説明

柱・梁間の接合構造及びユニット建物の改築方法

【課題】高い接合強度が確保できるうえに上階がある場合でも構築可能な柱・梁間の接合構造を提供する。
【解決手段】間隔を置いて立設される柱3,3とそれらの柱間に架け渡される梁2との柱・梁間の接合構造である。
そして、柱の頭部3aに取り付けられる上面に柱側接続孔31cが形成された柱頭金具31と、梁の端部2aに取り付けられる下面に梁側接続孔21cが形成された梁端金具21と、柱側接続孔と梁側接続孔とに挿通されて柱頭金具と梁端金具とを連結する連結材4とを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、間隔を置いて立設される柱とそれらの柱間に架け渡される梁との柱・梁間の接合構造、及びユニット建物の改築方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、下階に壁のない大きな空間となる部屋を構築するために、梁高が大きくスパンの長い梁を支柱間に架け渡す構造が知られている(特許文献1など参照)。
【0003】
この特許文献1には、梁と支柱との接合構造として、ほぞとほぞ溝とを嵌合させる構造、L字形の梁受金具を支柱の上端に取り付けた構造、梁と支柱の双方に跨る接合板を外面に張設する構造などが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−311999号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ほぞとほぞ溝とを嵌合させる構造では、柱の上方から梁を嵌め合わせなければならず、上階が存在する場合には構築できない。このため、建築後の住宅の改修工事においては実施することができない。
【0006】
また、L字形の梁受金具に梁の端部を載置する構造では、梁と柱の当接面が固着されないため接合強度を高めることが難しい。
【0007】
さらに、接合板を外面に張設する構造では、梁と柱の当接面が固着されないうえに、外面側の隙間が少ない場合は接合板を取り付けられないことがある。
【0008】
そこで、本発明は、高い接合強度が確保できるうえに上階がある場合でも構築可能な柱・梁間の接合構造、及びユニット建物の改築方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために、本発明の柱・梁間の接合構造は、柱とそこから横方向に延設される梁との柱・梁間の接合構造であって、前記柱の頭部に取り付けられる上面に柱側接続孔が形成された柱頭金具と、前記梁の端部に取り付けられる下面に梁側接続孔が形成された梁端金具と、前記柱側接続孔と前記梁側接続孔とに挿通されて前記柱頭金具と前記梁端金具とを連結する連結材とを有することを特徴とする。
【0010】
ここで、前記柱頭金具と前記梁端金具との間にスペーサを介在させることができる。
【0011】
また、前記梁端金具は、前記梁の角部に当接させる受け部と、その受け部から下方に突出する中空の脚部とを備え、前記脚部は側面の少なくとも一方が開口され、前記脚部の下面に前記梁側接続孔が形成されるものであってもよい。
【0012】
さらに、前記柱頭金具は、前記柱に埋設させる差込み部と、その差込み部から上方に突出する中空の頭部とを備え、前記頭部は側面の少なくとも一方が開口され、前記頭部の上面に前記柱側接続孔が形成されるものであってもよい。
【0013】
また、本発明のユニット建物の改築方法は、下階建物ユニットの上に上階建物ユニットが載置されたユニット建物の改築方法であって、前記上階建物ユニットの荷重を一時的に支持させる支持材を前記下階建物ユニットに設置する工程と、前記下階建物ユニットの一部の壁を撤去する工程と、前記壁を撤去した位置に柱を立設するとともに、複数の下階建物ユニットに跨る梁を前記柱と前記上階建物ユニットとの間に差し込む工程と、前記柱と前記梁とを連結する工程とを備えたことを特徴とする。
【0014】
ここで、前記支持材の上端を、前記上階建物ユニットの下面側に配置される根太に固定することができる。また、前記梁と前記上階建物ユニットとを連結する工程を備えた構成とすることもできる。
【発明の効果】
【0015】
このように構成された本発明の柱・梁間の接合構造は、柱の頭部に取り付けられる柱頭金具と、梁の端部に取り付けられる梁端金具の双方に接続孔が形成されており、それらの接続孔に連結材を挿通することによって、柱頭金具と梁端金具とが連結される。
【0016】
このため、梁と柱の当接面が固着された接合強度の高い接合構造とすることができる。
【0017】
また、柱頭金具と梁端金具との間にスペーサを介在させる構造であれば、スペーサの厚さを変えることによって梁の取り付け高さを容易に調整することができる。
【0018】
さらに、梁端金具の梁側接続孔が形成される脚部の側面を開口しておけば、その開口を利用して容易に連結材を取り付けることができる。また、柱に埋設される差込み部を備えた柱頭金具であれば、柱に強固に固定することができる。
【0019】
また、本発明の柱・梁間の接合構造は、柱の頭部や梁の端部にほぞのような突起を設けて上から嵌め込む構造ではないので、下階建物ユニットの上に上階建物ユニットが載置された既設のユニット建物においても、上階建物ユニットを持ち上げることなく梁を横方向に移動させて柱に連結することが可能であり、柱・梁の接合構造を容易に構築することができる。
【0020】
さらに、梁が複数の下階建物ユニットに跨る長尺のものであれば、間口の広い開口部を設けることができる。また、支持材の上端を上階建物ユニットの根太に固定する方法であれば、上階建物ユニットの荷重を確実に支持させることができるうえに、工事中に支持材が外れにくく安全である。
【0021】
さらに、梁を上階建物ユニットの床などに連結することで、上階建物ユニットの荷重を確実に下階建物ユニットに伝達させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の最良の実施の形態のユニット建物の改築方法を説明する斜視図である。
【図2】梁と梁端金具の構成を説明する斜視図である。
【図3】柱と柱頭金具の構成を説明する斜視図である。
【図4】柱頭金具と梁端金具とを連結する連結材の構成を説明する分解斜視図である。
【図5】柱頭金具と梁端金具との間にスペーサを介在させる工程を示した説明図である。
【図6】本発明の最良の実施の形態の柱・梁間の接合構造の構成を示した説明図である。
【図7】二つの下階建物ユニットに跨る間口の広い開口部の構成を示した正面図である。
【図8】上階建物ユニットの荷重を一時的に支持させるパイプサポートを設置する工程を示した説明図である。
【図9】パイプサポートを立設させた下階建物ユニットの床下構造を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の最良の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0024】
図1は、本実施の形態のユニット建物1に二つの下階建物ユニット11,11間に跨る間口の広い開口部を設ける改築方法を説明する斜視図である。
【0025】
まず、図1を参照しながらユニット建物1の構成から説明すると、このようなユニット建物1は、工場で製作される下階建物ユニット11、上階建物ユニット12、屋根ユニット(図示省略)及びバルコニーユニット(図示省略)などを現場で連結させることによって構築される。
【0026】
すなわち、建築現場では、まずコンクリートを打設して基礎13を構築し、その基礎13の上に工場から搬送されてきた下階建物ユニット11をクレーンで吊り上げて設置することで1階を組み立て、さらにその上に上階建物ユニット12及びバルコニーユニットを設置することで2階を組み立て、上階建物ユニット12の上には屋根ユニットを載せてユニット建物1とする。
【0027】
この実施の形態では、このようにして構築されたユニット建物1を、年月を経てリフォームする際のユニット建物1の改築方法について説明する。
【0028】
すなわち、このユニット建物1の改築方法では、下階建物ユニット11の壁の一部を撤去して、二つの下階建物ユニット11,11間に跨る間口の広い開口を柱3,3と柱3,3間に架け渡される梁2とによって構築する(図7参照)。
【0029】
この梁2は、図2に示すように、梁高の大きな木製の部材で、その両方の端部2a,2aに梁端金具21,21がそれぞれ取り付けられる。すなわち、梁2の端部2aの下側は、側面の一部分が切り取られた角部2bが形成されており、その角部2bに梁端金具21が取り付けられる。
【0030】
この梁端金具21は、角部2bの両側面と下面に当接される断面視U字形の受け部21aと、その受け部21aから下方に突出する脚部21bとを備えている。
【0031】
また、この受け部21aの側面には、釘25を打込むための釘孔21d,・・・が穿孔されており、受け部21aを角部2bに嵌めて、釘25,・・・を釘孔21d,・・・に打込むことによって梁端金具21を梁2に固定する。
【0032】
さらに、受け部21aの下面側の端部に設けられる脚部21bは、梁2の長手方向の側面が開口された断面視ロ字形に形成されており、その下面には梁側接続孔21cが形成されている。
【0033】
また、梁2の上端面には、長手方向に間隔を置いて上方に突出する接続ボルト22が取り付けられる。この接続ボルト22は、後述する上階建物ユニット12の座金121bを設置する位置に合わせて取り付けられる。
【0034】
この接続ボルト22は、梁2の側面穴2cから挿入される円柱状の定着具22aに穿孔された穴22bに向けて、梁2の上端面に設けられた上面穴2dから挿入され、下端を定着具22aの穴22bにねじ込むことによって梁2に取り付けられる。
【0035】
また、梁2の上端面には、スペーサ合板23が釘25によって取り付けられる。このスペーサ合板23は、梁2の上端面と上階建物ユニット12の下面との隙間を埋めるために取り付けられる。
【0036】
さらに、梁2の側面には、スペーサ合板24が釘25によって取り付けられる。このスペーサ合板24は、梁2の側面と隣接する下階建物ユニット11の梁(図示省略)との隙間を埋めるために取り付けられる。
【0037】
一方、この梁2の端部2a,2aを下方から支持する柱3の上部周辺の構成を、図3に示した。
【0038】
この柱3は、例えば木製の四角柱の角材で、頭部3aには、略中央を横断する切込み部32が下方に向けて延設されている。そして、この切込み部32を利用して柱頭金具31が取り付けられる。
【0039】
この柱頭金具31は、柱3に埋設させる差込み部31bと、その差込み部31bから上方に突出する中空の頭部31aとを備えている。
【0040】
この差込み部31bは、切込み部32の幅及び長さに、厚さ及び長さを合わせて成形された鋼板で、長手方向に間隔をおいて複数の貫通孔31d,・・・が穿孔されている。
【0041】
また、この差込み部31bの上端には、開口が横向きとなるように四角筒状の頭部31aが接合されている。この頭部31aは、平面視で見て柱3の上端面と略同じ大きさの略四角形に形成されており、その上面には柱側接続孔31cが形成されている。
【0042】
そして、柱頭金具31の差込み部31bを切込み部32に挿入すると、頭部31aが柱3の上端に係止される。また、柱3の側面に軸直交方向に向けて穿孔された挿入穴33aにピン33を挿入し、差込み部31bの貫通孔31dにピン33を挿入することによって柱頭金具31を柱3に固定する。
【0043】
このようにして柱3の頭部3aに取り付けられた柱頭金具31の上には、図4に示すように梁2の梁端金具21の脚部21bが載置される。そして、脚部21bの梁側接続孔21cと、柱頭金具31の柱側接続孔31cとを一致させ、その連通された孔に連結材4を構成する六角ボルト41を挿入する。
【0044】
この連結材4は、六角ボルト41と、その六角ボルト41に取り付けるナット42、バネ座金43及び平座金44とによって構成される。
【0045】
この六角ボルト41は、脚部21bの開口から梁側接続孔21cに挿入することができ、ナット42、バネ座金43及び平座金44は、柱頭金具31の開口から柱側接続孔31cより突出する六角ボルト41に装着することができる。
【0046】
また、図5に示すように、梁端金具21の脚部21bの下面と柱頭金具31の上面との間には、六角ボルト41と交差する部分がU字状に切り欠かれたスペーサ45がハンマ45aなどを使って差し込まれる。
【0047】
このスペーサ45の厚さは、図6に示すように、床121の下面を形成する下枠121dと梁2の上端面との間隔に合わせて調整され、スペーサ45を脚部21bと柱頭金具31の間に差し込むことによって梁2の上端面が下枠121dの下端面に押し当てられる。
【0048】
この床121は、上階建物ユニット12の床面を形成する部材であって、間隔を置いて並設された根太121a及び端根太121cに対し、上面側に床面材121eを張設し、下面側に下枠121dを差し渡すことでパネル状に形成されている。
【0049】
また、下枠121dの上端面に接する受木桟121fの一部が切り欠かれ、その切り欠きに座金121bが設置される。そして、下枠121dの上下方向に穿孔された孔に梁2の接続ボルト22が挿入され、接続ボルト22の上端が座金121bに定着される。
【0050】
また、柱3に隣接する壁111と梁2の端部2aとの隙間には、スペーサ合板26を差し込んで隙間を埋める。
【0051】
さらに、図7に示すように、壁111の縦枠111aに対して柱3側から複数のスクリューネジ34,・・・をねじ込み、柱3を壁111に固定する。また、反対側の柱3は、複数の取付けボルト35,・・・によって壁枠113に固定する。
【0052】
なお、下階建物ユニット11の床112も、上階建物ユニット12と同様の根太112a、端根太112b、受木桟112cを備えている。
【0053】
次に、本実施の形態のユニット建物1の改築方法を工程に沿って説明するとともに、その作用について説明する。
【0054】
まず、図8に示すように、上階建物ユニット12の床121の根太121a,・・・の位置と、下階建物ユニット11の床112の根太112a,・・・の位置とに合わせて、支持材としてのパイプサポート5,・・・を設置する。
【0055】
このパイプサポート5,・・・を立設する数は、撤去される耐力壁が支持していた荷重に合わせて設定される。また、パイプサポート5の上端は、上階建物ユニット12の根太121aにボルトなどによって固定し、簡単に外れないようにする。
【0056】
さらに、パイプサポート5の下端を載置する根太112aの下方には、図9に示すように鋼製の大引116を差し渡し、束部115によって支持させる。また、床112の妻端根太112dに沿って受木桟112cを釘114で取り付けて補強をおこなう。
【0057】
このような上階建物ユニット12の荷重を一時的に支持させる工程の後に、開口部を構築する位置の耐力壁を含む壁を撤去し、間口の広い開口を形成する。
【0058】
そして、その開口に、図1に示すように柱3,3と梁2とを設置する。なお、この図1は模式図であって、柱3,3と梁2は別々に設置される。しかしながら、柱3の上面には梁2に嵌め込むような突起は設けられておらず、梁2の下面にも柱3に嵌め込むような突起が設けられていないので、上階建物ユニット12を持ち上げなくても、柱3,3と梁2とを容易に配置することができる。
【0059】
また、柱3の柱頭金具31の上に梁端金具21の脚部21bが載置された後に、図4に示すように脚部21bの開口から六角ボルト41を梁側接続孔21cに挿入し、柱頭金具31の開口から平座金44、バネ座金43及びナット42を六角ボルト41の下端に取り付けて仮止めする。
【0060】
このように梁側接続孔21cが形成される脚部21bの側面及び柱側接続孔31cが形成される柱頭金具31の側面を開口しておけば、その開口を利用して容易に連結材4を装着することできる。
【0061】
さらに、梁2は、図6に示すように接続ボルト22の上端を下枠121dの上端面に設置した座金121bに固定することによって仮止めする。また、柱3,3は、スクリューネジ34又は取付けボルト35によって、縦枠111a又は壁枠113に固定する(図7参照)。
【0062】
そして、図5に示すように、連結材4で仮止めされた梁2を持ち上げ、側方から柱頭金具31の上面と梁端金具21の脚部21bの下面との間にスペーサ45を差し込み、ハンマ45aで打ち込む。
【0063】
このように柱頭金具31と梁端金具21とを連結材4で仮止めした後に、柱頭金具31と梁端金具21との間にスペーサ45を介在させる方法であれば、梁2をスペーサ45で押し上げて上階建物ユニット12との隙間を埋めることができるので、容易に梁2と上階建物ユニット12とを密着させることができる。
【0064】
また、図6に示すように、梁2の端部2aと壁111との隙間にはスペーサ合板26を挿し込む。そして、接続ボルト22、連結材4などを緊結して図7に示すような間口の広い門型の開口を完成させる。
【0065】
このようにして構成された本実施の形態の柱・梁間の接合構造は、柱3の頭部に取り付けられる柱頭金具31と、梁2の端部2aに取り付けられる梁端金具21の双方に接続孔(柱側接続孔31c、梁側接続孔21c)が形成されており、それらの接続孔31c,21cに連結材4の六角ボルト41を挿通することによって、柱頭金具31と梁端金具21とが連結される。
【0066】
このため、梁2と柱3の当接面が固着された接合強度の高い接合構造とすることができる。
【0067】
また、柱頭金具31と梁端金具21との間にスペーサ45を介在させる構造であれば、スペーサ45の厚さを変えることによって梁2の取り付け高さを容易に調整することができる。
【0068】
さらに、柱3に埋設される差込み部31bを備えた柱頭金具31であれば、柱3に強固に固定することができる。
【0069】
また、梁2を上階建物ユニット12の床121に接続ボルト22,・・・によって連結することで、上階建物ユニット12の荷重を、梁2を介して確実に下階建物ユニット11に伝達させることができる。
【0070】
以上、図面を参照して、本発明の最良の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
【0071】
例えば、前記実施の形態では、梁端金具21及び柱頭金具31の双方の側面にそれぞれ開口を設け、六角ボルト41やナット42等をそれらの開口から装着する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、梁側接続孔21c又は柱側接続孔31cのいずれかをネジ溝が設けられたネジ孔に連通させ、そのネジ孔に六角ボルト41を螺入することによって連結をおこなう構成であってもよい。
【0072】
また、前記実施の形態では、柱3,3間に梁2を架け渡す構造について説明したが、これに限定されるものではなく、柱3から横方向に延設された梁2の端部が壁などに支持される構造であってもよい。
【0073】
さらに、前記実施の形態では、既設のユニット建物1を改築する方法において柱・梁間の接合構造を構築する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、新築の場合や在来工法で建設された住宅の改築にも本発明の実施の形態を適用することができる。
【0074】
また、前記実施の形態では、柱3の頭部3aに柱頭金具31を取り付け、梁2の端部に梁端金具21を取り付けて柱3と梁2とを接合するユニット建物1の改築方法について説明したが、これに限定されるものではなく、これらの金具21,31を使用しないユニット建物1の改築方法にも本発明は適用できる。
【符号の説明】
【0075】
1 ユニット建物
11 下階建物ユニット
12 上階建物ユニット
121a 根太
2 梁
2a 端部
2b 角部
21 梁端金具
21a 受け部
21b 脚部
21c 梁側接続孔
3 柱
3a 頭部
31 柱頭金具
31a 頭部
31b 差込み部
31c 柱側接続孔
4 連結材
45 スペーサ
5 パイプサポート(支持材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
柱とそこから横方向に延設される梁との柱・梁間の接合構造であって、
前記柱の頭部に取り付けられる上面に柱側接続孔が形成された柱頭金具と、
前記梁の端部に取り付けられる下面に梁側接続孔が形成された梁端金具と、
前記柱側接続孔と前記梁側接続孔とに挿通されて前記柱頭金具と前記梁端金具とを連結する連結材とを有することを特徴とする柱・梁間の接合構造。
【請求項2】
前記柱頭金具と前記梁端金具との間にスペーサを介在させることを特徴とする請求項1に記載の柱・梁間の接合構造。
【請求項3】
前記梁端金具は、前記梁の角部に当接させる受け部と、その受け部から下方に突出する中空の脚部とを備え、前記脚部は側面の少なくとも一方が開口され、前記脚部の下面に前記梁側接続孔が形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の柱・梁間の接合構造。
【請求項4】
前記柱頭金具は、前記柱に埋設させる差込み部と、その差込み部から上方に突出する中空の頭部とを備え、前記頭部は側面の少なくとも一方が開口され、前記頭部の上面に前記柱側接続孔が形成されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の柱・梁間の接合構造。
【請求項5】
下階建物ユニットの上に上階建物ユニットが載置されたユニット建物の改築方法であって、
前記上階建物ユニットの荷重を一時的に支持させる支持材を前記下階建物ユニットに設置する工程と、
前記下階建物ユニットの一部の壁を撤去する工程と、
前記壁を撤去した位置に柱を立設するとともに、複数の下階建物ユニットに跨る梁を前記柱と前記上階建物ユニットとの間に差し込む工程と、
前記柱と前記梁とを連結する工程とを備えたことを特徴とするユニット建物の改築方法。
【請求項6】
前記支持材の上端を、前記上階建物ユニットの下面側に配置される根太に固定することを特徴とする請求項5に記載のユニット建物の改築方法。
【請求項7】
前記梁と前記上階建物ユニットとを連結する工程を備えたことを特徴とする請求項5又は6に記載のユニット建物の改築方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−163766(P2010−163766A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−5390(P2009−5390)
【出願日】平成21年1月14日(2009.1.14)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】