説明

蛍光内視鏡装置

【課題】蛍光画像におけるノイズ量を低減しながら蛍光画像における像ブレの発生を防止する。
【解決手段】被写体Aに対し、励起光および照明光を照射する照明部3と、照明部3からの励起光の照射により被写体Aにおいて発生した蛍光を撮影し蛍光画像を取得する蛍光撮像部18と、取得された蛍光画像を記憶する記憶部と、照明部3からの照明光の照射により被写体Aから戻る戻り光を撮影し戻り光画像を取得する戻り光撮像部18と、取得された戻り光画像から、被写体Aに照射された照明光の強度を表す画像情報を抽出する画像情報抽出部と、抽出された画像情報に基づいて照明光の強度が高いほど少なく積算枚数を設定する積算枚数設定部と、設定された積算枚数分だけ記憶部に記憶されている蛍光画像を平均して平均画像を生成する平均画像生成部とを備える蛍光内視鏡装置1を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蛍光内視鏡装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、蛍光物質励起用の波長帯域と通常観察用の波長帯域の光が回転フィルタによって切り替えられながら照射されることにより、観察対象の蛍光画像と反射光画像とを取得し、双方の画像を適当な明るさで観察する蛍光内視鏡装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この蛍光内視鏡装置は、蛍光観察か否かに応じて液晶の絞りおよび露光時間を変更し、CCDにより撮像され信号変換された画像データに予め設定された係数をかけ、これをフレームメモリに格納されている1フレーム前までの累積画像データに加算し、フレームメモリに格納するとともに出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−261974号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の蛍光内視鏡装置は、取得された画像データを過去の積算画像データに常に足し合わせるため、像ブレを十分に防止することができないという不都合がある。すなわち、明るい蛍光画像が得られた場合には、それが加算されて取得された画像データに明るい蛍光画像の影響が大きく残るので、被写体が移動していると像ブレが生じ、鮮明な蛍光画像を得ることができなかった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、蛍光画像におけるノイズ量を低減しながら蛍光画像における像ブレの発生を防止することができる蛍光内視鏡装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、被写体に対し、励起光および照明光を照射する照明部と、該照明部からの励起光の照射により前記被写体において発生した蛍光を撮影し蛍光画像を取得する蛍光撮像部と、該蛍光撮像部により取得された蛍光画像を記憶する記憶部と、前記照明部からの照明光の照射により前記被写体から戻る戻り光を撮影し戻り光画像を取得する戻り光撮像部と、該戻り光撮像部により取得された戻り光画像から、被写体に照射された照明光の強度を表す画像情報を抽出する画像情報抽出部と、該画像情報抽出部により抽出された画像情報に基づいて照明光の強度が高いほど少なく積算枚数を設定する積算枚数設定部と、該積算枚数設定部により設定された積算枚数分だけ前記記憶部に記憶されている蛍光画像を平均して平均画像を生成する平均画像生成部とを備える蛍光内視鏡装置を提供する。
【0007】
本発明によれば、照明部から発せられた励起光が被写体に照射されると、被写体内に含まれる蛍光物質が励起されて発生した蛍光が蛍光撮像部によって撮影され、蛍光画像が取得される。そして、取得された蛍光画像は順次記憶部により記憶される。
また、照明部から発せられた照明光が被写体に照射されると、被写体から戻る戻り光が戻り光撮像部によって撮影され、戻り光画像が取得される。そして、取得された戻り光画像から被写体に照射された照明光の強度を表す画像情報が画像情報抽出部により抽出される。
【0008】
同一の照明部から励起光および照明光を同一の被写体に照射するので、被写体に照射される照明光の強度と励起光の強度とは対応している。つまり、被写体に照射される照明光の強度が高いと励起光の強度も強く、照明光の強度が低いと励起光の強度も弱い。そこで、画像情報抽出部により戻り光画像から被写体に照射された照明光の強度を表す画像情報を抽出することにより、蛍光撮像部により蛍光画像が取得された際に被写体に照射された励起光の強度を推測することができる。
【0009】
そして、抽出された画像情報に応じて積算枚数設定部により設定された積算枚数分だけ記憶部に記憶された蛍光画像が積算されて平均されることにより、平均画像が生成される。
この場合において、照明光の強度が高いほど平均画像を算出する際の蛍光画像の積算枚数が低減させられるので、ノイズの少ない明るい蛍光画像は少ない積算枚数で積算され、積算枚数が多いために起こる像ブレを低減することができる。一方、照明光の強度が低いときに積算枚数が増加させられるので、多く積算されても像ブレが目立ちにくい暗い蛍光画像は多くの積算枚数で積算され、取得される平均画像に含まれるノイズを十分に低減することができる。
【0010】
上記発明においては、前記画像抽出部が前記戻り光画像内の複数の画素の平均階調値を前記画像情報として抽出してもよい。
戻り光画像内の複数の画素の平均階調値が低いときは、照明部と被写体との距離が遠い場合であるので、被写体に照射される励起光の強度も低い。この場合に取得される蛍光画像は、被写体内に蛍光物質が存在していてもノイズを多く含む暗い蛍光画像となるため、積算枚数を多く設定することでノイズ低減効果を向上し、鮮明な画像を得ることができる。
【0011】
一方、戻り光画像内の複数の画素の平均階調値が高いときは、照明部と被写体との距離が近い場合であるので、被写体に照射される励起光の強度も強い。この場合に取得される蛍光画像は、被写体内に蛍光物質が存在していればノイズの少ない明るい蛍光画像となるため、積算枚数を少なく設定することで像ブレを低減することができ、演算に要する処理や時間を節約することができる。
【0012】
また、上記発明においては、前記画像抽出部が前記戻り光画像の隣接画素の階調値が所定の閾値を超えて変化している箇所を表す特徴線の延長を前記画像情報として抽出してもよい。
戻り光画像において隣接画素の階調値が所定の閾値を超えて変化している箇所を表す特徴線は、被写体の形状変化、特に、起伏を示している。特徴線の延長が長いときは、照明部を被写体の起伏がより多く見える方向(例えば、被写体が体腔である場合に体腔表面に沿う方向)に向けている状態である。したがって、視野範囲内に照明部からの距離が遠い領域が多く存在し、被写体に照射される励起光の強度も低くなる。このため、蛍光物質が存在していても暗い蛍光画像となるので、積算枚数を多く設定することでノイズ低減効果が上がり、鮮明な画像を得ることができる。
【0013】
一方、特徴線の延長が短いときは、照明部を被写体の起伏のより少なく見える方向(例えば、被写体が体腔である場合に体腔壁面に向かう方向)に向けている状態である。したがって、視野範囲内に照明部からの距離が遠い領域が存在せず、被写体に照射される励起光の強度も高くなる。このため、蛍光物質が存在していればノイズの少ない明るい蛍光画像が得られるので、積算枚数を少なく設定することで像ブレを低減することができる。また、積算枚数を少なくすることで、演算に要する処理や時間を節約することができる。
【0014】
また、上記発明においては、前記画像情報抽出部が前記戻り光画像を横切る直線に沿う階調値分布を前記画像情報として抽出してもよい。
また、上記発明においては、前記画像情報抽出部が、前記戻り光画像を横切る複数の直線に沿う階調値分布を平均して前記画像情報として抽出してもよい。
照明部を平坦な被写体に対向させているときには戻り光画像の中心付近の階調値が最も高くなるのが一般的である。したがって、戻り光画像の中心付近の階調値が低くなるような階調値分布となるときは、中央部分が遠くなる被写体、例えば、被写体が体腔である場合には体腔表面に沿う方向に照明部を向けた状態であり、照明部から被写体まで遠いため戻り光画像が暗くなるので、被写体に照射される励起光の強度も低くなる。この場合には積算枚数を多く設定することでノイズ低減効果が上がり、鮮明な画像を得ることができる。
【0015】
一方、戻り光画像の中心付近の階調値が高くなるような階調値分布となるときは、例えば、被写体が体腔である場合に体腔壁面に向かう方向に照明部を向けた状態であり、照明部から被写体まで近いため戻り光画像が明るくなるので、被写体に照射される励起光の強度も高くなる。この場合には、積算枚数を少なく設定することで像ブレを低減することができる。また、積算枚数を少なくすることで、演算に要する処理や時間を節約することができる。
この場合に、複数の直線に沿う階調値分布を平均することにより、戻り光画像上における、より広い範囲の平均的な階調値分布によって、より正確に照明部の方向を判定することができる。
【0016】
また、上記発明においては、前記蛍光撮像部により取得された一の蛍光画像と該一の蛍光画像より以前に取得された他の蛍光画像との変化量を算出する変化量算出部を備え、前記記憶部が前記変化量算出部により算出された変化量が少ないほど、大きな重み係数を前記一の蛍光画像に乗算して前記蛍光画像を記憶してもよい。
このようにすることで、過去の蛍光画像に対する変化量が小さいときは、取得された蛍光画像に大きな重み係数を乗算することで平均画像内における寄与率を高め、ノイズ低減効果を向上することができる。
一方、変化量が大きいときは、小さな重み係数を乗算することで平均画像内における寄与率を低くし、像ブレを低減することができる。
【0017】
また、上記発明においては、前記変化量算出部が、前記一の蛍光画像と前記他の蛍光画像との差分画像の階調値の合計を変化量として算出してもよい。
2枚の蛍光画像間の同一位置における画素毎の階調値の差の合計が小さいときは、照明部と被写体との距離が大きく変化していない状態である。したがって、重み係数を大きくすることで平均画像内における寄与率を高め、鮮明な画像が得られるとともに、ノイズ低減効果を向上することができる。
一方、2枚の蛍光画像間の同一位置における画素毎の階調値の差の合計が大きいときは、照明部と被写体との距離が大きく変化した状態である。したがって、重み係数を小さくすることで平均画像内における寄与率を少なくし、像ブレを低減させることができる。
【0018】
また、上記発明においては、前記変化量算出部が、前記一の蛍光画像の特徴線の延長と前記他の蛍光画像間の特徴線の延長との差を変化量として算出してもよい。
2枚の蛍光画像間の特徴線の延長の差が小さいときは、被写体が大きく移動していない状態であり、蛍光画像間の状態変化が小さい。したがって、重み係数を大きくすることで平均画像内における寄与率を高め、ノイズ低減効果を向上することができる。
一方、2枚の蛍光画像間の特徴線の延長の差が大きいときは、被写体が大きく移動した状態であり、蛍光画像間の状態変化が大きい。したがって、重み係数を小さくすることで平均画像内における寄与率を少なくし、像ブレを低減させることができる。
【0019】
また、上記発明においては、前記変化量算出部が、前記一の蛍光画像と前記他の蛍光画像間との差分画像の階調値の合計が閾値以下のとき、前記一の蛍光画像間の特徴線と前記他の蛍光画像の特徴線との差を変化量として算出してもよい。
前記一の蛍光画像と前記他の蛍光画像間の差分画像の階調値の合計が閾値以下のときは、前記2枚の蛍光画像間において被写体が大きく移動していない状態である。さらに、この状態での2枚の差分画像における特徴線間の移動量から重み係数を算出することで、画像間の状態を精度良く判断し、より適切な重み係数を算出することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、蛍光画像におけるノイズ量を低減しながら蛍光画像における像ブレの発生を防止することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る蛍光内視鏡装置を示す全体構成図である。
【図2】図1の蛍光内視鏡装置において積算枚数を設定するための、平均階調値が大きいほど積算枚数が少なくなる単調増加関数の一例を示す図である。
【図3】図1の蛍光内視鏡装置に備えられるフィルタターレットの分光透過特性を示す図である。
【図4】図1の蛍光内視鏡装置の画像処理部を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る蛍光内視鏡装置の画像処理部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の第1の実施形態に係る蛍光内視鏡装置1について、図面を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る蛍光内視鏡装置は、図1に示されるように、体内に挿入される細長い挿入部2と、光源(照明部)3と、該光源3からの励起光および照明光を挿入部2の先端から被写体Aに向けて照射する照明ユニット(照明部)4と、挿入部2の先端に設けられ、被写体Aである生体組織の画像情報を取得する撮像ユニット5と、挿入部2の基端側に配置され、撮像ユニット5により取得された画像情報を処理するプロセッサ6と、該プロセッサ6により処理された画像Gを表示するモニタ24とを備えている。
【0023】
光源3は、励起光および照明光を含む波長帯域(400〜740nm)の光を放射するキセノンランプ7と、該キセノンランプ7の照明光路上に設けられ透過波長を制限する複数のフィルタ8a〜8dを備えるフィルタターレット8と、各フィルタ8a〜8dにより切り出された励起光および照明光を集光するカップリングレンズ9とを備えている。フィルタターレット8は、モータ10により回転駆動され、該モータ10は後述するタイミング制御部11により一定の回転速度に制御されるようになっている。
【0024】
フィルタターレット8は、Rフィルタ8a,Gフィルタ8b,Bフィルタ8cおよびIRフィルタ8dの4つのフィルタ8a〜8dを周方向に配列して備えている。このフィルタターレット8は中心の回転軸回りに回転させられることで、戻り光観察時には光路上に、Rフィルタ8a、Gフィルタ8bまたはBフィルタ8cを配置し、蛍光観察時には、光路上にIRフィルタ8dを配置するようになっている。
【0025】
これらRフィルタ8a、Gフィルタ8b、Bフィルタ8cおよびIRフィルタ8dの透過特性を図3に示す。Rフィルタ8a、Gフィルタ8b、Bフィルタ8cは、それぞれ赤、緑、青の波長成分を透過し、IRフィルタ8dは、励起光成分を透過する特性を有する。
【0026】
照明ユニット4は、挿入部2の長手方向のほぼ全長にわたって配置され、カップリングレンズ9によって集光された励起光および照明光を導光するライトガイドファイバ12と、挿入部2の先端に設けられ、ライトガイドファイバ12によって導光されてきた励起光および照明光を拡散させて、挿入部2の先端面2aに対向する被写体Aに照射する照明光学系13とを備えている。
【0027】
撮像ユニット5は、被写体Aの所定の観察範囲から戻る光を集光する対物レンズ14と、該対物レンズ14により集光された戻り光の光量を制限する絞り手段としての液晶絞り部15と、該液晶絞り部15によって制限された戻り光を集光する集光レンズ16と、該集光レンズ16によって集光された光のうち、励起波長以上の光を遮断し、蛍光成分と戻り光成分を透過する励起光カットフィルタ17と、該励起光カットフィルタ17を透過した蛍光および戻り光を撮影するCCDのような撮像素子18とを備えている。液晶絞り部15は、電圧を印加した状態では光を通さず、電圧を印加しない状態では光を透過するという性質を有する。
【0028】
プロセッサ6は、撮像素子18で光電変換された画像信号を増幅するプリアンプ19およびA/D変換部21を有している。A/D変換部21によりA/D変換された画像信号は、戻り光画像情報S1および蛍光画像情報S2として画像処理部22に入力され、該画像処理部22において画像処理されるようになっている。画像処理部22において画像処理された戻り光画像情報S1および平均蛍光画像情報S3は、D/A変換部23においてD/A変換され、モニタ24に出力されるようになっている。
【0029】
また、このプロセッサ6は、フィルタターレット8、データバッファ25および液晶絞り部15を制御するタイミング制御部11を備えている。タイミング制御部11はフィルタターレット8の回転とデータバッファへのデータの振り分けおよび液晶絞り部による絞りの度合を同期して制御するようになっている。すなわち、光量の大きな戻り光観察時には液晶絞り部を閉じて減光し、光量の小さな蛍光観察時には液晶絞り部を開いて、できるだけ多くの蛍光を受光できるように制御される。
【0030】
図4に示されるように、画像処理部22は、A/D変換された画像情報S1,S2を一時的に記憶するデータバッファ25(以下、R用バッファ25a、G用バッファ25b、B用バッファ25c、FL用バッファ25dという。)と、R用バッファ25a、G用バッファ25b、B用バッファ25cから出力された戻り光画像情報S1の平均階調値S5を抽出する画像情報抽出部26と、画像情報抽出部26により抽出した平均階調値S5に基づいて蛍光画像の積算枚数S6を設定する積算枚数設定部27と、FL用バッファから出力された蛍光画像情報S2を順次記憶する記憶部28と、記憶部28に記憶された積算枚数S6分の蛍光画像情報S4を平均して平均蛍光画像情報S3を生成する平均画像生成部29とを備えている。
【0031】
また、画像情報抽出部26は、R用バッファ25a、G用バッファ25b、B用バッファ25cの内のいずれかから出力された戻り光画像情報S1を選択して平均階調値S5を抽出するようになっている。本実施形態においては、画像情報抽出部26は、例えば、R用データバッファ25aから出力された戻り光画像情報S1’を用いて平均階調値S5を算出するようになっている。
ここで、本実施形態においては、積算枚数設定部27は、図2に示されるように、画像情報抽出部26において算出された平均階調値S5が高いほど少なく積算枚数S6を設定するような関数を記憶している。
【0032】
この関数は、標準試料等を撮影して得られた戻り光画像の平均階調値S5と、平均蛍光画像が精度よく得られるときの積算枚数S6との関係から予め得られたものである。戻り光画像が明るいほど励起光の強度が高いので、積算枚数S6が多いことによる像ブレを軽減するために、図2に示されるように、平均階調値S5が高いほど積算枚数S6が少なくなる単調減少関数となっている。
【0033】
また、記憶部28は、FL用バッファから入力されてきた蛍光画像情報S2を時系列に記憶するリングバッファである。そして、記憶部28は、平均画像生成部29からの要求に応じて、積算枚数設定部27により生成された積算枚数S6に基づいて、積算枚数S6分の蛍光画像情報S4を平均画像生成部29に出力するようになっている。
【0034】
平均画像生成部29は、積算枚数設定部27により設定された積算枚数S6を記憶部28に送り、記憶部28に記憶されている蛍光画像情報の内、最新のものから遡って積算枚数S6分の蛍光画像情報S4の出力を要求するようになっている。そして、平均画像生成部29においては、要求に応じて記憶部28から取り出された積算枚数S6分の蛍光画像情報S4が積算された後、積算枚数S6によって除算されることにより平均蛍光画像S3が生成されるようになっている。
【0035】
このように構成された本実施形態に係る蛍光内視鏡装置1の作用について以下に説明する。
本実施形態に係る蛍光内視鏡装置1を用いて被写体Aである体内の生体組織の観察を行うには、体内に挿入部2を挿入して、挿入部2の先端面2aを被写体Aに対向させる。そして、光源3を作動させる。
【0036】
光源3から発せられた光は、フィルタターレット8の各フィルタ8a〜8dを透過することにより、励起光または照明光となる。すなわち、各フィルタ8a〜8dは、図3に示される透過率特性を有しているので、Rフィルタ8a、Gフィルタ8b、Bフィルタ8cを透過させられることにより、赤、緑、青色の照明光となり、IRフィルタ8dを透過させられることにより、赤外領域の励起光となる。照明光または励起光となった光は、その後、カップリングレンズ9によってライトガイドファイバ12に入射させられる。ライトガイドファイバ12内を導光されて挿入部2の先端に達した励起光および照明光は、挿入部先端2aの照明光学系13によって拡散されて被写体Aに照射される。
【0037】
励起光が被写体Aに照射されたときには、被写体A内部に含まれている蛍光物質が励起されることにより蛍光が発せられる。一方、照明光が被写体Aに照射されたときには、照射された照明光は被写体Aの表面において反射させられる。蛍光および照明光の戻り光は、被写体Aから挿入部2の先端面2aに戻り、対物レンズ14によって集光される。
【0038】
対物レンズ14によって集光された蛍光および可視光は、液晶絞り部15によって制限された後に集光レンズ16によって集光され、励起光カットフィルタ17を経て撮像素子18により撮影される。
したがって、撮像素子18には、フィルタターレット8の位置に応じて、赤、緑、青色の可視光、あるいは赤外の蛍光のいずれかが受光される。撮像素子18は、図示しない撮像素子駆動回路によってフィルタターレット8の回転に同期して駆動され、それぞれ戻り光画像および蛍光画像を表す電気信号を取得する。
【0039】
撮像素子18により取得された戻り光画像および蛍光画像を表す電気信号は、プロセッサ6のプリアンプ19に入力されて増幅された後、画像信号はA/D変換部21に入力され、アナログ信号からデジタル信号に変換される。
【0040】
デジタル化された画像信号は、その種類に応じて画像処理部22内のR用バッファ25a、G用バッファ25b、B用バッファ25cまたはFL用バッファ25dに入力される。データバッファ25は、タイミング制御部11からの制御信号に基づき、フィルタターレット8のRフィルタ8a挿入時にはR用バッファ25aに、Gフィルタ8b挿入時にはG用バッファ25bに、Bフィルタ8c挿入時にはB用バッファ25cに、IRフィルタ8d挿入時にはFL用バッファ25dに信号を切り替えて入力する。
【0041】
R用バッファ25a、G用バッファ25bまたはB用バッファ25cに入力された戻り光画像情報S1は、D/A変換部23および画像情報抽出部26に送られる。画像情報抽出部26においては、R用バッファ25aから出力された戻り光画像情報S1’を用いて、戻り光画像の全画素における階調値が加算平均されて、平均階調値S5が算出され、積算枚数設定部27に出力される。
【0042】
積算枚数設定部27では、画像情報抽出部26から入力された平均階調値S5を、予め記憶されている関数に当てはめて、積算枚数S6が設定され、記憶部28に出力される。
記憶部28には、FL用バッファ25dに入力された蛍光画像信号S2が時系列に記憶される。そして、積算枚数設定部27から入力されてきた積算枚数S6分だけ、記憶部28に記憶されていた蛍光画像情報S4が平均画像生成部29に出力される。
【0043】
平均画像生成部29では、記憶部28から積算枚数S6分の蛍光画像情報S4が入力され、これらの蛍光画像情報S4を平均して得られた平均蛍光画像情報S3がD/A変換部23に出力される。
そして、D/A変換部23においては、生成された平均蛍光画像情報S3と、R用バッファ25a、G用バッファ25b、B用バッファ25cから出力された戻り光画像情報S1とが入力され、D/A変換されて、戻り光画像G1と平均蛍光画像G2がモニタ24に出力される。
【0044】
モニタ24に表示させる際は、図1に示されるように、戻り光画像G1と平均蛍光画像G2とを並列にしてもよいし、重ねてもよい。また、戻り光画像G1は、G用バッファ25bまたはB用バッファ25cの戻り光画像情報であってもよい。
【0045】
この場合において、本実施形態に係る蛍光内視鏡装置1によれば、戻り光画像の全画素における階調値を加算平均した平均階調値S5を用いて蛍光画像の積算枚数S6が設定される。平均階調値S5は、高いほど積算枚数S6が少なく設定されているので、平均画像生成部29により生成される平均蛍光画像S3における像ブレを低減することができる。
【0046】
すなわち、戻り光画像の平均階調値S5が高いときは、照明部4と被写体Aとを近接させたり、対向させたりしているときであり、被写体Aに照射される励起光の強度も高くなっている。
したがって、戻り光画像の平均階調値S5が高いときは、積算枚数S6を少なく設定することにより、階調値が高くS/N比の良好な蛍光画像情報S2が多数枚にわたって積算されることを防止して、平均蛍光画像S3に像ブレが発生することを防止することができる。
【0047】
一方、戻り光画像の平均階調値S5が低いときは、照明部4と被写体Aとの距離が遠いときであり、被写体Aに照射される励起光の強度も低くなっている。そのため、積算枚数S6を多く設定することにより、階調値が低くS/N比の低い蛍光画像情報S2を多く積算して、ノイズを低減することができる。この場合には、多くの蛍光画像情報S2を積算しても、各蛍光画像情報S2の階調値が低いため、平均蛍光画像S3内に像ブレが残る可能性が低い。
【0048】
すなわち、本実施形態に係る蛍光内視鏡装置1によれば、戻り光画像の平均階調値S5が低いときも高いときも、ノイズが少なく像ブレの少ない鮮明な平均蛍光画像S3を得ることができるという利点がある。
【0049】
なお、本実施形態においては、積算枚数S6を設定する際、画像情報抽出部26において戻り光画像の全画素における階調値を加算平均した平均階調値S5を抽出することとしたが、戻り光画像の隣接画素の階調値が所定の閾値を超えて変化している特徴線の延長を抽出することにしてもよい。特徴線は、例えば、画素値の変化の大きさを計算し2軸方向の勾配を見積もるなどして抽出することができる。このようにすることで、被写体Aの表面の凹凸の境界を連続する曲線として得られ、画像の構造的属性を抽出することができる。
【0050】
つまり、被写体Aの形状変化や被写体Aと照明部4の照射角度等により、画像の明るさが所定の閾値を超えて変化している箇所を特徴線として抽出し、特徴線の延長が長いときは、被写体Aの起伏が多く存在するときであり、被写体Aが体腔である場合などに体腔表面に沿う方向に照明部4を向けている状態である。一方、特徴線の延長が短いときは、被写体Aの起伏が少ないときであり、被写体Aが体腔である場合などに体腔壁面に向かう方向に照明部4を向けている状態である。
【0051】
そして、積算枚数設定部27において平均階調値S5が高いほど積算枚数S6が少なくなるようになっている関数を用いることに代えて、画像情報抽出部26により抽出した特徴線の延長が長いほど積算枚数S6が多くなる関数を用いて積算枚数S6を設定することにしてもよい。
このようにすることで、特徴線の延長を用いて定めた積算枚数S6により、平均階調値S5を用いる場合と同様の効果を得ることができる。
【0052】
また、本実施形態においては、積算枚数S6を設定する際、画像情報抽出部26において戻り光画像の全画素における階調値を加算平均した平均階調値S5を抽出することとしたが、戻り光画像を横切る直線に沿う階調値分布(プロファイル)を抽出することにしてもよい。戻り光画像を横切る直線に沿う階調値分布は、例えば、全画素の階調値を縦軸に階調値強度、横軸に位置情報を表すと、分布形状により照明部4と被写体Aとの状態を求めることができる。
【0053】
照明部4を平坦な被写体Aに対向させているときは、戻り光画像の中心付近の階調値が最も高くなるのが一般的である。したがって、戻り光画像の中心付近の階調値が低くなるときは、被写体Aが体腔である場合などに体腔表面に沿う方向に照明部4を向けている状態であり、中央部分は照明部4から被写体Aまでが遠くなるために、戻り光画像が暗くなる。
一方、戻り光画像の中心付近の階調値が高いときは、被写体Aが体腔である場合などに体腔壁面に向かう方向に照明部4を向けている状態であり、中心部分は照明部4から被写体Aまで近いため、戻り光画像が明るくなる。
【0054】
そして、積算枚数設定部27においては、画像情報抽出部26により抽出した戻り光画像の中心付近の階調値分布が低いときほど積算枚数S6が多くなる関数を用いて積算枚数S6を設定することにしてもよい。
ここで、戻り光画像を横切る直線としては、1本の直線を用いてもよいし、複数本の異なる直線を用いてもよい。複数本の直線に沿う階調値分布の平均値を抽出することにより、画像上のより広い範囲における平均的な階調値分布によって、積算枚数S6を設定することができる。また、各画素列毎の階調値分布を全ての画素列について平均することにしてもよい。
【0055】
また、本実施形態においては、積算枚数S6を設定する際、画像情報抽出部26において戻り光画像の全画素における階調値を加算平均した平均階調値S5を抽出することとしたが、さらに平均階調値S5を抽出した後に、戻り光画像の階調値が不連続に変化している特徴線の延長または戻り光画像を横切る直線に沿う階調値分布を抽出し、積算枚数設定部27において体腔表面に沿う方向に照明部4を向けている状態か、体腔壁面に向かう方向に照明部4を向けている状態かに応じて積算枚数S6を設定することにしてもよい。
【0056】
また、本実施形態においては、蛍光画像の積算枚数S6を算出する際、図2に示すような関数を例示したが、これに代えて、単調減少関数であれば、他の任意の関数を採用してもよい。また、関数として計算式を記憶しておいてもよいし、積算枚数S6と平均階調値S5との対応関係を示すマップを記憶しておいて、積算枚数S6を設定することにしてもよい。
【0057】
また、本実施形態においては、画像情報抽出部26で戻り光画像の画像情報を抽出する際に、階調値が閾値以下である画素を用いて、画像情報を抽出してもよい。このようにすることで、飽和している画素を考慮しないで済み、平均階調値S5が高くなることを防ぐことができる。
また、本実施形態においては、積算枚数設定部27で関数を用いて蛍光画像の積算枚数S6を求める際に、関数の傾きをn倍(nは自然数とする)して積算枚数S6を調整することにしてもよい。
【0058】
次に、本発明の第2の実施形態に係る蛍光内視鏡装置について以下に説明する。
本実施形態の説明において、上述した第1の実施形態に係る蛍光内視鏡装置1と構成を共通とする箇所には同一符号を付して説明を省略する。なお、本実施形態に係る蛍光観察装置は、図5に示されるように、画像処理部31において第1の実施形態に係る蛍光観察装置1と相違している。
【0059】
図5に示されるように、FL用バッファ25dと記憶部28との間に変化量算出部32と画像保存部33とを備えている。
変化量算出部32は、FL用バッファ25dから入力されてくる最新の蛍光画像情報S2を画像保存部33に出力するとともに、画像保存部33から過去に保存した蛍光画像情報S7を取り出し、最新の蛍光画像情報S2との階調値の差分を算出し、予め記憶されているテーブルから重み係数を抽出して最新の蛍光画像情報S2に重み係数を乗算するようになっている。
【0060】
また変化量算出部32は、過去に保存した蛍光画像情報S7と最新の蛍光画像情報S2との階調値の差の合計が大きいほど重み係数が小さくなるように設定している。
すなわち、差分画像の階調値の差が大きいときは、被写体Aが大きく移動しているので、積算するときに像ブレが発生する。そのため、重み係数を小さくすることで、平均蛍光画像内における寄与率を少なくし、像ブレを低減することができる。
一方、差分画像の階調値の差が小さいときは、被写体Aが大きく移動していないので、重み係数を大きくすることで平均蛍光画像内における寄与率を高め、画像を鮮明にするとともにノイズ低減効果を向上することができる。
【0061】
記憶部28は、積算枚数設定部27により出力された積算枚数S6分だけ、記憶していた重み係数が乗算された蛍光画像情報S8を取り出し、積算枚数S6分の蛍光画像情報S4を平均画像生成部29に出力するようになっている。
【0062】
画像保存部33に予め記憶されているテーブルは、差分画像の階調値の差と重み係数との関係から予め得られたものである。差分画像の差が大きいときほど被写体Aが大きく移動しているので、平均蛍光画像の寄与率が大きいことによる像ブレを軽減するため、差分画像の差が大きいほど重み係数が小さくなるようになっている。
【0063】
このように構成された本実施形態に係る蛍光内視鏡装置によれば、被写体Aが大きく移動したときも大きく移動していないときも、ノイズが少なく像ブレが少ない鮮明な平均蛍光画像が得られるという利点がある。
【0064】
なお、本実施形態においては、画像保存部33から過去に保存した蛍光画像情報S7を取り出し、最新の蛍光画像情報S2との階調値の差分の合計を算出することとしたが、過去の蛍光画像情報S7の特徴線の延長と最新の蛍光画像情報S2の特徴線の延長との差を算出することにしてもよい。
【0065】
すなわち、差分画像の特徴線間の移動量が少ないときは、被写体Aが大きく移動していないので、重み係数を大きくすることで平均蛍光画像内における寄与率を高め、ノイズを低減することができる。一方、差分画像の特徴線間の移動量が多いときは、被写体Aが大きく移動しているので、重み係数を小さくすることで平均蛍光画像内における寄与率を少なくし、像ブレを低減することができる。
【0066】
また、本実施形態においては、変化量算出部32は、変化量算出部32が過去の蛍光画像情報S7と最新の蛍光画像情報S2との差分画像の階調値の合計が閾値以下のとき、蛍光画像間の特徴線の移動量を算出し、予め記憶されているテーブルから重み係数を抽出して最新の蛍光画像情報に重み係数を乗算することにしてもよい。このようにすることで、ノイズの多い画像を積算対象から外し、精度の良い平均蛍光画像を算出することができる。
【0067】
また、本実施形態においては、重み係数が0のときは蛍光画像に乗算せずに、D/A変換部に出力することにしてもよい。
このようにすることで、被写体が大きく移動した場合などに、平均蛍光画像を積算する際に起こる像ブレを防ぐことができる。
【0068】
また、本実施形態においては、平均画像生成部29で出力される平均蛍光画像情報S3を用いてD/A変換部23を経て平均蛍光画像G2が生成される際、生成される平均蛍光画像G2の階調値がm(mは自然数とする)となるように、平均画像生成部29で平均蛍光画像情報S3を調整してもよい。このようにすることで、生成される平均蛍光画像G2の明るさが統一され、精度の高い観察を行うことができる。
【0069】
また、上記各実施形態においては、画像情報抽出部26においてR用バッファ25aからの戻り光画像情報S1’を例示して説明したが、これに限定されるものではなく、他のバッファからの戻り光画像情報を適用することにしてもよい。
【符号の説明】
【0070】
A 被写体
S5 画像情報(平均階調値)
1 蛍光観察装置
3 光源(照明部)
4 照明ユニット(照明部)
18 撮像素子(戻り光撮像部,蛍光撮像部)
26 画像情報抽出部
27 積算枚数設定部
28 記憶部
29 平均画像生成部
32 変化量算出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体に対し、励起光および照明光を照射する照明部と、
該照明部からの励起光の照射により前記被写体において発生した蛍光を撮影し蛍光画像を取得する蛍光撮像部と、
該蛍光撮像部により取得された蛍光画像を記憶する記憶部と、
前記照明部からの照明光の照射により前記被写体から戻る戻り光を撮影し戻り光画像を取得する戻り光撮像部と、
該戻り光撮像部により取得された戻り光画像から、被写体に照射された照明光の強度を表す画像情報を抽出する画像情報抽出部と、
該画像情報抽出部により抽出された画像情報に基づいて照明光の強度が高いほど少なく積算枚数を設定する積算枚数設定部と、
該積算枚数設定部により設定された積算枚数分だけ前記記憶部に記憶されている蛍光画像を平均して平均画像を生成する平均画像生成部とを備える蛍光内視鏡装置。
【請求項2】
前記画像情報抽出部が、前記戻り光画像内の複数の画素の平均階調値を前記画像情報として抽出する請求項1に記載の蛍光内視鏡装置。
【請求項3】
前記画像情報抽出部が、前記戻り光画像の隣接画素の階調値が所定の閾値を超えて変化している箇所を表す特徴線の延長を前記画像情報として抽出する請求項1に記載の蛍光内視鏡装置。
【請求項4】
前記画像情報抽出部が、前記戻り光画像を横切る直線に沿う階調値分布を前記画像情報として抽出する請求項1に記載の蛍光内視鏡装置。
【請求項5】
前記画像情報抽出部が、前記戻り光画像を横切る複数の直線に沿う階調値分布を平均して前記画像情報として抽出する請求項1に記載の蛍光内視鏡装置。
【請求項6】
前記蛍光撮像部により取得された一の蛍光画像と該一の蛍光画像より以前に取得された他の蛍光画像との変化量を算出する変化量算出部を備え、
前記記憶部が、前記変化量算出部により算出された変化量が少ないほど大きな重み係数を前記一の蛍光画像に乗算して記憶する請求項1から請求項5のいずれかに記載の蛍光内視鏡装置。
【請求項7】
前記変化量算出部が、前記一の蛍光画像と前記他の蛍光画像との差分画像の階調値の合計を変化量として算出する請求項6に記載の蛍光内視鏡装置。
【請求項8】
前記変化量算出部が、前記一の蛍光画像の特徴線の延長と前記他の蛍光画像間の特徴線の延長との差を変化量として算出する請求項6に記載の蛍光内視鏡装置。
【請求項9】
前記変化量算出部が、前記一の蛍光画像と前記他の蛍光画像間との差分画像の階調値の合計が閾値以下のとき、前記一の蛍光画像の特徴線と前記他の蛍光画像の特徴線との差を変化量として算出する請求項6に記載の蛍光内視鏡装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−110585(P2012−110585A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−263990(P2010−263990)
【出願日】平成22年11月26日(2010.11.26)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】