説明

電子部品及び電子部品組立装置

【課題】電子部品本体に損傷を与えることなく搭載又は取り外しが可能な電子部品、及び、前記電子部品を基板に搭載する又は前記電子部品を基板から取り外す電子部品組立装置を提供すること。
【解決手段】本電子部品は、配線基板と、前記配線基板の一方の面側に搭載される電子部品本体と、前記配線基板の他方の面側に形成され、前記電子部品本体と電気的に接続される外部電極と、前記外部電極と同一層に形成され、導電性を有し、抵抗率が前記外部電極よりも高い発熱体と、前記電子部品本体と前記発熱体との間に配置され、絶縁性を有し、前記配線基板を構成する材料とは異なる材料からなる熱絶縁層と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板に搭載される電子部品、及び、前記電子部品を基板に搭載する又は前記電子部品を基板から取り外す電子部品組立装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、テレビやパーソナルコンピュータ等の様々な機器には、はんだ等を用いて半導体装置やコンデンサ等の電子部品が搭載された基板が備えられている。このような基板において、搭載されている電子部品が故障した場合には、故障した電子部品を取り外し、正常に動作する電子部品を新たに搭載する所謂リペア作業が必要となる。
【0003】
リペア作業は、故障した電子部品の周辺に搭載されている部品や故障した電子部品が搭載されている基板に損傷を与えることなく行うことが望ましい。取り外した電子部品以外を再利用するためである。又、リペア作業は、故障した電子部品の電子部品本体(半導体チップ等)にも損傷を与えることなく行うことが望ましい。取り外した電子部品の故障解析を行うためである。
【0004】
従来のリペア作業は、例えば、エアヒータによってリペア作業の対象となる電子部品にはんだの融点以上の熱風を吹き付けて電子部品を加熱し、はんだを溶融することにより行われていた。しかし、この方法では、電子部品に熱風を吹き付けて加熱するため、はんだに熱が効率よく伝わらず、はんだが溶融する頃には電子部品や基板が高温となり、電子部品が機能するための主要部分である電子部品本体や基板が損傷を受ける場合があった。又、実装密度の高い基板では、リペア作業の対象となる電子部品のみに熱風を吹き付けることは困難であり、周辺に搭載された部品にも熱風が吹き付けられ、リペア作業の対象となる電子部品と共に取り外されてしまう場合があった。
【0005】
そこで、このような問題を解決すべく、様々な技術が提案されている。例えば、半導体パッケージと基板とを接続するはんだボールの周囲に、内部に加熱線が設けられたリペアシートを挟み込んだ半導体装置が提案されている。この半導体装置では、リペアシートを加熱線により加熱して周囲のはんだボールを溶融させることで、半導体パッケージのみを取り外すことができる。又、この半導体装置では、はんだボールの周囲にリペアシートを挟み込んだ状態で半導体パッケージを基板に搭載し、リペアシートを加熱線により加熱して周囲のはんだボールを溶融させることで、半導体パッケージのみを搭載できる(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
又、はんだボールが搭載されるランドの周囲に、電気絶縁層を介してNi−Cr等の発熱抵抗体層を形成したBGAパッケージ用基板が提案されている。この基板では、発熱抵抗体層に電流を流して発熱させ、BGAパッケージと基板とを接合しているはんだボールを溶融させることで、BGAパッケージのみを取り外すことができる(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
又、半導体チップと基板とを接続する突起電極を加熱するNi−Cr等の発熱体を、半導体チップ又は基板の所定部に設けた半導体装置が提案されている。この半導体装置では、発熱体を加熱して突起電極を溶融させることで、半導体チップのみを取り外すことができる(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平11−87906号公報
【特許文献2】特開平10−284820号公報
【特許文献3】特開昭61−148830号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1〜3で提案されている技術を用いれば、エアヒータによって熱風を吹き付けて電子部品を取り外す方法と比較すると、電子部品本体や基板に与える損傷は低減されると思われる。しかしながら、特許文献1〜3で提案されている技術では、電子部品本体に伝わる熱は遮断されてなく、依然として電子部品本体に損傷を与える虞は排除できない。
【0010】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、電子部品本体に損傷を与えることなく搭載又は取り外しが可能な電子部品、及び、前記電子部品を基板に搭載する又は前記電子部品を基板から取り外す電子部品組立装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本電子部品は、配線基板と、前記配線基板の一方の面側に搭載される電子部品本体と、前記配線基板の他方の面側に形成され、前記電子部品本体と電気的に接続される外部電極と、前記外部電極と同一層に形成され、導電性を有し、抵抗率が前記外部電極よりも高い発熱体と、前記電子部品本体と前記発熱体との間に配置され、絶縁性を有し、前記配線基板を構成する材料とは異なる材料からなる熱絶縁層と、を有することを要件とする。
【0012】
本電子部品組立装置は、電子部品本体と、前記電子部品本体と電気的に接続された外部電極と、前記外部電極と同一層に形成され、導電性を有し、導電率が前記外部電極よりも低い発熱体と、前記発熱体と接続された加熱用電極と、を有する電子部品の前記加熱用電極に当接し、貫通孔を有する当接部と、前記当接部を介して前記発熱体を発熱させる加熱手段と、前記貫通孔を介して前記加熱用電極を吸引する吸引手段と、を有することを要件とする。
【発明の効果】
【0013】
開示の技術によれば、電子部品本体に損傷を与えることなく搭載又は取り外しが可能な電子部品、及び、前記電子部品を基板に搭載する又は前記電子部品を基板から取り外す電子部品組立装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1の実施の形態に係る半導体装置の一例を示す断面図である。
【図2A】第1の実施の形態に係る半導体装置の一例を示す底面図である。
【図2B】第1の実施の形態に係る半導体装置の他の例を示す底面図(その1)である。
【図2C】第1の実施の形態に係る半導体装置の他の例を示す底面図(その2)である。
【図3】半導体装置の搭載及び取り外しに用いる装置の一例を示す模式図である。
【図4】ノズルの一例を示す斜視図である。
【図5A】半導体装置の取り外しの手順の一例を示すフローチャートである。
【図5B】半導体装置の搭載の手順の一例を示すフローチャートである。
【図6】第1の実施の形態の変形例1に係る半導体装置の一例を示す断面図である。
【図7】第1の実施の形態の変形例1に係る半導体装置の他の例を示す断面図である。
【図8】第1の実施の形態の変形例2に係る半導体装置の一例を示す断面図である。
【図9】第1の実施の形態の変形例3に係る半導体装置の一例を示す断面図である。
【図10】第1の実施の形態の変形例3に係る半導体装置の他の例を示す断面図である。
【図11】第2の実施の形態に係る半導体装置の一例を示す断面図である。
【図12A】第2の実施の形態に係る半導体装置の一例を示す底面図である。
【図12B】第2の実施の形態に係る半導体装置の他の例を示す底面図(その1)である。
【図12C】第2の実施の形態に係る半導体装置の他の例を示す底面図(その2)である。
【図13】半導体装置の搭載及び取り外しに用いる装置の他の例を示す模式図(その1)である。
【図14】第3の実施の形態に係る半導体装置の一例を示す断面図である。
【図15】第4の実施の形態に係る半導体装置の一例を示す断面図である。
【図16】半導体装置の搭載及び取り外しに用いる装置の他の例を示す模式図(その2)である。
【図17】第5の実施の形態に係る電子部品の一例を示す斜視図である。
【図18】第5の実施の形態に係る電子部品の一例を示す断面図である。
【図19】第5の実施の形態に係る電子部品の電流について説明するための図である。
【図20A】ノズルの他の例を示す斜視図(その1)である。
【図20B】ノズルの他の例を示す斜視図(その2)である。
【図20C】ノズルの他の例を示す斜視図(その3)である。
【図20D】ノズルの他の例を示す斜視図(その4)である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、実施の形態の説明を行う。なお、各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
【0016】
なお、本明細書において、電子部品とは、能動素子である半導体チップを有する半導体装置や、受動素子であるコンデンサや抵抗等を含む。又、本明細書において、電子部品が機能するための主要部分を電子部品本体と称する。例えば、電子部品が半導体装置であれば、電子部品本体は半導体チップである。又、電子部品がコンデンサであれば、電子部品本体は誘電体を含むコンデンサとして機能する部分であり、電子部品が抵抗であれば、電子部品本体は抵抗体を含む抵抗として機能する部分である。
【0017】
〈第1の実施の形態〉
[半導体装置の構造]
まず、第1の実施の形態に係る半導体装置の構造について説明する。図1は、第1の実施の形態に係る半導体装置の一例を示す断面図である。図2Aは、第1の実施の形態に係る半導体装置の一例を示す底面図である。なお、図1は、図2AのA−A線に沿う断面を示している。図2Aにおいて、便宜上、後述する第3絶縁層23は省略されている。
【0018】
図1を参照するに、半導体装置10は、配線基板11と、半導体チップ25と、バンプ26と、封止部27と、加熱用電極28A及び28Bと、貫通配線29A及び29Bとを有する。配線基板11としては、例えば、ガラスクロスにエポキシ樹脂等を主成分とする樹脂を含浸させた所謂ガラスエポキシ基板や、エポキシ樹脂等を主成分とする絶縁層と配線層を交互に積層した所謂ビルドアップ配線基板等の様々な配線基板を用いることができる。
【0019】
配線基板11は、第1配線層12と、第1絶縁層13と、第2配線層14と、第2絶縁層15と、第3配線層16と、熱絶縁層17と、熱拡散層18と、発熱体19及び第4配線層20と、第3絶縁層23とが順次積層された構造を有する。なお、配線基板11の第1配線層12側の表面を第1主面と称する場合がある。又、配線基板11の第3絶縁層23側の表面を第2主面と称する場合がある。
【0020】
第1配線層12と第2配線層14とは、第1絶縁層13を貫通する貫通孔内に設けられた第1貫通配線13xにより適宜電気的に接続されている。第2配線層14と第3配線層16とは、第2絶縁層15を貫通する貫通孔内に設けられた第2貫通配線15xにより適宜電気的に接続されている。第3配線層16と第4配線層20とは、熱絶縁層17及び熱拡散層18を貫通する貫通孔内に設けられた第3貫通配線17xにより適宜電気的に接続されている。
【0021】
第4配線層20は、第3絶縁層23の開口部23xから露出する(配線基板11の第2主面から露出する)複数の外部電極21と、発熱体19の両端部と電気的に接続されている2つの内部電極22A及び22Bとを有する。複数の外部電極21上には、それぞれ外部接続端子24が形成されている。但し、外部電極21上には必ずしも外部接続端子24を形成する必要はない。例えば、外部接続端子24を搭載していない半導体装置10を製品として出荷してもよい。この場合には、製品を入手した者が外部電極21上に外部接続端子24を搭載するか、又は、半導体装置10が搭載される基板側に外部接続端子を形成し、基板側に形成した外部接続端子と半導体装置10の外部電極21とを接続すればよい。このように、外部電極21は、電子部品本体である半導体チップ25と電気的に接続され、かつ、外部接続端子24と電気的に接続可能な電極である。
【0022】
第1配線層12、第2配線層14、第3配線層16、第4配線層20、第1貫通配線13x、第2貫通配線15x、及び第3貫通配線17xの材料としては、例えば、銅(Cu)やアルミニウム(Al)等の導電性材料を用いることができる。第1貫通配線13x、第2貫通配線15x、及び第3貫通配線17xの材料として、ポリアセチレンやポリチオフェン等の導電性高分子を用いても構わない。第1配線層12、第2配線層14、第3配線層16、第4配線層20、第1貫通配線13x、第2貫通配線15x、及び第3貫通配線17xは、例えば、無電解めっき法等により形成することができる。
【0023】
第1配線層12の表面(バンプ26側)や外部電極21の表面(外部接続端子24側)に、金(Au)めっき膜を形成しても構わない。又、金(Au)めっき膜に代えて、ニッケル(Ni)/金(Au)めっき膜(NiとAuをこの順番で積層しためっき膜)や、ニッケル(Ni)/パラジウム(Pd)/金(Au)めっき膜(NiとPdとAuをこの順番で積層しためっき膜)等を形成しても構わない。
【0024】
第1絶縁層13、第2絶縁層15、第3絶縁層23の材料としては、例えば、エポキシ系樹脂を主成分とする絶縁性樹脂等を用いることができる。第1絶縁層13、第2絶縁層15、第3絶縁層23に、ガラスクロス等の補強部材を設けても構わない。外部接続端子24の材料としては、例えば、Sn−3.0Ag−0.5Cu等のSn−Ag−Cu系のはんだ材料(融点:略215〜235℃程度)を用いることができる。
【0025】
発熱体19は、電流が流れると熱を発する機能を有する。発熱体19は、例えば、図2Aの示すように、外部電極21及び外部接続端子24と接触しないように迂回させて、熱拡散層18の表面全体に形成されている。発熱体19を熱拡散層18に接するように設けることにより、発熱体19の発する熱を熱拡散層18に効率よく伝達できる。発熱体19の両端部は、それぞれ内部電極22A及び22Bと電気的に接続されている。内部電極22A及び22B間に所定の電圧を印加すると、発熱体19に電流が流れて熱を発し、外部電極21に接続される外部接続端子24を溶融させることができる。
【0026】
なお、本明細書における発熱体とは、電流を流すことにより、電子部品と基板とを接続する導電性材料(はんだや導電性ペースト等)を溶融できる程度の熱を発生可能なものをいう。又は、本明細書における発熱体とは、後述のように、電子部品の外部から熱を供給することにより、電子部品と基板とを接続する導電性材料(はんだや導電性ペースト等)を溶融できる程度の熱を保持可能なものをいう。
【0027】
発熱体19としては、例えば、ニクロム(Ni−Cr)、タングステン(W)、スズドープ酸化インジウム(ITO)、酸化スズ(TO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)等の金属系材料や、カーボンナノチューブ、ポリピロール、ポリアニリン、ポリフェニリン等の非金属系材料を用いることができる。発熱体19は、例えば、スパッタ法や蒸着法等により薄膜として熱拡散層18上に形成できる。又、発熱体19は、例えば、焼成等により厚膜として熱拡散層18上に形成してもよい。発熱体19の厚さは適宜決定することができるが、例えば、5〜20μm程度とすることができる。発熱体19の幅は適宜決定することができるが、例えば、5〜20μm程度とすることができる。
【0028】
熱拡散層18は、発熱体19が発する熱を均一化する機能を有する。熱拡散層18は、発熱体19が発した熱を均一化し略一定温度となる。熱拡散層18を設けることにより、発熱体19が発した熱を複数の外部接続端子24に効率よく伝えることができる。熱拡散層18の材料としては、例えば、窒化アルミニウム(AlN)や炭化珪素(SiC)等の熱伝導率の高いセラミック等を用いることができる。熱拡散層18の厚さは適宜決定することができるが、例えば、10〜100μm程度とすることができる。
【0029】
熱拡散層18は、例えば、原料のセラミック粉末と有機質のバインダを混ぜ合わせたスラリーからグリーンシートを作製する。そして、作製したグリーンシートに層間導通用の貫通孔を形成して貫通孔に導体ペースト等を充填して貫通配線を作製し、その後焼成することで作製できる。熱拡散層18は、例えば、エポキシ系樹脂を主成分とする熱硬化性接着剤を介して熱絶縁層17に積層した状態で熱硬化性接着剤を加熱しながら熱絶縁層17側に押圧することにより熱絶縁層17上に積層できる。
【0030】
熱絶縁層17は、発熱体19が発し熱拡散層18が均一化した熱が半導体チップ25に伝達されることを防止する機能を有する。熱絶縁層17を熱拡散層18と半導体チップ25との間に設けることにより、発熱体19が発し熱拡散層18が均一化した熱が半導体チップ25に伝達されることを防止可能となり、熱に起因する半導体チップ25の破壊を回避できる。又、熱絶縁層17を設けることにより、発熱体19が発し熱拡散層18が均一化した熱を逃がさずに外部接続端子24に効率よく伝えることができる。熱絶縁層17の材料としては、例えば、チタン酸アルミニウム(AlTiO)やジルコニア(ZrO)等の熱伝導率の低いセラミックやポリイミド樹脂等を用いることができるが、熱伝導率が配線基板の電気絶縁層よりも低いことが望ましい。熱絶縁層17の厚さは適宜決定することができるが、例えば、10〜100μm程度とすることができる。
【0031】
熱絶縁層17がセラミックである場合には、熱拡散層18と同様の方法により作製できる。熱絶縁層17を第2絶縁層15に積層する場合には、例えば、第2絶縁層15としてエポキシ系樹脂を主成分とする熱硬化性樹脂を選択する。そして、熱絶縁層17を第2絶縁層15に積層した状態で、第2絶縁層15を加熱しながら熱絶縁層17を第2絶縁層15側に押圧することにより積層できる。熱絶縁層17がポリイミド樹脂である場合には、ポリイミド樹脂を第2絶縁層15上にラミネートすることにより、熱絶縁層17を第2絶縁層15に積層できる。
【0032】
熱絶縁層17は、熱拡散層18よりも熱伝導率が小さくなければならない。熱絶縁層17の熱伝導率は、熱拡散層18の熱伝導率の20分の1以下であることが好ましい。
【0033】
なお、一般に、配線基板にはエポキシ系樹脂を主成分とする電気絶縁層が設けられることが多く、このような電気絶縁層は熱伝導率が比較的低い。しかし、このような電気絶縁層を熱絶縁層と兼用すると、電気絶縁層の耐熱温度や熱膨張係数等に起因して配線基板に反りが生じ、半導体チップとの接続信頼性が低下したりする虞がある。そこで、電気絶縁層とは別に熱絶縁層を別途設ける必要がある。
【0034】
なお、熱絶縁層17は、必ずしも熱拡散層18に隣接する位置に設ける必要はなく、熱拡散層18と破壊を防止したい電子部品本体(この場合には半導体チップ25)との間の任意の位置に設けることにより、半導体チップ25の破壊を防止できる。但し、発熱体19が発し熱拡散層18が均一化した熱を逃がさずに外部接続端子24に効率よく伝える観点からは、熱絶縁層17は熱拡散層18に隣接して設けることが好ましい。又、エポキシ系樹脂等を主成分とする電気絶縁層の熱に起因する反りを防止する観点からも、熱絶縁層17と熱拡散層18との間に電気絶縁層を設けずに、熱絶縁層17を熱拡散層18に隣接して設けることが好ましい。
【0035】
半導体チップ25(電子部品本体)は、バンプ26を介して配線基板11にフリップチップ接続されている。半導体チップ25は、例えば、シリコン(Si)やSOI(silicon on insulator)、ガリウム砒素(GaAs)等の半導体基板に半導体集積回路や保護膜、電極等を形成したものである。
【0036】
バンプ26は、半導体チップ25の電極(図示せず)と配線基板11の第1配線層12とを電気的に接続している。バンプ26の材料としては、例えば、Sn95Pb(融点:略270〜330℃程度)、Sn80Au(融点:略280〜320℃程度)、Sn0.7Cu(融点:略240〜270℃程度)等の、外部接続端子24よりも融点の高いはんだ材料を用いることができる。
【0037】
バンプ26に外部接続端子24よりも融点の高いはんだ材料を用い、半導体装置10を基板から取り外す際に、バンプ26が溶融せずに外部接続端子24が溶融する温度に設定することで、バンプ26に影響を与えずに半導体装置10を取り外すことができる。又、半導体装置10を基板に搭載する際に、バンプ26が溶融せずに外部接続端子24が溶融する温度に設定することで、バンプ26に影響を与えずに半導体装置10を搭載できる。但し、本実施の形態に係る半導体装置10では、熱絶縁層17を設けているため、外部接続端子24からバンプ26へ伝達しようとする熱は熱絶縁層17により遮断される。そのため、バンプ26の材料を外部接続端子24と同一材料としてもよい。
【0038】
封止部27は、半導体チップ25を封止するように配線基板11の第1主面に設けられている。封止部27の材料としては、例えば、エポキシ系樹脂を主成分とする絶縁性樹脂を用いることができる。封止部27の材料は、シリカ(SiO)やアルミナ(Al)等のフィラーを含有していても構わない。
【0039】
加熱用電極28A及び28Bは、封止部27上に設けられている。又、加熱用電極28A及び28Bは、封止部27、第1絶縁層13、第2絶縁層15、熱絶縁層17、及び熱拡散層18を貫通する貫通孔内に設けられた貫通配線29A及び29B並びに内部電極22A及び22Bを介して、発熱体19の両端部と電気的に接続されている。加熱用電極28A及び28Bは、後述するように、半導体装置10の搭載及び取り外し時にノズルが当接する部分である。
【0040】
加熱用電極28A及び28B並びに貫通配線29A及び29Bの材料としては、例えば、銅(Cu)やアルミニウム(Al)等の導電性材料を用いることができる。貫通配線29A及び29Bの材料として、ポリアセチレンやポリチオフェン等の導電性高分子を用いても構わない。加熱用電極28A及び28B並びに貫通配線29A及び29Bは、例えば、無電解めっき法等により形成することができる。加熱用電極28A及び28Bの表面並びに貫通配線29A及び29Bの表面(貫通孔の内壁面側)に、金(Au)めっき膜を形成しても構わない。又、金(Au)めっき膜に代えて、ニッケル(Ni)/金(Au)めっき膜(NiとAuをこの順番で積層しためっき膜)や、ニッケル(Ni)/パラジウム(Pd)/金(Au)めっき膜(NiとPdとAuをこの順番で積層しためっき膜)等を形成しても構わない。
【0041】
半導体装置10において、発熱体19に電流を流すことにより発した熱は熱拡散層18で均一化され外部接続端子24を加熱する。その結果、外部接続端子24は溶融し、半導体装置10を基板から取り外すことができる。又、半導体装置10を基板に搭載することができる。この際、半導体装置10のみを加熱するため、半導体装置10の周囲に他の部品が搭載されている場合にも、他の部品を一緒に取り外したり損傷したりすることなく、半導体装置10のみを取り外すことができる。
【0042】
又、半導体装置10には熱絶縁層17が設けられているので、発熱体19が発し熱拡散層18が均一化した熱が半導体チップ25側に伝達し難いため、半導体チップ25(電子部品本体)の熱による破壊を防止できる。又、半導体装置10には熱絶縁層17が設けられているので、発熱体19が発し熱拡散層18が均一化した熱を逃がさずに外部接続端子24に効率よく伝えることができる。
【0043】
なお、発熱体19は、図2Aに示すパターンには限定されず、熱拡散層18の表面全体に引き回されていれば、任意のパターンとして構わない。例えば、図2Bに示すような外部接続端子24の周囲を蛇行するパターンや、図2Cに示すような外部接続端子24の周囲の大部分を囲むパターン等である。又、内部電極22A及び22Bは、図2Aに示すように片側に配置してもよいし、図2Bや図2Cに示すように対角に配置してもよいし、その他の任意の位置に配置してもよい。加熱用電極28A及び28Bも、片側に配置してもよいし対角に配置してもよいし、その他の任意の位置に配置してもよい。なお、加熱用電極28A及び28Bを近接して配置することにより、後述のように、1つのノズルで加熱用電極28A及び28Bに異なる電圧を印加できる。
【0044】
[半導体装置の搭載及び取り外し]
次に、第1の実施の形態に係る半導体装置の搭載及び取り外しについて説明する。図3は、半導体装置の搭載及び取り外しに用いる装置の一例を示す模式図である。図3を参照するに、装置100は、ノズル110A及び110Bと、加熱手段120と、吸引手段130と、監視手段140と、制御手段150と、記憶手段160と、操作手段170とを有する。半導体装置10は基板200上に搭載されている。つまり、外部接続端子24が溶融して、半導体装置10の外部電極21と基板200の対応する電極とを電気的に接続している。なお、ノズル110A及び110Bは、本発明に係る当接部の代表的な一例である。又、ノズル110A及び110B(当接部)、加熱手段120、及び吸引手段130は、本発明に係る電子部品組立装置の代表的な一例である。
【0045】
装置100において、ノズル110A及び110Bは一方が正電極、他方が負電極である。ノズル110A及び110Bは、それぞれ半導体装置10の加熱用電極28A及び28Bと当接して電気的に接続されている。なお、加熱用電極28A及び28Bには極性がないため、ノズル110A及び110Bは加熱用電極28A及び28Bの何れに当接してもよい。
【0046】
図4は、ノズルの一例を示す斜視図である。図4に示すように、ノズル110A及び110Bは、例えば、中央部に頂面から底面まで貫通する平面視円形の貫通孔110Ax及び110Bxが形成された略円柱状の部材であり、銅(Cu)やアルミニウム(Al)等の導電性材料から形成されている。但し、ノズル110A及び110Bは、中央部に貫通孔が形成された円柱状の部材には限定されず、例えば、中央部に貫通孔が形成された楕円柱状の部材や四角柱状の部材、多角形状の部材等であっても構わない。
【0047】
貫通孔110Ax及び110Bxは、空気等(例えば、空気に静電気除去や洗浄効果のある所定のイオンを含有してもよい)を通過させるために設けられており、それぞれの一端は吸引手段130と接続されている。外部接続端子24を加熱して溶融させた後、貫通孔110Ax及び110Bxを介して半導体装置10を空気等で吸引することにより、半導体装置10を基板200から取り外すことができる。又、貫通孔110Ax及び110Bxを介して半導体装置10を空気等で吸引して基板200上に配置し、外部接続端子24を加熱して溶融させた後、空気等の吸引を停止することにより、半導体装置10を基板200に搭載することができる。なお、ノズル110A及び110Bと半導体装置10とを離隔し易くするために、空気等の吸引を停止後、空気等を半導体装置10側に噴射してもよい。
【0048】
図3に戻り、加熱手段120は、ノズル110Aとノズル110Bとの間に電位差を生じさせることにより(加熱用電極28A及び28B間に電圧を印加することにより)、発熱体19に電流を供給して熱を発生させる機能を有する。加熱手段120は、例えば、出力電圧を可変できる直流電源である。
【0049】
吸引手段130は、ノズル110A及び110Bに設けられた貫通孔110Ax及び110Bxを介して半導体装置10の加熱用電極28A及び28Bを吸引したり吸引を停止したり、空気等を加熱用電極28A及び28B側に噴射したりする機能を有する。吸引手段130は、例えば、吸引時に負圧を供給する吸引ポンプや吸引ポンプとノズル110A及び110Bを連結する吸引チューブ等を備えている。
【0050】
監視手段140は、半導体装置10と基板200の所定部分の温度やはんだ形状等、或いは半導体装置10と基板200の全体の状況等を監視する機能を有する。監視手段140の監視結果は、制御手段150に伝達される。監視手段140は、例えば、カメラやサーモグラフィ等を含む画像認識装置である。
【0051】
制御手段150は、加熱手段120に指令を出し、ノズル110Aとノズル110Bとの間の電位差を制御する機能を有する。又、制御手段150は、ノズル110Aとノズル110Bとの間に流れる電流(発熱体19に流れる電流)を検出し、電流が一定値になるようにフィードバック制御する機能を有する。又、制御手段150は、吸引手段130にノズル110A及び110Bによる吸引、吸引停止、又は噴射の何れかを指示する機能を有する。又、制御手段150は、監視部140から伝達された情報に基づいて、外部接続端子24の温度が融点に到達したか否かや、外部接続端子24の形状が適切か否か等を判断する機能を有する。
【0052】
制御手段150は、例えばCPU、ROM、メインメモリ等を含み、制御手段150の各種機能は、ROM等に記録されたプログラムがメインメモリに読み出されてCPUにより実行されることによって実現される。但し、制御手段150の一部又は全部は、ハードウェアのみにより実現されてもよい。又、制御手段150は、物理的に複数の装置を含むものであってもよい。
【0053】
記憶手段160は、搭載及び取り外しの対象となる電子部品(この場合は、半導体装置10)の情報(例えば、発熱体19の抵抗値等)を記憶する機能を有する。又、記憶手段160は、搭載及び取り外しの対象となる電子部品の熱容量のばらつきや、熱容量のばらつきに対応する最適な印加電圧や印加電流等をデータベース化して記憶する機能を有する。制御手段150は、記憶手段160のデータベース化された情報に基づいて、電子部品の熱容量等のばらつきに応じた最適な印加電流を設定することができる。例えば、制御手段150は、電子部品の熱容量が大きければ、最初から印加電流を多くし、電子部品の熱容量が小さければ印加電流を少なくすることができる。これにより、熱容量が大きな場合に加熱時間が長くなることを防止し、熱容量が小さい場合は温度が上昇し過ぎることを防止できる。記憶手段160は、半導体メモリでもよいし、光ディスクや磁気ディスク等でもよい。操作手段170は、電子部品搭載開始の指示の入力等を行う機能を有する。
【0054】
次に、装置100を用いて半導体装置10を取り外す手順について説明する。ここでは、図3に示すように、半導体装置10が基板200上に搭載されている場合を考える。図5Aは、半導体装置の取り外しの手順の一例を示すフローチャートである。
【0055】
図5Aを参照するに、ステップS10では、図3及び図4に示すように、一方が正電極、他方が負電極であるノズル110A及び110Bを、それぞれ半導体装置10の加熱用電極28A及び28Bに当接する。これにより、ノズル110A及び110Bは、それぞれ半導体装置10の加熱用電極28A及び28Bと電気的に接続される。なお、この段階では、吸引手段130は吸引を停止している。次に、制御手段150は、加熱手段120に指令を出し、ノズル110Aとノズル110Bとの間の電位差を所定値に設定し、ノズル110Aとノズル110Bとの間に電圧印加を開始する。これにより、発熱体19に電流が流れて発熱する。そして、発熱体19が発した熱は熱拡散層18で均一化されて外部接続端子24に伝達され、外部接続端子24は加熱される。なお、発熱体19の抵抗値は予めわかっており、発熱体19の抵抗値と発熱体19に最初に印加すべき電圧(ノズル110Aとノズル110Bとの間に設定すべき電位差)及びこの際に流れる電流は、記憶手段160に記憶されている。
【0056】
次に、ステップS11では、監視手段140は、外部接続端子24の温度を監視し、監視結果を制御手段150に伝達する。温度は、例えば、サーモグラフィにより監視できる。
【0057】
次に、ステップS12では、制御手段150は、ステップS11で監視手段140から伝達された情報に基づいて、外部接続端子24の温度が外部接続端子24の材料であるはんだの融点を超えたか否かを判定する。なお、外部接続端子24の材料は予めわかっており、はんだの融点に関する情報は記憶手段160に記憶されている。
【0058】
ステップS12で外部接続端子24の温度が融点を超えたと判定した場合(Yesの場合)には、ステップS13に移行する。ステップS13では、制御手段150は、ノズル110Aとノズル110Bとの間に流れる電流(発熱体19に流れる電流)を検出し、加熱手段120に指令を出して、電流が一定値になるようにノズル110Aとノズル110Bとの間の電位差を制御する。これにより、外部接続端子24は略一定温度となる。
【0059】
ステップS12で外部接続端子24の温度が融点を超えていないと判定した場合(Noの場合)には、ステップS14に移行する。ステップS14では、制御手段150は、ノズル110Aとノズル110Bとの間に流れる電流(発熱体19に流れる電流)を検出する。そして、制御手段150は、加熱手段120に指令を出して、電流が現在よりも大きな所定値となるようにノズル110Aとノズル110Bとの間の電位差を制御する。これにより、ノズル110Aとノズル110Bとの間に流れる電流(発熱体19に流れる電流)は増加し、外部接続端子24の温度は上昇する。
【0060】
次に、ステップS15では、監視手段140は、外部接続端子24の温度及びはんだ形状を監視し、監視結果の画像情報を制御手段150に伝達する。温度及びはんだ形状に関する画像情報は、例えば、カメラやサーモグラフィ等により取得できる。
【0061】
次に、ステップS16では、制御手段150は、ステップS15で監視手段140から伝達された画像情報に基づいて、外部接続端子24のはんだが溶融したか否かを判定する。判定は、例えば、監視手段140から伝達された画像情報と、予め記憶手段160に記憶されている画像情報とを比較することにより行うことができる。
【0062】
ステップS16で外部接続端子24のはんだが溶融したと判定した場合(Yesの場合)には、ステップS17に移行し、制御手段150は、加熱手段120に指令を出して、ノズル110Aとノズル110Bとの間の電位差をゼロにする。これにより、ノズル110Aとノズル110Bとの間に(発熱体19に)電流が流れなくなる。ステップS16で外部接続端子24のはんだが溶融していないと判定した場合(Noの場合)には、ステップS11に移行し、前述の処理を繰り返す。
【0063】
次に、ステップS18では、制御手段150は、吸引手段130に指令を出し、ノズル110A及び110Bのそれぞれの貫通孔110Ax及び110Bxを介して半導体装置10の加熱用電極28A及び28Bを空気等で吸引する。そして、半導体装置10を基板200上から移動させて吸引を停止することにより、半導体装置10は基板200から取り外される。なお、ノズル110A及び110Bと半導体装置10とを離隔し易くするために、空気等の吸引を停止後、更に空気等を噴射してもよい。
【0064】
次に、ステップS19では、監視手段140は、外部接続端子24のはんだ形状を監視し、監視結果の画像情報を制御手段150に伝達する。はんだ形状に関する画像情報は、例えば、カメラにより取得できる。
【0065】
次に、ステップS20では、制御手段150は、ステップS19で監視手段140から伝達された画像情報に基づいて、半導体装置10の除去が完了したか否かを判定する。判定は、例えば、監視手段140から伝達された画像情報と、予め記憶手段160に記憶されている画像情報とを比較することにより行うことができる。
【0066】
ステップS20で半導体装置10の除去が完了したと判定した場合(Yesの場合)には、半導体装置10の取り外しは終了する。ステップS20で半導体装置10の除去が完了していないと判定した場合(Noの場合)には、ステップS16に移行し、前述の処理を繰り返す。このようにして、半導体装置10を基板200から取り外すことができる。
【0067】
次に、装置100を用いて半導体装置10を搭載する手順について説明する。ここでは、図3に示すように、半導体装置10を基板200上に搭載する場合を考える。図5Bは、半導体装置の搭載の手順の一例を示すフローチャートである。
【0068】
図5Bを参照するに、ステップS30では、一方が正電極、他方が負電極であるノズル110A及び110Bを、それぞれ半導体装置10の加熱用電極28A及び28Bに当接する。これにより、ノズル110A及び110Bは、それぞれ半導体装置10の加熱用電極28A及び28Bと電気的に接続される。そして、制御手段150は、吸引手段130に指令を出し、ノズル110A及び110Bのそれぞれの貫通孔110Ax及び110Bxを介して半導体装置10の加熱用電極28A及び28Bを空気等で吸引し、半導体装置10を基板200の所定位置に配置する。その後、吸引を停止する。
【0069】
次に、図5AのステップS10〜S17及びS19と同様の処理を行う。次に、ステップS31では、制御手段150は、ステップS19で監視手段140から伝達された画像情報に基づいて、半導体装置10の搭載が完了したか否かを判定する。判定は、例えば、監視手段140から伝達された画像情報と、予め記憶手段160に記憶されている画像情報とを比較することにより行うことができる。
【0070】
ステップS31で半導体装置10の搭載が完了したと判定した場合(Yesの場合)には、ノズル110A及び110Bと半導体装置10の加熱用電極28A及び28Bとの当接を解除することにより半導体装置10の搭載は終了する。ステップS31で半導体装置10の搭載が完了していないと判定した場合(Noの場合)には、ステップS16に移行し、前述の処理を繰り返す。このようにして、半導体装置10を基板200に搭載することができる。
【0071】
このように、第1の実施の形態では、半導体装置10を基板に搭載したり、基板から取り外したりする際に、半導体装置10のみを加熱する。そのため、半導体装置10の周囲に他の部品が搭載されている場合にも、他の部品を取り外したり損傷したりすることなく、半導体装置10のみを搭載又は取り外しすることができる。
【0072】
又、半導体装置10には熱絶縁層17が設けられているので、発熱体19が発し熱拡散層18が均一化した熱が半導体チップ25側に伝達し難いため、半導体チップ25(電子部品本体)の熱による破壊を防止できる。その結果、取り外した半導体装置10の故障解析を行うことができる。
【0073】
又、半導体装置10には熱絶縁層17が設けられているので、発熱体19が発し熱拡散層18が均一化した熱を逃がさずに外部接続端子24に効率よく伝えることができる。
【0074】
〈第1の実施の形態の変形例1〉
第1の実施の形態の変形例1では、第1の実施の形態とは異なる構造の半導体装置に本発明を適用する例を示す。なお、第1の実施の形態の変形例1において、既に説明した実施の形態と同一構成部分についての説明は省略する。
【0075】
図6は、第1の実施の形態の変形例1に係る半導体装置の一例を示す断面図である。図6を参照するに、半導体装置30は、加熱用電極28A及び28Bが加熱用電極38A及び38Bに置換され、貫通配線29A及び29Bが貫通配線39A及び39Bに置換されている点が半導体装置10(図1参照)とは異なる。
【0076】
半導体装置30において、加熱用電極38A及び38Bの一部は配線基板11の第1主面に形成され、第1主面から封止部27の側面及び上面に延在している。加熱用電極38A及び38Bは、第1絶縁層13、第2絶縁層15、熱絶縁層17、及び熱拡散層18を貫通する貫通孔内に設けられた貫通配線39A及び39B並びに内部電極22A及び22Bを介して、発熱体19の両端部と電気的に接続されている。加熱用電極38A及び38Bは、例えば、無電解めっき法等により形成することができる。加熱用電極38A及び38Bは、加熱用電極28A及び28Bと同様に、半導体装置30の搭載及び取り外し時にノズルが当接する部分である。
【0077】
加熱用電極38A及び38B並びに貫通配線39A及び39Bの材料としては、加熱用電極28A及び28B並びに貫通配線29A及び29Bと同様の材料を用いることができる。加熱用電極38A及び38B並びに貫通配線39A及び39Bの表面に、加熱用電極28A及び28B並びに貫通配線29A及び29Bと同様のめっき膜を形成しても構わない。
【0078】
半導体装置30には、半導体装置10と同様に熱絶縁層17、熱拡散層18、及び発熱体19が設けられ、更に、加熱用電極28A及び28Bに代えて加熱用電極38A及び38Bが設けられている。そのため、半導体装置30が基板200(図3参照)に搭載されている場合には、図3に示す装置100を用い図5Aに示すフローチャートに従って、半導体装置30を基板200から取り外すことができる。又、半導体装置30を基板200(図3参照)に搭載する場合には、図3に示す装置100を用い図5Bに示すフローチャートに従って、半導体装置30を基板200に搭載することができる。その結果、第1の実施の形態と同様の効果を奏する。
【0079】
なお、図6に示す半導体装置30のように加熱用電極38A及び38Bと貫通配線39A及び39Bの一端とを直接接続せずに、図7に示す半導体装置30Aのようにボンディングワイヤ36を介して電気的に接続しても構わない。ボンディングワイヤ36としては、例えば、金(Au)や銅(Cu)等の導電線を用いることができる。
【0080】
〈第1の実施の形態の変形例2〉
第1の実施の形態の変形例2では、第1の実施の形態及びその変形例1とは異なる構造の半導体装置に本発明を適用する例を示す。なお、第1の実施の形態の変形例2において、既に説明した実施の形態及びその変形例と同一構成部分についての説明は省略する。
【0081】
図8は、第1の実施の形態の変形例2に係る半導体装置の一例を示す断面図である。図8を参照するに、半導体装置40は、半導体チップ25がバンプ26を介して配線基板11にフリップチップ接続されていた半導体装置10(図1参照)等とは異なり、半導体チップ25が配線基板11にワイヤボンディングされている。
【0082】
より詳しくは、半導体チップ25は、接着層(図示せず)を介して配線基板11の第1主面に設けられている。半導体チップ25の電極(図示せず)は、ボンディングワイヤ46を介して配線基板11の第1配線層12と電気的に接続されている。ボンディングワイヤ46は、半導体チップ25の電極(図示せず)と配線基板11の電極(第1配線層12)とを接続する導電線である。ボンディングワイヤ46の材料としては、例えば、金(Au)や銅(Cu)等を用いることができる。
【0083】
半導体装置40には、半導体装置10と同様に熱絶縁層17、熱拡散層18、発熱体19、及び加熱用電極28A及び28Bが設けられている。そのため、半導体装置40が基板200(図3参照)に搭載されている場合には、図3に示す装置100を用い図5Aに示すフローチャートに従って、半導体装置40を基板200から取り外すことができる。又、半導体装置40を基板200(図3参照)に搭載する場合には、図3に示す装置100を用い図5Bに示すフローチャートに従って、半導体装置40を基板200に搭載することができる。その結果、第1の実施の形態と同様の効果を奏する。
【0084】
〈第1の実施の形態の変形例3〉
第1の実施の形態の変形例3では、第1の実施の形態及びその変形例1、2とは異なる構造の半導体装置に本発明を適用する例を示す。なお、第1の実施の形態の変形例3において、既に説明した実施の形態及びその変形例と同一構成部分についての説明は省略する。
【0085】
図9は、第1の実施の形態の変形例3に係る半導体装置の一例を示す断面図である。図9を参照するに、半導体装置50は、加熱用電極58A及び58Bとして樹脂封止によりパッケージ化された半導体チップ55の2つのリード端子を用いている点が半導体装置10(図1参照)等とは異なる。
【0086】
半導体装置50において、半導体チップ55は樹脂封止によりパッケージ化されており、複数のリード端子のそれぞれの一部分が樹脂封止部から外部に引き出されている。複数のリード端子のうちの2つが加熱用電極58A及び58Bとして用いられており、封止部27の上面に延在している。加熱用電極58A及び58Bは、樹脂封止部内に形成された内部配線(図示せず)により、内部電極56A及び56Bと電気的に接続されている。内部電極56A及び56Bは、それぞれはんだ57を介して、配線基板11の第1配線層12と電気的に接続されている。つまり、加熱用電極58A及び58Bは、発熱体19と電気的に接続されている。
【0087】
加熱用電極58A及び58Bの材料としては、例えば、銅合金や42アロイ等の金属板を用いることができる。金属板の表面に、例えば、金(Au)や錫(Sn)等のめっき膜を形成しても構わない。内部電極56A及び56Bの材料としては、例えば、銅(Cu)やアルミニウム(Al)等の導電性材料を用いることができる。
【0088】
はんだ57としては、例えば、Sn95Pb(融点:略270〜330℃程度)、Sn80Au(融点:略280〜320℃程度)、Sn0.7Cu(融点:略240〜270℃程度)等の、外部接続端子24よりも融点の高いはんだ材料を用いることができる。
【0089】
はんだ57に外部接続端子24よりも融点の高いはんだ材料を用い、半導体装置50を基板から取り外す際に、はんだ57が溶融せずに外部接続端子24が溶融する温度に設定することで、はんだ57に影響を与えずに半導体装置50を取り外すことができる。又、半導体装置50を基板に搭載する際に、はんだ57が溶融せずに外部接続端子24が溶融する温度に設定することで、はんだ57に影響を与えずに半導体装置50を搭載できる。但し、本実施の形態に係る半導体装置50では、熱絶縁層17を設けているため、外部接続端子24からはんだ57へ伝達しようとする熱は熱絶縁層17により遮断されるため、はんだ57の材料を外部接続端子24と同一材料としてもよい。
【0090】
半導体装置50には、半導体装置10と同様に熱絶縁層17、熱拡散層18、及び発熱体19が設けられ、更に、加熱用電極28A及び28Bに代えて加熱用電極58A及び58Bが設けられている。そのため、半導体装置50が基板200(図3参照)に搭載されている場合には、図3に示す装置100を用い図5Aに示すフローチャートに従って、半導体装置50を基板200から取り外すことができる。又、半導体装置50を基板200(図3参照)に搭載する場合には、図3に示す装置100を用い図5Bに示すフローチャートに従って、半導体装置50を基板200に搭載することができる。その結果、第1の実施の形態と同様の効果を奏する。
【0091】
なお、図10に示す半導体装置50Aのように、半導体チップ55のリード端子のうちの2つを封止部27の側面及び上面に延在させて加熱用電極58A及び58Bとしても構わない。
【0092】
〈第2の実施の形態〉
第1の実施の形態及びその変形例では、封止部の表面に加熱用電極を設ける例を示したが、第2の実施の形態では、外部電極側に加熱用電極を設ける例を示す。なお、第2の実施の形態において、既に説明した実施の形態及びその変形例と同一構成部分についての説明は省略する。
【0093】
図11は、第2の実施の形態に係る半導体装置の一例を示す断面図である。図12Aは、第2の実施の形態に係る半導体装置の一例を示す底面図である。なお、図11は、図12AのB−B線に沿う断面を示している。図12Aにおいて、便宜上、第3絶縁層23は省略されている。
【0094】
図11及び図12Aを参照するに、半導体装置60は、加熱用電極28A及び28B並びに貫通配線29A及び29Bが削除され、内部電極22A及び22B上に加熱用電極68A及び68Bが設けられた点が半導体装置10(図1参照)とは異なる。つまり、半導体装置10(図1参照)では、封止部27の表面に加熱用電極28A及び28Bを設けていたが、半導体装置60では、その反対側である内部電極22A及び22B上に加熱用電極68A及び68Bを設けている。加熱用電極68A及び68Bは、例えば、はんだバンプであり、外部接続端子24と同様の材料を用いることができる。
【0095】
図13に示すように、半導体装置60の装置100への接続は、半導体装置60が搭載されている基板200を介して行うことができる。つまり、加熱用電極68A及び68Bと電気的に接続されている基板200側の配線にノズル110A及び110Bを当接させ、基板200側の配線を介して装置100から加熱用電極68A及び68Bに電圧を印加することができる。半導体装置60を基板200に搭載する際も同様にして接続できる。
【0096】
半導体装置60には、半導体装置10と同様に熱絶縁層17、熱拡散層18、及び発熱体19が設けられ、更に、加熱用電極28A及び28Bに代えて加熱用電極68A及び68Bが設けられている。そのため、半導体装置60が基板200(図3参照)に搭載されている場合には、図13に示す装置100を用い図5Aに示すフローチャートに従って、半導体装置60を基板200から取り外すことができる。但し、本実施の形態では、図5AのステップS10では、ノズル110A及び110Bを基板200側の配線に当接させ、電圧印加を開始する。又、ステップS18では、ノズル110A及び110Bを基板200側の配線から半導体装置60の上面に移動させ、ノズル110A及び110Bを半導体装置60の上面に当接させてから半導体装置60の上面を吸引する。そして、半導体装置10を基板200上から移動させて吸引を停止する。
【0097】
又、半導体装置60を基板200(図3参照)に搭載する場合には、図13に示す装置100を用い図5Bに示すフローチャートに従って、半導体装置60を基板200に搭載することができる。但し、本実施の形態では、図5BのステップS30では、ノズル110A及び110Bを半導体装置60の上面に当接させて吸引し、半導体装置60を基板200の所定位置に配置後、吸引を停止する。そして、ステップS10では、ノズル110A及び110Bを半導体装置60の上面から基板200側の配線に移動させ、ノズル110A及び110Bを基板200側の配線に当接させてから電圧印加を開始する。
【0098】
この際、半導体装置60のみを加熱するため、半導体装置60の周囲に他の部品が搭載されている場合にも、他の部品を一緒に取り外したり損傷したりすることなく、半導体装置60のみを搭載又は取り外しすることができる。又、半導体装置60には熱絶縁層17が設けられているので、発熱体19が発した熱が半導体チップ25側に伝達し難いため、半導体チップ25(電子部品本体)の熱による破壊を防止できる。その結果、取り外した半導体装置60の故障解析を行うことができる。又、半導体装置60には熱絶縁層17が設けられているので、発熱体19が発し熱拡散層18が均一化した熱を逃がさずに外部接続端子24に効率よく伝えることができる。
【0099】
このように、第2の実施の形態では、外部電極側(第2主面側)に加熱用電極を設けることにより、第1の実施の形態と同様の効果を奏する。なお、図6、図7、図8、図9、及び図10において、封止部27の表面に加熱用電極28A及び28Bを設けずに、その反対側である内部電極22A及び22B上に加熱用電極68A及び68Bを設けた場合にも同様の効果を奏する。
【0100】
又、発熱体19は、図12Aに示すパターンには限定されず、熱拡散層18の全体に引き回されていれば、任意のパターンとして構わない。例えば、図12Bや図12Cに示すような外部接続端子24の周囲を蛇行するパターン等とすることができる。又、図12Bや図12Cに示すように、加熱用電極68A及び68Bは、エリアアレイ状に設けられた外部接続端子24のうちの一部(信号線等に使用していない部分)を使用しても構わない。これにより、半導体装置60の小型化が図れる。又、図12Cに示すように、加熱用電極68A及び68Bは、エリアアレイ状に設けられた外部接続端子24のうちの一部(信号線等に使用していない部分)を複数個並列接続して使用しても構わない。これにより、半導体装置60と基板200との接続信頼性を向上できる。
【0101】
〈第3の実施の形態〉
既に説明した実施の形態及びその変形例では、熱拡散層の表面に発熱体を設ける例を示したが、第3の実施の形態では、半導体装置に形成した貫通孔内部に熱絶縁層及び発熱体を設ける例を示す。なお、第3の実施の形態において、既に説明した実施の形態及びその変形例と同一構成部分についての説明は省略する。
【0102】
図14は、第3の実施の形態に係る半導体装置の一例を示す断面図である。図14を参照するに、半導体装置70は、熱拡散層18の表面に発熱体19が設けられていた半導体装置10(図1参照)等とは異なり、半導体装置70の一部を貫通する貫通孔内部に熱絶縁層77及び発熱体78を含む貫通配線79が設けられている。
【0103】
より詳しくは、半導体装置70には、封止部27と、配線基板11の熱絶縁層17よりも第1主面側の層である第1絶縁層13及び第2絶縁層15とを貫通する第1の貫通孔が設けられている。又、配線基板11には、第1の貫通孔よりも小径であり、かつ、第1の貫通孔と連通し熱絶縁層17及び熱拡散層18を貫通する第2の貫通孔が設けられている。そして、第1の貫通孔内には、第1の貫通孔の内壁と接しないように発熱体78が設けられ、更に、発熱体78の周囲を覆うように熱絶縁層77が設けられている。又、第2の貫通孔内には、発熱体78が充填されている。
【0104】
加熱用電極28Bは発熱体78の一端と電気的に接続され、内部電極22Bは発熱体78の他端と電気的に接続されている。なお、内部電極22Aと内部電極22Bは、配線基板11内の配線(図示せず)によって電気的に接続されている。
【0105】
熱絶縁層77の材料としては、例えば、ポリイミド樹脂等を用いることができる。発熱体78としては、例えば、ポリピロール等を用いることができる。貫通配線79を形成するには、例えば、封止部27、第1絶縁層13、及び第2絶縁層15を貫通し熱絶縁層17の表面を露出する第1の貫通孔を形成する。そして、第1の貫通孔内にポリイミド樹脂を充填する。更に、第1の貫通孔内に充填されたポリイミド樹脂、熱絶縁層17、及び熱拡散層18を貫通し内部電極22Bの表面を露出する貫通孔を、第1の貫通孔の内壁面を露出させないように形成する。この際、熱絶縁層17及び熱拡散層18に形成される貫通孔が第2の貫通孔である。次に、内壁面がポリイミド樹脂で被覆された第1の貫通孔内と、それに連通する第2の貫通孔内にポリピロールを充填させる。これにより、第1の貫通孔内では周囲をポリイミド樹脂に囲まれ、第2の貫通孔内に充填された発熱体78が形成される。
【0106】
なお、熱絶縁層77の材料としては、カーボンナノチューブを用いてもよい。カーボンナノチューブは、予め前述の第1の貫通孔及び第2の貫通孔を形成後、平面視で第1の貫通孔内の第2の貫通孔より外側の部分に、長手方向が熱拡散層18等と略垂直になる方向に、平面視円環状に挿入することができる。カーボンナノチューブは長手方向の熱抵抗は小さいが短手方向の熱抵抗は大きいため、カーボンナノチューブを長手方向が熱拡散層18等と略垂直になる方向に形成することにより、発熱体78の発する熱が周囲に伝わることを防止できる。発熱体78としては、例えばポリピロール等を用いることができ、カーボンナノチューブが形成する円環内及び第2の貫通孔内に充填することができる。
【0107】
半導体装置70には、熱絶縁層17及び77、熱拡散層18、発熱体78、及び加熱用電極28A及び28Bが設けられている。そのため、半導体装置70が基板200(図3参照)に搭載されている場合には、図3に示す装置100を用い図5Aに示すフローチャートに従って、半導体装置70を基板200から取り外すことができる。つまり、半導体装置70において、発熱体78に電流を流すことにより発した熱は、発熱体78に接する熱拡散層18に伝わり、熱拡散層18で均一化され外部接続端子24を加熱する。その結果、外部接続端子24は溶融し、半導体装置70を基板から取り外すことができる。又、半導体装置70を基板200(図3参照)に搭載する場合には、図3に示す装置100を用い図5Bに示すフローチャートに従って、半導体装置70を基板200に搭載することができる。
【0108】
この際、半導体装置70のみを加熱するため、半導体装置70の周囲に他の部品が搭載されている場合にも、他の部品を一緒に取り外したり損傷したりすることなく、半導体装置70のみを搭載又は取り外しすることができる。又、半導体装置70には熱絶縁層17及び77が設けられているので、発熱体78が発した熱が半導体チップ25側に伝達し難いため、半導体チップ25(電子部品本体)の熱による破壊を防止できる。その結果、取り外した半導体装置70の故障解析を行うことができる。又、半導体装置70には熱絶縁層17及び77が設けられているので、発熱体78が発した熱を逃がさずに外部接続端子24に効率よく伝えることができる。
【0109】
このように、第3の実施の形態では、半導体装置に形成した貫通孔内部に発熱体を設けることにより、第1の実施の形態と同様の効果を奏する。なお、図6、図7、図9、及び図10において、熱拡散層18の表面に発熱体19を設けずに、貫通配線39A及び39B内部に熱絶縁層77及び発熱体78を設けた場合にも同様の効果を奏する。又、図8において、熱拡散層18の表面に発熱体19を設けずに、貫通配線29A及び29B内部に熱絶縁層77及び発熱体78を設けた場合にも同様の効果を奏する。
【0110】
〈第4の実施の形態〉
既に説明した実施の形態及びその変形例では、発熱体に電流を流すことで熱を発生させる例を示したが、第4の実施の形態では、半導体装置の外部から加熱用電極を介して熱を供給し、供給された熱を発熱体が保持する例を示す。なお、第4の実施の形態において、既に説明した実施の形態及びその変形例と同一構成部分についての説明は省略する。
【0111】
図15は、第4の実施の形態に係る半導体装置の一例を示す断面図である。図15を参照するに、半導体装置80は、熱絶縁層17が配線基板11の第1主面側の最外層(半導体チップ25に最も近い側の層)に設けられた点、及び封止部27が封止部87に置換された点が半導体装置10(図1参照)とは異なる。
【0112】
封止部87は、半導体チップ25を封止するように配線基板11の第1主面(熱絶縁層17の表面)の一部に設けられている。封止部87の材料としては、封止部27と同様に、例えば、エポキシ系樹脂を主成分とする絶縁性樹脂を用いることができる。熱絶縁層17の一部は封止部87から露出しており、封止部87から露出する熱絶縁層17上には2つの加熱用電極28A及び28Bが設けられている。
【0113】
加熱用電極28A及び28Bは、熱絶縁層17、第1絶縁層13、第2絶縁層15、及び熱拡散層18を貫通する貫通配線29A及び29B、並びに内部電極22A及び22Bを介して発熱体19と熱的に接続されている。なお、熱的に接続されているとは、熱伝導率の高い材料で接続されていることを意味する。熱伝導率の高い材料として導電性材料を選択した結果、熱的に接続されると同時に電気的に接続されても構わない。
【0114】
なお、封止部27(図1等参照)と同様に、封止部87を配線基板11の第1主面(熱絶縁層17の表面)の全部を覆うように形成し、加熱用電極28A及び28Bを封止部87上に設けてもよい。但し、この構造の場合には、半導体装置80の外部から加熱用電極28A及び28Bを介して供給される熱が封止部87にも伝わるため、封止部87として耐熱性に優れた樹脂材料を選定する必要がある。言い換えれば、このような制限がない点で、図15に示す構造の方が優れている。
【0115】
基板200に搭載された半導体装置80を取り外す場合には、加熱用電極28A及び28Bに、図16に示す装置100Aのノズル110C及び110Dがそれぞれ当接される。ノズル110C及び110Dは、例えば、ノズル110A及び110Bと同様に、中央部に頂面から底面まで貫通する平面視円形の貫通孔が形成された略円柱状の部材とすることができる。但し、ノズル110C及び110Dは、ノズル110A及び110Bとは異なり、発熱手段115A及び115Bを内蔵している。発熱手段115A及び115Bとしては、例えば、ニクロム(Ni−Cr)線やタングステン(W)線等を用いることができる。なお、ノズル110C及び110Dは、本発明に係る当接部の代表的な一例である。又、ノズル110C及び110D(当接部)、加熱手段120、及び吸引手段130は、本発明に係る電子部品組立装置の代表的な一例である。
【0116】
制御手段150は、発熱手段115A及び115Bに電流を供給してノズル110C及び110Dを発熱させる。そして、ノズル110C及び110Dの発した熱を加熱用電極28A及び28Bを介して発熱体19に供給し、発熱体19を発熱させる。発熱体19の熱は熱拡散層18により均一化され、熱拡散層18は略一定温度となり、他の実施の形態及びその変形例と同様に、複数の外部接続端子24に効率よく伝えられ、複数の外部接続端子24が溶融する。基板200に半導体装置80を搭載する場合も同様である。
【0117】
つまり、本実施の形態では、図5A及び図5BのステップS10では、制御手段150は、ノズル110C及び110Dに内蔵された発熱手段115A及び115Bに電流を流して加熱する(発熱体19には電流を流さない)。つまり、制御手段150が、加熱手段120に指令を出し、ノズル110Cとノズル110Dとの間の電位差を所定値に設定する動作は行わない。又、本実施の形態では、図5A及び図5BのステップS13、S14、及びS17では、発熱体19に流れる電流ではなく、ノズル110C及び110Dに内蔵された発熱手段115A及び115Bに流れる電流を制御する。
【0118】
なお、本実施の形態では、ノズル110C及び110Dを介して発熱体19に電流を流さないため、ノズル110C及び110D間に電位差を発生させる必要はない。そこで、ノズル110C及び110Dは、十分な熱が供給可能であれば何れか一方のみを用いても構わない。又、十分な熱が供給可能でない場合には、更にノズルの数を増やすことも可能である。又、ノズル110C及び110Dの材料として導電性の材料を用いる必要はなく、例えば、セラミック等を用いることできる。
【0119】
このように、第4の実施の形態では、他の実施の形態及びその変形例とは異なり、発熱体19に電流を流して発熱させるのではなく、発熱体19に外部から熱を供給することにより発熱させる。このような方法でも、第1の実施の形態と同様の効果を奏する。
【0120】
なお、熱絶縁層17を配線基板11の第1主面側の最外層(半導体チップ25に最も近い側の層)に設けることにより、加熱用電極28A及び28Bから供給する熱が半導体チップ25(電子部品本体)に伝わることを防止できる。
【0121】
〈第5の実施の形態〉
既に説明した実施の形態及びその変形例では、半導体装置に熱絶縁層、熱拡散層、発熱体、及び加熱用電極を設ける例を示した。第5の実施の形態では、半導体装置以外の電子部品の一例として、セラミックコンデンサに熱絶縁層、熱拡散層、発熱体、及び加熱用電極を設ける例を示す。
【0122】
図17は、第5の実施の形態に係る電子部品の一例を示す斜視図である。図18は、第5の実施の形態に係る電子部品の一例を示す断面図である。本実施の形態では、電子部品90をセラミックコンデンサとして以下の説明を行うが、電子部品は抵抗やインダクタ等の種々の電子部品であってもよい。
【0123】
図17及び図18を参照するに、電子部品90は、電子部品本体91と、外部電極92A及び92Bと、加熱用電極93A及び93Bと、熱絶縁層97と、熱拡散層98と、発熱体99とを有するセラミックコンデンサである。電子部品本体91は、誘電体(図示せず)や内部電極(図示せず)を有する。
【0124】
電子部品本体91の両端部には外部電極92A及び92Bが形成されている。外部電極92A及び92Bは、電子部品90の通常動作時(コンデンサとして機能する時)に使用する電極である。外部電極92A及び92Bは、電子部品本体91と電気的に接続され、かつ、外部接続端子(後述の、はんだ301)と電気的に接続可能な電極である。
【0125】
外部電極92A及び92Bの一部の領域には、熱絶縁層97、熱拡散層98、及び発熱体99がこの順番で積層されている。熱絶縁層97は、更に、電子部品本体91上面の両端部に外部電極92A及び92Bと略垂直方向に延在している。熱絶縁層97、熱拡散層98、及び発熱体99は、熱絶縁層17、熱拡散層18、及び発熱体19と同様の機能を有する。熱絶縁層97、熱拡散層98、及び発熱体99の材料は、熱絶縁層17、熱拡散層18、及び発熱体19の材料と同様とすることができる。
【0126】
加熱用電極93A及び93Bは、外部電極92A及び92Bと略垂直方向に延在している熱絶縁層97上に形成されている。又、加熱用電極93A及び93Bは、熱拡散層98及び発熱体99の一部と接している。加熱用電極93A及び93Bは、電子部品90の搭載時又は取り外し時に使用する電極である。外部電極92A及び92B並びに加熱用電極93A及び93Bの材料は、それぞれ外部電極21並びに加熱用電極28A及び28Bの材料と同様とすることができる。
【0127】
図19は、第5の実施の形態に係る電子部品の電流について説明するための図である。図19において、電子部品90は、外部接続端子であるはんだ301を介して基板300のパッド302上に搭載されている。はんだ301は、外部電極92A及び92Bの熱絶縁層97等から露出する部分、及び発熱体99の一部と、基板300のパッド302とを電気的に接続している。つまり、発熱体99の一部も外部電極として機能する。
【0128】
電子部品90の通常動作時には、電流は矢印Aのように外部電極92A、電子部品本体91、及び外部電極92Bに流れる。これにより、電子部品90はコンデンサとして機能する。一方、基板300に搭載された電子部品90を取り外す場合には、加熱用電極93A及び93Bに、図3に示す装置100のノズル110A及び110Bがそれぞれ当接される。そして、電流は矢印Bのように加熱用電極93A及び93Bから各発熱体99を通って配線基板300に流れる。この際、配線基板300のパッド302の電位が、ノズル110A及び110Bの電位よりも低くなるように、配線基板300の配線設計をしておく必要がある。
【0129】
これにより、発熱体99に電流が流れて発熱し、発した熱は熱拡散層98で均一化され、外部接続端子であるはんだ301を加熱して溶融させる。その結果、電子部品90を基板300から取り外すことができる。この際、電子部品90のみを加熱するため、電子部品90の周囲に他の部品が搭載されている場合にも、他の部品を一緒に取り外したり損傷したりすることなく、電子部品90のみを取り外すことができる。
【0130】
又、電子部品90の両端部の各熱拡散層98の電子部品本体91側には、それぞれ熱絶縁層97が設けられている。そのため、発熱体99が発し熱拡散層98が均一化した熱が電子部品本体91に伝達し難いため、熱による電子部品本体91の破壊を防止できる。その結果、取り外した電子部品90の故障解析を行うことができる。
【0131】
又、電子部品90には熱絶縁層97が設けられているので、発熱体99が発し熱拡散層98が均一化した熱を逃がさずにはんだ301に効率よく伝えることができる。なお、電子部品90の搭載も同様な方法により行うことができる。
【0132】
〈ノズルのバリエーション〉
上記各実施の形態及びその変形例では、主に図4に示すノズル110A及び110Bを用いる例を示した。ここでは、ノズルの他の例を示す。
【0133】
図20A〜図20Dは、ノズルの他の例を示す斜視図である。上記各実施の形態及びその変形例(第4の実施の形態を除く)において、図4に示すノズル110A及び110Bに代えて、図20Aに示すノズル111を用いてもよい。
【0134】
図20Aに示すノズル111は、中央部に頂面から底面まで貫通する平面視円形の貫通孔111xが形成された略円柱状の部材である。貫通孔111xは、貫通孔110Ax及び110Bxと同様の機能を有するため、その説明は省略する。ノズル111は、正電極111A及び負電極111Bを有し、正電極111Aと負電極111Bとは絶縁部111Cにより互いに絶縁されている。正電極111A及び負電極111Bは、隣接して配置されている加熱用電極28A及び28Bにそれぞれ当接可能である。なお、加熱用電極28A及び28Bは、本発明に係る第1電極及び第2電極の代表的な一例である。但し、加熱用電極28A及び28Bの何れが第1電極であってもよい。
【0135】
正電極111A及び負電極111Bは、例えば、銅(Cu)やアルミニウム(Al)等の導電性材料から形成することができる。絶縁部111Cは、例えば、エポキシ系樹脂を主成分とする熱硬化性樹脂から形成することができる。ノズル111は、例えば、正電極111Aと負電極111Bとを別々に作製し、作製した正電極111Aと負電極111Bとで絶縁部111Cを挟持し、絶縁部111Cを加熱しながら両側から押圧することにより作製できる。
【0136】
なお、ノズル111は、本発明に係る当接部の代表的な一例である。又、正電極111A及び負電極111Bは、本発明に係る第1導電部及び第2導電部の代表的な一例である。但し、正電極111A及び負電極111Bの何れが第1導電部であってもよい。なお、加熱手段120は、正電極111Aと負電極111Bとの間に電位差を生じさせることができる。
【0137】
このように、正電極111Aと負電極111Bとが絶縁部111Cにより互いに絶縁されている構造とすることで、ノズル110A及び110Bの機能を1つのノズル111で実現することができる。
【0138】
なお、図20Aにおいて加熱用電極28A及び28Bの平面形状は矩形状であるが、例えば、図20Bに示すように、円の中心側が互いに対向するように配置された平面形状が略半円環状の加熱用電極28C及び28Dを用いてもよい。又、加熱用電極は、平面形状が矩形状や半円環状以外の任意の形状であってもよい。なお、加熱用電極28C及び28Dは、本発明に係る第1電極及び第2電極の代表的な一例である。但し、加熱用電極28C及び28Dの何れが第1電極であってもよい。
【0139】
図20Cに示すノズル112は、中央部に頂面から底面まで貫通する平面視矩形状の貫通孔112xが形成された略四角柱状の部材である。貫通孔112xは、貫通孔110Ax及び110Bxと同様の機能を有するため、その説明は省略する。ノズル112は、正電極112A及び負電極112Bを有し、正電極112Aと負電極112Bとは絶縁部112Cにより互いに絶縁されている。正電極112A及び負電極112Bは、隣接して配置されている加熱用電極28A及び28Bにそれぞれ当接可能である。
【0140】
正電極112A、負電極112B、及び絶縁部112Cの材料は、それぞれ正電極111A、負電極111B、及び絶縁部111Cの材料と同様とすることができる。ノズル112は、ノズル111と同様な方法で作製できる。
【0141】
なお、ノズル112は、本発明に係る当接部の代表的な一例である。又、正電極112A及び負電極112Bは、本発明に係る第1導電部及び第2導電部の代表的な一例である。但し、正電極112A及び負電極112Bの何れが第1導電部であってもよい。なお、加熱手段120は、正電極112Aと負電極112Bとの間に電位差を生じさせることができる。
【0142】
このように、ノズルの形状は、必ずしも略円柱状の部材には限定されず、略四角柱状の部材であってもよい。又、ノズルは、略円柱状や略四角柱状以外の任意の形状であってもよい。
【0143】
図20Dに示すノズル113は、中央部に配置された略円柱状の正電極113Aと、正電極113Aの周囲に環状に配置された貫通孔113xを介して正電極113Aと同心的に配置された略円環柱状の負電極113Bを有する。又、ノズル113は、正電極113Aと負電極113Bとを連結するように貫通孔113x内に部分的に設けられた絶縁部113Cを有する。貫通孔113xは、貫通孔110Ax及び110Bxと同様の機能を有するため、その説明は省略する。正電極113A及び負電極113Bは、同心的に配置されている加熱用電極28E及び28Fにそれぞれ当接可能である。
【0144】
加熱用電極28Eの平面形状は略矩形状であり、加熱用電極28Fの平面形状は額縁状である。加熱用電極28Eと加熱用電極28Fとの間には間隙が設けられ、両者は互いに絶縁されている。なお、加熱用電極28E及び28Fは、本発明に係る第1電極及び第2電極の代表的な一例である。但し、加熱用電極28E及び28Fの何れが第1電極であってもよい。
【0145】
正電極113A、負電極113B、及び絶縁部113Cの材料は、それぞれ正電極111A、負電極111B、及び絶縁部111Cの材料と同様とすることができる。ノズル113は、例えば、正電極113Aと負電極113Bとを別々に作製し、絶縁部113Cで接着することにより作製できる。
【0146】
なお、ノズル113は、本発明に係る当接部の代表的な一例である。又、正電極113A及び負電極113Bは、本発明に係る第1導電部及び第2導電部の代表的な一例である。但し、正電極113A及び負電極113Bの何れが第1導電部であってもよい。なお、加熱手段120は、正電極113Aと負電極113Bとの間に電位差を生じさせることができる。
【0147】
このように、正電極113Aと負電極113Bとが貫通孔113xにより分離されて互いに絶縁されている構造とすることで、ノズル110A及び110Bの機能を1つのノズル113で実現することができる。なお、加熱用電極28Eの平面形状を略円形状としてもよく、加熱用電極28Fの平面形状を略円環状としてもよい。又、ノズル113は、内側が正電極で外側が負電極である配置には限定されず、内側が負電極で外側が正電極である配置としてもよい。又、正電極113Aは円柱状でなくてよく、負電極113Bは円環柱状でなくてもよい。
【0148】
以上のように、ノズルは種々の形状とすることができ、加熱用電極の配置に合わせて、正電極と負電極とを別々のノズルとしてもよいし、正電極と負電極とを備えた1つのノズルを用いてもよい。
【0149】
以上、好ましい実施の形態及びその変形例について詳説したが、上述した実施の形態及びその変形例に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態及びその変形例に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0150】
例えば、図1に示す半導体装置10において、加熱用電極28Aや28Bを封止部27上に設けているが、配線基板11の第1主面の一部を封止部27から露出させ、封止部27から露出した配線基板11の第1主面に加熱用電極28Aや28Bを設けても構わない。図8や図14等についても同様である。
【0151】
又、各実施の形態及びその変形例では、外部接続端子としてはんだを例にして説明を行った。しかしながら、外部接続端子は、加熱により溶融するものであれば、はんだには限定されず、例えば、銀ペースト等の導電性ペースト等であってもよい。
【0152】
以上の各実施の形態及びその変形例を含む実施の形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
配線基板と、
前記配線基板の一方の面側に搭載される電子部品本体と、
前記配線基板の他方の面側に形成され、前記電子部品本体と電気的に接続される外部電極と、
前記外部電極と同一層に形成され、導電性を有し、抵抗率が前記外部電極よりも高い発熱体と、
前記電子部品本体と前記発熱体との間に配置され、絶縁性を有し、前記配線基板を構成する材料とは異なる材料からなる熱絶縁層と、を有する電子部品。
(付記2)
前記発熱体と前記熱絶縁層との間に配置され、前記熱絶縁層よりも熱伝導率が小さい熱拡散層を更に有する付記1記載の電子部品。
(付記3)
前記熱絶縁層は、前記熱拡散層に隣接する層に設けられている付記2記載の電子部品。
(付記4)
前記発熱体は、前記熱拡散層に隣接する層に設けられている付記1乃至3の何れか一に記載の電子部品。
(付記5)
前記配線基板には、前記熱絶縁層よりも前記一方の面側に設けられた層を貫通する第1の貫通孔と、前記第1の貫通孔よりも小径であり、かつ、前記第1の貫通孔と連通し少なくとも前記熱絶縁層を貫通する第2の貫通孔と、が設けられ、
前記第1及び第2の貫通孔内には、前記発熱体に接続する貫通配線が設けられ、
前記第1の貫通孔の内壁と前記貫通配線との間に第2の熱絶縁層が設けられている付記1乃至4の何れか一に記載の電子部品。
(付記6)
前記熱絶縁層は、前記配線基板の前記一方の面側の最外層に設けられ、
前記熱絶縁層上に加熱用電極が設けられ、前記加熱用電極は少なくとも前記熱絶縁層を貫通する貫通配線を介して前記発熱体と熱的に接続されている付記1乃至4の何れか一に記載の電子部品。
(付記7)
前記電子部品本体を封止する封止部と、前記発熱体と接続された加熱用電極と、を更に有し、
前記加熱用電極の一部は前記一方の面に形成され、前記一方の面から前記封止部の側面及び上面に延在し、かつ、前記貫通配線を介して前記発熱体と電気的に接続されている付記5記載の電子部品。
(付記8)
前記加熱用電極はボンディングワイヤを介して前記貫通配線の一端と電気的に接続されている付記7記載の電子部品。
(付記9)
前記電子部品本体を封止する封止部と、前記発熱体と接続された加熱用電極と、を更に有し、
前記加熱用電極は、前記電子部品本体のリード端子の一部であり、
前記リード端子の一部は、前記封止部の上面に延在している付記5記載の電子部品。
(付記10)
電子部品本体と、前記電子部品本体と電気的に接続された外部電極と、前記外部電極と同一層に形成され、導電性を有し、導電率が前記外部電極よりも低い発熱体と、前記発熱体と接続された加熱用電極と、を有する電子部品の前記加熱用電極に当接し、貫通孔を有する当接部と、
前記当接部を介して前記発熱体を発熱させる加熱手段と、
前記貫通孔を介して前記加熱用電極を吸引する吸引手段と、を有する電子部品組立装置。
(付記11)
前記加熱用電極は、第1電極と第2電極と、を有し、
前記当接部は、前記第1電極に当接する第1導電部と、前記第2電極に当接する第2導電部と、前記第1導電部と前記第2導電部とを絶縁する絶縁部と、を有し、
前記加熱手段は、前記第1導電部と前記第2導電部との間に電位差を生じさせる付記10記載の電子部品組立装置。
(付記12)
前記当接部は、環状の前記第1導電部と、
前記第1導電部の内周に配置された第2導電部と、
絶縁性を有し、前記第1導電部と前記第2導電部とを連結する絶縁部と、を有する付記11記載の電子部品組立装置。
(付記13)
前記当接部は発熱手段を内蔵する付記10記載の電子部品組立装置。
(付記14)
前記発熱体に接する層に設けられ、前記発熱体の発する熱を均一化する熱拡散層を更に有し、
前記熱絶縁層は、前記熱拡散層と前記電子部品本体との間に設けられている付記10乃至13の何れか一に記載の電子部品組立装置。
(付記15)
前記熱絶縁層は、前記熱拡散層に隣接する層に設けられている付記14記載の電子部品組立装置。
(付記16)
前記電子部品の前記外部電極に前記外部接続端子が接続されている付記10乃至15の何れか一に記載の電子部品組立装置。
【符号の説明】
【0153】
10、30、30A、40、50、50A、60、70、80 半導体装置
11 配線基板
12 第1配線層
13 第1絶縁層
13x 第1貫通配線
14 第2配線層
15 第2絶縁層
15x 第2貫通配線
16 第3配線層
17、77、97 熱絶縁層
17x 第3貫通配線
18、98 熱拡散層
19、78、99 発熱体
20 第4配線層
21、92A、92B 外部電極
22A、22B、56A、56B 内部電極
23 第3絶縁層
23x 開口部
24、301 外部接続端子
25、55 半導体チップ
26 バンプ
27、87 封止部
28A、28B、28C、28D、28E、28F、38A、38B、58A、58B、68A、68B、93A、93B 加熱用電極
29A、29B、39A、39B 貫通配線
36、46 ボンディングワイヤ
57 はんだ
90 電子部品
91 電子部品本体
100、100A 装置
110A、110B、110C、110D、111、112、113 ノズル
110Ax、110Bx、111x、112x、113x 貫通孔
111A、112A、113A 正電極
111B、112B、113B 負電極
111C、112C、113C 絶縁部
115A、115B 発熱手段
120 加熱手段
130 吸引手段
140 監視手段
150 制御手段
160 記憶手段
170 操作手段
200、300 基板
302 パッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配線基板と、
前記配線基板の一方の面側に搭載される電子部品本体と、
前記配線基板の他方の面側に形成され、前記電子部品本体と電気的に接続される外部電極と、
前記外部電極と同一層に形成され、導電性を有し、抵抗率が前記外部電極よりも高い発熱体と、
前記電子部品本体と前記発熱体との間に配置され、絶縁性を有し、前記配線基板を構成する材料とは異なる材料からなる熱絶縁層と、を有する電子部品。
【請求項2】
前記発熱体と前記熱絶縁層との間に配置され、前記熱絶縁層よりも熱伝導率が小さい熱拡散層を更に有する請求項1記載の電子部品。
【請求項3】
前記熱絶縁層は、前記熱拡散層に隣接する層に設けられている請求項2記載の電子部品。
【請求項4】
前記発熱体は、前記熱拡散層に隣接する層に設けられている請求項1乃至3の何れか一項記載の電子部品。
【請求項5】
前記配線基板には、前記熱絶縁層よりも前記一方の面側に設けられた層を貫通する第1の貫通孔と、前記第1の貫通孔よりも小径であり、かつ、前記第1の貫通孔と連通し少なくとも前記熱絶縁層を貫通する第2の貫通孔と、が設けられ、
前記第1及び第2の貫通孔内には、前記発熱体に接続する貫通配線が設けられ、
前記第1の貫通孔の内壁と前記貫通配線との間に第2の熱絶縁層が設けられている請求項1乃至4の何れか一項記載の電子部品。
【請求項6】
前記熱絶縁層は、前記配線基板の前記一方の面側の最外層に設けられ、
前記熱絶縁層上に加熱用電極が設けられ、前記加熱用電極は少なくとも前記熱絶縁層を貫通する貫通配線を介して前記発熱体と熱的に接続されている請求項1乃至4の何れか一項記載の電子部品。
【請求項7】
電子部品本体と、前記電子部品本体と電気的に接続された外部電極と、前記外部電極と同一層に形成され、導電性を有し、導電率が前記外部電極よりも低い発熱体と、前記発熱体と接続された加熱用電極と、を有する電子部品の前記加熱用電極に当接し、貫通孔を有する当接部と、
前記当接部を介して前記発熱体を発熱させる加熱手段と、
前記貫通孔を介して前記加熱用電極を吸引する吸引手段と、を有する電子部品組立装置。
【請求項8】
前記加熱用電極は、第1電極と第2電極と、を有し、
前記当接部は、前記第1電極に当接する第1導電部と、前記第2電極に当接する第2導電部と、前記第1導電部と前記第2導電部とを絶縁する絶縁部と、を有し、
前記加熱手段は、前記第1導電部と前記第2導電部との間に電位差を生じさせる請求項7記載の電子部品組立装置。
【請求項9】
前記当接部は、環状の前記第1導電部と、
前記第1導電部の内周に配置された第2導電部と、
絶縁性を有し、前記第1導電部と前記第2導電部とを連結する絶縁部と、を有する請求項8記載の電子部品組立装置。
【請求項10】
前記当接部は発熱手段を内蔵する請求項7記載の電子部品組立装置。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20A】
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【図20B】
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【図20C】
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【図20D】
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【公開番号】特開2012−195452(P2012−195452A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−58364(P2011−58364)
【出願日】平成23年3月16日(2011.3.16)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】