説明

半導体装置及びその製造方法

【課題】従来の半導体装置では、パワー用半導体素子の耐圧特性と制御用半導体素子のデバイスサイズの縮小化とを実現することが難しいという問題があった。
【解決手段】本発明の半導体装置では、P型の単結晶シリコン基板3上にN型のエピタキシャル層4が形成されている。基板3とエピタキシャル層4には、N型の埋込拡散層9がP型の埋込拡散層6上に形成されている。この構造により、P型の埋込拡散層6の這い上がりが抑制され、パワー用半導体素子の耐圧特性を維持しつつ、エピタキシャル層4の厚みを薄くすることができる。そして、制御用半導体素子のデバイスサイズを縮小化することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パワー用半導体素子として用いられる縦型PNPトランジスタのコレクタ抵抗を低減する半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の半導体装置の製造方法の一実施例として、下記の縦型PNPトランジスタの製造方法が知られている。P型の半導体基板を準備し、半導体基板上に2層のN型のエピタキシャル層を形成する。P型の半導体基板と1層目のエピタキシャル層に渡りN型の埋込拡散層を形成し、1層目と2層目のエピタキシャル層に渡りP型の埋込拡散層を形成する。ここで、2層目のエピタキシャル層表面のP型の埋込拡散層上方にシリコン窒化膜を選択的に形成した後に、P型の埋込拡散層を熱拡散する。そして、シリコン窒化膜を形成した状態で熱拡散を行うことで、シリコン窒化膜下方のP型の埋込拡散層の這い上がりは抑制される。また、その上方にシリコン窒化膜が形成されていない領域では、P型の埋込拡散層は這い上がり、P型の埋込拡散層上面には凹部が形成される。一方、2層目のエピタキシャル層表面では、シリコン窒化膜の形成領域以外にはLOCOS酸化膜が形成される。その後、LOCOS酸化膜を除去することで、2層目のエピタキシャル層表面には凹凸部が形成される。そして、2層目のエピタキシャル層の凹部とP型の埋込拡散層の這い上がりとを利用し、コレクタ領域を形成する。また、2層目のエピタキシャル層の凸部とP型の埋込拡散層の凹部とを利用し、ベース領域及びエミッタ領域を形成する。この製造方法により、縦型PNPトランジスタのエミッタ−コレクタ間耐圧(VCEO)を増大し、飽和電圧(Vce)を低減する縦型PNPトランジスタを形成できる(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2000−232111号公報(第3−4頁、第1−3図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述したように、従来の半導体装置では、例えば、パワー用の縦型PNPトランジスタと制御用のNPNトランジスタがモノリシックに形成されている。そして、縦型PNPトランジスタでは、その耐圧特性を向上させるためには、N型のエピタキシャル層を厚くする必要がある。一方、制御用のNPNトランジスタでは、エピタキシャル層の膜厚を厚くすることで、分離領域の横方向拡散が広がり、デバイスサイズを縮小し難いという問題がある。つまり、パワー用の縦型PNPトランジスタと制御用のNPNトランジスタとをモノリシックに形成することで、パワー用の縦型PNPトランジスタの耐圧特性と制御用のNPNトランジスタのデバイスサイズの縮小とがトレードオフの関係になるという問題がある。
【0004】
また、従来の半導体装置の製造方法では、P型の半導体基板上に2層のエピタキシャル層を形成する。1層目と2層目のエピタキシャル層に渡り、コレクタ領域として用いるP型の埋込拡散層を形成する。そして、2層目のエピタキシャル層表面に形成されたシリコン窒化膜の形成領域により、P型の埋込拡散層の這い上がりを部分的に抑制している。しかしながら、シリコン窒化膜下方に位置するP型の埋込拡散層においても、酸素の回り込み等により、部分的にその這い上がりを抑制することが難しいという問題がある。具体的には、P型の埋込拡散層の這い上がりを抑制する領域では、這い上がらせる領域から0.5(μm)程度しか、その這い上がり量を抑制することができない。そのため、所望の耐圧特性を満たすため、エピタキシャル層を2層構造とする必要があり、製造コストが嵩むという問題がある。
【0005】
また、従来の半導体装置の製造方法では、2層目のエピタキシャル層表面にLOCOS酸化膜を形成した後、LOCOS酸化膜を除去し、エピタキシャル層表面に凹凸を形成する。そして、凹部が形成されたエピタキシャル層表面からコレクタ領域として用いるP型の拡散層を形成し、P型の拡散層とP型の埋込拡散層の這い上がった領域とを連結させる。しかしながら、エピタキシャル層上に形成したシリコン窒化膜を選択的に除去する際のマスクずれ等により、P型の埋込拡散層上方の所望の領域にシリコン窒化膜が形成されない場合がある。この場合には、P型の拡散層とP型の埋込拡散層との重畳領域が低減し、コレクタ抵抗を低減できない。つまり、個々の工程でのマスクずれにより素子特性が変動し、高精度な位置合わせが必要とされ、製造工程が煩雑となるという問題がある。
【0006】
また、従来の半導体装置の製造方法では、半導体基板上にエピタキシャル層を形成するために、例えば、縦型の反応炉を用いた気相エピタキシャル成長装置を用いる。そして、エピタキシャル層を形成する際、半導体基板に拡散させたP型不純物であるホウ素(B)がオートドープし易いという問題がある。特に、埋込拡散層でのシート抵抗値を低減するために不純物の導入量を増大させた場合には、オートドープ量が増大する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の半導体装置は、上述した各事情に鑑みて成されたものであり、一導電型の半導体基板と、前記半導体基板上に形成された逆導電型のエピタキシャル層と、前記半導体基板と前記エピタキシャル層とに渡り形成され、コレクタ領域として用いられる一導電型の第1の埋込拡散層と、前記半導体基板と前記エピタキシャル層とに渡り形成され、前記半導体基板と前記一導電型の第1の埋込拡散層とを接合分離する逆導電型の第1の埋込拡散層と、前記一導電型の第1の埋込拡散層とその形成領域を重畳させ、少なくとも前記一導電型の第1の埋込拡散層の上面から這い上がる逆導電型の第2の埋込拡散層と、前記エピタキシャル層表面から形成され、ベース領域として用いられる逆導電型の拡散層と、前記エピタキシャル層表面から形成され、コレクタ領域として用いられる一導電型の第1の拡散層と、前記逆導電型の拡散層に形成され、エミッタ領域として用いられる一導電型の第2の拡散層とを有することを特徴とする。従って、本発明では、コレクタ領域として用いられる一導電型の第1の埋込拡散層において、逆導電型の第2の埋込拡散層により、その這い上がりが抑制されている。
【0008】
また、本発明の半導体装置は、前記逆導電型の第2の埋込拡散層は、前記一導電型の第1の埋込拡散層より内側に形成されていることを特徴とする。従って、本発明では、コレクタ領域として用いられる一導電型の第1の埋込拡散層において、這い上がる領域と這い上がりが抑制される領域とが、選択的に形成される。
【0009】
また、本発明の半導体装置は、前記一導電型の第1の埋込拡散層は、前記逆導電型の第2の埋込拡散層の周囲を囲むように這い上がっていることを特徴とする。従って、本発明では、コレクタ領域として用いられる一導電型の第1の埋込拡散層において、這い上がっている領域がコレクタ領域の連結領域として用いられる。
【0010】
また、本発明の半導体装置は、前記一導電型の第1の埋込拡散層の這い上がっている領域には、一導電型の第2の埋込拡散層が重畳して形成されていることを特徴とする。従って、本発明では、第1及び第2の埋込拡散層が重畳した領域に一導電型の第1の拡散層を連結させ、コレクタ抵抗を低減させることができる。
【0011】
また、本発明の半導体装置は、前記一導電型の第1の拡散層は、前記一導電型の第1の埋込拡散層と連結し、前記連結領域には、前記一導電型の第2の埋込拡散層が形成されていることを特徴とする。従って、本発明では、一導電型の第1の埋込拡散層の這い上がっている領域をコレクタ領域の連結領域として用いる。そして、一導電型の第1の拡散層の這い下がり量を低減し、その横方向拡散幅も低減することができる。
【0012】
また、本発明の半導体装置は、前記一導電型の第1の埋込拡散層を構成する不純物はホウ素であり、前記逆導電型の第2の埋込拡散層を構成する不純物はリンであることを特徴とする。従って、本発明では、逆導電型の第2の埋込拡散層により、一導電型の第1の埋込拡散層の這い上がりを抑制することができる。
【0013】
また、本発明の半導体装置の製造方法は、一導電型の半導体基板を準備し、前記半導体基板に逆導電型の第1の埋込拡散層を形成した後、前記逆導電型の第1の埋込拡散層により前記半導体基板と接合分離するように、前記半導体基板に一導電型の第1の埋込拡散層を形成する工程と、前記一導電型の第1の埋込拡散層が形成された領域に逆導電型の不純物をイオン注入し、逆導電型の第2の埋込拡散層を形成する工程と、前記半導体基板上に逆導電型のエピタキシャル層を形成し、前記エピタキシャル層表面からコレクタ領域として用いる一導電型の第1の拡散層と、ベース領域として用いる逆導電型の拡散層と、エミッタ領域として用いる一導電型の第2の拡散層とを形成する工程とを有することを特徴とする。従って、本発明では、一導電型の第1の埋込拡散層の形成領域に逆導電型の第2の埋込拡散層を形成した後に、半導体基板上にエピタキシャル層を形成する。この製造方法により、逆導電型の第2の埋込拡散層が形成された領域では、一導電型の第1の埋込拡散層の這い上がりを抑制することができる。
【0014】
また、本発明の半導体装置の製造方法は、前記逆導電型の第2の埋込拡散層を形成する不純物をイオン注入する工程前に、前記半導体基板に対し熱酸化工程を行うことを特徴とする。従って、本発明では、前記一導電型の第1の埋込拡散層の表面及びその近傍領域の不純物濃度を低下させた状態で、逆導電型の不純物をイオン注入する。この製造方法により、一導電型の第1の埋込拡散層の這い上がりを抑制することができる。また、エピタキシャル層を形成する際、一導電型の不純物のオートドープ量を低減することができる。
【0015】
また、本発明の半導体装置の製造方法は、前記熱酸化工程と前記逆導電型の第2の埋込拡散層を形成する不純物をイオン注入する工程との間には、非酸化性雰囲気中での熱処理工程を行わないことを特徴とする。従って、本発明では、一導電型の不純物濃度が低くなった領域に逆導電型の不純物をイオン注入することで、効率的に逆導電型の第2の埋込拡散層を形成できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明では、パワー用の縦型PNPトランジスタのコレクタ領域として用いられる埋込拡散層の這い上がり幅が部分的に抑制される。この構造により、耐圧特性を維持しつつ、エピタキシャル層の膜厚を薄くすることができる。
【0017】
また、本発明では、制御用の縦型NPNトランジスタにおいては、エピタキシャル層の膜厚が薄くなることで、分離領域の横方向拡散が抑制される。この構造により、縦型NPNトランジスタのデバイスサイズが縮小される。
【0018】
また、本発明では、縦型PNPトランジスタのコレクタ領域として用いられる埋込拡散層は、這い上がっている領域を有する。そして、這い上がった領域の不純物濃度を高くし、コレクタ領域の連結領域として用いることで、コレクタ抵抗を低減することができる。
【0019】
また、本発明では、縦型PNPトランジスタのコレクタ領域として用いられるP型の埋込拡散層の表面及びその近傍領域の不純物濃度を低下させた状態で、N型の埋込拡散層を形成する。この製造方法により、P型の埋込拡散層の這い上がりを抑制できる。
【0020】
また、本発明では、縦型PNPトランジスタのコレクタ領域として用いられるP型の埋込拡散層と重畳してN型の埋込拡散層を形成した状態で、エピタキシャル層を堆積する。この製造方法より、基板表面のP型不純物濃度を低減させ、オートドープ量を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下に、本発明の一実施の形態である半導体装置について、図1〜図3を参照し、詳細に説明する。図1は、本実施の形態における半導体装置を説明するための断面図である。図2(A)は、本実施の形態における縦型PNPトランジスタを説明するための断面図である。図2(B)は、本実施の形態における縦型PNPトランジスタを説明するための断面図である。図3(A)は、本実施の形態における半導体装置の埋込拡散層のシート抵抗値及び這い上がり幅を説明するための図である。図3(B)は、本実施の形態における半導体装置の耐圧特性を説明するための図である。
【0022】
図1に示す如く、縦型PNPトランジスタ1と縦型NPNトランジスタ2とがP型の単結晶シリコン基板3にモノリシックに形成されている。例えば、縦型PNPトランジスタ1はパワー用半導体素子として用いられ、縦型NPNトランジスタ2は制御用半導体素子として用いられる。尚、その他の素子形成領域には、パワー用半導体素子として大面積のNPNパワートランジスタ等が形成され、制御用半導体素子として小面積のNPNトランジスタ等が形成されている。そして、縦型PNPトランジスタ1は、主に、P型の単結晶シリコン基板3と、N型のエピタキシャル層4と、N型の埋込拡散層5と、コレクタ領域として用いられるP型の埋込拡散層6、7、8と、N型の埋込拡散層9、10、11と、ベース領域として用いられるN型の拡散層12、13と、エミッタ領域として用いられるP型の拡散層14と、コレクタ領域として用いられるP型の拡散層15、16と、N型の拡散層17、18とから構成されている。
【0023】
N型のエピタキシャル層4は、P型の単結晶シリコン基板3上に形成されている。
【0024】
N型の埋込拡散層5は、基板3とエピタキシャル層4とに渡り成されている。N型の埋込拡散層5は、P型の埋込拡散層6よりも基板3の深部まで形成されている。そして、N型の埋込拡散層5は、基板3とP型の埋込拡散層6のそれぞれとPN接合領域を形成し、基板3とP型の埋込拡散層6とをPN接合分離している。尚、本実施の形態でのN型の埋込拡散層5が本発明の「逆導電型の第1の埋込拡散層」に対応する。
【0025】
P型の埋込拡散層6、7、8は、基板3とエピタキシャル層4に渡り形成されている。P型の埋込拡散層7、8は、P型の埋込拡散層6の端部近傍に配置され、P型の埋込拡散層7、8とP型の埋込拡散層6とは連結している。P型の埋込拡散層7、8は、P型の埋込拡散層6の端部近傍に一環状に形成されている場合や、コレクタ領域として引き出す領域にのみ形成されている場合でも良い。尚、本実施の形態でのP型の埋込拡散層6が本発明の「一導電型の第1の埋込拡散層」に対応する。本実施の形態でのP型の埋込拡散層7、8が本発明の「一導電型の第2の埋込拡散層」に対応する。
【0026】
N型の埋込拡散層9は、少なくともP型の埋込拡散層6の上面からエピタキシャル層4表面側へと這い上がっている。一方、N型の埋込拡散層10、11は、基板3とエピタキシャル層4に渡り形成されている。N型の埋込拡散層10、11は、P型の埋込拡散層6、7、8を取り囲むように配置されている。尚、本実施の形態でのN型の埋込拡散層9が本発明の「逆導電型の第2の埋込拡散層」に対応する。
【0027】
N型の拡散層12が、エピタキシャル層4に形成されている。N型の拡散層12には、N型の拡散層13が形成されている。N型の拡散層13は、ベース引き出し領域として用いられる。尚、本実施の形態でのN型の拡散層12が本発明の「逆導電型の拡散層」に対応する。
【0028】
P型の拡散層14が、N型の拡散層12に形成されている。尚、本実施の形態でのP型の拡散層14が本発明の「一導電型の第2の拡散層」に対応する。
【0029】
P型の拡散層15、16が、エピタキシャル層4に形成されている。P型の拡散層15、16は、N型の拡散層12を取り囲むように配置され、P型の拡散層15とP型の埋込拡散層6、7とは連結し、P型の拡散層16とP型の埋込拡散層6、8とは連結している。P型の拡散層15、16は、N型の拡散層12を取り囲むように一環状に形成されている場合や、コレクタ領域として引き出す領域にのみ形成されている場合でも良い。尚、本実施の形態でのP型の拡散層15、16が本発明の「一導電型の第1の拡散層」に対応する。
【0030】
N型の拡散層17、18は、エピタキシャル層4に形成されている。N型の拡散層17、18は、P型の拡散層15、16を取り囲むように一環状に形成されている。N型の拡散層17とN型の埋込拡散層5、10とは連結し、N型の拡散層18とN型の埋込拡散層5、11とは連結している。つまり、N型の拡散層17、18が、コレクタ領域であるP型の拡散層15、16の外周を囲むように配置されることで、エピタキシャル層4表面が反転し、コレクタ電流が分離領域を介して基板3へと流れることを防止する。
【0031】
絶縁層19が、エピタキシャル層4上面に形成されている。絶縁層19は、PSG(Phospho Silicate Glass)膜等により、形成されている。そして、公知のフォトリソグラフィ技術を用い、例えば、CHF+O系のガスを用いたドライエッチングにより、絶縁層19にコンタクトホール20、21、22が形成されている。
【0032】
コンタクトホール20、21、22には、アルミ合金、例えば、Al−Si膜23が選択的に形成され、コレクタ電極24、エミッタ電極25及びベース電極26が形成されている。
【0033】
一方、縦型NPNトランジスタ2は、主に、P型の単結晶シリコン基板3と、N型のエピタキシャル層4と、コレクタ領域として用いられるN型の埋込拡散層27、28と、コレクタ領域として用いられるN型の拡散層29と、ベース領域として用いられるP型の拡散層30と、エミッタ領域として用いられるN型の拡散層31とから構成されている。
【0034】
N型のエピタキシャル層4は、P型の単結晶シリコン基板3上に形成されている。
【0035】
N型の埋込拡散層27は、基板3とエピタキシャル層4に渡り形成されている。
【0036】
N型の埋込拡散層28は、N型の埋込拡散層27とその形成領域を重畳させるように形成されている。そして、N型の埋込拡散層28は、N型の埋込拡散層27よりエピタキシャル層4表面側へと這い上がっている。N型の埋込拡散層28を形成することで、コレクタ領域の抵抗を低減することができる。
【0037】
N型の拡散層29は、N型のエピタキシャル層4に形成されている。N型の拡散層29は、N型の埋込拡散層28と連結し、コレクタ領域として用いられる。そして、N型の拡散層29とN型の埋込拡散層28とが連結することで、N型の拡散層29の横方向拡散量が低減し、縦型NPNトランジスタ2のデバイスサイズを縮小することができる。
【0038】
P型の拡散層30は、エピタキシャル層4に形成されている。
【0039】
N型の拡散層31は、P型の拡散層30に形成されている。
【0040】
絶縁層19が、エピタキシャル層4上面に形成されている。そして、公知のフォトリソグラフィ技術を用い、例えば、CHF+O系のガスを用いたドライエッチングにより、絶縁層19にコンタクトホール32、33、34が形成されている。
【0041】
コンタクトホール32、33、34には、アルミ合金、例えば、Al−Si膜35が選択的に形成され、エミッタ電極36、ベース電極37及びコレクタ電極38が形成されている。
【0042】
図2(A)に示す如く、P型の埋込拡散層6、7、8及びP型の拡散層15、16は、縦型PNPトランジスタ1のコレクタ領域である。N型の埋込拡散層9、N型のエピタキシャル層4及びN型の拡散層12、13は、縦型PNPトランジスタ1のベース領域である。P型の拡散層14は、縦型PNPトランジスタ1のエミッタ領域である。P型不純物、例えば、ホウ素(B)により形成されているP型の埋込拡散層6上に、N型不純物、例えば、リン(P)により形成されているN型の埋込拡散層9が形成されている。そして、P型の埋込拡散層6がエピタキシャル層4表面側へと這い上がることが抑制されている。具体的には、P型の埋込拡散層6の基板3表面からの這い上がり幅W1は、2.0〜4.0(μm)程度である。N型の埋込拡散層9を形成しない場合には、通常、P型の埋込拡散層6は基板3表面から5.5(μm)程度這い上がる。つまり、P型の埋込拡散層6上にN型の埋込拡散層9を形成することで、P型の埋込拡散層6の這い上がり幅は、1.5〜3.5(μm)程度抑制される。
【0043】
この構造により、縦型PNPトランジスタ1では、所望のベース領域幅W2を確保した場合でも、エピタキシャル層4の膜厚を薄くすることができる。例えば、エピタキシャル層4の膜厚は、6.5〜7.5(μm)程度となる。その結果、パワー用半導体素子としての縦型PNPトランジスタ1では、エピタキシャル層4の膜厚が薄くなるが、その耐圧特性を悪化させることを防止できる。一方、制御用半導体素子としての縦型NPNトランジスタ2では、エピタキシャル層4の膜厚が薄くなることで、分離領域の横方向拡散が低減し、デバイスサイズが縮小される。つまり、P型の埋込拡散層6の這い上がり幅W1を抑制し、エピタキシャル層4の膜厚を薄く形成することで、所望の耐圧特性を有するパワー用半導体素子とデバイスサイズが縮小化された制御用半導体素子とがモノリシックに形成される。
【0044】
また、図示したように、P型の埋込拡散層6からなるコレクタ領域は、基板3の深さ方向に幅W3を有している。つまり、P型の埋込拡散層6は、エピタキシャル層4への這い上がり幅W1は抑制されるが、基板3を利用することで所望の幅W3を確保し、コレクタ抵抗を低減させている。尚、上述したように、N型の埋込拡散層5は、P型の埋込拡散層6よりも基板3深部へと形成されている。
【0045】
ここで、図2(B)に示す如く、P型の埋込拡散層6では、その上面にN型の埋込拡散層9が形成されている領域L1では、P型の埋込拡散層6の這い上がりは抑制されている。一方、N型の埋込拡散層9は、P型の埋込拡散層6より内側の領域に形成されている。そのため、N型の埋込拡散層9が形成されていない領域L2、L3では、P型の埋込拡散層6は、エピタキシャル層4表面側へと這い上がっている。そして、領域L2、L3では、P型の埋込拡散層6が、N型の埋込拡散層9の周囲を囲むように形成されている。コレクタ領域として用いられるP型の拡散層15、16は、領域L2、L3において、P型の埋込拡散層6と連結している。P型の拡散層15、16は、P型の埋込拡散層6の這い上がっている領域と連結することで、コレクタ抵抗を低減することができる。
【0046】
そして、図2(A)に示すように、N型の埋込拡散層9が形成されていない領域L2、L3では、P型の埋込拡散層7、8が、P型の埋込拡散層6と重畳して形成されている。上述したように、P型の拡散層15はP型の埋込拡散層6、7と連結し、P型の拡散層16はP型の埋込拡散層6、8と連結し、コレクタ領域を形成している。この構造により、更に、縦型PNPトランジスタ1のコレクタ抵抗を低減することができる。
【0047】
図3(A)に示す如く、横軸にN型の埋込拡散層9の不純物導入量を示している。縦軸(紙面左側)にP型の埋込拡散層6のシート抵抗値を示している。縦軸(紙面右側)にP型の埋込拡散層6の這い上がり幅W1(図2参照)を示している。そして、実線は、N型の埋込拡散層9の不純物導入量とP型の埋込拡散層6のシート抵抗値の関係を示している。点線は、N型の埋込拡散層9の不純物導入量とP型の埋込拡散層6の這い上がり幅W1の関係を示している。
【0048】
実線で示すように、N型の埋込拡散層9の不純物導入量が増大する程、P型の埋込拡散層6のシート抵抗値も増大している。一方、点線で示すように、N型の埋込拡散層9の不純物導入量が増大する程、P型の埋込拡散層6の這い上がり幅W1が減少している。そして、N型の埋込拡散層9の不純物導入量が増大する程、P型の埋込拡散層6の這い上がり幅W1は減少するが、P型の埋込拡散層6のシート抵抗値が増大する。一方、N型の埋込拡散層9の不純物導入量が減少する程、P型の埋込拡散層6のシート抵抗値は減少するが、P型の埋込拡散層6の這い上がり幅W1は増大する。つまり、P型の埋込拡散層6のシート抵抗値と這い上がり幅W1とは、N型の埋込拡散層9の不純物導入量に対し、トレードオフの関係にある。その結果、N型の埋込拡散層9の不純物導入量は、P型の埋込拡散層6のシート抵抗値と這い上がり幅W1との関係により、所望の導入量が設定される。
【0049】
図3(B)に示す如く、横軸にN型の埋込拡散層9の不純物導入量を示している。縦軸に縦型PNPトランジスタ1の耐圧(VCBO)を示している。実線で示すように、N型の埋込拡散層9の不純物導入量が増大する程、耐圧(VCBO)が低減している。これは、高不純物濃度のP型の埋込拡散層6と高不純物濃度のN型の埋込拡散層9とで形成されるPN接合領域が、縦型PNPトランジスタ1の耐圧(VCBO)を決定しているからである。図3(A)に示したように、N型の埋込拡散層9の不純物導入量が増大する程、P型の埋込拡散層6の這い上がり幅W1が減少するが、縦型PNPトランジスタ1の耐圧(VCBO)が低減してしまう。つまり、N型の埋込拡散層9の不純物導入量は、縦型PNPトランジスタ1の耐圧(VCBO)、P型の埋込拡散層6のシート抵抗値、及びその這い上がり幅W1との関係により、その導入量が決定される。
【0050】
尚、図示したようにN型の拡散層12とN型の埋込拡散層9とは、連結しない構造である必要はない。例えば、N型の拡散層12とN型の埋込拡散層9とが連結する構造の場合でも良い。この場合には、N型の埋込拡散層9の不純物濃度が高濃度となり、上述したように、P型の埋込拡散層6とN型の埋込拡散層9とのPN接合領域における耐圧特性が考慮され、N型の拡散層12及びN型の埋込拡散層9の不純物濃度が設定される。
【0051】
次に、本発明の一実施の形態である半導体装置の製造方法について、図4から図10を参照し、詳細に説明する。図4から図10は、本実施の形態における半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。
【0052】
先ず、図4に示す如く、P型の単結晶シリコン基板3を準備する。基板3上にN型の埋込拡散層5の形成領域が選択的に薄く形成されたシリコン酸化膜39を形成する。そして、シリコン酸化膜39をマスクとして用い、基板3の表面からN型不純物、例えば、リン(P)を加速電圧90〜110(keV)、導入量1.0×1013〜1.0×1015(/cm)でイオン注入する。その後、リン(P)を熱拡散し、N型の埋込拡散層5を形成した後、シリコン酸化膜39を除去する。
【0053】
次に、図5に示す如く、基板3上にシリコン酸化膜40を、例えば、450(Å)程度堆積する。次に、シリコン酸化膜40上にフォトレジスト41を形成する。そして、公知のフォトリソグラフィ技術を用い、P型の埋込拡散層6が形成される領域上のフォトレジスト41に開口部を形成する。その後、基板3の表面から、P型不純物、例えば、ホウ素(B)を加速電圧90〜110(keV)、導入量1.0×1014〜1.0×1016(/cm)でイオン注入する。そして、フォトレジスト41を除去し、熱拡散し、P型の埋込拡散層6を形成する。このとき、基板3表面を熱酸化し、基板3表面にシリコン酸化膜42(図6参照)を形成する。
【0054】
次に、図6に示す如く、N型の埋込拡散層10、11、27の形成領域上に開口部が形成されるように、シリコン酸化膜42を選択的に除去する。そして、シリコン酸化膜42をマスクとして用い、基板3の表面にN型不純物、例えば、アンチモン(Sb)を含む液体ソース43を回転塗布法により塗布する。その後、アンチモン(Sb)を熱拡散し、N型の埋込拡散層10、11、27を形成する。
【0055】
ここで、基板3上にシリコン酸化膜42を堆積した状態で、基板3を1200〜1250(℃)の酸化性雰囲気中に1時間程度置き、熱酸化処理を行う。この熱酸化処理により、P型の埋込拡散層6の表面及びその近傍領域(例えば、エピタキシャル層4表面から3.5(μm)程度まで)のホウ素(B)はシリコン酸化膜42へと拡散する。その結果、P型の埋込拡散層6の表面及びその近傍領域のホウ素(B)の濃度は、その深さによって異なるが、熱酸化処理前の半分程度まで低減する。その後、シリコン酸化膜42を除去する。
【0056】
尚、この熱酸化処理では、少なくとも1000(℃)以上では基板3が酸化性雰囲気中に置かれるようにすることで、基板3の深い領域に存在するホウ素(B)が、基板3表面へと拡散することを防ぐことができる。また、熱酸化処理が終了するまで、基板3が酸化性雰囲気中に置かれるようにする場合でもよい。そして、この熱酸化処理により、シリコン酸化膜42は、6000〜7000(Å)程度から10000(Å)程度まで成長する。
【0057】
次に、図7に示す如く、基板3上にシリコン酸化膜44を、例えば、100〜450Å程度堆積する。次に、シリコン酸化膜44上にフォトレジスト45を形成する。そして、公知のフォトリソグラフィ技術を用い、N型の埋込拡散層9、28、46、47が形成される領域上のフォトレジスト45に開口部を形成する。その後、基板3の表面から、N型不純物、例えば、リン(P)を加速電圧30〜110(keV)、導入量1.0×1013〜1.5×1015(/cm)でイオン注入し、N型の埋込拡散層9、28、46、47を形成する。その後、フォトレジスト45を除去する。
【0058】
このとき、図6を用いて上述したように、P型の埋込拡散層6の表面及びその近傍領域のホウ素(B)の濃度は低減しているため、リン(P)とホウ素(B)が相殺する量が低減し、リン(P)の導入量を低減することができる。更に、基板3上にシリコン酸化膜44を形成する熱酸化処理においても、P型の埋込拡散層6の表面及びその近傍領域のホウ素(B)はシリコン酸化膜44へと拡散する。
【0059】
また、フォトレジスト45に開口部を形成する際、P型の埋込拡散層6を形成するときに用いるアライメントマークと同一のアライメントマークを用いる。この製造方法により、N型の埋込拡散層9は、P型の埋込拡散層6に対し位置精度良く形成できるので、P型の埋込拡散層6の所望の領域の這い上がりを抑制することができる。
【0060】
尚、図8以降では、N型の埋込拡散層46はN型の埋込拡散層10と一体に図示し、N型の埋込拡散層47はN型の埋込拡散層11と一体に図示する。
【0061】
次に、図8に示す如く、シリコン酸化膜44上にフォトレジスト48を形成する。そして、公知のフォトリソグラフィ技術を用い、P型の埋込拡散層7、8、49、50、51が形成される領域上のフォトレジスト48に開口部を形成する。その後、基板3の表面から、P型不純物、例えば、ホウ素(B)を加速電圧90〜180(keV)、導入量0.5×1014〜1.0×1016(/cm)でイオン注入する。そして、フォトレジスト48を除去する。
【0062】
次に、図9に示す如く、基板3を気相エピタキシャル成長装置のサセプタ上に配置し、基板3上にエピタキシャル層4を形成する。気相エピタキシャル成長装置は、主に、ガス供給系、反応炉、排気系、制御系から構成されている。本実施の形態では、縦型の反応炉を用いることで、エピタキシャル層の膜厚均一性を向上させることができる。その一方で、図6及び図7を用いて上述したように、P型の埋込拡散層6の表面及びその近傍領域のホウ素(B)の濃度は、熱酸化処理により低減されている。また、P型の埋込拡散層6にはN型の埋込拡散層9が重畳して形成されている。そのため、基板3上にエピタキシャル層4を形成する際に、ホウ素(B)のオートドーピング量を低減することができる。
【0063】
次に、エピタキシャル層4上にシリコン酸化膜52を、例えば、450(Å)程度堆積する。次に、シリコン酸化膜52上にフォトレジスト53を形成する。そして、公知のフォトリソグラフィ技術を用い、N型の拡散層12が形成される領域上のフォトレジスト53に開口部を形成する。フォトレジスト53をマスクとして用い、エピタキシャル層4の表面からN型不純物、例えば、リン(P)を加速電圧90〜110(keV)、導入量1.0×1013〜1.0×1015(/cm)でイオン注入する。その後、フォトレジスト53を除去し、リン(P)を熱拡散し、N型の拡散層12を形成するとともに熱酸化膜を形成する。
【0064】
次に、図10に示す如く、公知のフォトリソグラフィ技術を用い、所望の形成方法及び順序により、P型の拡散層14、15、16、30、54、55、56及びN型の拡散層13、17、18、29、31を形成する。尚、P型の拡散層14とP型の拡散層15、16、54、55、56とは、同一工程で形成する場合でも、別工程で形成する場合でもよい。
【0065】
その後、エピタキシャル層4上に絶縁層19として、例えば、PSG膜等を堆積する。そして、公知のフォトリソグラフィ技術を用い、例えば、CHF+O系のガスを用いたドライエッチングで、絶縁層19にコンタクトホール20、21、22、32、33、34を形成する。コンタクトホール20、21、22、32、33、34には、アルミ合金、例えば、Al−Si膜を選択的に形成し、コレクタ電極24、38、エミッタ電極25、36及びベース電極26、37を形成する。
【0066】
尚、本実施の形態では、P型の埋込拡散層6の這い上がりを抑制するN型の埋込拡散層9は、リン(P)をイオン注入して形成する場合について説明したがこの場合に限定するものではない。N型不純物としてはヒ素(As)等も用いる場合でも良い。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の実施の形態における半導体装置を説明する断面図である。
【図2】本発明の実施の形態における半導体装置を説明する(A)断面図、(B)断面図である。
【図3】本発明の実施の形態における半導体装置の(A)埋込拡散層のシート抵抗値及び這い上がり幅を説明するための図であり、(B)耐圧特性を説明するための図である。
【図4】本発明の実施の形態における半導体装置の製造方法を説明する断面図である。
【図5】本発明の実施の形態における半導体装置の製造方法を説明する断面図である。
【図6】本発明の実施の形態における半導体装置の製造方法を説明する断面図である。
【図7】本発明の実施の形態における半導体装置の製造方法を説明する断面図である。
【図8】本発明の実施の形態における半導体装置の製造方法を説明する断面図である。
【図9】本発明の実施の形態における半導体装置の製造方法を説明する断面図である。
【図10】本発明の実施の形態における半導体装置の製造方法を説明する断面図である。
【符号の説明】
【0068】
1 縦型PNPトランジスタ
2 縦型NPNトランジスタ
3 P型の単結晶シリコン基板
4 N型のエピタキシャル層
6 P型の埋込拡散層
7 P型の埋込拡散層
6 P型の埋込拡散層
9 N型の埋込拡散層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一導電型の半導体基板と、
前記半導体基板上に形成された逆導電型のエピタキシャル層と、
前記半導体基板と前記エピタキシャル層とに渡り形成され、コレクタ領域として用いられる一導電型の第1の埋込拡散層と、
前記半導体基板と前記エピタキシャル層とに渡り形成され、前記半導体基板と前記一導電型の第1の埋込拡散層とを接合分離する逆導電型の第1の埋込拡散層と、
前記一導電型の第1の埋込拡散層とその形成領域を重畳させ、少なくとも前記一導電型の第1の埋込拡散層の上面から這い上がる逆導電型の第2の埋込拡散層と、
前記エピタキシャル層表面から形成され、ベース領域として用いられる逆導電型の拡散層と、
前記エピタキシャル層表面から形成され、コレクタ領域として用いられる一導電型の第1の拡散層と、
前記逆導電型の拡散層に形成され、エミッタ領域として用いられる一導電型の第2の拡散層とを有することを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記逆導電型の第2の埋込拡散層は、前記一導電型の第1の埋込拡散層より内側に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記一導電型の第1の埋込拡散層は、前記逆導電型の第2の埋込拡散層の周囲を囲むように這い上がっていることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記一導電型の第1の埋込拡散層の這い上がっている領域には、一導電型の第2の埋込拡散層が重畳して形成されていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記一導電型の第1の拡散層は、前記一導電型の第1の埋込拡散層と連結し、前記連結領域には、前記一導電型の第2の埋込拡散層が形成されていることを特徴とする請求項4に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記一導電型の第1の埋込拡散層を構成する不純物はホウ素であり、前記逆導電型の第2の埋込拡散層を構成する不純物はリンであることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項7】
一導電型の半導体基板を準備し、前記半導体基板に逆導電型の第1の埋込拡散層を形成した後、前記逆導電型の第1の埋込拡散層により前記半導体基板と接合分離するように、前記半導体基板に一導電型の第1の埋込拡散層を形成する工程と、
前記一導電型の第1の埋込拡散層が形成された領域に逆導電型の不純物をイオン注入し、逆導電型の第2の埋込拡散層を形成する工程と、
前記半導体基板上に逆導電型のエピタキシャル層を形成し、前記エピタキシャル層表面からコレクタ領域として用いる一導電型の第1の拡散層と、ベース領域として用いる逆導電型の拡散層と、エミッタ領域として用いる一導電型の第2の拡散層とを形成する工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記一導電型の第1の埋込拡散層を形成する不純物はホウ素であることを特徴とする請求項7に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記逆導電型の第2の埋込拡散層を形成する不純物をイオン注入する工程前に、前記半導体基板に対し熱酸化工程を行うことを特徴とする請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記熱酸化工程と前記逆導電型の第2の埋込拡散層を形成する不純物をイオン注入する工程との間には、非酸化性雰囲気中での熱処理工程を行わないことを特徴とする請求項9に記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−150160(P2007−150160A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−345504(P2005−345504)
【出願日】平成17年11月30日(2005.11.30)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(501464440)三洋半導体製造株式会社 (49)
【Fターム(参考)】