説明

管状挿入システム

【課題】 操作支援情報を高精度且つ容易に取得できる管状挿入システムを提供すること。
【解決手段】 管状挿入システムである内視鏡システム10は、管内に挿入され、湾曲する湾曲部23を有する挿入部20と、湾曲部23を操作する湾曲操作機構39とを有している。内視鏡システム10は、湾曲操作機構39の湾曲操作量を検出し、湾曲操作量を示す湾曲操作量情報を演算する湾曲操作量検出演算機構61と、実際に湾曲している湾曲部23の湾曲形状を検出し、湾曲形状を示す湾曲形状情報を演算する湾曲形状検出演算機構71と、湾曲操作量情報と湾曲形状情報との少なくとも一方を基に、湾曲部23の操作の支援を示す第1の操作支援情報を取得する第1の操作支援情報取得部151とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管状挿入システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に内視鏡の挿入部の先端部には、挿入部が体腔内に挿入された際に、体腔内の臓器から受ける力量を測定する測定部が配設されている。このような測定部は、例えば歪ゲージ(感圧センサ)である。
【0003】
このような内視鏡は、例えば特許文献1に開示されている。特許文献1において、測定部である感圧センサは、内視鏡やカテーテル等の挿入部の先端部に配設されている。感圧センサは、体腔内の臓器から受ける力量(感圧情報)を検出する。この検出結果は、挿入部が体腔内に挿入および体腔内で湾曲する際において、操作の支援を示す操作支援情報として、操作に役立たれている。この操作とは、挿入操作や捻り操作や湾曲操作などである。この操作支援情報は、挿入部の操作時における生体への安全性を確保する観点から、非常に重要となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−154153号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した特許文献1において、オペレータが安全かつ容易な挿入操作を行なうためには、オペレータは、操作支援情報である挿入先端部における感圧情報を正確かつ高精度に把握する必要がある。
またオペレータがより安全かつ容易な挿入操作を行なうためには、感圧情報以外にも挿入部の形状情報といった操作支援情報を知ることが望ましい。オペレータがこのような操作支援情報(挿入部の形状情報)を取得するためには、オペレータは感圧情報をあらゆる方向から正確に把握する必要がある。
このために、上述した特許文献1において、感圧センサは挿入部の先端部全体に分布するように配設されることが好適である。しかし、先端部の細径化や、挿入部における限られた配線空間の観点などから、多数の感圧センサがこのように配設されることは容易ではない。また感圧センサの性能は、ノイズや感圧センサの配置場所に大きく影響が出てしまう。
また、さまざまな操作支援情報を同時に検出するセンシングシステムを構築することはさらに難しい。
このように操作支援情報を高精度且つ容易に取得できない虞が生じ、操作時における生体への安全性に支障をきたす虞が生じる。
【0006】
そのため本発明は、上記課題を鑑みて、操作支援情報を高精度且つ容易に取得できる管状挿入システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は目的を達成するために、管内に挿入され、湾曲する湾曲部を有する挿入部と、前記湾曲部を湾曲するために前記湾曲部を操作する湾曲操作機構と、前記湾曲操作機構の操作を検出し、前記操作の量を示す湾曲操作量情報を演算する湾曲操作量検出演算機構と、前記湾曲部の湾曲形状を検出し、前記湾曲形状を示す湾曲形状情報を演算する湾曲形状検出演算機構と、前記湾曲操作量情報と前記湾曲形状情報との少なくとも一方を基に、前記湾曲部の操作の支援を示す第1の操作支援情報を取得する第1の操作支援情報取得部と、を具備することを特徴とする管状挿入システムを提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、操作支援情報を高精度且つ容易に取得できる管状挿入システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本発明に係る内視鏡システムの概略構成図である。
【図2A】図2Aは、湾曲操作量検出演算機構を説明するための図である。
【図2B】図2Bは、湾曲操作量検出演算機構を説明するための図である。
【図2C】図2Cは、湾曲操作部に配設された被読取部と湾曲操作量検出部との関係を説明するための図である。
【図2D】図2Dは、湾曲操作部に配設された被読取部と湾曲操作量検出部との関係を説明するための図である。
【図3A】図3Aは、湾曲形状検出演算機構を説明するための図である。
【図3B】図3Bは、湾曲形状検出演算機構を説明するための図である。
【図4A】図4Aは、挿入補助具によって挿入部を体腔内に挿入した状態を示す図である。
【図4B】図4Bは、挿抜捻り操作検出演算機構を説明するための図である。
【図4C】図4Cは、挿抜捻り操作検出演算機構を説明するための図である。
【図5】図5は、内視鏡システムの制御システムを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1と図2Aと図2Bと図2Cと図2Dと図3Aと図3Bと図4Aと図4Bと図4Cと図5とを参照して第1の実施形態について説明する。なお図示の簡略化のために、一部の図では、部材の一部を省略している。
図1に示すように、内視鏡システム(管状挿入システム)10は、例えば所望する観察対象物を撮像する内視鏡12と、内視鏡12によって撮像された観察対象物を画像処理する画像処理装置14(例えばビデオプロセッサ)と、画像処理装置14と接続し、内視鏡12によって撮像され、画像処理装置14によって画像処理された観察対象物を表示する表示部であるモニタ16とを有している。また内視鏡システム10は、内視鏡12にむけて照明光を出射する光源装置18と、光源装置18から出射される照明光とは異なる光を出射し、この光を検出する光出射検出装置18aと、内視鏡12と画像処理装置14とモニタ16と光源装置18と光出射検出装置18aとを含む内視鏡システム10を制御する制御装置19とを有している。
この観察対象物とは、被検体(例えば体腔(管腔))内における患部や病変部等である。
【0011】
図1に示すように内視鏡12には、患者の体腔内に挿入される中空の細長い挿入部20と、挿入部20の基端部と連結し、内視鏡12を操作する操作部30とが配設されている。内視鏡12は、管状の挿入部20を体腔内に挿入する管状挿入装置である。
【0012】
挿入部20は、挿入部20の先端部側から基端部側に向かって、先端硬質部21と、湾曲する湾曲部23と、可撓管部25とを有している。先端硬質部21の基端部は湾曲部23の先端部と連結し、湾曲部23の基端部は可撓管部25の基端部と連結している。
【0013】
先端硬質部21は、挿入部20の先端部及び内視鏡12の先端部であり、硬い。
【0014】
湾曲部23は、後述する湾曲操作部37の操作によって、例えば上下左右といった所望の方向に湾曲する。湾曲部23が湾曲することにより、先端硬質部21の位置と向きとが変わり、観察対象物が観察視野内に捉えられ、照明光が観察対象物に照明される。湾曲部23は、図示しない節輪が挿入部20の長手軸方向に沿って回動可能に連結されていることで、構成されている。
【0015】
可撓管部25は、所望な可撓性を有しており、外力によって曲がる。可撓管部25は、操作部30の後述する本体部31から延出されている管状部材である。
【0016】
操作部30は、可撓管部25が延出している本体部31と、本体部31の基端部と連結し、内視鏡12を操作するオペレータによって把持される把持部33と、把持部33と接続しているユニバーサルコード41とを有している。
【0017】
把持部33には、図1と図2Aとに示すように、湾曲部23を湾曲するために後述する操作ワイヤ38LR,38UDを操作する湾曲操作部37が配設されている。湾曲操作部37は、湾曲部23を左右に湾曲操作させる左右湾曲操作ノブ37LRと、湾曲部23を上下に湾曲操作させる上下湾曲操作ノブ37UDと、湾曲した湾曲部23の位置を固定する固定ノブ37cとを有している。
【0018】
左右湾曲操作ノブ37LRには、左右湾曲操作ノブ37LRによって駆動する図示しない左右方向の湾曲操作駆動部が接続している。また、上下湾曲操作ノブ37UDには、上下湾曲操作ノブ37UDによって駆動する図示しない上下方向の湾曲操作駆動部が接続している。上下方向の湾曲操作駆動部と左右方向の湾曲操作駆動部とは、例えば把持部33内に配設されている。
【0019】
左右方向の湾曲操作駆動部は操作部30と可撓管部25と湾曲部23とを挿通する操作ワイヤ38LRと接続しており、この操作ワイヤ38LRは湾曲部23の先端部と接続している。
また上下方向の湾曲操作駆動部は、操作部30と可撓管部25と湾曲部23とを挿通する操作ワイヤ38UDと接続している。操作ワイヤ38UDは、操作ワイヤ38LRとは異なる。操作ワイヤ38UDは、湾曲部23の先端部と接続している。
【0020】
左右湾曲操作ノブ37LRは、左右方向の湾曲操作駆動部と操作ワイヤ38LRとを介して湾曲部23を左右方向に湾曲する。また上下湾曲操作ノブ37UDは、上下方向の湾曲操作駆動部と操作ワイヤ38UDとを介して湾曲部23を上下方向に湾曲する。
【0021】
このような湾曲操作部37(左右湾曲操作ノブ37LRと上下湾曲操作ノブ37UD)と、左右方向の湾曲操作駆動部と、操作ワイヤ38LRと、上下方向の湾曲操作駆動部と、操作ワイヤ38UDとは、湾曲部23を湾曲するために、湾曲部23を操作する湾曲操作機構39である。
【0022】
ユニバーサルコード41は、把持部33の側面から延出されている。ユニバーサルコード41は、画像処理装置14と光源装置18と光出射検出装置18aとに着脱可能なコネクタ42を基端部に有している。
【0023】
画像処理装置14と光源装置18と光出射検出装置18aと制御装置19とは互いに接続しており、画像処理装置14と光源装置18と光出射検出装置18aとはコネクタ42を介して内視鏡12と着脱自在に接続する。
【0024】
図2Aと図2Bと図3Aと図3Bと図5とに示すように、内視鏡システム10は、湾曲操作機構39の操作を検出し、操作の量を示す湾曲操作量情報を演算する湾曲操作量検出演算機構61と、実際に湾曲している湾曲部23の湾曲形状(湾曲量)を検出し、湾曲形状を示す湾曲形状情報を演算する湾曲形状検出演算機構71とを有している。
【0025】
図2Aと図2Bとに示すように、湾曲操作量検出演算機構61において、湾曲操作機構39の湾曲操作量とは、湾曲部23を湾曲させるために、湾曲操作機構39、詳細には図2Aに示すように操作ワイヤ38LR,38UDまたは図2Bに示すように湾曲操作部37が操作される湾曲操作量を示す。
湾曲操作量検出演算機構61は、湾曲操作機構39の湾曲操作量を検出する湾曲操作量検出部63と、湾曲操作量検出部63の検出結果を基に湾曲操作量情報を演算する湾曲操作量演算部65とを有している。
【0026】
図2Aに示すように、湾曲操作量検出部63が湾曲操作機構39の湾曲操作量を検出するために、例えば操作ワイヤ38LRの基端部と操作ワイヤ38UDの基端部とには、例えばリニアスケールなどの被読取部67が配設されている。被読取部67は、操作ワイヤ38LR,38UDが移動することで、操作ワイヤ38LR,38UDと共に移動する。
湾曲操作量検出部63は、操作ワイヤ38LR,38UDと共に移動する被読取部67を読み取り、被読取部67の移動を検出する。これにより湾曲操作量検出部63は、操作ワイヤ38LR,38UDの移動を検出する。湾曲操作量検出部63は、例えばリニアエンコーダであり、例えば操作部30内部に配設されている。
【0027】
湾曲操作量演算部65は、湾曲操作量検出部63が検出した検出結果を基に、被読取部67の移動量、つまり操作ワイヤ38LRと操作ワイヤ38UDとの移動量を検出する。そして湾曲操作量演算部65は、この検出結果を基に、操作ワイヤ38LRと操作ワイヤ38UDとの湾曲操作量情報を演算する。湾曲操作量演算部65は、操作ワイヤ38LRと操作ワイヤ38UDとの湾曲操作量情報を演算することで、湾曲操作機構39の湾曲操作量を検出し、湾曲操作量情報を演算することとなる。湾曲操作量演算部65は、図1と図2Aとに示すように例えば制御装置19に配設されている。
【0028】
このように、湾曲操作量検出演算機構61は、湾曲操作機構39における操作ワイヤ38LR,38UDの移動量を基に、湾曲操作機構39の湾曲操作量を検出し、湾曲操作量情報を演算する。
【0029】
なお図2Bと図2Cとに示すように、被読取部67は、左右湾曲操作ノブ37LRと上下湾曲操作ノブ37UDとに配設されていてもよい。この場合、被読取部67は、例えば、円筒の左右湾曲操作ノブ37LRの外周面と、円筒の上下湾曲操作ノブ37UDの外周面とに配設されている。
または図2Bと図2Dとに示すように、被読取部67は、左右湾曲操作ノブ37LRの表面と、上下湾曲操作ノブ37UDの表面とに配設されていてもよい。
【0030】
これらの場合、湾曲操作量検出部63は、左右湾曲操作ノブ37LRと上下湾曲操作ノブ37UDと共に回動する被読取部67を読み取り、被読取部67の回動を検出する。これにより湾曲操作量検出部63は、左右湾曲操作ノブ37LRと上下湾曲操作ノブ37UDとの回動を検出する。湾曲操作量検出部63は、例えばロータリーエンコーダである。
【0031】
湾曲操作量演算部65は、湾曲操作量検出部63が検出した検出結果を基に、被読取部67の移動量、つまり左右湾曲操作ノブ37LRと上下湾曲操作ノブ37UDとの回動量を検出する。そして湾曲操作量演算部65は、この検出結果を基に、左右湾曲操作ノブ37LRと上下湾曲操作ノブ37UDとの湾曲操作量情報を演算する。湾曲操作量演算部65は、左右湾曲操作ノブ37LRと上下湾曲操作ノブ37UDとの湾曲操作量情報を演算することで、湾曲操作機構39の湾曲操作量を検出し、湾曲操作量情報を演算することとなる。
【0032】
このように、湾曲操作量検出演算機構61は、湾曲操作機構39における左右湾曲操作ノブ37LRと上下湾曲操作ノブ37UDとの回動量を基に、湾曲操作機構39の湾曲操作量を検出し、湾曲操作量情報を演算する。
【0033】
なお上述した被読取部67は、湾曲操作量検出演算機構61に含まれる。
また本実施形態では、湾曲部23は、上述したように上下左右に湾曲するが、上下のみまたは左右のみに湾曲してもよい。この場合、湾曲操作量検出演算機構61は、湾曲操作機構39の上下方向の湾曲操作量または左右方向の湾曲操作量を検出し、それぞれの湾曲操作量情報を演算する。
【0034】
このように湾曲操作量検出演算機構61は、湾曲部23が上下方向に湾曲する際の湾曲操作機構39の上下方向における湾曲操作量と、湾曲部23が左右方向に湾曲する際の湾曲操作機構39の左右方向における湾曲操作量との少なくとも一方を検出し、湾曲操作量情報を演算する。
【0035】
図3Aに示すように、湾曲形状検出演算機構71は、上述した光出射検出装置18aを有している。
光出射検出装置18aは、光を出射する例えばLEDなどの光源79と、LEDから出射された光を集光する集光レンズ81とを有している。集光レンズ81は、光源79と後述する光ファイバ83aの間と、後述する光ファイバ83bと後述する湾曲形状検出部73の間とに配設されている。集光レンズ81は、光源79から出射された光が光ファイバ83aに入射するように、光を光ファイバ83aに集光する。また集光レンズ81は、光ファイバ83bによって先端硬質部21から光出射検出装置18aに導光された(戻ってきた)光を湾曲形状検出部73に集光する。
【0036】
また湾曲形状検出演算機構71は、挿入部20の長手方向に沿って線状に配設され、湾曲可能で、湾曲することで特性が変化する線状部材と、湾曲部23が湾曲することに伴い線状部材が湾曲した際に、線状部材の特性を基に湾曲部23の湾曲形状を検出する湾曲形状検出部73と、湾曲形状検出部73の検出結果を基に、実際に湾曲している湾曲部23の湾曲形状を演算する湾曲形状演算部75とを有している。
【0037】
線状部材は、光源79から出射され、集光レンズ81によって集光された光を、操作部30と挿入部20とを介して先端硬質部21にまで導光する光ファイバ83aと、先端硬質部21から光出射検出装置18aに戻る光を、先端硬質部21から挿入部20と操作部30とを介して湾曲形状検出部73に導光する光ファイバ83bとを示す。
光ファイバ83aと光ファイバ83bとは、ユニバーサルコード41と操作部30と挿入部20とを挿通している。このような光ファイバ83aと光ファイバ83bとは、光源79から出射された光を挿入部20の長手方向に沿って導光可能な導光部材である。
線状部材において、光ファイバ83aは、湾曲部23が湾曲した際に、光が光ファイバ83aの外部に向けて出射する(漏れる)ように加工された加工領域87を少なくとも1つ有している。加工領域87は、光ファイバ83aによって導光される光の光学特性(例えば光量)を挿入部20の湾曲状態に応じて変化させる光学特性変化部である。加工領域87は、挿入部20の湾曲を検出すべき箇所近傍、例えば湾曲部23に配設されている。
【0038】
なお図3Aに示すように、湾曲形状検出部73が線状部材の特性を基に湾曲部23の湾曲形状を検出するために、先端硬質部21には、光ファイバ83aから出射した光を光ファイバ83bに入射させるように光を反射する反射部89である例えばコーナキューブが配設されている。
【0039】
湾曲形状検出部73は図3Aに示すように例えば光出射検出装置18aに配設され、湾曲形状演算部75は図1と図3Aとに示すように制御装置19に配設されている。湾曲形状検出部73は、例えば受光素子のような受光部である。
【0040】
本実施形態では湾曲部23が湾曲することで、湾曲部23における光ファイバ83aが湾曲し、これにより光の一部は加工領域87を通じて外部に出射する(漏れる)。つまり、光学特性変化部である加工領域87は、光ファイバ83aの光学特性(例えば光量)を変化させる。湾曲形状検出部73は、加工領域87が光学特性を変化させた際に、この変化した光学特性(例えば光量)を基に、湾曲部23の湾曲形状、詳細には湾曲の方向と大きさとを検出する。
【0041】
湾曲形状演算部75は、湾曲形状検出部73の検出結果を基に、実際に湾曲している湾曲部23の湾曲形状を演算する。
【0042】
なお光学特性は、例えば光量に限定されず、例えばスペクトルや偏波などの光の状態であってもよく、湾曲形状検出部73はこれらに対応した光学特性を検出するものであれば良い。
【0043】
なお図3Bに示すように、光ファイバ83bの代わりに、光源79から出射された光を投光する投光レンズ91と、アイソレータ93と、アイソレータ93を透過した光が光ファイバ83aに入射するように光を光ファイバ83aに集光する集光レンズ81と、光ファイバ83aから出射した光が光ファイバ83aに入射するように光を反射する反射部95であるミラーと、光ファイバ83aによって戻るように導光され、光ファイバ83aから出射した光を湾曲形状検出部73に向かって反射する反射ミラー97とが配設されていてもよい。
反射部95は先端硬質部21に配設され、投光レンズ91とアイソレータ93と集光レンズ81と反射ミラー97とは光出射検出装置18aに配設される。
【0044】
光出射検出装置18aと、光源79と、集光レンズ81と、光ファイバ83a,83bと、反射部89と、投光レンズ91と、アイソレータ93と、反射部95と、反射ミラー97とは、湾曲形状検出演算機構71に含まれる。
【0045】
なお光ファイバ83aの代わりに、湾曲することで電気特性が変化する線状部材が配設されていてもよい。また光ファイバ83aの代わりに、挿入部20の長手方向に沿って少なく1つの歪みゲージまたはジャイロセンサが配設されていてもよい。
【0046】
なお本実施形態では、湾曲部23は、上述したように上下左右に湾曲するが、上下のみまたは左右のみに湾曲してもよい。この場合、湾曲形状検出演算機構71は、湾曲部23が上下方向に湾曲する際の湾曲形状、または湾曲部23が左右方向に湾曲する際の湾曲形状を検出する。
【0047】
このように湾曲操作量検出演算機構61は、湾曲部23が上下方向に湾曲する際に湾曲形状と、湾曲部23が左右方向に湾曲する際に湾曲形状との少なくとも一方を検出し、湾曲形状情報を演算する。
【0048】
また内視鏡システム10は、図4Aと図4Bと図4Cとに示すよう、挿入部20の挿入操作と捻り操作との少なくとも一方を検出し、検出した挿入操作と捻り操作との少なくとも一方を示す挿抜捻り情報を演算する挿抜捻り操作検出演算機構101をさらに有している。
この挿抜捻り情報は、挿抜情報と捻り情報との少なくとも1つを有している。挿抜情報は、例えば、挿入部20の挿抜量と、挿抜量を1回以上時間微分した情報との少なくとも1つを含む。この微分した情報は、例えば挿抜速度である。また捻り情報は、例えば、挿入部20の捻り方向を含む捻り量と、捻り量を1回以上時間微分した情報との少なくとも1つを含む。この微分した情報は、例えば捻り速度である。挿抜捻り操作検出演算機構101がこの挿抜捻り情報を演算する際、または挿入部20が例えば口のような開口部111を介して体腔内に挿入される際、図4Aに示すように、挿入補助具113が開口部111に配設される。挿入補助具113は、挿入部20が体腔内に挿入するために挿入を補助する。そのため挿入部20は、挿入補助具113を介して開口部111から体腔内に挿入される。このような挿入補助具113は、例えばマウスピースである。
【0049】
図4Bに示すように、挿抜捻り操作検出演算機構101は、湾曲部23を含む挿入部20の挿抜を検出する挿抜検出部103と、挿抜検出部103の検出結果を基に挿抜量と挿抜速度と演算する挿抜演算部105とを有している。
【0050】
挿抜検出部103が挿入部20の挿抜を検出するために、挿入部20(可撓管部25)の外周面には、例えば格子状のパターンなどの被読取部107が形成されている。被読取部107は、挿入部20が挿抜のために前後に移動することで、挿入部20と共に移動する。
【0051】
挿抜検出部103は、挿入部20と共に移動する被読取部107を読み取り、被読取部107の移動を検出する。これにより、挿抜検出部103は、挿入部20の挿抜を検出する。挿抜検出部103は、例えばエンコーダである。挿抜検出部103は、挿入部20が開口部111を介して体腔内に挿入される際に開口部111に配設される挿入補助具113に配設される。
【0052】
挿抜演算部105は、挿抜検出部103が検出した検出結果を基に、挿入部20(湾曲部23)の挿抜量(挿入量または抜去量)と挿抜速度(挿入速度または抜去速度)とを演算する。挿抜演算部105は、図1と図4Bとに示すように例えば制御装置19に配設されている。
【0053】
また挿抜捻り操作検出演算機構101は、湾曲部23を含む挿入部20の捻れを検出する捻れ検出部123と、捻れ検出部123の検出結果を基に捻り方向を含む捻り量と捻り速度とを演算する捻れ演算部125とを有している。
この捻れとは 挿入部20の軸方向に対する周方向における移動を示し、挿入部20の回転(回動)を示す。
【0054】
捻れ検出部123は、挿入部20と共に捻れる被読取部107を読み取り、被読取部107の捻れを検出する。これにより捻れ検出部123は、挿入部20の捻れを検出する。捻れ検出部123は、例えばエンコーダである。捻れ検出部123は、挿抜検出部103と同様に挿入補助具113に配設される。捻れ検出部123は、挿抜検出部103と一体であっても別体であってもよい。
【0055】
捻れ演算部125は、捻れ検出部123が検出した検出結果を基に、挿入部20(湾曲部23)の捻れ方向を含む捻り量と捻り速度とを演算する。捻れ演算部125は、図1と図4Bとに示すように、例えば制御装置19に配設されている。
【0056】
なお図4Cに示すように、被読取部107の代わりに、挿入部20の外周面と接触し、挿入部20が挿入された際に回転する挿入回転体129と、挿入部20の外周面と接触し、挿入部20が捻られた際に回転する捻れ回転体131とが配設されていてもよい。
【0057】
挿入回転体129と捻れ回転体131とは、図4Cでは図示を省略している挿入補助具113に配設され、挿入部20の外周面と接触し、挿入部20の挿入と捻れとによって回転する例えばローラである。挿入回転体129の外周面と捻れ回転体131の外周面とには、上述したような被読取部107が配設されている。挿抜検出部103は、挿入回転体129と共に回転する被読取部107を読み取り、被読取部107の回転を検出する。これにより挿抜検出部103は、挿入部20の挿抜を検出する。また捻れ検出部123は、捻れ回転体131と共に回転する被読取部107を読み取り、被読取部107の回転を検出する。これにより捻れ検出部123は、挿入部20の捻れを検出する。
【0058】
挿抜演算部105は、挿抜検出部103が検出した検出結果を基に、挿入回転体129の回転量、つまり挿入部20(湾曲部23)の挿抜量(挿入量または抜去量)と挿抜速度(挿入速度または抜去速度)とを演算する。また捻れ演算部125は、捻れ検出部123が検出した検出結果を基に、捻れ回転体131の回転量、つまり挿入部20(湾曲部23)の捻り量と捻り速度とを演算する。
なお挿抜捻り情報は、挿入部20の挿抜量と挿抜速度と捻り方向を含む捻り量と捻り速度との少なくとも1つを有していればよいため、挿抜捻り操作検出演算機構101は、挿抜検出部103と挿抜演算部105と有する挿抜機構と、捻れ検出部123と捻れ演算部125と有する挿抜機構との少なくとも一方を有していればよい。
【0059】
また図5に示すように、内視鏡システム10は、湾曲操作量検出演算機構61(湾曲操作量演算部65)によって演算された演算結果(湾曲操作量情報)を基に、湾曲操作量に対応する湾曲部23の湾曲形状を予測(推定)し、予測を示す予測情報を演算する形状予測演算部141を有している。この形状予測演算部141は、外力が挿入部20に加わっていない際において、湾曲操作部37の操作によって、湾曲部23がどのていど湾曲しているか、つまり湾曲操作部37の操作によって湾曲する湾曲部23の湾曲形状(状態)を予測する。
【0060】
なお形状予測演算部141は、湾曲操作量情報に、さらに挿抜捻り操作検出演算機構101(挿抜演算部105と捻れ演算部125)によって演算された演算結果(挿抜捻り情報(挿抜量と挿抜速度と捻り量と捻り速度との少なくも1つ))を加え、予測情報を演算してもよい。
【0061】
形状予測演算部141は、図1に示すように、例えば制御装置19に配設されている。
【0062】
また図5に示すように、内視鏡システム10は、湾曲形状検出演算機構71(湾曲形状演算部75)によって演算された演算結果(湾曲形状情報)と、形状予測演算部141によって演算された演算結果(予測情報)とを基に、ずれ情報を演算する形状ずれ演算部143を有している。このずれ情報は、ずれ量とずれの時間変化との少なくとも1つを示している。ずれ量は、実際に湾曲している湾曲部23の湾曲形状と、湾曲操作量情報を基に予測した湾曲部23の湾曲形状との差であり、実際値と予想値との差である。ずれの時間変化は、ずれ量を1回以上時間積分した情報と、ずれ量を1回以上時間微分した情報との少なくとも1つを示す。形状ずれ演算部143は、図1に示すように、例えば制御装置19に配設されている。
【0063】
また図5に示すように、内視鏡システム10は、湾曲部23の操作の安全性の判断、つまり操作の安全基準を示す安全基準値を記録する安全基準値記録部147を有している。
この操作とは、例えば、湾曲部23を湾曲させるために、湾曲操作機構39の操作と、挿入部20の挿抜と、挿入部20の捻りとの少なくとも1つを示す。
【0064】
またこの安全基準値とは、ずれ情報に対応するずれ情報安全基準値と、湾曲操作量(湾曲操作量情報)に対応する湾曲操作量情報安全基準値と、湾曲形状情報に対応する湾曲形状情報安全基準値と、挿抜捻り情報に対応する挿抜捻り情報安全基準値とを示す。
【0065】
詳細には、この安全基準値は、ずれ量の許容範囲と、ずれの時間変化(時間積分,時間微分)の許容範囲と、湾曲操作量の最大値と、湾曲形状の最大値と、挿入部20の挿抜量の最大値と、挿抜量を1回以上時間微分した際(挿入部20の挿抜速度)の最大値と、挿入部20の捻り量の最大値と、捻り量を1回以上時間微分した際(挿入部20の捻り速度)の最大値とを示す。
なおずれ情報と湾曲操作量情報と湾曲形状情報と挿抜捻り情報とは、例えば後述する指示部157によって指示された第1の操作支援情報に必要なパラメータであり、第1の操作支援情報として選択対象となる情報群、つまり選択対象情報群となる。
またずれ情報安全基準値と湾曲操作量情報安全基準値と湾曲形状情報安全基準値と挿抜捻り情報安全基準値とは、選択対象情報群と対応する安全基準値群となる。
【0066】
安全基準値記録部147は、例えば後述する指示部157によって指示された第1の操作支援情報に必要なパラメータ(例えばずれ量のみ)の安全基準値のみを記録しても良い。
安全基準値記録部147は、図1に示すように、例えば制御装置19に配設されている。
【0067】
また図5に示すように、内視鏡システム10は、湾曲操作演算部によって演算された演算結果(湾曲操作量情報)と、湾曲形状演算部75によって演算された演算結果(湾曲形状情報)との少なくとも一方を基に、操作を支援する情報を示す第1の操作支援情報を取得する第1の操作支援情報取得部151を有している。
詳細には、第1の操作支援情報取得部151は、湾曲形状情報と予測情報とを組み合わせて演算することで、第1の操作支援情報を取得する。
【0068】
さらに詳細には、第1の操作支援情報取得部151は、形状ずれ演算部143からずれ情報を取得し、ずれ情報に対応する第1の操作支援情報を取得する。
【0069】
第1の操作支援情報取得部151がずれ情報に対応する第1の操作支援情報を取得する場合、第1の操作支援情報取得部151は、ずれ情報に含まれる少なくとも1つの情報と、この情報に対応するずれ情報安全基準値とを基に、ずれ情報に対応する第1の操作支援情報を取得する。詳細には、第1の操作支援情報取得部151は、ずれ量と、ずれ量安全基準値とを基に、ずれ量を示すずれ情報に対応する第1の操作支援情報を取得する、または、ずれの時間変化と、ずれの時間変化安全基準値とを基に、ずれの時間変化を示すずれ情報に対応する第1の操作支援情報を取得する。なお第1の操作支援情報取得部151は、ずれ量を示すずれ情報に対応する第1の操作支援情報と、ずれの時間変化を示すずれ情報に対応する第1の操作支援情報との両方を取得してもよい。
【0070】
この時、第1の操作支援情報は、ずれ量がずれ量安全基準値(許容範囲)に対してどの程度の割合かを示す指標であり、ずれ量の安全の程度を示すものである。また第1の操作支援情報は、ずれの時間変化がずれの時間変化安全基準値に対してどの程度の割合かを示す指標であり、ずれの時間変化の安全の程度を示すものである。このように、第1の操作支援情報は、ずれ情報がずれ情報安全基準値に対してどの程度の割合かを示す指標である。
【0071】
第1の操作支援情報取得部151は、図1に示すように、例えば制御装置19に配設されている。
【0072】
なお第1の操作支援情報取得部151は、湾曲操作量情報と湾曲形状情報と挿抜捻り情報とに対応する第1の操作支援情報を取得してもよい。
【0073】
第1の操作支援情報取得部151が湾曲操作量情報に対応する第1の支援情報を取得する場合、第1の操作支援情報取得部151は、湾曲操作量検出演算機構61における湾曲操作量情報と、安全基準値記録部147における湾曲操作量情報安全基準値とを基に、湾曲操作量情報に対応する第1の操作支援情報を取得する。
この時、第1の操作支援情報は、湾曲操作量(湾曲操作量情報)が湾曲操作量情報安全基準値(湾曲操作量の最大値)に対してどの程度の割合かを示す指標であり、湾曲操作量(湾曲操作量情報)の時間変化の安全の程度を示すものである。
【0074】
また第1の操作支援情報取得部151は、湾曲形状情報に対応する第1の支援情報を取得する場合、第1の操作支援情報取得部151は、湾曲形状情報と、安全基準値記録部147における湾曲形状情報安全基準値(湾曲形状の最大値)とを基に、湾曲形状情報に対応する第1の操作支援情報を取得する。
この時、第1の操作支援情報は、湾曲形状情報が湾曲形状情報安全基準値(湾曲形状の最大値)に対してどの程度の割合かを示す指標であり、湾曲形状情報の安全の程度を示すものである。
【0075】
また第1の操作支援情報取得部151が挿抜捻り情報に対応する第1の支援情報を取得する場合、第1の操作支援情報取得部151は、挿抜捻り操作検出演算機構101における挿抜捻り情報と、安全基準値記録部147における挿抜捻り情報安全基準値とを基に、挿抜捻り情報に対応する第1の操作支援情報を取得する。
この時、第1の操作支援情報は、挿抜捻り情報が挿抜捻り情報安全基準値に対してどの程度の割合かを示す指標であり、例えば、挿抜量と、挿抜量の時間微分(挿抜速度)と、捻り量と、捻り量の時間微分(捻り速度)とにおける安全の程度を示すものである。
【0076】
このような第1の操作取得部は、ずれ量に対応する第1の操作支援情報と、ずれの時間変化に対応する第1の操作支援情報と、湾曲操作量情報に対応する第1の操作支援情報と、湾曲形状情報に対応する第1の操作支援情報と、挿抜量に対応する第1の操作支援情報と、挿抜速度に対応する第1の操作支援情報と、捻り量に対応する第1の操作支援情報と、捻り速度に対応する第1の操作支援情報との少なくとも1つを取得する。
つまり第1の操作支援情報取得部151は、選択対象情報群と対応する安全基準値群を基に、選択対象情報群の各情報にそれぞれ対応する第1の操作支援情報の少なくとも1つを取得する。
なお第1の操作支援情報取得部151は、上述した全ての第1の操作支援情報を取得する必要は無く、例えば後述する指示部157によって指示されたパラメータ(例えばずれ量のみ)の第1の操作支援情報のみを取得しても良い。
また例えば、第1の操作支援情報は、少なくとも1つの上述したパラメータ(例えばずれ量のみ)の指標となる。
【0077】
また図5に示すように、内視鏡システム10は、ずれ量とずれの時間変化と湾曲操作量情報と湾曲形状情報と挿抜量と挿抜速度と捻り量と捻り速度と予測情報と第1の操作支援情報との少なくとも1つ、詳細には第1の操作支援情報に必要な情報を示すずれ量などのパラメータを記録する情報記録部155を有している。情報記録部155は、例えば後述する指示部157によって指示された所定のタイミングで、例えば指示部157によって指示された第1の操作支援情報に必要なパラメータのみを記録しても良い。情報記録部155は、図1に示すように、例えば制御装置19に配設されている。
【0078】
また図5に示すように、内視鏡システム10は、湾曲操作量検出演算機構61における湾曲操作量情報の演算と、湾曲形状検出演算機構71における湾曲形状情報の演算と、挿抜捻り操作検出演算機構101における挿抜捻り情報の演算と、形状予測演算部141における予測情報の演算と、形状ずれ演算部143におけるずれ情報の演算と、第1の操作支援情報取得部151における第1の操作支援情報の演算と、情報記録部155の記録と、後述する第2の操作支援情報取得部161における第2の操作支援情報の演算との少なくとも1つを所定のタイミングで行うように指示する指示部157とを有する。指示部157は、図1に示すように、例えば制御装置19に配設されている。
【0079】
また図5に示すように、内視鏡システム10は、第1の操作支援情報取得部151が取得した第1の操作支援情報(指標)において、ずれ量とずれの時間変化と湾曲操作量情報と湾曲形状情報と挿抜量と挿抜速度と捻り量と捻り速度とにそれぞれ対応する指標の少なくとも1つがそれぞれの安全基準値を超えたことを指標から判断できた場合、それぞれがそれぞれの安全基準値に収まるように、それぞれをそれぞれの安全基準値に誘導することを示す第2の操作支援情報を取得する第2の操作支援情報取得部161を有している。
【0080】
第2の操作支援情報取得部161は、第1の操作支援情報取得部151によって取得された第1の操作支援情報を基に、第2の操作支援情報を取得する。そのため、第1の操作支援情報取得部151がずれ量に対応する第1の操作支援情報のみを取得した場合、第2の操作支援情報取得部161は、第1の操作支援情報を基に、ずれ量に対応する第2の操作支援情報のみを取得することとなる。この場合、第2の支援情報は、ずれ量がずれ量安全基準値に収まるように、ずれ量をずれ量安全基準値に誘導することを示す情報である。
【0081】
なお第2の操作支援情報は、情報記録部155に記録されているパラメータを基にパラメータが安全基準値から外れることを予測した場合、パラメータを安全基準値に収めるための量または方向を有している。つまり第2の操作支援情報は、情報記録部155が所定のタイミングで取得するずれ量などのパラメータを基に、ずれ量とずれの時間変化と湾曲操作量情報と湾曲形状情報と挿抜量と挿抜速度と捻り量と捻り速度とが安全基準から外れると予測される場合、操作を基に戻す旨の情報である。
【0082】
なお上述したモニタ16は、湾曲操作量情報と、湾曲形状情報と、挿抜捻り情報と、予測情報と、ずれ情報と、第1の操作支援情報と、第2の操作支援情報との少なくとも1つを表示する。
【0083】
次に本実施形態の動作方法について説明する。
図4Aに示すように、挿入補助具113が開口部111に配設され、挿入部20は挿入補助具113を介して体腔内に挿入される。
【0084】
このとき、挿抜捻り操作検出演算機構101は、挿入部20の挿抜量と挿抜速度と捻り量と捻り速度との少なくとも1つを有する挿抜捻り情報を演算する。
【0085】
また湾曲操作部37が操作され、湾曲部23が湾曲する。このとき、湾曲操作量検出演算機構61は、湾曲操作量情報を演算する。
【0086】
また湾曲形状検出演算機構71は、湾曲形状情報を演算する。
次に、形状予測演算部141は、湾曲操作量情報を基に、湾曲操作量に対応する湾曲部23の湾曲形状を予測(推定)し、予測情報を演算する。このとき、形状予測演算部141は、湾曲操作量情報に、さらに挿抜捻り情報を加えて予測情報を演算してもよい。
【0087】
形状ずれ演算部143は、湾曲形状情報と予測情報とを基に、ずれ情報を演算する。
【0088】
なお上記における各種の演算は、指示部157によって、所定のタイミングで行われる。
【0089】
第1の操作支援情報取得部151は、形状ずれ演算部143からずれ量とずれの時間変化との少なくとも一方を示すずれ情報を取得し、安全基準値記録部147からずれ量安全基準値、またはずれの時間変化安全基準値を取得する。そして第1の操作支援情報取得部151は、ずれ量とずれ量安全基準値とを基に、例えば、ずれ量を示すずれ情報に対応する第1の操作支援情報を取得する、またはずれの時間変化とずれの時間変化安全基準値とを基に、ずれの時間変化を示すずれ情報に対応する第1の操作支援情報を取得する。この第1の操作支援情報は、ずれ量がずれ量安全基準値(許容範囲)に対してどの程度の割合かを示す指標、またはずれの時間変化がずれの時間変化安全基準値に対してどの程度の割合かを示す指標である。
【0090】
また第1の操作支援情報取得部151は、湾曲操作量検出演算機構61から湾曲操作量情報を取得し、安全基準値記録部147から湾曲操作量情報安全基準値を取得する。そして第1の操作支援情報取得部151は、湾曲操作量情報と湾曲操作量情報安全基準値とを基に、湾曲操作量情報に対応する第1の操作支援情報を取得する。この時、第1の操作支援情報は、湾曲操作量(湾曲操作量情報)が湾曲操作量情報安全基準値(湾曲操作量の最大値)に対してどの程度の割合かを示す指標である。
【0091】
また第1の操作支援情報取得部151は、湾曲形状検出演算機構71から湾曲形状情報を取得し、安全基準値記録部147から湾曲形状情報安全基準値を取得する。そして第1の操作支援情報取得部151は、湾曲形状情報と湾曲形状情報安全基準値とを基に、湾曲形状情報に対応する第1の操作支援情報を取得する。この時、第1の操作支援情報は、湾曲形状情報が湾曲形状情報安全基準値(湾曲形状の最大値)に対してどの程度の割合かを示す指標である。
【0092】
また第1の操作支援情報取得部151は、挿抜捻り操作検出演算機構101から挿抜捻り情報を取得する。また第1の操作支援情報取得部151は、安全基準値記録部147から挿抜捻り情報安全基準値を取得する。そして、第1の操作支援情報取得部151は、挿抜捻り情報と挿抜捻り情報安全基準値とを基に、挿抜捻り情報に対応する第1の操作支援情報を取得する。このとき、第1の操作支援情報は、挿抜捻り情報が安全基準値に対してどの程度の割合かを示す指標である。
【0093】
なお第1の操作支援情報取得部151は、上述した全ての第1の操作支援情報を取得する必要は無く、指示部157によって指示されたパラメータ(例えばずれ量のみ)の第1の操作支援情報のみを取得すれば良い。
そのため第1の操作支援情報取得部151は、ずれ情報に対応する第1の操作支援情報と、湾曲操作量情報に対応する第1の操作支援情報と、湾曲形状情報に対応する第1の操作支援情報と、挿抜捻り情報に対応する第1の操作支援情報との少なくとも1つを取得すればよい。第1の操作支援情報取得部151は、複数の第1の操作支援情報を算出した場合、それぞれを組み合わせればよい。
【0094】
次に情報記録部155は、ずれ量と、ずれの時間変化と、湾曲操作量情報と、湾曲形状情報と、挿抜捻り情報と、予測情報と、上述した各指標である第1の操作支援情報との少なくとも1つ、詳細には、第1の操作支援情報に必要な情報を所定のタイミングで記録する。
【0095】
次に第2の操作支援情報取得部161は、第1の操作支援情報取得部151によって取得された第1の操作支援情報を基に、第2の操作支援情報を取得する。第2の操作支援情報は、例えば挿抜量が挿抜捻り情報安全基準値を超えた場合、挿抜量が挿抜捻り情報安全基準値に収まるような量を示す。この量は、挿抜の操作を相殺したり、挿抜の操作を戻すことを示す量などである。
【0096】
モニタ16は、湾曲操作量情報と、挿抜捻り情報と、湾曲形状情報と、第1の操作支援情報と、第2の操作支援情報と、予測情報と、ずれ情報との少なくとも1つを表示する。
【0097】
なお上述したように、各種動作は、指示部157によって、同時または別個といったように所定のタイミングで行われる。
【0098】
このように本実施形態では、湾曲操作量情報と湾曲形状情報との少なくとも一方を基に、詳細には、湾曲操作量情報(湾曲部23を湾曲するための湾曲操作機構39の湾曲操作量)と、湾曲形状情報(実際に湾曲している湾曲部23の湾曲形状)と、ずれ情報(湾曲操作量情報と湾曲形状情報とを用いた場合)とを基に、第1の操作支援情報取得部151によって第1の操作支援情報を直接的に高精度且つ且つ容易に取得できる。
【0099】
また本実施形態では、湾曲操作量情報と湾曲形状情報とを用いることで、感圧センサなどを不要にでき、感圧センサの最適化や配置位置やノイズなどを気にすることなく、第1の操作支援情報を容易に取得することができる。また本実施形態では、感圧センサなどを不要にできるために、挿入部20の先端部を細径にできる。また本実施形態では、さまざまなパラメータの第1の操作支援情報を同時に検出できる。
【0100】
また本実施形態では、第1の操作支援情報を取得するために、挿入部20内部に光ファイバ83a,83bを配設するのみで、形状予測演算部141や形状ずれ演算部143などの光ファイバ83a,83b以外のデバイスは操作部30や制御装置19に配設されている。そのため本実施形態では、挿入部20を細径にした状態で、高精度の第1の操作支援情報を容易に取得できる。
【0101】
また本実施形態では、湾曲部23が上下方向と左右方向との少なくとも一方に湾曲する場合であっても、湾曲操作量検出演算機構61によって湾曲操作量情報を演算でき、湾曲形状検出演算機構71によって湾曲形状情報を演算でき、結果的に第1の操作支援情報取得部151によって、高精度の第1の操作支援情報を容易に取得できる。
【0102】
また本実施形態では、形状予測演算部141によって、湾曲操作量情報を基に予測情報を演算することで、形状ずれ演算部143がずれ情報を演算でき、高精度の第1の操作支援情報を容易に取得できる。
【0103】
また本実施形態では、形状予測演算部141は、湾曲操作量情報に挿抜捻り情報を加えて予測情報を演算することで、より精度の高い予測情報を演算することができ、高精度の第1の操作支援情報を容易に取得できる。
【0104】
また本実施形態では、湾曲形状情報と予測情報とを基に形状ずれ演算部143によってずれ情報を演算でき、高精度の第1の操作支援情報を容易に取得できる。
【0105】
また本実施形態では、挿抜捻り情報と、挿抜捻り情報安全基準値とを基に、挿抜捻り情報に対応する第1の操作支援情報を取得することができる。
【0106】
また本実施形態では、湾曲操作量検出部63を操作部30に配設するとともに、形状検出のための光ファイバ83を挿入部20に配設する非常に簡単な構成で、上述した第1の操作支援情報と第2の操作支援情報とを取得することができる。また本実施形態では、上記によって、操作部30をコンパクト且つ軽量にでき、挿入部20を細くしても、多様かつ高精度な操作支援情報を取得することができる。このように本実施形態では、非常にシンプルかつコンパクトな構成で、挿入部20の先端部の感圧情報や挿入部の形状情報等の多様な操作支援情報をオペレータに同時に知らせることができる。これにより本実施形態では、より安全且つ容易な挿入操作及び捻り操作が可能な管状挿入システムをコンパクトにできる。
【0107】
また本実施形態では、指示部157によって、指示部157によって指示されたパラメータの第1の操作支援情報のみを取得することができる。
【0108】
また本実施形態では、上述したパラメータごとの第1の操作支援情報を組み合わせることで、より高精度の第1の操作支援情報と第2の操作支援情報とを取得することができる。
【0109】
また本実施形態では、第1の操作支援情報を、例えばずれ量などのパラメータがパラメータの安全基準値に対してどの程度の割合かを示す指標とすることで、パラメータの安全の程度を容易に判別することができる。
【0110】
また本実施形態では、第1の操作支援情報を基に、第2の操作支援情報を取得することができ、第2の操作支援情報によってパラメータを安全基準値に収めるように誘導でき、パラメータの安全性を確保することができる。
【0111】
また本実施形態では、ずれ量などのパラメータを安全基準値に収める量または方向を有している第2の操作支援情報によって、安全に操作するための情報を容易に得ることができ、安全に操作することができる。
【0112】
また本実施形態では、モニタ16が、湾曲操作量情報と、挿抜捻り情報と、湾曲形状情報と、第1の操作支援情報と、第2の操作支援情報と、予測情報と、ずれ情報との少なくとも1つを表示するため、オペレータにこれら情報を知らせることができる。
【0113】
なお本実施形態の内視鏡システム(管状挿入システム)10は工業用に用いられてもよく、この場合、挿入部20は管内に挿入される。また内視鏡システム(管状挿入システム)10は、挿入部20に限らず、内視鏡12の鉗子やカテーテルなどに用いられてもよい。内視鏡12の鉗子では、先端に手術や作業のための操作機構を組み込んだものに、特に有効である。
【0114】
本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。
【符号の説明】
【0115】
10…内視鏡システム(管状挿入システム)、12…内視鏡、14…画像処理装置、16…モニタ、18…光源装置、18a…光出射検出装置、19…制御装置、20…挿入部、23…湾曲部、30…操作部、37…湾曲操作部、37LR…左右湾曲操作ノブ、37UD…上下湾曲操作ノブ、38LR,38UD…操作ワイヤ、39…湾曲操作機構、61…湾曲操作量検出演算機構、63…湾曲操作量検出部、65…湾曲操作量演算部、67…被読取部、71…湾曲形状検出演算機構、73…湾曲形状検出部、75…湾曲形状演算部、83a,83b…光ファイバ、87…加工領域、101…挿抜捻り操作検出演算機構、103…挿抜検出部、105…挿抜演算部、107…被読取部、113…挿入補助具、123…捻れ検出部、125…捻れ演算部、141…形状予測演算部、143…形状ずれ演算部、147…安全基準記録部、151…第1の操作支援情報取得部、155…情報記録部、157…指示部、161…第2の操作支援情報取得部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管腔内に挿入され、湾曲する湾曲部を有する挿入部と、
前記湾曲部を湾曲するために前記湾曲部を操作する湾曲操作機構と、
前記湾曲操作機構の操作を検出し、前記操作の量を示す湾曲操作量情報を演算する湾曲操作量検出演算機構と、
前記湾曲部の湾曲形状を検出し、前記湾曲形状を示す湾曲形状情報を演算する湾曲形状検出演算機構と、
前記湾曲操作量情報と前記湾曲形状情報との少なくとも一方を基に、前記湾曲部の操作の支援を示す第1の操作支援情報を取得する第1の操作支援情報取得部と、
を具備することを特徴とする管状挿入システム。
【請求項2】
前記湾曲操作量情報を基に、前記湾曲操作量に対応する前記湾曲部の前記湾曲形状の予測情報を演算する形状予測演算部を有していることを特徴とする請求項1に記載の管状挿入システム。
【請求項3】
前記第1の操作支援情報取得部は、前記湾曲形状情報と前記湾曲形状の前記予測情報とを組み合わせて演算することにより、前記第1の操作支援情報を取得することを特徴とする請求項2に記載の管状挿入システム。
【請求項4】
前記湾曲部の前記湾曲形状と、前記湾曲操作量情報を基に予測した前記湾曲部の前記湾曲形状との差であるずれ量と、前記ずれ量を1回以上時間積分した情報と、前記ずれ量を1回以上時間微分した情報との少なくとも1つを含む情報をずれ情報と定義したときに、
前記湾曲形状情報と前記湾曲形状の前記予測情報とを基に、前記ずれ情報を演算する形状ずれ演算部を有していることを特徴とする請求項3に記載の管状挿入システム。
【請求項5】
前記第1の操作支援情報取得部は、前記形状ずれ演算部から前記ずれ情報を取得し、前記ずれ情報に対応する前記第1の操作支援情報を取得することを特徴とする請求項4に記載の管状挿入システム。
【請求項6】
前記第1の操作支援情報取得部は、前記ずれ情報に含まれる少なくとも1つの情報と、この情報に対応するずれ情報安全基準値とを基に、前記ずれ情報に対応する前記第1の操作支援情報を取得する請求項5に記載の管状挿入システム。
【請求項7】
前記第1の操作支援情報取得部は、
前記湾曲操作量情報と、前記湾曲操作量情報に対応する湾曲操作量情報安全基準値と、
前記湾曲形状情報と、前記湾曲形状情報に対応する湾曲形状情報安全基準値と、
を基に、前記湾曲操作量情報と前記湾曲形状情報とにそれぞれ対応する前記第1の操作支援情報の少なくとも1つを取得し、
前記ずれ情報安全基準値と、前記湾曲操作量情報安全基準値と、前記湾曲形状情報安全基準値とにおいて、前記第1の操作支援情報に必要な安全基準値を記録する安全基準値記録部を有していることを特徴とする請求項6に記載の管状挿入システム。
【請求項8】
前記ずれ情報と前記湾曲操作量情報と前記湾曲形状情報と前記湾曲形状の前記予測情報と前記第1の操作支援情報との少なくとも1つを所定のタイミングで記録する情報記録部と、
前記湾曲操作量検出演算機構における前記湾曲操作量情報の演算と、前記湾曲形状検出演算機構における前記湾曲形状情報の演算と、前記形状予測演算部における前記予測情報の演算と、前記形状ずれ演算部における前記ずれ情報の演算と、前記第1の操作支援情報取得部における前記第1の操作支援情報の取得との少なくとも1つを所定のタイミングで行うように指示する指示部と、
を有することを特徴とする請求項7に記載の管状挿入システム。
【請求項9】
前記第1の操作支援情報は、
前記ずれ情報が前記ずれ情報安全基準値に対してどの程度の割合かを示す指標と、
前記湾曲操作量情報が前記湾曲操作量情報安全基準値に対してどの程度の割合かを示す指標と、
前記湾曲形状情報が前記湾曲形状情報安全基準値に対してどの程度の割合かを示す指標と
の少なくとも1つを示し、
前記ずれ情報と前記湾曲操作量情報と前記湾曲形状情報とにそれぞれ対応する指標の少なくとも1つがそれぞれの安全基準値に収まるように、それぞれをそれぞれの安全基準値に誘導することを示す第2の操作支援情報を取得する第2の操作支援情報取得部を有していることを特徴とする請求項8に記載の管状挿入システム。
【請求項10】
前記第2の操作支援情報は、前記情報記録部に記録されているパラメータを基にパラメータが安全基準値から外れることを予測した場合、パラメータを安全基準値に収めるための量または方向を有することを特徴とする請求項9に記載の管状挿入システム。
【請求項11】
前記湾曲操作量情報と、前記湾曲形状情報と、前記予測情報と、前記ずれ情報と、前記第1の操作支援情報と、第2の操作支援情報との少なくとも1つを表示する表示部を有することを特徴とする請求項10に記載の管状挿入システム。
【請求項12】
前記挿入部の挿抜操作と捻り操作との少なくとも一方を検出し、検出した前記挿抜操作と前記捻り操作との少なくとも一方を示す挿抜捻り情報を演算する前記挿抜捻り操作検出演算機構を有していることを特徴とする請求項2に記載の管状挿入システム。
【請求項13】
前記挿入部の挿抜量と、前記挿抜量を1回以上時間微分した情報との少なくとも1つを含む情報を挿抜情報と定義し、前記挿入部の捻り方向を含む捻り量と、前記捻り量を1回以上時間微分した情報との少なくとも1つを含む情報を捻り情報、と定義したときに、
前記挿抜捻り情報は、前記挿抜情報と前記捻り情報との少なくとも1つを有することを特徴とする請求項12に記載の管状挿入システム。
【請求項14】
前記第1の操作支援情報取得部は、
前記湾曲操作量情報と、前記湾曲操作量情報に対応する湾曲操作量情報安全基準値と、
前記湾曲形状情報と、前記湾曲形状情報に対応する湾曲形状情報安全基準値と、
前記挿抜捻り情報と、前記挿抜捻り情報に対応する挿抜捻り情報安全基準値と、
を選択対象情報群と対応する安全基準値群とし、
前記選択対象情報群と対応する前記安全基準値群を基に、前記選択対象情報群の各情報にそれぞれ対応する前記第1の操作支援情報の少なくとも1つを取得することを特徴とする請求項13に記載の管状挿入システム。
【請求項15】
前記湾曲部の前記湾曲形状と、前記湾曲操作量情報を基に予測した前記湾曲部の前記湾曲形状との差であるずれ量と、前記ずれ量を1回以上時間積分した情報と、前記ずれ量を1回以上時間微分した情報との少なくとも1つを含む情報をずれ情報と定義したときに、
前記湾曲形状情報と前記湾曲形状の前記予測情報とを基に、前記ずれ情報を演算する形状ずれ演算部さらに具備し、
前記選択対象情報群に更に前記ずれ情報を含み、前記対応する前記安全基準値群にずれ情報安全基準値を含むことを特徴とする請求項14に記載の管状挿入システム。
【請求項16】
前記ずれ情報安全基準値と、前記湾曲操作量情報安全基準値と、前記湾曲形状情報安全基準値と、前記挿抜捻り情報安全基準値とにおいて、前記第1の操作支援情報に必要な安全基準値を記録する安全基準値記録部を有していることを特徴とする請求項15に記載の管状挿入システム。
【請求項17】
前記ずれ情報と前記湾曲操作量情報と前記湾曲形状情報と前記挿抜捻り情報と前記湾曲形状の前記予測情報と前記第1の操作支援情報との少なくとも1つを所定のタイミングで記録する情報記録部と、
前記湾曲操作量検出演算機構における前記湾曲操作量情報の演算と、前記湾曲形状検出演算機構における前記湾曲形状情報の演算と、前記挿抜捻り操作検出演算機構における前記挿抜捻り情報の演算と、前記形状予測演算部における前記予測情報の演算と、前記形状ずれ演算部における前記ずれ情報の演算と、前記第1の操作支援情報取得部における前記第1の操作支援情報の取得との少なくとも1つを所定のタイミングで行うように指示する指示部と、
を有することを特徴とする請求項16に記載の管状挿入システム。
【請求項18】
前記第1の操作支援情報は、
前記ずれ情報が前記ずれ情報安全基準値に対してどの程度の割合かを示す指標と、
前記湾曲操作量情報が前記湾曲操作量情報安全基準値に対してどの程度の割合かを示す指標と、
前記湾曲形状情報が前記湾曲形状情報安全基準値に対してどの程度の割合かを示す指標と
前記挿抜捻り情報が前記挿抜捻り情報安全基準値に対してどの程度の割合かを示す指標と、
の少なくとも1つを示し、
前記ずれ情報と前記湾曲操作量情報と前記湾曲形状情報と前記挿抜捻り情報とにそれぞれ対応する指標の少なくとも1つがそれぞれの安全基準値に収まるように、それぞれをそれぞれの安全基準値に誘導することを示す第2の操作支援情報を取得する第2の操作支援情報取得部を有していることを特徴とする請求項17に記載の管状挿入システム。
【請求項19】
前記第2の操作支援情報は、前記情報記録部に記録されているパラメータを基にパラメータが安全基準値から外れることを予測した場合、パラメータを安全基準値に収めるための量または方向を有することを特徴とする請求項18に記載の管状挿入システム。
【請求項20】
前記湾曲操作量情報と、前記湾曲形状情報と、前記挿抜捻り情報と、前記予測情報と、前記ずれ情報と、前記第1の操作支援情報と、第2の操作支援情報との少なくとも1つを表示する表示部を有することを特徴とする請求項19に記載の管状挿入システム。
【請求項21】
前記挿抜捻り操作検出演算機構は、
前記挿入部の挿抜を検出する挿抜検出部と、前記挿抜検出部の検出結果を基に前記挿抜量と前記挿抜量を1回以上時間微分した情報とを演算する挿抜演算部と、を有する挿抜機構と、
前記挿入部の捻れを検出する捻れ検出部と、前記捻れ検出部の検出結果を基に前記捻り量と前記捻り量を1回以上時間微分した情報とを演算する捻れ演算部と、を有する捻れ機構と、
の少なくとも一方を有していることを特徴とする請求項13に記載の管状挿入システム。
【請求項22】
前記挿抜検出部は、前記挿入部に形成され前記挿入部と共に移動する被読取部を読み取ることで前記挿入部の挿抜を検出し、
前記捻れ検出部は、前記被読取部を読み取ることで前記挿入部の捻れを検出し、
前記挿抜検出部と前記捻れ検出部とは、前記挿入部が開口部を介して前記管内に挿入される際に前記開口部に配設される挿入補助具に配設されることを特徴とする請求項21に記載の管状挿入システム。
【請求項23】
前記挿入部と接触し、前記挿入部が挿入された際に回転する挿入回転体と、
前記挿入部と接触し、前記挿入部が捻られた際に回転する捻れ回転体と、
をさらに有し、
前記挿入回転体と前記捻れ回転体とは、前記挿入部が開口部を介して体腔内に挿入される際に前記開口部に配設される挿入補助具に配設され、
前記挿入検出部は、前記挿入回転体の回転を検出することで前記挿入部の挿抜を検出し、
前記捻れ検出部は、捻れ回転体の回転を検出することで前記挿入部の捻れを検出することを特徴とする請求項22に記載の管状挿入システム。
【請求項24】
前記形状予測演算部は、前記湾曲操作量情報に、さらに、前記挿抜捻り情報を加えて、前記湾曲形状の予測情報を演算することを特徴とする請求項12に記載の管状挿入システム。
【請求項25】
前記湾曲操作量検出演算機構は、前記湾曲部が一方向に湾曲する際の前記湾曲操作機構の一方向における一方向湾曲操作量と、前記湾曲部が前記一方向とに直交する他方向とに湾曲する際の前記湾曲操作機構の他方向における他方向湾曲操作量との少なくとも一方を検出し、
前記湾曲形状検出演算機構は、前記湾曲部が一方向に湾曲する際の前記湾曲形状と、前記湾曲部が他方向に湾曲する際の前記湾曲形状との少なくとも一方を検出することを特徴とする請求項1に記載の管状挿入システム。
【請求項26】
前記湾曲操作量検出演算機構は、
前記湾曲操作機構の前記湾曲操作量を検出する湾曲操作量検出部と、
前記湾曲操作量操作検出部の検出結果を基に前記湾曲操作量情報を演算する湾曲操作量演算部と、
を有することを特徴とする請求項25に記載の管状挿入システム。
【請求項27】
前記湾曲操作機構は、前記湾曲部と接続している操作ワイヤと、前記湾曲部を湾曲するために前記操作ワイヤを操作する操作部とを有し、
前記湾曲操作量検出部は、前記操作ワイヤの移動または前記操作部の回動を検出することを特徴とする請求項26に記載の管状挿入システム。
【請求項28】
前記湾曲形状検出演算機構は、
前記挿入部の長手方向に沿って線状に配設され、湾曲可能で、湾曲することで特性が変化する線状部材と、
前記湾曲部が湾曲することに伴い前記線状部材が湾曲した際に、前記線状部材の特性を基に前記湾曲形状を検出する湾曲形状検出部と、
前記湾曲形状検出部の検出結果を基に、実際に湾曲している前記湾曲部の前記湾曲形状を演算する湾曲形状演算部と、
を有していることを特徴とする請求項25に記載の管状挿入システム。
【請求項29】
前記湾曲形状検出演算機構は、光を出射する光源をさらに有し、
前記線状部材は、前記光源から出射された前記光を前記挿入部の長手方向に沿って導光可能な導光部材であり、
前記線状部材は、導光する前記光の光学特性を前記挿入部の湾曲状態に応じて変化させる光学特性変化部を、前記挿入部の湾曲を検出すべき箇所近傍にて有し、
前記湾曲形状検出部は、前記光学特性変化部が前記光学特性を変化させた際に、変化した前記光学特性を基に、前記湾曲形状を検出することを特徴とする請求項28に記載の管状挿入システム。
【請求項30】
前記線状部材は、湾曲することで電気特性が変化することを特徴とする請求項29に記載の管状挿入システム。
【請求項31】
前記線状部材は、前記挿入部の長手方向に沿って少なく1つの歪みゲージまたはジャイロセンサを有していることを特徴とする請求項25に記載の管状挿入システム。
【請求項32】
前記第1の操作支援情報取得部は、
前記湾曲操作量情報と、前記湾曲操作量情報に対応する湾曲操作量情報安全基準値と、
前記湾曲形状情報と、前記湾曲形状情報に対応する湾曲形状情報安全基準値と、
を基に、前記湾曲操作量情報と前記湾曲形状情報にそれぞれ対応する前記第1の操作支援情報の少なくとも1つを取得することを特徴とする請求項1に記載の管状挿入システム。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−115521(P2012−115521A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−268586(P2010−268586)
【出願日】平成22年12月1日(2010.12.1)
【出願人】(304050923)オリンパスメディカルシステムズ株式会社 (1,905)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】