説明

ハイブリッドコア基板とその製造方法、半導体集積回路パッケージ、及びビルドアップ基板とその製造方法

【課題】半導体集積回路を実装する際に、リフローなどの熱履歴で発生する基板の反りが、最小限に小さく抑制されたハイブリッドコア基板、それを用いた半導体集積回路パッケージ、ビルドアップ基板を提供する。
【解決手段】複数の開口部を有するコア基板に、実装する半導体チップと略同一のサイズの複数のセラミック基板302を勘合させ、さらにその表層にコア基板より弾性率の低い絶縁層303を積層したハイブリッドコア基板とすることで、該基板を半導体チップのはんだ接合法による実装に用いても、基板の反りを最小限に抑えることができ、かつ加工性に富むビルドアップ基板を得ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LSI半導体集積回路パッケージ用配線基板、また半導体集積回路パッケージに関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子機器の進展に伴いコンピュータのCPUや、デジタルテレビなどの半導体集積回路はますます高速化が進んでいる。中でも画像処理LSIなどは高速化と共に、高集積化が進み、小型化とI/O端子の増大が併せて望まれている。このように小型化とI/O端子数の増大が同時進行している状況に於いては、益々端子ピッチの小型/狭ピッチ化が進み、半導体集積回路LSIのパッケージ配線基板への実装が困難になりつつある。
【0003】
LSIのパッケージ用配線基板は一般的に、高い弾性率を有するコア基板の両面に、層間絶縁層と銅めっきによるバイアホール接続、更に銅箔配線の複数層の繰返しからなるビルドアップ層を形成したビルドアップ配線基板が利用される。特に最新のCPUでは、微細化が22nmまで進化し、I/O端子の増大、回路の大規模化の進展が著しく、サーバー用途では、むしろ半導体集積回路チップの大型化に向かっている。
【0004】
このような大型のチップが利用されるようになると、通常のビルドアップ基板であっても、生産工程上の反りや、LSIチップ実装の際の熱履歴による反りなどで、接合部のはんだ接合部が剥がれてしまう場合が生じてしまう。一方、LSIチップ実装用の配線基板として、熱伝導性に優れたセラミック基板が利用される場合がある。セラミック基板は、耐熱性・耐湿性に優れ、熱膨張係数も小さく、かつ基板そりが小さいため、はんだ等の金属接合に向く。しかし、セラミック基板は大きなサイズで焼成することが困難であり、また割れなどが生じ易く薄型化には向かない。
【0005】
そこで近年、セラミック基板を芯材(コア)として配置し、その両表面に樹脂材料を用いてビルドアップする複合基板が提案されている。
【0006】
例えば特許文献1では、高分子材料からなる中間基板に、コア収容部を設け、セラミック部を収容する中間基板が記載されている。これによりコア基板の開口部に熱膨張係数の小さいセラミック板を内蔵することで、半導体と高分子材料の熱膨張差を緩和して断線を防止することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−039217号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前記従来例における課題は、高分子材料からなる中間基板に、コア収容部を設け、セラミック部を収容する中間基板が記載されているが、コア収容部については自身の厚さを減ずる形でコア収容部が開口形成され、その開口部に厚さ方向を一致させる形で板状セラミックを収容させた基板コアからなるので、厚さ方向で熱膨張係数が異なるため、却って基板コアの反りが大きくなり、ビルドアップ化してもその影響は残る。
【0009】
また、このようにして作製した基板コアを用いて、ビルドアップ基板を形成する際、エポキシ樹脂などの樹脂組成物からなるビルドアップ層と、厚さが例えば10μm以上20μm以下に形成されるパターンめっき層(例えば電解Cuめっき層である)から構成されることが記載されている。
【0010】
しかしながら近年では、コア基板の表層の電極は、CPUの電源配線及びグランド配線として利用され、年々その電源電圧の低下と相俟って電源電流の増大を招き、抵抗ロスを減ずるため60μm以上80μm以下の電極が必要となってきている。
【0011】
このような状況では、中間基板の開口部の収容したセラミック板と、樹脂からなるビルドアップ層及び厚い銅配線と積層した際、セラミック板の熱膨張(約10ppm以下)と銅配線(約17ppm)の熱膨張差により大きなストレスが生じ、場合によってセラミック板が厚さ方向で割れてしまうことが判った。
【0012】
これは、セラミック板とビルドアップ層及び銅めっき層の銅めっき層が厚い場合、積層時にビルドアップ層を硬化させるため高温に保持し、硬化の後冷却すると、セラミック板の熱膨張が比較的小さいのに対し、銅箔の熱膨張が大きく、かつ弾性率が高いため銅箔の収縮しようとする力が働く。
【0013】
このように弾性率の高い銅箔の収縮に対し、ビルドアップ層を介してセラミックも収縮方向に応力が生じる。このときセラミック板の強度により、セラミック板のコーナ部の厚み方向の中央付近よりクラックが生じ、セラミック板の全面に上下に裂けるように割れが生じるというものであり、銅配線が60μm以上の厚み、及び銅配線の占める面積が大きいほど(50%以上)顕著になる。
【0014】
また従来例では、高分子材料が硬化したコア層の開口部にセラミック板を収容し、間を樹脂で充填した構成で、ビルドアップ化した場合、それぞれの熱膨張係数や硬化収縮によって、セラミック板とコア層の境界の反りが生じ、半導体集積回路パッケージ用配線基板として、半導体の実装は問題ないが、半導体集積回路パッケージ用配線基板のマザー基板への実装が困難になる。
【0015】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、このようなセラミック板の割れを防止し、かつ種々の熱ストレスでも基板反りが生じないコア基板を提供することにある。
【0016】
すなわち、次世代のCPUパッケージに代表される半導体集積回路パッケージ用配線基板として、厚い銅を配線材料に使用したコア層であっても、C4(Controlled Collapse Chip Connection)などを代表とする半導体チップの実装に対して、リフロー実装や、その後の熱履歴に対して、安定でそりが変化しないビルドアップ基板を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
そして、この目的を達成するために本発明は、貫通する複数の開口部を有するコア層と、前記複数の開口部に少なくとも1つ以上の貫通スルーホールを有するセラミック基板を勘合する。そしてそのコア層の表裏面に、コア層より弾性率の小さい、少なくともガラス織布と熱硬化樹脂よりなる絶縁層と、さらにその表層に金属箔よりなる配線層を有するハイブリッドコア基板であって、このコア層と絶縁層を貫通する貫通スルーホールと、コア層に勘合したセラミック基板の表裏面に有する前記絶縁層にはバイアホールを有している、ハイブリッドコア基板により、所期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0018】
以上のように本発明は、上記した構成によるハイブリッドコア基板であるので、セラミック基板と配線材である厚い銅箔の熱膨張差と、弾性率の差によって生じるセラミック基板への割れを防止することが可能となる。これはハイブリッドコア層に形成したコア層より弾性率の小さい、少なくともガラス織布と熱硬化樹脂よりなる絶縁層がセラミック基板と、銅箔配線層間に存在することで、セラミック基板の中間層に掛かる応力を緩和することが出来るからである。
【0019】
よってこのハイブリッドコア基板を用いて、更にビルドアアップ化することで、半導体集積回路パッケージ用配線基板が得られ、これにより半導体チップエリアの反りを小さくし、C4による実装等での歩留まりを著しく改善できる。
【0020】
またプリプレグ段階で開口部を設けセラミック基板を勘合させるため、一定の硬化収縮があっても、コア層より弾性率の小さい、少なくとも熱硬化樹脂とガラス織布よりなる絶縁層が存在するため、前記と同様コア基板の反りを小さくすることができ、マザー基板への実装も容易となる。
【0021】
更に、プリプレグの段階で開口部にセラミック基板を勘合し一体化した構成で、絶縁層及び銅箔を積層した後、一括でスルーホールを形成することが可能となり、コア層だけではなくセラミック基板領域も一括スルーホール形成することで、セラミック基板のスルーホール位置が勘合位置精度に影響されず、精度良いスルーホール位置精度が得られる。
【0022】
また、勘合したセラミック基板の領域以外のコア層を個片に加工することで、セラミック基板の切断加工が不要となり、ダイシング加工の加工数量が増大し、低コストが実現できる。
【0023】
加えて、コア層より弾性率の小さい熱硬化樹脂とガラス織布よりなる絶縁層で、部分的にセラミック基板を勘合したコア層と銅箔を接着するので、コア層とセラミック基板の熱膨張差による反りを緩和することができ、且つガラス織布を用いることで多数個を大判サイズで作製することができる。
【0024】
すなわち、500mm×500mm程度の大判サイズで製造しても、ガラス織布が補強材として働き、コア層のセラミック勘合による不連続性を物理的の覆い、均一化し、機械強度的にも一体化させる効果があり、半導体パッケージ用基板を同時に多数個生産することができる。
【0025】
また、前記コア層の開口部に勘合するセラミック基板は、コア層の厚みと略同一のものを利用するが、正確に厚みを一致させる必要はない。これは前記の通り、小さい熱硬化樹脂とガラス織布よりなる絶縁層で積層しているため、絶縁層中の熱硬化樹脂の流動により、段差が有っても均一なハイブリッドコア層が実現できるという効果がある。
【0026】
さらに複数のセラミック基板を勘合したコア層と、コア層より弾性率の小さい熱硬化樹脂とガラス織布よりなる絶縁層および銅箔からなる、ハイブリッドコア層は、従来からのコア層と同様の銅箔で構成されるため、従来のコア層の高周波特性や設計ルールをそのまま利用でき、設計、開発に要する時間ロスが小さいなどの効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施の形態1におけるハイブリッドコア基板のプロセスフローを示す断面図
【図2】本発明の実施の形態1におけるビルドアップ基板のプロセスフローを示す断面図
【図3】半導体パッケージの断面図
【図4】本発明の実施の形態2におけるハイブリッドコア基板のプロセスフローを示す断面図
【図5】本発明の実施の形態3におけるハイブリッドコア基板のプロセスフローを示す断面図
【図6】本発明の実施の形態4におけるハイブリッドコア基板のプロセスフローを示す断面図
【図7】本発明の実施の形態5におけるハイブリッドコア基板のプロセスフローを示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に、本発明の一実施形態を図面とともに詳細に説明する。
【0029】
(実施の形態1)
本発明のハイブリッドコア基板の実施形態1について図1にその製法を示し、さらに本発明のハイブリッドコア基板を利用したビルドアップ基板の製法を図2、さらにこれを適用したLSI半導体集積回路パッケージについて図3の断面図を示す。
【0030】
まず、本発明のLSI半導体パッケージ300について、図3の断面図を用いて説明する。
【0031】
図3に於いて、熱硬化樹脂と補強材からなるセラミック基板301と、セラミック基板301に勘合した貫通スルーホール305を有するセラミック基板302と、そのセラミック基板301の両表面に形成されたガラス織布と熱硬化樹脂よりなる絶縁層303と、さらにその表層に厚い金属箔よりなる配線層304を有し、貫通スルーホール306及び、バイアホール307で構成されたハイブリッドコア基板からなる。
【0032】
さらにその両表面にビルドアップ層308、配線層309が交互に所望の層数積層されたビルドアップ基板で構成され、半導体ベアチップ311をはんだバンプ310を介してC4にて実装されている半導体パッケージを示している。
【0033】
このとき、前記セラミック基板301の表裏面に有する前記絶縁層303の弾性率が、前記セラミック基板301の弾性率より低いことを特徴としている。これによりセラミック基板302と配線材である厚い配線層304の熱膨張差と、弾性率の差によって生じるセラミック基板301への割れを防止することが可能となり、結果として熱履歴に対して基板反りが小さくなることから、半導体ベアチップ311のはんだバンプ310接続が極めて安定となる。
【0034】
次いで、本発明の実施1におけるハイブリッドコア基板の製法について、プロセスフローに則り説明する。
【0035】
図1(a)は、所定の位置に貫通する複数の開口部101を形成した少なくとも熱硬化樹脂と補強材からなるコア層100である。コア層100は例えばガラス織布または、ガラス不織布からなる補強材にエポキシ樹脂などを含浸させたものを利用することができる。このようなコア層の熱硬化樹脂を硬化させたものに、金型による打ち抜きで、所望の位置、大きさで開口部101を設ける。
【0036】
次いで、図2(b)に示したように、貫通スルーホール103を有するセラミック基板102を、前記開口部101に挿入、勘合させる。セラミック基板102は、前記のコア層100と略同一厚みのものを利用できる。
【0037】
ここで本発明の実施形態の構成要素である、セラミック基板102、絶縁層104、銅箔105について、順次説明する。
【0038】
まず、始めに、セラミック基板102について説明する。
【0039】
本実施形態において、複数のセラミック基板102は、何れも、アルミナ粉末を55wt%、ガラス粉末を45wt%の割合で配合したガラス・セラミックの組成物で、シート状の形状のグリーンシートと呼ばれるものを複数枚積層し、加圧し、その後、900℃にて焼成することによって形成した。
【0040】
なお、本実施形態のセラミック基板102においては、六枚のグリーンシートを積層、焼成したものを用いた。セラミック基板102の貫通スルーホール103は、例えば、NCパンチプレス(Numerical Controlパンチプレス)、または炭酸ガスレーザによって孔を形成し、その後、その孔に導体ペーストを充填し、更にその後に、その導体ペーストを焼成する事によって形成する。
【0041】
なお、本実施形態においては、銀(Ag)を導体とする導体ペーストを用いた。積層したグリーンシート毎に穴加工して導体ペーストを充填しても良いし、グリーンシート1枚ごとに穴加工、導体ペーストを充填しても良い。
【0042】
なお、本実施形態のセラミック基板102においては、グリーンシート積層したものを焼成前に更にその両面に、アルミナ粉末とバインダより形成されたグリーンシートを積層、焼成したものを用いた。これによると、900℃では焼結しないアルミナ粉による収縮抑制で、平面方向には焼結収縮せず、厚み方向にのみ収縮するセラミック基板が得られる。
【0043】
最後に両面に残ったアルミナ粉末をブラスト法で除去すると平面方向の寸法精度に優れたセラミック基板が得られる。作製された一枚あたりのセラミック基板は、焼成後、縦110mmx横110mmの正方形状となっているが、開口部101に勘合させるセラミック基板102は、これにダイシング法を用いて、個片に加工したものを用いる。サイズは、25.4mm×25.4mmであり、16枚のセラミック基板102が得られた。
【0044】
次に、絶縁層104について説明する。本実施形態の絶縁層104は、補強材として、直径6um〜9umのガラス繊維を網状に編みこんだガラス織布に、エポキシ樹脂などの熱硬化樹脂を、含浸させた長方形状のものを用いた。
【0045】
なお、この絶縁層104では、前記コア層の弾性率より小さいものを選択している。本発明では、弾性率4GPaのプリプレグを用いた。
【0046】
次に、銅箔105について説明する。
【0047】
本実施形態において、銅箔105は、シート状の形状を有する電解めっき法で作製された、厚さ70umの銅箔をもちいた。前記絶縁層104の接着面は粗化された銅箔表面処理がなされ、反対のコア層表面側は酸化防止のための表面処理がなされる。
【0048】
図1(c)は、セラミック基板102を複数勘合させたコア層100の両表面に、絶縁層104、および銅箔105の順に積層し、加熱加圧により前記の樹脂からなる絶縁層104を硬化させ、コア層100と、勘合したセラミック基板102、及び銅箔105を接着させる。
【0049】
本実施形態においては、上下方向の圧力は0.5MPa、印加した熱の温度は200℃、印加時間1時間で行なった。図1(d)次いで、図1(e)に示したように、コア層100のセラミック基板102が勘合していない部分の所望の位置に、前記絶縁層104、銅箔105を含めて貫通孔107を形成する。また同時に、セラミック基板102が勘合している部分の貫通スルーホール103上の絶縁層104、銅箔105の所望の位置に穴加工を行い加工穴106を設ける。次いで、図1(f)に示したように、貫通孔107、及び加工穴106を含む全面に銅めっきを行う。
【0050】
このとき、貫通孔107の壁面に銅めっき層が形成されて貫通スルーホール109となり、加工穴106には銅めっき充填されたバイアホール110が形成される。
【0051】
最後に図1(g)に示すように、ハイブリッドコア層の両表面をエッチング法により配線パターン111を形成することで、ハイブリッドコア基板120が完成する。
【0052】
このようにして得られたハイブリッドコア基板は、セラミック基板及び、コア層を通して貫通スルーホールが形成されており、高密度な配線が必要な半導体パッケージ用基板に最適である。
【0053】
次いで、図2に本発明のハイブリッドコア基板120を用いたビルドアップ基板のプロセスフローを示すものである。図2(a)は、貫通スルーホール及びバイアホールを有するハイブリッドコア基板120であり、図2(b)は、このハイブリッドコア基板120を用いて、その両表面にビルドアップ積層した構成を示している。
【0054】
ハイブリッドコア基板120の表面にビルドアップ層201、と配線パターン202となる銅箔をラミネートし加熱硬化させる。ビルドアップ層201は、エポキシ樹脂などの熱硬化樹脂し、熱膨張係数の制御のためのSiOなどの無機フィラーを添加したものが利用される。
【0055】
銅箔は、12μm程度の厚みの電解銅箔が利用される。次いで、銅箔を介してビルドアップ層201の所望の位置に炭酸ガスレーザを用いて約100μm直径の加工穴を形成する。
【0056】
その後で、例えばデスミア処理、触媒付与、無電解銅めっき、電解銅めっき処理を行いバイアホール接続が完成する。
【0057】
次に銅めっき層をフォトリソ法によりエッチングして配線パターン202を形成する。図2(c)ではその工程を所望の回数繰返し行うことで、半導体パッケージを多数個作成するためのビルドアップ基板が完成する。
【0058】
最後に、図2(d)に示したように、ビルドアップ基板を個片に切断し、半導体パッケージ用の配線基板200a、200b、200cが完成する。このようにして作製された半導体パッケージに半導体チップをC4実装法で搭載したものが、図3に示すLSI半導体集積回路パッケージである。
【0059】
以上のようなプロセスフローで作製したビルドアップ基板に対して、ハイブリッドコア層の絶縁層の材料選定の際に、発明者らはコア層材料と絶縁層材料の物性について一定の関係があり、特にコア層と絶縁層の弾性率が信頼性に影響を及ぼすことを見出した。
【0060】
一般的にコア層は、基板そりを最小限にするため高い弾性率の基材が選定される。C4などのはんだ金属材料により接合されるため、初期の基板反り及び熱履歴の際の基板そりがあると、金属接合部分に不具合を生じるからである。
【0061】
このような考え方のため、本発明でもコア層の弾性率は、室温から125℃程度まで20GPaの弾性率を有するものを選択した。そして本発明の絶縁層材料として、前記の4GPaの基材を含め、0.5GPa、2GPa、5GPa、8GPa、12GPa、20GPaのエポキシ樹脂及びガラス織布から選定した。
【0062】
エポキシ樹脂は弾性率を変化させるため可トウ性エポキシ樹脂成分を変化させることで得られる。
【0063】
またガラス織布は、ガラス繊維の太さ、織布の編み方の粗密などを利用して選定した。特に弾性率を下げるため、ガラス繊維を43μm径から20、15μm径まで小さくしたものを用いた。
【0064】
その結果、コア層の弾性率に対して、絶縁層の弾性率が8GPa、12GPa、20GPaの場合、勘合したセラミック基板の厚み方向の中間層付近からクラックが生じ、スルーホール導体の断線が生じた。これに対し、5GPa以下の0.5GPa、2GPa、4GPaではセラミック基板のクラックは発生せず、安定な信頼性を有していた。
【0065】
このように銅箔が厚い場合は、絶縁層の弾性率が低いと応力緩和層として機能し、安定なハイブリッドコア層が実現できる。
【0066】
(実施の形態2)
次いで、本発明の実施形態2におけるハイブリッドコア基板の製法について、図4のプロセスフローに基づき説明する。
【0067】
図4(a)は、離型フィルム402に貫通スルーホール400を有するセラミック基板401を位置合わせして張り合わせたものである。
【0068】
離型フィルム402は、熱発泡フィルムなどが利用できる有機フィルムに粘着性のある熱発泡剤が塗布されたもので、この粘着性を利用して各種の被接着物を固定し、剥離したい場合は所定以上の温度で加熱(例えば120℃)すれば、粘着層が発泡して膨らみ、接着した被接着物が剥離されるというものである。この熱発泡フィルムを離型フィルム402として利用し、所定の位置に仮固定する。この状態で永久接着しているのでなく、後に剥離フィルムを剥離するので、仮固定と呼ぶ。
【0069】
以下、貫通スルーホール400を有するセラミック基板401、コア基板、絶縁層、銅箔は、実施の形態1と同じ方法で作製、または準備されたものである。
【0070】
次いで図4(b)のように、未硬化状態のエポキシ樹脂よりなる熱硬化樹脂を補強材としてのガラス織布に含浸させた所定厚みのプリプレグ403を作製し、次いでプリプレグ403を金型による打ち抜き加工で、所望の位置に開口部404を設ける。
【0071】
このようにして作製された開口部404を有するコア層用のプリプレグ403と、セラミック基板401を仮固定した離型フィルム402を、位置合わせして重ね100℃の温度で加熱、0.1MPaの圧力で加圧を行い、セラミック基板401をコア層となるプリプレグ403の開口部に、図4(c)のように挿入・勘合させた。
【0072】
次いで、図4(d)のように複数のセラミック基板401を勘合させたプリプレグ403の離型フィルム402を積層した面の反対面に、プリプレグ403の弾性率より低い、ガラス織布と未硬化状態のエポキシ樹脂による熱硬化樹脂よりなる絶縁層405と、銅よりなる70μm厚みの金属箔406を、100℃の温度で加熱、0.1MPaの圧力で加圧を行い仮積層する。更に、離型フィルム402を120℃で加熱剥離し、代わりにプリプレグ403の弾性率より低い、ガラス織布と未硬化状態のエポキシ樹脂による熱硬化樹脂よりなる絶縁層405と、銅よりなる70μm厚みの金属箔406を、100℃の温度で加熱、0.1MPaの圧力で加圧を行い仮積層する。
【0073】
このようにして得られた積層体を180℃、0.5Mpaの温度圧力で積層し、プリプレグ403及び応力緩和のための絶縁層405を図4(f)のように硬化させる。
【0074】
これにより、プリプレグ403とセラミック基板401及び絶縁層405、更に金属箔406の全てが接着固化される。以降、実施の形態1と同様に、貫通孔407及び、穴加工408を行い、銅めっき処理で貫通スルーホール410、バイアホール411を形成し、エッチングにより配線パターン412を形成することでハイブリッドコア基板420が得られる。
【0075】
このようにして作製されたハイブリッドコア基板420は、プリプレグ403の段階で開口部404を設けセラミック基板401を勘合させるため、一定の硬化収縮があっても、コア層より弾性率の小さい、少なくとも熱硬化樹脂とガラス織布よりなる絶縁層が存在するため、前記と同様コア基板の反りを小さくすることができ、マザー基板への実装も容易となる。
【0076】
また同様にプリプレグ403段階でセラミック基板401を積層するので、プリプレグ403とセラミック基板401に多少厚み差があってもプリプレグ中のエポキシ樹脂の流動により一定の均一厚みに成型される。これによってもハイブリッドコア基板420の平坦性、基板の反りが少なく良好となる。
【0077】
(実施の形態3)
次いで、本発明の実施形態3におけるハイブリッドコア基板の製法について、図5のプロセスフローに則り説明する。
【0078】
図5(a)は、厚さ70μmの銅よりなる金属箔502に、実施の形態1及び2と同じ絶縁層503を予め接着させたものを用い、貫通スルーホール500を有するセラミック基板501を位置合わせして張り合わせたものである。
【0079】
次いで図5(b)のように、未硬化状態のエポキシ樹脂よりなる熱硬化樹脂を補強材としてのガラス織布に含浸させた所定厚みのプリプレグ504を作製し、次いでプリプレグ504を金型による打ち抜き加工で、所望の位置に開口部505を設ける。
【0080】
このようにして作製された開口部505を有するコア層用のプリプレグ504と、セラミック基板501を、位置合わせして重ね100℃の温度で加熱、0.1MPaの圧力で加圧を行い、セラミック基板501をコア層となるプリプレグ504の開口部に埋設させた。
【0081】
次いで、図5(c)のように複数のセラミック基板501を埋設させたプリプレグ504の、金属箔502及び、絶縁層503を積層した面の反対面に、同じく絶縁層503と、70μm厚みの金属箔502を積層し、180℃、0.5Mpaの温度圧力で積層し、プリプレグ504及び応力緩和のための絶縁層503を図5(e)のように硬化させる。
【0082】
このようにして作製された積層体を、実施の形態1と同様に、貫通孔507及び、穴加工508を行い、銅めっき処理で貫通スルーホール510、バイアホール511を形成し、エッチングにより配線パターン512を形成することでハイブリッドコア基板520が得られる。
【0083】
このようにして作製されたハイブリッドコア基板520は、実施の形態2の効果に加えて、工程が簡略化されるので更に低コストであるハイブリッドコア基板が得られる。
【0084】
(実施の形態4)
次いで、本発明の実施形態4におけるハイブリッドコア基板の製法について、図6及び図7に則り説明する。図6、図7は共に、実施の形態1、2、3と異なり貫通スルーホールを形成しないセラミック基板601、701を用い、応力緩和のための低弾性率な絶縁層を積層した後に貫通スルーホールを形成するものである。
【0085】
また図6は、実施形態2と同様、離型フィルム602を用いて作製される形態であり、図7は、離型フィルムを使用せず、金属箔702と絶縁層703を用いてセラミック基板701を固定するものである。
【0086】
そして結果的に、図6及び図7共に、セラミック基板601、701を埋設させたプリプレグ604、704と、その表面に形成した絶縁層603、703、金属箔606、702よりなる積層体を形成する。
【0087】
その後、所望の位置に貫通孔を形成する。貫通孔の形成は、炭酸ガスレーザもしくは、YAGレーザを用いて行われる。セラミック基板601とその両面の絶縁層603、金属箔606を通して貫通する貫通孔607と、セラミック基板601とその両面の絶縁層603、金属箔606を通して貫通する貫通孔608を形成することができる。
【0088】
セラミック基板601を内包する場所については加工性が割るため、レーザの照射回数を増やすことにより同じ径の貫通孔を形成することもできる。また、セラミック基板601とその両面の絶縁層603、金属箔606を通して貫通する貫通孔607だけはドリル加工により行うことも可能である。コア層側の加工性が良いため全体として低コスト化される。
【0089】
このようにして作製された貫通孔607、608に、銅めっきを施し、銅めっき貫通スルーホール610を形成し、最後にフォトリソ法によるエッチング処理で配線パターンを形成することで、ハイブリッドコア基板620が得られる。図7も同様にしてハイブリッドコア基板720が得られる。
【0090】
このようにして作製されたハイブリッドコア基板は、積層後に貫通スルーホールが形成されるため、プリプレグの開口部に埋設するセラミック基板の位置精度が多少ずれても良く、レーザ加工での位置精度に依存して精度を確保できるので、簡易に製造することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明にかかるハイブリッドコア基板は、これを用いた半導体パッケージ用ビルドアップ基板として、熱履歴に対して基板反りが小さく、高い信頼性を有しているため、コンピュータやサーバーなどのCPU等の発熱の大きい半導体集積回路を実装する半導体パッケージ用の基板として有用である。
【符号の説明】
【0092】
100 コア層
101 開口部
102 セラミック基板
103 貫通スルーホール
104 絶縁層
105 銅箔
106 加工穴
107 貫通孔
109 貫通スルーホール
110 バイアホール
111 配線パターン
120 ハイブリッドコア基板
201 ビルドアップ層
202 配線パターン
300 半導体パッケージ
301 セラミック基板
302 セラミック基板
303 絶縁層
304 配線層
305 貫通スルーホール
306 貫通スルーホール
307 バイアホール
308 ビルドアップ層
309 配線層
310 はんだバンプ
311 半導体ベアチップ
400 貫通スルーホール
401 セラミック基板
402 離型フィルム
404 開口部
405 絶縁層
406 金属箔
407 貫通孔
410 貫通スルーホール
411 バイアホール
412 配線パターン
420 ハイブリッドコア基板
500 貫通スルーホール
501 セラミック基板
502 金属箔
503 絶縁層
505 開口部
507 貫通孔
510 貫通スルーホール
511 バイアホール
512 配線パターン
520 ハイブリッドコア基板
601 セラミック基板
602 離型フィルム
603 絶縁層
606 金属箔
607 貫通孔
608 貫通孔
610 貫通スルーホール
620 ハイブリッドコア基板
701 セラミック基板
702 金属箔
703 絶縁層
720 ハイブリッドコア基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
貫通する複数の開口部を有する、少なくとも熱硬化樹脂と補強材からなるコア層と、前記複数の開口部に少なくとも1つ以上の貫通スルーホールを有するセラミック基板を勘合し、前記複数のセラミック基板を勘合した前記コア層の表裏面に、少なくともガラス織布と熱硬化樹脂よりなる絶縁層と、さらにその表層に金属箔よりなる配線層を有するハイブリッドコア基板であって、
前記コア層と、前記コア層の表裏面に有する前記絶縁層を貫通する、ハイブリッドコア基板の表裏を電気的に接続するための複数の貫通スルーホールを有し、
かつ前記コア層に勘合したセラミック基板の表裏面に有する前記絶縁層には、前記セラミック基板の貫通スルーホールに対応した位置に、ハイブリッドコア基板の表裏を電気的に接続するための複数のバイアホールを有し、
さらに、前記コア層の表裏面に有する前記絶縁層の弾性率が、前記コア層の弾性率より低いことを特徴とするハイブリッドコア基板。
【請求項2】
前記コア層の表裏面に形成された前記絶縁層の弾性率が、5GPa以下であることを特徴とする請求項1に記載のハイブリッドコア基板。
【請求項3】
貫通する複数の開口部を有する、少なくとも熱硬化樹脂と補強材からなるコア層と、前記複数の開口部にセラミック基板を勘合し、前記複数のセラミック基板を勘合した前記コア層の表裏面に、少なくともガラス織布と熱硬化樹脂よりなる絶縁層と、さらにその表層に金属箔よりなる配線層を有するハイブリッドコア基板であって、
前記コア層と、前記コア層の表裏面に有する前記絶縁層を貫通する、ハイブリッドコア基板の表裏を電気的に接続するための複数の貫通スルーホールと、前記コア層に勘合したセラミック基板と、その表裏面に有する前記絶縁層を貫通する、ハイブリッドコア基板の表裏を電気的に接続するための複数の貫通スルーホールを有し、
さらに、前記コア層の表裏面に有する前記絶縁層の弾性率が、前記コア層の弾性率より低いことを特徴とするハイブリッドコア基板。
【請求項4】
前記コア層の表裏面に形成された前記絶縁層の弾性率が、5GPa以下であることを特徴とする請求項3に記載のハイブリッドコア基板。
【請求項5】
前記セラミック基板が、その内部に少なくとも1層の配線層を有すること特徴とする請求項1〜4に記載のハイブリッドコア基板。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のハイブリッドコア基板の、少なくとも片面に層間樹脂層及び電極層を交互に積層したビルドアップ層を備えることを特徴とするビルドアップ基板。
【請求項7】
請求項6に記載のビルドアップ基板の、
前記コア層に勘合したセラミック基板と略同一サイズの半導体チップを、前記ビルドアップ層表面の前記コア層に勘合したセラミック基板の略同一位置に、フリップチップ実装されていることを特徴とする半導体集積回路パッケージ。
【請求項8】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のハイブリッドコア基板の製造方法であって、
少なくとも熱硬化樹脂と補強材からなるコア層の所望の位置に複数の開口部を設ける開口部形成工程と、
前記コア層に設けた複数の開口部に、前記コア層と略同一厚みで、少なくとも1つ以上の貫通スルーホールを有するセラミック基板を勘合させる勘合工程と、
複数のセラミック基板を勘合させた前記コア基板の表裏面に、少なくともガラス織布と熱硬化樹脂よりなる絶縁層と金属箔を、金属箔が表面になるように積層する積層工程と、
前記コア層に勘合したセラミック基板以外の場所に、貫通孔を設ける貫通孔形成工程と、
前記コア層に勘合したセラミック基板に形成された貫通スルーホールの場所には、前記絶縁層にバイアホールを設けるバイアホール形成工程と、
前記貫通孔と、バイアホールに銅めっきを行うめっき工程と、
前記絶縁層表面の配線層にパターン形成を行うパターン形成工程と、
を含むハイブリッドコア基板の製造方法。
【請求項9】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のハイブリッドコア基板の製造方法であって、
複数のセラミック基板を固定するための剥離フィルムと複数のセラミック基板を準備する準備工程と、
前記剥離フィルムの所定の位置に、前記セラミック基板を所定の位置に位置合わせして仮固定する仮固定工程と、
未硬化状態の熱硬化樹脂を補強材に含浸させた所定厚みのプリプレグに金型による打ち抜きで複数の開口部を設ける開口工程と、
前記複数のセラミック基板を仮固定した離型フィルムと、前記複数の開口部を有するプリプレグを重ね合わせて、前記プリプレグの開口部にセラミック基板を埋設する埋設工程と、
前記離型フィルムを積層したプリプレグの反対面に、ガラス織布と未硬化状態の熱硬化樹脂よりなる絶縁層と、金属箔を積層する積層工程と、
前記離型フィルムを剥離したプリプレグ面に、ガラス織布と未硬化状態の熱硬化樹脂よりなる絶縁層と、金属箔を積層する積層工程と、
加熱加圧により、前記プリプレグと、前記絶縁層を硬化させる硬化工程と、
前記コア層に勘合したセラミック基板以外の場所に、貫通孔を設ける貫通孔形成工程と、
前記コア層に勘合したセラミック基板に形成された貫通スルーホールの場所には、前記絶縁層にバイアホールを設けるバイアホール形成工程と、
前記貫通孔と、バイアホールに銅めっきを行うめっき工程と、
前記絶縁層表面の配線層にパターン形成を行うパターン形成工程と、
を含むハイブリッドコア基板の製造方法。
【請求項10】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のハイブリッドコア基板の製造方法であって、
複数のセラミック基板を固定するための金属箔と、ガラス織布と未硬化状態の熱硬化樹脂よりなる絶縁層と、複数の貫通スルーホールを有するセラミック基板を準備する準備工程と、
前記金属箔に前記絶縁層を積層する絶縁層積層工程と、
前記金属箔に積層した前記絶縁層の所定の位置に、前記セラミック基板を所定の位置に位置合わせして仮固定する仮固定工程と、
未硬化状態の熱硬化樹脂を補強材に含浸させた所定厚みのプリプレグに金型による打ち抜きで複数の開口部を設ける開口工程と、
前記複数のセラミック基板を仮固定した前記金属箔に積層した絶縁層に、前記複数の開口部を有するプリプレグを重ね合わせて、前記プリプレグの開口部にセラミック基板を埋設する埋設工程と、
前記金属箔を積層したプリプレグの反対面に、ガラス織布と未硬化状態の熱硬化樹脂よりなる絶縁層と、金属箔を積層する積層工程と、
加熱加圧により、前記プリプレグと、前記絶縁層を硬化させる硬化工程と、
前記コア層に勘合したセラミック基板以外の場所に、貫通孔を設ける貫通孔形成工程と、
前記コア層に勘合したセラミック基板に形成された貫通スルーホールの場所には、前記絶縁層にバイアホールを設けるバイアホール形成工程と、
前記貫通孔と、バイアホールに銅めっきを行うめっき工程と、
前記絶縁層表面の配線層にパターン形成を行うパターン形成工程と、
を含むハイブリッドコア基板の製造方法。
【請求項11】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のハイブリッドコア基板の製造方法であって、
複数のセラミック基板を固定するための剥離フィルムと、複数のセラミック基板を準備する準備工程と、
離型フィルムの所定の位置に、前記複数のセラミック基板を所定の位置に位置合わせして仮固定する仮固定工程と、
未硬化状態の熱硬化樹脂を補強材に含浸させた所定厚みのプリプレグに金型による打ち抜きで複数の開口部を設ける開口工程と、
前記複数のセラミック基板を仮固定した前記離型フィルムに、前記複数の開口部を有するプリプレグを重ね合わせて、前記プリプレグの開口部にセラミック基板を埋設する埋設工程と、
前記離型フィルムを積層したプリプレグの反対面に、ガラス織布と未硬化状態の熱硬化樹脂よりなる絶縁層と、銅よりなる金属箔を積層する積層工程と、
前記離型フィルムを剥離し、前記剥離した離型フィルムの代わりにガラス織布と未硬化状態の熱硬化樹脂よりなる絶縁層と、銅よりなる金属箔を積層する積層工程と、
加熱加圧により、前記プリプレグと、前記絶縁層を硬化させる硬化工程と、
前記硬化工程で形成された、前記セラミック基板を勘合したコア層と、前記絶縁層及び銅よりなる前記金属箔に、所望の貫通孔を設ける貫通孔形成工程と、
前記貫通孔に銅めっきを行うめっき工程と、
前記絶縁層表面の配線層にパターン形成を行うパターン形成工程と、
を含むハイブリッドコア基板の製造方法。
【請求項12】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のハイブリッドコア基板の製造方法であって、
複数のセラミック基板を固定するための金属箔と、ガラス織布と未硬化状態の熱硬化樹脂よりなる絶縁層と、複数のセラミック基板を準備する準備工程と、
前記金属箔に前記絶縁層を積層する絶縁層積層工程と、
前記金属箔に積層した前記絶縁層の所定の位置に、前記セラミック基板を所定の位置に位置合わせして仮固定する仮固定工程と、
未硬化状態の熱硬化樹脂を補強材に含浸させた所定厚みのプリプレグに金型による打ち抜きで複数の開口部を設ける開口工程と、
前記複数のセラミック基板を仮固定した前記金属箔に積層した絶縁層に、前記複数の開口部を有するプリプレグを重ね合わせて、前記プリプレグの開口部にセラミック基板を埋設する埋設工程と、
前記金属箔を積層したプリプレグの反対面に、ガラス織布と未硬化状態の熱硬化樹脂よりなる絶縁層と、金属箔を積層する積層工程と、
加熱加圧により、前記プリプレグと、前記絶縁層を硬化させる硬化工程と、
前記硬化工程で形成された、前記セラミック基板を勘合したコア層と、前記絶縁層及び銅よりなる前記金属箔に、所望の貫通孔を設ける貫通孔形成工程と、
前記貫通孔に銅めっきを行うめっき工程と、
前記絶縁層表面の配線層にパターン形成を行うパターン形成工程と、
を含むハイブリッドコア基板の製造方法。
【請求項13】
前記バイアホールが、導電性ペーストの充填により行われることを特徴とする、請求項8〜10のいずれか1項に記載のハイブリッドコア基板の製造方法。
【請求項14】
請求項9〜12のいずれか1項に記載の前記ハイブリッドコア基板をさらに、
前記ハイブリッドコア基板の少なくとも片面に、層間樹脂層を形成する層間樹脂層形成工程と、
前記層間樹脂層にバイアホール形成を行うバイアホール形成工程と、
さらに前記表層に電極層を形成する配線形成工程と、
前記バイアホール工程と、前記配線形成工程を所望の回数繰返しビルドアップ層を形成する工程と、
を含むことを特徴とするビルドアップ基板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−74536(P2012−74536A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−218177(P2010−218177)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】