説明

防水機器

【課題】より確実な防水機能を有する防水機器を提供する。
【解決手段】防水機器としてのデジタルカメラ1において、カメラ本体2側に設けられた電池収納室2aと、該収納室を開閉する電池蓋5と、該電池蓋に設けられ、該電池蓋が閉じられたときに収納室2aの開口部2bを囲う防水シール部材であって、開口部2b周りを囲う内壁面7dを有する枠状に形成され、該電池蓋が閉方向に移行し、開口部2bの当接平面部2cに当接したとき、内壁面7dに直交する断面において、先端部7bが当接平面部2cと当接して開口部2bの外方に向かって変位する防水パッキン7と、カメラ本体2側に設けられ、開口部2b近傍に設けられ、防水パッキン7の先端部7bが当接平面部2cに当接すると、該先端部近傍が接触し、全周に亘って開口部2bの外方に誘導されるように形成されたガイド凸部2dとを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防水機器の凹部のための防水構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の防水機器における開閉可能な凹部である電池収納室等の防水構造として、リップ状断面を有するパッキン部材を適用するものでは、図17の閉鎖状態のパッキン部材まわりの断面図に示すように開閉可能な蓋部材102に環状のパッキン部材103を配し、筐体101の開口部101a周辺の密閉用接触面101bに当接させる構造を有している。該パッキン部材103は、リップ枠形状のシール部材であり、図18の蓋開放状態(自由状態)における断面図に示すように、曲げの中立面103cの根元部103aに対してリップ先端部103bが外側に偏倚量ε0だけ偏った形状を有している。上記従来の防水構造の類似例として、例えば、特許文献1に開示されたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平05−021965号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の防水構造においては、蓋部材102が閉鎖方向Y0に操作された場合、図17のE−E断面を示す図19にて、パッキン部材103の枠の辺部103d,103eの先端部103bは、密閉接触面101bに当接し、枠の外方向a11,a12に滑りながら変位する。しかし、四隅部103fの先端部103bは、上記辺部103d,103eの先端部103bの外方への変位に伴い、逆に枠の内方向a13に変位する可能性がある。
【0005】
上述のように隅部103fの先端部103bが内方向a13側に変位すると、パッキン部材103に内方向a13側に膨らむ力が生じることによって、パッキン部材の密閉接触面101bに対する押圧力が不均一になり、密閉性上、好ましくない状態になる。
【0006】
本発明は、上述の問題を解決するためになされたものであり、より確実な防水機能を有する防水機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明の防水機器の一つは、当該防水機器の本体側に設けられた凹部と、上記凹部に対し開閉する蓋部材と、上記蓋部材が閉じられたときに上記凹部の口元を囲うための防水シール部材であって、上記蓋部材の裏側に設けられ、上記裏側から上記凹部周りの当接面の方向に延びた上記凹部周りを囲う壁を有した枠状に形成され、上記蓋部材が閉方向に移行し、当該防水シール部材が上記当接面に当接したとき、上記蓋部材の裏面および上記壁の壁面に直交する断面において、上記壁の自由端先端が上記当接面と当接して上記凹部の上記口元の外方に向かって変位する防水シール部材と、上記防水機器の本体側に設けられ、上記凹部の上記口元近傍に設けられた凸部であって、上記防水シール部材の上記先端が上記当接面に当接すると、上記先端が接触し、上記先端が上記口元全周に亘って上記口元から外方に誘導されるように形成された誘導凸部とを具備する。
【0008】
本発明の防水機器の他の一つは、当該防水機器の本体側に設けられた凹部と、上記凹部に対し開閉する蓋部材と、上記蓋部材が閉じられたときに上記凹部の口元を囲うための防水シール部材であって、上記蓋部材の裏側に設けられ、上記裏側から上記凹部周りの当接面の方向に延びた上記凹部周りを囲う壁を有した枠状に形成され、上記蓋部材が閉方向に移行し、当該防水シール部材が上記当接面に当接したとき、上記蓋部材の裏面および上記壁の壁面に直交する断面において、上記壁の自由端先端が上記当接面と当接して上記凹部の上記口元の外方に向かって変位する防水シール部材と、上記防水機器の本体側に設けられ、上記凹部の上記口元近傍に設けられた凸部であって、上記防水シール部材の上記先端が上記当接面に当接する前に、上記先端が上記口元全周に亘って上記口元から外方に誘導されるように上記防水シール部材の上記先端から上記防水シール部材の根元の間の面部分に接触するように形成された誘導凸部とを具備する。
【0009】
本発明の防水機器のさらに他の一つは、当該防水機器の本体側に設けられた凹部と、上記凹部に対し開閉する蓋部材と、上記蓋部材が閉じられたときに上記凹部の口元を囲うための防水シール部材であって、上記防水機器の本体側に設けられ、上記口元の外周から上記蓋部材の当接面の方向に延び、上記凹部周りを囲う壁を有した枠状に形成され、上記蓋部材が閉方向に移行し、当該防水シール部材が上記当接面に当接したとき、上記本体側の上記蓋部材と対向する面および上記壁の壁面と直交する断面において、上記壁の自由端先端が上記当接面と当接して上記凹部の上記口元の外方に向かって変位する防水シール部材と、上記蓋部材の裏面側に設けられ、上記凹部の上記口元近傍に設けられた凸部であって、上記防水シール部材の上記先端が上記当接面に当接すると上記先端が接触し、上記先端が上記口元全周に亘って上記口元から外方に誘導されるように形成された誘導凸部とを具備する。
【0010】
本発明の防水機器のさらに他の一つは、当該防水機器の本体側に設けられた凹部と、上記凹部に対し開閉する蓋部材と、上記蓋部材が閉じられたときに上記凹部の口元を囲うための防水シール部材であって、上記防水機器の本体側に設けられ、上記口元の外周から上記蓋部材の当接面の方向に延び、上記凹部周りを囲う壁を有した枠状に形成され、上記蓋部材が閉方向に移行し、当該防水シール部材が上記当接面に当接したとき、上記本体側の上記蓋部材と対向する面および上記壁の壁面と直交する断面において、上記壁の自由端先端が上記当接面と当接して上記凹部の上記口元の外方に向かって変位する防水シール部材と、上記蓋部材の裏面側に設けられ、上記凹部の上記口元近傍に設けられた凸部であって、上記防水シール部材の上記先端が上記当接面に当接する前に、上記先端が上記口元全周に亘って上記口元から外方に誘導されるように上記防水シール部材の上記先端から上記防水シール部材の根元の間の面部分に接触するように形成された誘導凸部とを具備する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、より確実な防水機能を有する防水機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第一の実施形態である防水機器としてのデジタルカメラの電池蓋開放状態を示す斜視図
【図2】図1のデジタルカメラにおける電池蓋閉鎖状態における電池収納室開口部周りの断面図
【図3】図2のY0方向矢視で示される電池収納室開口部まわりの形状を示す図
【図4】図2のY0方向矢視で示される防水パッキンの形状を示す図
【図5】図4の防水パッキンの断面B′1−B′1,B′2−B′2,B′3−B′3の形状を示す図
【図6】図1のデジタルカメラにて電池蓋閉鎖過程におけるガイド凸部の図3の断面B1−B1,B2−B2,B3−B3と防水パッキンの図4の断面B′1−B′1,B′2−B′2,B′3−B′3を示す図であって、図6(A)は、電池蓋閉鎖前の状態を示す図、図6(B)は、防水パッキンがガイド凸部に接触開始した状態を示す図、図6(C)は、電池蓋閉鎖状態を示す図
【図7】本発明の第二の実施形態であるカメラの電池収納室防水構造における図2と同等のY0方向矢視相当の電池収納室開口部まわりの形状を示す図
【図8】図7の電池収納室防水構造にて電池蓋閉鎖過程におけるガイド凸部の図7の断面B11−B11,B31−B31と防水パッキンの図4の断面B′1−B′1,B′3−B′3を示す図であって、図8(A)は、電池蓋閉鎖前の状態を示す図、図8(B)は、防水パッキンがガイド凸部に接触開始した状態を示す図、図8(C)は、電池蓋閉鎖状態を示す図
【図9】図7のカメラの電池収納室防水構造にて電池蓋閉鎖過程におけるガイド凸部の図7の辺部断面B21−B21と防水パッキンの図4の辺部断面B′2−B′2を示す図であって、図9(A)は、電池蓋閉鎖前の状態を示す図、図9(B)は、電池蓋閉鎖状態を示す図
【図10】本発明の第三の実施形態であるカメラの電池収納室防水構造における図2と同等のY0方向矢視相当の電池収納室開口部まわりの形状を示す図
【図11】図10のカメラの電池収納室防水構造にて電池蓋閉鎖過程におけるガイド凸部の図10の断面B32−B32と防水パッキンの図4の断面B′3−B′3を示す図であって、図11(A)は、電池蓋閉鎖前の状態を示す図、図11(B)は、防水パッキンがガイド凸部に接触開始した状態を示す図、図11(C)は、電池蓋閉鎖状態を示す図
【図12】本発明の第四の実施形態であるカメラの電池収納室防水構造における図2と同等のY0方向矢視相当の電池収納室開口部まわりの形状を示す図
【図13】図12のカメラの電池収納室防水構造にて電池蓋閉鎖過程におけるガイド凸部の図12の断面B13−B13,B23−B23,B33−B33と防水パッキンの図4の断面B′1−B′1,B′2−B′2,断面B′3−B′3を示す図であって、図13(A)は、電池蓋閉鎖前の状態を示す図、図13(B)は、防水パッキンがガイド凸部に接触開始した状態を示す図、図13(C)は、電池蓋閉鎖状態を示す図
【図14】本発明の第五の実施形態であるカメラの電池収納室防水構造における図2と同等のY0方向矢視相当の電池収納室開口部まわりの形状を示す図
【図15】図12のデジタルカメラにて電池蓋閉鎖過程におけるガイド凸部の図14の断面B14−B14,B24−B24,B34−B34と防水パッキンの図4の断面B′1−B′1,B′2−B′2,B′3−B′3を示す図であって、図15(A)は、電池蓋閉鎖前の状態を示す図、図15(B)は、防水パッキンがガイド凸部に接触開始した状態を示す図、図15(C)は、電池蓋閉鎖状態を示す図
【図16】本発明の第六の実施形態であるカメラの電池収納室防水構造における電池蓋閉鎖過程におけるガイド凸部と防水パッキンの辺部断面および隅部断面を示す図であって、図16(A)は、電池蓋閉鎖前の状態を示す図、図16(B)は、防水パッキンがガイド凸部に接触開始した状態を示す図、図16(C)は、電池蓋閉鎖状態を示す図
【図17】従来の防水機器における閉鎖状態におけるパッキン部材まわりの断面図
【図18】図18の防水機器に適用されるパッキン部材の断面図
【図19】図17のE−E断面図
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、図を用いて説明する。
【0014】
本発明の一実施形態である防水機器としてのデジタルカメラ(以下、カメラと記載する)1は、図1に示すように撮影光学系、撮像素子を含む撮像部、撮像制御部を内蔵し、防水構造を有する防水機器本体であるカメラ本体2を備えており、カメラ本体2には、その前面部に撮影窓3、ストロボ窓4が配され、カメラ本体2の背面から見て左下方部にアクセサリとしての電池11が挿入される凹部としての電池収納室2aが設けられている。
【0015】
なお、以下の説明において、カメラ1の通常の撮影保持状態において、上記撮影光学系の撮影光軸Oと平行な方向をZ方向(前後方向)とし、Z方向に対してそれぞれ直交する方向であって、被写体側である前面側から見て左右方向をX方向とし、上下方向をY方向とし、特に電池収納室2aに向かう上方向をY0方向とし、下方向を−Y0方向とする。
【0016】
電池収納室2aには口元に開口部2bが配されており、該開口部2bを開閉する蓋部材である電池蓋5がZ方向に沿った回動軸6を介してカメラ本体2に回動可能に支持されている。電池蓋5には、開口部2bを覆って水密的に密閉するための防水シール部材である防水パッキン7が装着されている。
【0017】
電池11は、電池蓋5が開放状態にあるとき、開口部2bから電池収納室2aにY0方向に挿入される。電池挿入後、図2に示すように電池蓋5を閉じ、電池収納室2aを密封状態とする。
【0018】
電池収納室2aの開口部2bは、図3,7に示すように矩形状開口部であり、開口部2bの近傍(周辺)に誘導凸部としての枠状のガイド凸部2dが設けられ、該ガイド凸部の外周はXZ平面に沿った当接面である当接平面部2cとなっている。
【0019】
ガイド凸部2dは、上記口元を囲む環状であって矩形枠状に形成され、該ガイド凸部の辺部2d1,2d2は、辺部に対して直角な断面が半径R0の円筒面部からなり、隅部2d3は、同一半径R0の球面部からなる。
【0020】
防水パッキン7は、シリコンゴム等からなり、図4,5に示すように環状の矩形枠形状を有し、電池蓋5の裏面5a側の溝5bに嵌入固着されている。
【0021】
防水パッキン7の枠部の辺部に直角、かつ、電池蓋裏面5aに対して直角な直交断面形状は、電池収納室2aの開口部2bに向けて(Y0方向に向けて)延びるリブ形状であり、開口部2bの周りを囲む壁である内壁面7dを有し、リブの自由端側の先端部7bは、上記直交断面における曲げの中立面7cの根元部7aに対して枠外方側に偏倚量εだけ偏っている。内壁面7dは、先端部7b側が枠外側に反った曲面となっている。
【0022】
電池収納室2aに対して電池蓋5が閉じられる状態で防水パッキン7の内壁面7dがガイド凸部2dの領域内に位置するように防水パッキン7のX方向の枠内幅L4、Z方向の枠内幅L3は、ガイド凸部2dのX方向全幅L2、Z方向全幅L1より小さい寸法とする。
【0023】
なお、上記直交断面は、図4において辺部7d1,7d2の断面B′1−B′1,B′2−B′2、四隅部7d3の断面B′3−B′3であり、図3においては、辺部断面B1−B1,B2−B2,隅部断面B3−B3である。
【0024】
上述した構成を有するカメラ1にて電池収納室2aを電池蓋5によって閉鎖するときの防水パッキン7の変形状態について、図6を用いて説明する。
【0025】
電池蓋5を閉じ方向に回動させると、防水パッキン7は、図6(A)に示すように電池収納室2aの開口部2bに向けてY0方向から接近する。さらに、電池蓋5を回動させると、図6(B)に示すように、ガイド凸部2dの半径R0の当接面に防水パッキン7の内壁面7dが面部分である内周接触線P0にて当接する。この内周接触線P0は、防水パッキン7の内壁面7d上、根元部7aから先端部7bまでの間に位置する。なお、防水パッキン7が当接後、先端部7bが隅部を含み全周で均一の状態で外方に広がるために内周接触線P0のY方向位置が一定となるように防水パッキン7の枠幅や隅部内側半径R1(図4)等が設定されている。
【0026】
さらに、電池蓋5を閉じ方向に回動させると、防水パッキン7の内周接触線P0上の当接面部分がガイド凸部2dによる押圧力F0(図6(B))を受け、押圧力F0の枠外方向の成分によって先端部7bが枠外方へ誘導され、辺部7d1,7d2および隅部7d3が外方に広げられる。続いて、全周の先端部7bが当接平面部2cに当接する状態になると、先端部7bの当接平面部2cとの摩擦力に抗して上記押圧力F0の枠外方向成分によりさらに先端部7bが枠外方へ変位する。
【0027】
電池蓋5が完全閉鎖位置まで回動すると、図6(C)に示すように防水パッキン7は、先端部7bの近傍の内壁面7dが当接平面部2cにほぼ均一に圧接する状態になり、開口部2bが水密的に密閉される。
【0028】
以上、説明したように本実施形態のカメラ1によると、電池収納室2aの開口部2bの外周にガイド凸部2dが配されており、電池蓋5を閉じたとき、防水パッキン7の内壁面7dを全周に亘ってガイド凸部2dに当接させ、隅部7d3を含む全周の先端部7bが外方に誘導される。従って、防水パッキン7の特に隅部7d3を含む全周の先端部7bが枠内方側への変位を確実に抑止することができ、良好な水密状態を得ることができる。
【0029】
本実施形態においては、ガイド凸部2dの隅部2d3を球面部で形成したが、これに限らず、球面以外の凸状の曲面部で形成することもできる。
【0030】
次に本発明の第二の実施形態の防水機器であるカメラの電池収納室の防水構造について、図7〜9を用いて説明する。
【0031】
本実施形態のカメラは、電池収納室の防水構造以外は、第一の実施形態のカメラ1と同様の構成を有している。従って、電池収納室の防水構造についてのみ説明する。
【0032】
本実施形態において、カメラ本体2Aに設けられる電池収納室2aの開口部2bは、図7に示すように矩形状開口部であり、開口部2bの口元四辺のうち、Z方向に平行な二辺それぞれにZ方向に延びる誘導凸部としてのガイド凸部2dAが配され、該ガイド凸部以外の領域、すなわち、該ガイド凸部の外側および開口部2bの口元の残りの二辺は、XZ平面に沿った当接面である当接平面部2cとなる。
【0033】
ガイド凸部2dAは、辺部2dA1と端部2dA3とからなる。辺部2dA1は、辺部に対して直角な断面が半径R0の円筒面部からなり、端部2dA3は、半径R0の球面部からなる(図7,8(A))。なお、図7における辺部断面B11−B11,B21−B21,隅部断面B31−B31は、上述した図4の直交断面と同一断面を示す。
【0034】
また、電池蓋5に装着される枠状の防水シール部材としては、図4,5に示した第一の実施形態で適用したものと同様の防水パッキン7を用いる。
【0035】
上述した構成を有する本実施形態の電池収納室の防水構造にて電池収納室2aを電池蓋5によって閉鎖するときの防水パッキン7の変形状態について、図8,9を用いて説明する。
【0036】
電池蓋5を閉じ方向に回動させた場合、防水パッキン7の辺部7d1および隅部7d3とガイド凸部2dAとは、図8(A),(B),(C)に示すように前述した第一の実施形態の場合と同様の状態で防水パッキン7が変形する。一方、防水パッキン7の辺部7d2は、図9(B)に示すように開口部2bの近傍の当接平面部2cに直接、当接するが、先端部7bが外側に偏倚していることから枠外方に向けて変位する。電池蓋5が完全閉鎖位置に達すると、防水パッキン7の辺部7d1,7d2,隅部7d3の各先端部7bが全周が枠の外方に変位し、当接平面部2cに圧接した状態になり、開口部2bが水密的に密閉された状態となる。
【0037】
以上、説明したように本実施形態の電池収納室防水構造によると、電池収納室2aの開口部2bの口元四辺のうち、Z方向に平行な二辺それぞれにガイド凸部2dAを設け、電池蓋5を閉じたとき、確実に防水パッキン7の辺部7d1と隅部7d3の先端部7bが確実に枠外方向に変位した後、当接平面部2cに当接する。一方、防水パッキン7の辺部7d2の先端部7bは、直接、当接平面部2cに当接することになるが、該先端部が外側に偏倚しているので枠外方に向けて変位する。従って、防水パッキン7の全周の先端部7bを枠外方に変位させ、開口部2bを確実に密閉することができる。
【0038】
次に本発明の第三の実施形態の防水機器であるカメラの電池収納室の防水構造について、図10〜11を用いて説明する。
【0039】
本実施形態のカメラは、電池収納室の防水構造以外は、第一の実施形態のカメラ1と同様の構成を有している。従って、電池収納室の防水構造についてのみ説明する。
【0040】
本実施形態におけるカメラ本体2Bに配される電池収納室2aの開口部2bの口元には、図10に示すように開口部2b近傍の四隅部にのみ誘導凸部としてのガイド凸部2dBが配されている。開口部2bの辺部と該ガイド凸部の外側は、XZ平面に沿った当接面である当接平面部2cとなっている。
【0041】
ガイド凸部2dBは、図10,11(A)に示すように半径R0の球面部からなる。なお、図10における辺部断面B12−B12,B22−B22,隅部断面B32−B32は、上述した図4の直交断面と同一断面を示す。
【0042】
また、電池蓋5に装着される枠状の防水シール部材としては、図4,5に示した第一の実施形態で適用したものと同様の防水パッキン7を用いる。
【0043】
上述した構成を有する本実施形態の電池収納室の防水構造にて電池収納室2aを電池蓋5によって閉鎖するときの防水パッキン7の変形状態について、図11を用いて説明する。
【0044】
電池蓋5を閉じ方向に回動させた場合、防水パッキン7の隅部7d3とガイド凸部2dBとの当接状態は、図11に示すように前述した第一の実施形態の場合と同様に防水パッキン7が変形する。一方、防水パッキン7の辺部7d1,7d2は、図9に示した第二の実施形態の場合と同様に開口部2bの口元の当接平面部2cに直接、当接するが、先端部7bが外側に偏倚していることから枠外方に向けて変位する。電池蓋5が完全閉鎖位置に達すると、防水パッキン7の辺部7d1,7d2,隅部7d3の各先端部7bが全周が枠の外方に変位し、当接平面部2cに圧接した状態になり、開口部2bが水密的に密閉された状態となる。
【0045】
以上、説明したように本実施形態の防水構造によると、電池収納室2aの開口部2bの四隅部にガイド凸部2dBを設けるのみで、電池蓋5の閉鎖状態で防水パッキン7の特に隅部の先端部を確実に枠外方向に変位させることができ、開口部2bを確実に密閉することができる。
【0046】
次に本発明の第四の実施形態の防水機器であるカメラの電池収納室の防水構造について、図12,13を用いて説明する。
【0047】
本実施形態のカメラは、電池収納室の防水構造以外は、第一の実施形態のカメラ1と同様の構成を有している。従って、電池収納室の防水構造についてのみ説明する。
【0048】
本実施形態において、カメラ本体2Cに配される電池収納室2aの開口部2bは、図12に示すように矩形状開口部であり、開口部2b近傍に誘導凸部としての枠状のガイド凸部2dCが設けられ、該ガイド凸部の外周は、XZ平面に沿った当接面である当接平面部2cとなる。
【0049】
ガイド凸部2dCは、上記開口部を囲むように環状であって矩形枠状に形成され、該ガイド凸部の辺部2dC1,2dC2は、Y0 方向に枠の外側に所定角度で傾斜する傾斜面部からなり、該ガイド凸部の隅部2dC3は、上記所定角度の傾斜面をなし、下底半径R03の部分円錐台部からなる(図12,13(A))。なお、図12における辺部断面B13−B13,B23−B23,隅部断面B33−B33は、上述した図4の直交断面と同一断面を示す。
【0050】
また、電池蓋5にに装着される枠状の防水シール部材としては、図4,5に示した第一の実施形態で適用したものと同様の防水パッキン7を用いる。
【0051】
電池収納室2aに対して電池蓋5が閉じられる状態で防水パッキン7の内壁面7dがガイド凸部2dCの傾斜面領域内に位置するように防水パッキン7のX方向の枠内幅L4、Z方向の枠内幅L3は、ガイド凸部2dCのX方向全幅L23、Z方向全幅L13より小さい寸法とする。
【0052】
上述した構成を有する本実施形態の電池収納室の防水構造にて電池収納室2aを電池蓋5によって閉鎖するときの防水パッキン7の変形状態について、図13を用いて説明する。
【0053】
電池蓋5を閉じ方向に回動させると、図13(A)に示すように防水パッキン7が電池収納室2aの開口部2bに向けてY0方向から接近する。さらに、電池蓋5を回動させると、図13(B)に示すように、ガイド凸部2dCの傾斜面に防水パッキン7の内壁面7dが面部分である内周接触線P3にて当接する。この内周接触線P3は、防水パッキン7の内壁面7d上、根元部7aから先端部7bまでの間に位置する。なお、防水パッキン7が当接後、先端部7bが隅部を含み全周で均一の状態で外方に広がるために内周接触線P3のY方向位置が一定となるように防水パッキン7の全幅寸法、隅部内側半径R1(図4)等が設定されている。
【0054】
さらに、電池蓋5を閉じ方向に回動させると、防水パッキン7の内周接触線P3上の当接面部分がガイド凸部2dCによる押圧力F3(図13(B))を受け、押圧力F3の枠外方向の成分によって先端部7bが枠外方への誘導され、辺部2dC1,2dC2および隅部2dC3が外方に広げられる。その後、全周の先端部7bが当接平面部2cに当接する状態になると、先端部7bの当接平面部2cとの摩擦力に抗して上記押圧力F3の枠外方向成分によりさらに先端部7bが枠外方へ変位する。
【0055】
電池蓋5が完全閉鎖位置まで回動すると、図13(C)に示すように防水パッキン7は、先端部7bの近傍の内壁面7dが当接平面部2cにほぼ均一に圧接する状態になり、開口部2bが水密的に密閉される。
【0056】
以上、説明したように本実施形態の防水構造によると、電池収納室2aの開口部2b近傍に傾斜面を持つガイド凸部2dCを設けることによって、電池蓋5を閉じたとき、防水パッキン7の内壁面7dを全周に亘ってガイド凸部2dCに当接させることで隅部7d3を含む全周の先端部7bを外方に誘導することができ、良好な水密状態を得ることができる。
【0057】
次に本発明の第五の実施形態の防水機器であるカメラの電池収納室の防水構造について、図14,15を用いて説明する。
【0058】
本実施形態のカメラは、電池収納室の防水構造以外は、第一の実施形態のカメラ1と同様の構成を有している。従って、電池収納室の防水構造についてのみ説明する。
【0059】
本実施形態において、カメラ本体2Dに配される電池収納室2aの開口部2bは、図14に示すように矩形状開口部であり、開口部2b近傍に誘導凸部としての枠状のガイド凸部2dDが設けられ、該ガイド凸部の外周は、XZ平面に沿った当接面である当接平面部2cとなる。
【0060】
ガイド凸部2dDは、上記開口部を囲んだ環状であって矩形枠状に形成され、該ガイド凸部の辺部2dD1,2dD2は、凹曲面部からなり、該ガイド凸部の隅部2dD3は、下底半径R04とする上記辺部の凹曲面断面の回転体表面部からなる(図14,15(A))。なお、図14における辺部断面B14−B14,B24−B24,隅部断面B34−B34は、上述した図4の直交断面と同一断面を示す。
【0061】
また、電池蓋5にに装着される枠状の防水シール部材としては、図4,5に示した第一の実施形態で適用したものと同様の防水パッキン7を用いる。
【0062】
電池収納室2aに対して電池蓋5が閉じられる状態で防水パッキン7の内壁面7dがガイド凸部2dDの凹曲面領域内に位置するように防水パッキン7のX方向の枠内幅L4、Z方向の枠内幅L3は、ガイド凸部2dDのX方向全幅、Z方向全幅より小さい寸法とする。
【0063】
上述した構成を有する本実施形態の電池収納室の防水構造にて電池収納室2aを電池蓋5によって閉鎖するときの防水パッキン7の変形状態について、図15を用いて説明する。
【0064】
電池蓋5を閉じ方向に回動させると、図15(A)に示すように防水パッキン7が電池収納室2aの開口部2bに向けてY0方向から接近する。さらに、電池蓋5を回動させると、図15(B)に示すように、ガイド凸部2dDの凹曲面部に防水パッキン7の内壁面7dが面部分である内周接触線P4にて当接する。この内周接触線P4は、防水パッキン7の内壁面7d上、先端部7b近傍に位置する。なお、防水パッキン7が当接後、先端部7bが隅部を含み全周で均一の状態で外方に広がるために内周接触線P4のY方向位置が一定となるように防水パッキン7の全幅寸法、隅部内側半径R1(図4)等が設定されている。
【0065】
さらに、電池蓋5を閉じ方向に回動させると、防水パッキン7の先端部近傍の当接部分がガイド凸部2dDによる押圧力F4(図15(B))を受け、ガイド凸部2dDの凹曲面部との摩擦力に抗して押圧力F4の枠外方向の成分によって枠外方への誘導され、外方に変位する。
【0066】
電池蓋5が完全閉鎖位置まで回動すると、図15(C)に示すように防水パッキン7の全周の先端部7b近傍の当接部分がガイド凸部2dDの凹曲面部から当接平面部2cに移り、当接平面部2cにほぼ均一に圧接する状態になり、開口部2bが水密的に密閉される。
【0067】
以上、説明したように本実施形態の防水構造によると、電池収納室2aの開口部2bの外周に凹曲面を持つガイド凸部2dDを設けることによって、電池蓋5を閉じたとき、防水パッキン7の先端部近傍の内壁面7dを全周に亘ってガイド凸部2dDに当接させることで隅部7d3を含む全周の先端部7bを外方に誘導することができ、良好な水密状態を得ることができる。
【0068】
次に本発明の第六の実施形態の防水機器であるカメラの電池収納室の防水構造について、図16を用いて説明する。
【0069】
本実施形態のカメラは、電池収納室の防水構造以外は、第一の実施形態のカメラ1と同様の構成を有している。従って、電池収納室の防水構造についてのみ説明する。
【0070】
本実施形態において、カメラ本体2Eに配される電池収納室2aの開口部2bは、図16に示すように矩形状開口部であり、開口部2b近傍に誘導凸部としての枠状のガイド凸部2dEが設けられ、該ガイド凸部の外周は、XZ平面に沿った当接面である当接平面部2cとなる。
【0071】
ガイド凸部2dEは、上記開口部を囲む環状であって矩形枠状に形成され、Y0 方向に向けて枠外側へ傾斜する傾斜面を有し、根元部に逃げ部2dEaが設けられている。
【0072】
また、電池蓋5の裏面5aに装着される枠状の防水シール部材としての防水パッキン7Eは、該防水パッキンの枠部および電池蓋裏面5aに対して直角な直交断面形状として、電池収納室2aの開口部2bに向けて(Y0方向に向けて)延びるリブ形状を有しており、開口部2bの周りを囲む壁であって、枠内側へ膨らむ凸面をもつ内壁面7dEを有し、リブの自由端側の先端部7bEは、上記直交断面における曲げの中立面7cEの根元部7aEに対して枠外方側に偏っている。
【0073】
上述した構成を有する本実施形態の電池収納室の防水構造にて電池収納室2aを電池蓋5によって閉鎖するときの防水パッキン7Eの変形状態について、図16を用いて説明する。
【0074】
電池蓋5を閉じ方向に回動させると、図16(A)に示すように防水パッキン7Eが電池収納室2aの開口部2bに向けてY0方向から接近する。さらに、電池蓋5を回動させると、図16(B)に示すように、ガイド凸部2dEの傾斜面部に防水パッキン7Eの内壁面7dEが面部分である凸状部上にある内周接触線P5にて当接する。この内周接触線P5は、防水パッキン7Eの内壁面7dE上、根元部7aEから先端部7bEまでの間に位置する。なお、防水パッキン7が当接後、先端部7bEが隅部を含み全周で均一の状態で外方に広がるために内周接触線P5のY方向の位置が一定となるように防水パッキン7Eの全幅、隅部内側半径等が設定されている。
【0075】
さらに、電池蓋5を閉じ方向に回動させると、防水パッキン7Eの内周接触線P5上の当接面部分がガイド凸部2dEの傾斜面による押圧力F5(図16(B))を受け、押圧力F5の枠外方向の成分によって先端部7bEが枠外方への誘導され、防水パッキン7Eの辺部および隅部が外方に広げられる。その後、全周の先端部7bEが当接平面部2cに当接する状態になると、防水パッキン7Eの内壁面7dEは、ガイド凸部2dEに逃げ部2dEaが設けられているため、ガイド凸部2dEと非接触状態となる(図16(C))。
【0076】
電池蓋5が完全閉鎖位置まで回動すると、防水パッキン7Eは、先端部7bEの近傍の内壁面7dEのみが当接平面部2cに圧接する状態になり、開口部2bが水密的に密閉される。
【0077】
以上、説明したように本実施形態の防水構造によると、電池収納室2aの開口部2bの外周に傾斜面と逃げ部を持つガイド凸部2dEを設け、防水パッキン7Eの内壁面7dEを枠内側に膨らむ凸面としたので、防水パッキン7Eの全周の先端部7bEを枠外方側に変位させるとともに、電池蓋5が完全閉鎖位置に達したとき、防水パッキン7Eをガイド凸部2dEに当接しない状態で開口部2bの当接平面部2cにのみ当接させ、良好な水密状態を得ることができる。
【0078】
上述した各実施形態において適用した防水パッキン7,7Eは、その先端部7b,7bEが曲げの中立面7c,7cEの根元部7a,7aEに対して枠外方側に偏倚しており、先端部7b,7bEの枠外周方向への変位が容易に行えるものであった。しかし、第二、三の実施形態を除いた他の実施形態の場合、防水パッキンの先端部の偏倚は、必ずしも必要ではなく、先端部が偏っていない形状の防水パッキンを適用することも可能である。
【0079】
上述した各実施形態においては、電池蓋5を閉鎖方向に回動したとき、まず、防水パッキン7,7Eの内壁面7d,7dEがそれぞれガイド凸部2d,2dA,2dB,2dC,2dD,2dEに当接(接触)し、その後、先端部7b,7bEが開口部2bの当接平面部2cに当接(接触)するようになっているが、これに限らず、上記内壁面と上記枠状凸部との当接(接触)と同時に上記先端部が上記当接平面部に当接(接触)するような構成としても同様の効果が得られる。
【0080】
また、上述した各実施形態においては、電池収納室2aの開口部2bを防水するための防水構造を例としたが、上述した防水構造は、凹部としてのメモリカード等の記憶媒体収納室、あるいは、外部コネクタ接続部を収納する収納部を密閉するための防水構造に対しても適用することができる。
【0081】
さらに、上述した各実施形態においては、ガイド凸部2d,2dA,2dB,2dC,2dD,2dEが電池収納室2aの開口部2b周りに配され、防水パッキン7,7Eが電池蓋5側に支持されているが、逆にガイド凸部を電池蓋5側に設け、防水パッキンを電池収納室の開口部2bの周囲で保持するような防水構造にすることも可能である。
【0082】
この発明は、上記各実施の形態に限ることなく、その他、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を実施し得ることが可能である。さらに、上記各実施形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合せにより種々の発明が抽出され得る。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明の防水機器は、より確実な防水機能を有する防水機器として利用が可能である。
【符号の説明】
【0084】
2…カメラ本体(機器本体)
2a…電池収納室(凹部)
2b…開口部(凹部の口元)
2c…当接平面部(当接面)
2d,2dA,2dB,2dC,2dD,2dE…ガイド凸部(誘導凸部)
5…電池蓋(蓋部材)
7…防水パッキン(防水シール部材)
7a,7aE…根元部(防水シール部材の根元部)
7b,7bE…先端部(自由端先端)
7d,7dE…内壁面(凹部周りを囲う壁の壁面)
B′1−B′1,B′2−B′2,B′3−B′3
…直交断面(蓋部材の裏面および壁の壁面に直交する断面)
P0,P3,P4,P5…内周接触線(先端から根元の間の面部分)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
防水機器において、
上記防水機器の本体側に設けられた凹部と、
上記凹部に対し開閉する蓋部材と、
上記蓋部材が閉じられたときに上記凹部の口元を囲うための防水シール部材であって、上記蓋部材の裏側に設けられ、上記裏側から上記凹部周りの当接面の方向に延びた上記凹部周りを囲う壁を有する枠状に形成され、上記蓋部材が閉方向に移行し、当該防水シール部材が上記当接面に当接したとき、上記蓋部材の裏面および上記壁の壁面に直交する断面において、上記壁の自由端先端が上記当接面と当接して上記凹部の上記口元の外方に向かって変位する防水シール部材と、
上記防水機器の本体側に設けられ、上記凹部の上記口元近傍に設けられた凸部であって、上記防水シール部材の上記先端が上記当接面に当接すると、上記先端が接触し、上記先端が上記口元全周に亘って上記口元から外方に誘導されるように形成された誘導凸部と、
を具備することを特徴とした防水機器。
【請求項2】
防水機器において、
上記防水機器の本体側に設けられた凹部と、
上記凹部に対し開閉する蓋部材と、
上記蓋部材が閉じられたときに上記凹部の口元を囲うための防水シール部材であって、上記蓋部材の裏側に設けられ、上記裏側から上記凹部周りの当接面の方向に延びた上記凹部周りを囲う壁を有する枠状に形成され、上記蓋部材が閉方向に移行し、当該防水シール部材が上記当接面に当接したとき、上記蓋部材の裏面および上記壁の壁面に直交する断面において、上記壁の自由端先端が上記当接面と当接して上記凹部の上記口元の外方に向かって変位する防水シール部材と、
上記防水機器の本体側に設けられ、上記凹部の上記口元近傍に設けられた凸部であって、上記防水シール部材の上記先端が上記当接面に当接する前に、上記先端が上記口元全周に亘って上記口元から外方に誘導されるように上記防水シール部材の上記先端から上記防水シール部材の根元の間の面部分に接触するように形成された誘導凸部と、
を具備することを特徴とした防水機器。
【請求項3】
防水機器において、
上記防水機器の本体側に設けられた凹部と、
上記凹部に対し開閉する蓋部材と、
上記蓋部材が閉じられたときに上記凹部の口元を囲うための防水シール部材であって、上記防水機器の本体側に設けられ、上記口元の外周から上記蓋部材の当接面の方向に延び、上記凹部周りを囲う壁を有する枠状に形成され、上記蓋部材が閉方向に移行し、当該防水シール部材が上記当接面に当接したとき、上記本体側の上記蓋部材と対向する面および上記壁の壁面と直交する断面において、上記壁の自由端先端が上記当接面と当接して上記凹部の上記口元の外方に向かって変位する防水シール部材と、
上記蓋部材の裏面側に設けられ、上記凹部の上記口元近傍に設けられた凸部であって、上記防水シール部材の上記先端が上記当接面に当接すると上記先端が接触し、上記先端が上記口元全周に亘って上記口元から外方に誘導されるように形成された誘導凸部と、
を具備することを特徴とした防水機器。
【請求項4】
防水機器において、
上記防水機器の本体側に設けられた凹部と、
上記凹部に対し開閉する蓋部材と、
上記蓋部材が閉じられたときに上記凹部の口元を囲うための防水シール部材であって、上記防水機器の本体側に設けられ、上記口元の外周から上記蓋部材の当接面の方向に延び、上記凹部周りを囲う壁を有する枠状に形成され、上記蓋部材が閉方向に移行し、当該防水シール部材が上記当接面に当接したとき、上記本体側の上記蓋部材と対向する面および上記壁の壁面と直交する断面において、上記壁の自由端先端が上記当接面と当接して上記凹部の上記口元の外方に向かって変位する防水シール部材と、
上記蓋部材の裏面側に設けられ、上記凹部の上記口元近傍に設けられた凸部であって、上記防水シール部材の上記先端が上記当接面に当接する前に、上記先端が上記口元全周に亘って上記口元から外方に誘導されるように上記防水シール部材の上記先端から上記防水シール部材の根元の間の面部分に接触するように形成された誘導凸部と、
を具備することを特徴とした防水機器。
【請求項5】
上記誘導凸部は、上記蓋部材が上記凹部を閉じたときに上記凹部の全周を囲むように設けられていることを特徴とした上記請求項1乃至4記載の防水機器。
【請求項6】
上記防水シール部材は、矩形状の枠形状に形成されていることを特徴とした上記請求項1乃至4記載の防水機器。
【請求項7】
上記蓋部材は、上記防水機器の本体側に対して回動軸により回動して上記凹部を開閉することを特徴とした上記請求項1乃至6記載の防水機器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate


【公開番号】特開2011−187653(P2011−187653A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−50886(P2010−50886)
【出願日】平成22年3月8日(2010.3.8)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】