蓄電デバイスおよび蓄電モジュール
【課題】蓄電デバイスおよび所定数の蓄電デバイスから構成される蓄電モジュールにおいて、各電極端子の抵抗の低減化が図れ、端子同士の接合も能率的に処理しえるようにする。
【解決手段】所要数の蓄電デバイス10は、複数の蓄電デバイス群20に分けられ、各群同数の蓄電デバイス10が電極端子13の接合によって直列接続され、複数の蓄電デバイス群20が並列接続される。各蓄電デバイス10は、蓄電要素を収装する容器12の外形が一方向へ相対する2面を含む多角形に形成され、1対の電極端子13として、前記容器の一方向へ相対する2面の一方と略面一の正極接合面Xを持つ正極端子13aと、同じく2面の他方と略面一の負極接合面Yを持つ負極端子13bと、を備える。
【解決手段】所要数の蓄電デバイス10は、複数の蓄電デバイス群20に分けられ、各群同数の蓄電デバイス10が電極端子13の接合によって直列接続され、複数の蓄電デバイス群20が並列接続される。各蓄電デバイス10は、蓄電要素を収装する容器12の外形が一方向へ相対する2面を含む多角形に形成され、1対の電極端子13として、前記容器の一方向へ相対する2面の一方と略面一の正極接合面Xを持つ正極端子13aと、同じく2面の他方と略面一の負極接合面Yを持つ負極端子13bと、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、蓄電デバイスおよび所要数の蓄電デバイスから構成される蓄電モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
充放電サイクル寿命の長い蓄電デバイスとして、電気二重層キャパシタやリチウムイオン電池などが注目される(特許文献1〜特許文献8)。
【0003】
その一例を図19に基づいて説明すると、蓄電デバイス100は、電荷を蓄える蓄電要素111(図21、参照)と、蓄電要素111を収容する容器112と、を備える。
【0004】
蓄電要素111は、正極体と負極体とこれらの間に介在するセパレータとから角形の積層体に構成される。正極体および負極体は、電荷を蓄える電極層と、電荷の出し入れを行う集電層とからなり、集電層の同極同士が結束され、その結束部に極性の対応する電極端子(正極端子,負極端子)が接合される。
【0005】
電極端子113は、金属板から短尺状に形成され、容器112の内部に位置する一端部に集電層の同極同士の結束部が接合され、他端側が容器の外部へストレートに引き出される。容器112は、ラミネートフィルム(金属の中間層を含む積層構造の樹脂フィルム)から形成され、蓄電要素111を各端子113の一部(先端側)が容器の外部へ突き出る収容状態に密封する。
【0006】
このような蓄電デバイス100においては、耐電圧が3V〜5V程度であり、電気自動車の駆動電源などに適用する場合、所要の蓄電容量および所要の満充電電圧を確保するため、複数の蓄電デバイス100を並列接続すると共にこれらを数多く直列接続して用いられる。
【0007】
図20〜図22は、所要数の蓄電デバイス100から構成される蓄電モジュールM-0を示すものであり、所要数の蓄電デバイス100は、複数の蓄電デバイス群120に分けられる。各群同数の蓄電デバイス100は、容器112の前後方向(前面101と後面104との相対方向)へ並べられ、隣り合う蓄電デバイス100が所定数ずつ電極端子113を介して並列接続され、これらの間がバスバー114を介して直列接続される。
【0008】
複数の蓄電デバイス群120は、容器112の左右方向(右面103と左面との相対方向)へ並べられ、蓄電デバイス群間がバズバー115およびバスバー117を介して直列接続される。各群120の最前部に位置する負極端子同士の接合部および正極端子同士の接合部はそれぞれバスバー116を介して外部の充放電回路に直列接続される。図中の3次元矢印は、前後と上下と左右との3方向を規定するためのものである。
【0009】
図22において、RAは蓄電デバイス100の正極端子113aの抵抗であり、負極端子113bの抵抗RBであり、RCはバスバー115,116の抵抗であり、RDはバスバー114の抵抗であり、REはバスバー117の抵抗である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2003−272972号
【特許文献2】特開2006−108380号
【特許文献3】特開2003−272966号
【特許文献4】特許第3869183号
【特許文献5】特開2006−338934号
【特許文献6】特開2008−204985号
【特許文献7】特開2002−353078号
【特許文献8】特開2005−190885号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
このような蓄電モジュールにおいては、電極端子113の同極同士が拝み合うように折り曲げられ、これらにバスバー114,115の一端が重ねられ、溶接を用いて接合される。これらの接合は、2枚の電極端子13にバスバー114,115を加える3枚重ねの溶接となる。溶接に伴う高熱から蓄電デバイスの蓄電要素を保護するため、電極端子の引き出される部分(容器から外部へ突き出る端子部分)の長さが大きく取られることもあり、直列経路の抵抗が助長され、充放電時の発熱損(電力ロス)も大きくなってしまう。
【0012】
この発明は、このような課題を対処するための有効な手段の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
第1の発明は、所要数の蓄電デバイスから構成される蓄電モジュールにおいて、所要数の蓄電デバイスは、複数の蓄電デバイス群に分けられ、各群同数の蓄電デバイスが電極端子の接合によって直列接続され、複数の蓄電デバイス群が互いに並列接続され、各蓄電デバイスは、電荷を蓄える蓄電要素と、蓄電要素を収装する容器と、蓄電要素の正極側および負極側に接続される1対の電極端子と、を備え、前記容器の外形が一方向へ相対する2面を含む多角形に形成され、1対の電極端子として、前記容器の一方向へ相対する2面の一方と略面一の正極接合面を持つ正極端子と、同じく2面の他方と略面一の負極接合面を持つ負極端子と、を備える、ことを特徴とする。
【0014】
第2の発明は、第1の発明に係る蓄電モジュールにおいて、前記各群同数の蓄電デバイスは、前記容器の一方向へ並べられ、前記1対の電極端子は、前記容器の一方向へ隣り合う蓄電デバイスの一方の正極端子または負極端子の接合面と、他方の負極端子または正極端子の接合面と、の異極同士が前記容器同士の一方向へ隣接する面を境として鏡面対称に配置され、前記一方向へ並ぶ蓄電デバイスは、前記鏡面対称となる異極同士の接合面の接合によって接続される、ことを特徴とする。
【0015】
第3の発明は、第1の発明または第2の発明に係る蓄電モジュールにおいて、前記充放電回路に対して並列接続される複数の蓄電デバイス群の、蓄電デバイス間の同一位置を互いに接続する導電部材を備える、ことを特徴とする。
【0016】
第4の発明は、所要数の蓄電デバイスから構成される蓄電モジュールにおいて、所要数の蓄電デバイスは、複数の蓄電デバイス群に分けられ、各群同数の蓄電デバイスが電極端子の接合によって直列接続され、複数の蓄電デバイス群が互いに並列接続され、各蓄電デバイスは、電荷を蓄える蓄電要素と、蓄電要素を収装する容器と、蓄電要素の正極側および負極側に接続される1対の電極端子と、を備え、前記容器の外形が一方向へ相対する2面と、前記一方向へ相対する2面と略直交する方向へ相対する2面と、を含む多角形に形成され、1対の電極端子として、前記容器の一方向へ相対する2面の一方と略面一の第1正極接合面を持つ正極端子と、同じく2面の他方と略面一の第1負極接合面を持つ負極端子と、が備えられ、前記正極端子に前記一方向へ相対する2面と略直交する方向へ相対する2面の一方と略面一の第2正極接合面、負極端子に同じく2面と略直交する方向へ相対する2面の他方と略面一の第2負極接合面、がそれぞれ形成される、ことを特徴とする。
【0017】
第5の発明は、第4の発明に係る蓄電モジュールにおいて、各群同数の蓄電デバイスは、前記容器の一方向へ並べられ、複数の蓄電デバイス群は、前記容器の一方向と略直交する方向へ並べられ、前記1対の電極端子は、前記容器の一方向へ隣り合う蓄電デバイスの一方の第1正極接合面または第1負極接合面と、他方の第1負極接合面または第1正極接合面と、の異極同士が前記容器同士の一方向へ隣接する面を境として鏡面対称に配置され、前記一方向へ並ぶ蓄電デバイスは、前記鏡面対称となる異極同士の接合面の接合によって接続され、前記容器の一方向と略直交する方向へ隣り合う蓄電デバイスの一方の第2正極接合面または第2負極接合面と、他方の第2負極接合面または第2正極接合面と、の同極同士が前記容器同士の一方向と略直交する方向へ隣接する面を境として鏡面対称に配置され、前記一方向と略直交する方向へ隣り合う蓄電デバイスは、前記鏡面対称となる同極同士の接合面の接合によって接続される、ことを特徴とする。
【0018】
第6の発明は、第4の発明または第5の発明に係る蓄電モジュールにおいて、前記複数の蓄電デバイス群が前記容器の一方向と略直交する方向へ並ぶ両サイドの蓄電デバイス群の、前記容器の一方向へ並ぶ蓄電デバイス間の異極同士の接合部を、相互に接続する導電部材を備える、ことを特徴とする。
【0019】
第7の発明は、電荷を蓄える蓄電要素と、蓄電要素を収装する容器と、蓄電要素の正極側および負極側に接続される1対の電極端子と、を備える蓄電デバイスにおいて、前記容器の外形が一方向へ相対する2面と、前記一方向へ相対する2面と略直交する方向へ相対する2面と、を含む多角形に形成され、1対の電極端子として、前記容器の一方向へ相対する2面の一方と略面一の第1正極接合面を持つ正極端子と、同じく2面の他方と略面一の第1負極接合面を持つ負極端子と、が備えられ、前記正極端子に前記一方向へ相対する2面と略直交する方向へ相対する2面の一方と略面一の第2正極接合面、前記負極端子に同じく2面と略直交する方向へ相対する2面の他方と略面一の第2負極接合面、がそれぞれ形成されることを特徴とする。
【0020】
第8の発明は、第7の発明に係る蓄電デバイスにおいて、前記1対の電極端子は、複数の前記蓄電デバイスを前記容器の一方向へ並べると、前記容器の一方向へ隣り合う蓄電デバイスの、一方の第1正極接合面と、他方の第1負極接合面と、の異極同士が前記容器同士の一方向へ隣接する面を境として鏡面対称に配置され、複数の前記蓄電デバイスを前記容器の一方向と略直交する方向へ並べると、前記容器の一方向と略直交する方向へ隣り合う蓄電デバイスの、一方の第2正極接合面または第2負極接合面と、他方の負極端子または正極端子の接合面と、の同極同士が前記容器同士の一方向と略直交する方向へ隣接する面を境として鏡面対称に配置される、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
第1の発明においては、複数の蓄電デバイス群は、互いに並列接続され、各群同数の蓄電デバイスは、電極端子の接合によって直列接続される。各蓄電デバイスは、容器の一方向へ相対する2面の一方と略面一の正極接合面を持つ正極端子と、同じく2面の他方と略面一の負極接合面を持つ負極端子と、を備えるので、容器の一方向へ並べると、その方向へ隣り合う蓄電デバイスの電極端子の異極同士の接合面を簡単に重ね合わせることが可能となり、これら異極同士の接合面を接合することによって各群同数の蓄電デバイスを効率よく直列接続することができる。これら接合は、溶接に拠る場合、金属板(電極端子を形成する)の2枚重ねの溶接となるため、3枚ずつの溶接となる従来の場合に較べると、溶接に伴う蓄電要素への伝熱との関係から、電極端子の外部へ引き出される部分に要求される余分長を大きく取られずに済む。また、2枚重ねの溶接のため、良好な安定した溶接部が得やすくなる。また、電極端子の外部へ引き出される部分が余分長さを大きく取らずに済み、蓄電デバイス間の直列接続にバスバーも要らないので、各群同数の蓄電デバイスを繋ぐ直列経路の短縮が可能となり、充放電時の電力ロス(発熱損)を大幅に低減することができる。
【0022】
第2の発明においては、各群同数の蓄電デバイスは、容器の2面が相対する一方向へ並べると、その方向へ隣り合う蓄電デバイス間の、一方の正極接合面と、他方の負極接合面と、が容器同士の隣接面を境として鏡面対称となるため、蓄電デバイスを一方向へ並べるのみで異極同士の接合面が重なり合うようになり、これら接合面間を簡単に効率よく接合することができる。
【0023】
第3の発明においては、互いに並列接続される複数の蓄電デバイス群の、蓄電デバイス間が導電部材を介して同電位となる。同電位間を蓄電デバイス群の列方向へ並ぶ蓄電デバイス同士の電圧が均等化される。つまり、同電位間において、蓄電デバイスの個々の蓄電容量などのばらつきに原因する蓄電デバイスの端子電圧のばらつきが蓄電デバイス群の列方向へ並ぶ複数の蓄電デバイスによって平準化(均等化)されることになる。
【0024】
第4の発明においては、複数の蓄電デバイス群は、互いに並列接続され、各群同数の蓄電デバイスは、電極端子の接合によって直列接続される。各蓄電デバイスは、容器の一方向およびこれと略直交する方向へ並べられ、容器の一方向へ隣り合う蓄電デバイス間は、第1正極接合面と第1負極接合面との接合によって直列接続される。容器の一方向と略直交する方向へ隣り合う蓄電デバイス間は、第2正極端子同士または第2負極接合面同士の接合によって接続される。これにより、容器の一方向へ2個の蓄電デバイスが直列に接続されるもの(組)が、容器の一方向と直交する方向へ2列となる構成(最小単位回路)の直列接続となり、最小単位回路において、各組の両端電圧が平準化(均等化)されるので、充放電などに伴う蓄電デバイスの端子電圧のばらつきが小さく抑えられる。
【0025】
最小単位回路は、蓄電デバイス群数および各群の蓄電デバイス数が増えると、容器の一方向およびこれと略直交する方向へ隣り合う4つの最小単位回路の中に各最小単位回路の蓄電デバイスを1個ずつ共有する最小単位回路が出来るため、最小単位回路に働く電圧の均等化(平準化)が最小単位回路の範囲を超えて連鎖するようになる。この連鎖がモジュール全体に及べば、蓄電セル個々の端子電圧を均等化(平準化)することも可能となる。
【0026】
第1正極接合面と第1負極接合面との接合、第2正極端子同士の接合、第2負極接合面同士の接合、については、溶接に拠る場合、金属板(電極端子を形成する)の2枚重ねの溶接となるので、溶接に伴う蓄電要素への伝熱との関係から、電極端子の外部へ引き出される部分に要求される余分長を大きく取られずに済む。また、2枚重ねの溶接のため、良好な安定した溶接部が得やすくなる。また、電極端子の外部へ引き出される部分の余分長を大きく取らずに済み、蓄電デバイス間の直列接続にバスバーも要らないので、各群同数の蓄電デバイスを繋ぐ直列経路の短縮が可能となり、充放電時の電力ロス(発熱損)を大幅に低減することができる。
【0027】
第5の発明においては、各蓄電デバイスは、容器の2面が相対する一方向へ並べると、その方向へ隣り合う蓄電デバイス間の、一方の第1正極接合面と、他方の第1負極接合面と、が容器同士の隣接面を境として鏡面対称となり、容器の一方向へ相対する2面と略直交する方向へ並べると、その方向へ隣り合う蓄電デバイス間の、第2正極接合面同士または第2負極接合面同士が容器同士の隣接面を境として鏡面対称となるため、蓄電デバイスを一方向およびこれと略直交する方向へ並べるのみで一方向へ異極同士の接合面およびこれと略直交する方向へ同極同士の接合面がそれぞれ重なり合うようになり、これら各接合面間を簡単に効率よく溶接することができる。
【0028】
第6の発明においては、導電部材により、蓄電デバイス群の列方向の両サイド間においても、隣り合う4つの最小単位回路の中に各最小単位回路の蓄電デバイスを1個ずつ共有する最小単位回路が出来るようになり、最小単位回路に働く電圧の均等化(平準化)の、最小単位回路の範囲を超える連鎖がさらに促進される。
【0029】
第7の発明においては、所要数の蓄電デバイスから構成される蓄電モジュールを想定すると、第4の発明と同一の作用効果が得られる。また、電極端子の容器から外部へ引き出される部分の長さ(蓄電デバイスの高さ寸法)が短くなるので、蓄電デバイスの占有体積が小さくなり、単位体積あたりの蓄電容量も大きくなる。
【0030】
第8の発明においては、所要数の蓄電デバイスから構成される蓄電モジュールを想定すると、第5の発明と同一の作用効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】この発明の第1実施形態に係る蓄電デバイスの外観斜視図である。
【図2】同じく蓄電デバイスの断面図である。
【図3】同じく蓄電モジュールの外観斜視図である。
【図4】同じく蓄電モジュールの構成を説明するものであり、(a)は平面図であり、(b)は側面図であり、(c)はx−x断面図である。
【図5】同じく蓄電モジュールの回路構成図である。
【図6】この発明の第2実施形態に係る蓄電デバイスの外観斜視図である。
【図7】同じく蓄電デバイスの構成説明図である。
【図8】同じく蓄電モジュールの外観斜視図である。
【図9】同じく蓄電モジュールの回路構成図である。
【図10】同じく第2実施形態に係る変形例を示す蓄電モジュールの外観斜視図である。
【図11】同じく蓄電モジュールの回路構成図である。
【図12】同じく別の変形例を示す蓄電モジュールの外観斜視図である。
【図13】同じく別の変形例を示す蓄電モジュールの外観斜視図である。
【図14】同じく蓄電モジュールの回路構成図である。
【図15】同じく別の変形例を示す蓄電モジュールの外観斜視図である。
【図16】同じく蓄電モジュールの回路構成図である。
【図17】同じく別の変形例を示す蓄電モジュールの外観斜視図である。
【図18】同じく別の変形例を示す蓄電モジュールの外観斜視図である。
【図19】従来例を示す蓄電デバイスの外観斜視図である。
【図20】同じく蓄電モジュールの外観斜視図である。
【図21】同じく蓄電モジュールの構成を説明するものであり、(a)は平面図であり、(b)は側面図であり、(c)はx−x断面図である。
【図22】同じく蓄電モジュールの回路構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図に基づいて、この発明に基づく実施形態を説明する。なお、図の随所に前後と上下と左右との3方向を規定する3次元矢印を添えておく。
【0033】
図1〜図5は、第1実施形態を示すものである。図1,図2において、蓄電デバイス10は、電気二重層キャパシタである。電気二重層キャパシタ10は、電荷を蓄える蓄電要素11と、蓄電要素11を収容する容器12と、蓄電要素の電荷の出し入れを行う1対の電極端子13と、を備える。
【0034】
蓄電要素11は、正極体と負極体とこれらの間に介在するセパレータとから角形の積層体に構成される。正極体および負極体は、電荷を蓄える電極層(分極性電極)と、電荷の出し入れを行う集電層(集電極)とからなり、集電層の同極同士のリード14が結束され、その結束部に極性の対応する電極端子13が接続される。
【0035】
容器12は、蓄電要素11の外形に合わせて角形(直方体)に形成され、その内部に蓄電要素11を電解液と共に収容する室が設けられる。1対の電極端子13として、容器12の互いに相対する2面の一方と略面一に連なる正極接合面Xをもつ端子13a(正極端子)と、同じく2面の他方と略面一に連なる負極接合面Yをもつ端子13b(負極端子)と、が備えられる。
【0036】
各電極端子13は、金属板から短尺状に形成され、容器12の内部(室)に位置する一端部に集電層の同極同士のリード14の結束部が溶接などによって接合され、容器12の外部に突き出る他端側が接合面X,Yを構成するのである。
【0037】
容器12の互いに相対する2面については、この場合、容器12が直方体のため、前面1と後面4(図2、参照)との2面、左面と右面3との2面、上面2と下面との2面、となるが、電極端子13が上方へ突き出るので、上面2と下面との2面を除く、前面1と後面4との2面、左面と右面3との2面、の何れかに選定される。
【0038】
この例においては、後述の蓄電モジュールM-1における蓄電デバイス10の配列方向との関係から前面1と後面4との2面が選定され、負極端子13bは、容器12の前面1の一辺(上辺)の左面側へ寄る位置から容器12の上方へストレートに引き出され、容器12の前面1と略面一の負極接合面Yを形成する一方、正極端子13aは、容器12の後面4の一辺(上辺)の右面3側へ寄る位置から容器12の上方へストレートに引き出され、容器12の後面と略面一の正極接合面Xを形成する。
【0039】
容器12は、この場合、枠体6と1対の膜体7とから構成される。枠体6は、樹脂(熱溶着性および電気絶縁性もつ)から角形の蓄電要素の外形に合わせて四角形に形成される。枠体6は、上辺部と下辺部と右辺部と左辺部とからなり、これらに囲まれる空間が前後に開口される。膜体7は、ラミネートフィルムから枠体の前後面と略同形同大のシート状に形成される。ラミネートフィルムは、複数の樹脂層と金属の中間層とから積層構造のものが用いられ、枠体6の開口に面する側の表層が熱溶着性もつ電気絶縁材質の樹脂から形成される。
【0040】
電極端子13は、枠体6の内側に突き出る一端部と、枠体6の外側に突き出る他端部と、枠体6の一辺部に接着される中間部と、からなり、ヒートシール処理により、枠体6と膜体7との間(熱溶着樹脂中)に中間部を介して組み付けられる。
【0041】
ヒートシール処理においては、枠体6の一辺部、この場合、上辺部の前面1に一方の電極端子13の中間部が重ねられ、その上に膜体7が被せられ、ヒートシーラにより、枠体6の前面1側から膜体7の周囲(周縁部)が加圧と共に加熱される。また、上辺部の後面4に他方の電極端子13の中間部が重ねられ、その上に膜体7が被せられ、ヒートシーラにより、枠体の後面4側から膜体7の周囲(周縁部)が加圧と共に加熱される。
【0042】
ヒートシーラによる加熱および加圧を受けて膜板7の熱溶着性樹脂および枠体6の熱溶着性樹脂が溶融し、放熱後に凝固する樹脂によって膜体7と枠体6との間が隙間なく封止される。また、各端子13の中間部も凝固した樹脂に包み込まれ、その周囲が隙間なく封止される。電解液の注入については、ヒートシール処理において、未処理(非熱溶着)部分が残され、電解液はその未処理部分から容器の内部へ充填される。未処理部分は、電解液の注入後にヒートシール処理によって封止される。
【0043】
このような工程により、容器12の互いに相対する2面の一方と略面一の正極接合面Xをもつ端子13aと、同じく他方の略面一の負極接合面Yをもつ端子13bと、を備える電気二重層キャパシタ10(蓄電デバイス)を簡単かつ容易に効率よく製造することができる。電気二重層キャパシタ10は、容器12の内圧を所定レベル以下に抑えるガス抜きバルブ(図示せず)が備えられる。
【0044】
図3〜図5は、蓄電モジュールM-1を示すものであり、所要数の蓄電デバイス10(蓄電セル)から組み立てられる。所要数の蓄電セル10は、複数の蓄電デバイス群20に分けられる。各群20の蓄電デバイス数は、同数とする。
【0045】
各群同数の蓄電セル10は、容器12の前後方向(容器12の前面1と後面4との相対方向)へ並べられ、隣り合う蓄電セル間が互いに異極同士の電極端子13を接合することによって直列接続される。隣り合う蓄電セル間において、一方の蓄電セル10の正極接合面Xと、他方の蓄電セル10の負極接合面Yと、は容器同士の隣接面を境として鏡面対称に配置される。
【0046】
この場合、蓄電セル10は、負極端子13bが前面1の一辺(上辺)の左面側へ寄る位置から容器12の上方へストレートに引き出され、正極端子13aが容器12の後面4の一辺(上辺)の右面3側へ寄る位置から容器13の上方へストレートに引き出されるため、電極端子13の配置が異なる2種類のものA,Bが用いられる。
【0047】
蓄電デバイスAの電極端子13は、図1と同一に配置される。蓄電デバイスBの電極端子は、正極端子13aが、前面1の一辺(上辺)の右面3側へ寄る位置から容器12の上方へストレートに引き出され、容器12の前面1と略面一の正極接合面Xを形成する一方、負極端子13bが、容器12の後面の一辺(上辺)の左面側へ寄る位置から容器12の上方へストレートに引き出され、容器12の後面と略面一の負極接合面Yを形成する。
【0048】
各群20の蓄電セル10は、容器12の前後方向へA-B-A-B-A-Bに並べられる。A-B間において、Aの正極接合面Xと、Bの負極接合面Yと、が容器同士の隣接面(Aの容器12の後面4とBの容器12の前面1との重なり合う面)を境として鏡面対称となり、これらが溶接によって接合される。B-A間において、Bの正極接合面Xと、Aの負極接合面Yと、容器同士の隣接面(Bの容器12の後面4とAの容器12の前面1が重なり合う面)を境として鏡面対称となり、これらが溶接によって接合される。
【0049】
複数の蓄電デバイス群20は、容器12の前後方向と直交する方向(容器12の右面3と左面との相対方向)へ並べられる。各群20の列の両端に位置する蓄電セル10の電極端子13の同極同士がバスバー21を介して接続される。バスバー21が蓄電モジュールM-1の外部端子となる場合、これらバスバー21に外部の充放電回路(図示せず)が接続される。つまり、複数の蓄電デバイス群20は、外部の充放電回路に対し、互いに並列接続される関係になる。充放電回路は、M-1から負荷への電力の供給経路および充電源からM-1への電力の供給経路を構成するものである。
【0050】
蓄電モジュールM-1は、蓄電デバイス群同士の、蓄電セル間の同一位置を接続する導電部材22が備えられる。導電部材22は、蓄電デバイス群間を容器12の左右方向(容器12の左面と右面3との相対方向)へ延ばされ、図示の場合(M-1が2列の蓄電デバイス群20から構成される)、導電部材22の両端は、各A-B間の接合部および各B-A間の接合部にリベット23によって結合(接続)される。
【0051】
M-1において、複数の蓄電デバイス群20は、外部の充放電回路に対して並列接続され、各群同数の蓄電デバイス10は、電極端子13の接合によって直列接続される。各蓄電セル10は、容器12の一方向へ相対する2面の一方と略面一の正極接合面Xを持つ端子13aと、同じく2面の他方と略面一の負極接合面Yを持つ端子13bと、を備えるので、容器12の一方向へ並べると、その方向へ隣り合う蓄電セル10の電極端子13の、一方の正極接合面Xと、他方の負極接合面Yと、が容器同士の隣接面を境として鏡面対称となるため、蓄電デバイス10を一方向へ並べるのみで異極同士の接合面X,Yが重なり合うようになり、これら接合面間を簡単に効率よく接合することができる。
【0052】
これら接合は、溶接(例えば、スポット溶接)に拠る場合、金属板(電極端子13を形成する)の2枚重ねの溶接となり、バスバー21と電極端子13との接合についても、2枚重ねの溶接となるため、3枚ずつの溶接となる従来の場合に較べると、溶接に伴う蓄電デバイス10の蓄電要素11への伝熱との関係から、電極端子13の外部へ引き出される部分に要求される余分長を大きく取られずに済む。また、2枚重ねの溶接により、良好な安定した溶接部が得やすくなる。また、電極端子13の外部へ引き出される部分に要求される余分長を大きく取られずに済み、蓄電セル間を直列接続するバスバー(図20,図21の114)も要らないため、各群同数の蓄電セル10を繋ぐ直列経路が効率よく短縮され、充放電時の電力ロス(発熱損)を大幅に低減することができる。
【0053】
図5は、蓄電モジュールM-1の回路構成を示すものである。図5において、R’は蓄電デバイス10の電極端子13の抵抗であり、REはバスバー21の抵抗であり、RFは導電部材22の抵抗であり、複数の蓄電デバイス群20の、蓄電デバイス間が導電部材22を介して同電位となる。この例においては、各群20のA-B間の接合部同士およびB-A間の接合部同士が導電部材22を介して接続されるため、群20の列方向へ並ぶA−A間の端子電圧のばらつきおよびB−B間の端子電圧のばらつきが平準化(均等化)される。蓄電デバイス10は、蓄電容量などに多少のばらつきがあり、充放電に伴って蓄電セル10の端子電圧にばらつきが生じるようになるが、群20の列方向(容器12の左右方向)へ並ぶA−A間の端子電圧のばらつきおよびB−B間の端子電圧のばらつきが平準化(均等化)されるので、充放電などに伴う蓄電セル10の端子電圧のばらつきが小さく抑えられるのである。その結果、蓄電デバイス10の蓄電容量などのばらつきを考慮して蓄電モジュールM-1の満充電時の電圧(制限電圧)を低める割合が小さく見込めるため、M-1の制限電圧を高めに設定することが可能となる。
【0054】
導電部材22は、両端の接続点に電位差が生じると、電位の高い方から低い方へ電流が流れるが、両端の接続点の電位が同一であれば、電流は流れることがなく、両端の電位差によって流れる電流も極く小さいため、RFを入れずに蓄電デバイスの内部抵抗RXを除く合成抵抗R1を計算すると、R1=6・R’+(RE/2)となる。
【0055】
図22に示す従来の蓄電モジュールM-0の回路構成においては、合成抵抗R0は、蓄電デバイス100の正極端子113aの抵抗RAと負極端子113bの抵抗RBが同一(RA=RB)として計算すると、R0=6・RA+4・RC+4RD+REとなる。
【0056】
本願の合成抵抗R1を従来の合成抵抗R0と比較すると、本願の電極端子の抵抗R’は、従来の電極端子113の抵抗よりも小さく、かつ、従来のバスバー114〜116の抵抗(4・RC+4RD)が不要となる。また、本願のバスバーの抵抗REは、バスバー21が電極端子13の同極同士を接続(連結)する構成のため、抵抗REは1/2となるのに対し、従来のバスバー117の抵抗REは、異極同士のバスバ115ーを連結(接続)する構成のため、抵抗REは1/2とならない。これらの結果、本願の合成抵抗R1は、従来の合成抵抗R0よりも、大幅に低減できることになる。
【0057】
蓄電デバイス10が出力密度の高い電気二重層キャパシタにおいては、合成抵抗R1の大幅な低減により、充放電に伴う電力ロスおよび充放電に伴う発熱量の低減にもたらす効果が大きい。
【0058】
従来の蓄電デバイス100の場合、電極端子113の容器112から突き出る部分は、容器112の上面中央から略垂直に突き出る部分の長さ、容器の前後方向と略平行に延びる部分の長さ、電極端子間の接合面を形成する部分の長さ、の和になるのに対し、本願の蓄電デバイス10の場合、電極端子13の容器12から突き出る部分は、概ね電極端子13の接合面X,Yを形成する部分の長さのみで済むため、蓄電デバイスおよび蓄電モジュールの高さ寸法についても、従来の場合、H(図21、参照)なのに対し、本願の場合、H’(図4、参照)と低められる。そのため、本願の場合、蓄電デバイス10の占有体積が小さくなり、従来と較べると、蓄電モジュールM-1の単位体積あたりの蓄電容量も向上する。
【0059】
導電部材22については、抵抗の許容範囲において、配線が簡便な、小径断面の電線が使用されるが、もちろん、抵抗が小さいバスバーを用いてもよい。
【0060】
図1〜図5においては、蓄電デバイス10として電極端子13の配置が異なる2種類のものが用いられるが、1対の電極端子13の接合面(正極接合面Xと負極接合面Y)が容器12の左右方向の中央において、容器12の前後方向へ対向する配置に設定すると、1種類の蓄電デバイスから、図3〜図5と同一容量の蓄電モジュールを構成することが可能となる。
【0061】
図6〜図18は、第2実施形態を示すものである。図6,図7において、蓄電デバイス50は、電気二重層キャパシタである。電気二重層キャパシタは、電荷を蓄える蓄電要素51と、蓄電要素51を収容する容器52と、蓄電要素51の電荷の出し入れを行う1対の電極端子53と、を備える。
【0062】
蓄電要素51は、正極体と負極体とこれらの間に介在するセパレータとから角形の積層体に構成される。正極体および負極体は、電荷を蓄える電極層(分極性電極)と、電荷の出し入れを行う集電層(集電極)とからなり、集電層の同極同士のリードが結束され、その結束部に極性の対応する電極端子53が接続される。
【0063】
容器52は、蓄電要素52の外形に合わせて角形(直方体)に形成され、その内部に蓄電要素52を電解液と共に収容する室が設けられる。1対の電極端子53として、容器12の互いに相対する2面の一方と略面一に連なる第1正極接合面X-1をもつ端子(正極端子53a)と、同じく2面の他方と略面一に連なる第1負極接合面Y-1をもつ端子(負極端子53b)と、が備えられる。
【0064】
各端子53は、金属板から形成され、容器52の内部(室)に位置する一端部に集電層の同極同士のリードの結束部が溶接などによって接合され、容器52の外部に突き出る他端側が第1接正極合面X-1または第1負極正極面Y-1を構成するのである。
【0065】
容器52の一方向へ相対する2面と略直交する方向へ相対する2面の一方と略面一の第2正極接合面X-2が端子53aの外部へ突き出る他端側に設けられ、負極端子53bに同じく2面と略直交する方向へ相対する2面の他方と略面一の第2負極接合面Y-2が端子53bの外部へ突き出る他端側に設けられる。
【0066】
容器52の互いに相対する2面およびこれと略直交する方向へ相対する2面については、この場合、容器52が直方体のため、前面1と後面との2面が一方向へ相対する2面となり、左面と右面3との2面が一方向と略直交する2面となる。
【0067】
この例においては、負極端子53bは容器52の前面1の一辺(上辺)の左面側の端部から容器52の上方へ突出され、容器52の前面1と略面一の第1負極接合面Y-1を形成する一方、正極端子53aは、容器52の後面の一辺(上辺)の右面3側の端部から容器52の上方へ突出され、容器52の後面と略面一の第1正極接合面X-1を形成する。負極端子53bの一部が容器52の左面の一辺(上辺)の前面1側の端部から容器52の上方へ突出され、容器52の左面と略面一の第2負極接合面Y-2を形成する一方、正極端子53aの一部が右面3の一辺(上辺)の後面側の端部から容器52の上方へ突出され、容器52の右面3と略面一の第2負極接合面X-2を形成する。
【0068】
容器52は、角形の蓄電要素51の外形に合わせて形成される箱部57と、箱部57の開口する上面を封止する蓋部58と、からなり、これらは樹脂(熱溶着性および電気絶縁性もつ)から成形される。
【0069】
電極端子53は、蓋部58の内面から突き出る一端部と、蓋部58の外面から突き出る他端部と、蓋部58に埋設される中間部と、からなり、蓋部58と共にインサート成形される。各端子53の蓋部58の内面から突き出る一端部に蓄電要素51の同極同士のリード59の結束部が溶接などによって接合され、蓋部58が蓄電要素51を箱部57の上面(開口)からその内側へ納めて箱部58の開口(上面)部に嵌め付けられ、蓋部58と箱部57との嵌合部がヒートシール処理により熱溶着されるのである。
【0070】
ヒートシーラによる加熱および加圧を受けて箱部57の熱溶着性樹脂および蓋部58の熱溶着性樹脂が溶融し、放熱後に凝固する樹脂によって箱部57と蓋部58との嵌合部が隙間なく封止される。容器52に電解液の注入口が予め形成され、注入口は、電解液の注入後にシール材などによって封止される。
【0071】
このような工程により、1対の電極端子として、第1正極接合面X-1および第2正極接合面X-2を持つ端子52bと、第1負極接合面Y-1および第2負極接合面Y-2を持つ端子53bと、を備える電気二重層キャパシタ50(蓄電デバイス)を簡単かつ容易に効率よく製造することができる。電気二重層キャパシタ50は、容器の内圧を所定レベル以下に抑えるガス抜きバルブ(図示せず)が備えられる。
【0072】
図8,図9は、蓄電モジュールM-2を示すものであり、所要数の蓄電デバイス50(蓄電セル)から組み立てられる。所要数の蓄電セル50は、複数の蓄電デバイス群60に分けられる。各群60の蓄電セル数は、同数とする。
【0073】
所要数の蓄電セル50は、容器52の2面が相対する一方向(容器52の前面1と後面との相対方向)およびこれと略直交する方向(容器52の左面と右面3との相対方向)へ並べられ、容器52の前後方向へ隣り合う蓄電セル間は、第1正極接合面X-1と第1負極接合面Y-1との接合によって直列接続される。容器52の左右方向へ隣り合う蓄電セル間は、第2正極端子X-2同士または第2負極接合面Y-2同士の接合によって接続される。
【0074】
容器52の一方向(前後方向)へ隣り合う蓄電セル間において、一方の蓄電デバイス50の第1正極接合面X-1と、他方の蓄電デバイス50の第1負極接合面Y-1と、の異極同士の接合面は、容器同士の隣接面(後面と前面1との重なり合う面または前面1と後面との重なり合う面)を境として鏡面対称に配置される。容器52の前後方向と略直交する方向(容器の左右方向)へ隣り合う蓄電デバイス間において、一方の蓄電デバイス50の第2正極接合面X-2または第2負極接合面Y-2と、他方の蓄電デバイス50の第2正極接合面X-2または第2負極接合面Y-2と、の同極同士の接合面は、容器同士の隣接面(左面と右面3との重なり合う面または右面3と左面との重なり合う面)を境として鏡面対称に配置される。
【0075】
この場合、蓄電デバイス50は、負極端子53bと正極端子53aが容器52の上面(四角形)の互いに向かい合う角部(対角部)に配置されるため、電極端子53の配置が異なる2種類のものが用いられる。蓄電デバイスAの電極端子は、図6,図7と同一に配置される。蓄電デバイスBの電極端子53は、蓄電デバイスAの電極端子53と異なる対角部に配置される。これら蓄電セル50は、容器52の前後方向および左右方向へそれぞれ交互に並べられる。
【0076】
この例においては、2列の蓄電デバイス群60の右側は、蓄電セル50が容器52の前後方向へA-B-A-B-A-Bに並べられ、2列の蓄電デバイス群の左側は、蓄電セル50が容器52の前後方向へB-A-B-A-B-Aに並べられる。
【0077】
容器52の前後方向へ隣り合うA-B間において、Aの第1正極接合面X-1と、Bの第1負極接合面Y-1と、が容器同士の隣接面(Aの容器52の後面とBの容器52の前面との重なり合う面)を境として鏡面対称となり、これらが溶接によって接合される。容器52の前後方向へ隣り合うB-A間において、Bの第1正極接合面X-1と、Aの第1負極接合面Y-1と、が容器同士の隣接面(Bの容器52の後面とAの容器52の前面が重なり合う面)を境として鏡面対称となり、これらが溶接によって接合される。
【0078】
容器52の左右方向へ隣り合うA-B間において、Aの第2負極接合面Y-2と、Bの第2負極接合面Y-2と、が容器同士の隣接面(Aの容器の左面とBの容器の右面3との重なり合う面)を境として鏡面対称となり、これらが溶接によって接合される。容器52の左右方向へ隣り合うB-A間において、Bの第2正極接合面X-2と、Aの第2正極接合面X-2と、が容器同士の隣接面(Bの容器の左面とAの容器の右面3が重なり合う面)を境として鏡面対称となり、これらが溶接によって接合される。
【0079】
容器52の前後方向へ並ぶ蓄電セル50の列の最前部を左右方向へ並ぶA-B間は、電極端子53の第2負極接合面Y-2同士の接合となり、容器52の前後方向へ並ぶ蓄電セル50の列の最後部を左右方向へ並ぶB-A間は、電極端子53の第2正極接合面X-2同士の接合となる。これら同極同士の接合部が蓄電モジュールM-2の外部端子となる場合、これら同極同士の接合部に外部の充放電回路(図示せず)が接続される つまり、複数の蓄電デバイス群60は、外部の充放電回路に対し、互いに並列接続される関係になる。
【0080】
蓄電モジュールM-2において、容器52の前後方向へ蓄電デバイス50を並べると、その方向へ隣り合う蓄電デバイス間の、一方の第1正極接合面X-1と、他方の第1負極接合面Y-1と、が容器同士の隣接面を境として鏡面対称となり、容器52の左右方向へ蓄電デバイス50を並べると、その方向へ隣り合う蓄電デバイス間の、第2負極接合面Y-2同士または第1正極接合面X-2同士と、が容器同士の隣接面を境として鏡面対称となるため、蓄電デバイス50を前後左右へ並べるのみで容器52の前後方向へ異極同士の接合面および容器52の左右方向へ同極同士の接合面が重なり合うようになる。
【0081】
これら接合は、溶接(例えば、スポット溶接)に拠ると、金属板(電極端子53を形成する)の2枚重ねの溶接となるため、3枚ずつの溶接となる従来の場合に較べると、溶接に伴う蓄電セル50の蓄電要素51への伝熱との関係から、電極端子53の外部へ引き出される部分に要求される余分長を大きく取られずに済む。また、2枚重ねの溶接により、良好な安定した溶接部が得やすくなる。また、電極端子53の外部へ引き出される部分に要求される余分長を大きく取られずに済み、蓄電デバイス間および蓄電デバイス群間の接続にバスバーが要らないため、所要数の蓄電セルを繋ぐ直列経路(充放電時の通電経路)が効率よく短縮され、充放電時の電力ロス(発熱損)を大幅に低減することができる。
【0082】
図9において、R’は蓄電セルの電極端子の抵抗であり、各a点,各b点は、電極端子53の第2正極接合面X-2同士または第2負極接合面Y-2同士の接合により、電極端子53間が同電位に保たれる。各c点は、電極端子53の第1正極接合面X-1と第1負極接合面Y-1との異極同士の接合のみとなる。従って、容器52の前後方向へ2個の蓄電セル50が直列に接続されるもの(組)が、容器52の左右方向へ2組並列に接続される構成(最小単位回路)となり、この場合、最小単位回路S(図中の円形内の構成)が容器52の前後方向へ3つ直列に接続される。
【0083】
最小単位回路間においても、正極端子同士の連接面(Aの第1正極接合面とBの第1正極接合面との連続する接合面)と、負極端子同士の連接面(Aの第1負極接合面とBの第1負極接合面との連続する接合面)と、が前後方向へ隣り合う容器同士の隣接面を境として鏡面対称となる。
【0084】
各最小単位回路Sにおいては、A-Bの直列経路(小楕円で括られる)の両端電圧と、B-Aの直列経路(小楕円で括られる)の両端電圧と、が平準化(均等化)されるので、充放電などに伴う蓄電デバイスの端子電圧のばらつきが小さく抑えられるのである。
【0085】
第2正極接合面同士または第2負極接合面同士の接合部は、A-Bの直列経路の両端電圧とB-Aの直列経路の両端電圧との間に電位差が生じると、電位の高い方から低い方へ電流が流れるが、両者の電位が同一であれば、電流は流れることがなく、両者の電位差によって流れる電流も極く小さいため、電極端子53の第2正極接合面同士または第2負極接合面同士の接合部の抵抗を入れずに蓄電デバイスの内部抵抗RXを除く合成抵抗R2を計算すると、R2=6・R’となる。
【0086】
本願の合成抵抗R1を従来の合成抵抗R0(図、参照)と比較すると、本願の電極端子53の抵抗R’は、従来の電極端子113の抵抗RAよりも小さく、かつ、従来のバスバーの抵抗(4・RC+4RD+RE)も不要となる。これらの結果、本願の合成抵抗R2は、従来の合成抵抗R0よりも格段に低減できることになる。蓄電デバイス50が出力密度の高い電気二重層キャパシタにおいては、合成抵抗R1の大幅な低減により、充放電に伴う電力ロスおよび充放電に伴う発熱量の低減にもたらす効果が大きい。
【0087】
最小単位回路Sにおいては、図10,図11に示すように、2個の蓄電セル50が直列接続されるA-B間と、2個の蓄電セル50が直列接続されるB-A間と、を接続する導電部材22を用いることが考えられる。導電部材22により、A−Bにおける電極端子53の異極同士の接合部と、B-Aにおける電極端子53の異極同士の接合部と、の間が同電位に保たれる。言い換えれば、図11の楕円の小円で括られるAとBとの端子電圧が平準化(均等化)されるため、図8,図9の場合に較べると、充放電などに伴う蓄電セルの端子電圧のばらつきが小さく抑えられるのである。
【0088】
図12〜図18は、第2実施形態の変形例を示すものであり、図12の蓄電モジュールM-3は、蓄電容量を高めるため、蓄電デバイス群が3列に構成される。図13の蓄電モジュールM-4は、さらに蓄電容量を高めるため、蓄電デバイス群が4列に構成される。
【0089】
蓄電モジュールM-3は、図8,図9の蓄電モジュールM-2(以下、単に標準モジュールRMと称す)に蓄電デバイス群60aが1列増やされる。蓄電デバイス群60aは、2種類の蓄電デバイス50(蓄電セル)が容器52の前後方向へA-B-A-B-A-Bに並べられ、標準モジュールRMの左面に蓄電デバイス群60a(追加の蓄電デバイス群)の右面が重なり合うように配置される。
【0090】
標準モジュールRMと蓄電デバイス群60aとの隣接面(標準モジュールRMの左面と蓄電デバイス群60aの右面との重なり合う面)においても、両者の電極端子53の接合面同士は、鏡面対称になるため、これらの間の接合も簡単に効率よく行える。
【0091】
図12において、71は蓄電デバイス群60aの前後方向の両端に位置する電極端子53と、標準モジュールRMの各蓄電デバイス群60の前後方向の両端に位置する電極端子53の同極同士の接合部と、の間をそれぞれ同極同士に接続するバスバーであり、これらの接合についても、2枚重ねの溶接で済むため、簡単に効率よく処理することができる。
【0092】
図13の蓄電モジュールM-4は、標準モジュールRMが2つ組み合わされる。標準モジュールRM-1の左面または右面に標準モジュールRM-2の右面または左面が重なり合うように配置され、標準モジュールRM同士の隣接面(図示の場合、標準モジュールRM-1の左面と標準モジュールRM-2の右面との重なり合う面)においても、両者の電極端子53の接合面同士が鏡面対称になる。72は各標準モジュールRMの前後方向の両端に位置する電極端子53の同極同士の接合部をそれぞれ接続するバスバーである。
【0093】
図14は、蓄電モジュールM-4の回路構成を示すものであり、R’は蓄電セル50の電極端子53の抵抗であり、RE’はバズバー72の抵抗である。
【0094】
各標準モジュールRMは、複数(この例においては、3つ)の最小単位回路S(図中の円形内の構成)を備えるが、RM-1とRM-2との接合により、RM-1の前後方向へ並ぶ2つ最小単位回路Sと、RM-2の前後方向へ並ぶ2つの最小単位回路Sと、の間にこれら最小単位回路Sの蓄電セル50を1個ずつ共有する最小単位回路Sが出来る。このため、最小単位回路Sに働く電圧の均等化(平準化)が最小単位回路Sの範囲を超えて連鎖するようになる。
【0095】
各最小単位回路Sにおいて、2個の蓄電セル50が直列接続される組同士の両端電圧が平準化(均等化)されるが、1個の蓄電セル50に注目すると、複数の最小単位回路Sに働く電圧の平準化(均等化)作用を受け、また、複数の最小単位回路Sに働く電圧の平準化作用に影響を与えるので、この連鎖がM-4全体に及べば、蓄電セル個々の端子電圧を均等化(平準化)することも可能となる。
【0096】
図15は、別の変形例を示すものである。蓄電モジュールM-5は、2つの標準モジュールRMから構成される。これら標準モジュールRM-1,RM-2は、設置面を半減させるため、上下2段に配置される。各標準モジュールRMは、各電極端子53の突出面を上向きに上下方向へ平行移動させる形に組み立てられ、上下2段の標準モジュールRMにおいて、右面に表れる電極端子53の異極同士の連接面(第2正極接合面X-2と第2負極接合面Y-2との連続面)A〜C同士が垂直方向へ延びるバスバー73aを介して接続され、左面に表れる電極端子53の異極同士の連接面D〜F(第2正極接合面X-2と第2負極接合面Y-2との連続面)同士が垂直方向へ延びるバスバー73bを介して接続される。
【0097】
各標準モジュールRMにおいて、前面に表れる電極端子53の同極同士の連接面(第1負極接合面Y-1と第1負極接合面Y-1との連続面)同士が垂直方向へ延びるバスバー74aを介して接続され、後面に表れる電極端子53の同極同士の連接面(第1正極接合面X-1と第1正極接合面X-1との連続面)同士が垂直方向へ延びるバスバー74bを介して接続され、これらのバズバー74a,74bにより、蓄電モジュールM-5の外部端子が形成される。
【0098】
図16は、蓄電モジュールM-5の回路構成を示すものであり、各標準モジュールRMは、複数(この例においては、3つ)の最小単位回路S(図中の円形内の構成)を備えるが、電極端子53の連接面A〜C同士および連接面D〜F同士をそれぞれ接続するバスバー73a,73bにより、RM-1の前後方向へ並ぶ2つ最小単位回路Sと、RM-2の前後方向へ並ぶ2つの最小単位回路Sと、の間にこれら最小単位回路Sの蓄電セル50を1個ずつ共有する最小単位回路SがM-5の両側に出来るため、最小単位回路Sの範囲を超えて連鎖する電圧の均等化(平準化)作用をM-5全体へ及ぼすことができる。
【0099】
なお、M-5を構成する蓄電セル個々の端子電圧53を均等化するため、導電部材(図10の22、参照)により、最小単位回路Sの蓄電セル間(A-B間とB-A間)同士を接続することも考えられる。
【0100】
図16において、R’は蓄電セル50の電極端子の抵抗であり、M-5の合成抵抗は、M-2(図20、参照)と較べると、蓄電デバイス群60の数が増える分、格段に小さくなる。
【0101】
バスバー73a、73bについては、各連接面A〜C同士、各連接面D〜F同士を同電位に接続するものであり、抵抗の許容範囲において、配線が簡便な、小径断面の電線(図の導電部材22)に置き換えることも可能となる。
【0102】
図17は、別の変形例を示すものであり、蓄電モジュールM-6は、2つの標準モジュールRMから構成される。これら標準モジュールRM-1,RM-2は、体積効率の向上(単位体積あたりの蓄電容量のアップ)を図るため、電極端子53の突出する面が向かい合わせに組み合わされる。
【0103】
RM-1の電極端子53の突出端面と、RM-2の電極端子53の突出端面と、はこれらの向かい合わせ面を境として鏡面対称に配置され、電極端子の連接面A〜C同士および連接面D〜F同士がバスバー74を介して接続される。75はM-6の前後の電極端子53の同極同士の連接面間を接合するバスバーであり、M-6の外部端子を形成する。
【0104】
蓄電モジュールM-6は、2つの標準モジュールRMが電極端子53の突出する面を向かい合わせに組み合わされるので、バスバー74,75も短くて済み、体積効率の向上が得られる。
【0105】
図15のバスバー73a、73bおよび図17のバスバー74については、各連接面A〜C同士、各連接面D〜F同士を同電位に接続するものであり、抵抗の許容範囲において、配線が簡便な、小径断面の電線(図の導電部材22)に置き換えることも可能となる。
【0106】
図13〜図17において、標準モジュールRMは、図8の蓄電モジュールM-2が使用されるが、図12の蓄電モジュールM-3を標準モジュールRM’として、図18のように上下2段の蓄電モジュールM-7を構成することも考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0107】
この発明に係る電極端子の配置構成および接続構成は、電気二重層キャパシタやリチウム電池に適用が限定されるものでなく、充放電が繰り返し可能な各種の蓄電デバイスへ広く適用可能となる。
【符号の説明】
【0108】
10,50 蓄電デバイス
13,53 電極端子
M-1〜M-7 蓄電モジュール
X 正極接合面
Y 負極接合面
X-1 第1正極接合面
Y-1 第1負極接合面
X-2 第2正極接合面
Y-2 第2負極接合面
22 導電部材
【技術分野】
【0001】
この発明は、蓄電デバイスおよび所要数の蓄電デバイスから構成される蓄電モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
充放電サイクル寿命の長い蓄電デバイスとして、電気二重層キャパシタやリチウムイオン電池などが注目される(特許文献1〜特許文献8)。
【0003】
その一例を図19に基づいて説明すると、蓄電デバイス100は、電荷を蓄える蓄電要素111(図21、参照)と、蓄電要素111を収容する容器112と、を備える。
【0004】
蓄電要素111は、正極体と負極体とこれらの間に介在するセパレータとから角形の積層体に構成される。正極体および負極体は、電荷を蓄える電極層と、電荷の出し入れを行う集電層とからなり、集電層の同極同士が結束され、その結束部に極性の対応する電極端子(正極端子,負極端子)が接合される。
【0005】
電極端子113は、金属板から短尺状に形成され、容器112の内部に位置する一端部に集電層の同極同士の結束部が接合され、他端側が容器の外部へストレートに引き出される。容器112は、ラミネートフィルム(金属の中間層を含む積層構造の樹脂フィルム)から形成され、蓄電要素111を各端子113の一部(先端側)が容器の外部へ突き出る収容状態に密封する。
【0006】
このような蓄電デバイス100においては、耐電圧が3V〜5V程度であり、電気自動車の駆動電源などに適用する場合、所要の蓄電容量および所要の満充電電圧を確保するため、複数の蓄電デバイス100を並列接続すると共にこれらを数多く直列接続して用いられる。
【0007】
図20〜図22は、所要数の蓄電デバイス100から構成される蓄電モジュールM-0を示すものであり、所要数の蓄電デバイス100は、複数の蓄電デバイス群120に分けられる。各群同数の蓄電デバイス100は、容器112の前後方向(前面101と後面104との相対方向)へ並べられ、隣り合う蓄電デバイス100が所定数ずつ電極端子113を介して並列接続され、これらの間がバスバー114を介して直列接続される。
【0008】
複数の蓄電デバイス群120は、容器112の左右方向(右面103と左面との相対方向)へ並べられ、蓄電デバイス群間がバズバー115およびバスバー117を介して直列接続される。各群120の最前部に位置する負極端子同士の接合部および正極端子同士の接合部はそれぞれバスバー116を介して外部の充放電回路に直列接続される。図中の3次元矢印は、前後と上下と左右との3方向を規定するためのものである。
【0009】
図22において、RAは蓄電デバイス100の正極端子113aの抵抗であり、負極端子113bの抵抗RBであり、RCはバスバー115,116の抵抗であり、RDはバスバー114の抵抗であり、REはバスバー117の抵抗である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2003−272972号
【特許文献2】特開2006−108380号
【特許文献3】特開2003−272966号
【特許文献4】特許第3869183号
【特許文献5】特開2006−338934号
【特許文献6】特開2008−204985号
【特許文献7】特開2002−353078号
【特許文献8】特開2005−190885号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
このような蓄電モジュールにおいては、電極端子113の同極同士が拝み合うように折り曲げられ、これらにバスバー114,115の一端が重ねられ、溶接を用いて接合される。これらの接合は、2枚の電極端子13にバスバー114,115を加える3枚重ねの溶接となる。溶接に伴う高熱から蓄電デバイスの蓄電要素を保護するため、電極端子の引き出される部分(容器から外部へ突き出る端子部分)の長さが大きく取られることもあり、直列経路の抵抗が助長され、充放電時の発熱損(電力ロス)も大きくなってしまう。
【0012】
この発明は、このような課題を対処するための有効な手段の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
第1の発明は、所要数の蓄電デバイスから構成される蓄電モジュールにおいて、所要数の蓄電デバイスは、複数の蓄電デバイス群に分けられ、各群同数の蓄電デバイスが電極端子の接合によって直列接続され、複数の蓄電デバイス群が互いに並列接続され、各蓄電デバイスは、電荷を蓄える蓄電要素と、蓄電要素を収装する容器と、蓄電要素の正極側および負極側に接続される1対の電極端子と、を備え、前記容器の外形が一方向へ相対する2面を含む多角形に形成され、1対の電極端子として、前記容器の一方向へ相対する2面の一方と略面一の正極接合面を持つ正極端子と、同じく2面の他方と略面一の負極接合面を持つ負極端子と、を備える、ことを特徴とする。
【0014】
第2の発明は、第1の発明に係る蓄電モジュールにおいて、前記各群同数の蓄電デバイスは、前記容器の一方向へ並べられ、前記1対の電極端子は、前記容器の一方向へ隣り合う蓄電デバイスの一方の正極端子または負極端子の接合面と、他方の負極端子または正極端子の接合面と、の異極同士が前記容器同士の一方向へ隣接する面を境として鏡面対称に配置され、前記一方向へ並ぶ蓄電デバイスは、前記鏡面対称となる異極同士の接合面の接合によって接続される、ことを特徴とする。
【0015】
第3の発明は、第1の発明または第2の発明に係る蓄電モジュールにおいて、前記充放電回路に対して並列接続される複数の蓄電デバイス群の、蓄電デバイス間の同一位置を互いに接続する導電部材を備える、ことを特徴とする。
【0016】
第4の発明は、所要数の蓄電デバイスから構成される蓄電モジュールにおいて、所要数の蓄電デバイスは、複数の蓄電デバイス群に分けられ、各群同数の蓄電デバイスが電極端子の接合によって直列接続され、複数の蓄電デバイス群が互いに並列接続され、各蓄電デバイスは、電荷を蓄える蓄電要素と、蓄電要素を収装する容器と、蓄電要素の正極側および負極側に接続される1対の電極端子と、を備え、前記容器の外形が一方向へ相対する2面と、前記一方向へ相対する2面と略直交する方向へ相対する2面と、を含む多角形に形成され、1対の電極端子として、前記容器の一方向へ相対する2面の一方と略面一の第1正極接合面を持つ正極端子と、同じく2面の他方と略面一の第1負極接合面を持つ負極端子と、が備えられ、前記正極端子に前記一方向へ相対する2面と略直交する方向へ相対する2面の一方と略面一の第2正極接合面、負極端子に同じく2面と略直交する方向へ相対する2面の他方と略面一の第2負極接合面、がそれぞれ形成される、ことを特徴とする。
【0017】
第5の発明は、第4の発明に係る蓄電モジュールにおいて、各群同数の蓄電デバイスは、前記容器の一方向へ並べられ、複数の蓄電デバイス群は、前記容器の一方向と略直交する方向へ並べられ、前記1対の電極端子は、前記容器の一方向へ隣り合う蓄電デバイスの一方の第1正極接合面または第1負極接合面と、他方の第1負極接合面または第1正極接合面と、の異極同士が前記容器同士の一方向へ隣接する面を境として鏡面対称に配置され、前記一方向へ並ぶ蓄電デバイスは、前記鏡面対称となる異極同士の接合面の接合によって接続され、前記容器の一方向と略直交する方向へ隣り合う蓄電デバイスの一方の第2正極接合面または第2負極接合面と、他方の第2負極接合面または第2正極接合面と、の同極同士が前記容器同士の一方向と略直交する方向へ隣接する面を境として鏡面対称に配置され、前記一方向と略直交する方向へ隣り合う蓄電デバイスは、前記鏡面対称となる同極同士の接合面の接合によって接続される、ことを特徴とする。
【0018】
第6の発明は、第4の発明または第5の発明に係る蓄電モジュールにおいて、前記複数の蓄電デバイス群が前記容器の一方向と略直交する方向へ並ぶ両サイドの蓄電デバイス群の、前記容器の一方向へ並ぶ蓄電デバイス間の異極同士の接合部を、相互に接続する導電部材を備える、ことを特徴とする。
【0019】
第7の発明は、電荷を蓄える蓄電要素と、蓄電要素を収装する容器と、蓄電要素の正極側および負極側に接続される1対の電極端子と、を備える蓄電デバイスにおいて、前記容器の外形が一方向へ相対する2面と、前記一方向へ相対する2面と略直交する方向へ相対する2面と、を含む多角形に形成され、1対の電極端子として、前記容器の一方向へ相対する2面の一方と略面一の第1正極接合面を持つ正極端子と、同じく2面の他方と略面一の第1負極接合面を持つ負極端子と、が備えられ、前記正極端子に前記一方向へ相対する2面と略直交する方向へ相対する2面の一方と略面一の第2正極接合面、前記負極端子に同じく2面と略直交する方向へ相対する2面の他方と略面一の第2負極接合面、がそれぞれ形成されることを特徴とする。
【0020】
第8の発明は、第7の発明に係る蓄電デバイスにおいて、前記1対の電極端子は、複数の前記蓄電デバイスを前記容器の一方向へ並べると、前記容器の一方向へ隣り合う蓄電デバイスの、一方の第1正極接合面と、他方の第1負極接合面と、の異極同士が前記容器同士の一方向へ隣接する面を境として鏡面対称に配置され、複数の前記蓄電デバイスを前記容器の一方向と略直交する方向へ並べると、前記容器の一方向と略直交する方向へ隣り合う蓄電デバイスの、一方の第2正極接合面または第2負極接合面と、他方の負極端子または正極端子の接合面と、の同極同士が前記容器同士の一方向と略直交する方向へ隣接する面を境として鏡面対称に配置される、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
第1の発明においては、複数の蓄電デバイス群は、互いに並列接続され、各群同数の蓄電デバイスは、電極端子の接合によって直列接続される。各蓄電デバイスは、容器の一方向へ相対する2面の一方と略面一の正極接合面を持つ正極端子と、同じく2面の他方と略面一の負極接合面を持つ負極端子と、を備えるので、容器の一方向へ並べると、その方向へ隣り合う蓄電デバイスの電極端子の異極同士の接合面を簡単に重ね合わせることが可能となり、これら異極同士の接合面を接合することによって各群同数の蓄電デバイスを効率よく直列接続することができる。これら接合は、溶接に拠る場合、金属板(電極端子を形成する)の2枚重ねの溶接となるため、3枚ずつの溶接となる従来の場合に較べると、溶接に伴う蓄電要素への伝熱との関係から、電極端子の外部へ引き出される部分に要求される余分長を大きく取られずに済む。また、2枚重ねの溶接のため、良好な安定した溶接部が得やすくなる。また、電極端子の外部へ引き出される部分が余分長さを大きく取らずに済み、蓄電デバイス間の直列接続にバスバーも要らないので、各群同数の蓄電デバイスを繋ぐ直列経路の短縮が可能となり、充放電時の電力ロス(発熱損)を大幅に低減することができる。
【0022】
第2の発明においては、各群同数の蓄電デバイスは、容器の2面が相対する一方向へ並べると、その方向へ隣り合う蓄電デバイス間の、一方の正極接合面と、他方の負極接合面と、が容器同士の隣接面を境として鏡面対称となるため、蓄電デバイスを一方向へ並べるのみで異極同士の接合面が重なり合うようになり、これら接合面間を簡単に効率よく接合することができる。
【0023】
第3の発明においては、互いに並列接続される複数の蓄電デバイス群の、蓄電デバイス間が導電部材を介して同電位となる。同電位間を蓄電デバイス群の列方向へ並ぶ蓄電デバイス同士の電圧が均等化される。つまり、同電位間において、蓄電デバイスの個々の蓄電容量などのばらつきに原因する蓄電デバイスの端子電圧のばらつきが蓄電デバイス群の列方向へ並ぶ複数の蓄電デバイスによって平準化(均等化)されることになる。
【0024】
第4の発明においては、複数の蓄電デバイス群は、互いに並列接続され、各群同数の蓄電デバイスは、電極端子の接合によって直列接続される。各蓄電デバイスは、容器の一方向およびこれと略直交する方向へ並べられ、容器の一方向へ隣り合う蓄電デバイス間は、第1正極接合面と第1負極接合面との接合によって直列接続される。容器の一方向と略直交する方向へ隣り合う蓄電デバイス間は、第2正極端子同士または第2負極接合面同士の接合によって接続される。これにより、容器の一方向へ2個の蓄電デバイスが直列に接続されるもの(組)が、容器の一方向と直交する方向へ2列となる構成(最小単位回路)の直列接続となり、最小単位回路において、各組の両端電圧が平準化(均等化)されるので、充放電などに伴う蓄電デバイスの端子電圧のばらつきが小さく抑えられる。
【0025】
最小単位回路は、蓄電デバイス群数および各群の蓄電デバイス数が増えると、容器の一方向およびこれと略直交する方向へ隣り合う4つの最小単位回路の中に各最小単位回路の蓄電デバイスを1個ずつ共有する最小単位回路が出来るため、最小単位回路に働く電圧の均等化(平準化)が最小単位回路の範囲を超えて連鎖するようになる。この連鎖がモジュール全体に及べば、蓄電セル個々の端子電圧を均等化(平準化)することも可能となる。
【0026】
第1正極接合面と第1負極接合面との接合、第2正極端子同士の接合、第2負極接合面同士の接合、については、溶接に拠る場合、金属板(電極端子を形成する)の2枚重ねの溶接となるので、溶接に伴う蓄電要素への伝熱との関係から、電極端子の外部へ引き出される部分に要求される余分長を大きく取られずに済む。また、2枚重ねの溶接のため、良好な安定した溶接部が得やすくなる。また、電極端子の外部へ引き出される部分の余分長を大きく取らずに済み、蓄電デバイス間の直列接続にバスバーも要らないので、各群同数の蓄電デバイスを繋ぐ直列経路の短縮が可能となり、充放電時の電力ロス(発熱損)を大幅に低減することができる。
【0027】
第5の発明においては、各蓄電デバイスは、容器の2面が相対する一方向へ並べると、その方向へ隣り合う蓄電デバイス間の、一方の第1正極接合面と、他方の第1負極接合面と、が容器同士の隣接面を境として鏡面対称となり、容器の一方向へ相対する2面と略直交する方向へ並べると、その方向へ隣り合う蓄電デバイス間の、第2正極接合面同士または第2負極接合面同士が容器同士の隣接面を境として鏡面対称となるため、蓄電デバイスを一方向およびこれと略直交する方向へ並べるのみで一方向へ異極同士の接合面およびこれと略直交する方向へ同極同士の接合面がそれぞれ重なり合うようになり、これら各接合面間を簡単に効率よく溶接することができる。
【0028】
第6の発明においては、導電部材により、蓄電デバイス群の列方向の両サイド間においても、隣り合う4つの最小単位回路の中に各最小単位回路の蓄電デバイスを1個ずつ共有する最小単位回路が出来るようになり、最小単位回路に働く電圧の均等化(平準化)の、最小単位回路の範囲を超える連鎖がさらに促進される。
【0029】
第7の発明においては、所要数の蓄電デバイスから構成される蓄電モジュールを想定すると、第4の発明と同一の作用効果が得られる。また、電極端子の容器から外部へ引き出される部分の長さ(蓄電デバイスの高さ寸法)が短くなるので、蓄電デバイスの占有体積が小さくなり、単位体積あたりの蓄電容量も大きくなる。
【0030】
第8の発明においては、所要数の蓄電デバイスから構成される蓄電モジュールを想定すると、第5の発明と同一の作用効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】この発明の第1実施形態に係る蓄電デバイスの外観斜視図である。
【図2】同じく蓄電デバイスの断面図である。
【図3】同じく蓄電モジュールの外観斜視図である。
【図4】同じく蓄電モジュールの構成を説明するものであり、(a)は平面図であり、(b)は側面図であり、(c)はx−x断面図である。
【図5】同じく蓄電モジュールの回路構成図である。
【図6】この発明の第2実施形態に係る蓄電デバイスの外観斜視図である。
【図7】同じく蓄電デバイスの構成説明図である。
【図8】同じく蓄電モジュールの外観斜視図である。
【図9】同じく蓄電モジュールの回路構成図である。
【図10】同じく第2実施形態に係る変形例を示す蓄電モジュールの外観斜視図である。
【図11】同じく蓄電モジュールの回路構成図である。
【図12】同じく別の変形例を示す蓄電モジュールの外観斜視図である。
【図13】同じく別の変形例を示す蓄電モジュールの外観斜視図である。
【図14】同じく蓄電モジュールの回路構成図である。
【図15】同じく別の変形例を示す蓄電モジュールの外観斜視図である。
【図16】同じく蓄電モジュールの回路構成図である。
【図17】同じく別の変形例を示す蓄電モジュールの外観斜視図である。
【図18】同じく別の変形例を示す蓄電モジュールの外観斜視図である。
【図19】従来例を示す蓄電デバイスの外観斜視図である。
【図20】同じく蓄電モジュールの外観斜視図である。
【図21】同じく蓄電モジュールの構成を説明するものであり、(a)は平面図であり、(b)は側面図であり、(c)はx−x断面図である。
【図22】同じく蓄電モジュールの回路構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図に基づいて、この発明に基づく実施形態を説明する。なお、図の随所に前後と上下と左右との3方向を規定する3次元矢印を添えておく。
【0033】
図1〜図5は、第1実施形態を示すものである。図1,図2において、蓄電デバイス10は、電気二重層キャパシタである。電気二重層キャパシタ10は、電荷を蓄える蓄電要素11と、蓄電要素11を収容する容器12と、蓄電要素の電荷の出し入れを行う1対の電極端子13と、を備える。
【0034】
蓄電要素11は、正極体と負極体とこれらの間に介在するセパレータとから角形の積層体に構成される。正極体および負極体は、電荷を蓄える電極層(分極性電極)と、電荷の出し入れを行う集電層(集電極)とからなり、集電層の同極同士のリード14が結束され、その結束部に極性の対応する電極端子13が接続される。
【0035】
容器12は、蓄電要素11の外形に合わせて角形(直方体)に形成され、その内部に蓄電要素11を電解液と共に収容する室が設けられる。1対の電極端子13として、容器12の互いに相対する2面の一方と略面一に連なる正極接合面Xをもつ端子13a(正極端子)と、同じく2面の他方と略面一に連なる負極接合面Yをもつ端子13b(負極端子)と、が備えられる。
【0036】
各電極端子13は、金属板から短尺状に形成され、容器12の内部(室)に位置する一端部に集電層の同極同士のリード14の結束部が溶接などによって接合され、容器12の外部に突き出る他端側が接合面X,Yを構成するのである。
【0037】
容器12の互いに相対する2面については、この場合、容器12が直方体のため、前面1と後面4(図2、参照)との2面、左面と右面3との2面、上面2と下面との2面、となるが、電極端子13が上方へ突き出るので、上面2と下面との2面を除く、前面1と後面4との2面、左面と右面3との2面、の何れかに選定される。
【0038】
この例においては、後述の蓄電モジュールM-1における蓄電デバイス10の配列方向との関係から前面1と後面4との2面が選定され、負極端子13bは、容器12の前面1の一辺(上辺)の左面側へ寄る位置から容器12の上方へストレートに引き出され、容器12の前面1と略面一の負極接合面Yを形成する一方、正極端子13aは、容器12の後面4の一辺(上辺)の右面3側へ寄る位置から容器12の上方へストレートに引き出され、容器12の後面と略面一の正極接合面Xを形成する。
【0039】
容器12は、この場合、枠体6と1対の膜体7とから構成される。枠体6は、樹脂(熱溶着性および電気絶縁性もつ)から角形の蓄電要素の外形に合わせて四角形に形成される。枠体6は、上辺部と下辺部と右辺部と左辺部とからなり、これらに囲まれる空間が前後に開口される。膜体7は、ラミネートフィルムから枠体の前後面と略同形同大のシート状に形成される。ラミネートフィルムは、複数の樹脂層と金属の中間層とから積層構造のものが用いられ、枠体6の開口に面する側の表層が熱溶着性もつ電気絶縁材質の樹脂から形成される。
【0040】
電極端子13は、枠体6の内側に突き出る一端部と、枠体6の外側に突き出る他端部と、枠体6の一辺部に接着される中間部と、からなり、ヒートシール処理により、枠体6と膜体7との間(熱溶着樹脂中)に中間部を介して組み付けられる。
【0041】
ヒートシール処理においては、枠体6の一辺部、この場合、上辺部の前面1に一方の電極端子13の中間部が重ねられ、その上に膜体7が被せられ、ヒートシーラにより、枠体6の前面1側から膜体7の周囲(周縁部)が加圧と共に加熱される。また、上辺部の後面4に他方の電極端子13の中間部が重ねられ、その上に膜体7が被せられ、ヒートシーラにより、枠体の後面4側から膜体7の周囲(周縁部)が加圧と共に加熱される。
【0042】
ヒートシーラによる加熱および加圧を受けて膜板7の熱溶着性樹脂および枠体6の熱溶着性樹脂が溶融し、放熱後に凝固する樹脂によって膜体7と枠体6との間が隙間なく封止される。また、各端子13の中間部も凝固した樹脂に包み込まれ、その周囲が隙間なく封止される。電解液の注入については、ヒートシール処理において、未処理(非熱溶着)部分が残され、電解液はその未処理部分から容器の内部へ充填される。未処理部分は、電解液の注入後にヒートシール処理によって封止される。
【0043】
このような工程により、容器12の互いに相対する2面の一方と略面一の正極接合面Xをもつ端子13aと、同じく他方の略面一の負極接合面Yをもつ端子13bと、を備える電気二重層キャパシタ10(蓄電デバイス)を簡単かつ容易に効率よく製造することができる。電気二重層キャパシタ10は、容器12の内圧を所定レベル以下に抑えるガス抜きバルブ(図示せず)が備えられる。
【0044】
図3〜図5は、蓄電モジュールM-1を示すものであり、所要数の蓄電デバイス10(蓄電セル)から組み立てられる。所要数の蓄電セル10は、複数の蓄電デバイス群20に分けられる。各群20の蓄電デバイス数は、同数とする。
【0045】
各群同数の蓄電セル10は、容器12の前後方向(容器12の前面1と後面4との相対方向)へ並べられ、隣り合う蓄電セル間が互いに異極同士の電極端子13を接合することによって直列接続される。隣り合う蓄電セル間において、一方の蓄電セル10の正極接合面Xと、他方の蓄電セル10の負極接合面Yと、は容器同士の隣接面を境として鏡面対称に配置される。
【0046】
この場合、蓄電セル10は、負極端子13bが前面1の一辺(上辺)の左面側へ寄る位置から容器12の上方へストレートに引き出され、正極端子13aが容器12の後面4の一辺(上辺)の右面3側へ寄る位置から容器13の上方へストレートに引き出されるため、電極端子13の配置が異なる2種類のものA,Bが用いられる。
【0047】
蓄電デバイスAの電極端子13は、図1と同一に配置される。蓄電デバイスBの電極端子は、正極端子13aが、前面1の一辺(上辺)の右面3側へ寄る位置から容器12の上方へストレートに引き出され、容器12の前面1と略面一の正極接合面Xを形成する一方、負極端子13bが、容器12の後面の一辺(上辺)の左面側へ寄る位置から容器12の上方へストレートに引き出され、容器12の後面と略面一の負極接合面Yを形成する。
【0048】
各群20の蓄電セル10は、容器12の前後方向へA-B-A-B-A-Bに並べられる。A-B間において、Aの正極接合面Xと、Bの負極接合面Yと、が容器同士の隣接面(Aの容器12の後面4とBの容器12の前面1との重なり合う面)を境として鏡面対称となり、これらが溶接によって接合される。B-A間において、Bの正極接合面Xと、Aの負極接合面Yと、容器同士の隣接面(Bの容器12の後面4とAの容器12の前面1が重なり合う面)を境として鏡面対称となり、これらが溶接によって接合される。
【0049】
複数の蓄電デバイス群20は、容器12の前後方向と直交する方向(容器12の右面3と左面との相対方向)へ並べられる。各群20の列の両端に位置する蓄電セル10の電極端子13の同極同士がバスバー21を介して接続される。バスバー21が蓄電モジュールM-1の外部端子となる場合、これらバスバー21に外部の充放電回路(図示せず)が接続される。つまり、複数の蓄電デバイス群20は、外部の充放電回路に対し、互いに並列接続される関係になる。充放電回路は、M-1から負荷への電力の供給経路および充電源からM-1への電力の供給経路を構成するものである。
【0050】
蓄電モジュールM-1は、蓄電デバイス群同士の、蓄電セル間の同一位置を接続する導電部材22が備えられる。導電部材22は、蓄電デバイス群間を容器12の左右方向(容器12の左面と右面3との相対方向)へ延ばされ、図示の場合(M-1が2列の蓄電デバイス群20から構成される)、導電部材22の両端は、各A-B間の接合部および各B-A間の接合部にリベット23によって結合(接続)される。
【0051】
M-1において、複数の蓄電デバイス群20は、外部の充放電回路に対して並列接続され、各群同数の蓄電デバイス10は、電極端子13の接合によって直列接続される。各蓄電セル10は、容器12の一方向へ相対する2面の一方と略面一の正極接合面Xを持つ端子13aと、同じく2面の他方と略面一の負極接合面Yを持つ端子13bと、を備えるので、容器12の一方向へ並べると、その方向へ隣り合う蓄電セル10の電極端子13の、一方の正極接合面Xと、他方の負極接合面Yと、が容器同士の隣接面を境として鏡面対称となるため、蓄電デバイス10を一方向へ並べるのみで異極同士の接合面X,Yが重なり合うようになり、これら接合面間を簡単に効率よく接合することができる。
【0052】
これら接合は、溶接(例えば、スポット溶接)に拠る場合、金属板(電極端子13を形成する)の2枚重ねの溶接となり、バスバー21と電極端子13との接合についても、2枚重ねの溶接となるため、3枚ずつの溶接となる従来の場合に較べると、溶接に伴う蓄電デバイス10の蓄電要素11への伝熱との関係から、電極端子13の外部へ引き出される部分に要求される余分長を大きく取られずに済む。また、2枚重ねの溶接により、良好な安定した溶接部が得やすくなる。また、電極端子13の外部へ引き出される部分に要求される余分長を大きく取られずに済み、蓄電セル間を直列接続するバスバー(図20,図21の114)も要らないため、各群同数の蓄電セル10を繋ぐ直列経路が効率よく短縮され、充放電時の電力ロス(発熱損)を大幅に低減することができる。
【0053】
図5は、蓄電モジュールM-1の回路構成を示すものである。図5において、R’は蓄電デバイス10の電極端子13の抵抗であり、REはバスバー21の抵抗であり、RFは導電部材22の抵抗であり、複数の蓄電デバイス群20の、蓄電デバイス間が導電部材22を介して同電位となる。この例においては、各群20のA-B間の接合部同士およびB-A間の接合部同士が導電部材22を介して接続されるため、群20の列方向へ並ぶA−A間の端子電圧のばらつきおよびB−B間の端子電圧のばらつきが平準化(均等化)される。蓄電デバイス10は、蓄電容量などに多少のばらつきがあり、充放電に伴って蓄電セル10の端子電圧にばらつきが生じるようになるが、群20の列方向(容器12の左右方向)へ並ぶA−A間の端子電圧のばらつきおよびB−B間の端子電圧のばらつきが平準化(均等化)されるので、充放電などに伴う蓄電セル10の端子電圧のばらつきが小さく抑えられるのである。その結果、蓄電デバイス10の蓄電容量などのばらつきを考慮して蓄電モジュールM-1の満充電時の電圧(制限電圧)を低める割合が小さく見込めるため、M-1の制限電圧を高めに設定することが可能となる。
【0054】
導電部材22は、両端の接続点に電位差が生じると、電位の高い方から低い方へ電流が流れるが、両端の接続点の電位が同一であれば、電流は流れることがなく、両端の電位差によって流れる電流も極く小さいため、RFを入れずに蓄電デバイスの内部抵抗RXを除く合成抵抗R1を計算すると、R1=6・R’+(RE/2)となる。
【0055】
図22に示す従来の蓄電モジュールM-0の回路構成においては、合成抵抗R0は、蓄電デバイス100の正極端子113aの抵抗RAと負極端子113bの抵抗RBが同一(RA=RB)として計算すると、R0=6・RA+4・RC+4RD+REとなる。
【0056】
本願の合成抵抗R1を従来の合成抵抗R0と比較すると、本願の電極端子の抵抗R’は、従来の電極端子113の抵抗よりも小さく、かつ、従来のバスバー114〜116の抵抗(4・RC+4RD)が不要となる。また、本願のバスバーの抵抗REは、バスバー21が電極端子13の同極同士を接続(連結)する構成のため、抵抗REは1/2となるのに対し、従来のバスバー117の抵抗REは、異極同士のバスバ115ーを連結(接続)する構成のため、抵抗REは1/2とならない。これらの結果、本願の合成抵抗R1は、従来の合成抵抗R0よりも、大幅に低減できることになる。
【0057】
蓄電デバイス10が出力密度の高い電気二重層キャパシタにおいては、合成抵抗R1の大幅な低減により、充放電に伴う電力ロスおよび充放電に伴う発熱量の低減にもたらす効果が大きい。
【0058】
従来の蓄電デバイス100の場合、電極端子113の容器112から突き出る部分は、容器112の上面中央から略垂直に突き出る部分の長さ、容器の前後方向と略平行に延びる部分の長さ、電極端子間の接合面を形成する部分の長さ、の和になるのに対し、本願の蓄電デバイス10の場合、電極端子13の容器12から突き出る部分は、概ね電極端子13の接合面X,Yを形成する部分の長さのみで済むため、蓄電デバイスおよび蓄電モジュールの高さ寸法についても、従来の場合、H(図21、参照)なのに対し、本願の場合、H’(図4、参照)と低められる。そのため、本願の場合、蓄電デバイス10の占有体積が小さくなり、従来と較べると、蓄電モジュールM-1の単位体積あたりの蓄電容量も向上する。
【0059】
導電部材22については、抵抗の許容範囲において、配線が簡便な、小径断面の電線が使用されるが、もちろん、抵抗が小さいバスバーを用いてもよい。
【0060】
図1〜図5においては、蓄電デバイス10として電極端子13の配置が異なる2種類のものが用いられるが、1対の電極端子13の接合面(正極接合面Xと負極接合面Y)が容器12の左右方向の中央において、容器12の前後方向へ対向する配置に設定すると、1種類の蓄電デバイスから、図3〜図5と同一容量の蓄電モジュールを構成することが可能となる。
【0061】
図6〜図18は、第2実施形態を示すものである。図6,図7において、蓄電デバイス50は、電気二重層キャパシタである。電気二重層キャパシタは、電荷を蓄える蓄電要素51と、蓄電要素51を収容する容器52と、蓄電要素51の電荷の出し入れを行う1対の電極端子53と、を備える。
【0062】
蓄電要素51は、正極体と負極体とこれらの間に介在するセパレータとから角形の積層体に構成される。正極体および負極体は、電荷を蓄える電極層(分極性電極)と、電荷の出し入れを行う集電層(集電極)とからなり、集電層の同極同士のリードが結束され、その結束部に極性の対応する電極端子53が接続される。
【0063】
容器52は、蓄電要素52の外形に合わせて角形(直方体)に形成され、その内部に蓄電要素52を電解液と共に収容する室が設けられる。1対の電極端子53として、容器12の互いに相対する2面の一方と略面一に連なる第1正極接合面X-1をもつ端子(正極端子53a)と、同じく2面の他方と略面一に連なる第1負極接合面Y-1をもつ端子(負極端子53b)と、が備えられる。
【0064】
各端子53は、金属板から形成され、容器52の内部(室)に位置する一端部に集電層の同極同士のリードの結束部が溶接などによって接合され、容器52の外部に突き出る他端側が第1接正極合面X-1または第1負極正極面Y-1を構成するのである。
【0065】
容器52の一方向へ相対する2面と略直交する方向へ相対する2面の一方と略面一の第2正極接合面X-2が端子53aの外部へ突き出る他端側に設けられ、負極端子53bに同じく2面と略直交する方向へ相対する2面の他方と略面一の第2負極接合面Y-2が端子53bの外部へ突き出る他端側に設けられる。
【0066】
容器52の互いに相対する2面およびこれと略直交する方向へ相対する2面については、この場合、容器52が直方体のため、前面1と後面との2面が一方向へ相対する2面となり、左面と右面3との2面が一方向と略直交する2面となる。
【0067】
この例においては、負極端子53bは容器52の前面1の一辺(上辺)の左面側の端部から容器52の上方へ突出され、容器52の前面1と略面一の第1負極接合面Y-1を形成する一方、正極端子53aは、容器52の後面の一辺(上辺)の右面3側の端部から容器52の上方へ突出され、容器52の後面と略面一の第1正極接合面X-1を形成する。負極端子53bの一部が容器52の左面の一辺(上辺)の前面1側の端部から容器52の上方へ突出され、容器52の左面と略面一の第2負極接合面Y-2を形成する一方、正極端子53aの一部が右面3の一辺(上辺)の後面側の端部から容器52の上方へ突出され、容器52の右面3と略面一の第2負極接合面X-2を形成する。
【0068】
容器52は、角形の蓄電要素51の外形に合わせて形成される箱部57と、箱部57の開口する上面を封止する蓋部58と、からなり、これらは樹脂(熱溶着性および電気絶縁性もつ)から成形される。
【0069】
電極端子53は、蓋部58の内面から突き出る一端部と、蓋部58の外面から突き出る他端部と、蓋部58に埋設される中間部と、からなり、蓋部58と共にインサート成形される。各端子53の蓋部58の内面から突き出る一端部に蓄電要素51の同極同士のリード59の結束部が溶接などによって接合され、蓋部58が蓄電要素51を箱部57の上面(開口)からその内側へ納めて箱部58の開口(上面)部に嵌め付けられ、蓋部58と箱部57との嵌合部がヒートシール処理により熱溶着されるのである。
【0070】
ヒートシーラによる加熱および加圧を受けて箱部57の熱溶着性樹脂および蓋部58の熱溶着性樹脂が溶融し、放熱後に凝固する樹脂によって箱部57と蓋部58との嵌合部が隙間なく封止される。容器52に電解液の注入口が予め形成され、注入口は、電解液の注入後にシール材などによって封止される。
【0071】
このような工程により、1対の電極端子として、第1正極接合面X-1および第2正極接合面X-2を持つ端子52bと、第1負極接合面Y-1および第2負極接合面Y-2を持つ端子53bと、を備える電気二重層キャパシタ50(蓄電デバイス)を簡単かつ容易に効率よく製造することができる。電気二重層キャパシタ50は、容器の内圧を所定レベル以下に抑えるガス抜きバルブ(図示せず)が備えられる。
【0072】
図8,図9は、蓄電モジュールM-2を示すものであり、所要数の蓄電デバイス50(蓄電セル)から組み立てられる。所要数の蓄電セル50は、複数の蓄電デバイス群60に分けられる。各群60の蓄電セル数は、同数とする。
【0073】
所要数の蓄電セル50は、容器52の2面が相対する一方向(容器52の前面1と後面との相対方向)およびこれと略直交する方向(容器52の左面と右面3との相対方向)へ並べられ、容器52の前後方向へ隣り合う蓄電セル間は、第1正極接合面X-1と第1負極接合面Y-1との接合によって直列接続される。容器52の左右方向へ隣り合う蓄電セル間は、第2正極端子X-2同士または第2負極接合面Y-2同士の接合によって接続される。
【0074】
容器52の一方向(前後方向)へ隣り合う蓄電セル間において、一方の蓄電デバイス50の第1正極接合面X-1と、他方の蓄電デバイス50の第1負極接合面Y-1と、の異極同士の接合面は、容器同士の隣接面(後面と前面1との重なり合う面または前面1と後面との重なり合う面)を境として鏡面対称に配置される。容器52の前後方向と略直交する方向(容器の左右方向)へ隣り合う蓄電デバイス間において、一方の蓄電デバイス50の第2正極接合面X-2または第2負極接合面Y-2と、他方の蓄電デバイス50の第2正極接合面X-2または第2負極接合面Y-2と、の同極同士の接合面は、容器同士の隣接面(左面と右面3との重なり合う面または右面3と左面との重なり合う面)を境として鏡面対称に配置される。
【0075】
この場合、蓄電デバイス50は、負極端子53bと正極端子53aが容器52の上面(四角形)の互いに向かい合う角部(対角部)に配置されるため、電極端子53の配置が異なる2種類のものが用いられる。蓄電デバイスAの電極端子は、図6,図7と同一に配置される。蓄電デバイスBの電極端子53は、蓄電デバイスAの電極端子53と異なる対角部に配置される。これら蓄電セル50は、容器52の前後方向および左右方向へそれぞれ交互に並べられる。
【0076】
この例においては、2列の蓄電デバイス群60の右側は、蓄電セル50が容器52の前後方向へA-B-A-B-A-Bに並べられ、2列の蓄電デバイス群の左側は、蓄電セル50が容器52の前後方向へB-A-B-A-B-Aに並べられる。
【0077】
容器52の前後方向へ隣り合うA-B間において、Aの第1正極接合面X-1と、Bの第1負極接合面Y-1と、が容器同士の隣接面(Aの容器52の後面とBの容器52の前面との重なり合う面)を境として鏡面対称となり、これらが溶接によって接合される。容器52の前後方向へ隣り合うB-A間において、Bの第1正極接合面X-1と、Aの第1負極接合面Y-1と、が容器同士の隣接面(Bの容器52の後面とAの容器52の前面が重なり合う面)を境として鏡面対称となり、これらが溶接によって接合される。
【0078】
容器52の左右方向へ隣り合うA-B間において、Aの第2負極接合面Y-2と、Bの第2負極接合面Y-2と、が容器同士の隣接面(Aの容器の左面とBの容器の右面3との重なり合う面)を境として鏡面対称となり、これらが溶接によって接合される。容器52の左右方向へ隣り合うB-A間において、Bの第2正極接合面X-2と、Aの第2正極接合面X-2と、が容器同士の隣接面(Bの容器の左面とAの容器の右面3が重なり合う面)を境として鏡面対称となり、これらが溶接によって接合される。
【0079】
容器52の前後方向へ並ぶ蓄電セル50の列の最前部を左右方向へ並ぶA-B間は、電極端子53の第2負極接合面Y-2同士の接合となり、容器52の前後方向へ並ぶ蓄電セル50の列の最後部を左右方向へ並ぶB-A間は、電極端子53の第2正極接合面X-2同士の接合となる。これら同極同士の接合部が蓄電モジュールM-2の外部端子となる場合、これら同極同士の接合部に外部の充放電回路(図示せず)が接続される つまり、複数の蓄電デバイス群60は、外部の充放電回路に対し、互いに並列接続される関係になる。
【0080】
蓄電モジュールM-2において、容器52の前後方向へ蓄電デバイス50を並べると、その方向へ隣り合う蓄電デバイス間の、一方の第1正極接合面X-1と、他方の第1負極接合面Y-1と、が容器同士の隣接面を境として鏡面対称となり、容器52の左右方向へ蓄電デバイス50を並べると、その方向へ隣り合う蓄電デバイス間の、第2負極接合面Y-2同士または第1正極接合面X-2同士と、が容器同士の隣接面を境として鏡面対称となるため、蓄電デバイス50を前後左右へ並べるのみで容器52の前後方向へ異極同士の接合面および容器52の左右方向へ同極同士の接合面が重なり合うようになる。
【0081】
これら接合は、溶接(例えば、スポット溶接)に拠ると、金属板(電極端子53を形成する)の2枚重ねの溶接となるため、3枚ずつの溶接となる従来の場合に較べると、溶接に伴う蓄電セル50の蓄電要素51への伝熱との関係から、電極端子53の外部へ引き出される部分に要求される余分長を大きく取られずに済む。また、2枚重ねの溶接により、良好な安定した溶接部が得やすくなる。また、電極端子53の外部へ引き出される部分に要求される余分長を大きく取られずに済み、蓄電デバイス間および蓄電デバイス群間の接続にバスバーが要らないため、所要数の蓄電セルを繋ぐ直列経路(充放電時の通電経路)が効率よく短縮され、充放電時の電力ロス(発熱損)を大幅に低減することができる。
【0082】
図9において、R’は蓄電セルの電極端子の抵抗であり、各a点,各b点は、電極端子53の第2正極接合面X-2同士または第2負極接合面Y-2同士の接合により、電極端子53間が同電位に保たれる。各c点は、電極端子53の第1正極接合面X-1と第1負極接合面Y-1との異極同士の接合のみとなる。従って、容器52の前後方向へ2個の蓄電セル50が直列に接続されるもの(組)が、容器52の左右方向へ2組並列に接続される構成(最小単位回路)となり、この場合、最小単位回路S(図中の円形内の構成)が容器52の前後方向へ3つ直列に接続される。
【0083】
最小単位回路間においても、正極端子同士の連接面(Aの第1正極接合面とBの第1正極接合面との連続する接合面)と、負極端子同士の連接面(Aの第1負極接合面とBの第1負極接合面との連続する接合面)と、が前後方向へ隣り合う容器同士の隣接面を境として鏡面対称となる。
【0084】
各最小単位回路Sにおいては、A-Bの直列経路(小楕円で括られる)の両端電圧と、B-Aの直列経路(小楕円で括られる)の両端電圧と、が平準化(均等化)されるので、充放電などに伴う蓄電デバイスの端子電圧のばらつきが小さく抑えられるのである。
【0085】
第2正極接合面同士または第2負極接合面同士の接合部は、A-Bの直列経路の両端電圧とB-Aの直列経路の両端電圧との間に電位差が生じると、電位の高い方から低い方へ電流が流れるが、両者の電位が同一であれば、電流は流れることがなく、両者の電位差によって流れる電流も極く小さいため、電極端子53の第2正極接合面同士または第2負極接合面同士の接合部の抵抗を入れずに蓄電デバイスの内部抵抗RXを除く合成抵抗R2を計算すると、R2=6・R’となる。
【0086】
本願の合成抵抗R1を従来の合成抵抗R0(図、参照)と比較すると、本願の電極端子53の抵抗R’は、従来の電極端子113の抵抗RAよりも小さく、かつ、従来のバスバーの抵抗(4・RC+4RD+RE)も不要となる。これらの結果、本願の合成抵抗R2は、従来の合成抵抗R0よりも格段に低減できることになる。蓄電デバイス50が出力密度の高い電気二重層キャパシタにおいては、合成抵抗R1の大幅な低減により、充放電に伴う電力ロスおよび充放電に伴う発熱量の低減にもたらす効果が大きい。
【0087】
最小単位回路Sにおいては、図10,図11に示すように、2個の蓄電セル50が直列接続されるA-B間と、2個の蓄電セル50が直列接続されるB-A間と、を接続する導電部材22を用いることが考えられる。導電部材22により、A−Bにおける電極端子53の異極同士の接合部と、B-Aにおける電極端子53の異極同士の接合部と、の間が同電位に保たれる。言い換えれば、図11の楕円の小円で括られるAとBとの端子電圧が平準化(均等化)されるため、図8,図9の場合に較べると、充放電などに伴う蓄電セルの端子電圧のばらつきが小さく抑えられるのである。
【0088】
図12〜図18は、第2実施形態の変形例を示すものであり、図12の蓄電モジュールM-3は、蓄電容量を高めるため、蓄電デバイス群が3列に構成される。図13の蓄電モジュールM-4は、さらに蓄電容量を高めるため、蓄電デバイス群が4列に構成される。
【0089】
蓄電モジュールM-3は、図8,図9の蓄電モジュールM-2(以下、単に標準モジュールRMと称す)に蓄電デバイス群60aが1列増やされる。蓄電デバイス群60aは、2種類の蓄電デバイス50(蓄電セル)が容器52の前後方向へA-B-A-B-A-Bに並べられ、標準モジュールRMの左面に蓄電デバイス群60a(追加の蓄電デバイス群)の右面が重なり合うように配置される。
【0090】
標準モジュールRMと蓄電デバイス群60aとの隣接面(標準モジュールRMの左面と蓄電デバイス群60aの右面との重なり合う面)においても、両者の電極端子53の接合面同士は、鏡面対称になるため、これらの間の接合も簡単に効率よく行える。
【0091】
図12において、71は蓄電デバイス群60aの前後方向の両端に位置する電極端子53と、標準モジュールRMの各蓄電デバイス群60の前後方向の両端に位置する電極端子53の同極同士の接合部と、の間をそれぞれ同極同士に接続するバスバーであり、これらの接合についても、2枚重ねの溶接で済むため、簡単に効率よく処理することができる。
【0092】
図13の蓄電モジュールM-4は、標準モジュールRMが2つ組み合わされる。標準モジュールRM-1の左面または右面に標準モジュールRM-2の右面または左面が重なり合うように配置され、標準モジュールRM同士の隣接面(図示の場合、標準モジュールRM-1の左面と標準モジュールRM-2の右面との重なり合う面)においても、両者の電極端子53の接合面同士が鏡面対称になる。72は各標準モジュールRMの前後方向の両端に位置する電極端子53の同極同士の接合部をそれぞれ接続するバスバーである。
【0093】
図14は、蓄電モジュールM-4の回路構成を示すものであり、R’は蓄電セル50の電極端子53の抵抗であり、RE’はバズバー72の抵抗である。
【0094】
各標準モジュールRMは、複数(この例においては、3つ)の最小単位回路S(図中の円形内の構成)を備えるが、RM-1とRM-2との接合により、RM-1の前後方向へ並ぶ2つ最小単位回路Sと、RM-2の前後方向へ並ぶ2つの最小単位回路Sと、の間にこれら最小単位回路Sの蓄電セル50を1個ずつ共有する最小単位回路Sが出来る。このため、最小単位回路Sに働く電圧の均等化(平準化)が最小単位回路Sの範囲を超えて連鎖するようになる。
【0095】
各最小単位回路Sにおいて、2個の蓄電セル50が直列接続される組同士の両端電圧が平準化(均等化)されるが、1個の蓄電セル50に注目すると、複数の最小単位回路Sに働く電圧の平準化(均等化)作用を受け、また、複数の最小単位回路Sに働く電圧の平準化作用に影響を与えるので、この連鎖がM-4全体に及べば、蓄電セル個々の端子電圧を均等化(平準化)することも可能となる。
【0096】
図15は、別の変形例を示すものである。蓄電モジュールM-5は、2つの標準モジュールRMから構成される。これら標準モジュールRM-1,RM-2は、設置面を半減させるため、上下2段に配置される。各標準モジュールRMは、各電極端子53の突出面を上向きに上下方向へ平行移動させる形に組み立てられ、上下2段の標準モジュールRMにおいて、右面に表れる電極端子53の異極同士の連接面(第2正極接合面X-2と第2負極接合面Y-2との連続面)A〜C同士が垂直方向へ延びるバスバー73aを介して接続され、左面に表れる電極端子53の異極同士の連接面D〜F(第2正極接合面X-2と第2負極接合面Y-2との連続面)同士が垂直方向へ延びるバスバー73bを介して接続される。
【0097】
各標準モジュールRMにおいて、前面に表れる電極端子53の同極同士の連接面(第1負極接合面Y-1と第1負極接合面Y-1との連続面)同士が垂直方向へ延びるバスバー74aを介して接続され、後面に表れる電極端子53の同極同士の連接面(第1正極接合面X-1と第1正極接合面X-1との連続面)同士が垂直方向へ延びるバスバー74bを介して接続され、これらのバズバー74a,74bにより、蓄電モジュールM-5の外部端子が形成される。
【0098】
図16は、蓄電モジュールM-5の回路構成を示すものであり、各標準モジュールRMは、複数(この例においては、3つ)の最小単位回路S(図中の円形内の構成)を備えるが、電極端子53の連接面A〜C同士および連接面D〜F同士をそれぞれ接続するバスバー73a,73bにより、RM-1の前後方向へ並ぶ2つ最小単位回路Sと、RM-2の前後方向へ並ぶ2つの最小単位回路Sと、の間にこれら最小単位回路Sの蓄電セル50を1個ずつ共有する最小単位回路SがM-5の両側に出来るため、最小単位回路Sの範囲を超えて連鎖する電圧の均等化(平準化)作用をM-5全体へ及ぼすことができる。
【0099】
なお、M-5を構成する蓄電セル個々の端子電圧53を均等化するため、導電部材(図10の22、参照)により、最小単位回路Sの蓄電セル間(A-B間とB-A間)同士を接続することも考えられる。
【0100】
図16において、R’は蓄電セル50の電極端子の抵抗であり、M-5の合成抵抗は、M-2(図20、参照)と較べると、蓄電デバイス群60の数が増える分、格段に小さくなる。
【0101】
バスバー73a、73bについては、各連接面A〜C同士、各連接面D〜F同士を同電位に接続するものであり、抵抗の許容範囲において、配線が簡便な、小径断面の電線(図の導電部材22)に置き換えることも可能となる。
【0102】
図17は、別の変形例を示すものであり、蓄電モジュールM-6は、2つの標準モジュールRMから構成される。これら標準モジュールRM-1,RM-2は、体積効率の向上(単位体積あたりの蓄電容量のアップ)を図るため、電極端子53の突出する面が向かい合わせに組み合わされる。
【0103】
RM-1の電極端子53の突出端面と、RM-2の電極端子53の突出端面と、はこれらの向かい合わせ面を境として鏡面対称に配置され、電極端子の連接面A〜C同士および連接面D〜F同士がバスバー74を介して接続される。75はM-6の前後の電極端子53の同極同士の連接面間を接合するバスバーであり、M-6の外部端子を形成する。
【0104】
蓄電モジュールM-6は、2つの標準モジュールRMが電極端子53の突出する面を向かい合わせに組み合わされるので、バスバー74,75も短くて済み、体積効率の向上が得られる。
【0105】
図15のバスバー73a、73bおよび図17のバスバー74については、各連接面A〜C同士、各連接面D〜F同士を同電位に接続するものであり、抵抗の許容範囲において、配線が簡便な、小径断面の電線(図の導電部材22)に置き換えることも可能となる。
【0106】
図13〜図17において、標準モジュールRMは、図8の蓄電モジュールM-2が使用されるが、図12の蓄電モジュールM-3を標準モジュールRM’として、図18のように上下2段の蓄電モジュールM-7を構成することも考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0107】
この発明に係る電極端子の配置構成および接続構成は、電気二重層キャパシタやリチウム電池に適用が限定されるものでなく、充放電が繰り返し可能な各種の蓄電デバイスへ広く適用可能となる。
【符号の説明】
【0108】
10,50 蓄電デバイス
13,53 電極端子
M-1〜M-7 蓄電モジュール
X 正極接合面
Y 負極接合面
X-1 第1正極接合面
Y-1 第1負極接合面
X-2 第2正極接合面
Y-2 第2負極接合面
22 導電部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所要数の蓄電デバイスから構成される蓄電モジュールにおいて、所要数の蓄電デバイスは、複数の蓄電デバイス群に分けられ、各群同数の蓄電デバイスが電極端子の接合によって直列接続され、複数の蓄電デバイス群が互いに並列接続され、各蓄電デバイスは、電荷を蓄える蓄電要素と、蓄電要素を収装する容器と、蓄電要素の正極側および負極側に接続される1対の電極端子と、を備え、前記容器の外形が一方向へ相対する2面を含む多角形に形成され、1対の電極端子として、前記容器の一方向へ相対する2面の一方と略面一の正極接合面を持つ正極端子と、同じく2面の他方と略面一の負極接合面を持つ負極端子と、を備える、ことを特徴とする蓄電モジュール。
【請求項2】
前記各群同数の蓄電デバイスは、前記容器の一方向へ並べられ、前記1対の電極端子は、前記容器の一方向へ隣り合う蓄電デバイスの一方の正極端子または負極端子の接合面と、他方の負極端子または正極端子の接合面と、の異極同士が前記容器同士の一方向へ隣接する面を境として鏡面対称に配置され、前記一方向へ並ぶ蓄電デバイスは、前記鏡面対称となる異極同士の接合面の接合によって接続される、ことを特徴とする請求項1に記載の蓄電モジュール。
【請求項3】
前記充放電回路に対して並列接続される複数の蓄電デバイス群の、蓄電デバイス間の同一位置を互いに接続する導電部材を備える、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の蓄電モジュール。
【請求項4】
所要数の蓄電デバイスから構成される蓄電モジュールにおいて、所要数の蓄電デバイスは、複数の蓄電デバイス群に分けられ、各群同数の蓄電デバイスが電極端子の接合によって直列接続され、複数の蓄電デバイス群が互いに並列接続され、各蓄電デバイスは、電荷を蓄える蓄電要素と、蓄電要素を収装する容器と、蓄電要素の正極側および負極側に接続される1対の電極端子と、を備え、前記容器の外形が一方向へ相対する2面と、前記一方向へ相対する2面と略直交する方向へ相対する2面と、を含む多角形に形成され、1対の電極端子として、前記容器の一方向へ相対する2面の一方と略面一の第1正極接合面を持つ正極端子と、同じく2面の他方と略面一の第1負極接合面を持つ負極端子と、が備えられ、前記正極端子に前記一方向へ相対する2面と略直交する方向へ相対する2面の一方と略面一の第2正極接合面、負極端子に同じく2面と略直交する方向へ相対する2面の他方と略面一の第2負極接合面、がそれぞれ形成される、ことを特徴とする蓄電モジュール。
【請求項5】
各群同数の蓄電デバイスは、前記容器の一方向へ並べられ、複数の蓄電デバイス群は、前記容器の一方向と略直交する方向へ並べられ、前記1対の電極端子は、前記容器の一方向へ隣り合う蓄電デバイスの一方の第1正極接合面または第1負極接合面と、他方の第1負極接合面または第1正極接合面と、の異極同士が前記容器同士の一方向へ隣接する面を境として鏡面対称に配置され、前記一方向へ並ぶ蓄電デバイスは、前記鏡面対称となる異極同士の接合面の接合によって接続され、前記容器の一方向と略直交する方向へ隣り合う蓄電デバイスの一方の第2正極接合面または第2負極接合面と、他方の第2負極接合面または第2正極接合面と、の同極同士が前記容器同士の一方向と略直交する方向へ隣接する面を境として鏡面対称に配置され、前記一方向と略直交する方向へ隣り合う蓄電デバイスは、前記鏡面対称となる同極同士の接合面の接合によって接続される、ことを特徴とする請求項4に記載の蓄電モジュール。
【請求項6】
前記複数の蓄電デバイス群が前記容器の一方向と略直交する方向へ並ぶ両サイドの蓄電デバイス群の、前記容器の一方向へ並ぶ蓄電デバイス間の異極同士の接合部を、相互に接続する導電部材を備える、ことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の蓄電モジュール。
【請求項7】
電荷を蓄える蓄電要素と、蓄電要素を収装する容器と、蓄電要素の正極側および負極側に接続される1対の電極端子と、を備える蓄電デバイスにおいて、前記容器の外形が一方向へ相対する2面と、前記一方向へ相対する2面と略直交する方向へ相対する2面と、を含む多角形に形成され、1対の電極端子として、前記容器の一方向へ相対する2面の一方と略面一の第1正極接合面を持つ正極端子と、同じく2面の他方と略面一の第1負極接合面を持つ負極端子と、が備えられ、前記正極端子に前記一方向へ相対する2面と略直交する方向へ相対する2面の一方と略面一の第2正極接合面、前記負極端子に同じく2面と略直交する方向へ相対する2面の他方と略面一の第2負極接合面、がそれぞれ形成されることを特徴とする蓄電デバイス。
【請求項8】
前記1対の電極端子は、複数の前記蓄電デバイスを前記容器の一方向へ並べると、前記容器の一方向へ隣り合う蓄電デバイスの、一方の第1正極接合面と、他方の第1負極接合面と、の異極同士が前記容器同士の一方向へ隣接する面を境として鏡面対称に配置され、複数の前記蓄電デバイスを前記容器の一方向と略直交する方向へ並べると、前記容器の一方向と略直交する方向へ隣り合う蓄電デバイスの、一方の第2正極接合面または第2負極接合面と、他方の負極端子または正極端子の接合面と、の同極同士が前記容器同士の一方向と略直交する方向へ隣接する面を境として鏡面対称に配置される、ことを特徴とする請求項7に記載の蓄電デバイス。
【請求項1】
所要数の蓄電デバイスから構成される蓄電モジュールにおいて、所要数の蓄電デバイスは、複数の蓄電デバイス群に分けられ、各群同数の蓄電デバイスが電極端子の接合によって直列接続され、複数の蓄電デバイス群が互いに並列接続され、各蓄電デバイスは、電荷を蓄える蓄電要素と、蓄電要素を収装する容器と、蓄電要素の正極側および負極側に接続される1対の電極端子と、を備え、前記容器の外形が一方向へ相対する2面を含む多角形に形成され、1対の電極端子として、前記容器の一方向へ相対する2面の一方と略面一の正極接合面を持つ正極端子と、同じく2面の他方と略面一の負極接合面を持つ負極端子と、を備える、ことを特徴とする蓄電モジュール。
【請求項2】
前記各群同数の蓄電デバイスは、前記容器の一方向へ並べられ、前記1対の電極端子は、前記容器の一方向へ隣り合う蓄電デバイスの一方の正極端子または負極端子の接合面と、他方の負極端子または正極端子の接合面と、の異極同士が前記容器同士の一方向へ隣接する面を境として鏡面対称に配置され、前記一方向へ並ぶ蓄電デバイスは、前記鏡面対称となる異極同士の接合面の接合によって接続される、ことを特徴とする請求項1に記載の蓄電モジュール。
【請求項3】
前記充放電回路に対して並列接続される複数の蓄電デバイス群の、蓄電デバイス間の同一位置を互いに接続する導電部材を備える、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の蓄電モジュール。
【請求項4】
所要数の蓄電デバイスから構成される蓄電モジュールにおいて、所要数の蓄電デバイスは、複数の蓄電デバイス群に分けられ、各群同数の蓄電デバイスが電極端子の接合によって直列接続され、複数の蓄電デバイス群が互いに並列接続され、各蓄電デバイスは、電荷を蓄える蓄電要素と、蓄電要素を収装する容器と、蓄電要素の正極側および負極側に接続される1対の電極端子と、を備え、前記容器の外形が一方向へ相対する2面と、前記一方向へ相対する2面と略直交する方向へ相対する2面と、を含む多角形に形成され、1対の電極端子として、前記容器の一方向へ相対する2面の一方と略面一の第1正極接合面を持つ正極端子と、同じく2面の他方と略面一の第1負極接合面を持つ負極端子と、が備えられ、前記正極端子に前記一方向へ相対する2面と略直交する方向へ相対する2面の一方と略面一の第2正極接合面、負極端子に同じく2面と略直交する方向へ相対する2面の他方と略面一の第2負極接合面、がそれぞれ形成される、ことを特徴とする蓄電モジュール。
【請求項5】
各群同数の蓄電デバイスは、前記容器の一方向へ並べられ、複数の蓄電デバイス群は、前記容器の一方向と略直交する方向へ並べられ、前記1対の電極端子は、前記容器の一方向へ隣り合う蓄電デバイスの一方の第1正極接合面または第1負極接合面と、他方の第1負極接合面または第1正極接合面と、の異極同士が前記容器同士の一方向へ隣接する面を境として鏡面対称に配置され、前記一方向へ並ぶ蓄電デバイスは、前記鏡面対称となる異極同士の接合面の接合によって接続され、前記容器の一方向と略直交する方向へ隣り合う蓄電デバイスの一方の第2正極接合面または第2負極接合面と、他方の第2負極接合面または第2正極接合面と、の同極同士が前記容器同士の一方向と略直交する方向へ隣接する面を境として鏡面対称に配置され、前記一方向と略直交する方向へ隣り合う蓄電デバイスは、前記鏡面対称となる同極同士の接合面の接合によって接続される、ことを特徴とする請求項4に記載の蓄電モジュール。
【請求項6】
前記複数の蓄電デバイス群が前記容器の一方向と略直交する方向へ並ぶ両サイドの蓄電デバイス群の、前記容器の一方向へ並ぶ蓄電デバイス間の異極同士の接合部を、相互に接続する導電部材を備える、ことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の蓄電モジュール。
【請求項7】
電荷を蓄える蓄電要素と、蓄電要素を収装する容器と、蓄電要素の正極側および負極側に接続される1対の電極端子と、を備える蓄電デバイスにおいて、前記容器の外形が一方向へ相対する2面と、前記一方向へ相対する2面と略直交する方向へ相対する2面と、を含む多角形に形成され、1対の電極端子として、前記容器の一方向へ相対する2面の一方と略面一の第1正極接合面を持つ正極端子と、同じく2面の他方と略面一の第1負極接合面を持つ負極端子と、が備えられ、前記正極端子に前記一方向へ相対する2面と略直交する方向へ相対する2面の一方と略面一の第2正極接合面、前記負極端子に同じく2面と略直交する方向へ相対する2面の他方と略面一の第2負極接合面、がそれぞれ形成されることを特徴とする蓄電デバイス。
【請求項8】
前記1対の電極端子は、複数の前記蓄電デバイスを前記容器の一方向へ並べると、前記容器の一方向へ隣り合う蓄電デバイスの、一方の第1正極接合面と、他方の第1負極接合面と、の異極同士が前記容器同士の一方向へ隣接する面を境として鏡面対称に配置され、複数の前記蓄電デバイスを前記容器の一方向と略直交する方向へ並べると、前記容器の一方向と略直交する方向へ隣り合う蓄電デバイスの、一方の第2正極接合面または第2負極接合面と、他方の負極端子または正極端子の接合面と、の同極同士が前記容器同士の一方向と略直交する方向へ隣接する面を境として鏡面対称に配置される、ことを特徴とする請求項7に記載の蓄電デバイス。
【図2】
【図7】
【図1】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図7】
【図1】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2011−129675(P2011−129675A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−286165(P2009−286165)
【出願日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【出願人】(000003908)UDトラックス株式会社 (1,028)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【出願人】(000003908)UDトラックス株式会社 (1,028)
【Fターム(参考)】
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