説明

携帯機

【課題】広域相互通信と狭域相互通信とでアンテナを共有する場合であれ、制御装置との間でのより信頼性の高い運用を可能とする携帯機を提供すること。
【解決手段】携帯機3は、制御装置5からの第1ID要求信号を受信するアンテナ11a,11b,11cの一部を第2ID要求信号を受信する際にも共用し、第1ID要求信号についてはこれを復調してその復調信号を制御装置5との間での相互通信を制御する通信制御部20に出力し、第2ID要求信号については該無線信号の電磁エネルギに基づき自動駆動されてその応答信号を共用する一部のアンテナ11a,11b,11cを介して送信する。通信制御部20は、アンテナ11a,11b,11cの少なくとも共用する一部、及びそれらアンテナ11a,11b,11cを介して受信される無線信号を受信処理する受信制御部12の少なくとも一方の故障の有無を診断して該故障している旨を報知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば車両用電子キーなどとして用いられる携帯機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば車両にあっては、ユーザ(運転者)に所持される携帯機と車両に配設された制御装置とにより構成されるエンジン始動制御装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この種のエンジン始動制御装置は、携帯機が車両室内に進入すると同携帯機と制御装置との間で自動的に無線信号による相互通信(広域相互通信)を行い、その相互通信が確立したことを条件としてエンジンの始動を許可する。詳しくは、エンジン始動制御装置は、携帯機と制御装置との間でIDコードによる照合を行い、両IDコードが一致したことを相互通信の確立と判断してエンジンの始動を許可する。そして、こうしてエンジンの始動が許可された状態において、車両室内に設けられた始動操作部がユーザによって操作されることにより、エンジンが始動されるようになる。これにより、ユーザは、携帯機のキープレート部をキーシリンダに挿入する等の煩わしい操作から解放されることとなり、車両の利便性が向上されるようになる。
【0003】
ところで、携帯機は、制御装置との間で相互通信を行うための通信回路部と、その通信回路部に電力を供給する電池とを備えている。また、携帯機は、電池が消耗した場合においても制御装置との間で相互通信を可能とするために、制御装置から送信される無線信号の電磁エネルギにより作動し、IDコードを含むID信号を送信して、広域相互通信が行われる領域よりも狭領域での相互通信(狭域相互通信)を可能とするトランスポンダを別途備えている。一方、車両には狭領域相互通信装置が設けられ、制御装置は、狭領域相互通信装置に携帯機が装着された際に無線信号を出力するように構成されている。このため、ユーザは、携帯機の電池が消耗した際には、車両の狭領域相互通信装置に携帯機を装着することにより、トランスポンダを起動させて携帯機と制御装置との間で相互通信を行うことが可能である。
【0004】
また近年は、携帯機の携帯性の向上を目的として、携帯機の更なる小型化が要望されている。そして、こうした要望に応えるための一つの手法としてはトランスポンダの担っている機能を通信回路部で賄う方法も考えられる。このようにすれば、トランスポンダが不要となるため、携帯機を構成する部品点数を削減でき、携帯機を更に小型化することができるようになる。
【特許文献1】特開2002−213124号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、携帯機が車両室内に進入した際には、通常、携帯機と制御装置との位置関係は定まっていない。このため、携帯機は、制御装置との位置関係によっては制御装置から出力された無線信号を受信できず、制御装置との間で広域相互通信を行えないおそれがある。そこで、携帯機は、指向性がそれぞれ異なる複数のアンテナを備え、制御装置との位置関係によらずに制御装置との間で確実に広域相互通信を行うことができる構成となっている。もっとも、このような複数のアンテナを備える場合であれ、狭域相互通信時には、無線信号の限られた電磁エネルギをより有効に活用できることが望ましく、また、狭領域相互通信装置に装着された場合には携帯機と制御装置との位置関係も自ずと定まることとなる。このため、上記携帯機としても、こうした狭域相互通信時には、上記複数のアンテナの全てではなく、それら各アンテナのうちの一部、例えば単一のアンテナを用いて同通信を行うことができることが望ましい。
【0006】
しかしながら、上述のようにトランスポンダの担っている機能を通信回路部で賄うように構成した携帯機にこのようは構成を更に適用した場合、広域相互通信を行うことはできても狭域相互通信を行うことができなくなるといった不都合が新たに生じることがある。すなわち、携帯機の上記狭域相互通信で用いるべく設定されたアンテナ等に故障が発生した場合には、該アンテナ以外のアンテナを通じて広域相互通信を行うことはできても、上記狭域相互通信を行うことはできなくなる。しかも、この場合、ユーザは、狭領域相互通信装置に携帯機を装着するまでは、こうした狭域相互通信の不能を認識することができないため、もしもその時点で電池が消耗していたような場合には、エンジンの始動すらおぼつかなくなる懸念がある。
【0007】
このように、従来は、携帯機としての小型化や利便性を高めるための種々工夫が講じられてはいるものの、信頼性の面ではなお改良の余地を残すものとなっている。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、広域相互通信と狭域相互通信とでアンテナを共有する場合であれ、制御装置との間でのより信頼性の高い運用を可能とする携帯機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために請求項1に記載の発明では、無線通信により所定の制御対象を制御する制御装置から送信される第1の無線信号を受信する複数のアンテナを備えるとともに、該複数のアンテナの一部を同制御装置から送信される第2の無線信号を受信するアンテナとして共用し、前記アンテナに受信される第1の無線信号についてはこれを復調してその復調信号を前記制御装置との間での相互通信を制御する通信制御手段に出力し、前記アンテナの共用する一部に受信される第2の無線信号については該無線信号の電磁エネルギに基づき自動駆動されてその応答信号を前記共用する一部のアンテナを介して前記制御装置に送信する携帯機であって、前記複数のアンテナの少なくとも前記共用する一部、及びそれらアンテナを介して受信される無線信号を受信処理する手段の少なくとも一方の故障の有無を診断する診断手段と、該診断手段により診断対象が故障している旨診断されるとき、該故障している旨を報知する報知手段とを備えることを要旨とする。
【0009】
前述のように、こうした携帯機では、複数のアンテナによる上記第1の無線信号の受信に基づいて制御装置との間での広域相互通信を行い、また、同複数のアンテナの上記共用する一部による上記第2の無線信号の受信に基づいて同制御装置との間での狭域相互通信を行う。そしてこのうち、狭域相互通信は通常、携帯機自身の電源である電池が消耗している場合であってもその実行が可能ではあるが、特にこの携帯機のように、広域相互通信に用いられる複数のアンテナの一部を共用して狭域相互通信を行う場合には、該共用するアンテナの一部、あるいはそれらアンテナを介して受信される上記各無線信号をそれぞれ受信処理する手段の少なくとも一方が故障しているようなことがあると、同狭域相互通信の実行もおぼつかなくなる。もっともこの場合であれ、上記電源である電池の給電能力が維持されてさえいれば、これも前述のように、広域相互通信を利用しての制御装置との間での相互通信の実行は可能である。
【0010】
このような背景にあって、請求項1に記載の発明では上述のように、診断手段を備えて複数のアンテナの少なくとも上記共用する一部、及びそれらアンテナを介して受信される上記各無線信号をそれぞれ受信処理する手段の一方もしくは両方の故障の有無を診断するとともに、該診断手段により診断対象が故障している旨診断されるときには、該故障している旨を報知手段によってユーザに報知するようにしている。なお、報知手段による報知の仕方はここでは任意であるが、上記診断対象が故障している場合に、その旨がこうして報知されることで、少なくとも狭域相互通信に関してはその利用が難しいことをユーザ自身が知ることとなり、例えばアンテナの上記共用する一部や上記受信処理する手段を修理、あるいは交換したり、早めに電池交換を行って広域相互通信による制御装置との間での相互通信を確保するなどの対処を講じることができるようになる。このため、携帯機としてたとえ複数のアンテナの一部を広域相互通信と狭域相互通信とで共用する場合であれ、制御装置との間でのより信頼性の高い運用を図ることができるようになる。
【0011】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の携帯機において、前記アンテナを介して受信される無線信号を受信処理する手段が、前記第1の無線信号を復調してその復調信号を前記通信制御手段に出力する機能と、前記第2の無線信号の電磁エネルギに基づき自動駆動されてその応答信号を前記共用する一部のアンテナを介して前記制御装置に送信する機能とを併せ備える、受信制御部としての単一の集積回路チップからなることを要旨とする。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、携帯機において従来から広く用いられているトランスポンダチップ(回路)の搭載を割愛して、その小型化を促進することができるとともに、こうして小型化を図った場合であれ、制御装置との間で相互通信を行う上での信頼性は高く維持される。
【0013】
請求項3に記載の発明では、請求項2に記載の携帯機において、前記診断手段は、前記受信制御部を通じて前記複数のアンテナの少なくとも前記共用する一部の共振周波数を求め、この求めた共振周波数に基づいて前記複数のアンテナの少なくとも前記共用する一部、及び前記受信制御部の少なくとも一方の故障の有無を診断するものであることを要旨とする。
【0014】
アンテナは通常、コイルとコンデンサとの並列回路によってその共振周波数が調整されるが、同アンテナが故障した場合には、こうして調整される共振周波数が本来必要とされる共振周波数と適合しなくなる。例えば、アンテナの共振周波数の適合を受信制御部が行う場合、受信制御部が正常であれば、診断手段からの指令に基づいて上記共振周波数の適合結果を適正に出力することができるが、同受信制御部を構成する集積回路チップ自体が故障している場合には、こうした適合結果の出力もおぼつかないものとなる。また、例えば、アンテナの共振周波数の適合を診断手段が行う場合には、受信制御部が正常であれば、受信制御部から上記共振周波数が適正に入力されるが、同受信制御部を構成する集積回路チップ自体が故障している場合には、受信制御部から上記共振周波数が適正に入力されない。このため、請求項3に記載の発明によれば、複数のアンテナの少なくとも前記共用する一部、及び受信制御部を構成する集積回路チップの少なくとも一方の故障の有無について、これを容易且つ的確に診断することができるようになる。なお、こうした診断手段としての機能を前記制御装置との間での相互通信を制御する通信制御手段に持たせることとすれば、極めて簡素な構成をもって、上述した信頼性の維持を図ることができるようになる。
【0015】
請求項4に記載の発明では、請求項2に記載の携帯機において、前記診断手段は、前記複数のアンテナの少なくとも前記共用する一部に対して前記第1の無線信号の擬似信号を印加する手段を備え、前記受信制御部から該擬似信号に対応する適正な復調信号が得られるか否かに基づいて前記複数のアンテナの少なくとも前記共用する一部、及び前記受信制御部の少なくとも一方の故障の有無を診断するものであることを要旨とする。
【0016】
前記複数のアンテナの少なくとも前記共用する一部に対して前記第1の無線信号の擬似信号を印加した場合、それらアンテナ及び受信制御部が共に正常であれば、受信制御部からは、該印加した擬似信号に対応する適正な復調信号が得られる。また逆に、同アンテナ及び受信制御部のいずれかが故障している場合には、その保証はない。このため、診断手段として、このような擬似信号を発生してこれを前記複数のアンテナの少なくとも前記共用する一部に印加する請求項4に記載の発明によっても、複数のアンテナの少なくとも前記共用する一部、及び受信制御部を構成する集積回路チップの少なくとも一方の故障の有無について、これを容易且つ的確に診断することができるようになる。なおこの場合には、上記擬似信号を発生する手段が新たに必要となるが、受信制御部及び上記通信制御手段としての第1の無線信号に対する通常の処理を通じて上記故障の有無を診断することができるため、その診断精度も自ずと高く維持されるようになる。またこの場合も、上記擬似信号を発生する手段を除いて、診断手段としての上記機能は、通信制御手段に持たせることができる。
【0017】
請求項5に記載の発明では、請求項3または4に記載の携帯機において、前記診断手段は、前記制御装置から前記第1の無線信号が送信されている期間を利用して前記診断を行うものであることを要旨とする。
【0018】
上記診断は常時実行することも可能であるが、その場合には電池の消耗が無視できないものとなる。この点、制御装置から第1の無線信号が送信されている期間を利用して上記診断を実行する請求項5に記載の発明によれば、望ましいタイミングにて効率よく同診断を実行することができるようになる。
【0019】
請求項6に記載の発明では、請求項1〜5のいずれか一項に記載の携帯機において、前記報知手段は、前記診断手段による診断結果を、前記通信制御手段による前記制御装置との間での相互通信の一部として前記制御装置に送信することを要旨とする。
【0020】
制御装置側では通常、インジケータによる表示やブザー等の鳴動、音声案内など、より自由度の高い報知態様の選択が可能である。このため、上記診断結果を、通信制御手段による制御装置との間での相互通信の一部として同制御装置に送信する請求項6に記載の発明によれば、それら報知態様のより望ましいものを選択して、ユーザに対する故障通知を行うことができるようになる。
【0021】
請求項7に記載の発明では、請求項1〜5のいずれか一項に記載の携帯機において、前記報知手段は、前記診断手段による診断結果を、当該携帯機自身を通じて報知するものであることを要旨とする。
【0022】
請求項7に記載の発明によれば、携帯機自体に例えばインジケータやバイブレーション機能等の報知機能を持たせることにはなるが、ユーザに対してより直接的に、自らの故障通知を行うことができるようにもなる。
【0023】
請求項8に記載の発明では、請求項1〜7のいずれか一項に記載の携帯機において、前記診断手段によって前記複数のアンテナの前記共用する一部のアンテナが故障している旨診断されるとき、該共用する一部のアンテナを前記複数のアンテナの他の一部に切り替える切換手段を更に備えることを要旨とする。
【0024】
上述のように、故障の報知によって、少なくとも狭域相互通信に関してはその利用が難しいことをユーザ自身に知らしめることができ、例えば故障したアンテナの修理や交換、あるいは早めに電池交換を行って広域相互通信による制御装置との間での相互通信を確保するなどの対処を促すことができるとはいえ、これらの対処を早急に行うことのできない状況あるいは環境にある場合には、フェールセーフ処理として、たとえ一時的にではあれ、いずれかの相互通信機能は維持できることが望ましい。この点、請求項6に記載の発明によれば、上記診断結果に基づき、広域相互通信と狭域相互通信とで共用するアンテナが予め切り替えられるため、その後、たとえ電池の消耗によって広域相互通信が不能になったとしても、狭域相互通信による制御装置との間での相互通信は的確に確保されるようになる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、広域相互通信と狭域相互通信とでアンテナを共有する場合であれ、制御装置との間でのより信頼性の高い運用を可能とする携帯機を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
(第1実施形態)
以下、エンジン始動制御装置に用いられる携帯機に本発明を具体化した第1実施形態を図1及び図2にしたがって説明する。
【0027】
図1に示すように、エンジン始動制御装置1は、ユーザにより所持される携帯機3と、車両に配設される制御装置5とを備えている。制御装置5は、携帯機3に対して応答信号を要求する旨を示す無線信号を送信する。詳しくは、制御装置5は、携帯機3に対して第1ID信号の送信を要求する旨の第1ID要求信号を第1の無線信号として車両室内の所定領域に所定時間毎に送信し、その応答信号として携帯機3から送信される第1ID信号の受信待機状態となる。そして、制御装置5は、第1ID信号を受信すると、その第1ID信号に含まれる第1IDコードと自らが有する第1IDコードとの照合(第1照合)を行う。
【0028】
また、制御装置5は、車両に配設された狭領域相互通信装置に携帯機3が装着された場合には、第2ID信号の送信を要求する旨の第2ID要求信号を第2の無線信号として第1ID要求信号の送信領域よりも狭領域に送信し、その応答信号として携帯機3から送信される第2ID信号の受信待機状態となる。そして、制御装置5は、第2ID信号を受信すると、その第2ID信号に含まれる第2IDコードと自らが有する第2IDコードとの照合(第2照合)を行う。
【0029】
このように、携帯機3と制御装置5との間では、第1ID要求信号及び第1ID信号の送受信からなる広域相互通信と、第2ID要求信号及び第2ID信号の送受信からなる狭域相互通信とが行われる。そして、第1照合が成立した場合、または第2照合が成立した場合、制御装置5は、エンジンの始動を許可する。そして、制御装置5は、こうしたエンジンの始動が許可された状態で車両室内に設けられた始動操作部、例えばステアリング近傍に設けられたエンジン始動スイッチがユーザによって操作されると、エンジンを始動させる。
【0030】
さらに、制御装置5は、携帯機3から送信される故障信号を受信すると、車両室内に設けられた図示しないインジケータやブザー等の報知部材を作動させて、携帯機3に異常が生じている旨を報知する。
【0031】
携帯機3は、通信部10と、通信制御手段、診断手段、及び報知手段としての通信制御部20と、送信回路21と、電池25とを備えている。通信制御部20には、通信部10及び送信回路21が電気的に接続されている。電池25は、通信部10、通信制御部20、及び送信回路21のそれぞれに接続され、各部材に電力を供給するようになっている。
【0032】
通信部10は、アンテナ部11、受信制御部12、及び切換手段としての切換部13を備えている。アンテナ部11は、互いに直交する方向に指向性を有するX軸用アンテナ11a、Y軸用アンテナ11b、及びZ軸用アンテナ11cを備えている。アンテナ11a,11b,11cの一方の端子はそれぞれ受信制御部12に接続され、他方の端子は切換部13を介して受信制御部12に接続されている。なお、図1においては、アンテナ11a,11b,11cをコイルとコンデンサとの並列回路で構成される簡易等価回路(LC共振回路)で示している。
【0033】
切換部13は、軸切換スイッチ13a、Y軸用スイッチ13b、及びZ軸用スイッチ13cを備えている。切換部13は、受信制御部12からの指示にしたがって各スイッチ13a,13b,13cの接続状態を切り換える。詳しくは、切換部13は、受信制御部12からの指示にしたがって軸切換スイッチ13aを切り換えることにより、アンテナ11a,11b,11cのうちいずれかを受信制御部12の入出力ポートPTに接続する。また、切換部13は、受信制御部12からの指示にしたがってY軸用スイッチ13bを切り換えることにより、Y軸用アンテナ11bと受信制御部12の入力ポートPYとを接続または非接続とする。同様に切換部13は、受信制御部12からの指示にしたがってZ軸用スイッチ13cを切り換えることにより、Z軸用アンテナ11cと受信制御部12の入力ポートPZとを接続または非接続とする。
【0034】
受信制御部12は、図示しない共振周波数調整部、電力蓄積部を備えている。共振周波数調整部は、アンテナ11a,11b,11cのそれぞれに接続される複数のコンデンサと、これらコンデンサの接続状態を切り換えるアナログスイッチとを備えている。電力蓄積部は、第1ID要求信号及び第2ID要求信号の電磁エネルギを蓄積する。この電力蓄積部は、通信制御部20とも電気的に接続されている。このため、受信制御部12及び通信制御部20は、電力蓄積部に蓄積された電磁エネルギにより作動可能となっている。
【0035】
こうした受信制御部12は、アンテナ11a,11b,11cを介して第1ID要求信号を受信すると、該ID要求信号を復調してその復調信号を通信制御部20に出力する。
また、受信制御部12は、アンテナ11a,11b,11cの一部を第2ID要求信号を受信するアンテナ11a,11b,11cとして共用し、同アンテナ11a,11b,11cの一部を介して第2ID要求信号を受信すると、すなわち入出力ポートPTから第2ID要求信号が入力されると、送受信制御を行う。以下、受信制御部12によって行われる送受信制御について詳細に説明する。
【0036】
<送受信制御>
まず、受信制御部12は、アンテナ11a,11b,11cを介して第2ID要求信号を受信すると、該第2ID要求信号の電磁エネルギを電力蓄積部に蓄積する。また、受信制御部12は、電池25から電力が供給されない場合においては、該電力蓄積部に蓄積された電磁エネルギによって自動駆動する。
【0037】
そして、受信制御部12は、通信制御部20からアンテナ切換信号が入力されると、アンテナ切換信号に含まれるアンテナコードが示すアンテナ11a,11b,11cが入出力ポートPTに接続されるように切換部13を制御する。具体的には、X軸用アンテナ11aに対応するアンテナコードが含まれるアンテナ切換信号が入力された場合、受信制御部12は、軸切換スイッチ13aによりX軸用アンテナ11aと入出力ポートPTとを接続する。一方、受信制御部12は、Y軸用アンテナ11aに対応するアンテナコードを含むアンテナ切換信号が入力された場合、図1に破線で示すように、軸切換スイッチ13aによりY軸用アンテナ11bと入出力ポートPTとを接続するとともに、Y軸用スイッチ13bを非接続とする。また、受信制御部12は、Z軸用アンテナ11cに対応するアンテナコードが含まれるアンテナ切換信号が入力された場合、軸切換スイッチ13aによりZ軸用アンテナ11cと入出力ポートPTとを接続するとともに、Z軸用スイッチ13cを非接続とする。
【0038】
さらに、受信制御部12は、通信制御部20から第2ID信号が入力されると、該第2ID信号を変調して入出力ポートPTから出力し、軸切換スイッチ13aによって接続されたアンテナ11a,11b,11cから該第2ID信号を外部に送信する。すなわち、受信制御部12は、アンテナ切換信号により指定されたアンテナ11a,11b,11cを用いて、変調した第2ID信号を外部に送信する。
【0039】
また、受信制御部12は、通信制御部20から診断信号が入力されると、アンテナ11a,11b,11cが正常に動作しているか否かを示す診断応答信号を通信制御部20に出力する診断応答制御を行う。詳しくは、受信制御部12は、通信制御部20から診断信号が入力されると、共振周波数調整部におけるアナログスイッチの開閉を行い、各アンテナ11a,11b,11cの共振周波数をそれぞれ求める。そして、受信制御部12は、アンテナ11a,11b,11cを特定するアンテナコードと該アンテナコードにより示されるアンテナ11a,11b,11cの共振周波数とを含む診断応答信号を通信制御部20に出力する。
【0040】
送信回路21は、通信制御部20から入力される第1ID信号または故障信号を所定の周波数の電波に変調して出力する。
通信制御部20は、図示しないCPU及びメモリ20aを備えている。メモリ20aには、第1照合に用いられる第1IDコード及び第2照合に用いられる第2IDコードが予め記録されている。また、メモリ20aには、通信部10が正常に動作している状態におけるアンテナ11a,11b,11cのそれぞれの共振周波数(基準共振周波数)が予め記録されている。
【0041】
通信制御部20は、電池25から電力が供給されている状態にあっては、第1ID要求信号に対応する復調信号が入力されると、該復調信号と対応した第1IDコードを含む第1ID信号を送信回路21に出力するとともに、通信部10が正常に動作しているか否かを確認する故障診断制御を行う。以下、こうした通信制御部20が行う故障診断制御について詳細に説明する。
【0042】
<故障診断制御>
通信制御部20は、第1ID要求信号に対応する復調信号が入力されると、第1ID信号を送信回路21に出力する。また、通信制御部20は、受信制御部12に診断信号を出力する。そして、通信制御部20は、診断信号に応答して受信制御部12から入力される診断応答信号に基づいて通信部10が正常に動作しているか否かを判断する。詳しくは、通信制御部20は、診断応答信号に含まれるアンテナコードで示されるアンテナ11a,11b,11cの共振周波数とそれぞれに対応する基準共振周波数とが一致するか否かに基づいて故障診断制御を行う。そして、通信制御部20は、基準共振周波数と一致する共振周波数を有するアンテナ11a,11b,11cのアンテナコードをメモリ20aに記録する。すなわち、通信制御部20は、正常に動作していると推定されるアンテナ11a,11b,11cのアンテナコードをメモリ20aに記録する。
【0043】
これに対し、通信制御部20は、アンテナ11a,11b,11cの共振周波数と基準共振周波数とが不一致の場合、該アンテナ11a,11b,11cのアンテナコードを含む故障信号を送信回路21に出力する。すなわち、この場合、通信制御部20は、アンテナ11a,11b,11cが正常に動作していないと判断して故障信号を送信回路21に出力する。例えば、X軸用アンテナ11a及びY軸用アンテナ11bの共振周波数が基準共振周波数とそれぞれ一致し、Z軸用アンテナ11cの共振周波数が基準共振周波数と不一致の場合、通信制御部20は、X軸用アンテナ11a及びY軸用アンテナ11bのアンテナコードをメモリ20aに記録する。それとともに、通信制御部20は、Z軸用アンテナ11cのアンテナコードを含む故障信号を出力する。
【0044】
また、通信制御部20は、所定時間内に診断応答信号が入力されない場合にあっても、アンテナ11a,11b,11cまたは受信制御部12が正常に動作していないと判断して故障信号を送信回路21に出力する。
【0045】
このように、通信制御部20は、診断応答信号に含まれる共振周波数とアンテナ11a,11b,11cの正常時の共振周波数である基準共振周波数とに基づいてアンテナ11a,11b,11c及び受信制御部12が正常に動作しているか否かを判断する。そして、該アンテナ11a,11b,11c及び受信制御部12が正常に動作していないと判断された場合には、前述したように、その旨が前記報知部材によって報知されるため、ユーザは、該報知によってその旨を容易且つ確実に認識可能となる。
【0046】
一方、通信制御部20は、第2ID要求信号に対応する復調信号が入力されると、メモリ20aに記録されているアンテナコードを含むアンテナ切換信号を受信制御部12に出力する。つまり、通信制御部20は、正常に動作していると判断されるアンテナ11a,11b,11cのアンテナコードを含むアンテナ切換信号を受信制御部12に出力する。この際、メモリ20aに複数のアンテナコードが記録されている場合、通信制御部20は、その中の一つのアンテナコードを含むアンテナ切換信号を受信制御部12に出力する。本実施形態における通信制御部20は、故障診断制御においてメモリ20aに最初に記録されたアンテナコードを含むアンテナ切換信号を出力する。通信制御部20は、アンテナ切換信号を出力した後、第2IDコードを含む第2ID信号を受信制御部12に出力する。なお、通信制御部20は、電池25から電力が供給されていない場合には、前記電力蓄積部に蓄積された電力によって自動起動して上記処理を行う。
【0047】
次に、通信制御部20が行う故障診断制御において、受信制御部12と通信制御部20との間で行われる処理の流れを、図2を用いて詳細に説明する。
まず、ステップ100において通信制御部20は、第1ID要求信号に対応する復調信号が入力されたか否かを判断する。第1ID要求信号に対応する復調信号が入力されたと判断した場合、通信制御部20は、ステップ101において第1ID信号を送信回路21に出力する。そして、ステップ102において通信制御部20は、診断信号を受信制御部12に出力する。すなわち、通信制御部20は、携帯機3と制御装置5との間で第1照合が行われる際に診断信号を出力して故障診断制御を行う。換言すれば、通信制御部20は、第1ID要求信号に対応する復調信号が入力されたことをトリガとして故障診断制御を行う。このように、通信制御部20は、制御装置5から第1ID要求信号が送信されている期間を利用して故障診断制御を行う。このため、携帯機3を所持するユーザが車両室内に進入した際に、通信制御部20による故障診断制御が行われることとなる。
【0048】
受信制御部12は、通信制御部20から診断信号が入力されると、ステップ103において各アンテナ11a,11b,11cの共振周波数をそれぞれ求める。そして、ステップ104において受信制御部12は、アンテナ11a,11b,11cのアンテナコードと共振周波数とを含む診断応答信号を通信制御部20に出力する。
【0049】
ステップ105において通信制御部20は、診断応答信号に含まれる各アンテナ11a,11b,11cの共振周波数が、メモリ20aに記録された各アンテナ11a,11b,11cと対応する基準共振周波数にそれぞれ一致するか否かを個別に判断する。その結果、両周波数が一致すると判断されたアンテナ11a,11b,11cが存在する場合、通信制御部20は、ステップ106において、該アンテナ11a,11b,11cのアンテナコードをメモリ20aに記録して故障診断処理を一旦終了する。これに対し、ステップ105において診断応答信号に含まれる共振周波数と基準共振周波数とが不一致であると判断されたアンテナ11a,11b,11cが存在する場合、または、所定時間内に診断応答信号が入力されていないと判断した場合、通信制御部20は、ステップ107において送信回路21に故障信号を出力して故障診断制御を一旦終了する。よって、メモリ20aには、基準共振周波数と同一の共振周波数を有するアンテナ11a,11b,11c、すなわち正常に動作していると判断されるアンテナ11a,11b,11cのアンテナコードのみが記録されることになる。
【0050】
したがって上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)電池25から電力が供給されている状態にあっては、通信制御部20による通信部10(アンテナ11a,11b,11c及び受信制御部12)の故障診断制御が行われる。そして、該通信部10に異常が生じていると判断されると、その旨を示す故障信号が携帯機3から制御装置5に送信され、制御装置5によって異常の旨が報知される。このため、ユーザは、電池25からの電力が供給されなくなる前に、少なくとも狭域相互通信に関してはその利用が難しいことを該報知によって容易且つ確実に認識することができる。それゆえ、例えば、アンテナ11a,11b,11cのうちのいずれかに異常が生じ、前記広域相互通信は可能であるにも拘わらず前記狭域相互通信は不能な状態になってしまった場合でも、ユーザは、狭域相互通信を行わずして該異常の旨を認識することができる。また、ユーザは、異常部品を修理、あるいは交換したり、早めに電池交換を行って制御装置5と携帯機3との間での広域相互通信を確保するなどの対処を講じることができる。したがって、携帯機3として、たとえアンテナ11a,11b,11cの一部を広域相互通信と狭域相互通信とで共有する場合でも、制御装置5と携帯機3との間でのより信頼性の高い運用を図ることができる。
【0051】
(2)通信制御部20のメモリ20aには、従来のトランスポンダチップが有する第2IDコードが予め記録されている。通信制御部20は、第2ID要求信号に対応する復調信号が入力された場合、第2IDコードを含む第2ID信号を受信制御部12を介して送信する。このため、携帯機3においてトランスポンダチップの搭載を割愛することができる。したがって、携帯機3の小型化を促進することができるとともに、このように小型化を図った場合であっても制御装置5と携帯機3との間でのより信頼性の高い運用を図ることができる。
【0052】
(3)通信制御部20は、ユーザが携帯機3を所持して車両室内に進入して携帯機3と制御装置5との間で第1照合(広域相互通信)が行われる際に、診断信号を出力して通信部10の故障診断制御を行う。すなわち、通信制御部20は、携帯機3を所持するユーザが車両室内に存在している場合にのみ、通信部10の故障診断制御を行う。したがって、このような携帯機3によれば、携帯機3の通信部10が正常に動作していない旨を望ましいタイミングにて効率よくユーザに確実に報知することができるとともに、携帯機3の暗電流を抑制することができる。
【0053】
(4)故障信号には、故障していると推定されるアンテナ11a,11b,11cのアンテナコードが含まれている。このため、制御装置5は、携帯機3から送信された故障信号に基づいて、故障しているアンテナ11a,11b,11cをインジケータ等により報知することが可能となる。よって、ユーザは、全てのアンテナ11a,11b,11cが正常に動作しなくなる前に、正常に動作していないアンテナ11a,11b,11cの修理・交換等の処置を行うことができる。したがって、携帯機3によれば、携帯機3と制御装置5との間でのより信頼性の高い運用を一層維持することができる。
【0054】
(5)通信制御部20は、通信部10に異常が生じていると判断した場合、送信回路21を介して故障信号を送信する。制御装置5は、故障信号を受信すると、車両室内に配設されたインジケータやブザーを作動させて、携帯機3の通信部10に異常が生じている旨を報知する。したがって、携帯機3によれば、ユーザは、アンテナ11a,11b,11cや受信制御部12が正常に動作していないことを容易に認識することができる。
【0055】
(6)通信制御部20は、第2ID信号を送信する際に、正常に動作していると判断したアンテナ11a,11b,11cのアンテナコードを含むアンテナ切換信号を受信制御部12に出力する。そして、受信制御部12は、アンテナ切換信号に含まれるアンテナコードで示されるアンテナ11a,11b,11cが受信制御部12に接続されるように切換部13を制御する。すなわち、携帯機3から第2ID信号が送信される際には、広域相互通信と狭域相互通信とで共用するアンテナ11a,11b,11cが通信制御部20によって正常に動作していると判断されたアンテナ11a,11b,11cに受信制御部12により切り換えられ、フェールセーフ処理が行われる。よって、たとえ電池25の消耗によって広域相互通信が不能になったとしても、狭域相互通信による携帯機3と制御装置5との間での相互通信は的確に確保される。
【0056】
(7)正常に動作している状態におけるアンテナ11a,11b,11cの共振周波数が基準共振周波数としてメモリ20aに記録されているため、アンテナ11a,11b,11cが正常に動作している場合には、診断応答信号に含まれる共振周波数と基準共振周波数とが一致する。これに対し、アンテナ11a,11b,11cまたは受信制御部12に異常が生じている場合には、該診断応答信号に含まれる共振周波数と基準共振周波数とが一致しない。このため、通信制御部20は、アンテナ11a,11b,11cの共振周波数に基づいて故障診断を行うことにより、該アンテナ11a,11b,11c及び受信制御部12の少なくとも一方の故障の有無について容易且つ的確に診断することができる。
【0057】
また、こうした共振周波数に基づく通信部10の故障診断を採用することにより、携帯機3に新たなハードウェアの追加を行う必要もないため、携帯機3の部品点数や製造コストの増加を抑制しつつ、携帯機3と制御装置5との間でのより信頼性の高い運用を維持することができる。
【0058】
(8)メモリ20aには、基準共振周波数と同一の共振周波数を有するアンテナ11a,11b,11c、すなわち、正常に動作していると判断されるアンテナ11a,11b,11cのアンテナコードのみが記録される。したがって、通信制御部20は、メモリ20aに記録されているアンテナコードを参照することにより、正常に動作しているアンテナ11a,11b,11cを容易に識別することができる。
【0059】
(第2実施形態)
以下、本発明を具体化した第2実施形態を図1及び図3にしたがって説明する。なお、本実施形態の携帯機3は、図1に2点鎖線で示すように受信制御部12の入出力ポートPTと通信制御部20との間に擬似信号を発生する手段としての擬似信号発生回路30が設けられた構成となっており、通信制御部20が該擬似信号発生回路30を用いて故障診断制御を行う点が主に前記第1実施形態と相違する。以下、こうした本実施形態の携帯機3について前記第1実施形態と相違する点を主として説明し、前記第1実施形態と同等の構成については説明を省略する。
【0060】
図1に2点鎖線で示すように、擬似信号発生回路30は、受信制御部12の入出力ポートPTと通信制御部20との間に電気的に接続されている。擬似信号発生回路30は、通信制御部20から擬似信号発生信号が入力されると、擬似信号を入出力ポートPTと軸切換スイッチ13aとに出力する。本実施形態における擬似信号発生回路30は、第2ID要求信号と同一の特性(周波数、振幅等)を有する擬似信号を出力する。なお、擬似信号発生回路30は、入出力ポートPT及び軸切換スイッチ13aに電気的に接続される構成に限定されない。例えば、擬似信号発生回路30は、擬似信号を電波として送信可能な構成でもよい。
【0061】
通信制御部20は、第1ID要求信号に対応する復調信号が入力されると、第1ID信号を送信回路に出力するとともに、故障診断制御を行う。以下、通信制御部20が行う故障診断制御について説明する。
【0062】
<故障診断制御>
通信制御部20は、第1ID要求信号に対応する復調信号が入力されると、第1ID信号を送信回路21に出力する。また、通信制御部20は、X軸用アンテナ11aに対応するアンテナコードを含むアンテナ切換信号を受信制御部12に出力する。更に、通信制御部20は、擬似信号発生信号を擬似信号発生回路30に出力することにより受信制御部12に擬似信号を入力させる。すなわち、本実施形態においては、アンテナ切換信号と擬似信号とが診断信号に相当する。そして、通信制御部20は、診断信号に応答して受信制御部12から入力される復調信号(診断応答信号)に基づいて通信部10が正常に動作しているか否かを判断する。そして、通信制御部20は、受信制御部12から擬似信号に対応する適正な復調信号が入力された場合、通信部10は正常に動作していると判断してX軸用アンテナ11aに対応するアンテナコードをメモリ20aに記録する。
【0063】
これに対し、通信制御部20は、X軸用アンテナ11aを受信制御部12に接続した状態において受信制御部12から復調信号が入力されない場合、または擬似信号に対応する復調信号が入力されない場合、X軸用アンテナ11aのアンテナコードを含む故障信号を送信回路21に出力する。すなわち、この場合、通信制御部20は、アンテナ11a,11b,11cが正常に動作していないと判断して故障信号を送信回路21に出力する。
【0064】
このように、通信制御部20は、X軸用アンテナ11aに対応するアンテナ切換信号に基づいて故障診断処理を行った後、Y軸用アンテナ11bに対応するアンテナコードを含むアンテナ切換信号、Z軸用アンテナ11cに対応するアンテナコードを含むアンテナ切換信号に基づく故障診断処理を順次行う。すなわち、通信制御部20は、擬似信号発生回路30から受信制御部12に擬似信号を入力させ、その応答として受信制御部12から入力される復調信号が擬似信号を復調したものと一致するか否かに基づいてアンテナ11a,11b,11c及び受信制御部12が正常に動作しているか否かを判断する。
【0065】
次に、通信制御部20が行う故障診断制御において、受信制御部12と通信制御部20と擬似信号発生回路30との間で行われる処理の流れを、図3を用いて詳細に説明する。
まず、ステップ200において通信制御部20は、第1ID要求信号に対応する復調信号が入力されたか否かを判断する。第1ID要求信号に対応する復調信号が入力されたと判断した場合、通信制御部20は、ステップ201において第1ID信号を送信回路21に出力する。そして、通信制御部20は、ステップ202においてX軸用アンテナ11aのアンテナコードを含むアンテナ切換信号を受信制御部12に出力する。すなわち、本実施形態においても前記第1実施形態と同様に、通信制御部20は、第1ID要求信号に対応する復調信号が入力されたことをトリガとして故障診断制御を行う。このため、携帯機3を所持するユーザが車両室内に進入した際に、通信制御部20による故障診断制御が行われることとなる。
【0066】
受信制御部12は、通信制御部20からアンテナ切換信号が入力されると、該アンテナ切換信号に含まれるアンテナコード(指定アンテナコード)が示すアンテナ11a,11b,11cが入出力ポートPTに接続されるように切換部13を制御する。すなわち、受信制御部12は、X軸用アンテナ11aが入出力ポートPTに接続されるように切換部13を制御する。
【0067】
通信制御部20は、アンテナ切換信号を出力した後、ステップ204において擬似信号発生信号を擬似信号発生回路30に出力する。擬似信号発生回路30は、擬似信号発生信号が入力されると、ステップ205において擬似信号を受信制御部12に出力する。すなわち、通信制御部20は、診断信号を出力したことに相当する。
【0068】
受信制御部12は、擬似信号発生回路30から擬似信号が入力されると、ステップ206において該擬似信号を復調して通信制御部20に出力する。
ステップ207において通信制御部20は、擬似信号に対応する復調信号が受信制御部12から入力されたか否かを判断する。擬似信号に対応する復調信号が入力されたと判断した場合、通信制御部20は、指定アンテナコードで示されるアンテナ11a,11b,11c及び受信制御部12が正常に動作していると判断する。そして、ステップ208において通信制御部20は、受信制御部12に接続されているアンテナ11a,11b,11cを示す指定アンテナコード、すなわちX軸用アンテナ11aに対応するアンテナコードをメモリ20aに記録する。
【0069】
一方、ステップ207において擬似信号に対応する復調信号が入力されない場合や所定時間内に復調信号が入力されない場合、通信制御部20は、ステップ209において指定アンテナコードを含む故障信号を送信回路21に出力する。
【0070】
その後、通信制御部20は、Y軸用アンテナ11bを示すアンテナコードを指定アンテナコードとして上記ステップ202〜209(図3において2点鎖線で囲まれたステップ)に相当する処理を行う。そして、更にその後、通信制御部20は、Z軸用アンテナ11cを示すアンテナコードを指定アンテナコードとして上記ステップ202〜209に相当する処理を行う。その結果、前記第1実施形態と同様に、メモリ20aには、正常に動作していると判断されるアンテナ11a,11b,11cのアンテナコードのみが記録されることになる。
【0071】
したがって上記実施形態によれば、前記第1実施形態における前記(1)〜(6)の効果に加えて、以下のような効果を得ることができる。
(9)アンテナ11a,11b,11cと受信制御部12とが正常に動作している場合、通信制御部20には、擬似信号に対応する復調信号が入力される。一方、アンテナ11a,11b,11cや受信制御部12が正常に動作していない場合、通信制御部20には、擬似信号に対応する復調信号は入力されない。通信制御部20は、擬似信号に対応する復調信号が入力されたか否かに基づいてアンテナ11a,11b,11c及び受信制御部12が正常に動作しているか否かを判断する。したがって、通信制御部20は、受信制御部12から入力された復調信号が擬似信号を復調した信号であるか否かに基づいてアンテナ11a,11b,11c及び受信制御部12が正常に動作しているか否かを判断することができる。
【0072】
(10)受信制御部12は、アンテナ11a,11b,11cが正常に動作している場合、擬似信号発生回路30から第2ID要求信号と同一の特性を有する擬似信号が入力される。受信制御部12は、この擬似的な第2ID要求信号を復調して通信制御部20に出力する。このため、通信制御部20は、受信制御部12から擬似信号に対応する復調信号が入力されない場合には、受信制御部12が第2ID要求信号を受信しても確実に復調できないと判断でき、擬似信号に対応する復調信号が入力される場合には、受信制御部12が第2ID要求信号を受信した際には確実に復調できると判断することができる。したがって、通信制御部20は、アンテナ11a,11b,11c及び受信制御部12が正常に動作しているか否かをより高い精度で判断することができる。
【0073】
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
・前記第1実施形態において受信制御部12は、通信制御部20から診断信号が入力されると、アンテナ11a,11b,11cの共振周波数を診断応答信号として通信制御部20に出力している。しかし、受信制御部12は、アンテナ11a,11b,11cのそれぞれに対応する基準共振周波数を通信制御部20に代わって有し、アンテナ11a,11b,11cが正常に動作しているか否かを同基準共振周波数を用いて判断するようにしてもよい。そして、受信制御部12は、アンテナ11a,11b,11cの共振周波数が対応する基準共振周波数に一致する場合には一致する旨を示す診断応答信号(一致信号)を出力し、両共振周波数が一致しない場合には一致しない旨を示す診断応答信号(不一致信号)を出力するようにしてもよい。すなわち、受信制御部12は、通信制御部20から診断信号が入力された場合、アンテナ11a,11b,11cの共振周波数を出力する代わりに、アンテナ11a,11b,11cの共振周波数の適合結果を出力するようにしてもよい。この場合、通信制御部20は、受信制御部12から一致信号を示す診断応答信号が入力された場合に故障信号を出力するように変更されてもよい。このようにすれば、通信制御部20は、診断信号の応答として一致信号または不一致信号のいずれが入力されるか、或いはいずれの診断応答信号も入力されないかといった簡単な判断によって、アンテナ11a,11b,11c及び受信制御部12の少なくとも一方の故障の有無を診断することができる。したがって、通信制御部20の処理上の負担を軽減することができる。
【0074】
・前記第2実施形態において、受信制御部12の入出力ポートPTに擬似信号が入力される態様は、擬似信号発生回路30からに限定されない。例えば、擬似信号発生回路30を省略し、通信制御部20から受信制御部12の入出力ポートPTに擬似信号が入力されるように携帯機3を構成してもよい。このようにすれば、携帯機3の構成を簡単にすることができる。
【0075】
・前記第2実施形態において擬似信号は、第2ID要求信号と同一の特性を有する信号に限定されない。例えば、三角波等でもよい。この場合においても、通信部10が正常に動作していない場合、受信制御部12は、擬似信号に対応する復調信号を通信制御部20に出力することはない。通信制御部20は、擬似信号に対応する復調信号が入力されるか否かにより、通信部10が正常に動作しているか否かを判断することができる。
【0076】
・前記第1及び第2実施形態において携帯機3は、通信制御部20により切換部13が制御されるように構成されてもよい。
・前記第1及び第2実施形態において受信制御部12は、通信制御部20により正常に動作していると判断されたアンテナ11a,11b,11cのうちの1個を用いて第2ID信号を送信する。しかし、受信制御部12は、通信制御部20により正常に動作していると判断された複数のアンテナ11a,11b,11cのうちの2個を用いて第2ID信号を送信するようにしてもよい。例えば、受信制御部12は、通信制御部20においてX軸用アンテナ11aとY軸用アンテナ11bとが正常に動作していると判断された場合、これらX軸用アンテナ11aとY軸用アンテナ11bとを用いて第2ID信号を送信するようにしてもよい。この場合、通信制御部20は、メモリ20aに記録されているアンテナコードを全て含むアンテナ切換信号を受信制御部12に出力するように変更されてもよい。要するに、受信制御部12は、通信制御部20により正常に動作していると判断されたアンテナ11a,11b,11cのうちの一部を用いて第2ID信号を送信するようになっていればよい。
【0077】
・前記第1及び第2実施形態において、受信制御部12は、予め設定された特定のアンテナ11a,11b,11cのみを用いて、すなわち広域相互通信と狭域相互通信とで共用するアンテナ11a,11b,11cのみを用いて第2ID信号を送信するように構成されてもよい。この場合、アンテナ11a,11b,11cと受信制御部12とは、切換部13を介さないで直接接続されてもよい。つまり、X軸用アンテナ11aの一方の端子(図1において切換部13側の端子)が入出力ポートPTに、Y軸用アンテナ11bの一方の端子が入力ポートPYに、Z軸用アンテナ11cの一方の端子が入力ポートPZにそれぞれ接続されてもよい。このようにすれば、切換部13を省略することができるため、携帯機3の構成を簡単にすることができる。また、アンテナ11a,11b,11cのうちの予め設定された特定の1個を用いて受信制御部12が第2ID信号を送信する態様となるため、電力蓄積部に蓄電された電力を有効に活用することができる。
【0078】
・前記第1及び第2実施形態において、携帯機3から第2ID信号を送信する際や通信制御部20が故障診断制御を行う際には、入出力ポートPTに接続されるアンテナ11a,11b,11cを指定するためのアンテナコードが受信制御部12と通信制御部20との間でやり取りされている。しかし、携帯機3は、受信制御部12と通信制御部20との間でアンテナコードがやり取りされない構成でもよい。そして、通信制御部20は、受信制御部12の入出力ポートPTに接続されているアンテナ11a,11b,11cの故障の有無のみを診断するようになっていてもよい。この場合、例えば入出力ポートPTにX軸用アンテナ11aが接続されている場合、通信制御部20は、該X軸用アンテナ11aの故障の有無のみを診断し、他のアンテナ11b,11cについては故障の診断を行わない。このようにすれば、通信制御部20は、全てのアンテナ11a,11b,11cの故障の診断を行う必要がなくなるため、処理上の負担が軽減される。
【0079】
また、こうした変更例において、診断したアンテナ(例えばX軸用アンテナ11a)に故障が生じていると判断した場合、通信制御部20は、その旨を送信回路21を介して制御装置5に送信するとともに、他のアンテナ(例えばY軸用アンテナ11b)が入出力ポートPTに接続されるように軸切換スイッチ13aを動作させてもよい。このようにすれば、アンテナ11a,11b,11cの故障がユーザに確実に報知されるとともに、狭域相互通信のフェールセーフ処理も可能となる。よって、制御装置5と携帯機3との間でのより信頼性の高い運用を図ることができる。なお、通信制御部20は、軸切換スイッチ13aを動作させた後、新たに入出力ポートPTに接続された該アンテナ(Y軸用アンテナ11b)の故障の有無を診断するようになっていてもよい。その結果、該Y軸用アンテナ11bに故障が生じていると判断した場合には、さらに別のアンテナ(Z軸用アンテナ11c)が入出力ポートPTに接続されるように軸切換スイッチ13aを動作させてもよい。
【0080】
・前記第1及び第2実施形態において、通信制御部20が故障診断制御を行うタイミングは、第1ID要求信号に対応する復調信号が入力された時点に限定されない。例えば、通信制御部20は、所定時間毎に受信制御部12に診断信号を出力して故障診断制御を行うようにしてもよい。このようにすれば、ユーザは、車両に乗り込む前においても、携帯機3の通信部10が正常に動作しているか否かを確認することができる。したがって、このような携帯機3によれば、通信部10が正常に動作しているか否かを早期に認識することができる。つまり、通信制御部20が故障診断制御を行うタイミングは、電池25から電力が供給されている間であればどのようなタイミングでもよい。
【0081】
・前記第1及び第2実施形態において、通信制御部20は、メモリ20aにアンテナコードが一つも記録されていない場合、すなわちアンテナ11a,11b,11cの全てが正常に動作していない場合に、通信部10が正常に動作していないと判断して故障信号を出力するように変更されてもよい。このようにした場合、例えばアンテナ11a,11b,11cのうちの1個だけが正常に動作している場合には、通信部10に異常が生じている旨が報知部材から報知されなくなる。よって、携帯機3と制御装置5との狭域相互通信が不能となった場合にのみ、該異常の旨を報知することができる。
【0082】
・前記第1及び第2実施形態において、通信部10が正常に動作していない旨が報知される態様は、車両に設けられた制御装置5によるものに限定されない。例えば、携帯機3の意匠面に表示器が設けられ、携帯機3は、通信部10が正常に動作していない旨をこの表示器により報知してもよい。このようにすれば、ユーザは、アンテナ11a,11b,11c及び受信制御部12の少なくとも一方の故障の有無をより直接的に認識することができる。
【0083】
・前記第1及び第2実施形態において受信制御部12は、第2IDコードを通信制御部20に代わって備える構成でもよい。そして、受信制御部12は、第2ID要求信号を受信した場合、該第2ID要求信号に対応する復調信号を通信制御部20に出力しないで、自ら有する第2IDコードを含む第2ID信号を第2ID要求信号を受信したアンテナ11a,11b,11cを用いて送信するようにしてもよい。すなわち、受信制御部12は、第2ID要求信号を受信した場合、従来のトランスポンダチップのように作用し、電力蓄積部に蓄積された電力によって自動起動して第2ID信号を送信するようにしてもよい。このようにすれば、通信制御部20を駆動する必要がなくなるため、電力蓄積部の蓄積された電力を一層有効に活用することができる。
【0084】
次に、前記実施形態から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(1)請求項1〜8のいずれか一項に記載の携帯機において、前記診断手段は、前記診断の結果を示す報知信号を前記報知手段に出力し、前記報知手段は、前記報知信号を電波で外部に送信すること。
【0085】
(2)請求項1〜8のいずれか一項に記載の携帯機において、前記診断手段は、前記第1の無線信号の復調信号が前記通信制御手段に入力されたことをトリガとして前記診断を行うこと。
【0086】
(3)技術的思想(1)または技術的思想(2)に記載の携帯機において、前記報知手段は、前記報知信号が入力された際に作動してその旨を操作者の五感に作用して報知する報知器であること。
【0087】
(4)請求項1〜8、技術的思想(1),(2)のいずれか一項に記載の携帯機と、該携帯機との相互通信に基づいて所定の制御対象を制御する制御装置とを備える異常報知システムであって、前記携帯機は、前記複数のアンテナの少なくとも前記共用する一部、及びそれらアンテナを介して受信される無線信号を受信処理する手段の少なくとも一方の故障の有無を示す故障信号を送信し、前記制御装置は、前記故障信号を受信した際に、前記携帯機における前記診断の結果を報知すること。なお、前記各実施形態において異常報知システムは、エンジン始動制御装置1に相当する。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明の第1及び第2実施形態における車両用施解錠装置の概略構成を示すブロック図。
【図2】第1実施形態における受信手段と通信制御手段との間の処理の流れを示すシーケンス図。
【図3】第2実施形態における受信手段と通信制御手段と診断信号発生手段との間の処理の流れを示すシーケンス図。
【符号の説明】
【0089】
3…携帯機、5…制御装置、11a…X軸用アンテナ、11b…Y軸用アンテナ、11c…Z軸用アンテナ、12…受信制御部、20…通信制御手段、診断手段及び報知手段としての通信制御部、30…擬似信号を印加する手段としての擬似信号発生回路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信により所定の制御対象を制御する制御装置から送信される第1の無線信号を受信する複数のアンテナを備えるとともに、該複数のアンテナの一部を同制御装置から送信される第2の無線信号を受信するアンテナとして共用し、前記アンテナに受信される第1の無線信号についてはこれを復調してその復調信号を前記制御装置との間での相互通信を制御する通信制御手段に出力し、前記アンテナの共用する一部に受信される第2の無線信号については該無線信号の電磁エネルギに基づき自動駆動されてその応答信号を前記共用する一部のアンテナを介して前記制御装置に送信する携帯機であって、
前記複数のアンテナの少なくとも前記共用する一部、及びそれらアンテナを介して受信される無線信号を受信処理する手段の少なくとも一方の故障の有無を診断する診断手段と、該診断手段により診断対象が故障している旨診断されるとき、該故障している旨を報知する報知手段とを備えることを特徴とする携帯機。
【請求項2】
前記アンテナを介して受信される無線信号を受信処理する手段が、前記第1の無線信号を復調してその復調信号を前記通信制御手段に出力する機能と、前記第2の無線信号の電磁エネルギに基づき自動駆動されてその応答信号を前記共用する一部のアンテナを介して前記制御装置に送信する機能とを併せ備える、受信制御部としての単一の集積回路チップからなる請求項1に記載の携帯機。
【請求項3】
前記診断手段は、前記受信制御部を通じて前記複数のアンテナの少なくとも前記共用する一部の共振周波数を求め、この求めた共振周波数に基づいて前記複数のアンテナの少なくとも前記共用する一部、及び前記受信制御部の少なくとも一方の故障の有無を診断するものである請求項2に記載の携帯機。
【請求項4】
前記診断手段は、前記複数のアンテナの少なくとも前記共用する一部に対して前記第1の無線信号の擬似信号を印加する手段を備え、前記受信制御部から該擬似信号に対応する適正な復調信号が得られるか否かに基づいて前記複数のアンテナの少なくとも前記共用する一部、及び前記受信制御部の少なくとも一方の故障の有無を診断するものである請求項2に記載の携帯機。
【請求項5】
前記診断手段は、前記制御装置から前記第1の無線信号が送信されている期間を利用して前記診断を行うものである請求項3または4に記載の携帯機。
【請求項6】
前記報知手段は、前記診断手段による診断結果を、前記通信制御手段による前記制御装置との間での相互通信の一部として前記制御装置に送信する請求項1〜5のいずれか一項に記載の携帯機。
【請求項7】
前記報知手段は、前記診断手段による診断結果を、当該携帯機自身を通じて報知するものである請求項1〜5のいずれか一項に記載の携帯機。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の携帯機において、
前記診断手段によって前記複数のアンテナの前記共用する一部のアンテナが故障している旨診断されるとき、該共用する一部のアンテナを前記複数のアンテナの他の一部に切り替える切換手段を更に備えることを特徴とする携帯機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−13799(P2006−13799A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−186814(P2004−186814)
【出願日】平成16年6月24日(2004.6.24)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【Fターム(参考)】