キーヘッドカバー
【課題】限られた内部空間に異なる周波数の電波(異なる識別情報)をそれぞれ送信することができる複数個のICチップを固定的に組み込むこと。
【解決手段】突壁状周壁の下端部側にキー突出用の切欠が形成された凹所を有するカバー本体と、キーヘッドがカバー本体の中央部からキー突出用の切欠まで着脱自在に嵌合する機械的キーがカバー本体から外れないようにカバー本体に合体するカバー蓋体とから成るキーヘッドカバーに於いて、カバー蓋体に突壁状周壁を有する凹所を形成し、該凹所の上部側であってかつキーヘッドの上辺よりも上方の所定空間の内壁面に、トランスポンダと、該トランスポンダとは異なる周波数の電波をICタグリーダに送信するICタグとを重なり合うように配設したキーヘッドカバー。
【解決手段】突壁状周壁の下端部側にキー突出用の切欠が形成された凹所を有するカバー本体と、キーヘッドがカバー本体の中央部からキー突出用の切欠まで着脱自在に嵌合する機械的キーがカバー本体から外れないようにカバー本体に合体するカバー蓋体とから成るキーヘッドカバーに於いて、カバー蓋体に突壁状周壁を有する凹所を形成し、該凹所の上部側であってかつキーヘッドの上辺よりも上方の所定空間の内壁面に、トランスポンダと、該トランスポンダとは異なる周波数の電波をICタグリーダに送信するICタグとを重なり合うように配設したキーヘッドカバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キーヘッドカバーに関し、特に普通一般の錠前の鍵穴にブレード部分を差し込んで施・解錠する機械的キーのキーヘッドの一部或いは全部をカバー状態で保持する場合に適合し、しかも、IDコードの電波を送信する電気部品を内蔵するキーヘッドカバーに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の図2及び図3には、突壁状周壁の下端部側にキー突出用の切欠を有する凹所と該凹所の中央部(中央部付近も含む)にキーヘッドの透孔と係合する支持突起とが形成されている扁平状のカバー本体と、前記キーヘッドが前記支持突起と前記透孔を介してカバー本体の前記中央部から前記キー突出用の切欠まで着脱自在に嵌合するキーがカバー本体から外れないように前記カバー本体に合体する扁平状のカバー蓋体とから成るキーヘッドカバーが開示されている。なお、キーヘッドカバーは、その上端端部側の外周部に通孔を有する枠状係止部分が形成されている。
【0003】
また、特許文献2の図3及び図4には、特許文献1と同様の構成から成るキーヘッドカバーが開示され、該キーヘッドカバーを構成するカバー蓋体に突壁状周壁を有する凹所を形成し、該凹所の上部側であってかつ前記キーヘッドの上辺よりも上方の空間部分の内壁面に、トランスポンダを固定的に配設したことが記載されている。
【0004】
さらに、特許文献3には、キーの把持部(キーヘッド)に通孔を形成し、該通孔内に嵌合する板状嵌合部にトランスポンダを内蔵すると共に、前記把持部を扁平状に包む(モールド成形された)樹脂製被覆部材を備えた鍵が開示されている。
【0005】
このように、キーの把持部(キーヘッド)に樹脂製被覆部材を介して、又はキーヘッドカバーを構成するカバー蓋体を介して「トランスポンダ」を設ける事項は公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−82141号公報
【特許文献2】特開2007−170024号公報
【特許文献3】特開2001−262878号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本願発明の所期の目的は、複数の情報識別電子機器に対応する多用途のキーヘッドカバーを提供すると共に、特許文献1又は特許文献2に記載のキーヘッドカバーを前提にして、キーヘッドカバーのキーヘッドの上辺よりも限られた内部空間に異なる周波数の電波(異なる識別情報)をそれぞれ送信することができる複数個のICチップを固定的に組み込むことである。第2の目的は、商品が販売或いは使用された場合は、例えば建具や自動者の錠前用のキー・電気キーとなると共に、タグ情報書込み管理装置用の対象キーとなることである。付言すると、使用時、機械的キーと使用することができると同時に、複数の情報識別手段に対して、それぞれ識別情報を送信することができることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のキーヘッドカバーは、突壁状周壁の下端部側にキー突出用の切欠が形成された凹所を有するカバー本体と、キーヘッドがカバー本体の中央部から前記キー突出用の切欠まで着脱自在に嵌合する機械的キーがカバー本体から外れないように前記カバー本体に合体するカバー蓋体とから成るキーヘッドカバーに於いて、前記キーヘッドの上辺と前記突壁状周壁の上端部側の内面との間の所定空間に、トランスポンダと、該トランスポンダとは異なる周波数の電波をICタグリーダに送信するICタグとを重なり合うように配設したことを特徴とする。
【0009】
また、本発明のキーヘッドカバーは、突壁状周壁の下端部側にキー突出用の切欠が形成された凹所を有するカバー本体と、キーヘッドがカバー本体の中央部から前記キー突出用の切欠まで着脱自在に嵌合する機械的キーがカバー本体から外れないように前記カバー本体に合体するカバー蓋体とから成るキーヘッドカバーに於いて、前記カバー蓋体に突壁状周壁を有する凹所を形成し、該凹所の上部側であってかつ前記キーヘッドの上辺よりも上方の所定空間の内壁面に、トランスポンダと、該トランスポンダとは異なる周波数の電波をICタグリーダに送信するICタグとを重なり合うように配設したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
(a)独立項に記載の発明は、複数の情報識別電子機器に対応する多用途のキーヘッドカバーを提供すると共に、キーヘッドカバーのキーヘッドの上辺よりも限られた内部空間に異なる周波数の周波数(異なる識別情報)をそれぞれ送信することができる複数個のICチップを固定的に組み込むことができる。
(b)また、商品が販売或いは使用された場合は、例えば建具や自動車の錠前用のキー・電気キーとなると共に、タグ情報書込み管理装置用の対象キーとなる。すなわち、情報書込み管理装置如何によっては、本発明のキーヘッドカバー(人)の移動中の場所を追跡あるいは確認をすることも可能である。
(c)請求項2に記載の発明は、例えば特許文献1又は特許文献2に記載のキーヘッドカバーを前提にして、キーヘッドカバーのキーヘッドの上辺よりも限られた内部空間を有効的に活用することができる。
(d)請求項3に記載の発明は、複数個のICチップは、支持片により、直接又は間接的に支持されるので、例えばキー交換の際にカバー本体からカバー蓋体を取り外した場合に於いて、カバー蓋体又カバー本体から容易に外れない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1乃至図13は本発明の最良の実施例を示す各説明図(第1実施例)。図14は本発明の第2実施例の説明図。
【図1】図1(a)はキーヘッドカバーXを構成するカバー本体2の内側の説明図、図1(b)はカバー本体2の外側の説明図。
【図2】図1(a)の2−2線縦断面概略説明図。
【図3】図1(a)の3−3線縦断面概略説明図。
【図4】カバー本体2の凹所にキーヘッドaを装着した状態の説明図。
【図5】図5の(a)はキーヘッドカバーXを構成するカバー蓋体3の内側の説明図、図5の(b)はカバー蓋体3の外側の説明図。
【図6】図5(a)の6−6線縦断面概略説明図。
【図7】図5(a)のA−A線縦断面概略説明図。
【図8】カバー蓋体3でキーヘッドaをカバーした状態の説明図。
【図9】本体2と蓋体3が合体(結合)した場合の説明図。
【図10】合体時に於ける主要部の縦断面概略説明図。
【図11】主要部の分解斜視図。
【図12】トランスポンダの概略説明図。
【図13】ICタグ27の概略説明図。
【図14】第2実施例の概略説明図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図1乃至図13に示す本発明を実施するための最良の形態(第1実施例)により説明する。
【0013】
(1)発明の実施の環境
図1の(a)はキーヘッドカバーXを構成するカバー本体2の内側の説明図、図1の(b)はカバー本体2の外側の説明図である。これに対応して、図5の(a)はキーヘッドカバーXを構成するカバー蓋体3の内側の説明図、図5の(b)はカバー蓋体3の外側の説明図である。また、図2及び図3は、カバー本体2の縦断面に基づく各概略説明図で、これに対して、図6及び図7は、カバー蓋体の縦断面に基づく各概略説明図である。さらに、図4はカバー本体の凹所にキーヘッドの一部を嵌合した説明図である。これに対応して、図8はカバー蓋体3でキーヘッドをカバーした状態の説明図である。そして、図9は機械的キーKのキーヘッドにキーヘッドカバーXが装着されている状態の側面図である。
【0014】
さて、Xは合成樹脂製のキーヘッドカバー(図9参照)で、該キーヘッドカバーXには機械的キーKが脱着可能に設けられている。図9の状態で商品が販売或いは使用された場合は、建具や自動者の錠前用のキー・電気キーとなると共に、タグ情報書込み管理装置用の対象キーとなる。
【0015】
本発明のキーヘッドカバーXは、複数個のICチップ(識別情報の処理部)を内蔵している点に特徴がある。付言すると、特許文献1又は特許文献2に記載のキーヘッドカバーを前提にして、キーヘッドカバーXのキーヘッドの上辺よりも限られた内部空間(所定空間)に位置するように異なる周波数(異なる識別情報)をそれぞれ送信することができる複数個のICチップ33、43を固定的に組み込んだ点に特徴がある。
【0016】
(2)キーヘッドカバーXの基本的構成
発明の詳細等に於いて、図1の(a)を本体2の正面図とする。キーヘッドカバーXは、機械的キーKのキーヘッド(摘み部分)aの表裏の全部又は一部をカバーするので、例えば第1実施例のように、キーヘッドカバーXが略同一の大きさやデザイン態様で二分割に形成されている場合には、いずれが本体か蓋体か区別できない。
【0017】
しかし、ここでは、説明の便宜上、一方の保持片2を「カバー本体」とし、これに一体的に結合する他方の保持片3を「カバー蓋体」とする。付言すれば、図3と図6の凹所を対比した場合に於いて、凹所が深い場合が「カバー本体」である。或いは図4で示すように、一方の保持片2の内部(例えば凹所)2aにキーヘッドaが嵌合する方が「カバー本体(以下、「本体」という)」である。
【0018】
これに対して、凹所が浅い場合、或いはキーヘッドaの一部または全部をカバーするように相手側の保持片に合体するのが「カバー蓋体(以下、「蓋体」という)」である。
【0019】
そこで、キーヘッドカバーXの構成を説明する。2は硬質の合成樹脂材で扁平ケース状に形成された本体、3は該本体2に取り外し可能に結合する蓋体である。本体2の下端部(内端部)は水平方向にやや曲面状切欠されていることから、外観上楕円形状(例えば卵形状)の蓋体3の方が大きいことになるが、該蓋体3も本体2と同様の合成樹脂材で扁平ケース状に形成され、両方2、3を結合すると、普通一般に自動車、建具等に使用されているキーのキーヘッドカバーの外観形状となる。
【0020】
図9は、本体2と蓋体3が係合手段又は/及び単数又は複数個の固定手段4で合体(結合)した場合の説明図である。この図から明らかなように、本発明の合成樹脂製のキーヘッドカバーXは、指で摘むことができる正面側の側壁5及び背面側の側壁6、これらの側壁5、6の少なくとも一側壁(本実施例では本体2の側壁5)の内端部にキーヘッドaの一部用の開口(切欠)7を有すると共に、外端部側に携帯リング用の挿通孔8を含む突壁状の外周壁9、10をそれぞれ有する。
【0021】
(3)本体2と蓋体3
図1の(a)を参照にすると、本体2の凹所2aを形成する外周壁9の内壁面の中央部には、蓋体3に形成した小さな係合爪12と係合する左右一対の係合突起11が対設している。これらの係合突起11は材質自体の弾性力に抗して若干弾性変位可能であり、本体2に蓋体3を合体した時には対応する前記係合爪12と係合する。また、これらの係合突起11の間には、キーヘッドaの中央部の係合小孔(透孔)cと係合する係止軸受け13が突出形成されている。一方、14は前記係止軸受け13に係合する小さな支軸で、この支軸14は蓋体3の側壁6の内壁面中央部に突出形成されている。なお、係止軸受け13及び支軸14は固定具の一例としての固着具4用の貫通孔やメネジとなっている。
【0022】
また、本体2の凹所2aの底壁内面の中央部には、キーヘッドaの上辺の左右部位にそれぞれ当接する短片状の支持突起15が水平方向に設けられている。さらに、凹所2aの底壁内面の上端部側には、後述する蓋体側に設けたトランスポンダ25及びICタグ27を押え付けるための細長状の小突起16がやや斜め方向に形成されている。
【0023】
さらに、本体2と蓋体3の突壁状の外周壁9、10の上端部の内面には、小係合凸片17と小被係合爪片18がそれぞれ形成され、本体2に蓋体3を合体した時には、これらの小係合凸片17と小被係合爪片18は互いに係合する。その他の細部的事項の説明は割愛する。
【0024】
(4)電気部品…トランスポンダ25とICタグ27
25はIDコードの電波(例えばキーの識別情報)を送信する第1の電気部品で、該電気部品25は、本実施例では蓋体3の凹所3aに単数又は複数の支持片26を介して固定的には設けられている。また、27は前記トランスポンダ25とは異なる電波をICタグリーダ(情報書込み管理装置)に送信するICタグで、該ICタグ27は、本実施例では、前記凹所3aの上部側であって、かつキーヘッド2aの上辺よりも上方の所定空間28の内壁面に、トランスポンダと共に、互いに重なり合うように配設されている。
【0025】
ICタグ27は、望ましくは扁平状(例えば円形のボタン状)に形成され、図10、図11等で示すように、蓋体3の所定空間28を形成する内壁底面の一部に窪み29を形成し、この窪み29内に扁平状のICタグ(本実施例)27又はトランスポンダ25のいずれかを嵌め込み、一方、前記窪み29内に嵌合しないトランスポンダ(本実施例)25又はICタグのいずれかは、前記所定空間28内に固定的に突設した左右一対の支持片26、26に挟持状態に支持される。また、望ましくは、蓋体3の窪み29内に嵌め込まれたICタグ(本実施例)27の外面に接着層30を介して横長状に形成されたトランスポンダ(本実施例)25の対向面を接着する(図7、図10参照)。そして、望ましくは、両方2、3を結合すると、トランスポンダ25及びICタグ27は、カバー本体2の内壁面に形成した押え付け用突起16に支持される。
【0026】
(5)トランスポンダ
図12はトランスポンダの概略説明図である。トランスポンダ25は、蓋体3側の所定空間28に左右一対の支持片26、26を介してICタグ27に重なるように配設される。トランスポンダ25はアンテナコイル32と、このアンテナコイルに電気的に接続され第1の固有情報(例えばキーの識別情報)を記憶するICチップ33とを有する。前記アンテナコイル32は被覆導線を多数回巻回することにより厚さの薄いドーナツ状に形成され、一方、前記ICチップ33はアンテナコイルの中心部に収容される。
【0027】
しかして、情報処理部としてのICチップ33は、CPU(制御部)33a、該CPU用メモリ33b、電源回路33c、アンテナ(アンテナコイル)32、その他の必要な回路(無線周波数、変調、復調等に関する回路)33d、コンデンサ(図示せず)等を備えている。
【0028】
電源回路33cはコンデンサを内蔵し、このコンデンサはアンテナコイル32とともに共振回路を形成する。このコンデンサにはアンテナコイル32が特定の周波数の電波(共振回路が共振する周波数)R1を受信したとき、その相互誘導作用で生じる電力が充電される。電源回路33cはこの電力を整流し安定化してCPU33aに供給してICチップ33を活性化する。メモリ33bは、CPU33aの制御の下で、例えば建具としての扉のシリンダー錠又は車両34のステアリングコラムに設けられた識別手段35からの電波R1(例えば周波数134.2kHz)のデータ通信による読出しコマンドに応じて記憶されたデータの読出しを行うとともに、識別手段35からの書込みコマンドに応じてデータの書込みが行われる。
【0029】
(6)ICタグ27
図13はICタグ27の概略説明図である。ICタグ27は、前述したように、蓋体3側の所定空間28の窪み29に嵌め込まれる。しかも、本実施例では、支持片26で支持されたトランスポンダ25によって支持される。このICタグ27の構成も、トランスポンダ25と同様である。すなちわ、アンテナコイル42、CPU43a、メモリ43b、電源回路43c、必要な回路43dを有するICチップ43は、第2の固有情報(例えばキーの移動に関する情報)を記憶する。
【0030】
しかして、ICタグ27が前記トランスポンダ25と異なる点は、トランスポンダとは異なる電波R2(例えば周波数13.56MHz)を、建物44の室内又は室外に配設されたICタグリーダ(情報書込み管理装置)45に送信する点である。
したがって、ICタグ27のメモリ43bに格納されているデータ構造は、当然、トランスポンダ25のメモリ33bに格納されているそれとは相違する。また、その他の必要な回路(無線周波数、変調、復調等に関する回路)43dも、当然、ICタグ27用のアクセス回路となっており、該アクセス回路43dは、電波R2には共振するものの、トランスポンダ25側の電波R1には共振しない。
【0031】
ところで、ICタグ27のメモリ43b内のデータ構造は、例えば領域a〜dに区分けされており、領域aには認証を行うためのセキュリティキー情報、領域bにはデータの使用に関する使用不可情報、領域cにはキーの移動に関する情報(人出入り情報)、領域dはキーの所有者に関する個人情報がそれぞれ格納されている。なお、トランスポンダ25とICタグ27の各動作に関するフローチャートは、本願発明の特定要件ではないので、割愛する。
【実施例】
【0032】
発明の実施の形態で示した第1実施例に於いて、支持片26は、例えば材質自体の弾性力に抗して外方向へ弾性変位するコ字形状に形成され、長板状トランスポンダ25の両端部を支持するものの、支持片26の形状は任意に変更することができる事項である。
【0033】
次に、図14は本発明の第2実施例の説明図である。図14の(a)は、図1の(a)と同様に本体の内側の説明図である。一方、図14の(b)は、図5の(a)と同様に蓋体の内側の説明図である。両図の対比から明らかなように、第2実施例では、本体2Aの内側の凹所2aの所定空間にICタグ27とトランスポンダ25とを、互いに重ね合わせるように配設し、一方、蓋体3Aの凹所3aの所定空間28にトランスポンダ25及びICタグ27は押え付けるための突起18が形成されている。
【0034】
すなわち、この第2実施例では、第1実施例とは逆に、突壁状周壁9の下端部側にキー突出用の切欠7が形成された凹所2aを有するカバー本体2Aと、キーヘッドaがカバー本体の中央部から前記キー突出用の切欠7まで着脱自在に嵌合する機械的キーKがカバー本体2Aから外れないように前記カバー本体2Aに合体するカバー蓋体3Aとから成るキーヘッドカバーに於いて、前記キーヘッドaの上辺と前記突壁状周壁9の上端部側の内面との間の所定空間28Aに、トランスポンダ25と、該トランスポンダとは異なる電波をICタグリーダに送信するICタグ27とを重なり合うように配設した点に特徴がある。
【0035】
なお、この第2実施例に於いても、カバー本体2の所定空間28Aを形成する内壁底面の一部に窪み29を形成し、この窪み内に扁平状のICタグ27又はトランスポンダ25のいずれかを嵌め込み、一方、前記窪み内に嵌合しないトランスポンダ又はICタグのいずれかは、前記所定空間内28Aに設けた支持片26に支持されている。
その他、特に図示しないが、カバー蓋体の内壁面には、キーヘッドを押え付けるための突条が適宜に形成されている。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明は、主に錠前や建具の分野で利用される。
【符号の説明】
【0037】
X…キーヘッドカバー、a…キーヘッド(摘み部分)、K…機械的キー、2、2A…カバー本体、2a…凹所、3、3A…カバー蓋体、3a…凹所、4…固定手段、5、6…側壁、7…キー突出用の切欠、9、10…外周壁、16…小突起、25…トランスポンダ、26…支持片、27…ICタグ、28,28A…所定空間、29…窪み、33、43…複数個のICチップ、R1、R2…異なる周波数の電波(異なる識別情報)。
【技術分野】
【0001】
本発明は、キーヘッドカバーに関し、特に普通一般の錠前の鍵穴にブレード部分を差し込んで施・解錠する機械的キーのキーヘッドの一部或いは全部をカバー状態で保持する場合に適合し、しかも、IDコードの電波を送信する電気部品を内蔵するキーヘッドカバーに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の図2及び図3には、突壁状周壁の下端部側にキー突出用の切欠を有する凹所と該凹所の中央部(中央部付近も含む)にキーヘッドの透孔と係合する支持突起とが形成されている扁平状のカバー本体と、前記キーヘッドが前記支持突起と前記透孔を介してカバー本体の前記中央部から前記キー突出用の切欠まで着脱自在に嵌合するキーがカバー本体から外れないように前記カバー本体に合体する扁平状のカバー蓋体とから成るキーヘッドカバーが開示されている。なお、キーヘッドカバーは、その上端端部側の外周部に通孔を有する枠状係止部分が形成されている。
【0003】
また、特許文献2の図3及び図4には、特許文献1と同様の構成から成るキーヘッドカバーが開示され、該キーヘッドカバーを構成するカバー蓋体に突壁状周壁を有する凹所を形成し、該凹所の上部側であってかつ前記キーヘッドの上辺よりも上方の空間部分の内壁面に、トランスポンダを固定的に配設したことが記載されている。
【0004】
さらに、特許文献3には、キーの把持部(キーヘッド)に通孔を形成し、該通孔内に嵌合する板状嵌合部にトランスポンダを内蔵すると共に、前記把持部を扁平状に包む(モールド成形された)樹脂製被覆部材を備えた鍵が開示されている。
【0005】
このように、キーの把持部(キーヘッド)に樹脂製被覆部材を介して、又はキーヘッドカバーを構成するカバー蓋体を介して「トランスポンダ」を設ける事項は公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−82141号公報
【特許文献2】特開2007−170024号公報
【特許文献3】特開2001−262878号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本願発明の所期の目的は、複数の情報識別電子機器に対応する多用途のキーヘッドカバーを提供すると共に、特許文献1又は特許文献2に記載のキーヘッドカバーを前提にして、キーヘッドカバーのキーヘッドの上辺よりも限られた内部空間に異なる周波数の電波(異なる識別情報)をそれぞれ送信することができる複数個のICチップを固定的に組み込むことである。第2の目的は、商品が販売或いは使用された場合は、例えば建具や自動者の錠前用のキー・電気キーとなると共に、タグ情報書込み管理装置用の対象キーとなることである。付言すると、使用時、機械的キーと使用することができると同時に、複数の情報識別手段に対して、それぞれ識別情報を送信することができることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のキーヘッドカバーは、突壁状周壁の下端部側にキー突出用の切欠が形成された凹所を有するカバー本体と、キーヘッドがカバー本体の中央部から前記キー突出用の切欠まで着脱自在に嵌合する機械的キーがカバー本体から外れないように前記カバー本体に合体するカバー蓋体とから成るキーヘッドカバーに於いて、前記キーヘッドの上辺と前記突壁状周壁の上端部側の内面との間の所定空間に、トランスポンダと、該トランスポンダとは異なる周波数の電波をICタグリーダに送信するICタグとを重なり合うように配設したことを特徴とする。
【0009】
また、本発明のキーヘッドカバーは、突壁状周壁の下端部側にキー突出用の切欠が形成された凹所を有するカバー本体と、キーヘッドがカバー本体の中央部から前記キー突出用の切欠まで着脱自在に嵌合する機械的キーがカバー本体から外れないように前記カバー本体に合体するカバー蓋体とから成るキーヘッドカバーに於いて、前記カバー蓋体に突壁状周壁を有する凹所を形成し、該凹所の上部側であってかつ前記キーヘッドの上辺よりも上方の所定空間の内壁面に、トランスポンダと、該トランスポンダとは異なる周波数の電波をICタグリーダに送信するICタグとを重なり合うように配設したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
(a)独立項に記載の発明は、複数の情報識別電子機器に対応する多用途のキーヘッドカバーを提供すると共に、キーヘッドカバーのキーヘッドの上辺よりも限られた内部空間に異なる周波数の周波数(異なる識別情報)をそれぞれ送信することができる複数個のICチップを固定的に組み込むことができる。
(b)また、商品が販売或いは使用された場合は、例えば建具や自動車の錠前用のキー・電気キーとなると共に、タグ情報書込み管理装置用の対象キーとなる。すなわち、情報書込み管理装置如何によっては、本発明のキーヘッドカバー(人)の移動中の場所を追跡あるいは確認をすることも可能である。
(c)請求項2に記載の発明は、例えば特許文献1又は特許文献2に記載のキーヘッドカバーを前提にして、キーヘッドカバーのキーヘッドの上辺よりも限られた内部空間を有効的に活用することができる。
(d)請求項3に記載の発明は、複数個のICチップは、支持片により、直接又は間接的に支持されるので、例えばキー交換の際にカバー本体からカバー蓋体を取り外した場合に於いて、カバー蓋体又カバー本体から容易に外れない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1乃至図13は本発明の最良の実施例を示す各説明図(第1実施例)。図14は本発明の第2実施例の説明図。
【図1】図1(a)はキーヘッドカバーXを構成するカバー本体2の内側の説明図、図1(b)はカバー本体2の外側の説明図。
【図2】図1(a)の2−2線縦断面概略説明図。
【図3】図1(a)の3−3線縦断面概略説明図。
【図4】カバー本体2の凹所にキーヘッドaを装着した状態の説明図。
【図5】図5の(a)はキーヘッドカバーXを構成するカバー蓋体3の内側の説明図、図5の(b)はカバー蓋体3の外側の説明図。
【図6】図5(a)の6−6線縦断面概略説明図。
【図7】図5(a)のA−A線縦断面概略説明図。
【図8】カバー蓋体3でキーヘッドaをカバーした状態の説明図。
【図9】本体2と蓋体3が合体(結合)した場合の説明図。
【図10】合体時に於ける主要部の縦断面概略説明図。
【図11】主要部の分解斜視図。
【図12】トランスポンダの概略説明図。
【図13】ICタグ27の概略説明図。
【図14】第2実施例の概略説明図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図1乃至図13に示す本発明を実施するための最良の形態(第1実施例)により説明する。
【0013】
(1)発明の実施の環境
図1の(a)はキーヘッドカバーXを構成するカバー本体2の内側の説明図、図1の(b)はカバー本体2の外側の説明図である。これに対応して、図5の(a)はキーヘッドカバーXを構成するカバー蓋体3の内側の説明図、図5の(b)はカバー蓋体3の外側の説明図である。また、図2及び図3は、カバー本体2の縦断面に基づく各概略説明図で、これに対して、図6及び図7は、カバー蓋体の縦断面に基づく各概略説明図である。さらに、図4はカバー本体の凹所にキーヘッドの一部を嵌合した説明図である。これに対応して、図8はカバー蓋体3でキーヘッドをカバーした状態の説明図である。そして、図9は機械的キーKのキーヘッドにキーヘッドカバーXが装着されている状態の側面図である。
【0014】
さて、Xは合成樹脂製のキーヘッドカバー(図9参照)で、該キーヘッドカバーXには機械的キーKが脱着可能に設けられている。図9の状態で商品が販売或いは使用された場合は、建具や自動者の錠前用のキー・電気キーとなると共に、タグ情報書込み管理装置用の対象キーとなる。
【0015】
本発明のキーヘッドカバーXは、複数個のICチップ(識別情報の処理部)を内蔵している点に特徴がある。付言すると、特許文献1又は特許文献2に記載のキーヘッドカバーを前提にして、キーヘッドカバーXのキーヘッドの上辺よりも限られた内部空間(所定空間)に位置するように異なる周波数(異なる識別情報)をそれぞれ送信することができる複数個のICチップ33、43を固定的に組み込んだ点に特徴がある。
【0016】
(2)キーヘッドカバーXの基本的構成
発明の詳細等に於いて、図1の(a)を本体2の正面図とする。キーヘッドカバーXは、機械的キーKのキーヘッド(摘み部分)aの表裏の全部又は一部をカバーするので、例えば第1実施例のように、キーヘッドカバーXが略同一の大きさやデザイン態様で二分割に形成されている場合には、いずれが本体か蓋体か区別できない。
【0017】
しかし、ここでは、説明の便宜上、一方の保持片2を「カバー本体」とし、これに一体的に結合する他方の保持片3を「カバー蓋体」とする。付言すれば、図3と図6の凹所を対比した場合に於いて、凹所が深い場合が「カバー本体」である。或いは図4で示すように、一方の保持片2の内部(例えば凹所)2aにキーヘッドaが嵌合する方が「カバー本体(以下、「本体」という)」である。
【0018】
これに対して、凹所が浅い場合、或いはキーヘッドaの一部または全部をカバーするように相手側の保持片に合体するのが「カバー蓋体(以下、「蓋体」という)」である。
【0019】
そこで、キーヘッドカバーXの構成を説明する。2は硬質の合成樹脂材で扁平ケース状に形成された本体、3は該本体2に取り外し可能に結合する蓋体である。本体2の下端部(内端部)は水平方向にやや曲面状切欠されていることから、外観上楕円形状(例えば卵形状)の蓋体3の方が大きいことになるが、該蓋体3も本体2と同様の合成樹脂材で扁平ケース状に形成され、両方2、3を結合すると、普通一般に自動車、建具等に使用されているキーのキーヘッドカバーの外観形状となる。
【0020】
図9は、本体2と蓋体3が係合手段又は/及び単数又は複数個の固定手段4で合体(結合)した場合の説明図である。この図から明らかなように、本発明の合成樹脂製のキーヘッドカバーXは、指で摘むことができる正面側の側壁5及び背面側の側壁6、これらの側壁5、6の少なくとも一側壁(本実施例では本体2の側壁5)の内端部にキーヘッドaの一部用の開口(切欠)7を有すると共に、外端部側に携帯リング用の挿通孔8を含む突壁状の外周壁9、10をそれぞれ有する。
【0021】
(3)本体2と蓋体3
図1の(a)を参照にすると、本体2の凹所2aを形成する外周壁9の内壁面の中央部には、蓋体3に形成した小さな係合爪12と係合する左右一対の係合突起11が対設している。これらの係合突起11は材質自体の弾性力に抗して若干弾性変位可能であり、本体2に蓋体3を合体した時には対応する前記係合爪12と係合する。また、これらの係合突起11の間には、キーヘッドaの中央部の係合小孔(透孔)cと係合する係止軸受け13が突出形成されている。一方、14は前記係止軸受け13に係合する小さな支軸で、この支軸14は蓋体3の側壁6の内壁面中央部に突出形成されている。なお、係止軸受け13及び支軸14は固定具の一例としての固着具4用の貫通孔やメネジとなっている。
【0022】
また、本体2の凹所2aの底壁内面の中央部には、キーヘッドaの上辺の左右部位にそれぞれ当接する短片状の支持突起15が水平方向に設けられている。さらに、凹所2aの底壁内面の上端部側には、後述する蓋体側に設けたトランスポンダ25及びICタグ27を押え付けるための細長状の小突起16がやや斜め方向に形成されている。
【0023】
さらに、本体2と蓋体3の突壁状の外周壁9、10の上端部の内面には、小係合凸片17と小被係合爪片18がそれぞれ形成され、本体2に蓋体3を合体した時には、これらの小係合凸片17と小被係合爪片18は互いに係合する。その他の細部的事項の説明は割愛する。
【0024】
(4)電気部品…トランスポンダ25とICタグ27
25はIDコードの電波(例えばキーの識別情報)を送信する第1の電気部品で、該電気部品25は、本実施例では蓋体3の凹所3aに単数又は複数の支持片26を介して固定的には設けられている。また、27は前記トランスポンダ25とは異なる電波をICタグリーダ(情報書込み管理装置)に送信するICタグで、該ICタグ27は、本実施例では、前記凹所3aの上部側であって、かつキーヘッド2aの上辺よりも上方の所定空間28の内壁面に、トランスポンダと共に、互いに重なり合うように配設されている。
【0025】
ICタグ27は、望ましくは扁平状(例えば円形のボタン状)に形成され、図10、図11等で示すように、蓋体3の所定空間28を形成する内壁底面の一部に窪み29を形成し、この窪み29内に扁平状のICタグ(本実施例)27又はトランスポンダ25のいずれかを嵌め込み、一方、前記窪み29内に嵌合しないトランスポンダ(本実施例)25又はICタグのいずれかは、前記所定空間28内に固定的に突設した左右一対の支持片26、26に挟持状態に支持される。また、望ましくは、蓋体3の窪み29内に嵌め込まれたICタグ(本実施例)27の外面に接着層30を介して横長状に形成されたトランスポンダ(本実施例)25の対向面を接着する(図7、図10参照)。そして、望ましくは、両方2、3を結合すると、トランスポンダ25及びICタグ27は、カバー本体2の内壁面に形成した押え付け用突起16に支持される。
【0026】
(5)トランスポンダ
図12はトランスポンダの概略説明図である。トランスポンダ25は、蓋体3側の所定空間28に左右一対の支持片26、26を介してICタグ27に重なるように配設される。トランスポンダ25はアンテナコイル32と、このアンテナコイルに電気的に接続され第1の固有情報(例えばキーの識別情報)を記憶するICチップ33とを有する。前記アンテナコイル32は被覆導線を多数回巻回することにより厚さの薄いドーナツ状に形成され、一方、前記ICチップ33はアンテナコイルの中心部に収容される。
【0027】
しかして、情報処理部としてのICチップ33は、CPU(制御部)33a、該CPU用メモリ33b、電源回路33c、アンテナ(アンテナコイル)32、その他の必要な回路(無線周波数、変調、復調等に関する回路)33d、コンデンサ(図示せず)等を備えている。
【0028】
電源回路33cはコンデンサを内蔵し、このコンデンサはアンテナコイル32とともに共振回路を形成する。このコンデンサにはアンテナコイル32が特定の周波数の電波(共振回路が共振する周波数)R1を受信したとき、その相互誘導作用で生じる電力が充電される。電源回路33cはこの電力を整流し安定化してCPU33aに供給してICチップ33を活性化する。メモリ33bは、CPU33aの制御の下で、例えば建具としての扉のシリンダー錠又は車両34のステアリングコラムに設けられた識別手段35からの電波R1(例えば周波数134.2kHz)のデータ通信による読出しコマンドに応じて記憶されたデータの読出しを行うとともに、識別手段35からの書込みコマンドに応じてデータの書込みが行われる。
【0029】
(6)ICタグ27
図13はICタグ27の概略説明図である。ICタグ27は、前述したように、蓋体3側の所定空間28の窪み29に嵌め込まれる。しかも、本実施例では、支持片26で支持されたトランスポンダ25によって支持される。このICタグ27の構成も、トランスポンダ25と同様である。すなちわ、アンテナコイル42、CPU43a、メモリ43b、電源回路43c、必要な回路43dを有するICチップ43は、第2の固有情報(例えばキーの移動に関する情報)を記憶する。
【0030】
しかして、ICタグ27が前記トランスポンダ25と異なる点は、トランスポンダとは異なる電波R2(例えば周波数13.56MHz)を、建物44の室内又は室外に配設されたICタグリーダ(情報書込み管理装置)45に送信する点である。
したがって、ICタグ27のメモリ43bに格納されているデータ構造は、当然、トランスポンダ25のメモリ33bに格納されているそれとは相違する。また、その他の必要な回路(無線周波数、変調、復調等に関する回路)43dも、当然、ICタグ27用のアクセス回路となっており、該アクセス回路43dは、電波R2には共振するものの、トランスポンダ25側の電波R1には共振しない。
【0031】
ところで、ICタグ27のメモリ43b内のデータ構造は、例えば領域a〜dに区分けされており、領域aには認証を行うためのセキュリティキー情報、領域bにはデータの使用に関する使用不可情報、領域cにはキーの移動に関する情報(人出入り情報)、領域dはキーの所有者に関する個人情報がそれぞれ格納されている。なお、トランスポンダ25とICタグ27の各動作に関するフローチャートは、本願発明の特定要件ではないので、割愛する。
【実施例】
【0032】
発明の実施の形態で示した第1実施例に於いて、支持片26は、例えば材質自体の弾性力に抗して外方向へ弾性変位するコ字形状に形成され、長板状トランスポンダ25の両端部を支持するものの、支持片26の形状は任意に変更することができる事項である。
【0033】
次に、図14は本発明の第2実施例の説明図である。図14の(a)は、図1の(a)と同様に本体の内側の説明図である。一方、図14の(b)は、図5の(a)と同様に蓋体の内側の説明図である。両図の対比から明らかなように、第2実施例では、本体2Aの内側の凹所2aの所定空間にICタグ27とトランスポンダ25とを、互いに重ね合わせるように配設し、一方、蓋体3Aの凹所3aの所定空間28にトランスポンダ25及びICタグ27は押え付けるための突起18が形成されている。
【0034】
すなわち、この第2実施例では、第1実施例とは逆に、突壁状周壁9の下端部側にキー突出用の切欠7が形成された凹所2aを有するカバー本体2Aと、キーヘッドaがカバー本体の中央部から前記キー突出用の切欠7まで着脱自在に嵌合する機械的キーKがカバー本体2Aから外れないように前記カバー本体2Aに合体するカバー蓋体3Aとから成るキーヘッドカバーに於いて、前記キーヘッドaの上辺と前記突壁状周壁9の上端部側の内面との間の所定空間28Aに、トランスポンダ25と、該トランスポンダとは異なる電波をICタグリーダに送信するICタグ27とを重なり合うように配設した点に特徴がある。
【0035】
なお、この第2実施例に於いても、カバー本体2の所定空間28Aを形成する内壁底面の一部に窪み29を形成し、この窪み内に扁平状のICタグ27又はトランスポンダ25のいずれかを嵌め込み、一方、前記窪み内に嵌合しないトランスポンダ又はICタグのいずれかは、前記所定空間内28Aに設けた支持片26に支持されている。
その他、特に図示しないが、カバー蓋体の内壁面には、キーヘッドを押え付けるための突条が適宜に形成されている。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明は、主に錠前や建具の分野で利用される。
【符号の説明】
【0037】
X…キーヘッドカバー、a…キーヘッド(摘み部分)、K…機械的キー、2、2A…カバー本体、2a…凹所、3、3A…カバー蓋体、3a…凹所、4…固定手段、5、6…側壁、7…キー突出用の切欠、9、10…外周壁、16…小突起、25…トランスポンダ、26…支持片、27…ICタグ、28,28A…所定空間、29…窪み、33、43…複数個のICチップ、R1、R2…異なる周波数の電波(異なる識別情報)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
突壁状周壁の下端部側にキー突出用の切欠が形成された凹所を有するカバー本体と、キーヘッドがカバー本体の中央部から前記キー突出用の切欠まで着脱自在に嵌合する機械的キーがカバー本体から外れないように前記カバー本体に合体するカバー蓋体とから成るキーヘッドカバーに於いて、前記キーヘッドの上辺と前記突壁状周壁の上端部側の内面との間の所定空間に、トランスポンダと、該トランスポンダとは異なる周波数の電波をICタグリーダに送信するICタグとを重なり合うように配設したことを特徴とするキーヘッドカバー。
【請求項2】
カバー本体の所定空間を形成する内壁底面の一部に窪みを形成し、この窪み内に扁平状のICタグ又はトランスポンダのいずれかを嵌め込み、一方、前記窪み内に嵌合しないトランスポンダ又はICタグのいずれかは、前記所定空間内に設けた支持片に支持されていることを特徴とするキーヘッドカバー。
【請求項3】
請求項1に於いて、カバー蓋体の内壁面には、トランスポンダ及びICタグは押え付けるための突起が形成されていることを特徴とするキーヘッドカバー。
【請求項4】
突壁状周壁の下端部側にキー突出用の切欠が形成された凹所を有するカバー本体と、キーヘッドがカバー本体の中央部から前記キー突出用の切欠まで着脱自在に嵌合する機械的キーがカバー本体から外れないように前記カバー本体に合体するカバー蓋体とから成るキーヘッドカバーに於いて、前記カバー蓋体に突壁状周壁を有する凹所を形成し、該凹所の上部側であってかつ前記キーヘッドの上辺よりも上方の所定空間の内壁面に、トランスポンダと、該トランスポンダとは異なる周波数の電波をICタグリーダに送信するICタグとを重なり合うように配設したことを特徴とするキーヘッドカバー。
【請求項1】
突壁状周壁の下端部側にキー突出用の切欠が形成された凹所を有するカバー本体と、キーヘッドがカバー本体の中央部から前記キー突出用の切欠まで着脱自在に嵌合する機械的キーがカバー本体から外れないように前記カバー本体に合体するカバー蓋体とから成るキーヘッドカバーに於いて、前記キーヘッドの上辺と前記突壁状周壁の上端部側の内面との間の所定空間に、トランスポンダと、該トランスポンダとは異なる周波数の電波をICタグリーダに送信するICタグとを重なり合うように配設したことを特徴とするキーヘッドカバー。
【請求項2】
カバー本体の所定空間を形成する内壁底面の一部に窪みを形成し、この窪み内に扁平状のICタグ又はトランスポンダのいずれかを嵌め込み、一方、前記窪み内に嵌合しないトランスポンダ又はICタグのいずれかは、前記所定空間内に設けた支持片に支持されていることを特徴とするキーヘッドカバー。
【請求項3】
請求項1に於いて、カバー蓋体の内壁面には、トランスポンダ及びICタグは押え付けるための突起が形成されていることを特徴とするキーヘッドカバー。
【請求項4】
突壁状周壁の下端部側にキー突出用の切欠が形成された凹所を有するカバー本体と、キーヘッドがカバー本体の中央部から前記キー突出用の切欠まで着脱自在に嵌合する機械的キーがカバー本体から外れないように前記カバー本体に合体するカバー蓋体とから成るキーヘッドカバーに於いて、前記カバー蓋体に突壁状周壁を有する凹所を形成し、該凹所の上部側であってかつ前記キーヘッドの上辺よりも上方の所定空間の内壁面に、トランスポンダと、該トランスポンダとは異なる周波数の電波をICタグリーダに送信するICタグとを重なり合うように配設したことを特徴とするキーヘッドカバー。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2010−185250(P2010−185250A)
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−31323(P2009−31323)
【出願日】平成21年2月13日(2009.2.13)
【出願人】(390037028)美和ロック株式会社 (868)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月13日(2009.2.13)
【出願人】(390037028)美和ロック株式会社 (868)
【Fターム(参考)】
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