説明

多層プリント配線板

【課題】 機械的強度,耐熱性,接着強度,耐久性,及び寸法安定性が良好で、且つ絶縁層を薄くしても絶縁信頼性が高く、配線の高密度化が可能な多層プリント配線板を提供する。
【解決手段】 アラミドフィルム20と、その両面にエポキシ系接着剤プリプレグシート21,21により接着された銅箔22,22とを積層して、コンデンサーを備える両面配線板B1を製造した。また、アラミドフィルム30と、その両面にエポキシ系接着剤プリプレグシート31,31により接着された銅箔32,32とを積層して、インダクターを備える両面配線板B2を製造した。そして、両面配線板B1,B2をガラスクロスプリプレグを挟んで積層した上、その両面に銅箔52,52を積層して、回路が形成された銅箔を備え各銅箔がスルーホールで接続された8層の多層プリント配線板B4を製造した。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンデンサーやインダクターを内蔵した多層プリント配線板に係り、特に、絶縁層を薄くしても絶縁信頼性が高く、配線の高密度化が可能な多層プリント配線板に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器、特に携帯電話端末やモバイルコンピューター等の携帯端末機器においては、小型化,薄型化,高密度化,及び高性能化が進んでおり、今後のインターネット等の各種メディアや通信等を統合した情報端末機器として、さらなる高性能化が要求されている。一方、これらの電子機器においては、メモリー,CPU等の半導体素子の集積化が進み、性能は飛躍的に向上している。そして、これに伴って、半導体素子を実装するため、半導体パッケージ及びプリント配線板の高密度化が強く要求されている。
【0003】半導体素子をリードフレームに実装して樹脂封止した半導体パッケージをプリント配線板に実装する従来の方式に対し、半導体素子をプリント配線板上に直接搭載するプラスチックパッケージや、各種のモジュール基板,BGA(ボールグリッドアレイ)等の新しい高密度表面実装型の半導体パッケージ方式が提案され、電子機器への採用が進んでいる。
【0004】この半導体パッケージ用のプリント配線板は、従来のものに比べて配線が高密度であり、特に半導体素子実装時の加熱下における寸法精度の向上と耐熱性の向上とが要求されている。すなわち、半導体パッケージ用のプリント配線板では、微細高密度化が求められている。そして、最近では、内層回路板上への絶縁層及び導体層の形成・積み上げと、各導体層間の接続とを、一層ごとに行って製造するビルドアップ法による多層プリント配線板の開発が盛んとなっている。
【0005】このビルドアップ法によってプリント配線板の高密度化を行う上では、各導体層間の導通をとるためのビアホールの径を小さくすることが必要である。そして、微小なビアホールの形成を可能にするためには、導体層の間に介在する絶縁層を薄くすることが重要である。また、パーソナルコンピュータのCPUの高速化により、メモリーモジュールについても同様に、信号速度の高速化に対応することが必須となってきている。このように信号が高速になると境界部で信号の反射が生じ、雑音となって伝送信号の質を低下させる。それを防ぐために任意のインピーダンス値に整合することが必要となり、そのために導体層の厚さと幅、並びに、絶縁層の厚さを設計している。今後の高密度化、すなわち、導体層の幅の減少に伴い、インピーダンス値を整合させるために絶縁層を薄くすることが求められる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このようなビルドアッププリント配線版に用いられる材料として樹脂付銅箔があるが、樹脂層、すなわち絶縁層を薄くすると、銅箔の粗面形状の影響により導体層間の絶縁信頼性が低下するという問題があった。例えば、絶縁層の厚さが20μm以下の場合に表面粗さRzが3.8μmの銅箔の粗面側を内側にして加熱プレスをすると、銅箔の粗面の凸部により2つの銅箔間がショートしてしまう。これは銅箔の粗面の凸部が表面粗さRzで3.8μmであっても、裏表の凸部の高さの和が20μmを超えることを示している。
【0007】また、特表平5−500136号公報には、導電性材料で形成された2つのシートと誘電材料で形成された1つの中間シートとからなるコンデンサー機能を有する積層体を、プリント配線板内部に包含する工法が開示されている。この場合、十分な電気容量を得るためには、前記誘電材料の誘電率を高くするか、2つの導電性材料間の距離を十分に近づけることが必要となる。
【0008】しかしながら、誘電率を高くするために高誘電材のフィラーを樹脂材料に分散させる方法を採ると、その分散工程で導電性の異物が混入することが実質的に避けられず、2つの導電性材料間の絶縁信頼性が低下するおそれがあるという問題があった。また、2つの導電性材料間の距離を近づけると、上述のように導電性材料間でショートしてしまい、プリント配線板の製造における収率が極めて低下するという問題があった。
【0009】また、プリント配線板内部にインダクターを形成する場合は、高透磁率材料を樹脂材料に分散させる方法が採られるが、金属,合金,金属酸化物等の高透磁率材料は、高誘電材料とは異なり、その多くは導電性を有している。よって、全体の透磁率を上げるため高透磁率材料の混合比を大きくすると、原理的にショートが発生しやすいという問題がある。
【0010】そこで、本発明は、上記のような従来技術が有する問題点を解決し、機械的強度,耐熱性,接着強度,耐久性,及び寸法安定性が良好で、且つ絶縁層を薄くしても絶縁信頼性が高く、配線の高密度化が可能な多層プリント配線板を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため、本発明は次のような構成からなる。すなわち、本発明に係る請求項1に記載の多層プリント配線板は、回路が形成された導体金属層を複数備え、各導体金属層がスルーホール又はビアホールで接続された多層プリント配線板において、少なくとも1層の前記導体金属層と、接着性樹脂により前記導体金属層に接着された耐熱性フィルムと、を積層してなる積層体の1個以上で構成されるとともに、前記接着性樹脂の厚さAt1 は、前記導体金属層の両面のうち前記耐熱性フィルムが接着された面の表面粗さをRz(μm)として、1.0×Rz≦At1 ≦10.0×Rzの範囲内とされ、さらに、誘電体と該誘電体で絶縁された2つの電極とからなるコンデンサーを備えていて、前記接着性樹脂と前記耐熱性フィルムとからなる絶縁層が前記誘電体を構成し、前記導体金属層が少なくとも一方の前記電極を構成することを特徴とする。
【0012】また、本発明に係る請求項2に記載の多層プリント配線板は、回路が形成された導体金属層を複数備え、各導体金属層がスルーホール又はビアホールで接続された多層プリント配線板において、少なくとも1層の前記導体金属層と、接着性樹脂により前記導体金属層に接着された耐熱性フィルムと、を積層してなる積層体の1個以上で構成されるとともに、前記接着性樹脂の厚さAt1 は、前記導体金属層の両面のうち前記耐熱性フィルムが接着された面の表面粗さをRz(μm)として、1.0×Rz≦At1 ≦10.0×Rzの範囲内とされ、さらに、導体と磁極材とからなるインダクターを備えていて、前記導体金属層が前記導体を構成し、前記接着性樹脂と前記耐熱性フィルムとからなり透磁性を有する絶縁層が前記磁極材を構成することを特徴とする。
【0013】これらの多層プリント配線板は、機械強度,絶縁性等に優れた耐熱性フィルム及び接着性樹脂を備えているので、機械的強度,耐熱性,接着強度,耐久性,及び寸法安定性が良好で、且つ絶縁層を薄くしても絶縁信頼性が高く、しかも配線の高密度化が可能である。また、請求項1の多層プリント配線板は、耐熱性フィルム,接着性樹脂,導体金属層からなる積層体がコンデンサーとしての機能を備えていて、コンデンサー内蔵型多層プリント配線板となっている。
【0014】さらに、請求項2の多層プリント配線板は、耐熱性フィルム,接着性樹脂,導体金属層からなる積層体がインダクターとしての機能を備えていて、インダクター内蔵型多層プリント配線板となっている。接着性樹脂の厚さAt1 は、導体金属層の表裏両面のうち前記耐熱性フィルムが接着された面(接着面)の表面粗さをRz(μm)として、1.0×Rz≦At1 ≦10.0×Rzの範囲内であることが必要である。厚さAt1 が1.0×Rzよりも薄いと、導体金属層と耐熱性フィルムとの間で接着性樹脂が存在しない領域が急に増大するため、十分な接着強度が発現しない。
【0015】また、厚さAt1 が10.0×Rzよりも厚いと、絶縁層の厚さが厚くなりすぎる。絶縁層の厚さが厚いと、コンデンサーにおいてはその電気容量が絶縁層の厚さの逆数に比例して低くなり、また、インダクターにおいてはコイルとの距離が離れるため磁極材の効果が失われインダクタンスが絶縁層の厚さとともに低くなるので、多層プリント配線板が備えるコンデンサー及びインダクターの性能が低下してしまう。
【0016】接着性樹脂の厚さAt1 が1.0×Rz≦At1 ≦5.0×Rzの範囲であれば、導体金属層の接着面側の先鋭な凸部が耐熱性フィルムを貫通することが実質上皆無になるので、すなわち、完全な絶縁が確保できるので、特に好ましい。なお、前記接着性樹脂の厚さAt1 は、単位面積当たりの接着性樹脂の重量を接着性樹脂の密度で除し、さらに前記単位面積で除した値、すなわち重量換算の平均厚さである。
【0017】次に、多層プリント配線板を構成する各材料について詳細に説明する。
〔耐熱性フィルムについて〕本発明においては、前記耐熱性フィルムは、弾性率が2GPa以上で強度が200MPa以上であるとともに、ガラス転移温度が200℃以上の樹脂で構成されていることが好ましい。
【0018】弾性率や強度が前述の値より低いと、前記耐熱性フィルムが前記導体金属層の凸部により破損して十分な絶縁性が得られなくなるおそれがある。また、ガラス転移温度が200℃未満であると、耐熱性が不十分となる。前記導体金属層と積層する際には加熱下でプレス加工を行うが、耐熱性が不十分であると、プレス加工の際の高温のため、前記耐熱性フィルムが前記導体金属層の凸部により破損して十分な絶縁性が得られなくなるおそれがある。
【0019】上記のような問題が生じないようにするためには、前記耐熱性フィルムは、350℃未満の温度で溶融及び分解が生じない樹脂で構成されていることがより好ましい。このような高耐熱性の樹脂としては、芳香族ポリアミド樹脂(以降はアラミド樹脂と記す),芳香族ポリイミド樹脂(以降はポリイミド樹脂と記す),ポリパラベンゾビスイミダゾール樹脂(PBI),ポリパラベンゾビスオキサゾール樹脂(PBO),ポリパラベンゾビスチアゾール樹脂(PBT)等があげられ、これらの中でも上記要求特性を余裕を持って満たすアラミド樹脂が特に好ましい。
【0020】本発明に用いられるアラミド樹脂は、実質的に下記の化1及び化2の繰り返し単位のうち少なくとも一方で構成されるものである。
【0021】
【化1】


【0022】
【化2】


【0023】ここでAr1 ,Ar2 ,Ar3 は、少なくとも1個の芳香環を含む基であり、互いに同一であってもよいし異なっていてもよい。このような基の代表例としては、下記の化3に示すものがあげられる。
【0024】
【化3】


【0025】なお、化3の芳香環上の水素の一部が、ハロゲン基,ニトロ基,アルキル基,アルコキシ基等で置換されているものも含む。また、Xは、−O−,−CH2 −,−SO2 −,−S−,−CO−等である。特に、全ての芳香環の80モル%以上がパラ位にて結合されているアラミド樹脂は、前記積層体を製造する上で特に好ましい。
【0026】また、耐熱性フィルムの熱膨張係数は、0〜15×10-6/℃であることが好ましい。熱膨張係数が15×10-6/℃以上であると、耐熱性フィルムを用いた多層プリント配線板に半導体素子を実装する際の基板の熱膨張による寸法変化が大きくなって、ボンディング精度が低下したり、ボンディング後の温度変化による素子と基板の熱ストレスが大きく、クラックが発生しやすくなる等の問題が生じるおそれがある。配線ピッチのさらなる精細化に対応するためには、耐熱性フィルムの熱膨張係数は0〜7×10-6/℃であることがより好ましい。
【0027】さらに、耐熱性フィルムの熱収縮率は、半導体素子の実装後の寸法精度を良好なものとするためには、0.2%以下が好ましく、0.1%以下がさらに好ましい。これらの耐熱性フィルムの特性は、長手方向及び幅方向のいずれにおいても満足される必要がある。配線基板の回路パターンによってはこれらが必ずしも同じである必要はないが、長手方向及び幅方向の特性ができる限り近い、いわゆるバランスタイプの耐熱性フィルムが好ましい。
【0028】さらに、前記耐熱性フィルムを構成する耐熱性樹脂は、多層プリント配線板や積層体の物性を損ねたり、本発明の目的を損なうものでないならば、易滑剤、染料,顔料等の着色剤、難燃剤、帯電防止剤、酸化防止剤、その他の添加剤や改質剤を含有してもよい。また、他種のポリマーを含有してもよい。さらに、本発明に用いられる耐熱性フィルムの製造法は特に限定されるものではなく、それぞれの樹脂に適した製造法を採用すればよい。例えば、アラミド樹脂については、有機溶剤に可溶であれば、溶剤中で重合するか、又は、一旦ポリマーを単離した後に再溶解するなどして溶液とし、次いで乾式法又は湿式法にて製膜される。
【0029】一方、ポリパラフェニレンテレフタルアミド(PPTA)等の有機溶剤に難溶なものについては、濃硫酸等に溶解して溶液とし、次いで乾湿式法又は湿式法にて製膜される。湿式法では、溶液はダイから凝固液中に直接押し出されるか、又は、乾式法と同様に金属ドラムもしくはエンドレスベルト上にキャストされた後に凝固液中に導かれ、凝固される。そして、フィルム中に残存する溶剤や無機塩などを洗浄した後、延伸,乾燥,熱処理等の処理が施される。
【0030】このような耐熱性フィルムには、接着性樹脂との接着性を向上するために、プラズマ処理,コロナ処理等の表面処理を施してもよい。接着力向上の効果,接着力の耐久性等を考慮すると、プラズマ処理が好ましい。プラズマ処理の方法としては、プラズマ放電電極間を耐熱性フィルムが走行するようにした連続プラズマ処理が好ましく用いられる。このときの圧力は、真空〜大気圧近傍の圧力である。また、プラズマ処理時に放電空間に供給する雰囲気ガスとしては、アルゴン,キセノン,ネオン,クリプトン等の不活性ガスや、窒素,酸素,水素,炭化水素系ガス,ケトン類,アルコール類や、これらの混合物を使用することができるまた、上記の表面処理に加えて、シランカップリング剤による化学処理や、サンドブラスト処理,ウエットブラスト処理等の物理的な粗化処理等の表面処理を併用することも可能である。
【0031】さらに、請求項1に記載の多層プリント配線板においては、耐熱性フィルムの厚さは3〜20μmであることが好ましい。3μm未満であると強度が不十分となるので、導体金属層の接着面側の凹凸(突起)により耐熱性フィルムが破損して、絶縁性が低下するおそれがある。一方、20μm超過であると、耐熱性フィルムを挟む2つの導体金属層間の距離が大きくなるので、十分な電気容量が得られない。
【0032】〔接着性樹脂について〕本発明において用いられる接着性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂,フェノール樹脂,ポリイミド樹脂,フッ素樹脂,ポリフェニレンエーテル等があげられる。ただし、接着性,耐熱性,コスト等のバランスからエポキシ樹脂が好ましく、硬化剤等を含有したエポキシ樹脂組成物が好ましく使用される。
【0033】このようなエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂,ビスフェノールF型エポキシ樹脂,ビスフェノールS型エポキシ樹脂,ビフェノール型エポキシ樹脂,フェノールノボラック型エポキシ樹脂,クレゾールノボラック型エポキシ樹脂,ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂,ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂,フェノールサリチルアルデヒドノボラック型エポキシ樹脂,シクロペンタジエン型エポキシ樹脂,脂環式エポキシ樹脂,脂肪族鎖状エポキシ樹脂,グリシジルエステル型エポキシ樹脂,ジフェノール類のグリシジルエーテル化物,二価アルコールのグリシジルエーテル化物,ポリフェノール類のグリシジルエーテル化物,ヒダントイン型エポキシ樹脂,トリグリシジルイソシアヌレート等の多官能複素環式エポキシ樹脂,及びそれらの水素添加物やハロゲン化物などがあげられ、これらは単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0034】また、エポキシ樹脂の硬化剤としては、例えば、アミド系硬化剤(ジシアンジアミド,脂肪族ポリアミン等),脂肪族アミン系硬化剤(トリエチルアミン,ジエチルアミン等),芳香族アミン系硬化剤(ジアミノジフェニルメタン,ジアミノジフェニルスルホン,メタフェニレンジアミン等),フェノール系硬化剤(フェノールノボラック樹脂,クレゾールノボラック樹脂等),イミダゾール系硬化剤(2−エチル−4−メチルイミダゾール,2−フェニルイミダゾール等),酸無水物系硬化剤(メチルヘキサヒドロフタル酸無水物等)などの硬化剤があげられ、これらは単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0035】さらに、接着性樹脂と耐熱性フィルムとの接着強度を維持するために、例えばエポキシ樹脂組成物であれば、エポキシポリマーの架橋点間の分子量や架橋密度の調節、分子骨格の柔軟化、第3成分の導入による海島構造の形成等によって、エポキシ組成物の靱性を向上させたものを用いることが好ましく、また、エラストマー成分,熱可塑性ポリマー等の添加剤を添加してもよい。
【0036】このようなエラストマー成分としては、両末端にカルボキシル基やアミノ基を有するアクリロニトリルブタジエンゴム,ブタジエンゴム,アクリルゴム,ニトリルゴム,クロロプレンゴム,ポリイソブテン,フェノール類付加ポリブタジエン化合物等の共役ジエン系ゴム化合物や、ポリエチルビニルエーテル,エチレンビニルエステルの加水分解共重合物,エチレン酢酸ビニルコポリマー,エチレン酢酸ビニル無水マレイン酸グラフトコポリマー,塩化ビニル酢酸ビニル無水マレイン酸ターポリマー,ポリブチルアクリレート等のビニル化合物の重合体を使用することができる。
【0037】また、熱可塑性ポリマーとしては、ポリフェニレンオキサイド,ポリエーテルイミド,ポリスルホン,ポリエーテルスルホン,ポリアリレート,ポリカーボネート,ポリアリルサルホン,ポリヒダントイン,ポリシロキサン等を用いることができる。さらに、接着性樹脂の硬化後のガラス転移温度は、室温〜240℃程度のものが好ましいが、表面実装用の高密度配線板等に用いる場合は、半導体素子を実装する際の加熱プロセスにおける熱変形の発生を防ぐため、硬化後のガラス転移温度が150℃以上のものが好ましい。硬化後のガラス転移温度を150℃以上とするためには、例えばエポキシ樹脂組成物の場合であれば、エポキシ樹脂及び硬化剤として多官能成分又は剛直成分の比率の高いものを用いることによりエポキシ樹脂硬化物の架橋密度を高くしたり、分子鎖の剛直性を高める等の手段が通常用いられる。
【0038】さらに、接着性樹脂には、上記の成分に加えて、硬化触媒,難燃剤,フィラー等の添加剤を添加することもできる。硬化触媒としては、例えば、イミダゾール類(2−メチルイミダゾール,2−エチル−4−メチルイミダゾール,2−フェニルイミダゾール,1−ベンジル−2−メチルイミダゾール,1−ベンジル−2−エチルイミダゾール,1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール,1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール,1−メチル−2−エチルイミダゾール,1−イソブチル−2−メチルイミダゾール等),三級アミン類(1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]ウンデセン,トリエチレンジアミン,ベンジルジメチルアミン等),有機ホスフィン類(トリブチルホスフィン,トリフェニルホスフィン等),テトラフェニルボロン塩(テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート,トリフェニルホスフィンテトラフェニルボレート等),4級アンモニウム塩類(テトラエチルアンモニウムブロマイド,テトラエチルアンモニウムクロライド,テトラプロピルアンモニウムブロマイド,ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド,ベンジルトリエチルアンモニウムブロマイド,ベンジルトリブチルアンモニウムクロライド,ベンジルトリブチルアンモニウムブロマイド,フェニルトリメチルアンモニウムクロライド等),三フッ化ホウ素,モノメチルアミン等があげられ、これらは単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの硬化触媒の含有量は、エポキシ樹脂組成物の固形分100質量部に対して1質量部以下であることが好ましい。
【0039】さらに、接着性樹脂層の寸法安定性,機械的強度,接着性を改良するため、無機又は有機フィラーを添加することも好ましく行われる。さらに、請求項1に記載の多層プリント配線板においては、接着性樹脂の誘電率は10以上が好ましい。よって、接着性樹脂に誘電率の高い材料、例えばチタン酸バリウムやニオブ酸バリウム等を混合することが好ましい。そうすれば、基板上にコンデンサーを形成する際に、同じ電気容量のコンデンサーをより小さい面積で形成することができる。
【0040】なお、混合する高誘電率の材料は粒子として接着性樹脂に分散させるが、高誘電率の材料とともに導電性の異物が混入すると絶縁信頼性に悪影響を与えることが懸念される。しかしながら、本発明の多層プリント配線板においては、導体金属層の間に耐熱性フィルムが介在するので、絶縁信頼性に悪影響が及ぶことは実質上ほとんどない。
【0041】さらに、請求項2に記載の多層プリント配線板においては、接着性樹脂に透磁率の高い材料、例えばフェライト等を混合することが好ましい。そうすれば、基板上にインダクターを形成する際に、同じインダクタンスのインダクターをより小さい面積で形成することができる。なお、混合する高透磁率の材料は粒子として接着性樹脂に分散させるが、多くの高透磁率の材料は導電性を有しているので、充填率によっては絶縁層に高透磁率材料とともに挟まり、絶縁信頼性に悪影響を与えることが懸念される。しかしながら、本発明の多層プリント配線板においては、導体金属層の間に耐熱性フィルムが介在するので、絶縁信頼性に悪影響が及ぶことは実質上ほとんどない。
【0042】〔導体金属層について〕本発明における導体金属層としては、通常は銅箔が用いられる。そして、銅箔の厚さは2μm以上40μm以下が好ましく、また、銅箔の表面粗さRzは0.2μm以上10μm以下のものが好ましい。このような導体金属層は接着性樹脂で耐熱性フィルムに接着されており、その一部が除去されて回路を形成している。この回路は、通常は、パターンエッチングによって形成されるが、メッキによるアディティブ法によって必要な回路を形成してもよい。
【0043】次に、本発明の多層プリント配線板の製造方法について説明する。本発明の多層プリント配線板は、耐熱性フィルムの片面又は両面に接着性樹脂で導体金属層を接着した積層体の1個以上と、内層板の1枚以上と、を備えており、必要であれば最外側にビルドアップ層をさらに備えて、スルーホール又はビアホールで各導体金属層(回路)を導通してある。
【0044】製造方法の一例を示すと、片面が粗化処理された銅箔を接着性樹脂により耐熱性フィルムの両面にプレスで接着して、コアとなる層(コア基板)を形成する。その際には、粗化処理された側の面を耐熱性フィルムに向けて接着性樹脂で接着する。絶縁層及び回路をさらに形成する場合は、片面に銅箔を乗せた物を前記コア基板の両外側の耐熱性フィルムに接着性樹脂により接着する。
【0045】次に、銅箔に回路を形成する。この回路は、通常の方法、すなわち、ドライフィルムレジストでパターンを形成した後にエッチングで形成してもよい。また、銅箔のうちの回路になる部分以外の部分にドライフィルムによるパターンを形成し、銅箔を導電層としてメッキにより回路を形成した後、レジストを剥離し銅箔をエッチングで除去して形成してもよい。
【0046】そして、このように形成した多層基板にスルーホール又はビアホールを設け各銅箔間を導通して、多層プリント配線板とする。なお、スルーホールの形成には、炭酸ガスレーザ−,エキシマレーザー,YAGレーザー等が用いられる。
【0047】
【発明の実施の形態】本発明に係る多層プリント配線板の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の各実施形態は本発明の一例を示したものであって、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
〔第一実施形態〕図1は、第一実施形態の多層プリント配線板の構成を示す断面図である。
【0048】厚さ4.5μmのアラミドフィルム10(旭化成株式会社製の商標アラミカ)の両面に、エポキシ系接着剤11,11(有沢製作所製のVタイプ接着剤)を6μmの厚さでラミネートして、絶縁層となる樹脂層を形成した。なお、前記ラミネートは、120℃の温度下で1m/分の速度で行った。また、このアラミドフィルム10は、強度が400MPa、弾性率が15GPaである。
【0049】次に、通常の表面粗さ(Rz:3.8μm)を有する厚さ12μの銅箔12(古河サーキットフォイル社製のGTS 12μm)を、粗面12aをエポキシ系接着剤11に向けて前記樹脂層の両側にセットし、真空プレスでプレスした(コールドプレス圧力:1.47MPa、温度:180℃、時間:1時間)。そして、ドライフィルムによるパターンニングと塩化第二鉄溶液によるエッチングとにより、一辺20mmの正方形の銅箔パターン(図示せず)が片面に縦横各20個配置された両面基板を作製した。これら400個の正方形の銅箔パターンの表裏の絶縁を絶縁抵抗器で確認したところ(測定電圧は50V)、絶縁不良は0個であった。この結果から、銅箔12,12間の絶縁層の厚さが16.5μmであるコンデンサーが、収率100%で得られたことが分かる。
【0050】〔比較例〕図3は、従来の多層プリント配線板の構成を示す断面図である。第一実施形態と同様の銅箔2を、厚さ20μmのエポキシ系接着剤1(有沢製作所製のVタイプ接着剤)の両側に、粗面2aをエポキシ系接着剤1に向けてセットし、第一実施形態と同様にプレスした。そして、第一実施形態と同様にして両面基板を作製し、400個の正方形の銅箔パターンの表裏の絶縁を絶縁抵抗器で確認したところ(測定電圧は3V)、絶縁不良が159個あった。
【0051】この結果から、銅箔2,2間に介在する絶縁層の厚さが20μmのコンデンサーの不良率は39.8%であった。したがって、第一実施形態と比較例とから、絶縁層がアラミドフィルムを備えていれば、絶縁層が薄いにもかかわわらず、絶縁不良率の極めて低いコンデンサーが得られることが分かる。
【0052】〔第二実施形態〕図2は、8層の多層プリント配線板B4の構成及び製造方法を説明する断面図である。
■ まず、コンデンサーを備える両面配線板B1の製造方法を、図2の(a)を参照しながら説明する。
【0053】BaTiO3 (チタン酸バリウム)180質量部、フェノールサリチルアルデヒドノボラック型エポキシ樹脂(商品名 EPP N502)10質量部、フェノール類付加ブタジエン(商品名 PP−700−300)40質量部、メラミン変性フェノールノボラック樹脂(商品名 LA−7054)27質量部、エポキシ樹脂(商品名 LDX−4127)40質量部、テトラブロモビスフェノールA 10質量部を混合し、さらに2−エチル−4−メチルイミダゾール0.2質量部を混合し、メチルエチルケトンに溶解してワニスを調製した。
【0054】このワニスを、離型処理したPETフィルム上に乾燥後の厚さが10μmになるように塗工して、チタン酸バリウムを含むエポキシ系接着剤プリプレグシート21を作製した。次に、このプリプレグシート21をアラミドフィルム20(旭化成株式会社製のアラミカフィルム4R)の両側に120℃でラミネートした。さらに、このラミネートしたものの両側に、厚さ12μmの電解銅箔22(三井金属株式会社製の3EC−VLP、粗面22aの表面粗さRzは3.8μm)を、粗面22a側を内側にしてセットし、真空プレスで加熱加圧成型した(圧力:1.96MPa、温度:180℃、時間:1時間)。
【0055】そして、コンデンサー部分の電極が残るようなパターンをドライフィルムレジストで形成した後、塩化銅エッチング液で不要な銅箔部分を除去し、表裏の銅箔22,22を電極とするコンデンサーを形成した。さらに、荏原電産社製の黒化処理液(#499)を用いて、表面の銅箔22,22に主に酸化銅からなる黒化処理層(図示せず)を形成した。このような処理により、コンデンサーを備える両面配線板B1が得られた。
■ 次に、インダクターを備える両面配線板B2の製造方法を、図2の(b)を参照しながら説明する。
【0056】戸田工業株式会社製のソフトボンドマグネット用フェライト粉KNS−415(Ni−Zn系)93質量部、ポリブタジエン樹脂(商品名 B−3000)5質量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名 エピコート828)1.5質量部、1−(2−メタクリロイルオキシエチル)−2−メチルイミダゾール)0.25質量部を混合し、メチルエチルケトンに溶解してワニスを調製した。
【0057】このワニスを、離型処理したPETフィルム上に乾燥後の厚さが30μmになるように塗工して、フェライト粉を含むエポキシ系接着剤プリプレグシート31を作製した。次に、このプリプレグシート31をアラミドフィルム30(旭化成株式会社製のアラミカフィルム4R)の両側に120℃でラミネートした。さらに、このラミネートしたものの両側に、上記と同様の厚さ12μmの電解銅箔32,32を、粗面32a側を内側にしてセットし、上記と同様の条件で真空プレスで加熱加圧成型した。
【0058】そして、スパイラル状インダクターの中央ビア部分と回路接続上必要なビア部分との銅箔を除去できるようなパターンをドライフィルムレジストで形成した後、塩化銅エッチング液で不要な銅箔部分を除去し、ビア部の銅箔を除去した。このビア部の樹脂層に炭酸ガスレーザーを用いて穴33を開け、反対面の銅箔32の粗面32aを露出させた。
【0059】さらに、シプレー社のスルーホールメッキ工程を使用して、穴33のデスミア処理,触媒付与処理,還元処理,無電解メッキ処理を行い、最後に硫酸銅メッキ処理を行って穴33の内壁に約15μmの銅層(図示せず)を形成した。さらにまた、前述と同様の黒化処理液を用いて、表面の銅箔32,32に主に酸化銅からなる黒化処理層(図示せず)を形成した。このような処理により、インダクターを備える両面配線板B2が得られた。
■ 次に、■で得られたコンデンサーを備える両面配線板B1と■で得られたインダクターを備える両面配線板B2とから、8層の多層プリント配線板B4を製造する方法を、図2の(c)及び(d)を参照しながら説明する。
【0060】両面配線板B1,B2の間に、FR−4グレードのガラスクロスプリプレグ41(松下電工社製のFR−4ガラスクロスプリプレグR−1661、厚さ0.1mm)を挟み、さらに、その両外側に同ガラスクロスプリプレグ41,41を配置した。そしてさらに、その両外側に、上記と同様の厚さ12μmの電解銅箔42,42を、粗面42aがガラスクロスプリプレグ41に接するように重ね、真空プレスで加熱加圧成型した。真空プレスは、圧力:0.98MPa、温度:130℃で15分行った後、さらに圧力:3.92MPa、温度:180℃で60分行った。
【0061】このようにして得られた6層基板の各回路において、回路上接続が必要な箇所に、NC制御の穴あけ機を用いて直径0.3mmの穴43,43を開けた。そして、シプレー社のスルーホールメッキ工程を使用して前記と同様の処理を行い、前記と同様にして穴43,43の内壁に約15μmの銅層(図示せず)を形成した。
【0062】さらに、両外側の銅箔42,42に回路パターンをドライフィルムレジストで形成した後、塩化銅エッチング液で不要な銅箔部分を除去して回路を形成した。そして、前述と同様の黒化処理液を用いて、表面の銅箔42,42に主に酸化銅からなる黒化処理層(図示せず)を形成した。
■ このようにして得られた6層基板B3の両面に、樹脂層52aを有する銅箔52,52(松下電工社製のARCC R−0880、厚さ12μm)を、樹脂層52aが6層基板B3の表面の銅箔42に接するように重ね、真空プレスで加熱加圧成型した。真空プレスは、圧力:0.98MPa、温度:130℃で15分行った後、さらに圧力:2.94MPa、温度:180℃で60分行った。
【0063】次に、回路接続上必要なビア部分の銅箔を除去できるようなパターンをドライフィルムレジストで形成した後、塩化銅エッチング液で不要な銅箔部分を除去してビア部の銅箔を除去した。このビア部の樹脂層52aに炭酸ガスレーザーを用いて穴53を開け、6層基板B3の表面の銅箔42を露出させた。そして、シプレー社のスルーホールメッキ工程を使用して前記と同様の処理を行い、硫酸銅メッキ処理を行ってビア底部に約15μmの銅層(図示せず)を形成した。
【0064】さらに、銅箔52,52にドライフィルムレジストを用い表面回路パターンを形成した後、塩化銅エッチング液で不要な銅箔部分を除去して表層回路を形成した。最後に半田接続個所を除いてソルダーマスクインクを印刷し、パターン露光,現像,熱処理を行ってオーバーコート層を形成した。このような操作により、内層に埋め込み型のコンデンサーとインダクターとを備える導体回路層8層からなる多層プリント配線板B4が得られた。
【0065】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る請求項1及び請求項2に記載の多層プリント配線板は、機械的強度,耐熱性,接着強度,耐久性,及び寸法安定性が良好で、且つ絶縁層を薄くしても絶縁信頼性が高く、配線の高密度化が可能である。特に、本発明に係る請求項3及び請求項4に記載の多層プリント配線板は、上記の特性が優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施形態の多層プリント配線板の構成を示す断面図である。
【図2】第二実施形態の多層プリント配線板の構成及び製造方法を説明する断面図である。
【図3】従来の多層プリント配線板の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
10,20,30 アラミドフィルム
11 エポキシ系接着剤
12,22,32,42,52 銅箔
12a,22a,32a,42a 粗面
21,31 プリプレグシート
33,43,53 穴
41 ガラスクロスプリプレグ
B1,B2 両面配線板
B4 多層プリント配線板

【特許請求の範囲】
【請求項1】 回路が形成された導体金属層を複数備え、各導体金属層がスルーホール又はビアホールで接続された多層プリント配線板において、少なくとも1層の前記導体金属層と、接着性樹脂により前記導体金属層に接着された耐熱性フィルムと、を積層してなる積層体の1個以上で構成されるとともに、前記接着性樹脂の厚さAt1 は、前記導体金属層の両面のうち前記耐熱性フィルムが接着された面の表面粗さをRz(μm)として、1.0×Rz≦At1 ≦10.0×Rzの範囲内とされ、さらに、誘電体と該誘電体で絶縁された2つの電極とからなるコンデンサーを備えていて、前記接着性樹脂と前記耐熱性フィルムとからなる絶縁層が前記誘電体を構成し、前記導体金属層が少なくとも一方の前記電極を構成することを特徴とする多層プリント配線板。
【請求項2】 回路が形成された導体金属層を複数備え、各導体金属層がスルーホール又はビアホールで接続された多層プリント配線板において、少なくとも1層の前記導体金属層と、接着性樹脂により前記導体金属層に接着された耐熱性フィルムと、を積層してなる積層体の1個以上で構成されるとともに、前記接着性樹脂の厚さAt1 は、前記導体金属層の両面のうち前記耐熱性フィルムが接着された面の表面粗さをRz(μm)として、1.0×Rz≦At1 ≦10.0×Rzの範囲内とされ、さらに、導体と磁極材とからなるインダクターを備えていて、前記導体金属層が前記導体を構成し、前記接着性樹脂と前記耐熱性フィルムとからなり透磁性を有する絶縁層が前記磁極材を構成することを特徴とする多層プリント配線板。
【請求項3】 前記耐熱性フィルムは、弾性率が2GPa以上で強度が200MPa以上であるとともに、ガラス転移温度が200℃以上の樹脂で構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の多層プリント配線板。
【請求項4】 前記樹脂が芳香族ポリアミド樹脂であることを特徴とする請求項3に記載の多層プリント配線板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2003−60352(P2003−60352A)
【公開日】平成15年2月28日(2003.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−241210(P2001−241210)
【出願日】平成13年8月8日(2001.8.8)
【出願人】(000000033)旭化成株式会社 (901)
【出願人】(596091004)株式会社マルチ (18)
【Fターム(参考)】