説明

ドア制御システムの受信機

【課題】車両のドアを遠隔制御するシステムにおいて、保持すべき送信機の数を減らし、送信機の釦の数を減らす。
【解決手段】送信機は、ロック釦とアンロック釦を有し、いずれかの釦が押されると、要求信号を繰り返し送信する。要求信号には、IDコード、ボタンコード、時間コードが含まれる。ボタンコードはロック/アンロック釦の区別を示し、時間コードは、釦が所定時間以上継続して押されたか又は所定回数押されたかを示す。受信機は、釦コードと時間コードに基づいて、ドアのロック/アンロック制御、開閉制御を行う。時間コードの代わりに、釦の操作回数を示す回数コードを用いることもできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロック/アンロック制御又は開閉制御などの車両のドア制御を遠隔操作で行うシステム及び、このドア制御システムに使用する受信機に関する。
【背景技術】
【0002】
車両のドアを車両外部から遠隔操作により開閉制御可能にした装置は、既に提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2を参照)。これらの特許文献で提案された装置は、いずれも携帯型送信機にドア開スイッチ、ドア閉スイッチを設け、これらのスイッチを操作したとき、あるいは操作している間、ドアの開閉制御するものである。
【0003】
車両の遠隔制御には、更に、ドアのロック/アンロック制御を行うキーレスエントリ装置もある。このため、遠隔式のドア開閉制御とドアロック/アンロック制御の両方を備えた車両については、ユーザは、それぞれ別の送信機を保持していなければならなく不便であった。
【0004】
その点を解決するために、遠隔式のドア開閉制御とドアロック/アンロック制御の両方の機能を1つの送信機に持たせることにより利便性を向上させたものが提案されている(特許文献3、特許文献4を参照)。
【0005】
【特許文献1】特開平6−55936号公報
【特許文献2】特開平9−132983号公報
【特許文献3】特開平10−184128号公報
【特許文献4】特開平10−211819号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献3、4に記載されたものは、ロックスイッチ、アンロックスイッチ、ドア開スイッチ、ドア閉スイッチの4つのスイッチを1つの送信機に設けている。このため、部品点数が多くなり、送信機が大きくなると共に、コストアップとなる。
【0007】
そこで、本発明は、保持すべき送信機の数を減らすことができ、かつ、送信機を小型化することができる遠隔操作式ドア制御システム及び、そのシステムに使用する受信機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するためになされたものである。本発明のドア制御システムは、ドアロック要求の操作をする釦とドアアンロック要求の操作をする釦とを具備する送信機と、車両のドアの開閉状態を検出するドア開閉検出手段と、車両のドアの開閉駆動をするドア開閉駆動手段と、車両のドアのロック/アンロックを制御するロック/アンロック制御手段と、受信機とから構成される。
【0009】
ユーザは、送信機を操作する際、ロック釦及びアンロック釦を第1又は第2の態様で操作する。これにより、送信機からは、第1及び第2の態様のロック/アンロック要求信号が送信される。
【0010】
受信機は、前記送信機から第1の態様の要求信号を受信すると、前記ロック/アンロック制御手段に前記ドアのロック/アンロックを行わせ、第2の態様の要求信号を受信すると、前記ドア開閉検出手段が検出したドアの開閉状態に応じて、前記ドア開閉駆動手段にドアの開動作又は閉動作を行わせる。
なお、第1の態様及び第2の態様の要求信号は、例えば、ロック/アンロック釦を操作する継続時間により、又は、操作回数により区別される。
【0011】
本発明によれば、送信機の釦操作の方法を変えることにより、ドアロック/アンロック制御及びドア開閉制御を行うことができ、少ない釦の数でもって送信機を構成できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、遠隔操作式ドア制御システムにおいて、ユーザが保持すべき送信機の数を減らすことができ、かつ、送信機の釦の数を減らすことにより、送信機を小型化することができる。
更に本発明によれば、送信機の操作態様により、多様なドア制御が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の実施形態について、実施形態ごとに、図を用いて説明する。
(実施形態1)
図1は、ドア制御システムの第1の構成を示すものであり、要求信号を送信する送信機1と、受信した要求信号に応じて、車両のドアロック/アンロック制御、ドア開閉制御を行う受信機2が設けられる。
【0014】
送信機1は、携帯可能に構成され、車両3の外に持ち運び可能とされる。送信機1は、ロック釦4及びアンロック釦5と、図示は省略するが、マイコン、メモリ及び送信回路から構成される。
本例においては、操作者は、ドアのロック又はアンロックをしようとするときは、ロック釦4又はアンロック釦5のいずれかを短時間(2秒未満)だけ押す。ドアの開又は閉を行うときは、ロック釦4又はアンロック釦5のいずれかを2秒以上押す。送信機1は、この釦4、5の押し方の態様に応じた要求信号を出力する。
【0015】
図2に送信機1が送信する要求信号の構造を示し、図3は、送信機1のマイコンが実行する処理を示す。
要求信号は、48ビットからなるIDコードと、2ビットからなる釦コードと、1ビットからなる時間コードとから構成される。
IDコードは、送信機を識別するために付された固有のコードである。
【0016】
釦コードでは、第2ビットはロック釦4のオンオフを表し、1がオン、0がオフを表す。最下位ビットはアンロック釦5のオンオフを表し、1がオン、0がオフを表す。
時間コードは、釦4、5が押された時間を表し、1は2秒以上押されたことを表し、0は2秒未満を表す。本例では、釦コードと時間コードが釦4、5の操作態様を表す。
【0017】
図3を用いて、送信機1のマイコンにおける、要求信号を作成し送信する処理を説明する。図示の処理は、所定時間間隔の割り込みにより繰り返し実行される。
ステップT1とステップT3で、ロック釦4又はアンロック釦5が押されたか否かが判定される。いずれの釦も押されていなければ、図3の処理は実行されない。
【0018】
ステップT1で、ロック釦が押されたと判定されたときは、ステップT2で釦コードに「10」がセットされる。ステップT3で、アンロック釦5が押されたと判定されたときは、ステップT4で釦コードに「01」がセットされる。
釦コードのセットの後、メモリに記憶してあるIDコードが読み出され(T5)、釦が継続してオンされている時間が計測される(T6)。計測時間が判定され(T7)、2秒以上継続していなければ時間コードは「0」のままとされる(T9)。2秒以上継続すると、時間コードに「1」がセットされる(T8)。
【0019】
以上の処理により図2に示す要求信号が作成されて、外部へ送信される(T10)。
釦を押し続けていれば、図3の処理が繰り返され、要求信号が継続して送信される。
釦を押す時間が2秒以上続く(T7のY)と、時間コードが0から1に変わる(T8)。
【0020】
図1に戻り、受信機2は、アンテナ、チューナ、CPU、メモリなどから構成され、車両3内に配置される。受信機2は、要求信号を受信すると、要求信号の内容と各種検出スイッチからの入力信号の内容に応じて、ドアロック/アンロックの制御、ドア開閉制御を行う信号を出力する。
【0021】
入力信号としては、運転席ドアのカーテシスイッチ、助手席ドアのカーテシスイッチ、スライドドアのカーテシスイッチ、バックドアのカーテシスイッチがある。
出力信号としては、4つの各ドアのロック/アンロックを行うロックモータへの信号、スライドドアの開閉を行うドアモータへの信号、警報を発するブザー、ハザードへの信号がある。
【0022】
図4は、車両3におけるドアとドアモータの配置関係を示す。
図示の例では、車両3の前方に運転席ドア6と助手席ドア7が設けられ、後方左側にスライドドア8が設けられ、背面にバックドア9が設けられている。スライドドア8は、ドアモータ10により開閉駆動される。
【0023】
図5〜図8を用いて、受信機2の動作を説明する。図5は、全体のフローを示し、図6〜図8は、図5のフローにおける各部の詳細を示す。
各図の関係は以下のとおりである。
図5ステップS1(フラグ操作) :図6
図5ステップS2(ロック/アンロック制御):図7
図5ステップS3(ドア開閉制御) :図8
【0024】
図示の処理は、所定時間間隔で繰り返し実行される。
ステップS1では、要求信号の釦コードと時間コードに基づいて、ドアロック/アンロック要求フラグとドア開閉要求フラグを操作する。
ステップS2では、ドアロック/アンロック要求フラグと各種検出スイッチからの信号に基づいて、ドアのロック/アンロック制御を行う。
ステップS3では、ドア開閉要求フラグと各種検出スイッチからの信号に基づいて、ドアの開閉制御を行う。
【0025】
図6を用いて、ステップS1の要求フラグ操作を説明する。
受信した要求信号がロック要求信号であるか(A1)、アンロック信号であるか(A11)が判定される。この判定は、図2の要求信号の釦コードに従って行われる。
ロック要求信号である場合(A1のY)、その信号の受信が初回であれば(A2のY)、ロック要求フラグを1にセットする(A3)。アンロック要求信号の場合、その信号の受信が初回であれば(A12のY)、アンロック要求フラグに1をセットする(A13)。
【0026】
以後、ドアロック/アンロック要求信号を継続して受信した場合は、初回の受信ではなくなるので、ステップA2、A12からA4、A14へ進む。ここでは、要求信号が2秒継続したか否か(時間コードが0か1か)が判定される。2秒継続するまで(A4、A14のN)は、要求フラグの変更はなく、ステップS2へ進む。釦4、5の操作が2秒継続すると、要求信号の時間コードが「1」になるので、ドア閉要求フラグ又はドア開要求フラグに1がセットされる(A5、A15)。
【0027】
受信信号がドアロック/アンロック要求信号のいずれでもないとき(A1、A11のN)は、ドア閉要求フラグ及びドア開要求フラグを「0」にリセットする(A21、A22)。
要求フラグ操作が終了すると、図7のドアロック/アンロック制御へ進む。
ロック要求フラグが「1」であるか(B1)、アンロック要求フラグが「1」であるか(B11)が判定される。いずれの要求フラグも「0」であれば、ドアロック/アンロック制御は行われない。
【0028】
ロック要求フラグが「1」であれば(B1のY)、すべてのドア6〜9が閉であるか否かが判定される(B2)。ここでYであれば、ドアのロックを行い(B4)、ロック要求フラグを「0」にリセットし(B5)、ドア閉要求フラグを「0」にリセットした(B6)後、アンサーバックを行う(B7)。
なお、アンサーバックは、ブザーを通常のドア開閉駆動時(後述)の鳴動と異なる鳴動のさせ方をして、ユーザなどの注意を喚起するものである。
ステップB2でNであれば、ロック要求フラグを「0」にリセットする(B3)。
【0029】
ステップB11でアンロック要求フラグが「1」であれば、ドアのアンロックを行い(B12)、アンロック要求フラグをリセットし(B13)、アンサーバックを行う(B14)。
ドアロック/アンロック制御が終了すると、図8のドア開閉制御処理に進む。
【0030】
ドア閉要求フラグが「1」であるか(C1)、ドア開要求フラグが「1」であるか(C11)が判定される。いずれの要求フラグも「0」であれば、ドア開閉制御は行われない。
ドア閉要求フラグが「1」であれば(C1のY)、スライドドアが閉であるか否かが判定される(C2)。ここでNであれば、スライドドアの閉駆動が行われ(C3)、閉駆動の間、ブザーを間歇的に駆動する(C4)。この処理が繰り返されてスライドドアが全閉となる(C2のY)と、ドア閉要求フラグをリセットし(C5)、ロック要求フラグをセットする(C6)。
【0031】
これにより、ステップB1、B2を介してB4で全ドアがロックされる。また、ステップC3のドア閉駆動が行われないので、これ以上のドア閉駆動はない。
なお、ロック要求フラグのセット(C6)は、釦を押す時間、又は、システムでのモード選定などにより、選択可能とするようにしても良い。
【0032】
ドア開要求フラグが1であれば(C11のY)スライドドアが全開であるか否かが判定される(C12)。この判定は、スライドドアの全開状態を検出するスイッチ(図示せず)により行えば良いが、ほかの手段で行っても良い。ここでNであれば、スライドドアの開駆動が行われ(C13)、閉駆動の間、ブザーを間歇的に駆動する(C14)。この処理が繰り返されてスライドドアが全開となる(C12のY)と、ドア開要求フラグがリセットされる(C15)。また、ステップSC13のドア開駆動が行われないので、これ以上のドア開駆動はない。
【0033】
スライドドアの駆動中に、ユーザが送信機の釦から手を離すと、受信信号が途絶える。すると、ステップA1、A11でNとなり、ドア閉要求フラグと開要求フラグがリセットされる(A21、A22)ので、ステップC1、C11がNとなり、スライドドアの駆動は中止される。
【0034】
以上の処理による動作をまとめて説明すると、以下のとおりである。
(1)送信機1でロック釦4又はアンロック釦5を瞬間的(2秒以下)に押すと、ドアのロック又はアンロックのみが行われる。なお、ロック釦4を押した場合、全部のドア6〜9が閉でなければ、ドアロックは行われないが、ドアの開閉にかかわらずロックをするようにしても良い。
【0035】
(2)釦4、5を押し続けると、最初にドアのロック又はアンロックが行われ、2秒経過した時点で、スライドドアの開閉状態に応じて、スライドドア8の閉又は開駆動が行われる。ただし、ロック釦4を押し続ける場合は、開いているスライドドアを閉じようとするユーザの意思表示であるため、スライドドアは開いている状態であるので、最初のドアロックは行われず、ドアが閉じた時点でロックされる。
【0036】
あるいは、スライドドアが閉じられた時点でロックするか、しないかを選択できるようにすることもできる。これには、釦を押す時間、スイッチ操作の組み合せなどで異なるIDコードにする場合と、受信機で切り替えできる機能を持たせる場合とがある。
(3)スライドドア8の開閉駆動中に釦4、5を離すと、その時点で開閉動作が中止される。
【0037】
(変形例1−1)
図9を用いて、実施形態1の第1変形例を説明する。
本例によれば、スライドドア8が開のときにロック釦4が操作されると、スライドドア8の閉駆動が直ちに開始される。これにより、上記実施形態1のように2秒の経過を待たずにスライドドアが閉とされて、ドアロックがされる。即ち、ロック釦4の操作態様ではなく、ロック信号受信時のスライドドアの開閉状態に応じてロック制御かスライドドアの閉駆動制御かを選択する。
【0038】
本例を採用した場合の全体フローは、以下のようになる。
図5ステップS1(フラグ操作) :図9
図5ステップS2(ロック/アンロック制御):図7
図5ステップS3(ドア開閉制御) :図8
【0039】
以下、図9の説明をするが、図9のフローは図6のフローの変形を示すものである。図6と同一ステップには同一符号を付して、重複する説明は省略する。
要求信号がドアロック要求であると判定される(ステップA1のY)と、すべてのドア6〜9が閉であるか否かが判定される(D1)。
【0040】
ここで、1つでも閉でないドアがあれば、スライドドア8が閉であるか否かが判定される(D2)。スライドドアが開であれば、ドア閉要求フラグに「1」がセットされる(A5)。したがって、2秒の経過を待たず、図8の処理で直ちにドア閉駆動がされることになる。
また、スライドドアの閉駆動の結果、全ドアが閉になれば(D1のY)、ロック要求フラグがセットされ、ロック制御が行われる。
【0041】
なお、要求信号がドアアンロック要求であるとき(A11)は、図6の処理と同様に、要求信号が2秒以上継続したときにドア開要求フラグがセットされる。
また、本例では、ステップA21、22を省略することができる。この場合、一旦、ドア開閉フラグが「1」にセットされると、釦4、5から指を離しても、全閉又は全開になるまで開閉駆動が継続する。
【0042】
(変形例1−2)
図10を用いて、実施形態1の第2の変形例を説明する。
本例によれば、スライドドア8の開閉駆動中に、スライドドア8が所定位置に到達するといったん停止し、所定時間経過後に開閉駆動が再開される。
本例を採用した場合の全体フローは、以下のようになる。
【0043】
図5ステップS1(フラグ操作) :図6又は図9
図5ステップS2(ロック/アンロック制御):図7
図5ステップS3(ドア開閉制御) :図10
以下、図10の説明をするが、図10のフローは、図8のフローの変形を示すものであるので、図8と同一ステップには同一符号を付して、重複する説明は省略する。
【0044】
ドア閉要求フラグが1(C1のY)であり、スライドドアが開(C2のN)であれば、スライドドアが所定位置にあるか否かが判定される(E1)。この所定位置とは、全閉と全開の間(例えば中間位置)に適当に設定される。また、所定位置の検出は、機械的検出スイッチによっても、閉駆動開始からの経過時間の計測によってもよい。ここでNであれば、スライドドアの閉駆動がされる(C3)。
【0045】
スライドドアが閉駆動され、所定位置に到達する(E1のY)と、タイマの計時が開始され(E2,E3)、ステップC4へ進む。したがって、ブザーの駆動はされるが、ステップC3のドア駆動がされないので、スライドドアは停止をする。
【0046】
タイマが0.5秒を計時するまで(E2のN)は、スライドドアは所定位置で停止したままである。0.5秒を経過する(E2のY)と、アンサーバックをした(E5)後、ステップC3へ進み、スライドドアの閉駆動を再開する。したがって、スライドドアは、閉駆動中に所定位置に到達すると0.5秒間停止をし、その後再び閉駆動される。
【0047】
ドア開要求フラグが1(C11のY)の場合も上記と同様であり、スライドドアが所定位置にあるか否かが判定され(E11)、所定位値に到達する(E11のY)と、タイマの計時が開始される(E12,E13)。0.5秒が経過する(E12のY)と、スライドドアの開駆動が再開される(C13)。
【0048】
(実施形態2)
図11〜図14を用いて、受信機2の第2の動作を説明する。
上記実施形態1では、スライドドアの開閉駆動中に送信機1の釦4、5から手を離すと、開閉駆動が停止される。これに対し、本例では、釦4、5から手を離しても開閉駆動は停止されず、再度釦4、5を押したときに開閉駆動が強制停止される。
【0049】
本例のシステム構成などは、実施形態1の図1〜図4と同様である。
図11は、受信器2の処理の全体のフローを示し、図12〜図14は、図11のフローにおける各部の詳細を示す。
各図の関係は以下のとおりである。
図11ステップS11(フラグ操作) :図12
図11ステップS12(強制停止フラグ操作) :図13
図11ステップS13(ロック/アンロック制御):図7
図11ステップS14(ドア開閉制御) :図8
図11ステップS15(強制停止制御) :図14
【0050】
図11の処理は、所定時間間隔で割り込みにより繰り返し実行される。
ステップS11では、ロック/アンロック要求フラグとドア開閉要求フラグを操作する。
ステップS12では、ドア開閉駆動の強制停止フラグを操作する。
ステップS13では、ドアのロック/アンロック制御を行う。
ステップS14では、ドアの開閉制御を行う。ステップS15では、ドアの開閉駆動を強制的に停止する制御を行う。
【0051】
図12を用いてステップS11の要求フラグ操作を説明するが、図12のフローは、図6のフローの変形を示すものであるので、図6と同一ステップには同一符号を付して重複する説明は省略する。
図12の処理では、図6の処理と同様に、釦4、5を押すと、ロック要求フラグ又はアンロック要求フラグがセットされる。釦を2秒以上押しつづけると、ドア閉要求フラグ又はドア開要求フラグがセットされる。
【0052】
図12では、図6におけるステップA21、A22が省略されている。したがって、本例では、スライドドアの開閉駆動中に、送信機1の釦4、5から手を離しても、ドア開閉要求フラグはリセットされない。これにより、後述のドア開閉処理により、スライドドアは全開又は全閉まで駆動動作を停止しないことになる。
【0053】
図13を用いて、ステップS12の強制停止フラグ操作を説明する。
ステップF1で、ロック/アンロック要求信号の受信が初回であるか否かが判定される。受信機2は、要求信号がいったん停止し、再度受信したときは、要求信号の受信が初回であると判断する。ステップF2で、ドア開又は閉要求フラグが1であるか否かが判定される。いずれもYであれば、強制停止フラグに1がセットされる。いずれかがNであれば、強制停止フラグはセットされない。
【0054】
したがって、ドア開閉駆動中(ドア開閉要求フラグがセット)に釦4、5を押し直すと、図13の処理により、強制停止フラグがセットされる。
ステップS13のロック/アンロック制御の内容は、前述の図7のとおりであるのでここでの説明は省略する。つまり、ロック要求フラグが1であり、全ドアが閉であれば全ドアのロックがされる。アンロック要求フラグが1であれば、ドアのアンロックがされる。
【0055】
ステップS14におけるドア開閉制御の内容は、前述の図8のとおりであるのでここでの説明は省略する。つまり、ドア閉要求フラグが1であり、スライドドアが閉でなければ、ドア閉駆動がされる。ドア開要求フラグが1であり、スライドドアが全開でなければ、ドア開駆動がされる。本例では、上述のように、スライドドアの開閉駆動が行われているときに釦から手を離しても、ドア閉又は開要求フラグはリセットされないので、開閉駆動は継続をする。
【0056】
ステップS15における強制停止制御は、図14に示すとおりである。
ステップG1で、強制停止フラグが1であるか否かが判定される。ここでNであれば、強制停止は行われない。ここでYであれば、ドア閉要求フラグが1であるか否かが判定される(G2)。Yであれば、1秒間だけ逆方向に開駆動がされ(G3)、ドア閉要求フラグがリセットされる(G4)。
ステップG2で、Nであれば、1秒間だけ逆方向に閉駆動がされ(G5)、ドア開要求フラグがリセットされる(G6)。
【0057】
以上の処理により、スライドドアの開閉駆動中に、送信機1の釦4、5が押されると、開閉駆動が停止する。このとき、駆動中のスライドドアが1秒だけ逆方向に駆動されてから停止をする。スライドドアの強制停止の場合は、ドアに何かが挟まっている可能性が高いが、このように逆方向に駆動することにより安全性を高めることができる。なお、逆方向への駆動は省略することができる。
【0058】
(変形例2−1)
実施形態2の第1の変形例を説明する。
本例は、実施形態2のドア開閉駆動中に、スライドドアをいったん停止し、0.5秒後に同方向への開閉駆動を再開する。この開閉駆動制御は、ステップS14のドア開閉制御が、既述の図10の処理により行われる。本例を採用した場合の全体フローは、以下のようになる。
【0059】
図11ステップS11(フラグ操作) :図12
図11ステップS12(強制停止フラグ操作) :図13
図11ステップS13(ロック/アンロック制御):図7
図11ステップS14(ドア開閉制御) :図10
図11ステップS15(強制停止制御) :図14
【0060】
(変形例2−2)
図15、図16を用いて、実施形態2の第2の変形例を説明する。
本例は、ドア開閉駆動中に、スライドドアをいったん停止する。その後、再度送信機1の釦4、5が操作されると、開閉駆動を再開する。
図15、図16とそのほかのフローの関係は、以下のようになる。
図11ステップS11(フラグ操作) :図12
図11ステップS12(強制停止フラグ操作) :図15
図11ステップS13(ロック/アンロック制御):図7
図11ステップS14(ドア開閉制御) :図16
図11ステップS15(強制停止制御) :図14
【0061】
図15を用いてステップS11の強制停止フラグの操作を説明するが、図15のフローは、図13の変形を示すものであるので、図13と同一のステップには同一符号を付して重複する説明は省略する。
強制停止フラグ操作のF1〜F3の前に、ステップH1で、ドア閉中断フラグ又はドア開中断フラグのいずれかがセットされているか否かが判定される。各フラグの初期設定値は0である。
【0062】
ドア閉又はドア開中断フラグは、後述のように、スライドドアの開閉駆動中に所定位置に達すると「1」にセットされる。図15の処理によれば、ドア閉又はドア開中断フラグがセットされていれば、強制停止フラグがセットされないようになっている。
図16はドア開閉制御処理を示し、既述の図10の変形である。したがって、図16では、図10と同一のステップには同一符号を付して、重複する説明は省略する。
【0063】
スライドドアが閉又は開駆動されて所定位置に達する(E1、E11のY)と、ドア閉又は開中断フラグがセットされる(J5、J15)。また、ステップC3、C13へ進まないので、ドア閉又は開駆動は中断される。ドア閉又は開フラグがセットされると、ステップH1でNとなるので、再度ロック/アンロック釦を操作しても、図15の強制停止フラグのセットはされない。
【0064】
この中断状態で、ユーザが送信機1の釦を操作すると、ロック/アンロック信号が受信される(C1、C11のY)ので、ステップJ1、J11からJ2、J12へ進む。受信信号がステップJ1でロック信号、J12でアンロック信号であれば、ドア閉又は開中断フラグがリセットされる(J3、J23)。そして、警報のためにアンサーバックされ(J4、J24)て、開閉駆動(C3、C13)が再開される。
ドア閉又は開中断フラグがリセットされることにより、以後は強制停止フラグのセットが可能になる。
【0065】
(実施形態3)
図17を用いて、受信機2の第3の動作を説明する。
本例は、車両3を停めた道路の勾配が大きく、スライドドア8の開閉をするとドアモータ10に負荷がかかりすぎる場合、スライドドアの開閉駆動がされないようにする。
図17のフローは既述の図6、図9又は図12のフラグ操作フローの後段に付加されるものである。上記実施形態1及び2に本例を適用した場合の全体フローは、以下のようになる。
【0066】
(実施形態1に適用)
図5ステップS1(フラグ操作) :(図6又は図9)+図17
図5ステップS2(ロック/アンロック制御):図7
図5ステップS3(ドア開閉制御) :図8又は図10
【0067】
(実施形態2に適用)
図11ステップS11(フラグ操作) :図12+図17
図11ステップS12(強制停止フラグ操作) :図13
図11ステップS13(ロック/アンロック制御):図7
図11ステップS14(ドア開閉制御) :図8
図11ステップS15(強制停止制御) :図14
S12〜S15は、上記の変形例2−1又は変形例2−2のようにもできる。
【0068】
図17の動作を説明する。
図6、図9又は図12のフラグ操作の後で、ドア閉又は開要求フラグがセットされているか否かが判定される(K1、K11)。
ドア閉又は開要求フラグがセットされていれば(K1、K11のY)、傾斜センサ(図示省略)により検出した道路の上り勾配又は下り勾配が所定値を超えるか否かが判定される(K2、K12)。道路勾配が所定値を超えていれば、ドア閉又は要求フラグをリセットして(K3、K13)、アンサーバックする(K4、K14)。
【0069】
これにより、ステップS14でのスライドドアの開閉駆動が行われなくなる。一方、道路勾配が所定値以下であれば(K2、K12のN)、ドア開閉要求フラグのリセットは行われないから、所定の条件が満たされれば、ステップS14でスライドドアの開閉駆動が行われる。
【0070】
なお、道路勾配を検出する手段としては傾斜センサに限られるものではなく、例えば、モータに流れる負荷電流値を用いるなど、ほかの検出方法を用いることができる。モータの負荷電流値を用いる場合は、平坦路でスライドドアを駆動したときの電流値より大きな値を判定値とする(モータの負荷が大きくなれば電流値も大きくなる。)。
【0071】
(実施形態4)
図18〜図26を用いて、ドア制御システムの第4の動作を説明する。本例は、車両3にスライドドアが2つある場合のドア制御に関し、送信機1の操作により、2つのスライドドアを別々に、又は一緒に開閉駆動するものである。
図18は、本例が適用される車両を示す。スライドドア8、12が左右両方にある点を除くと、前述の実施形態1の図4と同様である。
本例では、スライドドア8、12を区別して操作するため、送信機にシフト釦が追加され、これを押す回数により2つのスライドドアのいずれが開閉駆動されるかを区別する。
【0072】
図19はシステム構成を示す。この構成は、前述の実施形態1の図1とほぼ同様であるので、重複する説明は省略する。送信機1には、ロック釦4とアンロック釦5のほかにシフト釦11が設けられる。
受信機2には、2つのスライドドアのそれぞれからスライドドアカーテシスイッチSW3、SW4が入力される。
【0073】
図20は、送信機1から送信される要求信号の構造を示す。
IDコード、釦コード、時間コードは既述の図2と同一である。本例では、2ビットの回数コードが追加されている。この回数コードは、釦4、5が押される前にシフト釦11が押された回数を表す。シフト釦11が押されなかった場合は「00」、1回押された場合は「01」、2回押された場合は「10」となる。本例では、釦コードと時間コードと回数コードとで、送信機の釦の操作態様を表す。
【0074】
図21、図22を用いて、送信機1のマイコンにおける要求信号送信処理を説明する。図示の処理は、所定時間間隔の割り込みにより繰り返し実行される。
図21のステップT1〜T10までは前述の実施形態1における図3とほぼ同様であるので、図21においても同一符号を付して、重複する説明は省略する。
本例では、ロック/アンロック釦が操作されたと判定されなかったとき(T1、T3のN)、シフト釦が操作されたか否かが判定される(T21)。
【0075】
シフト釦が押されていれば、ステップT21からステップT22へ進み、シフト釦が前回オフで今回オンとなったか否かが判定される。最初にシフト釦が押された場合には、ステップT23へ進み、タイマが作動中であるか否かが判定される。
【0076】
最初は、タイマが不作動であるので、ステップT24へ進み、タイマを作動させる。そして、ステップ25で、回数コードに1をプラスする。
図21の処理が繰り返されるとき、シフト釦が押され続けていれば、ステップT22でNとなるので、回数コードの変化はない。
図21の処理が繰り返されるとき、シフト釦がオフになると、ステップT21からステップT31へ進む。ステップT31以降については後述する。
【0077】
シフト釦をオフにした後に再度シフト釦が押されると、ステップT21のY、T22のY、T23のYからT25へ進み、回数コードに更に1が加えられる。
シフト釦が操作された回数が回数コードに記憶された後に、ロック/アンロック釦が押される(T1、T3のY)と、ステップT2、T4〜T10の処理で要求信号が送信される。
本例では、ステップT5の前にT11が挿入され、回数コードが読み出される。したがって、ステップT10で送信される要求信号は、図20に示されたものとなり、シフト釦が押された回数が回数コードに含まれる。
【0078】
シフト釦がオフとなるとステップT31へ進み、タイマのカウント値が5秒以上であるか否かが判定される。
このタイマは、T24で作動を開始している。シフト釦をオフとした後にロック/アンロック釦が押されなければ、5秒が経過した(T31のY)後にタイマを停止し(T32)、回数コードを00にリセットする(T35)。
これにより、誤操作でシフト釦が押されたときでも、5秒が経過すれば、回数コードはリセットされる。したがって、誤った要求信号が送信されることが防止される。
【0079】
また、シフト釦が操作された後、ロック/アンロック釦が操作されて、要求信号の送信が正常にされると、次の処理では、ステップT33又はT34で、前回ロック/アンロック釦4、5が操作されたと判定されるので、ステップT35へ進んで、回数コードがリセットされる。
【0080】
以上の処理により、各釦4、5、11の操作と要求信号の関係は以下のとおりとなる。
ロック/アンロック釦4、5を操作すると、釦コードにロック又はアンロックがセットされる。操作時間が2秒を超えると、時間コードが1にセットされる。
【0081】
ロック/アンロック釦を操作する前にシフト釦11を操作すると、その回数が回数コードにセットされる。回数コードは、ロック/アンロック釦が操作され、要求信号が送信された後にリセットされる。
シフト釦が操作されてからロック/アンロック釦が操作されずに5秒を経過すると、回数コードはリセットされる。
【0082】
図23〜図26を用いて、本例における受信機2の動作を説明する。
受信機2の全体フローは、前述の実施形態1の図5に示すとおりである。図5と図23〜図26の関係は以下のとおりである。
図5ステップS1(フラグ操作) :図23、図24
図5ステップS2(ロック/アンロック制御):図25
図5ステップS3(ドア開閉制御) :図26
【0083】
図23、図24を用いて、フラグ操作を説明する。
要求信号を受信すると、回数コードのシフト回数を記憶する(L1)。
要求信号がロック信号であるか否かが判定される(L2)。ここでYであれば、受信が初回であるか否かが判定される(L3)。受信が初回であればロック要求フラグに「1」がセットされて(L4)、シフト回数が判定される(L5)。また、ステップL3で、2回目以降と判定されれば、直接ステップL5へ進む。
【0084】
シフト回数が0であれば(L5の0)、ロック信号が2秒以上継続したか(時間コードが「1」)否かが判定される(L6)。ここでNであれば、ドア開閉フラグの操作はされない。Yであれば、第1及び第2のスライドドアの閉要求フラグが「1」にセットされる(L7、L8)。
シフト回数が1であれば(L5の1)、第1スライドドアの閉要求フラグがセットされ(L9)、第2スライドドアの開要求フラグがリセットされる(L10)。また、シフト回数が2であれば(L5の2)、第1ドアの閉要求フラグがリセットされ(L11)、第2ドアの開要求フラグがセットされる(L12)。
【0085】
ステップL2で受信要求信号がロック信号でない場合、ステップL12で前回の処理でロック信号を受信していたか否か、即ち、ロック釦がオンからオフになった直後であるかを判定する(L13)。ここでYであれば、記憶したシフト回数を「0」にリセットし(L14)、図24の処理に進む。また、受信した信号がロック信号でなく、前回もロック信号でない場合も図24の処理へ進む。
【0086】
図24の処理に進むと、受信信号がアンロック信号であるか否かが判定される(L22)。ここでYであれば、図23の処理と同様に、アンロック要求フラグが操作され(L24)、第1及び第2のドアの開閉要求フラグが操作される(L27〜L32)。
受信した信号がロック信号でもアンロック信号でない(L1、L22のN)場合、前回の処理でアンロック信号を受信していたか否か、即ち、アンロック釦がオンからオフになった直後であるかを判定する(L33)。ここでYの場合はシフト回数をリセット(L34)した後、第1ドアの開要求フラグがリセットされ(L35)、第2ドアの閉要求フラグがリセットされる(L36)。
【0087】
図25を用いてロック/アンロック制御を説明する。
ロック/アンロック要求フラグが1であるか否かが判定される(M1、M21)。ロック要求フラグが「1」であれば(M1のY)、すべてのドア6〜9、12が閉であるか否かが判定される(M2)。1つでも開のドアがあればロック要求フラグがリセットされる(M3)。全ドアが閉であれば、ドアがロックされ(M4)、ロック要求フラグがリセットされ(M5)、第1及び第2ドア閉要求フラグがリセットされ(M6、M7)、アンサーバックされる(M8)。
【0088】
アンロック要求フラグが1であれば(M21のY)、ドアがアンロックされ(M22)、アンロック要求フラグがリセットされ(M23)、アンサーバックがされる(M24)。
ロック/アンロック要求フラグのいずれも「1」でなければ、ロック/アンロック処理は行われない。
【0089】
図26を用いて、スライドドアの開閉制御を説明する。
第1ドア閉要求フラグが「1」であるか(N1)、第1ドア開要求フラグが「1」であるか(N11)、第2ドア閉要求フラグが「1」であるか(N21)、第2ドア開要求フラグが「1」であるか否か(N31)が判定される。いずれも「1」でなければ、図26のドア開閉制御は行われない。
【0090】
第1ドア閉要求フラグが「1」であれば(N1のY)、第1ドアが閉であるか否かが判定される(N2)。Nであれば、第1ドアが閉駆動され(N3)、ブザーを間欠鳴動する(N4)。
第1ドアが閉になる(N2のY)と、第1ドア閉要求フラグがリセットされ(N5)、ロック要求フラグがセットされる(N6)。これにより、全ドアが閉となった後に、ステップM2(図25)でドアのロックがされる。
【0091】
第1ドア開要求フラグが「1」であれば(N11のY)、第1ドアが全開であるか否かが判定される(N12)。Nであれば、第1ドアが開駆動され(N13)、ブザーを間欠駆動する(N14)。
第1ドアが全開になる(N12のY)と、第1ドア開要求フラグがリセットされる(N15)。
【0092】
第2ドア閉要求フラグが「1」であれば(N21のY)、第2ドアが閉でないとき(N22のN)は、第2ドアを閉駆動し(N23)、ブザーを鳴動する(N24)。ドアが閉になれば(N22のY)第2ドア閉要求フラグをリセットし(N25)、ロック要求フラグをセットする(N26)。
【0093】
第2ドア開要求フラグが「1」であれば、(N31のY)、第2ドアが開駆動され(N32)、ブザーが間欠駆動される(N33)。更に第2ドアが全開か否かが判定される(N34)。第2ドアの開駆動により全開となれば、第2ドア開要求フラグをリセットする(N35)。
本例では、ステップL5、L25のシフト回数1以上では2秒継続を要件とせずにドア開閉要求フラグをセットしているが、安全のために2秒継続を要件として挿入してもよい。
【0094】
(実施形態5)
図27〜図31を用いて、ドア制御システムの第5の動作を説明する。
本例では、ドアロック/アンロック制御、ドア開閉制御に加えて、パワーウィンドウの開閉制御を行う。
図27は本例が適用される車両を示す。運転席ドア6と助手席ドア7にパワーウィンドウモータ14、15が設けられる。この点を除くと前述の実施形態4の図18と同様である。
【0095】
図28は、受信機2の構成を示す。受信機2は、パワーウィンドウモータ14、15に対する信号を出力する。この点を除くと実施形態4の図19と同様である。
送信機の構成は実施形態4の図19のとおりであり、その動作は図21、図22のとおりである。したがって、送信する要求信号は図20と同一であり、IDコード、釦コード、時間コード、回数コードが含まれる。
【0096】
図29〜図31を用いて、本例における受信機2の動作を説明する。図29〜図31とそのほかの図との関係は以下のとおりである。
図5ステップS1(フラグ操作) :図29、図30
図5ステップS2(ロック/アンロック制御):図25
図5ステップS3(ドア開閉制御) :図26+図31
【0097】
図29、図30を用いてフラグ操作を説明するが、図29、図30のフローは、図23、図24の変形を示すものであるので、図23、図24と同一のステップSには同一符号を付して重複する説明は省略する。
図29は、ロック信号を受信した場合の処理である。
シフト回数の判定は、ステップL5、P2により、0〜3までが判定される。回数0の場合(L5の0)、ロック信号が2秒継続したか否かが判定される(L6)。Yのときは、窓(パワーウィンドウ)閉要求フラグが1にセットされる(P1)。
【0098】
回数1の場合(L5の1)は、第1及び第2ドア閉要求フラグがセットされる(L7、L8)。回数2の場合(P2の2)は、第1ドア閉要求フラグがセットされ(L9)、第2ドア閉要求フラグがリセットされる(L10)。回数3の場合(P2の3)は、第1ドア閉要求フラグがリセット(L11)、第2ドア閉要求フラグがセットされる(L12)。
【0099】
したがって、本例では、シフト釦を押さずに、ロック釦を2秒以上押した場合は、パワーウィンドウの閉駆動が行われる。スライドドアの開閉には、シフト釦を1〜3回押す。
【0100】
図30はアンロック信号を受信した場合の処理である。
シフト回数の判定は、ステップL25、P22により、0〜3までが判定される。回数0の場合(L25の0)、ロック信号が2秒継続したか否かが判定される(L26)。Yのときは、窓開要求フラグが「1」にセットされる(P21)。
【0101】
回数1の場合(L25の1)は、第1及び第2ドア開要求フラグがセットされる(L27、L28)。回数2の場合(P22の2)は、第1ドア開要求フラグがセットされ(L29)、第2ドア開要求フラグがリセットされる(L30)。回数3の場合(P22の3)は、第1ドア開要求フラグがリセット(L31)、第2ドア開要求フラグがセットされる(L32)。
【0102】
ロック/アンロック制御の処理は、既述の図25と同一である。
図31は、パワーウィンドウ(窓)の開閉制御を示し、既述の図26のスライドドア開閉制御の後に実行されるものである。
窓閉要求フラグに「1」がセットされていれば(Q1のY)、パワーウィンドウの閉駆動がされ(Q2)、窓開要求フラグに「1」がセットされていれば(Q3のY)、パワーウィンドウの開駆動がされる(Q4)。
【0103】
本例では、パワーウィンドウの開閉制御は、開側のみ又は閉側のみとすることができる。特に、閉側は異物を挟む危険性があるので、開側の駆動のみにしてもよい。
【0104】
以上、本発明の各実施形態について説明をしてきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下のような変形が可能である。
(1)時間コードは、ロック/アンロック釦を押す時間(例、2秒)により決められているが、押す回数に置き換えることができる。
(2)すべての実施形態において、スライドドアの開閉制御は、危険性を考えて、開側のみを行うようにしても良い。また、逆に、閉側の制御のみを行うようにしてもよい。
【0105】
また、送信機1についても変更をし、下記のように更に機能を追加することが可能である。
例えば、釦を4つ設けて、A釦、B釦、C釦、D釦とする。
(1)A釦を押し、2秒以内はドアロック、2秒以上はパワーウィンドウアップとする。B釦を押し、2秒以内はドアアンロック、2秒以上はパワーウィンドウダウンとする。C釦を押し、2秒以上でドア閉制御とする。D釦を押し、2秒以上でドア開制御とする。
【0106】
(2)A釦を押し、2秒以内はロック、2秒以上はドア閉制御とする。B釦を押し、2秒以内はアンロック、2秒以上はドア開制御とする。C釦はパニックとする。A釦を操作後、任意の時間内にD釦2秒押しで、パワーウィンドウアップとする。B釦を操作後、任意の時間内にD釦2秒押しで、パワーウィンドウダウンとする。D釦操作後、任意の時間内にB釦操作でトランクリリースとする。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】本発明の実施形態1におけるドア制御システムの構成を示す図である。
【図2】図1の送信機が送信する要求信号の構成を示す図である。
【図3】図1の送信機の動作を示すフローチャートである。
【図4】図1のシステムが適用される車両におけるドアの配置関係を示す図である。
【図5】図1の受信機における全体の動作を示すフローチャートである。
【図6】図5の動作におけるフラグ操作処理を示すフローチャートである。
【図7】図5の動作におけるロック/アンロック制御処理を示すフローチャートである。
【図8】図5の動作におけるドア開閉制御処理を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施形態1の変形例1におけるフラグ操作を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施形態1の変形例2におけるドア開閉制御を示すフローチャートである。
【図11】本発明の実施形態2における全体の動作を示すフローチャートである。
【図12】図11の動作におけるフラグ操作を示すフローチャートである。
【図13】図11の動作における強制停止フラグ操作を示すフローチャートである。
【図14】図11の動作における強制停止制御を示すフローチャートである。
【図15】本発明の実施形態2の変形例2における強制停止フラグ操作を示すフローチャートである。
【図16】本発明の実施形態2の変形例2におけるドア開閉制御を示すフローチャートである。
【図17】本発明の実施形態3におけるフラグ操作を示すフローチャートである。
【図18】本発明の実施形態4における車両のドアの配置関係を示す図である。
【図19】図18の車両に適用されるドア制御システムの構成を示す図である。
【図20】図19の送信機が送信する要求信号の構成を示す図である。
【図21】図19の送信機の動作を示すフローチャート(その1)である。
【図22】図19の送信機の動作を示すフローチャート(その2)である。
【図23】図19の受信機のフラグ操作(その1)を示すフローチャートである。
【図24】図19の受信機のフラグ操作(その2)を示すフローチャートである。
【図25】図19の受信機のロック/アンロック制御を示すフローチャートである。
【図26】図19の受信機のドア開閉制御を示すフローチャートである。
【図27】本発明の実施形態5における車両のドアの配置関係を示す図である。
【図28】本発明の実施形態5における受信機の構成を示す図である。
【図29】図28の受信機のフラグ操作(その1)を示すフローチャートである。
【図30】図28の受信機のフラグ操作(その2)を示すフローチャートである。
【図31】図28の受信機のパワーウィンドウ操作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0108】
1 送信機
2 受信機
3 車両
4 ロック釦
5 アンロック釦
6 運転席ドア
7 助手席ドア
8 スライドドア
9 バックドア
10 ドアモータ
11 シフト釦
12 第2のスライドドア
13 第2のドアモータ
14、15 パワーウィンドウモータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドアロック要求の操作をする釦と、ドアアンロック要求の操作をする釦と、前記各釦が操作されロック要求信号又はアンロック要求信号を送出する送信回路とを具備する送信機と、
車両のドアの開閉駆動をするドア開閉駆動手段と、
車両のドアのロック/アンロックを制御するロック/アンロック制御手段と、
前記送信機からロック要求信号又はアンロック要求信号を受信すると、受信したロック要求信号又はアンロック要求信号が第1の態様であるか第2の態様であるかを判定し、前記判定の結果、前記ロック要求信号又は前記アンロック要求信号が第1の態様であれば、ロック/アンロック制御手段にドアのロック又はアンロックを行わせる信号を出力し、前記ロック要求信号又は前記アンロック要求信号が第2の態様であれば、前記ドア開閉駆動手段にドアの開閉動作を行わせる信号を出力する受信機と、
を具備することを特徴とするドア制御システム。
【請求項2】
ロック要求信号を受信する受信部と、
前記受信したロック要求信号が第1の態様であるか第2の態様であるかを判定する判定部と、
前記判定の結果、前記ロック要求信号が第1の態様であれば、ロック制御手段にドアのロックを行わせる信号を出力し、前記ロック要求信号が第2の態様であれば、ドア開閉駆動手段にドアの閉動作を行わせる信号を出力し、その後、ロック制御手段にドアのロックを行わせる信号を出力する制御部と、
を具備することを特徴とするドア制御装置用受信機。
【請求項3】
前記第1の態様と第2の態様との判別は、前記受信要求信号の継続時間又は要求回数により行われる請求項2に記載のドア制御装置用受信機。
【請求項4】
ロック要求信号と、ドア開閉検出手段が検出したドアの開閉状態とを受信する受信部と、
前記ロック要求信号を受信したとき、前記ドア開閉手段が開状態を検出していると、ドア開閉駆動手段にドアの閉動作を行わせる信号を出力する制御部と、
を具備することを特徴とするドア制御装置用受信機。
【請求項5】
前記制御部は、受信した要求信号が停止したとき、前記ドアの閉動作を行わせる信号を停止する請求項2又は4に記載のドア制御装置用受信機。
【請求項6】
前記制御部は、受信した要求信号が停止しても、前記ドアの閉動作を行わせる信号を停止させない請求項2又は4に記載のドア制御装置用受信機。
【請求項7】
前記制御部は、前記ドアの閉動作を行わせる信号を出力中に、新たな信号を受信したときは、前記ドアの閉動作を行わせる信号を強制停止する請求項6に記載のドア制御装置用受信器。
【請求項8】
前記強制停止させるときに、前記ドア開閉駆動手段に対して、逆方向の開動作を行わせる信号を出力する請求項7に記載のドア制御装置用受信機。
【請求項9】
アンロック要求信号を受信する受信部と、
前記受信したアンロック要求信号が第1の態様であるか第2の態様であるかを判定する判定部と、
前記判定の結果、前記アンロック要求信号が第1の態様であれば、アンロック制御手段にドアのアンロックを行わせる信号を出力し、前記アンロック要求信号が第2の態様であれば、ドア開閉駆動手段にドアの開動作を行わせる信号を出力する制御部と、
を具備することを特徴とするドア制御装置用受信機。
【請求項10】
前記第1の態様と第2の態様との判別は、前記受信要求信号の継続時間又は要求回数により行われる請求項9に記載のドア制御装置用受信機。
【請求項11】
前記制御部は、受信した要求信号が停止したとき、前記ドアの開動作を行わせる信号を停止する請求項9に記載のドア制御装置用受信機。
【請求項12】
前記制御部は、受信した要求信号が停止しても、前記ドアの開動作を行わせる信号を停止させない請求項9に記載のドア制御装置用受信機。
【請求項13】
前記制御部は、前記ドアの開動作を行わせる信号を出力中に、新たな信号を受信したときは、前記ドアの開動作を行わせる信号を強制停止する請求項12に記載のドア制御装置用受信機。
【請求項14】
前記強制停止させるときに、前記ドア開閉駆動手段に対して、逆方向の閉動作を行わせる信号を出力する請求項13に記載のドア制御装置用受信機。
【請求項15】
前記判定部は、前記受信したロック要求信号又はアンロック要求信号が第1〜3の態様のいずれであるか否かを判定し、
前記制御部は、前記要求信号が第1の態様の場合は、第1のドア及び第2のドアに対する制御を行う信号を出力し、前記要求信号が第2の態様の場合は、第1のドアに対する制御を行う信号を出力し、前記要求信号が第3の態様の場合は、第2のドアに対する制御を行う信号を出力する、
請求項2、3、5乃至14のいずれか一項に記載のドア制御装置用受信機。
【請求項16】
前記制御部は、前記ドアの開又は閉動作を行わせる信号を出力している間に、音声による表示を行う信号を出力する請求項2乃至14のいずれか一項に記載のドア制御装置用受信機。
【請求項17】
車両の傾斜角を示す信号を受信する受信部を具備し、
前記制御部は、受信した傾斜角が所定値を超えたときは、前記ドアの開又は閉動作を行わせる信号を停止し、警報信号を出力する請求項2乃至14のいずれか一項に記載のドア制御装置用受信機。
【請求項18】
ドアの開閉要求信号を送出する送信機と、
車両のドアの開閉駆動をするドア開閉駆動手段と、
前記送信機からドアの開閉信号を受信すると、前記ドア開閉駆動手段にドアの開閉動作を行わせる信号を出力し、この信号を途中で一時的に停止させる受信機と、
を具備することを特徴とするドア制御システム。
【請求項19】
ドア閉要求信号を受信する受信部と、
受信したドア閉要求信号に応じて、ドア開閉駆動手段にドアの閉動作を行わせる信号を出力し、この信号を、途中で一時的に停止させ、その後、前記送信機から信号を受信すると、前記閉動作を行わせる信号を再度出力する制御部と、
を具備することを特徴とするドア制御装置用受信機。
【請求項20】
ドア閉要求信号を受信する受信部と、
受信したドア閉要求信号に応じて、ドア開閉駆動手段にドアの閉動作を行わせる信号を出力し、この信号を、途中で一時的に停止させ、その後、所定時間経過すると、前記閉動作を行わせる信号を再度出力する制御部と、
を具備することを特徴とするドア制御装置用受信機。
【請求項21】
ドア開要求信号を受信する受信部と、
受信したドア開要求信号に応じて、ドア開閉駆動手段にドアの開動作を行わせる信号を出力し、この信号を、途中で一時的に停止させ、その後、前記送信機から信号を受信すると、前記開動作を行わせる信号を再度出力する制御部と、
を具備することを特徴とするドア制御装置用受信機。
【請求項22】
ドア開要求信号を受信する受信部と、
受信したドア開要求信号に応じて、ドア開閉駆動手段にドアの開動作を行わせる信号を出力し、この信号を、途中で一時的に停止させ、その後、所定時間経過すると、前記開動作を行わせる信号を再度出力する制御部と、
を具備することを特徴とするドア制御装置用受信機。
【請求項23】
前記判定部は、更に、前記受信したロック要求信号又はアンロック要求信号が第3の態様であるか否かを判定し、
第3の態様である場合は、前記ロック/アンロック制御手段及び前記ドア開閉駆動手段以外の車両機器に対する制御信号を出力する請求項2又は9に記載のドア制御装置用受信機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公開番号】特開2008−274749(P2008−274749A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−131351(P2008−131351)
【出願日】平成20年5月19日(2008.5.19)
【分割の表示】特願2002−65753(P2002−65753)の分割
【原出願日】平成14年3月11日(2002.3.11)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】