第2面に裏面の導体回路34Lが形成される。同時に、充填剤37を覆う表面の被覆回路42Uと裏面の被覆回路42Lが形成される(図3(A))。絶縁性基板30と表面の導体回路34Uと裏面の導体回路34Lとスルーホール導体36bと被覆回路42U、42Lとからなるコア基板300が完成する(図2(B))。そして、表面の導体回路34U、裏面の導体回路34L、裏面の被覆回路42Lおよび表面の被覆回路42Uの表面を粗化し、粗化面を形成する(図示せず)。表面の被覆回路は表面の導体回路に含まれ、裏面の被覆回路は裏面の導体回路に含まれる。
【0024】
[ビルドアップ層の形成]
(5)コア基板300の両面に、層間樹脂絶縁層用樹脂フィルム(味の素社製:商品名;ABF−45SH)を積層する。その後、層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムを硬化することでコア基板の両面に下層の層間樹脂絶縁層50U、50Lが形成される(図2(B))。コア基板の表面に形成されている下層の層間樹脂絶縁層が下層の第1層間樹脂絶縁層50Uである。下層の第1層間樹脂絶縁層50Uは第1面と第1面とは反対側の第2面を有する。下層の第1層間樹脂絶縁層50Uの第1面はコア基板と対向する面である。コア基板の裏面に形成されている下層の層間樹脂絶縁層が下層の第2層間樹脂絶縁層50Lである。下層の第2層間樹脂絶縁層50Lは第1面と第1面とは反対側の第2面を有する。下層の第1層間樹脂絶縁層50Lの第1面はコア基板と対向する面である。
【0025】
(6)次に、CO2 ガスレーザにて、下層の層間樹脂絶縁層50U、50Lに、直径30〜150μmのビア導体用開口51U、51Lを形成する(図3(C))。下層の第1層間樹脂絶縁層50Uは下層の第1層間樹脂絶縁層50Uを貫通し表面の導体回路34Uまたは表面の被覆回路42Uに至る第1開口51Uを有する。下層の第2層間樹脂絶縁層50Lは下層の第2層間樹脂絶縁層50Lを貫通し裏面の導体回路34Lまたは裏面の被覆回路42Lに至る第2開口51Lを有する。ビア導体用開口51U、51Lを有する基板を、60g/lの過マンガン酸を含む80℃の溶液に10分間浸漬し、ビア導体用開口51U、51Lの内壁を含む下層の層間樹脂絶縁層50U、50Lの表面に粗面を形成する(図4(A))。
【0026】
(7)次に、ビア導体用開口51U、51Lを有する基板を、中和溶液(シプレイ社製)に浸漬してから水洗いする。さらに、層間樹脂絶縁層50U、50Lの表面およびビア導体用開口51U、51Lの内壁に触媒を付与する(図示せず)。
【0027】
(8)次に、市販の無電解めっき水溶液中に、基板を浸漬して、層間樹脂絶縁層の表面とビア導体用開口の内壁に厚さ0.3〜3.0μmの無電解めっき膜52を形成する(図4(B))。無電解めっき膜としては、銅やニッケルなどを例示することができる。本実施形態の無電解めっき膜は無電解銅めっき膜である。無電解めっき膜の代わりにスパッタ膜などの蒸着膜を層間樹脂絶縁層とビア導体用開口に形成することができる。
【0028】
(9)ついで、無電解銅めっき膜52上に所定パターンのメッキレジスト54を形成する。
【0029】
(10)次いで、市販の電解銅めっき液(例えば上村工業社製のめっき液)に浸漬する。無電解銅めっき膜をシード層として、メッキレジストから露出する無電解銅めっき膜上に電解銅めっき膜56を形成する(図4(C))。ビア導体用開口は電解めっき膜56で充填される。電解銅めっき膜の代わりに、電解ニッケル膜や電解半田膜を形成することができる。電解めっき膜の厚さは10〜20μmである。
【0030】
(11)メッキレジストを除去し、電解銅めっき膜間の無電解銅めっき膜52をエッチングで除去する。下層の第1層間樹脂絶縁層の第2面上に下層の第1導体回路58Uが形成される。第1開口51Uを充填する第1のビア導体60−1が下層の第1層間樹脂絶縁層に形成される。第1ビア導体60−1は表面の導体回路34Uまたは表面の被覆回路42Uと下層の第1導体回路58Uとを接続している。下層の第2層間樹脂絶縁層の第2面上に下層の第2導体回路58Lが形成される。第2開口51Lを充填する第2ビア導体60−2が下層の第2層間樹脂絶縁層に形成される。第2のビア導体60−2は裏面の導体回路34Lまたは裏面の被覆回路42Lと下層の第2導体回路58Lとを接続している。
【0031】
次に、下層の第1導体回路、下層の第2導体回路、第1ビア導体と第2ビア導体の表面を粗化する(図示せず)。
その後、下層の第1層間樹脂絶縁層50U、下層の第1導体回路58Uと第1のビア導体60−1上に層間樹脂絶縁層用樹脂フィルム(味の素社製:商品名;ABF−45SH)を積層する。同様に下層の第2層間樹脂絶縁層50L、下層の第2導体回路58Lと第2のビア導体60−2上に層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムを積層する。その後、層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムを硬化することで下層の層間樹脂絶縁層上に上層の層間樹脂絶縁層150U、150Lが形成される(図5(A))。
【0032】
下層の第1層間樹脂絶縁層50U上に形成されている層間樹脂絶縁層が上層の第1層間樹脂絶縁層150Uである。上層の第1層間樹脂絶縁層150Uは第1面と第1面とは反対側の第2面を有する。上層の第1層間樹脂絶縁層150Uの第1面は下層の第1層間樹脂絶縁層50Uの第2面と対向する面である。下層の第2層間樹脂絶縁層50L上に形成されている層間樹脂絶縁層が上層の第2層間樹脂絶縁層150Lである。上層の第2層間樹脂絶縁層150Lは第1面と第1面とは反対側の第2面を有する。上層の第2層間樹脂絶縁層150Lの第1面は下層の第2層間樹脂絶縁層50Lの第2面と対向する面である。
【0033】
(12)次に、CO2レーザにて、上層の層間樹脂絶縁層150U、150Lに、直径30〜150μmのビア導体用開口151U、151Lを形成する。上層の第1層間樹脂絶縁層150Uは上層の第1層間樹脂絶縁層150Uを貫通し下層の第1導体回路58Uまたは第1ビア導体60−1に至る第3開口151Uを有する。上層の第2層間樹脂絶縁層150Lは上層の第2層間樹脂絶縁層150Lを貫通し下層の第2導体回路58Lまたは第2ビア導体60−2に至る第4開口151Lを有する。上層の層間樹脂絶縁層150U、150Lの第2面を下層の層間樹脂絶縁層の第2面と同様に粗化する(図5(B))。
【0034】
その後、ビア導体用開口151U、151Lを有する基板を、中和溶液(シプレイ社製)に浸漬してから水洗いする。さらに、上層の層間樹脂絶縁層150U、150Lの表面およびビア導体用開口151U、151Lの内壁に触媒を付与する。次に、市販の無電解めっき水溶液中に、基板を浸漬して、層間樹脂絶縁層の表面とビア導体用開口の内壁に厚さ0.3〜3.0μmの無電解めっき膜152U、152Lを形成する(図5(C))。無電解めっき膜としては、銅やニッケルなどを例示することができる。本実施形態の無電解めっき膜は無電解銅めっき膜である。無電解めっき膜の代わりにスパッタ膜などの蒸着膜を層間樹脂絶縁層とビア導体用開口に形成することができる。
【0035】
ついで、無電解銅めっき膜152U、152L上に所定パターンのメッキレジスト154を形成する(図5(D))。図10(A)に上層の第2層間樹脂絶縁層150Lの第2面上に形成されている無電解めっき膜152Lを示す。この無電解めっき膜152L上に形成されるメッキレジスト154Lについて以下に説明する。
図10(A)はメッキレジスト154Lの断面を示す図であり、図10(B)はメッキレジスト154Lの平面を示す図である。図10(B)中の点線Lは上層の第2層間樹脂絶縁層の第2面における第4開口151Lの外周である。
【0036】
第4開口151Lと第4開口151Lの周辺部分Mはメッキレジスト154Lから露出している。図10(A)、(B)中のmは周辺部分Mの幅である。そして、周辺部分Mの外側に幅W1のメッキレジスト154L−1Wが形成されている。メッキレジスト154L−1Wの外側に幅Nの無電解めっき膜152LLがメッキレジスト154Lから露出している。幅Nの無電解めっき膜152LLの外側の無電解めっき膜152Lはメッキレジスト154Lで覆われている。mは10〜150μmであり、W1は10〜155μmであり、Nは10〜155μmである。
【0037】
図11(A)に上層の第1層間樹脂絶縁層150Uの第2面上の無電解めっき膜152Uを示す。この無電解めっき膜152U上に形成されるメッキレジスト154Uについて以下に説明する。
図11(A)はメッキレジスト154Uの断面を示す図であり、図11(B)はメッキレジスト154Uの平面を示す図である。図11(A)は、図11(B)中のA‘−A’部分の断面図である。図11(B)中の点線L2は上層の第1層間樹脂絶縁層の第2面における第3開口151Uの外周である。第3開口151Uの周囲の無電解めっき膜152Uはビアランド158ULを形成するためメッキレジスト154Uから露出している。図11(B)中の右側では、第3開口151U以外にメッキレジスト154Uから露出している略円形の露出部分E2が存在している。第3開口151Uを含む露出部分E1と露出部分E2間にメッキレジスト154Uから露出している略線状の露出部分E3が存在する。これらの露出部分に電解めっき膜が形成されることで、半田パッドや導体回路やビア導体やビアランド形成される。
【0038】
次いで、市販の電解銅めっき液(例えば上村工業社製のめっき液)に浸漬する。無電解銅めっき膜をシード層として、メッキレジスト154U、154Lから露出する無電解銅めっき膜上に電解銅めっき膜156を形成する(図6(A))。ビア導体用開口は電解めっき膜156で充填される。電解銅めっき膜の代わりに、電解ニッケル膜や電解半田膜を形成することができる。上層の層間樹脂絶縁層の第2面上の電解めっき膜の厚さは10〜20μmである。
【0039】
メッキレジスト154U、154Lを除去し、電解銅めっき膜156間の無電解銅めっき膜152をエッチングで除去する。上層の第1層間樹脂絶縁層の第2面上に上層の導体回路158Uとビアランド158ULが形成される(図6(B))。第3開口151Uを充填する第3ビア導体160−1が上層の第1層間樹脂絶縁層に形成される。第3ビア導体160−1は下層の第1導体回路58Uまたは第1ビア導体と上層の導体回路158Uまたはビアランド158ULとを接続している。ビアランド158ULは第3ビア導体の周囲に形成されていて第3ビア導体に直接接続している。ビアランド158ULは点線L2より外側の露出部分E1(図11(B)参照)に形成されている無電解めっき膜と電解めっき膜とからなるめっき膜である。上層の導体回路158Uは露出部分E3(図11(B)参照)の部分に形成される無電解めっき膜と電解めっき膜とからなるめっき膜である。パッドは露出部分E2(図11(B)参照)の部分に形成される無電解めっき膜と電解めっき膜とからなるめっき膜である。第3ビア導体の上面を第1の半田パッドに利用することができる。パッドの上面を第1の半田パッドとして利用することができる。導体回路やパッドの厚みは10〜20μmであって、ビア導体やパッドの上面と導体回路の上面は略同一平面に位置している。
【0040】
上層の第2層間樹脂絶縁層150Lの第2面上に第1のランド158L1と第2のランド158L2が形成される。第4開口151Lを充填する第4のビア導体160−2が上層の第2層間樹脂絶縁層150Lに形成される。第4ビア導体160−2は下層の第2導体回路158Lまたは第2ビア導体と第1のランド158L1とを接続している。第1のランド158L1は第4ビア導体160−2の周囲に形成されていて第4ビア導体に直接接続している。
【0041】
第3ビア導体160−1と第4ビア導体160−2の上面を半田パッドに用いる場合、第3ビア導体160−1と第4ビア導体160−2の上面が凹んでいることが好ましい(図6(B)参照)。窪み160iの深さKは1〜7μmが好ましい。窪みの深さKは窪みの底から第1のランドやビアランドの上面までの距離である(図12(A)参照)。半田パッドの上面が凹んでいるとリフローで半田バンプが所定の半田パッドから他の半田パッドへ移動し難い。また、半田バンプが半田パッドから脱落し難い。従って、半田パッド上に半田バンプを形成し易い。第2の半田パッドが窪みを有するビア導体からなると、周りに第2のランドを有するため、第2の半田パッド上に半田バンプを形成し易い。第2のランドがめっき膜からなるので、半田バンプは第2のランドに濡れ易い。第2のランドと半田バンプが接着するので、半田バンプが所定の第2の半田パッドから第2のランドを越えて他の半田パッドなどへ移動しがたい。
【0042】
(13)次に、上層の第1層間樹脂絶縁層150Uの第2面と上層の導体回路158Uと第3ビア導体160−1上に、市販のソルダーレジスト組成物70を15〜25μmの厚さで塗布し、乾燥処理する。引き続き、露光処置、現像処理と硬化処理を行う。開口71を有するソルダーレジスト層70が得られる(図6(C))。ソルダーレジスト層の厚みは15〜25μmである。開口71は第3ビア導体160−1の上面やパッドPの上面を露出する。開口71により、露出している第3ビア導体160−1の上面やパッドPの上面は半田パッド(第1の半田パッド)として機能する。ソルダーレジスト層に開口71を形成するために、上層の第2層間樹脂絶縁層の第2面に付着している触媒が除去されてもよい。
【0043】
上層の第2層間樹脂絶縁層150Lの第2面上にソルダーレジスト層は形成されていない。上層の第1層間樹脂絶縁層150U上にソルダーレジスト層を形成するとき、上層の第2層間樹脂絶縁層150Lの第2面上に保護フィルムを貼り付けることができる。保護フィルムを形成する場合、第2の半田パッドに金属膜を形成する前に保護フィルムを除去する必要がある。
【0044】
(14)次に、基板を、無電解ニッケルめっき液に浸漬して、第1の半田パッドの上面と第4のビア導体と第1のランドとからなる第2の半田パッドの表面(上面と側面)と第2のランドの表面(上面と側面)にニッケルめっき層72が形成される。ニッケル層の厚みは1〜5μmである。さらに、その基板を無電解金めっき液に浸漬して、ニッケルめっき層72上に、金めっき層74が形成される。金めっき層の厚さは0.03〜3μmである。第1の半田パッドと第2の半田パッドと第2のランド上にニッケルめっき層72と金めっき層74とからなる金属層を形成する(図6(D))。ニッケル層とニッケル層上のパラジウム層とパラジウム層上の金層とからなる金属層を半田パッド上と第2のランド上に形成することができる。金属層が形成される前に、ソルダーレジスト層上に保護膜を形成し、上層の第2層間樹脂絶縁層の第2面に付着している触媒が除去されてもよい。その後、ソルダーレジスト層上の保護膜が除去され、第1の半田パッドと第2の半田パッドと第2のランド上に金属層が形成される。触媒が付いている基板を過マンガン酸溶液に浸漬するこ
とで、触媒を除去することができる。
【0045】
(15)第2の半田パッドに対応する開口80aを有するマスク80を準備する。開口80aの径は第2の半田パッドの径より小さい。開口80aの径/第2の半田パッドの径は0.5〜0.9が好ましい。マスクの開口80aと第2の半田パッドとの位置合わせの精度を低くできる。第2の半田パッドと開口80aが位置合わせされると、マスク80は上層の第2樹脂絶縁層150L上に固定される(図7(A))。開口80aを介して第2のパッド上にフラックス82が塗布される。フラックス82は液状なので第2の半田パッド上を濡れ広がる。第2のパッドの周りにスペースSを介して第2のランドが存在するので、フラックス82は第2のランドを越えることが難しい。従って、フラックス82は図12(B)に示すように第2のランド158L2内にとどまりやすい。続いて、マスク80が除去される。半田ボールを搭載するためのマスク84を準備する。半田ボールを搭載するためのマスク84は第2の半田パッドに対応する位置に開口84aを有している。第2の半田パッドと半田ボールを搭載するためのマスクの開口が位置合わせされると、半田ボールを搭載するためのマスク84が上層の第2層間樹脂絶縁層上に固定される。
【0046】
その後、US2006/0157540(A1)に開示されている半田ボール搭載方法で第2の半田パッド上に半田ボールが搭載される。半田ボールはフラックスの接着力で第2の半田パッド上に固定される。この時、フラックス82が第2のランド内に形成されているので、第2の半田パッド以外の部分に半田ボールが搭載される確率が小さくなる。第2の半田パッドが窪みを有すると半田ボールが第2の半田パッドから転がり落ちがたくなる。また、フラックス82が第2のランドを越えがたくなる。その後、リフローすることで第2の半田パッド160R上に第2の半田バンプ78Lが形成される。上述の通り、第1実施形態のプリント配線板は第2のランドを有するため、上層の第2層間樹脂絶縁層の第2面上にソルダーレジスト層を有していなくても第2の半田パッド上に第2の半田バンプを形成することができる。
【0047】
次に、第1の半田パッドに対向する位置に開口を有するマスクがソルダーレジスト層70上に固定される。印刷法により、半田パッド上であってソルダーレジスト層の開口71内に半田ペーストが印刷される。次いで、リフローすることで第1の半田パッド上に第1の半田バンプ78Uが形成される(図8)。第1の半田バンプ78Uの融点は第2の半田バンプの融点より低い。第1の半田バンプと第2の半田バンプの組み合わせの例として、第1の半田バンプがSn/Pb、第2の半田バンプがSn/Agの組み合わせを挙げることができる。その他の例として、第1の半田バンプがSn/Pb、第2の半田バンプがSn/Cuの組み合わせを挙げることができる。
【0048】
第1実施形態のプリント配線板では、上層の第1層間樹脂絶縁層上にソルダーレジスト層70が形成されている。そのため、上層の第1層間樹脂絶縁層150U上に導体回路158Uを形成することが可能になる。
【0049】
第1実施形態のプリント配線板は、上層の第2層間樹脂絶縁層の第2面上にソルダーレジスト層を有することなく、第2の半田パッドの周りに第2のランドを有している。このため、第2の半田パッド上に高い半田バンプを形成することができる。図13(A)は第2の半田パッド160Rに高い半田バンプ78Lを形成している例を示している。図13(B)は第1の半田パッドに高い半田バンプ78Uを形成している例を示している。図13(A)の第2の半田パッドの径と図13(B)の第1の半田パッドの径は同じである。また、図13(A)の第2の半田バンプのボリュームと図13(B)の第1の半田バンプのボリュームは同じである。第1の半田パッド上の半田バンプの高さが高くなると、図13(B)に示すようにソルダーレジスト層の開口の角(X部分)で半田バンプが屈曲しやすい。それに対し、第2の半田パッド上の半田バンプは図13(B)に示す屈曲部を有しがたい。その結果、プリント配線板10と外部基板(マザーボード)94との間やプリント配線板10と電子部品との間に生じる応力を第2の半田バンプで吸収することができる。プリント配線板10と外部基板間94間やプリント配線板10と電子部品との間の接続信頼性が高くなる。半田パッド上に高い半田バンプを形成することに関し、第2の半田パッドは第1の半田パッドより有利である。
【0050】
半田バンプの径が半田パッドの径を越えると、上述の問題が発生しやすい。そのため、半田パッドの径より半田バンプの径が大きい場合、半田パッドとして第2の半田パッドを用いることが好ましい。
【0051】
第2の半田パッドの数は第1の半田パッドの数に比べ少ないので、上層の第2樹脂絶縁層の第2面上に導体回路を設ける必要性が少ない。そのため、上層の第2樹脂絶縁層の第2面上にソルダーレジスト層を形成する必要性は少ない。
【0052】
第1実施形態のプリント配線板では、最外層の層間樹脂絶縁層(上層の第2層間樹脂絶縁)150Lは無機粒子と樹脂とからなることが好ましい。
【0053】
第1の半田パッドや第2の半田パッドがビア導体からなり、ビア導体が窪み160iを有する場合、半田バンプと半田パッドとの密着性が高い。
【0054】
第1実施形態のプリント配線板とその製造方法によれば、第2の半田パッドの周囲に第2のランドが設けられているので、リフローの際に半田パッド上の半田バンプが第2のランドの外側へ移動し難い。そのため、ボリュームが多く、高さが高い半田バンプを狭ピッチな第2の半田パッドに設けても、半田バンプが他の半田バンプと短絡し難い。
【0055】
第1実施形態のプリント配線板の製造方法では、マスク80を介して半田ボールを第2のパッドに搭載している。そのため、半田の供給量が一定になり、均一な高さの半田バンプ78Lを形成することができる。
【0056】
[第1実施形態の第1改変例]
図9(B)は、第1実施形態の第1改変例に係るプリント配線板の第2の半田パッドと第2のランド158L2の平面図である。第1実施形態では、図9(A)に示すように第2のランド158L2は、他の導体回路や第1のランドから独立して形成されている。これに対して、第1実施形態の第1改変例では、第2の半田パッド160Rと第2のランド158L2が短絡用配線159aを介して接続されている。短絡用配線(短絡配線)はスペースに形成されている。第1実施形態の第1改変例に係るプリント配線板は、第1実施形態のプリント配線板に対し、さらに短絡配線159aを有している。短絡配線159a以外、第1実施形態の第1改変例に係るプリント配線板と第1実施形態のプリント配線板は同様である。
【0057】
第1実施形態の第1改変例のプリント配線板では、第2の半田パッド160Rとリング状の第2のランド158L2が短絡配線159aで接続されている。そのため、第2のランド158L2が孤立しない。第2のランドが独立して存在しない。第2の半田パッドを介して高周波の信号が伝送されても、第1実施形態の第1改変例のプリント配線板は第1実施形態のプリント配線板より信号にノイズがのりにくい。それ故、第1実施形態の第1改変例のプリント配線板は高速信号伝送に適するプリント配線板であると考えられる。
【0058】
[第1実施形態の第2改変例]
図14は、第1実施形態の第2改変例に係る多層プリント配線板1212の断面図である。
第1実施形態の第2改変例では、第2の半田バンプ78Lが第2の半田パッド160Rと第2のランド158L2上に形成されている。
第1実施形態では、マスク80の開口の位置と第2の半田パッドの位置を整合させ、半田ボールは第2のパッドに搭載される。それに対し、第1実施形態の第2改変例では、マスク80の開口の位置と第2の半田パッドの位置をずらしている(図15(A)参照)。マスク80の開口の位置と第2の半田パッドの位置をずらすことで、半田ボール86Dを第2の半田パッドと第2のランド上に搭載する(図15(B)参照)。その後、リフローすることで、第2の半田バンプが第2の半田パッドと第2のランド上に形成される。
【0059】
第1実施形態の第2改変例のプリント配線板では、第2の半田パッドと第2のランドが第2の半田バンプで接続されている。そのため、第2のランド158L2が孤立しない。第1実施形態の第1改変例と同様に第1実施形態の第2改変例のプリント配線板は高速信号伝送に適するプリント配線板である。また、第2の半田バンプは、第2の半田パッドのみならず第2のランド158L2とも接続しているので、第2の半田バンプと第2の半田パッド間の接続強度が高くなる。第1実施形態の第2改変例のプリント配線板が落下衝撃等を受けても半田バンプが脱落し難い。第2の半田バンプは主に第2の半田パッド上に形成されている。第1実施形態と同様に第2のランドが第2の半田パッドに伝わる衝撃波の強度を弱くすることができるので、第2の半田バンプと第2の半田パッド間の接合強度は第2のランドを有しないプリント配線板に比べ高いと考えられる。
第1実施形態とその改変例では、上層の第2層間樹脂絶縁層が最外の層間樹脂絶縁層に相当し、下層の第2層間樹脂絶縁層が絶縁層に相当する。
【0060】
[第1実施形態とその改変例の応用例]
図16に第1実施形態と第1実施形態の改変例の応用例を示す。第1実施形態とその改変例の応用例では上層の第1層間樹脂絶縁層側がC4面である。フリップチップでICチップ90などの電子部品が実装される側である。
図16は、図8に示す多層プリント配線板10にICチップなどの電子部品90が実装され、多層プリント配線板10がマザーボード94へ搭載されている状態を示している。
図16に示すように、多層プリント配線板10の上層の第1層間樹脂絶縁層側の半田バンプ78Uは、ICチップなどの電子部品90の電極92へ接続されている。一方、上層の第2層間樹脂絶縁層側の半田バンプ78Lは、マザーボード94のランド96へ接続されている。上層の第1層間樹脂絶縁層の第2面上に導体回路を形成することができるので、層間樹脂絶縁層の層数を多くすることなく端子数の多い電子部品を実装することができる。
【0061】
図示しないが、多層プリント配線板10とICチップとの間に封止樹脂が充填され、同様に、多層プリント配線板10とマザーボード94との間にも封止樹脂が充填される。
この応用例では、第4のビア導体160−2の直径Vは60〜150μmである。第1のランド158L1の幅(L1W)は10〜40μmであり、外径(L1D)は80〜200μmである。スペースSの幅Wは70〜130μmである。第2のランド158L2の幅(L2W)は70〜130μmである。隣接する第2のランド158L2間の間隔は70〜130μmである。
【0062】
[第2実施形態]
第2実施形態のプリント配線板を図17に示す。第2実施形態のプリント配線板の層間樹脂絶縁層の層数は第1実施形態のプリント配線板に比べ1層少ない。図3(A)に示されているコア基板300の両面に上層の層間樹脂絶縁層150(上層の第1層間樹脂絶縁層150U、上層の第2層間樹脂絶縁層150L)が積層される。その後、コア基板の導体回路34U、34Lや被覆回路42U、42Lに至るビア導体用開口151(第3開口151U、第4開口151L)が上層の層間樹脂絶縁層150U、150Lに形成される。その後、第1実施形態の図5(C)〜図7と同様な処理が実施される。第2実施形態では、第3ビア導体はコア基板の導体回路34Uや被覆回路42Uに繋がっている。また、第4ビア導体はコア基板の導体回路34Lや被覆回路42Lに繋がっている。第3ビア導体と第4ビア導体が上層の層間樹脂絶縁層上で繋がっている導体は第1実施形態と同様である。
第2実施形態では、第1実施形態の改変例と同様なプリント配線板を得ることができる。
【0063】
第2実施形態では、上層の第2層間樹脂絶縁層150Lが最外の層間樹脂絶縁層に相当し、コア基板の絶縁性基板30が絶縁層に相当する。第2実施形態のプリント配線板は第1実施形態のプリント配線板より薄い。
【0064】
[第3実施形態]
図18〜図20を参照して本発明の第3実施形態に係る多層プリント配線板について説明する。
第1実施形態に係る多層プリント配線板では、コア基板の両面に層間樹脂絶縁層及び導体回路が積層されている。これに対して、第3実施形態は、コア基板を有しない。本実施形態はコアレスの多層プリント配線板に関する。第3実施形態では、プリント配線板を薄くできる。
【0065】
図20(D)に示されているプリント配線板30000Aの製造方法を図18〜図20に示す。
(1)銅板1000を出発材料とする(図18(A))。
(2)銅板上にメッキレジスト1001を形成する(図18(B))。
(3)メッキレジストから露出する銅板上に電気めっきでニッケルめっき膜1002と銅めっき膜1003を形成する(図18(C))。
(4)メッキレジスト1001を除去する(図18(D))。
【0066】
(5)銅板1000と銅めっき膜上に層間樹脂絶縁層1004を形成する(図18(E))。層間樹脂絶縁層1004は第1面と第1面とは反対側の第2面とを有する。第1面は銅板と対向する面である。第1面は外部に露出している面である(図20参照)。
【0067】
(6)続いて、銅めっき膜1003に至るビア導体用開口1005を形成する(図18(F))。
(7)層間樹脂絶縁層1004の第2面とビア導体用開口1005の内壁とビア導体用開口1005から露出する銅めっき膜1003上に無電解めっき膜2300を形成する(図19(A))。
【0068】
(8)無電解めっき膜2300上に第1のランドと第2のランドを形成するためのメッキレジスト2301を形成する(図19(B))。第1のランドと第2のランドを形成するためのメッキレジスト2301のパターンは第1実施形態と同様である。
(9)メッキレジスト2301から露出する無電解めっき膜2300上に電解めっき膜2304を形成する。同時にビア導体用開口1005は電解めっき膜2304で充填される(図19(C)。
【0069】
(10)メッキレジスト2301を除去する。続いて、電解めっき膜2304から露出する無電解めっき膜を除去する(図19(D))。層間樹脂絶縁層1004の第2面上に第1のランド158L1と第2のランド158L2が形成される。第1のランドと銅めっき膜1003を接続するビア導体2302が形成される。第1のランド158L1とビア導体2302からなる第2の半田パッドが形成される。ビア導体2302の上面と第2のランドの上面は実質的に同一レベルである。層間樹脂絶縁層の第2面に付着している触媒を除去してもよい。
【0070】
(11)層間樹脂絶縁層1004の第2面とビア導体2302と第1のランド158L1と第2のランド158L2上に保護膜2303を貼り付ける(図20(A))。
(12)銅板1000をエッチング液で除去する(図20(B))。
(13)ニッケルめっき膜1002をエッチングで除去する。保護膜2303を除去する(図20(C))。電極の第1面が露出する。電極の第1面は第1の半田パッドとして機能する。
図20(C)に示されるコアレスタイプのプリント配線板30000が完成する。
(14)その後、第1実施形態と同様な方法で第1の半田パッドPに第1の半田バンプ78Uを形成し、第2の半田パッド160Rに第2の半田バンプ78Lを形成する(図20(D))。
【0071】
プリント配線板30000は第1面と第1とは反対側の第2面を有する層間樹脂絶縁層1004と、層間樹脂絶縁層1004の第1面側で層間樹脂絶縁層1004に埋まっている電極(銅めっき膜)1003と、層間樹脂絶縁層1004の第2面に形成されている第1のランド158L1と第2のランド158L2と、層間樹脂絶縁層1004を貫通し、第1のランド158L1と電極1003とを接続しているビア導体2302とからなる。そして、層間樹脂絶縁層1004の第1面から露出する電極1003の第1面1003Fは層間樹脂絶縁層1004の第1面から凹んでいる。ビア導体2302は電極1003の第2面上に形成されていて、電極の第1面と第2面は対向している。
【0072】
[第3実施形態の第1改変例]
第3実施形態の第1改変例のプリント配線板もコアレスタイプのプリント配線板である。
図21(E)に第3実施形態の第1改変例に関するプリント配線板4000が示されている。プリント配線板4000は第3実施形態と同様な方法で製造される。
第3実施形態の第1改変例の製造方法は第3実施形態の(1)〜(7)まで第3実施形態の製造方法と同様である。
【0073】
その後、無電解めっき膜2300上にビアランドと導体回路を形成するためのメッキレジスト3300を形成する(図21(A))。
メッキレジスト3300から露出する無電解めっき膜2300上に電解めっき膜3301を形成する(図21(B))。
メッキレジストを除去後、エッチング液で電解めっき膜から露出する無電解めっき膜2300を除去する。層間樹脂絶縁層1004の第2面に導体回路1008とビアランド1010が形成される。同時にビア導体用開口1005に下層のビア導体1009が形成される。下層のビア導体1009はビアランド1010と銅めっき膜1003を接続している(図21(C))。
【0074】
層間樹脂絶縁層1004の第2面とビア導体1009、導体回路1008、ビアランド1010上に上層の層間樹脂絶縁層1011を形成する。上層の層間樹脂絶縁層1011は第1面と第1面とは反対側の第2面とを有する。第1面は層間樹脂絶縁層1004の第2面と対向する面である。続いて、下層のビア導体1009に至る上層のビア導体用開口3306を形成する(図21(D))。
【0075】
その後、上層のビア導体用開口を有する上層の層間樹脂絶縁層に第3実施形態の(7)〜(12)と同様な処理を施す。コアレスタイプのプリント配線板4000が完成する(図21(E))。
(13)第3実施形態の(13)と同様な方法で第1の半田パッド(電極1003)に第1の半田バンプ78Uを、第2の半田パッド160Rに第2の半田バンプ78Lを形成する(図21(F))。
【0076】
第3実施形態のプリント配線板4000は、第1面と第1とは反対側の第2面を有する層間樹脂絶縁層1004と、層間樹脂絶縁層1004の第1面側で層間樹脂絶縁層1004に埋まっている電極(銅めっき膜)1003と、層間樹脂絶縁層1004の第2面に形成されているビアランド1010と導体回路1008と、層間樹脂絶縁層を貫通し、ビアランド1010と電極(銅めっき膜)1003を接続している下層のビア導体1009と、層間樹脂絶縁層1004の第2面とビア導体1009、導体回路1008、ビアランド1010上に形成されていて第1面と第1面とは反対側の第2面とを有する上層の層間樹脂絶縁層1011と、上層の層間樹脂絶縁層1011の第2面に形成されている第1のランド158L1と第2のビアランド158L2と、上層の層間樹脂絶縁層1011を貫通し第1のランド158L1と下層のビア導体1009とを接続している上層のビア導体1013とからなる。そして、層間樹脂絶縁層1004の第1面から露出する電極1003の第1面は層間樹脂絶縁層1004の第1面に対し凹んでいる。電極1003の第2面上に下層のビア導体1009が形成されていて、電極の第1面は第2面と対向する面である。層間樹脂絶縁層の第2面と上層の層間樹脂絶縁層の第1面が対向している。
層間樹脂絶縁層1004が絶縁層に相当し、上層の層間樹脂絶縁層1011が最外層の層間樹脂絶縁層に相当する。
【0077】
第3実施形態とその改変例のプリント配線板は厚い絶縁基板30を有しないので、第1実施形態のプリント配線板より強度が低い。第3実施形態とその改変例のプリント配線板は落下衝撃に弱いと考えられるが、第3実施形態とその改変例のプリント配線板は第2のランドを有しているので、半田バンプと第2の半田パッド間の接合強度が強くなる。第3実施形態とその改変例のプリント配線板は第2のランドを有すると共に電極1003(第1の半田パッド)が層間樹脂絶縁層1004から凹んでいる。そのため、第3実施形態とその改変例のプリント配線板では、プリント配線板の両面にソルダーレジスト層70を設けなくても、電極と第2の半田パッド上に半田バンプを形成することができる。第3実施形態とその改変例のプリント配線板の厚みを薄くすることができる。ソルダーレジスト層を有しないことから、第3実施形態とその改変例のプリント配線板は曲げに対して強くなる。また、変形しやすいので、電子部品とプリント配線板間の接続信頼性が高くなる。実装歩留まりが高くなる。
【0078】
第3実施形態とその改変例に用いられる層間樹脂絶縁層は無機粒子と樹脂とからなり、厚みは30μm〜180μmである。第1実施形態の絶縁基板30に比べ厚みが薄い。第3実施形態とその改変例のプリント配線板の強度を増すため、第3実施形態に用いられる層間樹脂絶縁層は、さらに、ガラスクロス等の補強材を有しても良い。
第1実施形態と同様に、第3実施形態とその改変例のプリント配線板の第2の半田パッドは窪み160iを有することが好ましい。
【0079】
[第3実施形態とその改変例の応用例]
[応用例1]
第3実施形態とその改変例のプリント配線板に第1の半田バンプを介してICチップなどの電子部品を搭載することができる。第3実施形態とその改変例のプリント配線板は第2の半田バンプを介してマザーボードと接続することができる。
【0080】
この応用例では、第2の半田パッドを構成するビア導体の直径Vは60〜150μmである。第1のランド158L1の幅は10〜40μmであり、外径は80〜200μmである。スペースSの幅Wは70〜130μmである。第2のランド158L2の幅は70〜130μmである。隣接する第2のランド158L2間の間隔は70〜130μmである。
電極間の間隔が狭い電子部品を搭載することができる。
【0081】
[応用例2]
第3実施形態とその改変例のプリント配線板に第2の半田バンプを介してICチップなどの電子部品を搭載することができる。第3実施形態とその改変例のプリント配線板は第1の半田バンプを介して第1の半田パッドとマザーボードを接続することができる。
【0082】
この応用例では、第4のビア導体の直径は40〜80μmであり、第1のランド158L1の幅は10〜20μmであり、外径は60〜120μmである。スペースSの幅Wは12〜20μmである。第2のランド158L2の幅は12〜20μmである。隣接する第2のランド158L2間の間隔は12〜20μmである。
第2のパッドは、その上に高い半田バンプを有することができる。そのため、電子部品の電極と第2の半田パッド間の距離が長くなるので、電子部品とプリント配線板間の応力が緩和されやすい。
【0083】
[第4実施形態]
図22を参照して本発明の第4実施形態に係る多層プリント配線板について説明する。
図22は第4実施形態の多層プリント配線板1313の断面図を示している。図23に第4実施形態の応用例を示す。図23は、図22に示す多層プリント配線板1313にICチップ90が実装され、マザーボード94へ搭載されている状態を示している。第4実施形態のプリント配線板1313は第1実施形態のプリント配線板と同様である。しかしながら、第1実施形態と第4実施形態ではマザーボードや電子部品に接続する半田バンプが異なる。それ以外、第1実施形態のプリント配線板と第4実施形態のプリント配線板は同様である。第4実施形態では、第2の半田パッド上にICなどの電子部品が実装される。また、第1の半田バンプ78Uを介してプリント配線板1313の第1の半田パッドとマザーボードが接続されている。上層の第2層間樹脂絶縁層150Lにソルダーレジストが形成されていない。上層の第2層間樹脂絶縁層150Lの第2面は第1のランド158L1と第2のランド158L2から露出している。一方、マザーボード94に接続する側の上層の第1層間樹脂絶縁層150Uの第2面上にソルダーレジスト70が形成されている。
【0084】
本実施形態では、第2の半田パッドにICチップが実装されるので、第4のビア導体の直径Vは40〜80μmである。第1のランド158L1の幅L1Wは10〜20μmであり、外径L1Dは60〜120μmである。スペースSの幅Wは12〜20μmである。第2のランド158L2の幅L2Wは12〜20μmである(図26参照)。隣接する第2のランド158L2間の間隔は12〜20μmである。
【0085】
[第4実施形態の改変例]
第4実施形態のプリント配線板において、第1のランドと第2のランドとを短絡配線159aや第2の半田バンプで接続することができる。本改変例のプリント配線板では、第2の半田パッド上にICチップを実装することができる。本改変例のプリント配線板では、第1の半田パッドにマザーボードを接続することができる。
【0086】
第4実施形態とその改変例では上層の第2層間樹脂絶縁層150Lが最外の層間樹脂絶縁層に相当し、下層の第2層間樹脂絶縁層50Lが絶縁層に相当する。第4実施形態とその改変例の応用例では上層の第2層間樹脂絶縁層側がC4面である。フリップチップでICチップ90などの電子部品が実装される側である。第4実施形態とその改変例では、高い第2の半田バンプでICチップを搭載できるので、ICチップなどの電子部品とプリント配線板間の応力を緩和することができる。
【0087】
[第5実施形態]
図24、図25を参照して本発明の第5実施形態に係る多層プリント配線板1515について説明する。
図24は第5実施形態の多層プリント配線板1515の断面図を示している。図25に第5実施形態の応用例を示す。図25は、図24に示す多層プリント配線板1515にICチップ90が実装され、マザーボード94へ搭載されている状態を示している。
第5実施形態の多層プリント配線板では、上層の第1層間樹脂絶縁層150Uの第2面と上層の第2層間樹脂絶縁層150Lの第2面上に第1のランド158L1と第2のランド158L2が形成されている。また、両面の最外の層間樹脂絶縁層上にソルダーレジストが形成されていない。
【0088】
[第5実施形態の改変例]
第5実施形態のプリント配線板において、第1のランド158L1と第2のランド158L2とを短絡配線159aや第2の半田バンプで接続することができる。
第5実施形態とその改変例では、上層の第1層間樹脂絶縁層150Uと上層の第2層間樹脂絶縁層150Lが最外の層間樹脂絶縁層に相当し、下層の第1層間樹脂絶縁層50Uと下層の第2層間樹脂絶縁層50Lが絶縁層に相当する。
【0089】
第5実施形態において、下層の第1層間樹脂絶縁層50Uと下層の第2層間樹脂絶縁層50Lを削除することができる。その場合、絶縁性基板30が絶縁層に相当し、上層の第2層間樹脂絶縁層150Lや上層の第1層間樹脂絶縁層150Uが最外の層間樹脂絶縁層に相当する。
第5実施形態とその改変例では、落下衝撃に対し、両側の半田バンプが半田パッドから脱落し難くなる。
【0090】
[第5実施形態の応用例]
第5実施形態とその改変例のプリント配線板では、上層の第1層間樹脂絶縁層側の第2の半田パッド上にICチップを実装することができる。また、上層の第2層間樹脂絶縁層側の第2の半田パッドを介してプリント配線板1515とマザーボードを接続することができる。
【0091】
第5実施形態とその改変例のプリント配線板では、第3のビア導体の直径Vは40〜80μmである。上層の第1層間樹脂絶縁層150Uの第2面に形成されている第1のランド158L1の幅L1Wは10〜20μmであり、外径は60〜120μmである。上層の第1層間樹脂絶縁層150Uの第2面に形成されている第1のランドと第2のランド間のスペースSの幅Wは12〜20μmである。上層の第1層間樹脂絶縁層150Uの第2面に形成されている第2のランド158L2の幅は12〜20μmである。上層の第1層間樹脂絶縁層150Uの第2面に形成されていて、隣接する第2のランド158L2間の間隔は12〜20μmである。第4のビア導体の直径Vは60〜150μmである。上層の第2層間樹脂絶縁層150Lの第2面に形成されている第1のランド158L1の幅L1Wは10〜40μmであり、外径L1Dは80〜200μmである。上層の第2層間樹脂絶縁層150Lの第2面に形成されている第1のランドと第2のランド間のスペースSの幅Wは70〜130μmである。上層の第2層間樹脂絶縁層150Lの第2面に形成されている第2のランド158L2の幅は70〜130μmである。上層の第2層間樹脂絶縁層150Lの第2面に形成されていて隣接する第2のランド158L2間の間隔は70〜130μmである。
いずれの実施形態のプリント配線板において、第1のランドと第2のランドとを短絡配線159aや第2の半田バンプで接続することができる。
【0092】
[第1実施例]
[コア基板の作成]
(1)銅張積層板30Aが出発材料である(図1(A))。銅張積層板30Aの絶縁性基板30はガラスクロスとエポキシ樹脂とからなり、厚さは0.6mmである。また、絶縁性基板30の両面に12μmの銅箔32がラミネートされている。まず、この銅張積層板30Aにドリルでスルーホール導体用の貫通孔(スルーホール導体用貫通孔)33を形成する(図1(B))。その後、無電解めっき処理および電解めっき処理を施し、貫通孔33の側壁にスルーホール導体36bを形成する(図1(C))。同時に、銅箔上に無電解めっき膜と電解めっき膜とからなる導電膜36が形成される。図1(C)に示すように、第1実施形態では、貫通孔34が金属で充填されておらず、第1実施例のプリント配線板はスルーホール導体の内側にスルーホール導体内貫通孔36Aを有している。
スルーホール導体36bの表面と導電膜36に粗化面を形成する(図1(D))。
【0093】
(2)次に、平均粒径5μmのガラス粒子を含む樹脂充填剤37をスルーホール導体内貫通孔36Aに充填し、乾燥、硬化させる(図2(A))。
引き続き、スルーホール導体内貫通孔36Aからはみ出ている樹脂充填剤37を研磨により除去し、基板30の表面を平坦にする(図示せず)。スルーホール導体内貫通孔36Aが樹脂充填剤37で充填される(図2(B))。
【0094】
(3)その後、基板30表面に、パラジウム触媒(アトテック社製)を付与し、無電解銅めっきを施すことにより、厚さ1.2μmの無電解銅めっき膜23を形成する(図2(C))。その後、電解銅めっきを施し、厚さ15μmの電解銅めっき膜24を形成する。無電解銅めっき膜23と電解銅めっき膜24とからなるめっき膜が銅箔32上に形成される。同時に、めっき膜はスルーホール導体36bと樹脂充填剤37を覆う(図2(D))。
【0095】
(4)めっき膜を有する基板3000の両面に、市販のドライフィルムを張り付ける。その後、フォトリソにより、めっき膜上にエッチングレジスト25を形成する(図2(E))。そして、エッチングレジストから露出するめっき膜、導電膜36、銅箔32を、エッチング液にて溶解除去し、さらに、エッチングレジストを除去する。絶縁性基板30上に表面の導体回路34Uと裏面の導体回路34Lが形成される。同時に、充填剤37を覆う表面の被覆回路42Uと裏面の被覆回路42Lが形成される(図3(A))。絶縁性基板30と表面の導体回路34Uと裏面の導体回路34Lとスルーホール導体36bと被覆回路42とからなるコア基板300が完成する。そして、表面の導体回路34U、裏面の導体回路34L、裏面の被覆回路42Lおよび表面の被覆回路42Uの表面を粗化し、粗化面を形成する(図示せず)。
【0096】
[ビルドアップ層の形成]
(1)コア基板300の両面に、層間樹脂絶縁層用樹脂フィルム(味の素社製:商品名;ABF−45SH)を積層する。その後、層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムを硬化することでコア基板の両面に下層の層間樹脂絶縁層50U、50Lが形成される(図2(B))。コア基板の表面に形成されている下層の層間樹脂絶縁層が下層の第1層間樹脂絶縁層50Uである。下層の第1層間樹脂絶縁層50Uは第1面と第1面とは反対側の第2面を有する。下層の第1層間樹脂絶縁層50Uの第1面はコア基板と対向する面である。
【0097】
コア基板の裏面に形成されている下層の層間樹脂絶縁層が下層の第2層間樹脂絶縁層50Lである。下層の第2層間樹脂絶縁層50Lは第1面と第1面とは反対側の第2面を有する。下層の第1層間樹脂絶縁層50Lの第1面はコア基板と対向する面である。
【0098】
(2)次に、CO2 ガスレーザにて、下層の層間樹脂絶縁層50に、直径60μmのビア導体用開口51を形成する(図3(C))。下層の第1層間樹脂絶縁層50Uは下層の第1層間樹脂絶縁層50Uを貫通し表面の導体回路34Uまたは表面の被覆回路42Uに至る第1開口51Uを有する。下層の第2層間樹脂絶縁層50Lは下層の第2層間樹脂絶縁層50Lを貫通し裏面の導体回路34Lまたは裏面の被覆回路42Lに至る第2開口51Lを有する。ビア導体用開口51を有する基板を、60g/lの過マンガン酸を含む80℃の溶液に10分間浸漬し、ビア導体用開口51U、51Lの内壁を含む下層の層間樹脂絶縁層50U、50Lの表面に粗面を形成する(図4(A))。
【0099】
(3)次に、ビア導体用開口51を有する基板を、中和溶液(シプレイ社製)に浸漬してから水洗いする。さらに、層間樹脂絶縁層50の表面およびビア導体用開口51の内壁に触媒を付与する(図示せず)。
【0100】
(4)次に、市販の無電解めっき水溶液中に、基板を浸漬して、層間樹脂絶縁層の表面とビア導体用開口の内壁に厚さ0.3〜3.0μmの無電解銅めっき膜52を形成する(図4(B))。
(5)ついで、無電解銅めっき膜52上に所定パターンのメッキレジスト54を形成する。
【0101】
(6)次いで、市販の電解銅めっき液(例えば上村工業社製のめっき液)に浸漬する。無電解銅めっき膜をシード層として、メッキレジストから露出する無電解銅めっき膜上に電解銅めっき膜56を形成する(図4(C))。ビア導体用開口は電解銅めっき膜56で充填される。電解めっき膜の厚さは12μmである。
【0102】
(7)メッキレジストを除去し、電解銅めっき膜間の無電解銅めっき膜52をエッチングで除去する。下層の第1層間樹脂絶縁層の第2面上に下層の第1導体回路58Uが形成される。下層の第1層間樹脂絶縁層にビア導体用開口51Uを充填する第1のビア導体60−1が形成される。第1のビア導体60−1は表面の導体回路34Uまたは表面の被覆回路42Uと下層の第1導体回路58Uとを接続している。
【0103】
下層の第2層間樹脂絶縁層の第2面上に下層の第2導体回路58Lが形成される。下層の第2層間樹脂絶縁層に第2開口51Lを充填する第2のビア導体60−2が形成される。第2ビア導体60−2は裏面の導体回路34Lまたは裏面の被覆回路42Lと下層の第2導体回路58Lとを接続している。
次に、下層の第1導体回路、下層の第2導体回路、第1のビア導体と第2のビア導体の表面を粗化する(図示せず)。
【0104】
(8)その後、下層の第1層間樹脂絶縁層、下層の第1導体回路と第1のビア導体上に層間樹脂絶縁層用樹脂フィルム(味の素社製:商品名;ABF−45SH)を積層する。下層の第2層間樹脂絶縁層、下層の第2導体回路と第2のビア導体上に層間樹脂絶縁層用樹脂フィルム(味の素社製:商品名;ABF−45SH)を積層する。その後、層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムを硬化することで下層の層間樹脂絶縁層50U、50L上に上層の層間樹脂絶縁層150U、150Lが形成される(図5(A))。
【0105】
下層の第1層間樹脂絶縁層50U上に形成されている上層の層間樹脂絶縁層が上層の第1層間樹脂絶縁層150Uである。上層の第1層間樹脂絶縁層150Uは第1面と第1面とは反対側の第2面を有する。上層の第1層間樹脂絶縁層150Uの第1面は下層の第1層間樹脂絶縁層50Uの第2面と対向する面である。
下層の第2層間樹脂絶縁層50L上に形成されている上層の層間樹脂絶縁層が上層の第2層間樹脂絶縁層150Lである。上層の第2層間樹脂絶縁層150Lは第1面と第1面とは反対側の第2面を有する。上層の第2層間樹脂絶縁層150Lの第1面は下層の第2層間樹脂絶縁層50Lの第2面と対向する面である。
【0106】
(9)次に、CO2 レーザにて、上層の層間樹脂絶縁層150U、150Lにビア導体用開口151U、151Lを形成する(図5(B))。上層の第1層間樹脂絶縁層150Uは上層の第1層間樹脂絶縁層150Uを貫通し下層の第1導体回路58Uまたは第1ビア導体60−1に至る第3開口151Uを有する。ビア導体用開口151Uの直径は60μmである。上層の第2層間樹脂絶縁層150Lは上層の第2層間樹脂絶縁層150Lを貫通し下層の第2導体回路58Lまたは第2ビア導体60−2に至る第4開口151Lを有する。ビア導体用開口151Lの直径は120μmである。
(10)上層の層間樹脂絶縁層150U、150Lの表面を下層の層間樹脂絶縁層の表面と同様に粗化する(図5(B))。
【0107】
(11)その後、ビア導体用開口151を有する基板を、中和溶液(シプレイ社製)に浸漬してから水洗いする。さらに、上層の層間樹脂絶縁層150U、150Lの表面およびビア導体用開口151U、151Lの内壁に触媒を付与する。
(12)次に、市販の無電解めっき水溶液中に、基板を浸漬して、層間樹脂絶縁層の表面とビア導体用開口の内壁に厚さ0.3〜3.0μmの無電解銅めっき膜152U、152Lを形成する(図5(C))。
【0108】
(13)図10に示すよう、上層の第1層間樹脂絶縁層150Uの無電解銅めっき膜152U上に第1のランドと第2のランドを形成するための所定パターンを有するメッキレジスト154Uが形成される。また、上層の第2層間樹脂絶縁層150Lの無電解銅めっき膜152L上に第1のランドと第2のランドを形成するための所定パターンを有するメッキレジスト154Lが形成される。
上層の第1層間樹脂絶縁層150Uの第2面上におけるmは22μmであり、W1は12μmであり、Nは20μmでである。
上層の第2層間樹脂絶縁層150Lの第2面上におけるmは22μmであり、W1は105μmであり、Nは105μmである。
【0109】
(14)次いで、市販の電解銅めっき液(上村工業社製)に浸漬する。無電解銅めっき膜をシード層として、メッキレジストから露出する無電解銅めっき膜上に電解銅めっき膜156を形成する。ビア導体用開口151は電解めっき膜156で充填される。上層の層間樹脂絶縁層上の電解めっき膜の厚さは12μmである。
【0110】
(15)メッキレジストを除去し、電解銅めっき膜156間の無電解銅めっき膜152U、152Lをエッチングで除去する。上層の第1層間樹脂絶縁層150Uの第2面と上層の第2層間樹脂絶縁層の第2面上に第1のランド158L1と第2のランド158L2が形成される(図24参照)。第3のビア導体160−1と第1のランドとからなる第2−1の半田パッドが形成される。第4のビア導体160−2と第1のランドとからなる第2−2の半田パッドが形成される。第1のランドと第2のランドを有する基板は、60g/lの過マンガン酸水溶液に浸漬される。水溶液の温度は60℃で、浸漬される時間は1分である。上層の層間樹脂絶縁層の第2面に付着している触媒が除去される。
【0111】
上層の第1層間樹脂絶縁層150Uの第2面上における第1のランド158L1の幅L1Wは20μmであり、スペースSの幅Gは16μmであり、第2のランドの幅は16μmである。隣接する第2のランド間の間隔は16μmである。
上層の第2層間樹脂絶縁層150Lの第2面上における第1のランド158L1の幅L1Wは20μmであり、スペースSの幅Gは100μmであり、第2のランドの幅は100μmである。隣接する第2のランド間の間隔は100μmである。
第3のビア導体160−1と第4のビア導体160−2の上面は凹んでいる。窪み160iの深さは5μmである。
【0112】
(16)次に、基板を、無電解ニッケルめっき液に浸漬して、第2−1の半田パッドの表面(上面と側面)と第2−2半田パッドの表面(上面と側面)と第2のランドの表面(上面と側面)に厚さ5μmのニッケルめっき層72を形成する。さらに、その基板を無電解金めっき液に浸漬して、ニッケルめっき層72上に、厚さ0.03μmの金めっき層74を形成する(図24)。
【0113】
(17)第2−2の半田パッドに対応する開口80aを有するマスク80を準備する。開口80aの径は120μmであり、第2−2の半田パッドの径は160μmである。第2−2の半田パッドと開口80aが位置合わせされ、マスク80は上層の第2樹脂絶縁層上に置かれる(図7(A))。マスク80の開口80aを介して第2のパッド上にフラックス82が塗布される。続いて、マスク80を上層の第2樹脂絶縁層から取り外す(図7(B)。半田ボールを搭載するためのマスクを準備する。半田ボールを搭載するためのマスクは第2−2の半田パッドに対応する位置に開口を有している。第2の半田パッドと半田ボールを搭載するためのマスクの開口84aが位置合わせされ、半田ボール搭載用のマスク84が上層の第2樹脂絶縁層上に固定される(図7(C))。その後、US2006/0157540(A1)に開示されている半田ボール搭載方法で第2−2の半田パッド上にSn/Agからなる半田ボールが搭載される。半田ボールを搭載するためのマスクが基板から取り外される。リフローすることで第2−2の半田パッド上に第2の半田バンプ78Lが形成される。
【0114】
(18)次に、第2−1の半田パッドに対向する位置にマスク80が位置あわせされる。その後、上層の第1層間樹脂絶縁層の第1面上にマスクが固定される。マスク80の開口の径は60μmであり、第2−1の半田パッドの径は100μmである。マスク80の開口80aを介して、第2−1の半田パッド上にフラックスが塗布される。続いて、マスク80を上層の第1樹脂絶縁層から取り外す。半田ボールを搭載するためのマスクを準備する。半田ボールを搭載するためのマスクは第2−1の半田パッドに対応する位置に開口を有している。第2−1の半田パッドと半田ボールを搭載するためのマスクの開口が位置合わせされ、半田ボール搭載用のマスクが上層の第1樹脂絶縁層上に置かれる。その後、US2006/0157540(A1)に開示されている半田ボール搭載方法で第2−1の半田パッド上にSn/Pbからなる半田ボールが搭載される。半田ボールを搭載するためのマスクが基板から取り外される。リフローすることで第2−1の半田パッド上に第1の半田バンプが形成される。図24に示されているプリント配線板1515が完成する。
【0115】
(第2実施例)
[コア基板の形成方法]
コア基板の形成方法は第1実施例と同様である。
【0116】
[ビルドアップ層の形成]
ビルドアップ層の形成方法は第1実施例と類似している。第2実施例のプリント配線板は、上層の層間樹脂絶縁層上に無電解銅めっき膜が形成されるまで、第1実施例と同様に製造される。上層の第2層間樹脂絶縁層上に形成されている無電解銅めっき膜上に第1のランドと第2のランドを形成するための所定パターンを有するメッキレジストが形成される(図10参照)。上層の第2層間樹脂絶縁層150Lの第2面上におけるmは22μmであり、W1は105μmであり、Nは105μmである。
【0117】
上層の第1層間樹脂絶縁層上に形成されている無電解銅めっき膜上にビアランドと導体回路とパッドを形成するための所定パターンを有するメッキレジストが形成される(図11参照)。上層の第1層間樹脂絶縁層150Uの第2面上におけるXは22μmである。
次いで、市販の電解銅めっき液(上村工業社製)に浸漬する。無電解銅めっき膜をシード層として、メッキレジストから露出する無電解銅めっき膜上に電解銅めっき膜156を形成する(図6(A))。ビア導体用開口は電解めっき膜156で充填される。上層の層間樹脂絶縁層上の電解めっき膜の厚さは12μmである。
【0118】
メッキレジストを除去し、電解銅めっき膜156間の無電解銅めっき膜152をエッチングで除去する。上層の第1層間樹脂絶縁層上にビアランドと導体回路とパッドが形成される。ビアランドの幅は20μmであり、外径は100μmである。上層の第2層間樹脂絶縁層上に第1のランド158L1と第2のランド158L2が形成される。第4のビア導体と第1のランドとからなる第2の半田パッドが形成される。第1のランド158L1の幅L1Wは20μmである。第1のランドの外径L1Dは180μmである。スペースSの幅Gは100μmである。第2のランドの幅は100μmである。第4のビア導体の上面は凹んでいる。窪み160iの深さは2μmである。
【0119】
次に、上層の第1層間樹脂絶縁層の第2面と第3のビア導体とビアランドと導体回路とパッドを覆うソルダーレジスト層70を形成する。第3のビア導体の上面とパッドの上面を露出させる開口がレーザでソルダーレジスト層に形成される。ソルダーレジスト層から露出している第3のビア導体の上面やパッドの上面が第1の半田パッドになる。上層の第2層間樹脂絶縁層の第2面にウエットタイプのブラスト処理を施す。上層の第2層間樹脂絶縁層の第2面から触媒が除去される。
第1の半田パッドの表面と第2の半田パッドの表面と第2のランドの表面にNi/Pd/Auからなる金属層が形成される。
【0120】
第2の半田パッド上に第1実施例の(17)に記載されている方法で第2の半田バンプが形成される。
第1の半田パッド上にSn/Pbからなる半田ペーストが印刷され、リフローされることで第1の半田パッド上にSn/Pbからなる第1の半田バンプが形成される。図8に示されているプリント配線板10が完成する。
【0121】
[第3実施例]
(1)0.3mmの銅板1000を準備する(図18(A))。
(2)銅板上に電極を形成するための所定パターンを有するメッキレジスト1001を形成する(図18(B))。
(3)銅板をシード層として、メッキレジストから露出する銅板上にニッケルめっき膜1002を形成する。続いて、ニッケルめっき膜上に銅めっき膜1003を形成する(図18(C))。ニッケル膜の厚みは5μmであり、銅めっき膜の厚みは15μmである。
【0122】
(4)メッキレジスト1001を除去する(図18(D))。
(5)銅板と銅めっき膜上に第1面と第1面とは反対側の第2面とを有する層間樹脂絶縁層1004(味の素社製:商品名;ABF−45SH)を形成する。第1面は銅板と対向する面である(図18(E))。
(6)層間樹脂絶縁層1004に銅めっき膜に至る開口1005を形成する(図18(F))。開口の径(層間樹脂絶縁層の第2面での直径)は50μmである。
【0123】
(7)無電解銅めっき液(上村工業社製のスルカップ)に層間樹脂絶縁層1004の表面(開口1005の内壁が含まれる)と開口1005により露出している電極を浸漬する。層間樹脂絶縁層1004の表面(開口1005の内壁が含まれる)と開口1005により露出している電極に1.2μmの無電解銅めっき膜2300が形成される(図19(A))。
【0124】
(8)無電解銅めっき膜2300上に第1のランドと第2のランドを形成するためのメッキレジスト2301を形成する(図19(B))。
(9)メッキレジスト2301から露出する無電解銅めっき膜を硫酸銅めっき液に浸漬する。無電解銅めっき膜2300をシード層として、メッキレジスト2301から露出する無電解銅めっき膜上に電解銅めっき膜2304を形成する(図19(C))。同時に、開口1005は電解銅めっき膜で充填されビア導体2302が形成される。層間樹脂絶縁層1004上の電解銅めっき膜2302の厚さは12μmである。
【0125】
(11)めっきレジスト1001が除去される。電解銅めっき膜間の無電解銅めっき膜がエッチング液で除去されることで、層間樹脂絶縁層1004の第2面上に第1のランド158L1と第2のランド158L2が形成される(図19(D))。第1のランドの外径は80μmであり、第2のランドの内径は110μmであり、第2のランドの外径は140μmである。スペースSの幅Wは15μmである。第2のランドの上面とビア導体2302の上面は略同一レベルである。第1のランド158L1とビア導体2302とからなる第2の半田パッドが得られる。過マンガン酸水溶液に浸漬することで触媒が除去される。
【0126】
(12)層間樹脂絶縁層の第2面と第2の半田パッドと第2のランドをPETフィルム2303で覆う(図20(A))。
(13)銅板1000をエッチング液(日本化学産業社製のCopper selective etchant-CS series)で選択的にエッチングする(図20(B))。
(14)ニッケルめっき膜1002をエッチング液(日本化学産業社製のNickel selective etchant-NC)で選択的にエッチングする。PETフィルム2303を剥がすことで図20(C)に示されるプリント配線板30000が完成する。
【0127】
(15)US2006/0157540(A1)に開示されている半田ボール搭載方法で第2の半田パッドと電極上に半田バンプを形成する。第2の半田パッド160R上に形成される半田バンプが第2の半田バンプ78Lであり、電極1003上に形成される半田バンプが第1の半田バンプ78Uである。
【0128】
[第4実施例]
第4実施例は第3実施例に類似しているプリント配線板である。第3実施例の(1)〜(7)の手順は同様である。
その後、無電解銅めっき膜2300上にビアランドと導体回路を形成するためのメッキレジスト3300を形成する(図21(A))。
【0129】
無電解めっき膜2300をシード層として、メッキレジスト3300から露出する無電解銅めっき膜上に電解銅めっき膜3301を形成する(図21(B))。同時に、開口1005は電解銅めっき膜で充填され下層のビア導体1009が形成される。下層の層間樹脂絶縁層1004上の電解銅めっき膜3301の厚さは12μmである。
メッキレジスト3300を除去する。電解銅めっき膜3301から露出している無電解銅めっき膜を除去する(図21(C))。下層の層間樹脂絶縁層1004の第2面上にビアランド3301と下層の導体回路1008が形成される。
【0130】
下層の層間樹脂絶縁層1004の第2面と下層のビア導体1009とビアランド3301と下層の導体回路1008上に上層の層間樹脂絶縁層1011を形成する。上層の層間樹脂絶縁層1101は第1面と第1面とは反対側の第2面を有する。上層の層間樹脂絶縁層1101の第1面は下層の層間樹脂絶縁層1004の第2面と対向している。上層の層間樹脂絶縁層を貫通し、下層のビア導体1109に至る上層の開口3336を上層の層間樹脂絶縁層に形成する(図21(D))。
【0131】
以降、第3実施例の(7)〜(14)の処理が施され、図21(E)に示されるプリント配線板4000が完成する。
【0132】
[応用例3]
第1実施例や第2実施例、第3実施例、第4実施例で得られるプリント配線板は、第1の半田バンプを介してICチップなどの電子部品を実装することができ、第2の半田のバンプを介してマザーボードに搭載されることができる。
【0133】
[応用例4]
第1実施例や第2実施例、第3実施例、第4実施例で得られるプリント配線板は、第2の半田バンプを介してICチップなどの電子部品を実装することができ、第1の半田のバンプを介してマザーボードに搭載されることができる。
多端子の電子部品を搭載する観点からすると、応用例1は応用例2より優れ、応用例3は応用例4より優れている。
【符号の説明】
【0134】
30 基板
36 スルーホール
40 樹脂充填層
50 層間樹脂絶縁層
58 導体回路
60 バイアホール
70 ソルダーレジスト層
159 ダミーパターン
159a 短絡用配線
160D バイアホール
160R ランド
160i 窪み
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面と該第1面とは反対側の第2面とを有する絶縁層と、
前記絶縁層の第2面上の導体回路と、
前記絶縁層の第2面と前記導体回路上に形成されていて、第1面と第1面とは反対側の第2面を有すると共にビア導体用の開口を有する最外の層間樹脂絶縁層と、
前記最外の層間樹脂絶縁層の第2面上に形成されていて前記ビア導体用の開口の周囲に形成されている第1のランドと、
前記最外の層間樹脂絶縁層のビア導体用の開口に形成されていて前記絶縁層の第2面上の導体回路と前記第1のランドとを接続しているビア導体と、
前記最外の層間樹脂絶縁層の第2面上に形成されていて前記第1のランドの周囲にスペースを介して形成されている第2のランドと、
前記ビア導体と前記第1のランドとからなる第2の半田パッド上に形成されている第2の半田バンプとからなるプリント配線板であって、
前記第1のランドと前記ビア導体は直接接続されていて、前記絶縁層の第2面と前記最外の層間樹脂絶縁層の第1面は対向している。
【請求項2】
請求項1のプリント配線板において、前記最外の層間樹脂絶縁層の第2面は前記第1のランドと第2のランドから露出している。
【請求項3】
請求項1のプリント配線板において、第2のランドは前記最外の層間樹脂絶縁層の第2面上で独立している。
【請求項4】
請求項1または2のプリント配線板において、前記第1のランドと前記第2のランドは前記最外の層間樹脂絶縁層の第2面上に形成されている短絡配線によって直接接続されている。
【請求項5】
請求項2又は請求項3のプリント配線板において、前記絶縁層は樹脂と補強材とからなる。
【請求項6】
請求項5のプリント配線板において、さらに、前記絶縁層の第1面に形成されている導体回路と、
前記絶縁層の第1面及び前記絶縁層の第1面上の導体回路上に形成され、第1面と該第1面と反対側の第2面とを有すると共にビア導体用の開口を有している上層の第1層間樹脂絶縁層と、
前記上層の第1層間樹脂絶縁層の第2面上に形成されているビアランドと、
前記上層の第1層間樹脂絶縁層のビア導体用の開口に形成され前記絶縁層の第1面上の導体回路と前記上層の第1層間樹脂絶縁層の第2面上に形成されているビアランドと接続している第3ビア導体と、
前記上層の第1層間樹脂絶縁層の第2面と前記第3ビア導体と前記ビアランド上に形成されていると共に前記第3ビア導体を露出する開口を有するソルダーレジスト層と、
前記ソルダーレジスト層の開口から露出する第3ビア導体上に形成されている第1の半田バンプとを有し、前記絶縁層の第1面と前記上層の第1層間樹脂絶縁層の第1面は対向している。
【請求項7】
請求項1または2のプリント配線板において、第2の半田パッドは電子部品を搭載するためのパッドである。
【請求項8】
請求項1または2のプリント配線板において、第2の半田パッドはマザーボードと接続するためのパッドである。
【請求項9】
請求項6のプリント配線板において、第2の半田パッドはマザーボードと接続するためのパッドであり、前記第1の半田バンプは電子部品を搭載するためのバンプである。
【請求項10】
請求項1のプリント配線板において、前記第2の半田パッドを構成する前記ビア導体の上面は前記第1のランドの上面に対し凹んでいる。
【請求項11】
請求項1または2のプリント配線板において、前記第2の半田バンプは第2のランドと第2の半田パッド上に形成されている。
【請求項12】
第1面と第1とは反対側の第2面とを有する層間樹脂絶縁層と、
前記層間樹脂絶縁層の第1面側において前記層間樹脂絶縁層に埋まっている電極と、
前記層間樹脂絶縁層の第2面に形成されている第1のランドと該第1のランドの周囲にスペースを介して形成されている第2のランドと、
前記層間樹脂絶縁層を貫通し、前記第1のランドと前記電極とを接続しているビア導体と、前記ビア導体と前記第1のランドとからなる第2の半田パッド上に形成されている第2の半田バンプとからなるプリント配線板において、層間樹脂絶縁層の第1面から露出する前記電極の第1面は層間樹脂絶縁層の第1面から凹んでいる。
【請求項1】
第1面と該第1面とは反対側の第2面とを有する絶縁層と、
前記絶縁層の第2面上の導体回路と、
前記絶縁層の第2面と前記導体回路上に形成されていて、第1面と第1面とは反対側の第2面を有すると共にビア導体用の開口を有する最外の層間樹脂絶縁層と、
前記最外の層間樹脂絶縁層の第2面上に形成されていて前記ビア導体用の開口の周囲に形成されている第1のランドと、
前記最外の層間樹脂絶縁層のビア導体用の開口に形成されていて前記絶縁層の第2面上の導体回路と前記第1のランドとを接続しているビア導体と、
前記最外の層間樹脂絶縁層の第2面上に形成されていて前記第1のランドの周囲にスペースを介して形成されている第2のランドと、
前記ビア導体と前記第1のランドとからなる第2の半田パッド上に形成されている第2の半田バンプとからなるプリント配線板であって、
前記第1のランドと前記ビア導体は直接接続されていて、前記絶縁層の第2面と前記最外の層間樹脂絶縁層の第1面は対向している。
【請求項2】
請求項1のプリント配線板において、前記最外の層間樹脂絶縁層の第2面は前記第1のランドと第2のランドから露出している。
【請求項3】
請求項1のプリント配線板において、第2のランドは前記最外の層間樹脂絶縁層の第2面上で独立している。
【請求項4】
請求項1または2のプリント配線板において、前記第1のランドと前記第2のランドは前記最外の層間樹脂絶縁層の第2面上に形成されている短絡配線によって直接接続されている。
【請求項5】
請求項2又は請求項3のプリント配線板において、前記絶縁層は樹脂と補強材とからなる。
【請求項6】
請求項5のプリント配線板において、さらに、前記絶縁層の第1面に形成されている導体回路と、
前記絶縁層の第1面及び前記絶縁層の第1面上の導体回路上に形成され、第1面と該第1面と反対側の第2面とを有すると共にビア導体用の開口を有している上層の第1層間樹脂絶縁層と、
前記上層の第1層間樹脂絶縁層の第2面上に形成されているビアランドと、
前記上層の第1層間樹脂絶縁層のビア導体用の開口に形成され前記絶縁層の第1面上の導体回路と前記上層の第1層間樹脂絶縁層の第2面上に形成されているビアランドと接続している第3ビア導体と、
前記上層の第1層間樹脂絶縁層の第2面と前記第3ビア導体と前記ビアランド上に形成されていると共に前記第3ビア導体を露出する開口を有するソルダーレジスト層と、
前記ソルダーレジスト層の開口から露出する第3ビア導体上に形成されている第1の半田バンプとを有し、前記絶縁層の第1面と前記上層の第1層間樹脂絶縁層の第1面は対向している。
【請求項7】
請求項1または2のプリント配線板において、第2の半田パッドは電子部品を搭載するためのパッドである。
【請求項8】
請求項1または2のプリント配線板において、第2の半田パッドはマザーボードと接続するためのパッドである。
【請求項9】
請求項6のプリント配線板において、第2の半田パッドはマザーボードと接続するためのパッドであり、前記第1の半田バンプは電子部品を搭載するためのバンプである。
【請求項10】
請求項1のプリント配線板において、前記第2の半田パッドを構成する前記ビア導体の上面は前記第1のランドの上面に対し凹んでいる。
【請求項11】
請求項1または2のプリント配線板において、前記第2の半田バンプは第2のランドと第2の半田パッド上に形成されている。
【請求項12】
第1面と第1とは反対側の第2面とを有する層間樹脂絶縁層と、
前記層間樹脂絶縁層の第1面側において前記層間樹脂絶縁層に埋まっている電極と、
前記層間樹脂絶縁層の第2面に形成されている第1のランドと該第1のランドの周囲にスペースを介して形成されている第2のランドと、
前記層間樹脂絶縁層を貫通し、前記第1のランドと前記電極とを接続しているビア導体と、前記ビア導体と前記第1のランドとからなる第2の半田パッド上に形成されている第2の半田バンプとからなるプリント配線板において、層間樹脂絶縁層の第1面から露出する前記電極の第1面は層間樹脂絶縁層の第1面から凹んでいる。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【公開番号】特開2011−249796(P2011−249796A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−110433(P2011−110433)
【出願日】平成23年5月17日(2011.5.17)
【出願人】(000000158)イビデン株式会社 (856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月17日(2011.5.17)
【出願人】(000000158)イビデン株式会社 (856)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]