配線基板および多数個取り配線基板
【課題】 絶縁基板の下面に放熱体を接合させた配線基板において、配線導体と放熱体との短絡を抑制できる配線基板および複数の配線基板を効率良く形成することができる多数個取り配線基板を提供する。
【解決手段】 絶縁基板1と、絶縁基板1の上面に引き出された第1配線導体2および第2配線導体3と、第1配線導体2に接続されて絶縁基板1の側面に引き出された第3配線導体4と、第2配線導体3に接続されて絶縁基板1の側面に引き出された第4配線導体5と、絶縁基板1の下面に配置された放熱体6とを備えた配線基板において、放熱体6は、第3配線導体4が引き出された引き出し部4aおよび第4配線導体5が引き出された引き出し部5aの少なくとも一方の引き出し部の下方で、絶縁基板1の縁1aから離間している。第3配線導体4または第4配線導体5と放熱体との間の短絡を低減し、第1配線導体2と第2配線導体3との短絡を抑制できる。
【解決手段】 絶縁基板1と、絶縁基板1の上面に引き出された第1配線導体2および第2配線導体3と、第1配線導体2に接続されて絶縁基板1の側面に引き出された第3配線導体4と、第2配線導体3に接続されて絶縁基板1の側面に引き出された第4配線導体5と、絶縁基板1の下面に配置された放熱体6とを備えた配線基板において、放熱体6は、第3配線導体4が引き出された引き出し部4aおよび第4配線導体5が引き出された引き出し部5aの少なくとも一方の引き出し部の下方で、絶縁基板1の縁1aから離間している。第3配線導体4または第4配線導体5と放熱体との間の短絡を低減し、第1配線導体2と第2配線導体3との短絡を抑制できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体素子や水晶発振子、発光素子等の電子部品を搭載するための配線基板および、配線基板となる配線基板領域が縦および横の少なくとも一方の並びに配置された多数個取り配線基板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体素子や水晶振動子等の電子部品を搭載するための配線基板は、例えば、酸化アルミニウム質焼結体等の電気絶縁材料から成る絶縁基板に、タングステンやモリブデン等の金属粉末メタライズから成る配線導体が配設されることによって形成されている。そして、このような配線基板上に電子部品を搭載するとともに、電子部品の各電極をはんだやボンディングワイヤ等の電気的接続手段を介して、対応する配線導体に電気的に接続することによって電子装置が作製される。
【0003】
このような配線基板は、近年の電子装置の薄型化および小型化の要求に伴って、その大きさが小さくなってきており、複数の配線基板を効率よく製作するために、多数個取り配線基板を分割することによって製作することが行なわれている。多数個取り配線基板は、広面積の母基板に配線基板となる複数の配線基板領域が縦横に配列形成されたものである。
【0004】
また、このような多数個取り配線基板においては、配線基板領域に上記の配線導体が形成されており、これらの配線基板領域の配線導体に電気的に接続されためっき用配線が形成されている場合がある。このような場合には、多数個取り配線基板をめっき浴に浸漬して、めっき用配線を介して各配線導体に電流を流すことで、電解めっき法によって配線導体の露出した表面にめっき層を被着させる。
【0005】
そして、各配線基板領域に電子部品を搭載して、電子部品と配線導体とを電気的に接続した後、個々の配線基板領域毎に分割することによって、複数の電子装置が同時に製作される。
【0006】
また、電子装置の放熱性を向上させるため、絶縁基板の下面に絶縁基板よりも熱伝導率の高い放熱体を接合材によって接合している配線基板が知られている。このような配線基板においては、絶縁基板よりも大きさの大きい放熱体を接合する場合もある(例えば、特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−311791号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記のようなめっき用配線を備えた多数個取り配線基板においては、多数個取り配線基板を分割した後、めっき用配線が絶縁基板の側面に露出される。近年は、配線基板のさらなる薄型化が求められており、絶縁基板の下面に接合される放熱体と配線基板の側面に露出しためっき用配線との間隔が、非常に狭くなってきている。このため、めっき用配線と放熱体との間のイオンマイグレーションや、接合材の広がり等によって、めっき用配線と放熱体とが接合されて、めっき用配線を介して配線導体と放熱体とが電気的に接続されてしまうことがある。このようなことが起こると、電子部品に所望の電圧や
電流を加えることができなくなることや、複数の配線導体同士が短絡してしまうことがある。例えば、電子部品として発光素子を用いた場合には、発光素子に所望の電流を印加させることができず、良好に発光させることができなくなる。
【0009】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的は、絶縁基板の下面に放熱体を接合させた配線基板において、複数の配線導体同士の短絡を低減できる配線基板および、このような配線基板を複数効率良く作製することができる多数個取り配線基板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の配線基板は、絶縁基板と、該絶縁基板の上面に引き出された第1配線導体および第2配線導体と、前記第1配線導体に接続されて前記絶縁基板の側面に引き出された第3配線導体と、前記第2配線導体に接続されて前記絶縁基板の側面に引き出された第4配線導体と、前記絶縁基板の下面に配置された放熱体とを備えた配線基板において、前記放熱体は、前記第3配線導体が引き出された引き出し部および前記第4配線導体が引き出された引き出し部の少なくとも一方の引き出し部の下方で、前記絶縁基板の縁から離間していることを特徴とするものである。
【0011】
本発明の多数個取り配線基板は、複数の配線基板領域が縦および横の少なくとも一方の方向に配置された母基板と、前記配線基板領域のそれぞれに一方主面に引き出されて配置された第1配線導体および第2配線導体と、前記第1配線導体同士を電気的に接続する第3配線導体と、前記第2配線導体同士を電気的に接続する第4配線導体と、各配線基板領域の下面に接合された放熱体とを有する多数個取り配線基板において、前記放熱体は、前記配線基板領域とダミー領域との境界または前記配線基板領域同士の境界の前記第3配線導体または前記第4配線導体が配置された部分に切り欠きを有し、該切り欠きに、隣接する前記放熱体が突出した突出部が配置していることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の配線基板によれば、放熱体は、第3配線導体が引き出された引き出し部および第4配線導体が引き出された引き出し部の少なくとも一方の引き出し部の下方で、絶縁基板の縁から離間していることから、配線基板の厚みを厚くすることなく、離間部によって絶縁基板の側面の少なくとも一方の引き出し部と放熱体との距離を長くするので、イオンマイグレーションや接合材の広がりによって、第3配線導体と放熱体との間および第4配線導体と放熱体との間の短絡を低減し、第1配線導体と第2配線導体とが短絡することを抑制できる。
【0013】
本発明の多数個取り配線基板によれば、放熱体は、配線基板領域とダミー領域との境界または配線基板領域同士の境界の第3配線導体または第4配線導体が配置された部分に切り欠きを有し、切り欠きに、隣接する放熱体が突出した突出部が配置していることから、母基板を配線基板領域に沿って分割する前に、母基板内に放熱体を接合でき、放熱体を接合した多数個取り配線基板を分割することによって、放熱体を接合した配線基板を多数、効率良く製作できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】(a)は、本発明の配線基板の実施の形態の一例を示す上面図であり、(b)は(a)の下面図の一例、(c)は(a)のA方向からの側面図の一例である。
【図2】(a)は、図1(a)のA−A線における断面図であり、(b)は(a)のA部における要部拡大断面図である。
【図3】(a)は、図1(a)のB−B線における断面図であり、(b)は(a)のA部における要部拡大断面図である。
【図4】(a)は、本発明の配線基板の実施の形態の他の例を示す上面図であり、(b)は(a)の下面図の一例、(c)は(a)のA方向からの側面図の一例である。
【図5】(a)は、本発明の配線基板の実施の形態の他の例を示す上面図であり、(b)は(a)の下面図の一例、(c)は(a)のA方向からの側面図の一例である。
【図6】(a)は、図5(a)のA−A線における断面図であり、(b)は、図5(a)の内部平面図の一例である。
【図7】(a)は、図5(a)のB−B線における断面図であり、(b)は、図5(a)の内部平面図の一例である。
【図8】(a)は、本発明の配線基板の実施の形態の他の例を示す上面図であり、(b)は(a)の下面図の一例、(c)は(a)のA方向からの側面図の一例である。
【図9】(a)は、図8(a)のA−A線における断面図であり、(b)は図8(a)のB−B線における断面図である。
【図10】(a)および(b)は、本発明の配線基板の実施の形態の他の例を示す断面図である。
【図11】(a)は、本発明の多数個取り配線基板の実施の形態の一例を示す上面図であり、(b)は下面図の一例である。
【図12】(a)は、図11(a)のA−A線における断面図の一例であり、(b)は図11(a)の内部平面図の一例である。
【図13】(a)は、図11(a)のB−B線における断面図の一例であり、(b)は図11(a)の内部平面図の一例である。
【図14】(a)は、本発明の多数個取り配線基板の実施の形態の他の例を示す上面図であり、(b)は下面図の一例である。
【図15】(a)は、図14(a)のA−A線における断面図の他の例であり、(b)は図11(a)の内部平面図の他の例である。
【図16】(a)は、図14(a)のB−B線における断面図の他の例であり、(b)は図11(a)の内部平面図の他の例である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の配線基板について、添付の図面を参照しつつ詳細に説明する。図1〜図16において、1は絶縁基板、1aは絶縁基板1の縁、2は第1配線導体、3は第2配線導体、4は第3配線導体、4aは第3配線導体4の引き出し部、5は第4配線導体、5aは第4配線導体5の引き出し部、6は放熱体、6aは離間部、6bは切り欠き、6cは突出部、7は接合材、8は凹部、9は第1金属導体、10は第2金属導体、11は母基板、11aは配線基板領域、11bはダミー領域、12は共通導体である。
【0016】
本発明の配線基板は、図1〜図10に示す例のように、絶縁基板1と、絶縁基板1の上面に引き出された第1配線導体2および第2配線導体3と、第1配線導体2に接続されて絶縁基板1の側面に引き出された第3配線導体4と、第2配線導体3に接続されて絶縁基板1の側面に引き出された第4配線導体5と、絶縁基板1の下面に配置された放熱体6とを備えた配線基板において、放熱体6は、第3配線導体4が引き出された引き出し部4aおよび第4配線導体5が引き出された引き出し部5aの少なくとも一方の引き出し部の下方で、絶縁基板1の縁1aから離間している。このような構成であることから、配線基板の厚みを厚くすることなく、離間部6aによって絶縁基板1の側面の少なくとも一方の引き出し部と放熱体6との距離を長くできるので、イオンマイグレーションや接合材の広がりによって、第3配線導体4と放熱体6との間および第4配線導体5と放熱体6との間の短絡を抑制し、第1配線導体2と第2配線導体3とが短絡されることを抑制できる。
【0017】
また、図1〜図10に示す例では、配線基板は、矩形状の絶縁基板1と、第1配線導体2と、第2配線導体3と、第1配線導体2に接続された第3配線導体4と、第2配線導体に接続された第4配線導体5と、絶縁基板1の下面に接合材7を介して接合され、平面視で
絶縁基板1よりも大きさの大きい放熱体6とを備えている。
【0018】
また、図1〜図4に示す例では、第4配線導体5が引き出された引き出し部5aの下方で、放熱体6が絶縁基板1の縁1aから離間している。図5〜図9,図10(b)に示す例では、第3配線導体4が引き出された引き出し部4aの下方で、放熱体6が絶縁基板1の縁1aから離間している。図10(a)に示す例では、第3配線導体4が引き出された引き出し部4aおよび第4配線導体5が引き出された引き出し部5aの下方で、放熱体6が絶縁基板1の縁1aから離間している。
【0019】
絶縁基板1は、例えば、酸化アルミニウム質焼結体(アルミナセラミックス),窒化アルミニウム質焼結体,ムライト質焼結体またはガラスセラミックス焼結体等のセラミックスから成るものである。
【0020】
絶縁基板1は、例えば酸化アルミニウム質焼結体から成る場合であれば、酸化アルミニウム,酸化珪素,酸化マグネシウムおよび酸化カルシウム等の原料粉末に適当な有機バインダーおよび溶剤等を添加混合して泥漿状とし、これをドクターブレード法やカレンダーロール法等によってシート状に成形してセラミックグリーンシートを得て、しかる後、セラミックグリーンシートに適当な打ち抜き加工を施すとともにこれを複数枚積層し、高温(約1600℃)で焼成することによって製作される。
【0021】
絶縁基板1は、図1〜図4および図8〜図10に示す例のように、上面に凹部8を備えているものであってもよい。このような凹部8は、セラミックグリーンシートにレーザー加工や金型による打ち抜き加工等によって、凹部8となる貫通孔を複数のセラミックグリーンシートに形成し、これらのセラミックグリーンシートを、貫通孔を形成していないセラミックグリーンシートに積層することで形成できる。また、絶縁基板1の厚みが薄い場合には、凹部8用の貫通孔は、セラミックグリーンシートを積層した後、レーザー加工や金型による打ち抜き加工等によって形成すると精度よく加工できるので好ましい。
【0022】
凹部8が発光素子を搭載する為の凹部である場合には、図8〜図10に示す例のように、凹部8の内側面と凹部8の底面とのなす角度θは鈍角であって、特に110度〜145度が好ましい。角度θをこのような範囲とすると、凹部8となる貫通孔の内側面を打ち抜き加工で安定かつ効率よく形成することが容易であり、この配線基板を用いた発光装置を小型化しやすい。また、発光素子が発した光を外部に向かって良好に放射できる。このような角度θの内側面を有する凹部8は、パンチの径とダイスの穴の径とのクリアランスを大きく設定した打ち抜き金型を用いてセラミックグリーンシートを打ち抜くことによって形成される。すなわち、打ち抜き金型のパンチの径に対してダイスの穴の径のクリアランスを大きく設定しておくことで、セラミックグリーンシートを一方主面側から他方主面側に向けて打ち抜く際にグリーンシートがパンチとの接触面の縁からダイスの穴との接触面の縁に向けて剪断されて、貫通孔の径が一方主面側から他方主面側に広がるように形成される。このとき、セラミックグリーンシートの厚み等に応じてパンチの径とダイスの穴の径とのクリアランスを設定することで、セラミックグリーンシートに形成される貫通孔の内側面の角度を調節できる。このような打ち抜き方法は、打ち抜き加工のみで、凹部8の内側面と凹部8の底面とのなす角度θを所望の角度にできることから、生産性が高い。
【0023】
また、パンチの径とダイスの穴の径とのクリアランスが小さい打ち抜き金型による加工によって角度θが約90度の貫通孔を形成した後に、貫通孔の内側面に円錐台形状または角錐台形状の型を押し当てることでも、上述のような一方の主面側から他方の主面側に広がる角度θを有する貫通孔を形成してもよい。このような場合には、凹部8の内側面と凹部8の底面とのなす角度θをより精度よく調整できる。
【0024】
図1〜図10に示す例では、第1配線導体2および第2配線導体3は、一端が絶縁基板1の上面に引き出されており、第1配線導体2および第2配線導体3をそれぞれ1つずつ設けている。このような第1配線導体2および第2配線導体3は、絶縁基板1の上面あるいは凹部8の底面に搭載される電子部品の電極と接続されるとともに、外部電気回路基板の配線に接続されるものである。また、第1配線導体2および第2配線導体3は、図4および図8に示す例のように、端部が上面の複数箇所に引き出されているものであっても構わない。これらの複数の第1配線導体2および第2配線導体3は、外部電気回路基板の配線とそれぞれ接続される。
【0025】
第3配線導体4は、一端が第1配線導体2に電気的に接続され、他端が絶縁基板1の側面に引き出されている。第3配線導体4は、第1配線導体2の露出する表面に電解めっき法によってめっき層を被着させる際に電流を流すための配線として用いられる。また、第4配線導体5は、一端が第2配線導体3に電気的に接続され、他端が絶縁基板1の側面に引き出されている。第4配線導体5は、第2配線導体3の露出する表面に電解めっき法によってめっき層を被着させる際に電流を流すための配線として用いられる。また、第3配線導体4および第4配線導体5が絶縁基板1の同一の側面に引き出される場合には、第3配線導体4の引き出し部4aと第4配線導体5の引き出し部5aの間隔は、第3配線導体4の引き出し部4a,第4配線導体5の引き出し部5a間のイオンマイグレーションを抑制するために、1.0mm以上としていることが好ましい。また、図4および図5に示す例
のように、同一の側面に引き出された複数の第3配線導体4の引き出し部4aと第4配線導体5の引き出し部5aとを異なる高さに配置することで、第3配線導体4の引き出し部4aと第4配線導体5の引き出し部5aとの間隔を長くしてもよい。第3配線導体4の引き出し部4a,第4配線導体5の引き出し部5aを異なる高さに配置するには、第3配線導体4および第4配線導体5を異なる絶縁層間に配置しておけばよい。
【0026】
このような第1配線導体2,第2配線導体3,第3配線導体4および第4配線導体5は、タングステン(W),モリブデン(Mo),マンガン(Mn),銀(Ag)または銅(Cu)等の金属粉末のメタライズから成る。例えば、絶縁基板1が酸化アルミニウム質焼結体から成る場合であれば、W,MoまたはMn等の高融点金属粉末に適当な有機バインダーおよび溶媒を添加混合して得た導体ペーストを、絶縁基板1となるセラミックグリーンシートに予めスクリーン印刷法によって所定のパターンに印刷塗布する。その後、絶縁基板1となるセラミックグリーンシートと所定のパターンに印刷塗布された導体ペーストとを同時に焼成することによって、絶縁基板1の所定位置に第1配線導体2,第2配線導体3,第3配線導体4および第4配線導体5が被着形成される。第1配線導体2,第2配線導体3,第3配線導体4および第4配線導体5が貫通導体である場合は、表面に形成される第1配線導体2,第2配線導体3,第3配線導体4および第4配線導体5となる導体ペーストパターンを形成する前に、金型やパンチングによる打ち抜き加工やレーザー加工によってグリーンシートに貫通孔を形成して、この貫通孔に印刷法によって導体ペーストを充填しておくことによって形成される。
【0027】
第1配線導体2および第2配線導体3の露出する表面には、電解めっき法によってめっき層が被着される。めっき層は、ニッケル,金または銀等の耐食性や接続部材との接続性に優れる金属から成るものであり、例えば、厚さ1〜10μm程度のニッケルめっき層と0.1〜3μm程度の金めっき層とが、あるいは厚さ1〜10μm程度のニッケルめっき層と0.1〜1μm程度の銀めっき層とが、順次被着される。これによって、第1配線導体2および第2配線導体3が腐食することを効果的に抑制できるとともに、電子部品と第1配線導体2または第2配線導体3との固着や第1配線導体2または第2配線導体3とボンディングワイヤ等の接続部材との接合や、外部端子と外部回路基板の配線導体との接合、および放熱体6と外部回路基板の導体との接合を強固にできる。
【0028】
また、放熱体6は、絶縁基板1の下面に接合されている。放熱体6は、絶縁基板1よりも熱伝導率の高い材料、例えば、銅(Cu),銅−タングステン(Cu−W)またはアルミニウム(Al)等の金属材料を用いることができる。例えば、絶縁基板1が酸化アルミニウム質焼結体であるときには、放熱体6をCuとして、放熱体6に絶縁基板1よりも熱伝導率の高い材料を用いることで、絶縁基板1に搭載された電子部品に生じた熱が、放熱体6を介して良好に放熱させることによって、放熱性に優れた配線基板とできる。また、放熱体6を外部回路基板の導体と接合することによって、発光装置の放熱性を高くできる。
【0029】
放熱体6は、銀−銅合金等から成るろう材等の接合材7を介してろう付けすることによって、絶縁基板1の下面に接合される。なお、ろう材等の接合材7を介してろう付けする際には、絶縁基板1の下面に接合金属層を形成しておけばよい。また、ろう材中にTi等の活性金属を添加した活性金属ろう材や樹脂材を用いれば、基体1にろう材あるいは樹脂材のみを介して放熱体6を接合できる。なお、接合材7として、ろう材あるいは熱伝導率の高い金属材料を添加混合した樹脂材を用いると、放熱性に優れた配線基板とすることができる。
【0030】
放熱体6は、第3配線導体4が引き出された引き出し部4aおよび第4配線導体5が引き出された引き出し部5aの少なくとも一方の引き出し部の下方で、絶縁基板1の縁1aから離間した離間部6aを備えている。離間部6aは、第3配線導体4および第4配線導体5と放熱体6との間で生じるイオンマイグレーションや、接合材7の広がりによって第3配線導体4が引き出された引き出し部4aと第4配線導体5が引き出された引き出し部5aとが短絡することを抑制するためのものである。第3配線導体4が引き出された引き出し部4aと放熱体6との長さおよび第4配線導体5が引き出された引き出し部5aと放熱体6との長さは、1.0mm以上とすることが好ましい。例えば、接合材7が導電性の材
料である場合であれば、図3(b)に示す例の、L1およびL2の長さの合計が1.0mm
以上であればよい。また、接合材7が絶縁性の材料である場合には、図3(b)に示す例の、L1,L2およびL3の長さの合計が1.0mm以上であればよい。
【0031】
また、離間部6aは、図1〜図4,図8および図9に示す例のように、放熱体6に切り欠き状に形成してもよいし、図5〜図7および図10(a)に示す例のように、放熱体6に貫通孔を設けることによって形成してもよい。このような場合には、第3配線導体4の引き出し部4aおよび第4配線導体5の引き出し部5aの少なくとも一方の下方に放熱体6が無く、接合材7の広がりが抑制されるので、第3配線導体4と第4配線導体5との短絡を抑制するのに有効である。
【0032】
また、図10(b)に示す例のように、放熱体6の上面に、断面視で絶縁基板1の縁1aよりも絶縁基板1の中央側から放熱体6の縁にかけて、凹部を形成して離間部6aを形成してもよいし、絶縁基板1の縁1aにおいて、絶縁基板1と放熱体6との間に接合材7が配置されない領域を形成しておき、放熱体6を絶縁基板1の縁1aから離間させておいてもよい。このような場合には、放熱体6をより大きくできるので、放熱性を向上するのに有効である。
【0033】
また、放熱体6の離間部6aは、図1〜図10に示す例のように、絶縁基板1の上面に引き出され、外部電気回路基板の配線に接続される第1配線導体2および第2配線導体3と、平面透視で重ならないようにしておくと、第1配線導体2および第2配線導体3と平面視で重なる部分に放熱体6が配置されているので、外部電気回路基板の配線と配線基板の第1配線導体2および第2配線導体3を押圧して接合させる際に、第1配線導体2および第2配線導体3を良好に押圧して接合させることができる。
【0034】
また、第3配線導体4の引き出し部4aおよび第4配線導体5の引き出し部5aが異なる高さに引き出されている場合には、図6および図7に示す例のように、第1配線導体2または第3配線導体4と第2配線導体3または第4配線導体5とを、絶縁基板1の内部で幅広に形成しておいても構わない。これにより、電子部品として発光素子を搭載する場合に、絶縁基板1の内部で金属からなる配線導体の配置された領域を広くして発光装置の放熱性を高めるとともに、絶縁基板1の下面方向への光の漏れを抑制できる。また、第1配線導体2および第2配線導体3の抵抗を小さくできる。また、図6および図7に示す例のように、絶縁基板1の上面と内部に形成された第1配線導体2同士、あるいは第2配線導体3同士とを複数の貫通導体により接続しておいてもよく、配線基板の放熱性を高めることができる。
【0035】
また、絶縁基板1は、凹部8を有して、電子部品として発光素子を搭載する場合であれば、図8〜図10に示す例のように、凹部8の内壁面に発光素子が発する光を反射させるための反射層を設けておいても構わない。反射層は、例えば、凹部8の内壁面に形成された第1金属導体9と第1金属導体9上に被着されためっき層とから形成される。また、第1金属導体9には、一端がこれらの第1金属導体9に電気的に接続され、他端が絶縁基板1の側面に引き出されている第2金属導体10が設けられている。第2金属導体10は、電気的に接続された第1金属導体9の露出する表面に電解めっき法によりめっき層を被着させる際に電流を流すための配線として用いられる。
【0036】
このような第1金属導体9および第2金属導体10は、第1配線導体2,第2配線導体3,第3配線導体4および第4配線導体5と同様の方法によって、凹部8の内壁面に被着形成される。これによって、凹部8の内壁面に平坦な反射膜を形成できる。金属ペーストは上記の導体ペーストと同じものでもよいし、印刷性を考慮して有機バインダーや溶媒の種類や量を変更したものでもよい。また、第1金属導体9の表面に被着されるめっき層は、例えば、第1配線導体2および第2配線導体3の露出する表面に被着されるめっき層と同様のものを用いることができる。
【0037】
なお、金めっき層は、銀めっき層と比較して接続部材や外部回路基板の配線導体との接合性に優れており、銀めっき層は、金めっき層と比較して光に対する反射率が高いことから、電子部品として発光素子を搭載する場合であれば、例えば、第1金属導体9の表面には銀めっき層を被着させ、第1配線導体2および第2配線導体3の表面には金めっき層を被着させても構わない。また、第1配線導体2および第2配線導体3ならびに第1金属導体9の最表面を銀と金との合金めっき層として、例えば、銀と金との全率固溶の合金めっき層としても構わない。この場合には、合金めっき層の表面に銀単体の粒子が存在していないので、硫化雰囲気中でも合金めっき層の表面が硫化し難く、反射特性を維持しやすくなり、信頼性に優れた配線基板とできる。
【0038】
また、図10(a)に示す例のように、凹部8の底面および側面の全面に第1金属導体9を形成し、第1配線導体2および第2配線導体3を凹部8の周囲の絶縁基板1の上面に形成しても構わないし、図10(b)に示す例のように、第1配線導体2を、凹部8の底面および凹部8の側面の全体に形成するとともに、一端を絶縁基板1の上面に引き出させていてもよい。凹部8の内面の反射層となる金属層に、電気的に接続されためっき用配線を設ける必要がないので、配線基板を薄型化するのに有効である。
【0039】
また、第2金属導体10を備え、第1配線導体2の表面と第1金属導体9の表面とに同じめっき層を被着させる場合には、第3配線導体4と第2金属導体10とを電気的に接続しても構わない。
【0040】
このように、発光素子を搭載する配線基板は、凹部8の内面全体に発光素子からの光を
反射する反射層を形成しているので、凹部8の深さが発光素子の高さより深いと、発光装置としたときの輝度を高くできる。また、図10(a)のような場合は、2ワイヤタイプの発光素子に好適に使用でき、図10(b)のような場合は、1ワイヤタイプの発光素子等に好適に使用できる。
【0041】
配線基板に実装される電子部品は、ICチップやLSIチップ等の半導体素子,発光素子,水晶振動子や圧電振動子等の圧電素子および各種センサ等である。例えば、電子部品がフリップチップ型の半導体素子である場合には、半導体素子は、はんだバンプや金バンプまたは導電性樹脂(異方性導電樹脂等)等の接合材を介して、半導体素子の電極と第1配線導体2とが電気的および機械的に接続されることによって配線基板に搭載される。また、例えば、電子部品がワイヤボンディング型の半導体素子である場合には、半導体素子は、接合材によって電子部品搭載領域に固定された後、ボンディングワイヤを介して半導体素子の電極と第1配線導体2とが電気的に接続されることによって配線基板に搭載される。
【0042】
次に、本発明の多数個取り配線基板について、添付の図面を参照しつつ詳細に説明する。本発明の多数個取り配線基板は、上述の本発明の配線基板を製作するためのものである。
【0043】
本発明の多数個取り配線基板は、図11〜図16に示す例のように、複数の配線基板領域11aが縦および横の少なくとも一方の方向に配置された母基板11と、配線基板領域11aのそれぞれに一方主面に引き出されて配置された第1配線導体2および第2配線導体3と、第1配線導体2同士を電気的に接続する第3配線導体4と、第2配線導体3同士を電気的に接続する第4配線導体5と、配線基板領域11aの下面に接合された放熱体6とを有する多数個取り配線基板において、放熱体6は、配線基板領域11aとダミー領域11bとの境界または配線基板領域11a同士の境界の第3配線導体4または第4配線導体5が配置された部分に切り欠き6bを有し、切り欠き6bに、隣接する放熱体6が突出した突出部6cが配置されている。上記構成によって、母基板を配線基板領域に沿って分割する前に、母基板内に放熱体を接合でき、放熱体を接合した多数個取り配線基板を分割することによって、放熱体を接合した配線基板を多数、効率良く製作できる。
【0044】
図11〜図16に示す例では、多数個取り配線基板は、分割後に配線基板となる配線基板領域11aが縦に3個および横に3個ずつの計9個配置している。なお、配線基板領域11aは縦および横の少なくとも一方の並びに複数配置されていればよく、さらに多数個の並びに配置されたものであってもよい。このような配線基板領域11aの配置は、母基板11や配線基板領域11aの大きさ、配線基板領域11aに搭載される電子部品や第1配線導体2,第2配線導体3,第3配線導体4および第4配線導体5の配置等に合わせて設定される。
【0045】
母基板11は、絶縁層が例えば酸化アルミニウム質焼結体から成る場合であれば、酸化アルミニウム,酸化珪素,酸化マグネシウムおよび酸化カルシウム等のセラミック原料粉末に適当な有機バインダー,溶剤,可塑剤および分散剤等を添加混合して得たセラミックスラリーを従来周知のドクターブレード法等のシート成形方法を採用してシート状に成形してセラミックグリーンシートを得た後、セラミックグリーンシートに適当な打ち抜き加工を施すとともに必要に応じてこれを複数枚積層して、母基板1となる生成形体を作製して、約1500℃〜1800℃の温度で焼成することで、複数の絶縁層からなるものが製作される。
【0046】
母基板11は、図11〜図15に示す例においては、縦および横の少なくとも一方の並びに配列された複数の配線基板領域11aの周囲(母基板11の外周部)に、ダミー領域11bを有している。ダミー領域11bは、多数個取り配線基板の製造や搬送を容易とするための領域であり、このダミー領域11bを用いて母基板11となる生成形体や多数個取り配線基板の加工
時や搬送時の位置決め、固定等を行なうことができる。また、縦および横の少なくとも一方の並びに配列された複数の配線基板領域1aのそれぞれの周囲に、ダミー領域11bを有していても構わない。
【0047】
また、ダミー領域11bは、第3配線導体4および第4配線導体5ならびに第2金属導体10が形成される領域としても用いられる。ダミー領域11bにおいて、第3配線導体4同士や第4配線導体5同士、あるいは第3配線導体4と第4配線導体5とを電気的に接続させていても構わない。配線基板領域11aでの幅よりも幅広にするとともに、第3配線導体4および第4配線導体5と同様な方法により製作された共通導体12を複数の配線基板領域11aの周囲(母基板11の外周部)に設けられたダミー領域11bに枠状に形成あるいは各配線基板領域1aのそれぞれの周囲に設けられたダミー領域11bに格子状に形成しておくと、各配線基板領域1a毎の第1配線導体2および第2配線導体3に被着されるめっき層の厚みばらつきを小さくすることができる。
【0048】
放熱体6は、母基板1の下面に各配線基板領域11a毎にそれぞれ接合され、配線基板領域11aとダミー領域11bとの境界または配線基板領域11a同士の境界の第3配線導体4または第4配線導体5が配置された部分に切り欠き6bを有し、切り欠き6bに、隣接する放熱体6が突出した突出部6cが配置している。
【0049】
第3配線導体4および第4配線導体5の少なくとも一方は、図12および図13,図15およ
び図16に示す例のように、両端が放熱体6の切り欠き6bの形成された部分の配線基板領域11aの外縁を跨ぐように配置されている。これにより、個々の配線基板に分割した際、第3配線導体4の引き出し部4aおよび第4配線導体5の引き出し部5aの少なくとも一方は、絶縁基板1の縁1aにおいて、放熱体6から離間する。
【0050】
第3配線導体4は、図12および図13に示す例のように、隣接する配線基板領域1aの第1配線導体2同士を電気的に接続し、第4配線導体5は、隣接する配線基板領域1aの第2配線導体3同士を電気的に接続する。また、図15および図16の例に示すように、隣接する配線基板領域1aの第1配線導体2と第2配線導体3とを平面視で交互に反転させて配置させるとともに、第3配線導体4を隣接する配線基板領域1aの第1配線導体2同士を電気的に接続し、第4配線導体5を隣接する配線基板領域1aの第2配線導体3同士を電気的に接続させても構わない。この場合、第3配線導体4と第4配線導体5のいずれか一方を切り欠き6bの形成された部分の配線基板領域11aの外縁を跨ぐように配置しやすくなる。なお、このような場合には、図14〜図16の例に示すように、隣接する配線基板領域1aを、平面視で交互に反転させて配置しても構わない。
第1配線導体2と第2配線導体3の露出する表面に被着されるめっき層が同じである場合、図14および図15に示す例のように、第3配線導体4と第4配線導体5とを電気的に接続し、第1配線導体2と第2配線導体3とが、隣接する各配線基板領域11aにて交互に電気的に接続しても構わない。この場合、第3配線導体4と第4配線導体5のいずれか一方を切り欠き6bの形成された部分の配線基板領域11aの外縁を跨ぐように配置しやすくなる。
【0051】
また、第3配線導体4と第4配線導体5とは同一方向に延出しているが、平面視で交差する方向に延出しておくと、第3配線導体4と第4配線導体5のいずれか一方を切り欠き6bの形成された部分の配線基板領域11aの外縁を跨ぐように配置しやすくなるとともに、各配線基板領域11aに電子部品を搭載した後、母基板11の外周部に設けられたダミー領域11bを除去することで、各配線基板領域11aの行および列ごとに第1配線導体2と第2配線導体3との間の電気的接続状態を確認することができるようになる。
【0052】
そして、上記のような多数個取り配線基板を、各配線基板領域11aの外縁に沿って分割
することによって、図1〜図10に示す例のような配線基板を得ることができる。そして、配線基板の上面に電子部品を搭載することによって、電子装置とできる。また、各配線基板領域11aの上面にそれぞれ電子部品を搭載した後に、各配線基板領域11aの外縁に沿って分割してもよい。
【0053】
母基板11は、平面視で突出部6と重なる配線基板領域11aの外縁に沿って、突出部と重なるような溝が形成されていてもよい。これにより、溝の側面に接合材7を接合させて、母基板11と放熱体6とを強固に接合させることができる。また、溝は接合材7が底部に達しない深さとしておくことで、多数個取り配線基板を、各配線基板領域11aの外縁に沿って分割する際、分割時に接合材7を分割しないので、個々の配線基板に良好に分割することができる。このような溝は、例えば、断面視でV字状、四角形状や台形形状の溝等に形成できる。なお、四角形状や台形形状の溝とする場合には、それぞれの配線基板領域11aの周囲に、溝の幅以上のダミー領域11bを形成しておけばよい。
【0054】
母基板11を複数の絶縁基板1に分割する方法は、母基板11の配線基板領域11aの外縁に分割溝を形成しておき、この分割溝に沿って撓折して分割する方法、またはスライシング法等により配線基板領域11aの外縁に沿って切断する方法等を用いることができる。分割溝は、母基板11用の生成形体にカッター刃を押し当てたり、スライシング装置によって生成形体の厚みより小さく切り込むか、焼成後にスライシング装置により母基板11の厚みより小さく切り込んで形成できる。
【0055】
本発明は、上述の実施の形態の例に限定されるものではなく、種々の変更は可能である。例えば、図1〜図10に示す例では、1つの放熱体4に1つの絶縁基板1が接合された配線基板を示しているが、1つの放熱体4に複数の絶縁基板1が接合された配線基板であって構わない。
【0056】
また、図1〜図10に示す例では、絶縁基板1は、平面視で矩形状であるが、上面側に開口された底部を有した穴を、絶縁基板1の側面に半円形状や長円形状の穴、絶縁基板1の角部に扇形状の穴を備え、穴の内周面に第3配線導体4または第4配線導体5が設けられたものであっても構わない。この場合、放熱体6に平面視で穴よりも大きな切り欠き等の離間部6aを設けておけばよい。
【0057】
また、図1〜図10に示す例では、絶縁基板1が矩形状であり、放熱体6が離間部6aを備えた矩形状であるが、放熱体6は、平面視で離間部6aを備えた円形状や長円形状や多角形状であってもよい。
【0058】
また、図1〜図10に示す例の配線基板では、第1配線導体2と第2配線導体3とを備えているが、配線基板に搭載される電子部品や小型の電子部品に応じて、より多くの配線導体とを備えていても構わない。この場合は、それぞれの引き出し部に合わせて放熱体6の離間部6aを設けておけばよい。
【0059】
また、図1〜図10に示す例では、第3配線導体4および第4配線導体5は、絶縁基板1の対向する2側面に導出しているが、絶縁基板1の他の側面に導出しても構わない。
【符号の説明】
【0060】
1・・・・絶縁基板
1a・・・絶縁基板の縁
2・・・・第1配線導体
3・・・・第2配線導体
4・・・・第3配線導体
4a・・・第3配線導体の引き出し部
5・・・・第4配線導体
5a・・・第3配線導体の引き出し部
6・・・・放熱体
7・・・・接合材
8・・・・凹部
9・・・・第1金属導体
10・・・・第2金属導体
11・・・・母基板
11a・・・配線基板領域
11b・・・ダミー領域
12・・・・共通導体
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体素子や水晶発振子、発光素子等の電子部品を搭載するための配線基板および、配線基板となる配線基板領域が縦および横の少なくとも一方の並びに配置された多数個取り配線基板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体素子や水晶振動子等の電子部品を搭載するための配線基板は、例えば、酸化アルミニウム質焼結体等の電気絶縁材料から成る絶縁基板に、タングステンやモリブデン等の金属粉末メタライズから成る配線導体が配設されることによって形成されている。そして、このような配線基板上に電子部品を搭載するとともに、電子部品の各電極をはんだやボンディングワイヤ等の電気的接続手段を介して、対応する配線導体に電気的に接続することによって電子装置が作製される。
【0003】
このような配線基板は、近年の電子装置の薄型化および小型化の要求に伴って、その大きさが小さくなってきており、複数の配線基板を効率よく製作するために、多数個取り配線基板を分割することによって製作することが行なわれている。多数個取り配線基板は、広面積の母基板に配線基板となる複数の配線基板領域が縦横に配列形成されたものである。
【0004】
また、このような多数個取り配線基板においては、配線基板領域に上記の配線導体が形成されており、これらの配線基板領域の配線導体に電気的に接続されためっき用配線が形成されている場合がある。このような場合には、多数個取り配線基板をめっき浴に浸漬して、めっき用配線を介して各配線導体に電流を流すことで、電解めっき法によって配線導体の露出した表面にめっき層を被着させる。
【0005】
そして、各配線基板領域に電子部品を搭載して、電子部品と配線導体とを電気的に接続した後、個々の配線基板領域毎に分割することによって、複数の電子装置が同時に製作される。
【0006】
また、電子装置の放熱性を向上させるため、絶縁基板の下面に絶縁基板よりも熱伝導率の高い放熱体を接合材によって接合している配線基板が知られている。このような配線基板においては、絶縁基板よりも大きさの大きい放熱体を接合する場合もある(例えば、特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−311791号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記のようなめっき用配線を備えた多数個取り配線基板においては、多数個取り配線基板を分割した後、めっき用配線が絶縁基板の側面に露出される。近年は、配線基板のさらなる薄型化が求められており、絶縁基板の下面に接合される放熱体と配線基板の側面に露出しためっき用配線との間隔が、非常に狭くなってきている。このため、めっき用配線と放熱体との間のイオンマイグレーションや、接合材の広がり等によって、めっき用配線と放熱体とが接合されて、めっき用配線を介して配線導体と放熱体とが電気的に接続されてしまうことがある。このようなことが起こると、電子部品に所望の電圧や
電流を加えることができなくなることや、複数の配線導体同士が短絡してしまうことがある。例えば、電子部品として発光素子を用いた場合には、発光素子に所望の電流を印加させることができず、良好に発光させることができなくなる。
【0009】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的は、絶縁基板の下面に放熱体を接合させた配線基板において、複数の配線導体同士の短絡を低減できる配線基板および、このような配線基板を複数効率良く作製することができる多数個取り配線基板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の配線基板は、絶縁基板と、該絶縁基板の上面に引き出された第1配線導体および第2配線導体と、前記第1配線導体に接続されて前記絶縁基板の側面に引き出された第3配線導体と、前記第2配線導体に接続されて前記絶縁基板の側面に引き出された第4配線導体と、前記絶縁基板の下面に配置された放熱体とを備えた配線基板において、前記放熱体は、前記第3配線導体が引き出された引き出し部および前記第4配線導体が引き出された引き出し部の少なくとも一方の引き出し部の下方で、前記絶縁基板の縁から離間していることを特徴とするものである。
【0011】
本発明の多数個取り配線基板は、複数の配線基板領域が縦および横の少なくとも一方の方向に配置された母基板と、前記配線基板領域のそれぞれに一方主面に引き出されて配置された第1配線導体および第2配線導体と、前記第1配線導体同士を電気的に接続する第3配線導体と、前記第2配線導体同士を電気的に接続する第4配線導体と、各配線基板領域の下面に接合された放熱体とを有する多数個取り配線基板において、前記放熱体は、前記配線基板領域とダミー領域との境界または前記配線基板領域同士の境界の前記第3配線導体または前記第4配線導体が配置された部分に切り欠きを有し、該切り欠きに、隣接する前記放熱体が突出した突出部が配置していることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の配線基板によれば、放熱体は、第3配線導体が引き出された引き出し部および第4配線導体が引き出された引き出し部の少なくとも一方の引き出し部の下方で、絶縁基板の縁から離間していることから、配線基板の厚みを厚くすることなく、離間部によって絶縁基板の側面の少なくとも一方の引き出し部と放熱体との距離を長くするので、イオンマイグレーションや接合材の広がりによって、第3配線導体と放熱体との間および第4配線導体と放熱体との間の短絡を低減し、第1配線導体と第2配線導体とが短絡することを抑制できる。
【0013】
本発明の多数個取り配線基板によれば、放熱体は、配線基板領域とダミー領域との境界または配線基板領域同士の境界の第3配線導体または第4配線導体が配置された部分に切り欠きを有し、切り欠きに、隣接する放熱体が突出した突出部が配置していることから、母基板を配線基板領域に沿って分割する前に、母基板内に放熱体を接合でき、放熱体を接合した多数個取り配線基板を分割することによって、放熱体を接合した配線基板を多数、効率良く製作できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】(a)は、本発明の配線基板の実施の形態の一例を示す上面図であり、(b)は(a)の下面図の一例、(c)は(a)のA方向からの側面図の一例である。
【図2】(a)は、図1(a)のA−A線における断面図であり、(b)は(a)のA部における要部拡大断面図である。
【図3】(a)は、図1(a)のB−B線における断面図であり、(b)は(a)のA部における要部拡大断面図である。
【図4】(a)は、本発明の配線基板の実施の形態の他の例を示す上面図であり、(b)は(a)の下面図の一例、(c)は(a)のA方向からの側面図の一例である。
【図5】(a)は、本発明の配線基板の実施の形態の他の例を示す上面図であり、(b)は(a)の下面図の一例、(c)は(a)のA方向からの側面図の一例である。
【図6】(a)は、図5(a)のA−A線における断面図であり、(b)は、図5(a)の内部平面図の一例である。
【図7】(a)は、図5(a)のB−B線における断面図であり、(b)は、図5(a)の内部平面図の一例である。
【図8】(a)は、本発明の配線基板の実施の形態の他の例を示す上面図であり、(b)は(a)の下面図の一例、(c)は(a)のA方向からの側面図の一例である。
【図9】(a)は、図8(a)のA−A線における断面図であり、(b)は図8(a)のB−B線における断面図である。
【図10】(a)および(b)は、本発明の配線基板の実施の形態の他の例を示す断面図である。
【図11】(a)は、本発明の多数個取り配線基板の実施の形態の一例を示す上面図であり、(b)は下面図の一例である。
【図12】(a)は、図11(a)のA−A線における断面図の一例であり、(b)は図11(a)の内部平面図の一例である。
【図13】(a)は、図11(a)のB−B線における断面図の一例であり、(b)は図11(a)の内部平面図の一例である。
【図14】(a)は、本発明の多数個取り配線基板の実施の形態の他の例を示す上面図であり、(b)は下面図の一例である。
【図15】(a)は、図14(a)のA−A線における断面図の他の例であり、(b)は図11(a)の内部平面図の他の例である。
【図16】(a)は、図14(a)のB−B線における断面図の他の例であり、(b)は図11(a)の内部平面図の他の例である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の配線基板について、添付の図面を参照しつつ詳細に説明する。図1〜図16において、1は絶縁基板、1aは絶縁基板1の縁、2は第1配線導体、3は第2配線導体、4は第3配線導体、4aは第3配線導体4の引き出し部、5は第4配線導体、5aは第4配線導体5の引き出し部、6は放熱体、6aは離間部、6bは切り欠き、6cは突出部、7は接合材、8は凹部、9は第1金属導体、10は第2金属導体、11は母基板、11aは配線基板領域、11bはダミー領域、12は共通導体である。
【0016】
本発明の配線基板は、図1〜図10に示す例のように、絶縁基板1と、絶縁基板1の上面に引き出された第1配線導体2および第2配線導体3と、第1配線導体2に接続されて絶縁基板1の側面に引き出された第3配線導体4と、第2配線導体3に接続されて絶縁基板1の側面に引き出された第4配線導体5と、絶縁基板1の下面に配置された放熱体6とを備えた配線基板において、放熱体6は、第3配線導体4が引き出された引き出し部4aおよび第4配線導体5が引き出された引き出し部5aの少なくとも一方の引き出し部の下方で、絶縁基板1の縁1aから離間している。このような構成であることから、配線基板の厚みを厚くすることなく、離間部6aによって絶縁基板1の側面の少なくとも一方の引き出し部と放熱体6との距離を長くできるので、イオンマイグレーションや接合材の広がりによって、第3配線導体4と放熱体6との間および第4配線導体5と放熱体6との間の短絡を抑制し、第1配線導体2と第2配線導体3とが短絡されることを抑制できる。
【0017】
また、図1〜図10に示す例では、配線基板は、矩形状の絶縁基板1と、第1配線導体2と、第2配線導体3と、第1配線導体2に接続された第3配線導体4と、第2配線導体に接続された第4配線導体5と、絶縁基板1の下面に接合材7を介して接合され、平面視で
絶縁基板1よりも大きさの大きい放熱体6とを備えている。
【0018】
また、図1〜図4に示す例では、第4配線導体5が引き出された引き出し部5aの下方で、放熱体6が絶縁基板1の縁1aから離間している。図5〜図9,図10(b)に示す例では、第3配線導体4が引き出された引き出し部4aの下方で、放熱体6が絶縁基板1の縁1aから離間している。図10(a)に示す例では、第3配線導体4が引き出された引き出し部4aおよび第4配線導体5が引き出された引き出し部5aの下方で、放熱体6が絶縁基板1の縁1aから離間している。
【0019】
絶縁基板1は、例えば、酸化アルミニウム質焼結体(アルミナセラミックス),窒化アルミニウム質焼結体,ムライト質焼結体またはガラスセラミックス焼結体等のセラミックスから成るものである。
【0020】
絶縁基板1は、例えば酸化アルミニウム質焼結体から成る場合であれば、酸化アルミニウム,酸化珪素,酸化マグネシウムおよび酸化カルシウム等の原料粉末に適当な有機バインダーおよび溶剤等を添加混合して泥漿状とし、これをドクターブレード法やカレンダーロール法等によってシート状に成形してセラミックグリーンシートを得て、しかる後、セラミックグリーンシートに適当な打ち抜き加工を施すとともにこれを複数枚積層し、高温(約1600℃)で焼成することによって製作される。
【0021】
絶縁基板1は、図1〜図4および図8〜図10に示す例のように、上面に凹部8を備えているものであってもよい。このような凹部8は、セラミックグリーンシートにレーザー加工や金型による打ち抜き加工等によって、凹部8となる貫通孔を複数のセラミックグリーンシートに形成し、これらのセラミックグリーンシートを、貫通孔を形成していないセラミックグリーンシートに積層することで形成できる。また、絶縁基板1の厚みが薄い場合には、凹部8用の貫通孔は、セラミックグリーンシートを積層した後、レーザー加工や金型による打ち抜き加工等によって形成すると精度よく加工できるので好ましい。
【0022】
凹部8が発光素子を搭載する為の凹部である場合には、図8〜図10に示す例のように、凹部8の内側面と凹部8の底面とのなす角度θは鈍角であって、特に110度〜145度が好ましい。角度θをこのような範囲とすると、凹部8となる貫通孔の内側面を打ち抜き加工で安定かつ効率よく形成することが容易であり、この配線基板を用いた発光装置を小型化しやすい。また、発光素子が発した光を外部に向かって良好に放射できる。このような角度θの内側面を有する凹部8は、パンチの径とダイスの穴の径とのクリアランスを大きく設定した打ち抜き金型を用いてセラミックグリーンシートを打ち抜くことによって形成される。すなわち、打ち抜き金型のパンチの径に対してダイスの穴の径のクリアランスを大きく設定しておくことで、セラミックグリーンシートを一方主面側から他方主面側に向けて打ち抜く際にグリーンシートがパンチとの接触面の縁からダイスの穴との接触面の縁に向けて剪断されて、貫通孔の径が一方主面側から他方主面側に広がるように形成される。このとき、セラミックグリーンシートの厚み等に応じてパンチの径とダイスの穴の径とのクリアランスを設定することで、セラミックグリーンシートに形成される貫通孔の内側面の角度を調節できる。このような打ち抜き方法は、打ち抜き加工のみで、凹部8の内側面と凹部8の底面とのなす角度θを所望の角度にできることから、生産性が高い。
【0023】
また、パンチの径とダイスの穴の径とのクリアランスが小さい打ち抜き金型による加工によって角度θが約90度の貫通孔を形成した後に、貫通孔の内側面に円錐台形状または角錐台形状の型を押し当てることでも、上述のような一方の主面側から他方の主面側に広がる角度θを有する貫通孔を形成してもよい。このような場合には、凹部8の内側面と凹部8の底面とのなす角度θをより精度よく調整できる。
【0024】
図1〜図10に示す例では、第1配線導体2および第2配線導体3は、一端が絶縁基板1の上面に引き出されており、第1配線導体2および第2配線導体3をそれぞれ1つずつ設けている。このような第1配線導体2および第2配線導体3は、絶縁基板1の上面あるいは凹部8の底面に搭載される電子部品の電極と接続されるとともに、外部電気回路基板の配線に接続されるものである。また、第1配線導体2および第2配線導体3は、図4および図8に示す例のように、端部が上面の複数箇所に引き出されているものであっても構わない。これらの複数の第1配線導体2および第2配線導体3は、外部電気回路基板の配線とそれぞれ接続される。
【0025】
第3配線導体4は、一端が第1配線導体2に電気的に接続され、他端が絶縁基板1の側面に引き出されている。第3配線導体4は、第1配線導体2の露出する表面に電解めっき法によってめっき層を被着させる際に電流を流すための配線として用いられる。また、第4配線導体5は、一端が第2配線導体3に電気的に接続され、他端が絶縁基板1の側面に引き出されている。第4配線導体5は、第2配線導体3の露出する表面に電解めっき法によってめっき層を被着させる際に電流を流すための配線として用いられる。また、第3配線導体4および第4配線導体5が絶縁基板1の同一の側面に引き出される場合には、第3配線導体4の引き出し部4aと第4配線導体5の引き出し部5aの間隔は、第3配線導体4の引き出し部4a,第4配線導体5の引き出し部5a間のイオンマイグレーションを抑制するために、1.0mm以上としていることが好ましい。また、図4および図5に示す例
のように、同一の側面に引き出された複数の第3配線導体4の引き出し部4aと第4配線導体5の引き出し部5aとを異なる高さに配置することで、第3配線導体4の引き出し部4aと第4配線導体5の引き出し部5aとの間隔を長くしてもよい。第3配線導体4の引き出し部4a,第4配線導体5の引き出し部5aを異なる高さに配置するには、第3配線導体4および第4配線導体5を異なる絶縁層間に配置しておけばよい。
【0026】
このような第1配線導体2,第2配線導体3,第3配線導体4および第4配線導体5は、タングステン(W),モリブデン(Mo),マンガン(Mn),銀(Ag)または銅(Cu)等の金属粉末のメタライズから成る。例えば、絶縁基板1が酸化アルミニウム質焼結体から成る場合であれば、W,MoまたはMn等の高融点金属粉末に適当な有機バインダーおよび溶媒を添加混合して得た導体ペーストを、絶縁基板1となるセラミックグリーンシートに予めスクリーン印刷法によって所定のパターンに印刷塗布する。その後、絶縁基板1となるセラミックグリーンシートと所定のパターンに印刷塗布された導体ペーストとを同時に焼成することによって、絶縁基板1の所定位置に第1配線導体2,第2配線導体3,第3配線導体4および第4配線導体5が被着形成される。第1配線導体2,第2配線導体3,第3配線導体4および第4配線導体5が貫通導体である場合は、表面に形成される第1配線導体2,第2配線導体3,第3配線導体4および第4配線導体5となる導体ペーストパターンを形成する前に、金型やパンチングによる打ち抜き加工やレーザー加工によってグリーンシートに貫通孔を形成して、この貫通孔に印刷法によって導体ペーストを充填しておくことによって形成される。
【0027】
第1配線導体2および第2配線導体3の露出する表面には、電解めっき法によってめっき層が被着される。めっき層は、ニッケル,金または銀等の耐食性や接続部材との接続性に優れる金属から成るものであり、例えば、厚さ1〜10μm程度のニッケルめっき層と0.1〜3μm程度の金めっき層とが、あるいは厚さ1〜10μm程度のニッケルめっき層と0.1〜1μm程度の銀めっき層とが、順次被着される。これによって、第1配線導体2および第2配線導体3が腐食することを効果的に抑制できるとともに、電子部品と第1配線導体2または第2配線導体3との固着や第1配線導体2または第2配線導体3とボンディングワイヤ等の接続部材との接合や、外部端子と外部回路基板の配線導体との接合、および放熱体6と外部回路基板の導体との接合を強固にできる。
【0028】
また、放熱体6は、絶縁基板1の下面に接合されている。放熱体6は、絶縁基板1よりも熱伝導率の高い材料、例えば、銅(Cu),銅−タングステン(Cu−W)またはアルミニウム(Al)等の金属材料を用いることができる。例えば、絶縁基板1が酸化アルミニウム質焼結体であるときには、放熱体6をCuとして、放熱体6に絶縁基板1よりも熱伝導率の高い材料を用いることで、絶縁基板1に搭載された電子部品に生じた熱が、放熱体6を介して良好に放熱させることによって、放熱性に優れた配線基板とできる。また、放熱体6を外部回路基板の導体と接合することによって、発光装置の放熱性を高くできる。
【0029】
放熱体6は、銀−銅合金等から成るろう材等の接合材7を介してろう付けすることによって、絶縁基板1の下面に接合される。なお、ろう材等の接合材7を介してろう付けする際には、絶縁基板1の下面に接合金属層を形成しておけばよい。また、ろう材中にTi等の活性金属を添加した活性金属ろう材や樹脂材を用いれば、基体1にろう材あるいは樹脂材のみを介して放熱体6を接合できる。なお、接合材7として、ろう材あるいは熱伝導率の高い金属材料を添加混合した樹脂材を用いると、放熱性に優れた配線基板とすることができる。
【0030】
放熱体6は、第3配線導体4が引き出された引き出し部4aおよび第4配線導体5が引き出された引き出し部5aの少なくとも一方の引き出し部の下方で、絶縁基板1の縁1aから離間した離間部6aを備えている。離間部6aは、第3配線導体4および第4配線導体5と放熱体6との間で生じるイオンマイグレーションや、接合材7の広がりによって第3配線導体4が引き出された引き出し部4aと第4配線導体5が引き出された引き出し部5aとが短絡することを抑制するためのものである。第3配線導体4が引き出された引き出し部4aと放熱体6との長さおよび第4配線導体5が引き出された引き出し部5aと放熱体6との長さは、1.0mm以上とすることが好ましい。例えば、接合材7が導電性の材
料である場合であれば、図3(b)に示す例の、L1およびL2の長さの合計が1.0mm
以上であればよい。また、接合材7が絶縁性の材料である場合には、図3(b)に示す例の、L1,L2およびL3の長さの合計が1.0mm以上であればよい。
【0031】
また、離間部6aは、図1〜図4,図8および図9に示す例のように、放熱体6に切り欠き状に形成してもよいし、図5〜図7および図10(a)に示す例のように、放熱体6に貫通孔を設けることによって形成してもよい。このような場合には、第3配線導体4の引き出し部4aおよび第4配線導体5の引き出し部5aの少なくとも一方の下方に放熱体6が無く、接合材7の広がりが抑制されるので、第3配線導体4と第4配線導体5との短絡を抑制するのに有効である。
【0032】
また、図10(b)に示す例のように、放熱体6の上面に、断面視で絶縁基板1の縁1aよりも絶縁基板1の中央側から放熱体6の縁にかけて、凹部を形成して離間部6aを形成してもよいし、絶縁基板1の縁1aにおいて、絶縁基板1と放熱体6との間に接合材7が配置されない領域を形成しておき、放熱体6を絶縁基板1の縁1aから離間させておいてもよい。このような場合には、放熱体6をより大きくできるので、放熱性を向上するのに有効である。
【0033】
また、放熱体6の離間部6aは、図1〜図10に示す例のように、絶縁基板1の上面に引き出され、外部電気回路基板の配線に接続される第1配線導体2および第2配線導体3と、平面透視で重ならないようにしておくと、第1配線導体2および第2配線導体3と平面視で重なる部分に放熱体6が配置されているので、外部電気回路基板の配線と配線基板の第1配線導体2および第2配線導体3を押圧して接合させる際に、第1配線導体2および第2配線導体3を良好に押圧して接合させることができる。
【0034】
また、第3配線導体4の引き出し部4aおよび第4配線導体5の引き出し部5aが異なる高さに引き出されている場合には、図6および図7に示す例のように、第1配線導体2または第3配線導体4と第2配線導体3または第4配線導体5とを、絶縁基板1の内部で幅広に形成しておいても構わない。これにより、電子部品として発光素子を搭載する場合に、絶縁基板1の内部で金属からなる配線導体の配置された領域を広くして発光装置の放熱性を高めるとともに、絶縁基板1の下面方向への光の漏れを抑制できる。また、第1配線導体2および第2配線導体3の抵抗を小さくできる。また、図6および図7に示す例のように、絶縁基板1の上面と内部に形成された第1配線導体2同士、あるいは第2配線導体3同士とを複数の貫通導体により接続しておいてもよく、配線基板の放熱性を高めることができる。
【0035】
また、絶縁基板1は、凹部8を有して、電子部品として発光素子を搭載する場合であれば、図8〜図10に示す例のように、凹部8の内壁面に発光素子が発する光を反射させるための反射層を設けておいても構わない。反射層は、例えば、凹部8の内壁面に形成された第1金属導体9と第1金属導体9上に被着されためっき層とから形成される。また、第1金属導体9には、一端がこれらの第1金属導体9に電気的に接続され、他端が絶縁基板1の側面に引き出されている第2金属導体10が設けられている。第2金属導体10は、電気的に接続された第1金属導体9の露出する表面に電解めっき法によりめっき層を被着させる際に電流を流すための配線として用いられる。
【0036】
このような第1金属導体9および第2金属導体10は、第1配線導体2,第2配線導体3,第3配線導体4および第4配線導体5と同様の方法によって、凹部8の内壁面に被着形成される。これによって、凹部8の内壁面に平坦な反射膜を形成できる。金属ペーストは上記の導体ペーストと同じものでもよいし、印刷性を考慮して有機バインダーや溶媒の種類や量を変更したものでもよい。また、第1金属導体9の表面に被着されるめっき層は、例えば、第1配線導体2および第2配線導体3の露出する表面に被着されるめっき層と同様のものを用いることができる。
【0037】
なお、金めっき層は、銀めっき層と比較して接続部材や外部回路基板の配線導体との接合性に優れており、銀めっき層は、金めっき層と比較して光に対する反射率が高いことから、電子部品として発光素子を搭載する場合であれば、例えば、第1金属導体9の表面には銀めっき層を被着させ、第1配線導体2および第2配線導体3の表面には金めっき層を被着させても構わない。また、第1配線導体2および第2配線導体3ならびに第1金属導体9の最表面を銀と金との合金めっき層として、例えば、銀と金との全率固溶の合金めっき層としても構わない。この場合には、合金めっき層の表面に銀単体の粒子が存在していないので、硫化雰囲気中でも合金めっき層の表面が硫化し難く、反射特性を維持しやすくなり、信頼性に優れた配線基板とできる。
【0038】
また、図10(a)に示す例のように、凹部8の底面および側面の全面に第1金属導体9を形成し、第1配線導体2および第2配線導体3を凹部8の周囲の絶縁基板1の上面に形成しても構わないし、図10(b)に示す例のように、第1配線導体2を、凹部8の底面および凹部8の側面の全体に形成するとともに、一端を絶縁基板1の上面に引き出させていてもよい。凹部8の内面の反射層となる金属層に、電気的に接続されためっき用配線を設ける必要がないので、配線基板を薄型化するのに有効である。
【0039】
また、第2金属導体10を備え、第1配線導体2の表面と第1金属導体9の表面とに同じめっき層を被着させる場合には、第3配線導体4と第2金属導体10とを電気的に接続しても構わない。
【0040】
このように、発光素子を搭載する配線基板は、凹部8の内面全体に発光素子からの光を
反射する反射層を形成しているので、凹部8の深さが発光素子の高さより深いと、発光装置としたときの輝度を高くできる。また、図10(a)のような場合は、2ワイヤタイプの発光素子に好適に使用でき、図10(b)のような場合は、1ワイヤタイプの発光素子等に好適に使用できる。
【0041】
配線基板に実装される電子部品は、ICチップやLSIチップ等の半導体素子,発光素子,水晶振動子や圧電振動子等の圧電素子および各種センサ等である。例えば、電子部品がフリップチップ型の半導体素子である場合には、半導体素子は、はんだバンプや金バンプまたは導電性樹脂(異方性導電樹脂等)等の接合材を介して、半導体素子の電極と第1配線導体2とが電気的および機械的に接続されることによって配線基板に搭載される。また、例えば、電子部品がワイヤボンディング型の半導体素子である場合には、半導体素子は、接合材によって電子部品搭載領域に固定された後、ボンディングワイヤを介して半導体素子の電極と第1配線導体2とが電気的に接続されることによって配線基板に搭載される。
【0042】
次に、本発明の多数個取り配線基板について、添付の図面を参照しつつ詳細に説明する。本発明の多数個取り配線基板は、上述の本発明の配線基板を製作するためのものである。
【0043】
本発明の多数個取り配線基板は、図11〜図16に示す例のように、複数の配線基板領域11aが縦および横の少なくとも一方の方向に配置された母基板11と、配線基板領域11aのそれぞれに一方主面に引き出されて配置された第1配線導体2および第2配線導体3と、第1配線導体2同士を電気的に接続する第3配線導体4と、第2配線導体3同士を電気的に接続する第4配線導体5と、配線基板領域11aの下面に接合された放熱体6とを有する多数個取り配線基板において、放熱体6は、配線基板領域11aとダミー領域11bとの境界または配線基板領域11a同士の境界の第3配線導体4または第4配線導体5が配置された部分に切り欠き6bを有し、切り欠き6bに、隣接する放熱体6が突出した突出部6cが配置されている。上記構成によって、母基板を配線基板領域に沿って分割する前に、母基板内に放熱体を接合でき、放熱体を接合した多数個取り配線基板を分割することによって、放熱体を接合した配線基板を多数、効率良く製作できる。
【0044】
図11〜図16に示す例では、多数個取り配線基板は、分割後に配線基板となる配線基板領域11aが縦に3個および横に3個ずつの計9個配置している。なお、配線基板領域11aは縦および横の少なくとも一方の並びに複数配置されていればよく、さらに多数個の並びに配置されたものであってもよい。このような配線基板領域11aの配置は、母基板11や配線基板領域11aの大きさ、配線基板領域11aに搭載される電子部品や第1配線導体2,第2配線導体3,第3配線導体4および第4配線導体5の配置等に合わせて設定される。
【0045】
母基板11は、絶縁層が例えば酸化アルミニウム質焼結体から成る場合であれば、酸化アルミニウム,酸化珪素,酸化マグネシウムおよび酸化カルシウム等のセラミック原料粉末に適当な有機バインダー,溶剤,可塑剤および分散剤等を添加混合して得たセラミックスラリーを従来周知のドクターブレード法等のシート成形方法を採用してシート状に成形してセラミックグリーンシートを得た後、セラミックグリーンシートに適当な打ち抜き加工を施すとともに必要に応じてこれを複数枚積層して、母基板1となる生成形体を作製して、約1500℃〜1800℃の温度で焼成することで、複数の絶縁層からなるものが製作される。
【0046】
母基板11は、図11〜図15に示す例においては、縦および横の少なくとも一方の並びに配列された複数の配線基板領域11aの周囲(母基板11の外周部)に、ダミー領域11bを有している。ダミー領域11bは、多数個取り配線基板の製造や搬送を容易とするための領域であり、このダミー領域11bを用いて母基板11となる生成形体や多数個取り配線基板の加工
時や搬送時の位置決め、固定等を行なうことができる。また、縦および横の少なくとも一方の並びに配列された複数の配線基板領域1aのそれぞれの周囲に、ダミー領域11bを有していても構わない。
【0047】
また、ダミー領域11bは、第3配線導体4および第4配線導体5ならびに第2金属導体10が形成される領域としても用いられる。ダミー領域11bにおいて、第3配線導体4同士や第4配線導体5同士、あるいは第3配線導体4と第4配線導体5とを電気的に接続させていても構わない。配線基板領域11aでの幅よりも幅広にするとともに、第3配線導体4および第4配線導体5と同様な方法により製作された共通導体12を複数の配線基板領域11aの周囲(母基板11の外周部)に設けられたダミー領域11bに枠状に形成あるいは各配線基板領域1aのそれぞれの周囲に設けられたダミー領域11bに格子状に形成しておくと、各配線基板領域1a毎の第1配線導体2および第2配線導体3に被着されるめっき層の厚みばらつきを小さくすることができる。
【0048】
放熱体6は、母基板1の下面に各配線基板領域11a毎にそれぞれ接合され、配線基板領域11aとダミー領域11bとの境界または配線基板領域11a同士の境界の第3配線導体4または第4配線導体5が配置された部分に切り欠き6bを有し、切り欠き6bに、隣接する放熱体6が突出した突出部6cが配置している。
【0049】
第3配線導体4および第4配線導体5の少なくとも一方は、図12および図13,図15およ
び図16に示す例のように、両端が放熱体6の切り欠き6bの形成された部分の配線基板領域11aの外縁を跨ぐように配置されている。これにより、個々の配線基板に分割した際、第3配線導体4の引き出し部4aおよび第4配線導体5の引き出し部5aの少なくとも一方は、絶縁基板1の縁1aにおいて、放熱体6から離間する。
【0050】
第3配線導体4は、図12および図13に示す例のように、隣接する配線基板領域1aの第1配線導体2同士を電気的に接続し、第4配線導体5は、隣接する配線基板領域1aの第2配線導体3同士を電気的に接続する。また、図15および図16の例に示すように、隣接する配線基板領域1aの第1配線導体2と第2配線導体3とを平面視で交互に反転させて配置させるとともに、第3配線導体4を隣接する配線基板領域1aの第1配線導体2同士を電気的に接続し、第4配線導体5を隣接する配線基板領域1aの第2配線導体3同士を電気的に接続させても構わない。この場合、第3配線導体4と第4配線導体5のいずれか一方を切り欠き6bの形成された部分の配線基板領域11aの外縁を跨ぐように配置しやすくなる。なお、このような場合には、図14〜図16の例に示すように、隣接する配線基板領域1aを、平面視で交互に反転させて配置しても構わない。
第1配線導体2と第2配線導体3の露出する表面に被着されるめっき層が同じである場合、図14および図15に示す例のように、第3配線導体4と第4配線導体5とを電気的に接続し、第1配線導体2と第2配線導体3とが、隣接する各配線基板領域11aにて交互に電気的に接続しても構わない。この場合、第3配線導体4と第4配線導体5のいずれか一方を切り欠き6bの形成された部分の配線基板領域11aの外縁を跨ぐように配置しやすくなる。
【0051】
また、第3配線導体4と第4配線導体5とは同一方向に延出しているが、平面視で交差する方向に延出しておくと、第3配線導体4と第4配線導体5のいずれか一方を切り欠き6bの形成された部分の配線基板領域11aの外縁を跨ぐように配置しやすくなるとともに、各配線基板領域11aに電子部品を搭載した後、母基板11の外周部に設けられたダミー領域11bを除去することで、各配線基板領域11aの行および列ごとに第1配線導体2と第2配線導体3との間の電気的接続状態を確認することができるようになる。
【0052】
そして、上記のような多数個取り配線基板を、各配線基板領域11aの外縁に沿って分割
することによって、図1〜図10に示す例のような配線基板を得ることができる。そして、配線基板の上面に電子部品を搭載することによって、電子装置とできる。また、各配線基板領域11aの上面にそれぞれ電子部品を搭載した後に、各配線基板領域11aの外縁に沿って分割してもよい。
【0053】
母基板11は、平面視で突出部6と重なる配線基板領域11aの外縁に沿って、突出部と重なるような溝が形成されていてもよい。これにより、溝の側面に接合材7を接合させて、母基板11と放熱体6とを強固に接合させることができる。また、溝は接合材7が底部に達しない深さとしておくことで、多数個取り配線基板を、各配線基板領域11aの外縁に沿って分割する際、分割時に接合材7を分割しないので、個々の配線基板に良好に分割することができる。このような溝は、例えば、断面視でV字状、四角形状や台形形状の溝等に形成できる。なお、四角形状や台形形状の溝とする場合には、それぞれの配線基板領域11aの周囲に、溝の幅以上のダミー領域11bを形成しておけばよい。
【0054】
母基板11を複数の絶縁基板1に分割する方法は、母基板11の配線基板領域11aの外縁に分割溝を形成しておき、この分割溝に沿って撓折して分割する方法、またはスライシング法等により配線基板領域11aの外縁に沿って切断する方法等を用いることができる。分割溝は、母基板11用の生成形体にカッター刃を押し当てたり、スライシング装置によって生成形体の厚みより小さく切り込むか、焼成後にスライシング装置により母基板11の厚みより小さく切り込んで形成できる。
【0055】
本発明は、上述の実施の形態の例に限定されるものではなく、種々の変更は可能である。例えば、図1〜図10に示す例では、1つの放熱体4に1つの絶縁基板1が接合された配線基板を示しているが、1つの放熱体4に複数の絶縁基板1が接合された配線基板であって構わない。
【0056】
また、図1〜図10に示す例では、絶縁基板1は、平面視で矩形状であるが、上面側に開口された底部を有した穴を、絶縁基板1の側面に半円形状や長円形状の穴、絶縁基板1の角部に扇形状の穴を備え、穴の内周面に第3配線導体4または第4配線導体5が設けられたものであっても構わない。この場合、放熱体6に平面視で穴よりも大きな切り欠き等の離間部6aを設けておけばよい。
【0057】
また、図1〜図10に示す例では、絶縁基板1が矩形状であり、放熱体6が離間部6aを備えた矩形状であるが、放熱体6は、平面視で離間部6aを備えた円形状や長円形状や多角形状であってもよい。
【0058】
また、図1〜図10に示す例の配線基板では、第1配線導体2と第2配線導体3とを備えているが、配線基板に搭載される電子部品や小型の電子部品に応じて、より多くの配線導体とを備えていても構わない。この場合は、それぞれの引き出し部に合わせて放熱体6の離間部6aを設けておけばよい。
【0059】
また、図1〜図10に示す例では、第3配線導体4および第4配線導体5は、絶縁基板1の対向する2側面に導出しているが、絶縁基板1の他の側面に導出しても構わない。
【符号の説明】
【0060】
1・・・・絶縁基板
1a・・・絶縁基板の縁
2・・・・第1配線導体
3・・・・第2配線導体
4・・・・第3配線導体
4a・・・第3配線導体の引き出し部
5・・・・第4配線導体
5a・・・第3配線導体の引き出し部
6・・・・放熱体
7・・・・接合材
8・・・・凹部
9・・・・第1金属導体
10・・・・第2金属導体
11・・・・母基板
11a・・・配線基板領域
11b・・・ダミー領域
12・・・・共通導体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁基板と、該絶縁基板の上面に引き出された第1配線導体および第2配線導体と、前記第1配線導体に接続されて前記絶縁基板の側面に引き出された第3配線導体と、前記第2配線導体に接続されて前記絶縁基板の側面に引き出された第4配線導体と、前記絶縁基板の下面に配置された放熱体とを備えた配線基板において、前記放熱体は、前記第3配線導体が引き出された引き出し部および前記第4配線導体が引き出された引き出し部の少なくとも一方の引き出し部の下方で、前記絶縁基板の縁から離間していることを特徴とする配線基板。
【請求項2】
複数の配線基板領域が縦および横の少なくとも一方の方向に配置された母基板と、前記配線基板領域のそれぞれに一方主面に引き出されて配置された第1配線導体および第2配線導体と、前記第1配線導体同士を電気的に接続する第3配線導体と、前記第2配線導体同士を電気的に接続する第4配線導体と、各配線基板領域の下面に接合された放熱体とを有する多数個取り配線基板において、前記放熱体は、前記配線基板領域とダミー領域との境界または前記配線基板領域同士の境界の前記第3配線導体または前記第4配線導体が配置された部分に切り欠きを有し、該切り欠きに、隣接する前記放熱体が突出した突出部が配置していることを特徴とする多数個取り配線基板。
【請求項1】
絶縁基板と、該絶縁基板の上面に引き出された第1配線導体および第2配線導体と、前記第1配線導体に接続されて前記絶縁基板の側面に引き出された第3配線導体と、前記第2配線導体に接続されて前記絶縁基板の側面に引き出された第4配線導体と、前記絶縁基板の下面に配置された放熱体とを備えた配線基板において、前記放熱体は、前記第3配線導体が引き出された引き出し部および前記第4配線導体が引き出された引き出し部の少なくとも一方の引き出し部の下方で、前記絶縁基板の縁から離間していることを特徴とする配線基板。
【請求項2】
複数の配線基板領域が縦および横の少なくとも一方の方向に配置された母基板と、前記配線基板領域のそれぞれに一方主面に引き出されて配置された第1配線導体および第2配線導体と、前記第1配線導体同士を電気的に接続する第3配線導体と、前記第2配線導体同士を電気的に接続する第4配線導体と、各配線基板領域の下面に接合された放熱体とを有する多数個取り配線基板において、前記放熱体は、前記配線基板領域とダミー領域との境界または前記配線基板領域同士の境界の前記第3配線導体または前記第4配線導体が配置された部分に切り欠きを有し、該切り欠きに、隣接する前記放熱体が突出した突出部が配置していることを特徴とする多数個取り配線基板。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−114278(P2012−114278A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−262576(P2010−262576)
【出願日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
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