説明

均平作業方法

【課題】
高低差のある圃場等の区画を、牽引車両に牽引される均平機を用いて均一平面にする方法において従来はレーザ光を基準にして、均平板に土を抱えられる程度に高さを保持し、土を抱えなくなったら徐々に均平板を下げることを繰り返しながら均一にしていた。その結果最後まで均一高さにならず、均平作業後半で低い部分があった場合には、全体から広く薄く運土せねばならず非効率的であった。また、オペレータは常に後方を振り返り均平板の土の様子を見ながら作業せねばならず危険であった。
【解決手段】
本願は均平作業前に圃場高さを測定し、均平にしたときの均平基準面高さを算出し、基準高さと比較した高低マップを運転席に表示し、均平作業中もリアルタイムに測定し高低マップを書き換え、効率的に作業を行えるようにした均平方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は高低差のある圃場等の区画を牽引車両に牽引される均平機を用いて均一平面にする方法において、衛星を利用した三次元測位システムいわゆるGPS受信機等を備えた均平作業機で、均平板通過後の作業基準高さを均平基準面高さと比較して運転席に表示し、逐一運転席から均平板を振り返る事無く、安全に最短距離で合理的な均平作業を行う為の均平方法である。
【背景技術】
【0002】
圃場、特に水田では凹凸が自然発生して水管理が難しくなる。圃場を均平にすることによって、水田では作物に均一に水を与えることができるようになり、水管理や施肥が容易になり均等な収穫が得られるようになる。
【0003】
また、圃場整備事業で均平化された圃場でも、数年たつと不陸(フリク;圃場内の凹凸)が発生する。不陸は圃場内に圧密の差がある場合や切土、盛り土、水口と水尻での透水むら等による圃場内に乾・湿の差が出た場合に発生する。不陸は1年で15ミリ程度ずつ拡大する傾向にあり、2〜3年に一度不陸修正が必要になる。
【0004】
不陸が発生すると除草剤の効果不足や不均一な生育を示すと同時に、生育の調節が難しくなることもあって、倒伏や病害虫の発生増大などで収量、品質、食味の低下を招くことになりかねないので、定期的に不陸修正のための均平作業を必要としている。しかし圃場内の微妙な不陸は水を張ってみないと解らないものであった。
【0005】
これらの圃場の均平作業においては、トラクタに牽引されるタイプの均平機を用いることが多い。このタイプの均平機は高速で作業できることと、トラクタのタイヤの跡が残らないので後工程の播種がやりやすいこと、何処の農家にもあるトラクタを使用できることなどの利点がある。
【0006】
牽引車両に牽引される均平機を用いて均平にする方法については、図7のようにレーザ光を用いた方法が実用化されている(特許文献1)。この方法は圃場外にセットされた発光機の出すレーザ光を基準として、均平作業機の均平板を一定の作業基準高さに保ちながら圃場内をくまなく運土し、レーザ光を基準にしながら徐々に均平板の作業基準高さを下げていき、最終的にレーザ光と平行な均平面を作るようにしているものである。
【0007】
レーザ光の代りにGPS受信機を使用したものとしては、特許文献2で提示されている。どちらの方法も均平板を一定の作業基準高さに保持して運土しながら、徐々に均平板の作業基準高さを下げていき、隈なく圃場内を走行し最終的に全体を均平にする方法で実用上充分であった。しかしオペレータは常に後方の均平板を目視し、土を抱え込んでいる状況を確認しながら走行しなければならなかった。
【0008】
また、作業開始後すぐに圃場に入り込み均平作業しながら、均平板が土を抱え込む作業基準高さを徐々に下げることによって、区画圃場内全体を均平にしていたので、作業後半で一角だけ低い部分が発見された時は、均平された部分全体から広く浅く運土せねばならず、大変時間がかかり非効率的であった。
【0009】
レーザ光式の均平作業機の従来例を具体的に図7で説明する。レーザ光57はトラクタ60のキャビンに遮られることがないようにレーザ受光機55、レーザ発光機56共に高い位置に取り付けられる。図7のような従来のレーザ光57による均平工法では、最初に高低差測定器52で区画内の各点の高低を測定する。しかしこの測定結果は、最初に均平板51をどの程度の作業基準高さに保持しておくかの目安にするもので、本出願のような運土量を算出できるほど大量のデーター量を測定することはできない。
【0010】
レーザ発光機56から発光されたレーザ光57をレーザ受光機55が受光するように取り付け、制御装置59の制御によってトラクタ60の油圧シリンダ58を上下することによってレーザ受光機55が常にレーザ光57を受光する高さに保持される。
【0011】
レーザ受光機55が一定高さに保持されれば均平板51も一定作業基準高さに保持されるので均平作業を行うことができる。均平板51が土を抱えなくなったらレーザ受光機55の取り付け位置を上方にすることで徐々に均平板51の位置を下げて運土することによって最終的に均平基準面高さに均平にしていた。一般にはレーザ受光機55の取り付け位置を上下させるのに、電動もしくは油圧などでレーザ受光機55のポール53を伸縮することで行われる。
【特許文献1】特開平10‐108508号公報(特許第3267518)
【特許文献2】特開2001‐8505
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
従来の方法では、目視とオペレータの勘によって徐々に均平板を下げながら運土する方法なので、高い部分から低い部分に運土して一角を均平にしたとしても更に他の場所に低い部分があった場合には、一旦均平にした場所全体から広く浅く運土して均平にせねばならず、一旦運土した土を別の場所に運土することがあった。
【0013】
この方法では最終均平段階まで、均平基準面高さが分らず、均平になったか否かも分らない耕法で時間がかかり非効率的であると同時に、牽引車両が圃場内を繰り返し往復や旋回するので、圃場を踏み固めてしまい硬くなり後作業の整地や耕法がやりにくくなり透水性が悪くなった。また、圃場が広い場合は、高低差をトラクタ上からの目視では解り難いことがあった。
また、牽引車両で牽引する構造の均平機のためオペレータは常時振り返りながら、均平板の土の抱え込み状況を確認している必要があり、土を抱えたら直ちに反転して低いと思われる方向へ走り、均平板に土がなくなったら直ちに反転して高いと思われる方向へ戻る、この作業を何度も繰り返す必要があった。
オペレータは常に後方を振り返りながら前方向に進行して作業せねばならなかった。常時このような作業であるので、均平機に集中するあまり土手に乗り上げてしまうことも考えられる。
【0014】
本願のような均平作業機では、ブルドーザーのように低い位置の土を高い位置に上げることができない。牽引される均平板は常に一定作業基準高さで徐々に下げるのみである。しかも均平技術のない一般農家が作業するものである。上記問題を解決する為に、圃場内を隈なく回りつつ均平にする作業を少しでも短い距離で作業できるように判断できる情報を与えることが本願の趣旨である。
【課題を解決するための手段】
【0015】
圃場などの区画内を走行し、三次元測位システムを利用して一定高さに保持した均平板の通過時の位置と前記均平板の高さと不陸修正距離とを測定して表示する均平作業システムであって、
高低マップから均平基準面高さを算出し、均平基準面高さに固定した均平板で均平作業し、
作業機の均平板の通過位置を均平基準面高さに修正して表示し、均平基準面高さにならなかった位置は、不陸修正距離に応じた図柄で表示するようにし表示部全面が均平基準面高さの図柄になれば圃場全体が均平になったことがわかるように構成したことを特徴とする、均平支援システム。
【発明の効果】
【0016】
本発明では圃場高低マップ作成により、運土量を計算して均平基準面高さを決定するので、レーザ光を使い均平板の作業基準高さだけ設定した均平作業のように、適当に均平板高さを保持する方法と比較すると無駄な走行が少なく短時間で均平にすることができる。その結果圃場を踏圧で固める事が少なく、後作業の耕耘、砕土、播種などがやりやすく経済的である。
均平板の通過した場所の高低マップがすぐに運転席に表示されるので最短距離の合理的な順序で運土できる。オペレータは前方と表示板を見ながら作業するので疲れず安全である。
【0017】
従来方法では最終まで区画内全体が均平になったか否かの判断がつかないが本発明では部分的に均平基準面になったことが判断できるので合理的な運土が可能である。
【0018】
GPSを利用するのでその地域の平野内に複数の均平作業機が作業してもお互いに干渉することが無い。
大きな圃場でも地球の丸みに沿った圃場を作ることができる。また、その際発光器の移動などの煩雑な作業が無い。そして夜間作業ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明は作成された圃場の高低マップから全体を運土して均平にしたときの均平基準高さを算出し、均平基準高さに対する高低差を表示部に表示する。
【0020】
次にGPS受信機を備えた作業機で、均平基準高さに保持した均平板で、高いところの土を低い場所に運土しながら均平板が均平基準高さで通過した部分を、計測部によって測定し演算部で均平基準高さと比較し、リアルタイムに表示部に表示する。
この際均平基準高さを保持した均平板で通過した部分は、当初に読み込まれた高低マップとは、少し異なる色もしくは模様で軌跡が分るように表示するのが望ましい。
【0021】
また、均平板が均平基準高さで保持されたままでは通過できないほど高い部分がある場合は、オペレータによるレバー操作(手動)で均平板を上昇させ通過するが、その場合は均平板の高さと位置データーを計測部で測定し、演算部で均平基準高さと比較し、均平基準高さと異なる色ないし模様で均平板が高く通過したことを表示するようにする。
【0022】
次に均平基準高さに保持した均平板で、均平基準高さより低い部分を通過するときは、上記計測部の測定だけでは、均平高さで均平になったものと判断してしまう。そこで測定部のセンサーによって均平板より低い部分の深さを測定し、演算部において位置データと合体させて色ないし模様の表示で低いことを表示するようにした。
以上のように構成された均平作業機を用いて図3のフローチャートのように作業し、表示部全面が均平基準高さ(一定誤差内)になるまで作業すれば圃場全体を効果的に均平にすることができる。
【実施例1】
【0023】
図1は本発明の1実施例の側面図である。図2は本発明の作業機が均平板より低い幅の凹部上を通過する作業機を後から見た図である。
本発明はトラクタ10によって牽引される、均平機30を支援するシステムである。
【0024】
均平機30はトラクタ10のトップリンク8とロアリンク9にトップリンク取り付けピン7とロアリンク取り付けピン6を介して取り付けられる。
ロアリンク9はGPS受信機20が測定したデータを制御装置21が処理することによって、一定高さに保持されるようになっている。
トップリンク取り付けピン7とロアリンク取り付けピン6にはフレーム33が取り付けられフレーム33の後端部には鎮圧輪35が接地している。鎮圧輪35は必要に応じてシリンダ38の伸縮で上下するようになっている。
【0025】
ロアリンク9と鎮圧輪35に支えられたフレーム33上方にはGPS受信機20が、下方には均平板31が固着されており、GPS受信機20が測定したデータを制御装置21が処理することにより、ロアリンク9が一定高さに保持されれば、均平板31も一定高さに保持されるようになっている。この機構により均平作業が行われる。
【0026】
また、均平板31の後にゲージホイル34がアーム39を介して回転センサー32に取り付けられている。これは図2のように一定高さに保持された均平板31より低いところを通過する時、ゲージホイル34接地部が下降することにより回転センサー32が感知し回転センサー32によって、ゲージホイル34接地部と均平板下端部との距離yの深さが測定されるものである。
【0027】
図4のフローチャートの計測部c20は、均平板31の高さと位置を測るGPS受信機20が関係し、均平板31の高さと位置データd2を測定する部分で制御装置21内のコンピュータを使用する。
【0028】
同じく測定部c32はゲージホイル34が均平板31より低くなった時に作動し、回転センサ32の角度を距離に変換しGPS受信機20による位置データと合体させ、不陸修正距離y(マイナスの不陸修正距離)とd3を測定する部分で制御装置21内のコンピュータを使用する。
【0029】
また演算部c21は、均平板の高さと位置データd2と不陸修正距離y(マイナスの不陸修正距離)とd3を高低マップのデータd1と比較した演算データd5を算出する部分でこれも制御装置21内のコンピュータを使用する。
演算部c21より出されたデータは表示部c22によって、均平基準高さd4と比較したリアルタイムの高低マップd6として表示部22に表示されるが、場合によっては制御装置と一体化されることもある。
【0030】
本システムを作動させる前に、あらかじめその圃場の大きさや高低を測定したデータを作成する。それには図5のような、三次元測位システム20を取り付けたトラクタ11で圃場内を万遍なく走行し、圃場内の凹凸とその位置を測定して図6のような高低マップのデータd1を作成する。トラクタ11には、プラウ15が取り付けられており測定と同時にプラウイングすることができ、効率的な測定ができる。
【0031】
万遍なく圃場内を走行する際は、図5のようにプラウ15を取り付けて圃場内をプラウイングしながら、高低マップのデータd1を作成するのが望ましい。またプラウイングした後に均平作業すると、土が膨軟になっているので、均平作業がやりやすい。
【0032】
以下図3のフローチャートに従って説明する。
(スタート。) a1
トラクタのエンジンをかける。システムの電源を入れる。圃場に乗り入れる。
(あらかじめ作成しておいた高低マップデータを呼び出し記憶する。) a2
あらかじめ作成してある高低マップデータd1を演算部c21に記録させる。高低マップデータd1は別作業で圃場内を隈なく走行し作成する。
【0033】
(高低マップデータから均平にした時の均平基準高さを算出する。) a3
演算部c21に記録された高低マップデータd1の土量を計算し、圃場全体をならして均平にした時の均平基準高さd4を算出する。
【0034】
(均平作業機の現在位置を高低マップデータに一致させ、均平基準高さと比較した高低マップを作成表示する。) a4
高低マップデータd1を均平基準高さd4と比較して表示部c22に表示する。例えば一つの表示方法として、均平基準高さd4と同じ高さの場所は白で表示し、それより高い部分は赤、低い部分は緑で表示する。また、高さ低さの度合いによって赤と緑に濃淡をつけて表現する。
また、均平作業機の現在位置を高低マップデータと一致させる。
【0035】
(均平基準高さに保持した均平板で高い所から低いところへ運土して均平にし、作業機通過位置を測定する。) a5
作業機30の均平板31を計測部20で測定しながら常に均平基準高さd4に均平板31を保持して、表示部22の高低マップを参照しながら高い所から低いところへ運土するように走行し均平作業を行う。その時の通過位置は計測部20で測定し均平板31の高低と位置データd2を演算部c21に記録し、均平基準高さd4と比較した演算データd5を表示部c22に送り表示する。
この時a4で作成表示した高低マップとは少しだけ色や模様を変更し、作業機が通過した位置が分るように表示することが望ましい。また、表示方法は均平作業機の進行方向が常に上方になるように表示部c22に表示するのが望ましい。
【0036】
均平基準高さに均平板を保持する際は、演算して出された均平基準高さd4に、制御装置21を用いて自動で一致させる。又は、a4で作成表示された高低マップ上の均平基準高さd4の場所に移動し、均平板を下ろして地表面と一致させ、これを保持すべき均平基準高さd4として、制御装置21によって記憶し固定するようにしても良い。
【0037】
(地表面が高く土量が多い為均平板を均平基準高さより上昇させて通過した時のプラスの不陸修正距離を測定する。もしくは地表面が低く均平基準高さまで達していない時の、マイナスの不陸修正距離を測定する。) a6
通常であれば、作業機30が通過した場合は全て均平基準高さd4になるはずであるが、あまりに高くて一度に土を運土しきれない場合は、オペレータは手動により均平板31を上昇させて、抱え込む土量を少なくして通過する場合がある。そのときはその均平板31の高さを測定して表示部c22に表示する。
【0038】
(作業機通過後の不陸修正距離を測定し高低マップを変更して表示)a6
次に図2のように均平基準高さd4の高さに均平板31を保持して均平作業した時、均平基準高さd4より低い場所fがある場合を説明する。均平板31は常に計測部c20の計測によって均平基準高さd4の高さに保持されているので、均平基準高さd4より下に下降することはない。低い部分が発生した時は、ゲージホイル34が自然落下して接地するようにしてあり、その深さはアーム39を介して回転センサー32の振り角度で測定される。
【0039】
図2は窪地fにゲージホイル35が接地したところを後から見た図である。この不陸修正距離yと位置データd3は測定部c32でデータが作られ、演算部c21に記録され、均平基準高さd4と比較したデータd5に変換して表示部c22に表示される。
【0040】
尚、このゲージホイル35は複数あっても良い。その場合それぞれのゲージホイルの高さを演算して平均にするようにすればよい。また、この測定部はゲージホイルでなくても、均平板と31と地面の高さが測定できるものであれば良い。例えば電波や音などの反射を利用して距離を測定する非接触のものであっても良い。
【0041】
以上のようにして、均平板31が均平基準高さd4より高い場合は計測部c20が均平板の高さと位置データd2を測定し、演算部c21に記録され、均平基準高さd4と比較され、表示部c22に表示される。均平板31より地面が低い場合はゲージホイル34が接地した角度を角度センサー32で測定し、測定部c32が不陸修正距離yと位置データd3を作成し、演算部c21で均平基準高さd4と比較され表示部c22に表示される。
【0042】
(作業機の通過位置とプラス・マイナスの不陸修正距離を演算し高低マップを変更して表示する。) a7
a6で測定されたプラス・マイナスの不陸修正距離を演算し高低マップを変更して表示する。
【0043】
表示部c22には常に均平基準高さd4と比較された高低マップd6が表示される。従って表示部c22を見ながら高いところから低いところへ運土するように作業すれば、最後には圃場全体が均平基準高さになる。
【0044】
(表示部全面が均平基準高さ(許容差内)になった。) a8
プラス・マイナスのどちらも不陸修正距離が発生しない場合は、作業機の通過した場所は均平基準高さになったとして高低マップに表示される。
均平基準高さはどうしても一定の誤差内になってしまう。例えば±1cmの均平基準高さで充分に水管理ができるのであれば、それ以上精度を追求する必要はない。但し事前に許される許容差を決定しておく必要がある。
そして表示部の全面が全て許容差内の均平基準高さになれば作業は終了することができる。表示部は一色になるので作業終了であることが理解できる。しかし表示部に一カ所でも不陸修正距離の発生した部分があれば、作業機は高いところに移動し低いところに運土しなければならない。
【0045】
(均平作業のために移動する。) a9
表示部が一色でないのであれば、表示部上の高いところへ移動し高いところの土を低いところへ運土する。a5からやり直す。
(終了) a10
圃場から出て、エンジンを切る。システムの電源を切る。
【0046】
なお、作業途中でトラクタの踏圧によって、土量が変化し均平高さd4が演算値より低くなる場合が考えられる。このような場合はある程度均平作業した後、その時の高低マップの表示d6を、高低マップのデータd1として演算部c21で計算し、必要があれば高低差をもっと詳細に表現するようにすればリアルタイムに均平基準高さa3を計算することができ、以下a4〜a6までの作業を再度行うことにより、正確な均平度で作業を終了することができる。
また、オペレータは常に後方を振り返り均平板の土の様子を見ながら作業する必要はなく、前方と表示部c22を見て作業ができる為安全である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明に使用される牽引車両と牽引される均平機の側面図である。
【図2】均平板より低い凹部上を通過する作業機を後から見た図である。
【図3】本件の手順をフローチャートにした図である。
【図4】各部とデータの流れを現したフローチャートである。
【図5】最初の測定に使われるトラクタ及びプラウの側面図である。
【図6】高低マップデータの例である。
【図7】従来のレーザ光を用いた均平作業機の側面図である。
【符号の説明】
【0048】
6 ロアリンク取り付けピン
7 トップリンク取り付けピン
8 トップリンク
9 ロアリンク
10 トラクタ(GPS受信機の無いもの)
11 トラクタ(GPS受信機の有るもの)
15 プラウ作業機
20 GPS受信機
21 制御装置
22 表示部
30 均平機
31 均平板
32 回転センサー
33 フレーム
34 ゲージホイル
35 鎮圧輪
38 シリンダ
39 アーム
50 従来のレーザ光方式の均平機
51 従来のレーザ光方式の均平機の均平板
52 高低差測定器
53 レーザ受光機取り付けポール
55 レーザ受光機
56 レーザ発光機
57 レーザ光
y 不陸修正距離(マイナスの不陸修正距離)



【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め作成した区画内の高低マップに基づいて均平にした時の区画内の均平基準高さを算出し、前記均平基準高さと前記区画内の小区画毎の高低差を色や模様によって前記均平作業機の表示部に表示させ、前記表示部の表示に基づき前記均平作業機によって均平作業を行い、
前記均平作業中における地表面が高く均平板を均平基準高さより上昇させて通過した前記小区画及びそのプラスの不陸修正距離と、地表面が低く均平基準高さまで達していない前記小区画及びそのマイナスの不陸修正距離を測定し、
前記測定結果に基づき、測定した前記小区画のプラス又はマイナスの不陸修正距離を演算し前記高低マップを変更して前記表示部に再表示し、
前記小区画毎の高低差表示があらかじめ設定された均平基準高さの許容差内の表示になるまで均平作業を行うようにしたこと
を特徴とする均平作業方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−53902(P2007−53902A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−239276(P2005−239276)
【出願日】平成17年8月22日(2005.8.22)
【出願人】(391057937)スガノ農機株式会社 (25)
【Fターム(参考)】