説明

作業車両

【課題】圃場の路面状況を適確に把握できると共に、圃場の状態に応じた旋回及び走行が可能で作業効率や操作性が向上する作業車両の提供である。
【解決手段】走行機体Tの後部に装着した作業機Rと、後輪3のブレーキと、前輪2の操作ハンドル7と、前方の路面状況を撮影するCCDカメラ15と、前方の障害物までの距離を検出する超音波センサ17と、旋回時期を報知するブザー50と、CCDカメラ15の画像から前方の障害物までの距離を算出し、超音波センサ17による検出距離とほぼ同じである場合に、旋回までの走行距離を算出して旋回時にブザー50などにより報知すると共にハンドル7操作により走行機体Tが旋回すると作業機Rを上昇させて旋回内側の後輪3のブレーキを作動させ、旋回が終了するとCCDカメラ15の画像から未耕地と既耕地を判断して作業機Rの下降位置を判定し作業機Rを下降させる制御を行う制御装置とを設けた作業車両である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農業用、建築用、運搬用等の作業機を連結した作業車両、特にトラクタなどの作業車両の路面状況を予測するための検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
トラクタなどの作業車両が圃場を走行する場合に、圃場の路面状況に応じた走行速度や作業内容となるようにすることで、作業効率が向上する。したがって、圃場の路面状況を適確に把握することはきわめて重要である。路面の性状を測定する路面性状測定車として、車両の前部に下方を撮影する左右一対のひび割れ検出カメラと車体中央に搭載された画像処理装置及び演算処理装置からなる路面性状測定車が知られているが、このひび割れ検出カメラで捉えた影像は画像処理によるひび割れ検出のみに用いられており、ひび割れの位置測定には別途の装置が必要であった。
【0003】
そこで、下記特許文献1には、車体の上部前方に張り出された左右対称位置に配置され上方から路面を撮影する左右一対のひび割れ検出カメラと、各検出カメラの側面に付設されカメラと路面間の距離を測定する上下方向距離計と、各カメラの画像を処理する画像処理装置及び演算処理装置を備え、道路幅員及び車両位置を検出する路面性状測定車において、上記カメラとしてそれぞれ同一性能のCCD内蔵型ひび割れ検出カメラを備えた構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平08−184422号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1記載の構成によれば、車両を白線に沿って走行させながら、ひび割れ検出カメラ、画像処理装置により路面の白線を検出するとともに、カメラと路面間の距離測定器によりカメラから路面間の距離又は変位を検出する。そして、演算処理装置により路面の白線と車両の相対位置を算出し、道路の幅員を求めると共にひび割れ検出用カメラ画像の画面長基準の白線の相対位置を検出する。
したがって、幅員及び白線を基準とした車両位置を検出し、幅員測定及びひび割れの位置測定が可能になることで、圃場の路面状況を適確に把握できる。
【0006】
一方、作業車両は圃場内を直線走行と旋回の繰り返しで走行しながら作業を行う(往復作業)。この直線距離及び旋回位置は、圃場の状態によって異なり、畦などの障害物の位置を基準として通常は作業者(運転者)の判断で行われている。
しかし、より作業効率や操作性を高めるためには、畦などの障害物の位置を正確に把握することが重要である。
【0007】
そこで、本発明の課題は、圃場の路面状況を適確に把握できると共に、圃場の状態に応じた旋回及び走行が可能で作業効率や操作性が向上する作業車両の提供である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の上記課題は次の解決手段で解決される。
請求項1記載の発明は、左右前輪(2,2)及び左右後輪(3,3)を備えた走行機体(T)と、該走行機体(T)の後部に昇降可能に装着された耕耘を含む作業用の作業機(R)と、前記後輪(3,3)のブレーキと、前記前輪(2,2)を左右方向に手動で操向操作するための操向操作手段(7)と、走行機体(T)の前部に設けられ、該走行機体(T)の前方の路面状況を撮影可能なCCDカメラ(15)及び走行機体(T)の前方の障害物までの距離を検出可能な超音波センサ(17)と、走行機体(T)の旋回時期を報知する報知手段(50、52)と、前記CCDカメラ(15)の撮影した画像により走行機体(T)の前方の障害物までの距離を算出し、超音波センサ(17)による前方の障害物までの距離と比較してほぼ同じ距離である場合に、該前方の障害物までの距離と走行機体(T)及び作業機(R)の全長より現地点から走行機体(T)の旋回位置までの走行距離を算出し、走行機体(T)が該走行距離に達すると前記報知手段(50)により報知させると共に操向操作手段(7)の手動操作により走行機体(T)の旋回が開始すると作業機(R)を上昇させて旋回内側の後輪(3)のブレーキを作動させ、更に旋回が終了すると旋回後のCCDカメラ(15)の撮影した画像により未耕地と既耕地を判断すると共に、作業機(R)を下降させた場合の位置が適切であるかを判定し、適切であると判定した場合は作業機(R)を下降させる制御を行う制御装置(100)とを設けた作業車両である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の作業車両は、CCDカメラ(15)を搭載していることから、作業車両前方の圃場の路面状況を適確に把握できる。そして、CCDカメラ(15)の画像から得られた距離と超音波センサ(17)により得られた距離を比較することにより、畦等の障害物までの距離をより正確に計測することができると共に、報知手段(50)により旋回のタイミングを報知することで、作業者は旋回位置を容易に把握できる。
また、旋回時には作業機(R)の昇降が自動で行われるため、作業者は操向操作手段(7)から片手を外すことなく操向操作ができ、安全に作業ができる。
【0010】
更に、CCDカメラ(15)の画像から未耕地と既耕地を判断し、作業機(R)の下降位置を判定することで、適切な位置に作業機(R)を下降させることができる。
したがって、本発明によれば、報知手段(50)により作業者が旋回位置を認識して操向操作手段(7)により操向操作を開始すると、自動的に旋回内側の後輪(3)のブレーキが作動し、作業機(R)の下降位置を判定することで、圃場の状態に応じた旋回及び走行が可能となり作業効率や操作性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態のトラクタの左側面図である。
【図2】CCDカメラによる障害物までの距離の算出方法を説明した図である。
【図3】図1のトラクタの制御ブロック図である。
【図4】図3の制御装置による制御フローの例を示した図である。
【図5】図3の制御装置による制御フローの例を示した図である(図4の続きである)。
【図6】図1のトラクタの作業機の下降位置を示した図(平面図)である。
【図7】本発明の他の実施形態のトラクタの左側面図である。
【図8】本発明の他の実施形態のトラクタの左側面図である。
【図9】本発明の他の実施形態のトラクタの左側面図である。
【図10】圃場外に設けたCCDカメラからトラクタを撮影する場合の斜視図である。
【図11】本発明の他の実施形態のトラクタの左側面図である。
【図12】本発明の他の実施形態のトラクタの左側面図である。
【図13】本発明の他の実施形態のトラクタの左側面図である。
【図14】図13のトラクタの作業機付近の簡略背面図である。
【図15】圃場全体の様子を表した図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施の形態について以下図面と共に説明する。なお、本明細書では車両の前進方向に向かって左右をそれぞれ左、右といい、前後をそれぞれ前、後ということにする。そして、本発明の実施の形態によれば、作業車両の一例であるトラクタを例として以下に説明する。
図1には本発明の実施形態のトラクタの左側面図を示し、図2には、CCDカメラによる障害物までの距離の算出方法を説明するための図を示し、図3には、図1のトラクタの制御ブロック図を示し、更に図4及び図5には図3の制御装置による制御フローを示す。
【0013】
乗用四輪駆動の走行形態を有するトラクタ1は、ステアリングハンドル7で前輪2を操向しながら走行運転する。トラクタ1の走行機体Tの後部にはロータリ耕耘装置等の作業機Rを3点リンク機構により昇降可能に装着して対地作業を行うことができる。この走行機体Tは、前端部にフロントアクスルハウジング(図示せず)に支架させるエンジンブラケットを介してエンジン6を搭載し、このエンジン6の後側にクラッチハウジングや、ギア式変速装置(トランスミッション)(図示せず)を収納したミッションケース(図示せず)等を一体的に連結し、このミッションケースの最後部にリヤアクスルハウジング(図示せず)を設けて、左右両側部に後輪3を軸装する。
【0014】
そして、本実施形態のトラクタ1は、ボンネット5の前方上部に、機体進行方向前方の圃場面を撮影可能なCCDカメラ15を搭載している。したがって、CCDカメラ15による画像を操縦席10近傍のモニター(図示せず)などに表示することで、この画像からトラクタ前方の圃場の路面状況を適確に把握できる。また、CCDカメラ15を左右前後上下に回動可能に取り付け、スイッチ操作等により回動させることで広範囲の撮影が可能となる。
更に、ボンネット5の前方下部には、トラクタ前方の障害物までの距離を測定する超音波センサ17を取り付けている。そして、トラクタ1の前方にある障害物までの距離をCCDカメラ15による画像から制御装置100によって割り出し(算出する)、このCCDカメラ15の画像から得られた距離と超音波センサ17により得られた距離を比較することを特徴としている。
【0015】
図3に示すように、トラクタの前方に設けられたCCDカメラ15や超音波センサ17からの電気信号が制御装置(CPU)100に入力されることで、CCDカメラ15から障害物までの距離と超音波センサ17から障害物までの距離がそれぞれ算出され、図示しない操縦席10のモニターなどに表示される。
CCDカメラ15により撮影される画像はモノクロであるが、この画像から濃淡値のヒストグラムを作成し、それからしきい値を決定することにより、画像を2つの領域(この場合は障害物の有無)に分類することができる。CPU100内には予め撮像している正常な圃場データ画像を取り込んでいて、この記憶しているデータと比較して障害物と判定する。なお、CCDカメラ15により撮影される画像からは、水の有無、凹凸などの圃場面の状態も把握できる。撮像する画像によって輝度レベルの分布に特徴的な違いが現れることで、圃場の路面状況を把握できる。
【0016】
また、CCDカメラ15にカラーフィルタを用いることで、カラー写真のようなカラー撮影も可能であり、カラー画像をモニターに表示することで、見やすくなる。
CCDカメラ15によるトラクタ前方の障害物までの距離は、何らかの基準があれば算出できる。例えば、図2に示すように、畦の高さを基準とした場合、畦の高さは決まっているので、予め畦Zの高さHを制御装置100に入力しておく。また、CCDカメラ15による撮像する範囲も決まっているため、CCDカメラ15下部から撮像されない部分の距離Laも同様に入力しておく。なお、CCDカメラ15の設置角度と地面からCCDカメラ15までの距離(CCDカメラ15の設置高さ)から距離Laを求めても良い。そして、CCDカメラ15の画素数が分かっているので畦Zの高さHに対する画素数とCCDカメラ15の撮像範囲の畦Zまでの距離Lbに対する画素数、及び畦Zの高さHから距離Lbも算出できる。したがって、La+Lbからトラクタ前方の障害物までの距離が求まる。
【0017】
畦等のトラクタ前方の障害物までの距離が計測できれば、どの地点で旋回したらよいか作業者も判断しやすく、それに応じた作業を行うことができる。また、CCDカメラ15の画像から得られた距離と超音波センサ17により得られた距離を比較することにより、より正確な距離を算出することが可能となる。
【0018】
また、制御装置100により、CCDカメラ15の画像からトラクタ前方にある障害物までの距離を算出し、その算出距離とトラクタ1の全長(作業機Rを含めた全長)から旋回位置を割り出して、トラクタ1が旋回位置(又は旋回位置手前)に到達するとブザー(音声による報知手段の一例である)50により旋回のタイミング(旋回の時期)を作業者に報知する。そして、ブザー50がなると、それを合図に作業者はハンドル7を回してトラクタ1の旋回が開始する。ハンドル7の旋回(操舵)作動に対応する前輪2,2の操舵角度(旋回角度)は操舵センサ20により検出されて制御装置100に入力される。そして、前輪2,2の操舵角度が所定値以上となったら制御装置100により旋回内側の後輪3のブレーキが作動する。すなわち、後輪3の左ブレーキのソレノイド53又は右ブレーキのソレノイド55が作動して自動でブレーキ作動油の油圧が上昇し、ハンドル7を切った方向(旋回内側)の後輪3のブレーキが利く構成である。このようなブレーキ作動と同時に作業機Rも自動で上昇する構成としている。
【0019】
畦等のトラクタ前方の障害物(畦等)までの距離が計測することができると、どの地点で旋回したらよいか作業者も判断しやすい。また、制御装置100により自動で作業機上昇の作動油の油圧が上昇することで、作業者はハンドル7から片手を外すことなくハンドル操作ができるため、安全に作業ができる。
【0020】
また、ブザー50により旋回のタイミングを知らせるのではなく、視認できる報知手段により作業者に報知する構成でも良い。例えば旋回ランプ52が点滅(又は点灯)することで作業者に報知するようにしても良い。
そして、旋回ランプ52が点滅(点灯)と同時に左ブレーキのソレノイド53又は右ブレーキのソレノイド55が作動して自動でブレーキ作動油の油圧が上昇し、ハンドル7を切った方向の後輪3のブレーキが利く構成にしても良い。また、作業者が旋回位置を認識しやすいように、旋回ランプ52とブザー50の両方の報知手段により報知する構成でも良い。
【0021】
また、本実施形態のトラクタ1の制御装置100は、トラクタ前方に設けたCCDカメラ15により未耕地と既耕地が認識可能に画像処理できる機能を有し、枕地(いわゆる畦のことである)の旋回後に作業機Rを下降させることを特徴としている。また、トラクタ1の上部にもCCDカメラ15(図示せず)を設けても良い。このCCDカメラ15を前方下り傾斜になるようにトラクタ前方上部(例えばキャビン27のルーフ前部)に斜めに設置してトラクタ1の前方下部を撮影できるようにすると、圃場面の状態がより分かりやすくなる。
【0022】
そして、CCDカメラ15による耕耘圃場面の画像から、制御装置100によって未耕地側の分析領域と既耕地側の分析領域とにおける輝度の変化を各々計測して周波数分析を行い、この周波数分析によって得られたスペクトル分布の比較識別によりしきい値を決定し、未耕地と既耕地の境界を検出することができる。
【0023】
このように耕耘作業時に、圃場面の輝度変化の周波数分析を基準として未耕地と既耕地の境界を検出することができるため、安定した境界検出精度を維持できると共に、作業適応性の向上を図ることができる。
そして、制御装置100によってトラクタ1の左右どちらが未耕地又は既耕地であるかを判断することで、枕地の旋回後の作業機Rの落下位置を算出することができると共に、トラクタ1の旋回開始から作業機Rを下降して作業に戻るまでの自動制御が行える。また、機体Tの上部から圃場面を撮影することにより、一台のトラクタ1で未耕地又は既耕地の判断を下すことができる。
【0024】
図4及び図5には、制御装置100の旋回制御のフローチャートの一例を示す。
CCDカメラ15の画像からトラクタ前方にある障害物(例えば、畦)までの距離L1を算出し、超音波センサ17により得られた障害物までの距離L2を算出する。そして、距離L1と距離L2を比較して両者の値がほぼ近似する場合は、予め入力され記憶されているトラクタの全長(作業機Rを含めた全長)と前記算出距離により現地点から旋回位置までの走行距離(L3)を算出する。このように、トラクタ1の旋回位置は、障害物の位置によって制御装置100により決定される。
【0025】
トラクタ1が距離L3走行すると、ブザー50により旋回のタイミングを作業者に報知する。なお、音声による報知手段であればブザー50ではなく、聴覚により認識できる人の声や音楽などでも良い。そして、制御装置100は操舵センサ20から検出される旋回角度から、すなわちハンドル7の旋回角度が所定値以上になったことを操舵センサ20が検出すると、作業機昇降シリンダ(図示せず)の作業機上昇ソレノイド(バルブ)57を作動させることで作業機Rが上昇する。また、作業者のハンドル7の操作によりトラクタ1が旋回して操舵センサ20から検出される前輪2,2の操舵角度(旋回角度)が所定値以上になると制御装置100により旋回内側の後輪3のブレーキのソレノイド53(55)が作動して旋回内側の後輪3のブレーキが効く構成である。このようなブレーキ作動と同時に作業機Rも自動で上昇する構成でも良い。
【0026】
トラクタ1の旋回時に旋回内側の後輪3のブレーキが作動することで、旋回内側となる後輪3の推進力を抑制させて左右後輪3の推進力の差によってトラクタ1を旋回させることで旋回性を良好にでき、旋回半径を小さくできる。
そして、トラクタ1が略180度旋回すると、操舵センサ20から検出される旋回角度から、制御装置100により旋回が終了したと判断し、更に旋回後のCCDカメラ15の画像から制御装置100によってトラクタ1の左右どちらが未耕地又は既耕地であるかを判断して作業機Rの下降位置を算出し、そのまま作業機を下降させた場合に作業機Rの下降位置(落下位置)が適切であるか否かを判断する。
【0027】
制御装置100によって作業機Rの下降位置が適切でないと判断した場合、例えばハンドル7の操作は手動であるため、頻度は低いが、既耕地側に寄りすぎたり、その逆に未耕地側に寄りすぎたりする場合がある。このような場合は、機体Tの位置の修正が必要であることを作業者に報知する。例えば、トラクタ1が作業軌道から現在のずれている状況をモニターに表示したり、報知手段50により音声で知らせる。作業者が、作業機Rの下降位置が適切な位置になるように機体Tの位置を(右又は左に)修正する。この修正は、作業者の手動操作(ハンドル7)で行うものである。例えば、図6には、トラクタ1の作業機Rの下降位置を示しているが、このように既耕地と未耕地との境界の未耕地側に降ろすと良い。
【0028】
そして、制御装置100により、そのまま作業機Rを降ろした場合の作業機Rの下降位置が適切であると判断した場合は作業機昇降シリンダの作業機下降ソレノイド(バルブ)59を作動させて作業機Rを未耕地側に下降させる。
このように、ブザー50などの報知手段により作業者が旋回位置を認識してハンドル7を操作すると、自動的に旋回内側の後輪3のブレーキが作動し、作業機Rの下降位置を判定することで、作業者も旋回位置を把握でき、また作業性やトラクタの旋回性、走行性、操作性などが向上する。
【0029】
また、制御装置100は、トラクタ前方に設けたCCDカメラ15により、未耕地又は既耕地であるかを判断してトラクタ1の進行方向が設定できるように画像制御し、且つトラクタ1の現在位置を確認できる位置確認装置、例えば、GPS受信装置23などにより現在のトラクタ1の位置を確認して、トラクタ1が標準的な作業軌道上を外れて走行している場合はエンジン停止回路30(図3)に出力してエンジン6を停止させる機能を有している。
【0030】
機体Tの進行方向の制御は、CCDカメラ15により撮影したトラクタ前方の画像をもとに未耕地と既耕地を判断して行う。そして、トラクタ1の現在位置は、GPS受信装置23(図1、図3)から入力される。CCDカメラ15により未耕地と既耕地との境界を検出しながら機体Tの進行方向制御を行い、更にGPS受信装置23からの信号によってもトラクタ1の位置を常時確認する。
そして、GPS受信装置23による検証によってトラクタ1が未耕地と既耕地との境界からずれて走行している場合は明らかに不自然であるため、作業者の身に何か起こった可能性が考えられる。例えば、作業者が倒れ込んだ結果、操作部のレバー等を動かしてしまったり、ペダル等を踏んでしまうことによる誤操作が起こる可能性があるため、強制的にエンジン6を停止させて安全を確保する。
【0031】
このように、標準的な作業軌道上をトラクタ1が外れた場合は、緊急にエンジン6を停止させることで作業者の安全を確保することができる。
なお、GPS受信装置23による検出はカーナビゲーションのように地図上に表示しても良いし、モニターなどの画面上に走行軌跡のみを表示しても良い。例えば、モニター画面を二分割して一方側をCCDカメラ15による二値化画像とし、他方側をGPS受信装置23によるGPS情報を表示するのが適当である。カーナビゲーションのように地図上に表示しない場合は、耕耘幅を含む走行軌跡を表示する。
【0032】
また、画面上に表示しなくても、GPS受信装置23からの信号(緯度、経度)を制御装置100に記憶させることで、未耕地と既耕地との境界からのずれを検出できる。緯度、経度から過去のトラクタ1の走行軌跡が点でわかり、この点を線で結び、その線に対して耕耘幅を考慮する。そして、トラクタ1が180度旋回して戻りながら耕耘作業を行う場合も、走行軌跡は緯度、経度から点でわかり、この点を線で結び、この線に対して耕耘幅を考慮することで、未耕地と既耕地のずれが算出でき、ずれていれば作業者にブザー50や旋回ランプ52などにより報知する。
【0033】
図7には、本発明の他の実施形態のトラクタの左側面図を示す。
また、トラクタ1のボンネット5の前部に前方へ突出する支持部材25を設け、この支持部材25に超音波センサ17を支持しても良い。例えば、ボンネット5の前部に長手方向が前後方向に位置する二本のレール25を取り付けて、超音波センサ17がレール25上を前後方向にスライド可能な構成としても良い。このように、超音波センサ17を触覚のように機体Tよりも前方に突出させると、ボンネット5の前部に設けた場合(図1)よりも、より事前に路面状況を把握できる。このように、超音波センサ17を前方に突き出すことで、センサ17の応答時間が早まり、早めに路面状況を予測できる。
【0034】
図8には、本発明の他の実施形態のトラクタの左側面図を示す。
更に、CCDカメラ15を前方下り傾斜になるようにボンネット5に斜めに設置してトラクタ1の前方下部を撮影できるようにすると、トラクタ1の直前の圃場面の状態がより分かりやすくなる。また、CCDカメラ15をトラクタ1の後部(例えばキャビン27の後部や作業機Rの連結部付近、操縦席10の後ろなど)に設置してトラクタ1の後方の圃場の状況が把握できるようにしても良い。後方のCCDカメラ15により既耕地と既耕地との間に未耕地が残っているか否かを検出できる。そして、未耕地が残っている場合は、機体Tの進行方向制御の補正を制御装置100により行う。
【0035】
更に、トラクタ後方上部(例えばキャビン27のルーフ後部)にもCCDカメラ15を後方下り傾斜になるように設置すると、トラクタ1の真後ろの圃場面の状態がより分かりやすくなる。
夜間やライト灯火時に圃場面の起伏を明暗状況により予測できることで、作業機Rに作用する負荷が事前に予測可能となるので、作業者(運転者)に減速の指示をしたり、作業機Rの水平制御を少し早めに行うことで圃場の整地性が向上するようになる。
【0036】
図9は、本発明の他の実施形態のトラクタの左側面図を示し、図10には圃場外のCCDカメラからトラクタ1を撮影する場合の斜視図を示す。
また、圃場外にもCCDカメラ15を設けると良い。このCCDカメラ15により圃場内を走行するトラクタ1の動きを追うことで、路面状況を予測できる。例えば、トラクタ1が圃場の端まで走行して180度旋回して戻って来るときに、前回の走行状況を記憶しておくことで、路面状況の予測ができる。前回と比べて既耕地と未耕地の関係で軌跡が少しずれてはいるが、通常大きな変化はない。
【0037】
図9に示すように、トラクタ1の前輪2と後輪3の回転中心付近に基準となる目印2a、3aを設け、CCDカメラ15の画像からこの目印2a、3aの位置を認識することで(白黒でも図9のような濃淡をつけると判別できる)、トラクタ1の位置を把握できる。圃場外のCCDカメラ15による画像が各トラクタ1のモニターに表示されるようにしても良いし、例えば、あるトラクタ1の走行状態が不自然である場合や標準的な作業軌道を外れている場合などに、圃場外のCCDカメラ15による画像から他の作業者がそのトラクタ1の作業者に指示を出したり、連絡を取ることができるように(例えば、双方会話ができるように)通信可能な構成としても良い。
【0038】
また、後述のように中央管理室(センター)47(図3、図15)を設置して、圃場外のCCDカメラ15による画像を常時管理できるようにし、圃場外のCCDカメラ15の画像から明らかにトラクタ1の走行状態が誤操作によるものと判断される場合は、中央管理室47からの通信によりエンジン停止回路30に出力して強制的にエンジン6を停止させるようにすることで、安全を確保できる。
【0039】
図11には、本発明の他の実施形態のトラクタの左側面図を示す。
更に、トラクタのキャビン27のステップ29近傍に前輪2や後輪3の表面を撮影可能なCCDカメラ15を設けても良い。このCCDカメラ15から前輪2や後輪3の表面のタイヤラグ(図示せず)に泥がどの程度付着しているのかが分かる。例えば、泥が多いと圃場面が湿っており水気が多くて圃場が軟らかく、泥が少ないと圃場面が乾いており圃場が硬いと予測、判断できる。
【0040】
CCDカメラ15の設置位置はトラクタのステップ29近傍に限られず、前輪2や後輪3の表面が撮影可能な位置に設ければ良い。例えば、前輪2の表面を撮影するCCDカメラ15はボンネット5の下部に設けても良いし、後輪3の表面を撮影するCCDカメラ15はキャビン27の下部に設けても良い。また、複数のCCDカメラ15によらずに、1台のCCDカメラ15を前輪2と後輪3の間に回動可能に取り付け、スイッチ操作等により回動させることで前輪2及び後輪3の両方の表面の状態を撮影可能な構成としても良い。
【0041】
図12には、本発明の他の実施形態のトラクタの左側面図を示す。
トラクタの上部(例えば、キャビン27のルーフ)に風力計33、降雨計35、ソーラー計37などを設けると、現在の天候が把握できると共に、今後の天候が予測できる。したがって、CCDカメラ15による画像に風力計33の風力センサ33a、降雨計35の雨水センサ35a、ソーラー計37の太陽光センサ37aなどの各センサ値から把握できる天候を考慮して路面状況を予測することで、今後の作業計画を立てることができる。
【0042】
例えば、現在は圃場面が湿った状態であるが、風が穏やかで日差しが出てきているような天候の場合(これから天気が良くなると予想される)は作業を長時間続けられるとか、現在は圃場面が乾いた状態であるが、風が強くなってきて日差しがなくなり雨が降りそうな天候が予測される場合(これから天気が悪くなると予想される)は作業を早めに切り上げるとかなどの作業計画を具体的に立てることができ、作業効率が向上する。
【0043】
図13には、本発明の他の実施形態のトラクタの左側面図を示し、図14には作業機R付近の簡略背面図を示す。
また、トラクタの作業機Rの接続部付近(例えば、ロータリーマスト部)に、作業機Rの前方側を撮影するCCDカメラ15と作業機Rの後方側を撮影するCCDカメラ15を設けると、作業前と作業後の圃場の状態を検出できる。例えば、図14に示すように、CCDカメラ15により作業機Rの後方を撮影できる。
【0044】
作業機Rとしてロータリ耕耘装置を装着している場合は、耕耘前と耕耘後の圃場の状態が分かるため、耕耘前の路面の状況と耕耘後の路面の状況から、具体的に作業内容に沿った状況となっているか否かを検証できる。したがって、今後の作業内容の設定や操作方法などの作業計画を立てるのにも役立つ。
【0045】
更に、傾斜計測センサ(作業機Rの水平制御を行うためのもので傾斜センサとも言う)40(図3)を操縦席10を支持する支持部材(図示せず)の内側に設け、制御装置100に通信システムを搭載し、中央管理室(センター)47などに設けた中央制御システムに情報を集積するようにすれば、各トラクタ1の状態(作業状態や走行状態や傾斜状態など)を集中的に管理することができる。中央制御システムに各トラクタ1の情報が集積することで、いずれかのトラクタ1に危険や不具合が発生した場合に、その状態を詳しく把握できるため、状況に応じて即座に対応することができる。
【0046】
具体的には、各トラクタ1の制御装置100にセンター47からの受信用の通信装置43(図3)とセンター47への発信用の通信装置45を設けることで各トラクタ1とセンター47間の通信システムを構築し、センター47において各トラクタ1の情報を集中的に管理する。
例えば、傾斜計測センサ40のセンサ値からトラクタが大きく傾いていると判断される場合は、作業者の身に何か起こった可能性が考えられる。このような場合に中央制御システムによって強制的にエンジン停止回路30によりエンジン6を停止させて安全を確保したり、作業者との連絡が取れるようにすることで、事故を未然に防止できる。
【0047】
また、トラクタの上部(例えば、キャビン27のルーフ前部など)にCCDカメラ15を搭載し、CCDカメラ15による画像と傾斜計測センサ40のセンサ値が制御装置100の通信装置45から中央制御システムに送信されることで、中央制御システムに情報を集積することができるようにしても良い。
なお、このように、トラクタ1の上部にCCDカメラ15を設ける場合の方が、トラクタ1の前部(ボンネット5部)に設ける場合(図1)と比べて、トラクタ1の傾斜状況を把握しやすい。
【0048】
中央管理室47では、中央制御システムによりトラクタの作業状態を集中的に管理することができるので、CCDカメラ15による画像と傾斜計測センサ40の値からトラクタに不具合が発生したと考えられる場合、例えば、CCDカメラ15による画像が激しく動いたり、傾斜計測センサ40のセンサ値が一定値以上であり傾斜が急である、傾斜の変化が激しいなどの場合に、即座に対応することができる。
【0049】
また、操縦席10などの、運転している作業者を撮れるような位置にCCDカメラ15を搭載し、且つ制御装置100に燃料状態(燃料の残量など)を検知する燃料センサ60や使用時間(トラクタ1の運転時間)を計測するタイマーカウンター63を設け、これらCCDカメラ15、燃料センサ60、タイマーカウンター63等から得られる画像、センサ値、計測値などの情報を送信できるようにした通信システムを搭載することで中央制御システムに情報を集積することができるようにしても良い。
【0050】
作業者を撮れるような位置にCCDカメラ15を設けると、CCDカメラ15の画像が中央管理室47のモニターなどに写し出されて作業者を監視することができるため、作業者の身に何か起こった場合はすぐに分かる。したがって、必要な場合は作業者に連絡を取って話をして指示を出したり、また作業者の状態から判断することで、場合に応じた対応ができ、作業者の安全を確保できる。そして、このように作業者の状態(例えば、疲労度合いなど)がよく分かり、またトラクタ1の燃料状態や使用時間も考慮することで、作業者の交代時期を把握できる。
【0051】
したがって、中央管理室47では、中央制御システムによりトラクタ1の作業状態を集中的に管理することができるので、トラクタ1に不具合が発生したと考えられる場合に、即座に対応することができる。また、各トラクタ1の作業状態を管理することができ、作業者の管理システムを構築できる。
【0052】
また、GPS受信装置23によるトラクタ1の現在位置の情報と傾斜計測センサ40のセンサ値が中央管理室47に送信できるようにした通信システムをトラクタ1に搭載することで中央管理室47の中央制御システムに情報を集積することができるようにしても良い。
【0053】
中央管理室47では、中央制御システムによりトラクタ1の現在位置を認知することができると共に、傾斜計測センサ40によりトラクタ1の作業状態を集中的に管理することができる。したがって、トラクタ1の現在位置と傾斜計測センサ40によるセンサ値からトラクタに不具合が発生したと考えられる場合(例えば、トラクタ1が標準的な作業軌道上を外れて走行しており、またセンサ値が一定値以上であり傾斜が急である、傾斜の変化が激しいなど)に、作業者に指示を出したり、エンジン停止回路30(図3)に出力して強制的にエンジン6を停止させるようにすることで、即座に対応することができる。
【0054】
また、各トラクタ1の位置を把握することができるため、あるトラクタ1に不具合が生じていると判断される場合は、中央制御室47から、そのトラクタ1に近い位置を走行している他のトラクタ1の作業者に指示を出せば、不具合が生じていると判断されるトラクタ1のところにすぐ駆けつけることができる。したがって、作業者の身に何か起こった場合でも即座に対応することができる。また、各トラクタ1の作業状態を管理することができ、作業者の管理システムを構築できる。
【0055】
また、GPS受信装置23によるトラクタ1の現在位置の情報と燃料センサ60のセンサ値を中央管理室47に送信できるようにした通信システムをトラクタ1に搭載することで中央制御システムに情報を集積することができるようにしても良い。
図15には、圃場全体の様子を表しており、この図に基づいてトラクタの燃料補給について説明する。
【0056】
中央管理室47では、中央制御システムによりトラクタ1の現在位置を認知することができると共に、各トラクタ1の燃料状態を把握することができ、トラクタ1の作業状態を集中的に管理することができる。したがって、燃料の残量が少ない場合は、即座にそのトラクタ1の位置を割り出し、燃料補給の対応ができる。作業者が、燃料が少なくなっていることに気づいていない場合でも、例えば、中央管理室47より、トラクタ1の作業者と圃場を走行している燃料運搬車65に指示を出すことで、燃料供給を行うことができる。
【0057】
図15に示すように、圃場の縦軸ライン(南北方向)に燃料補給場69を間隔を設けて設置し、無人車両の燃料補給車67を同様に圃場の縦軸ラインに待機させる。例えば、圃場をa〜cの3つの区画に分けた場合に、ab間及びac間の道路にバランス良く燃料補給場69と燃料補給車67を配置すると良い。トラクタ1の燃料が少なくなると、燃料補給車67がセンター47から燃料補給場69に向かい、燃料運搬車65も燃料補給場69に向かう。なお、トラクタ1はそのまま作業を続ける。そして、燃料運搬車65に燃料を補給後、指示されているトラクタ1の所に行って燃料補給を行う。トラクタ1の燃料の必要補給量など、燃料計の状態は、制御装置100の通信システムによりセンター57に常時送信されているため、センター47において把握されている。燃料の必要補給量は基本的にはトラクタ1が有人であるため、トラクタ1の作業者(運転者)が補給する。また、燃料補給車67と燃料運搬車65は有人でも無人でも可能である。
【0058】
また、GPS受信装置23によるトラクタ1の現在位置の情報とタイマーカウンター63の計測値が送信できるようにした通信システムをトラクタ1に搭載することで中央制御システムに情報を集積することができるようにしても良い。
中央管理室47では、中央制御システムによりトラクタ1の現在位置を認知することができると共に、トラクタ1の作業時間(運転時間)を把握することができ、トラクタ1の作業状態を集中的に管理することができる。したがって、トラクタ1の作業時間から作業者の労働時間を割り出すことで、適切なタイミングで休憩の指示が出せる。また、作業者の作業能率の確認や労働時間の管理などもできる。
【0059】
更に、作業予定の圃場の作業が修了した時点で、作業者から入力して又は自動的に通信システムにより情報を送信できるようにすると、中央管理室47の中央制御システムに情報を集積することができる。したがって、各作業者の作業内容、作業の進捗状況などを管理することができる。なお、自動的に通信システムにより情報を送信する場合は、GPSによるトラクタ1の走行軌跡と、作業機Rの駆動状態から認識可能である。
このように、中央管理室47では、中央制御システムにより各作業者の作業状態及びトラクタ1の作業状態を集中的に管理することができる。そして、トラクタ1の作業時間から作業者の労働時間を割り出すことで、適切なタイミングで休憩の指示が出せる。また、各圃場の作業状況を容易に管理することができる。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明の作業車両は、トラクタなどの農作業用車両に限られず、各種作業用車両にも適用できる。
【符号の説明】
【0061】
1 トラクタ 2 前輪
3 前輪 2a、3a 目印
5 ボンネット 6 エンジン
7 ハンドル 10 操縦席
15 CCDカメラ 17 超音波センサ
20 操舵センサ 23 GPS受信装置
25 支持部材(レール)
27 キャビン 29 ステップ
30 エンジン停止回路
33 風力計 33a 風力センサ
35 降雨計 35a 雨水センサ
37 ソーラー計 37a 太陽光センサ
40 傾斜計測センサ
43 通信装置(受信)45 通信装置(送信)
47 中央管理室(センター)
50 ブザー 52 旋回ランプ
53 左ブレーキのソレノイド
55 右ブレーキのソレノイド
57 作業機上昇ソレノイド
59 作業機下降ソレノイド
60 燃料センサ 63 タイマーカウンター
65 燃料運搬車 67 燃料補給車
69 燃料補給場 100 制御装置
T 走行機体 R 作業機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右前輪(2,2)及び左右後輪(3,3)を備えた走行機体(T)と、
該走行機体(T)の後部に昇降可能に装着された耕耘を含む作業用の作業機(R)と、
前記後輪(3,3)のブレーキと、
前記前輪(2,2)を左右方向に手動で操向操作するための操向操作手段(7)と、
走行機体(T)の前部に設けられ、該走行機体(T)の前方の路面状況を撮影可能なCCDカメラ(15)及び走行機体(T)の前方の障害物までの距離を検出可能な超音波センサ(17)と、
走行機体(T)の旋回時期を報知する報知手段(50、52)と、
前記CCDカメラ(15)の撮影した画像により走行機体(T)の前方の障害物までの距離を算出し、超音波センサ(17)による前方の障害物までの距離と比較してほぼ同じ距離である場合に、該前方の障害物までの距離と走行機体(T)及び作業機(R)の全長より現地点から走行機体(T)の旋回位置までの走行距離を算出し、走行機体(T)が該走行距離に達すると前記報知手段(50)により報知させると共に操向操作手段(7)の手動操作により走行機体(T)の旋回が開始すると作業機(R)を上昇させて旋回内側の後輪(3)のブレーキを作動させ、更に旋回が終了すると旋回後のCCDカメラ(15)の撮影した画像により未耕地と既耕地を判断すると共に、作業機(R)を下降させた場合の位置が適切であるかを判定し、適切であると判定した場合は作業機(R)を下降させる制御を行う制御装置(100)と
を設けたことを特徴とする作業車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−62115(P2011−62115A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−214441(P2009−214441)
【出願日】平成21年9月16日(2009.9.16)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】