説明

基板加工方法および基板加工装置

【課題】積層した多数枚のガラス基板をずれないように保持して精度良く切削加工などの加工を各ガラス基板に同時に施すことのできるガラス基板加工方法を提案すること。
【解決手段】本発明のガラス基板加工方法では、加工対象の複数枚のガラス基板3を、液体を含浸させて湿潤状態の液体吸収性シート31を挟み、厚さ方向に重ね合わせて基板積層体4を形成し、これを厚さ方向の両側からクランプ機構5によってクランプし、クランプ状態の基板積層体4に、走行状態の1本のワイヤー2を押し付けてガラス基板に対して同時に同一の切削加工を施す。湿潤状態の液体吸収性シートを挟んだ状態で多数枚のガラス基板3がクランプされるので、ガラス基板間の密着力が高く、加工時におけるガラス基板のずれを防止でき、加工精度を高めることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダイヤモンドワイヤーなどのワイヤーを用いて液晶パネルなどに用いられるガラス基板、その他の基板を所望の輪郭形状に切削加工するのに適した基板加工方法および基板加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
切断刃としてワイヤーを用いたセラミック基板の形状加工装置としては、特許文献1に開示されているセラミック加工装置が知られている。当該特許文献1に開示のセラミック加工装置では、ダイヤモンドワイヤーを対向する第1、第2案内機構によって直線状に送り出し、これらの間に配置されたXYテーブルに固定されたセラミック製の被加工物にダイヤモンドワイヤーを押し付けながら当該被加工物の形状加工を行うように構成されている。
【0003】
また、特許文献2には、ダイヤモンドワイヤーを用いた光学部品の加工方法が開示されている。ここに開示の方法では、ダイヤモンドワイヤーを張った2個のプーリーを同調回転させてプーリー間のダイヤモンドワイヤーを往復運動させながら光学部品を切断するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−165047号公報
【特許文献2】特開2008−68332号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1、2に開示のダイヤモンドワイヤーを用いた切断方法では、セラミック製の基板を曲線状の輪郭形状に切断加工すること、矩形の基板の端面にC面加工を施すことが可能である。しかしながら、基板を1枚ずつ切断加工しているので生産効率が悪く、量産に向かないという問題点がある。これを解消するためには多数枚の基板を積層した状態で切断加工を行うことが考えられるが、加工中に積層状態の基板にずれが生ずると、各基板の加工精度が悪化してしまうので好ましくない。
【0006】
また、特許文献1においてはXYテーブルに被加工物を乗せてXY方向に移動させることにより曲線状に被加工物を切断している。被加工物を複雑な曲線形状に切断する場合、局部的にC面加工などを行う場合には、XY面に直交するθ軸線回りに被加工物を回転させながら切断加工を行うことが望ましい。しかしながら、多数枚を同時加工するために基板を積層した状態でθ軸回りに回転させた場合には、積層状態の基板にずれが発生しやすいという問題が生ずる。
【0007】
一方、加工性能を高めるためにはワイヤーの切り込み速度、送り速度を上げる必要がある。しかしながら、これらの速度を上げると、加工時にワイヤーに作用する負荷変動が大きくなり、これに起因して、切り込み速度、送り速度の変動も大きくなる。このため、加工精度を維持しながら加工性能を高めることが困難である。
【0008】
本発明の課題は、このような点に鑑みて、積層した多数枚の基板をずれないように保持して精度良く切削加工などの加工を各基板に同時に施すことのできる基板加工方法および基板加工装置を提案することにある。
【0009】
また、本発明の課題は、ワイヤーに作用する走行負荷変動を抑制して、加工精度を維持しながら加工速度を高めることのできる基板加工方法および基板加工装置を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明の基板加工方法は、
加工対象の複数枚の基板を、液体吸収性シートを挟み、厚さ方向に重ね合わせて基板積層体を形成する積層工程と、
前記基板積層体を前記厚さ方向の両側からクランプするクランプ工程と、
クランプ状態の前記基板積層体を構成している前記基板のそれぞれに対して同時に同一の切削加工、または、研削あるいは研磨加工を施す加工工程と、
前記積層工程の前、あるいは前記積層工程の後において、前記液体吸収性シートに液体を含浸させる液体含浸工程とを含むことを特徴としている。
【0011】
本発明の方法では、液体を含浸させた液体吸収性シートを挟んだ状態で多数枚の基板がクランプされ、この状態で各基板に加工が施される。液体を含浸した液体吸収性シートを介して基板が積層されているので、基板間の密着力を上げることができ、加工時における基板のずれを防止でき、加工精度を高めることができる。また、液体吸収性シートを介して基板を積層するので、基板の積層時に基板同士が直接に接触することがないので、基板同士の接触に起因する基板表面などの損傷の発生も防止できる。
【0012】
ここで、液体吸収性シートとしては、紙、布、不織布、プラスチック、ゴムなどの各種の素材からなるシートを用いることができる。また、液体吸収性シートに含浸させる液体としては、水、油などを用いることができる。さらに、加工時には切削油、研磨液などを使用するので、加工時に液体吸収性シートに切削液、研磨液などを含浸させることもできる。
【0013】
また、脆弱なシリコン基板などの基板を変形しないようにクランプする場合などにおいては、前記クランプ工程において、前記基板積層体を、その両端に重ねたダミー基板を介してクランプすることが望ましい。
【0014】
本発明において、前記加工工程では、1本のワイヤーを用いて、前記基板を同一輪郭形状となるように切削加工を施すことができる。ワイヤーとしてはダイヤモンドワイヤーを用いることが望ましい。
【0015】
この場合、基板を曲線状などの輪郭形状に効率良く切断するためには、前記加工工程において、クランプ状態の前記基板積層体を、当該基板積層体の厚さ方向に直交する平面方向に移動させると共に、予め定めた中心軸線回りに回転させながら、前記基板の切削加工を行うことが望ましい。
【0016】
次に、本発明は上記の方法により基板に加工を施す基板加工装置であって、
前記基板積層体を両側からクランプするために同軸状態で対向配置されている第1支持板および第2支持板と、
前記第1支持板および前記第2支持板を相対的に接近する方向に押し付けてこれらの間に配置されている前記基板積層体を両側からクランプするクランプ機構と、
前記第1、第2支持板をこれらの中心軸線回りに同期回転させる同期回転機構と、
前記第1、第2支持板を前記中心軸線に直交する平面に沿って二軸方向に移動させるXYテーブル機構と、
前記クランプ機構によって前記第1、第2支持板の間にクランプされている前記基板積層体の各基板に対して同時に同一輪郭形状となるように切削加工を施すためのワイヤーを走行させるワイヤー走行機構とを有していることを特徴としている。
【0017】
基板積層体をクランプしている両側の第1、第2支持板を同期回転させるので、基板積層体の回転ずれを防止でき、各基板にずれが生ずることがない。よって、各基板に対して精度良く切削加工を施すことができる。
【0018】
ここで、前記ワイヤー走行機構は、
前記基板に対する加工位置に向けてワイヤーを送り出す巻き出しローラーと、
前記加工位置を経由した後のワイヤーを巻き取る巻き取りローラーと、
前記加工位置に対してワイヤー走行方向の上流側の位置において、前記ワイヤーを緊張状態に保持している上流側テンションプーリーと、
前記加工位置に対してワイヤー走行方向の下流側の位置において前記ワイヤーを緊張状態に保持している下流側テンションプーリーと、
前記加工位置を経由して前記ワイヤーを走行させる繰り出しローラーと、
前記繰り出しローラーの回転を制御する制御部とを有し、
前記上流側テンションプーリーおよび前記下流側テンションプーリーのそれぞれは、ワイヤーの走行経路を増減可能な方向に移動可能な状態で支持され、経路長を増加させる方向に付勢されており、
前記制御部は、前記巻き出しローラーによるワイヤー巻き出し速度および前記巻き取りローラーによるワイヤー巻き取り速度と、前記上流側テンションプーリーおよび前記下流側テンションプーリーの移動位置とに基づき、前記加工位置における前記ワイヤーの走行速度が一定となるように、前記繰り出しローラーの回転を制御することを特徴としている。
【0019】
このように、加工位置の上流側および下流側の位置においてテンションプーリーにワイヤーを巻き掛けておくことにより、ワイヤーの走行負荷の増減を抑制でき、ワイヤーを一定の緊張状態に保持できる。また、ワイヤーの巻き出し速度、巻き取り速度と、各テンションプーリーの位置に基づき、加工位置を走行するワイヤーの走行速度を一定に保持することができる。これにより、加工位置においてワイヤーを一定の緊張状態で一定の走行速度で走行させることができるので、ガラス基板の加工の高速化、高精度化に有利である。
【0020】
次に、前記ワイヤー走行機構は、
前記基板に対する加工位置を経由するワイヤーの加工用走行経路を規定している一対の加工用プーリーを有し、
前記繰り出しローラーから繰り出されたワイヤーが前記一対の加工用プーリーによってガイドされて前記加工用走行経路に沿って走行するようになっていることを特徴としている。
【0021】
従来のマルチワイヤーソーでは、ワイヤー繰り出しローラーと加工用プーリーが兼用であるが、1本のワイヤーを用いて加工を行う場合には、兼用のローラーへの巻き付け量が少なくなるので、ワイヤーを十分な走行力で走行させることが困難になる。本発明によれば、加工用プーリーとワイヤー繰り出しローラーとを配置してあるので、このワイヤー繰り出しローラーに対して十分な巻き付け量でワイヤーを巻き付けることができる。よって、ガラス基板の切削加工に必要とされるワイヤー走行力を確保することができる。
【0022】
この場合、前記ワイヤー走行機構は、さらに、
前記加工位置の両側の位置において前記加工用走行経路に沿って走行するワイヤーをガイドする一対のガイドプーリーと、
前記ガイドプーリーの外周面に形成されているワイヤーガイド溝が、前記加工位置における前記基板に対する前記ワイヤーの押し付け方向を向くように、当該ガイドプーリーの向きを制御する向き制御機構とを備えていることが望ましい。
【0023】
このように、加工用プーリーのワイヤーガイド溝の向きを常に加工方向と相対する向きになるように制御すると、基板積層体の側を移動あるいは回転させて、ワイヤーによる加工方向が加工用プーリーのワイヤーガイド溝に向くように制御する必要がない。よって、加工時における基板積層体の位置制御を簡単に行うことが可能になる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の基板加工方法および装置では、液体を含浸させた液体吸収性シートを挟んだ状態で多数枚の基板がクランプされ、この状態で各基板に加工が施される。液体を含浸した液体吸収性シートを介して基板が積層されているので、基板間の密着力を上げることができ、加工時における基板のずれを防止でき、加工精度を高めることができる。また、液体吸収性シートを介して基板を積層するので、基板の積層時に基板同士が直接に接触することがないので、基板同士の接触に起因する基板表面などの損傷の発生も防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明を適用したガラス基板加工装置の平面構成を示す説明図である。
【図2】図1の矢印IIで示す装置前側から見た場合のガラス基板加工装置の側面構成を示す説明図である。
【図3】図1の矢印IIIで示す装置背面側から見た場合のガラス基板加工装置の構成を示す説明図である。
【図4】図1の矢印IVで示す方向から見た場合のガラス基板加工装置の構成を示す説明図である。
【図5】図1の矢印Vで示す方向から見た場合のガラス基板加工装置の構成を示す説明図である。
【図6】(a)は基板積層体の構成を示す説明図であり、(b)はクランプ機構、θ軸回転機構およびXYテーブル機構を示す説明図である。
【図7】(a)はワイヤー走行機構における加工位置の部分を示す側面図であり、(b)はその説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に、図面を参照して、本発明を適用したガラス基板加工装置の実施の形態を説明する。なお、本発明はガラス基板以外の基板、例えば、シリコン基板などの加工装置としても同様に用いることができることは勿論である。
【0027】
(全体構成)
図1は本実施の形態に係るガラス基板加工装置の平面構成を示す説明図であり、図2は図1の矢印IIで示す装置前側から見た場合の側面構成を示す説明図である。これらの図を参照して説明すると、ガラス基板加工装置1は、1本のダイヤモンドワイヤー2(以下、単にワイヤーと呼ぶ。)を用いてガラス基板を所定の輪郭形状に切断するための装置であり、多数枚のガラス基板3が積層された構成の基板積層体4を上下からクランプするクランプ機構5と、クランプ状態の基板積層体4を垂直軸線であるθ軸線回りに回転させるθ軸回転機構6と、基板積層体4を水平面上において二軸方向に移動させるXYテーブル機構7と、基板積層体4の各ガラス基板3の加工位置を経由させてワイヤー2を走行させるワイヤー走行機構8とを備えている。これらの各機構5〜8は、予め設定されたシーケンスあるいは制御プログラムに従って、操作盤9に内蔵されている制御部9aによって駆動制御される。また、本例では各構成部が直方体形状の装置フレーム10に内蔵されている。
【0028】
(ワイヤー走行経路)
図3(a)は、図1の矢印IIIで示す装置背面側から見た場合のガラス基板加工装置の構成を示す説明図である。図4および図5は、それぞれ、図1の矢印IVおよびVで示す方向から見た場合のガラス基板加工装置の構成を示す説明図である。これらの図を参照して、ワイヤー走行機構8によるワイヤー2の走行経路を説明する。
【0029】
まず、図1、図3(a)を参照して説明すると、装置フレーム10の内部の背面側の部位には、装置幅方向に延びる垂直仕切り板11が配置されており、この垂直仕切り板11の背面側の下端部分には、装置背面側に水平に延びる状態に、巻き出しローラー12および巻き取りローラー13が配置されている。巻き出しローラー12を巻き出し方向に回転駆動することにより、ここに巻き付けられているワイヤー2が巻き出される。
【0030】
巻き出しローラー12から巻き出されたワイヤー2は、垂直ガイドプーリー14、吊り下げプーリー15、テンションプーリー16および吊り下げプーリー17を経由して上下方向に引き回された後に、垂直ガイドプーリー18を経由して装置前方に水平にガイドされ、垂直仕切り板11に形成したワイヤー通し穴19を経由して装置前方に水平に引き出される。装置前方に引き出されたワイヤー2は、図4、図1から分かるように、垂直軸線回りに回転自在な一対の水平ガイドプーリー21、22を経由した後に、装置幅方向に延びる水平軸線回りに回転駆動される上下一対の繰り出しローラー23、24に複数枚巻き付けられた後に、ここから前方に向けて斜め上方に引き出されている。
【0031】
繰り出しローラー23、24から引き出されたワイヤー2は、図2、図1に示すように、装置幅方向に延びる水平軸線回りに回転自在な上加工用プーリー25から下方に垂直に引き出されて、同じく装置幅方向に延びる水平軸線回りに回転自在な下加工用プーリー26に架け渡されている。これらの上加工用プーリー25と下加工用プーリー26の間が加工用走行経路であり、ここに架け渡されているワイヤー2の部分が、基板積層体4の各ガラス基板3に切断加工を施す加工位置2Aとなっている。
【0032】
ワイヤー2は、下加工用プーリー26から装置後側に引き出された後は、図1、図4に示すように、再び、上下一対の繰り出しローラー23、24の間に複数回巻き付けられた後に、装置後側に引き出されて、垂直ガイドプーリー27を経て、一対の水平ガイドプーリー21、22の下側に配置されている一対の水平ガイドプーリー21a、22aを経由して垂直仕切り板11に形成したワイヤー通し穴19aから背面側に引き出されている。
【0033】
この後のワイヤー2の部分は、図3、図1に示すように、垂直ガイドプーリー18aを経由して上方に向きを変えた後に、吊り下げプーリー17a、テンションプーリー16aおよび吊り下げプーリー15aを経由して上下方向に引き回され、垂直ガイドプーリー14aを経由して、巻き取りローラー13に巻き取られる。
【0034】
(基板積層体)
次に、図6(a)は基板積層体4の構成を示す側面図および説明図である。切断対象のガラス基板3は例えば矩形輪郭の一定厚さの基板であり、多数枚のガラス基板3が液体吸収性シート31を挟み同軸状態に重ねて基板積層体4が構成されている。液体吸収性シート31は紙、不織布、プラスチック、ゴムなどの各種の素材のものを用いることができる。また、液体吸収性シート31はガラス基板3と同一あるいは異なる輪郭形状のものとすることができる。大きさは、ガラス基板3と同一でもよいし、それよりも大きくすることも可能であり、逆に小さくすることも可能であるが、一般的には一回り小さなものを用いればよい。
【0035】
本例では、ガラス基板3を同軸状態に積層する際に、水、油などの液体を含浸させて湿潤状態となった液体吸収性シート31を各ガラス基板3の間に挟むようにしている。この代わりに、乾燥状態の液体吸収性シート31を挟みながらガラス基板3を積層して基板積層体4を構成した後に、水、油などの液体を基板積層体4に吹き付けて液体吸収性シート31に液体を含浸させることもできる。さらには、ワイヤー2による切断加工時に、水あるいは切削油を吹き付けて液体吸収性シート31に液体を含浸させて湿潤状態にすることもできる。このように、湿潤状態の液体吸収性シート31を挟み重ねたガラス基板3を両側からクランプした場合には、液体吸収性シート31を介して隣接するガラス基板相互の密着性が高まり、相互にずれることを防止できる。
【0036】
また、本例の基板積層体4においては、その両端に、液体吸収性シート31を挟み、それぞれダミー基板3A、3Bが積層されている。ダミー基板3A、3Bはガラス基板3と同一形状とすることができる。勿論、ガラス基板3に対して大きなもの、あるいは小さなものを用いることも可能である。ダミー基板の素材は各種のものを用いることができるが、加工対象のガラス基板よりも硬質のものとすれば、積層状態のガラス基板3を両側からクランプした場合にガラス基板の変形を防止できるので望ましい。また、ダミー基板を取り付けることにより、クランプ機構によるクランプ時に両側のガラス基板3を傷つけることを防止できる。
【0037】
(クランプ機構)
図6(b)はクランプ機構5、θ軸回転機構6およびXYテーブル機構7を示す説明図である。この図を主に参照してクランプ機構5を説明する。クランプ機構5は、同軸状態で垂直に配置されている上中空旋回テーブル軸51と下中空旋回テーブル軸52を備えている。上中空旋回テーブル軸51の下端には、その中空部に連通している下向きの上吸着口を備えた上吸着パッド51a(第1の支持板)が取り付けられており、中空部の上端側の部位は不図示の真空吸引機構の側に連通しており、上吸着パッド51aに上ダミー基板3Aを水平な状態で吸着保持可能となっている。
【0038】
上中空旋回テーブル軸51の上端は、垂直方向に伸縮可能な電動シリンダ53の伸縮ロッド53aに対してフローティングジョイント54を介して同軸状態に連結されており、電動シリンダ53を駆動することにより、上中空旋回テーブル軸51を上下に移動させることが可能である。これに対して、下中空旋回テーブル軸52は定まった位置に配置されている。下中空旋回テーブル軸52の上端には、その中空部に連通している上向きの下吸着口が形成された下吸着パッド52a(第2の支持板)が取り付けられており、中空部は不図示の真空吸引機構に連通しており、下吸着パッド52aに下ダミー基板3Bを水平な状態で吸着保持可能となっている。したがって、上吸着パッド51aと下吸着パッド52aの間に基板積層体4を挟み、これを上下からクランプして吸着保持することができる。
【0039】
(θ軸回転機構)
θ軸回転機構6は、装置前後方向に水平に配置されたθ軸モータ61(図5参照)を備えており、θ軸モータ61のモータ軸に取り付けたウォームギヤ62が、上中空旋回テーブル軸51に同軸状態に取り付けたウォームホイール63にかみ合っている。ウォームホイール63に対して上中空旋回テーブル軸51は例えばスプライン結合されており、その軸線方向には単独でスライド可能であるが、軸線回りにはウォームホイール63と一体回転する。また、上中空旋回テーブル軸51と下中空旋回テーブル軸52の間は同期回転機構64を介して連結されており、これらが同期回転するようになっている。
【0040】
同期回転機構64は、上下の中空旋回テーブル軸51、52と平行に配置した垂直連動軸64aを備えており、上中空旋回テーブル軸51と垂直連動軸64aの上端部の間は、上プーリー64b、64cと、これらの間に架け渡した上タイミングベルト64dとを介して連結されている。同様に、垂直連動軸64aの下端部と下中空旋回テーブル軸52の間も、下プーリー64e、64fと、これらの間に架け渡した下タイミングベルト64gとを介して連結されている。
【0041】
したがって、θ軸モータ61を駆動して上中空旋回テーブル軸51をその軸線回りに回転させると、同期回転機構64を介して、下中空旋回テーブル軸52もその軸線回りに同期回転する。この結果、クランプ機構5によってクランプされている基板積層体4の両側を同期させて回転させることができるので、基板積層体4の上下において回転ずれが発生してガラス基板3にずれが発生するという問題を回避できる。
【0042】
(XYテーブル機構)
上記構成のクランプ機構5およびθ軸回転機構6はXYテーブル機構7に搭載されており、装置前後、左右方向にスライド可能となっている。したがって、クランプ機構5によってクランプされている基板積層体4はその中心軸線回り(θ軸回り)に回転可能であると共に、これに直交する水平方向に移動可能である。すなわち、ワイヤー2による加工位置に対して基板積層体4をθ軸回りに回転でき、水平方向に移動させることができ、これにより、曲線輪郭形状などの任意の切断線に沿って各ガラス基板3を切断することが可能である。
【0043】
図6および図1を主に参照して説明すると、XYテーブル機構7は、装置フレーム10の底面に固定したX軸テーブル機構71を備えており、このX軸テーブル機構71のX軸テーブル72は装置前後方向に水平に配置した一対のX軸ガイドレール73に沿って装置前後方向(X軸方向)にスライド可能であり、不図示のX軸モータによってスライドするようになっている。
【0044】
X軸テーブル72にはY軸テーブル機構74が搭載されており、このY軸テーブル機構74のY軸テーブル75は装置幅方向に水平に配置した一対のY軸ガイドレール76に沿って装置幅方向(Y軸方向)にスライド可能であり、Y軸モータ77によってスライドするようになっている。Y軸テーブル75の先端部には垂直支持イケール78が固定されており、この垂直支持イケール78に、クランプ機構5およびθ軸回転機構6が搭載されている。
【0045】
(ワイヤー走行機構)
次に、ワイヤー走行機構8の各部の構成について説明する。まず、図3を参照してワイヤー走行機構8におけるワイヤー2の巻き出し側および巻き取り側の構成を説明する。先に述べたように、ワイヤー走行機構8は、ガラス基板3に対する加工位置2Aに向けてワイヤー2を送り出す巻き出しローラー12と、加工位置2Aを経由した後のワイヤー2を巻き取る巻き取りローラー13を備えている。巻き出しローラー12は同軸状態に連結されている巻き出しモータ(図示せず)によって回転駆動され、巻き取りローラー13は同軸状態に連結されている巻き取りモータ(図示せず)によって回転駆動される。また、巻き出しローラー12によるワイヤー巻き出し速度および巻き取りローラー13によるワイヤー巻き取り速度がそれぞれ操作盤9に搭載されている制御部9aによってモニターされるようになっている。
【0046】
図3(a)、(b)から分かるように、ワイヤー巻き出しローラー12から巻き出されたワイヤー2は、一対の吊り下げプーリー15、17に上側から架け渡されると共に、これらの間の位置において、テンションプーリー16に下側から架け渡されている。テンションプーリー16は、垂直仕切り板11に取り付けた垂直に延びるガイドレール81に沿ってスライド自在である。また、テンションプーリー16のプーリー軸には錘82が吊り下げられていると共に、ガイドレール81の上端部とプーリー軸の間には垂直方向に延びる引張コイルばね83が掛け渡されている。
【0047】
ワイヤー巻き取りローラー13の側においても同様に構成されており、加工位置2Aから回収されるワイヤー2は、一対の吊り下げプーリー17a、15aに上側から架け渡されていると共に、これらの間の位置において、テンションプーリー16aに下側から架け渡されている。テンションプーリー16aは、垂直仕切り板11に取り付けた垂直に延びるガイドレール81aに沿ってスライド自在である。また、テンションプーリー16aのプーリー軸には錘82aが吊り下げられていると共に、ガイドレール81aの上端部とプーリー軸の間には垂直方向に延びる引張コイルばね83aが掛け渡されている。
【0048】
したがって、ワイヤー2は、その巻き出し側および巻き取り側においてテンションプーリー16、16aによって所定の張力が付与された緊張状態に保持される。また、ワイヤー2に加わる張力の増減に応じて、テンションプーリー16、16aが上下方向にスライドして走行路長を減少および増加する。これにより、ワイヤー2を所定の張力状態に保持することができる。また、テンションプーリー16、16aの上下方向のスライド位置は制御盤9の制御部9aによってモニターされているようになっている。
【0049】
次に、ワイヤー走行機構8の上下一対の繰り出しローラー23、24は、図1、図2に示すように、ワイヤー繰り出しモータ84によって回転駆動される。ワイヤー繰り出しモータ84のモータ軸84aには駆動側プーリー85が取り付けられており、上下の繰り出しローラー23、24のローラー軸23a、24aの軸端には従動側プーリー86、87が取り付けられている。駆動側プーリー85と従動側プーリー86、87との間には1本のタイミングベルト88が掛け渡されており、繰り出しローラー23、24は同一方向に同一速度で回転駆動される。
【0050】
ここで、操作盤9の制御部9aは、加工時には、ワイヤー巻き出し速度およびワイヤー巻き取り速度と、テンションプーリー16、16aの移動位置をモニターしている。そして、加工位置2Aにおけるワイヤー2の走行速度が一定となるように、ワイヤー繰り出しモータ84を駆動制御している。これにより、加工位置においてワイヤーを一定の緊張状態で一定の走行速度で走行させることができるので、ガラス基板の加工の高速化、高精度化に有利である。
【0051】
また、ワイヤー走行機構8では、ガラス基板3に対するワイヤー2の加工位置2Aを規定している上下一対の加工用プーリー25、26と、ワイヤー2を走行させるための繰り出しローラー23、24とを備えている。従来のマルチワイヤーソーでは、ワイヤー繰り出しローラーと加工用プーリーが兼用のローラーを用いて構成されている。1本のワイヤー2を用いて加工を行う場合に、上下の加工用プーリー25、26を繰り出しローラーとして用いると、これらのローラーへのワイヤー巻き付け量を確保できないので、ワイヤー2を十分な繰り出し力(走行力)で走行させることが困難である。本例では、加工用プーリー25、26とワイヤー繰り出しローラー23、24を配置してあるので、このワイヤー繰り出しローラー23、24に対して十分な巻き付け量でワイヤー2を巻き付けることができる。よって、ガラス基板の切削加工に必要とされる繰り出し力(走行力)を確保することができる。
【0052】
次に、図7を参照して、ワイヤー走行機構8における加工位置2Aの部分の構成を説明する。加工位置2Aは先に述べたように、上下一対の加工用プーリー25、26によって規定されている。これらの加工用プーリー25、26の間には、加工位置2Aの上下の位置においてワイヤー2をガイドするために、上下一対のガイドプーリー91、92が配置されている。これらのガイドプーリー91、92の外周面に形成されているワイヤーガイド溝91a、92aに上下方向に延びるワイヤー2が外接する位置に、これらのガイドプーリーが配置されている。
【0053】
ガイドプーリー91、92は、それらのワイヤーガイド溝91a、92aが常に、加工位置2Aにおけるガラス基板3に対するワイヤー2の押し付け方向(切削方向)を向くように、向き制御機構100によって制御可能となっている。
【0054】
向き制御機構100は、ワイヤー2が同軸状態に貫通している上中空軸101の下端および下中空軸102を備えており、上中空軸101の下端において中心から偏心した位置にガイドプーリー91が支持されている。同様に、下中空軸102の上端において中心から偏心した位置にガイドプーリー92が支持されている。上中空軸101および下中空軸102は、軸受を介して、装置フレーム10の側の垂直支持板103から水平に延びる上支持腕104および下支持腕105によって回転自在の状態で支持されている。
【0055】
上中空軸101および下中空軸102は、同期回転機構106によって同一方向に同期回転する。同期回転機構106は、加工位置2Aを通るワイヤー2と平行となるように上下の支持腕104、105の間に、中心軸線回りに回転自在の状態で架け渡されている垂直連動軸106aと、この垂直連動軸106aを回転駆動する駆動モータ106bとを備えている。駆動モータ106bの回転はベルト・プーリー式の伝達機構106cを介して垂直連動軸106aに伝達される。垂直連動軸106aの回転は歯車式伝達機構106d、106eを介して、上中空軸101および下中空軸102にそれぞれ伝達される。駆動モータ106bを駆動すると、上下の中空軸101、102が同一方向に同期回転するので、これらによって支持されているガイドプーリー91、92も同期して同一方向に向くように制御できる。
【0056】
このように、ガイドプーリー91、92のワイヤーガイド溝91a、92aの向きを常に加工方向(切削方向)と相対する向きになるように制御部9aによって制御すると、基板積層体4の側を回転させて、ガイドプーリー91、92のワイヤーガイド溝91a、92aが加工方向を向くように制御する必要がない。よって、加工時における基板積層体4の位置制御が簡単になる。
【0057】
このように構成したガラス基板加工装置1では、例えば、液体で湿潤した液体吸収性シート31を用意し(液体含浸工程)、加工対象の複数枚のガラス基板3を液体吸収性シートを挟み厚さ方向に重ね合わせて、基板積層体4を構成する(積層工程)。この基板積層体4を、クランプ機構5に取り付けて両側からクランプする(クランプ工程)。次に、制御部9aの制御の下に各機構6、7、8を駆動して、ワイヤー2により矩形の各ガラス基板3に対して、例えば円形輪郭となるように切断加工を施す(加工工程)。この結果、多数枚のガラス基板3を精度良く同一輪郭形状に切断することができる。
【符号の説明】
【0058】
1 ガラス基板加工装置
2 ワイヤー
2A 加工位置
3 ガラス基板
3A、3B ダミー基板
4 基板積層体
5 クランプ機構
6 θ軸回転機構
7 XYテーブル機構
8 ワイヤー走行機構
9 操作盤
9a 制御部
10 装置フレーム
11 垂直仕切り板
12 巻き出しローラー
13 巻き取りローラー
14、14a 垂直ガイドプーリー
15、15a 吊り下げプーリー
16、16a テンションプーリー
17、17a 吊り下げプーリー
18、18a 垂直ガイドプーリー
19、19a ワイヤー通し穴
21、21a、22、22a 水平ガイドプーリー
23、24 繰り出しローラー
25 上加工用プーリー
26 下加工用プーリー
27 垂直ガイドプーリー
31 液体吸収性シート
51 上中空旋回テーブル軸
51a 上吸着パッド
52 下中空旋回テーブル軸
52a 下吸着パッド
53 電動シリンダ
53a 伸縮ロッド
54 フローティングジョイント
61 θ軸モータ
62 ウォームギヤ
63 ウォームホイール
64 同期回転機構
64a 垂直連動軸
64b、64c 上プーリー
64d 上タイミングベルト
64e、64f 下プーリー
64g 下タイミングベルト
71 X軸テーブル機構
72 X軸テーブル
73 X軸ガイドレール
74 Y軸テーブル機構
75 Y軸テーブル
76 Y軸ガイドレール
77 Y軸モータ
78 垂直支持イケール
81、81a ガイドレール
82、82a 錘
83、83a 引張コイルばね
84 ワイヤー繰り出しモータ
84a モータ軸
85 駆動側プーリー
86、87 従動側プーリー
88 タイミングベルト
91、92 ガイドプーリー
91a、92a ワイヤーガイド溝
100 向き制御機構
101 上中空軸
102 下中空軸
103 垂直支持板
104 上支持腕
105 下支持腕
106 同期回転機構
106a 垂直連動軸
106b 駆動モータ
106c 伝達機構
106d、106e 歯車式伝達機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加工対象の複数枚の基板(3)を、液体吸収性シート(31)を挟み、厚さ方向に重ね合わせて基板積層体(4)を形成する積層工程と、
前記基板積層体(4)を前記厚さ方向の両側からクランプするクランプ工程と、
クランプ状態の前記基板積層体(4)を構成している前記基板(3)のそれぞれに対して同時に同一の切削加工、または、研削あるいは研磨加工を施す加工工程と、
前記積層工程の前、あるいは前記積層工程の後において、前記液体吸収性シート(31)に液体を含浸させる液体含浸工程とを含むことを特徴とする基板加工方法。
【請求項2】
請求項1において、
前記液体含浸工程は、前記加工工程において前記基板(3)の前記切削加工に用いる切削液、前記研削あるいは研磨加工に用いる研磨液を前記液体吸収性シート(31)に含浸させる工程であることを特徴とする基板加工方法。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記クランプ工程では、前記基板積層体(4)を、その両端に重ねたダミー基板(3A、3B)を介してクランプすることを特徴とする基板加工方法。
【請求項4】
請求項1ないし3のうちのいずれかの項において、
前記加工工程では、1本のワイヤー(2)を用いて、前記基板(3)のそれぞれに対して、同一輪郭形状となるように、同時に同一の切削加工を施すことを特徴とする基板加工方法。
【請求項5】
請求項4において、
前記ワイヤーはダイヤモンドワイヤー(2)であることを特徴とする基板加工方法。
【請求項6】
請求項4または5において、
前記加工工程では、クランプ状態の前記基板積層体(4)を、当該基板積層体(4)の厚さ方向に直交する平面方向に移動させると共に、当該基板積層体(4)を予め定めた中心軸線回りに回転させながら、前記基板(3)の切削加工を行うことを特徴とする基板加工方法。
【請求項7】
請求項1ないし6のうちのいずれかの項において、
加工対象の前記基板はガラス基板(3)であることを特徴とする基板加工方法。
【請求項8】
請求項6に記載の基板加工方法により基板に加工を施す基板加工装置(1)であって、
前記基板積層体(4)を両側からクランプするために同軸状態で対向配置されている第1支持板および第2支持板(51a、52a)と、
前記第1支持板および前記第2支持板を相対的に接近する方向に押し付けてこれらの間に配置されている前記基板積層体を両側からクランプするクランプ機構(5)と、
前記第1、第2支持板をこれらの中心軸線回りに同期回転させる同期回転機構(6)と、
前記第1、第2支持板を前記中心軸線に直交する平面に沿って二軸方向に移動させるXYテーブル機構(7)と、
前記クランプ機構(5)によって前記第1、第2支持板(51a、52a)の間にクランプされている前記基板積層体(4)の各基板(3)に対して同時に同一輪郭形状となるように切削加工を施すためのワイヤー(2)を走行させるワイヤー走行機構(8)とを有していることを特徴とする基板加工装置(1)。
【請求項9】
請求項8において、
前記ワイヤー走行機構(8)は、
前記基板に対する加工位置に向けてワイヤー(2)を送り出す巻き出しローラー(12)と、
前記加工位置(2A)を経由した後のワイヤー(2)を巻き取る巻き取りローラー(13)と、
前記加工位置(2A)に対してワイヤー走行方向の上流側の位置において、前記ワイヤー(2)を緊張状態に保持している上流側テンションプーリー(16)と、
前記加工位置(2A)に対してワイヤー走行方向の下流側の位置において前記ワイヤー(2)を緊張状態に保持している下流側テンションプーリー(16a)と、
前記加工位置(2A)を経由して前記ワイヤー(2)を走行させる繰り出しローラー(23、24)と、
前記繰り出しローラー(23、24)の回転を制御する制御部(9a)とを有し、
前記上流側テンションプーリー(16)および前記下流側テンションプーリー(16a)のそれぞれは、ワイヤー(2)の走行経路を増減可能な方向に移動可能な状態で支持され、経路長を増加させる方向に付勢されており、
前記制御部(9a)は、前記巻き出しローラー(12)によるワイヤー巻き出し速度および前記巻き取りローラー(13)によるワイヤー巻き取り速度と、前記上流側テンションプーリー(16)および前記下流側テンションプーリー(16a)の移動位置とに基づき、前記加工位置(2A)における前記ワイヤー(2)の走行速度が一定となるように、前記繰り出しローラー(23、24)の回転を制御することを特徴とする基板加工装置(1)。
【請求項10】
請求項8または9において、
前記ワイヤー走行機構(8)は、
前記基板(3)に対する加工位置(2A)を経由するワイヤー(2)の加工用走行経路を規定している一対の加工用プーリー(25、26)を有し、
前記繰り出しローラー(23、24)から繰り出されたワイヤー(2)が前記一対の加工用プーリー(25、26)によってガイドされて前記加工用走行経路に沿って走行するようになっていることを特徴とする基板加工装置(1)。
【請求項11】
請求項10において、
前記ワイヤー走行機構(8)は、
前記加工位置(2A)の両側の位置において前記加工用走行経路に沿って走行するワイヤー(2)をガイドする一対のガイドプーリー(91、92)と、
前記ガイドプーリー(91、92)の外周面に形成されているワイヤーガイド溝(91a、92a)が、前記加工位置(2A)における前記基板(3)に対する前記ワイヤー(2)の押し付け方向を向くように、当該ガイドプーリー(91、92)の向きを制御する向き制御機構(100)とを備えていることを特徴とする基板加工装置(1)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−45668(P2012−45668A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−189855(P2010−189855)
【出願日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【出願人】(510231640)株式会社Siti (3)
【Fターム(参考)】