説明

多層配線板の製造方法

【課題】絶縁基板1の厚さを厚くしなくても捨て板2の強度を向上させることができ、プレス加工時に本体部分3に余分な応力が印加されないようにすることができる多層配線板の製造方法を提供する。
【解決手段】絶縁基板1のうち捨て板2を構成する部分に第1の貫通孔13aを形成する。そして、第1の貫通孔13aが連通されるように複数の絶縁基板1を積層して第1の収容孔6を形成すると共に、第1の収容孔6に補強板7を配置する。その後、熱プレス加工により対向する絶縁基板1間および複数の絶縁基板1と補強板7とを接着する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リフロー時の反りを低減することのできる多層配線板の製造方法に関し、特に熱可塑性樹脂で構成された絶縁基板を用いた多層配線板の製造方法に適用すると好適である。
【背景技術】
【0002】
従来より、多層配線板に部品を搭載し、多層配線板と部品とをリフロー工程によりはんだ付けする場合に、リフロー工程時の熱により多層配線板に反りや撓みが生じるという問題がある。そして、多層配線板に反りや撓みが生じると、部品の位置ずれや、隣接するはんだ同士が接続されてしまうはんだブリッジ等が起こる原因となる。
【0003】
そこで、例えば、特許文献1において、多層配線板を、製品となる本体部分と、本体部分の外側に配置され、リフロー工程の後に除去される捨て板とを有した構成とし、捨て板に補強板を埋め込んでリフロー工程時の熱による反りや撓みを防止することが開示されている。
【0004】
このような多層配線板は、熱硬化性樹脂やガラスなどで構成された絶縁基板が積層されることで構成されており、捨て板を構成する各絶縁基板の間に補強板を挟みこんでプレス加工されることにより製造される。具体的には、対向する絶縁基板のうち補強板を挟み込む部分には凹部が形成されており、凹部に補強板が配置されるようにプレス加工される。
【特許文献1】特開2003−152289号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1の多層配線板の製造方法では、対向する絶縁基板の間に補強板を挟み込んでプレス加工されることにより製造されるため、補強板の厚さと補強板が配置される凹部の深さとを正確に制御しなければならないという問題がある。そして、補強板の厚さが凹部の深さより大きい場合には、プレス加工時に本体部分に余分な応力が印加されて本体部分に歪み等が生じることがある。このため、本体部分には歪み等による残留応力が発生し、リフロー工程後に残留応力によりはんだ等が剥離してしまう可能性があるという問題がある。
【0006】
また、補強板は、対向する絶縁基板の間に挟み込んでプレス加工されることにより凹部に配置されるため、捨て板の強度は凹部の深さに依存することになる。このため、捨て板の強度を上げるには、凹部の深さを深くしなければならず、つまり、絶縁基板の厚さを厚くしなければならないという問題がある。
【0007】
本発明は上記点に鑑みて、絶縁基板の厚さを厚くしなくても捨て板の強度を向上させることができ、プレス加工時に本体部分に余分な応力が印加されないようにできる多層配線板の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、絶縁基板(1)を熱可塑性樹脂で構成し、積層体を構成する複数の絶縁基板(1)のうち少なくとも一部に対して、その絶縁基板(1)における捨て板(2)を構成する部分に第1の貫通孔(13a)を形成する工程と、第1の貫通孔(13a)が連通されるように複数の絶縁基板(1)を積層することにより第1の収容孔(6)を形成すると共に、第1の収容孔(6)に補強板(7)を配置する工程と、積層した複数の絶縁基板(1)を熱プレスすることにより、対向する絶縁基板(1)間および複数の絶縁基板(1)と補強板(7)とを接着する工程と、を含むことを特徴とする。
【0009】
このような多層配線板の製造方法によれば、熱プレスにより複数の対向する絶縁基板(1)間を同時に接続している。このため、従来の多層配線板のように、絶縁基板(1)間に補強板(7)を挟み込んでプレス加工する工程を繰り返すことで多層配線板を形成する場合と比較して、本実施形態では本体部分(3)に余分な応力が印加されることを抑制することができる。
【0010】
さらに、第1の貫通孔(13a)が連通されるように絶縁基板(1)を配置することで第1の収容孔(6)を形成し、この第1の収容孔(6)に補強板(7)を配置しているので、複数の絶縁基板(1)を跨いで補強板(7)を配置することができ、絶縁基板(1)の厚さを厚くしなくても捨て板(2)の強度を向上させることができる。
【0011】
また、請求項2に記載の発明のように、第1の貫通孔(13a)を形成する工程では、本体部分(3)の外側を一周する第1の貫通孔(13a)を形成し、補強板(7)を配置する工程では、第1の貫通孔(13a)と同じ形状の補強板(7)を配置することができる。
【0012】
さらに、請求項3に記載の発明のように、積層体のうち積層方向において最も外側に位置する絶縁基板(1)のうちの一方を積層体の最表面を構成する絶縁基板(1)とし、他方を積層体の最下面を構成する絶縁基板(1)とすると、積層体の最表面を構成する絶縁基板(1)における捨て板(2)を構成する部分のうち、第1の貫通孔(13a)と対向する部分にビアホール(15)を形成すると共に、ビアホール(15)内に金属材料を配置してビア(11)を形成する工程と、積層体の最下面を構成する絶縁基板(1)における捨て板(2)を構成する部分のうち、第1の貫通孔(13a)と対向する部分に、ビアホール(15)を形成すると共に、ビアホール(15)内に金属材料を配置してビア(11)を形成する工程と、積層体の最表面を構成する絶縁基板(1)の表面にビアホール(15)が覆われるようにランド(10)を形成する工程と、積層体の最下面を構成する絶縁基板(1)の裏面にビアホール(15)が覆われるようにランド(10)を形成する工程と、を含み、熱プレス工程では、補強板(7)とランド(10)とをビア(11)を介して機械的に接続するようにすることができる。
【0013】
このような多層配線板の製造方法によれば、補強板(7)がランド(10)にビア(11)を介して機械的に接続されているので、捨て板(2)の強度をさらに向上させることができる。
【0014】
また、請求項4に記載の発明のように、第1の貫通孔(13a)を形成する工程では、積層体を構成する複数の絶縁基板(1)のうち少なくとも一部に対して、その絶縁基板(1)における本体部分(3)を構成する部分に第2の貫通孔(13b)を同時に形成する工程を含み、第1の収容孔(6)を形成する工程では、第2の貫通孔(13b)が連通されるように複数の絶縁基板(1)を積層することにより第2の収容孔(8)を形成する工程を含み、第2の収容孔(8)に電子部品(9)を配置する工程を含んでいてもよい。
【0015】
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
(第1実施形態)
本発明の一実施形態を適用した多層配線板の製造方法について説明する。図1は本実施形態の製造方法により製造した多層配線板の断面図、図2は図1に示した多層配線板の上面レイアウトを示す図である。これら図1および図2に基づいて本実施形態の多層配線板の構造について説明する。
【0017】
図1に示されるように、本実施形態の製造方法により製造された多層配線板は、絶縁基板1が複数積層された積層体を有した構成とされている。絶縁基板1は熱可塑性樹脂で構成されており、例えば、325℃に融点を有するLCP(液晶ポリマー)を用いることができる。また、積層体は、その外縁部が捨て板2を構成しており、捨て板2の内側が本体部分3を構成している。捨て板2は、本体部分3に部品をリフロー工程等により取り付けた後に、本体部分3から切り取られる部分であり、本体部分3は部品がリフロー工程等により取り付けられることで製品となる部分である。このため、図2に示されるように、捨て板2と本体部分3との間には、リフロー工程の後に捨て板2と本体部分3とを分離しやすくするためにスリット4が形成されており、捨て板2と本体部分3とはカット板5により接続されている。
【0018】
また、図1および図2に示されるように、捨て板2の内部には、本体部分3の外側を一周する第1の収容孔6が形成されており、第1の収容孔6にはLCPより融点の高い材質、例えば、1084℃に融点を有する銅で構成された補強板7が配置されている。また、本体部分3の内部には、第2の収容孔8が形成されており、第2の収容孔8には電子部品9が配置されている。
【0019】
さらに、積層体の最表面を構成する絶縁基板1、つまり本発明の積層体のうち積層方向において最も外側に位置する絶縁基板1のうちの一方の絶縁基板1のうち、本体部分3となる部分の表面にはランド10が形成されており、内部にはランド10と電気的に接続されるビア11が形成されている。
【0020】
また、積層体の最下面を構成する絶縁基板1、つまり本発明の積層体のうち積層方向において最も外側に位置する絶縁基板1のうちの他方の絶縁基板のうち、本体部分3となる部分の裏面にはランド10が形成されており、内部にはランド10と電気的に接続されるビア11が複数形成されている。そして、電子部品9とランド10とが複数のビア11の一部を介して電気的に接続されている。
【0021】
また、これら積層体の最下面を構成する絶縁基板1と最表面を構成する絶縁基板1との間に位置する絶縁基板1には、配線12が形成されていると共に、内部に配線12と電気的に接続されるビア11が形成されており、各絶縁基板1に形成されたそれぞれの配線12がビア11を介して電気的に接続されている。
【0022】
次に、本実施形態の多層配線板の製造方法について説明する。
【0023】
図3および図4は本実施形態にかかる多層配線板の製造工程を示す断面図である。
【0024】
まず、図3(a)に示されるように、絶縁基板1の表面に蒸着等により銅箔膜を成膜し、エッチング等を行うことで配線12を形成する。そして、図3(b)に示されるように、積層体を構成する絶縁基板1のうち一部の絶縁基板1に対して、補強板7を配置する部分に第1の貫通孔13aを形成し、電子部品9を配置する部分に第2の貫通孔13bを形成する。これら、第1の貫通孔13aおよび第2の貫通孔13bはレーザ等により形成される。また、第1の貫通孔13aは、絶縁基板1のうち、本体部分3を構成する部分の外側を一周するように形成されるため、絶縁基板1が第1の貫通孔13aを境に外縁部5aと外縁部5aの内側(以下、内縁部5bという)とに分離される。
【0025】
続いて、図3(c)に示されるように、絶縁基板1の表面および裏面に保護ラミネート14を配置する。その後、図3(d)に示されるように、絶縁基板1の裏面からレーザ等により配線12まで達するビアホール15を形成し、図3(e)に示されるように、ビアホール15にAgやSn等の金属ペーストを配置してビア11を形成する。そして、図3(f)に示されるように、絶縁基板1から保護ラミネート14を取り外す。
【0026】
続いて、図4(a)に示されるように、絶縁基板1を順次積層する。具体的には、まず積層体の最下面となる絶縁基板1を用意する。この最下面となる絶縁基板1は、配線12、第1の貫通孔13aおよび第2の貫通孔13bを形成すること以外に関しては、上記図3の製造方法とほとんど同様である。最下面となる絶縁基板1は、図3(d)の工程において、ビアホール15を形成する場合に、絶縁基板1のうち、電子部品9と対向する部分にも同様にビアホール15を形成すると共に、それぞれのビアホール15に金属ペーストを配置してビア11を形成し、ビアホール15を覆うようにランド10を配置することで製造される。
【0027】
そして、この最下面となる絶縁基板1の表面に、上記図3(f)の工程まで行った絶縁基板1を配置する。絶縁基板1を配置する際には、絶縁基板5のうち、外縁部5aの内側の端部と、内縁部5bの外側の端部とにより第1の貫通孔13aが形成されるように絶縁基板1を配置する。そして、第1の貫通孔13aおよび第2の貫通孔13bが連通されるように複数の絶縁基板1を順次積層し、第1の貫通孔13を連通させることにより第1の収容孔6を形成し、第2の貫通孔13bを連通させることにより第2の収容孔8を形成する。その後、積層した絶縁基板1の位置ずれを防止するために、約200℃、2Mpaで10分間の仮プレスを行い、対応する絶縁基板1間を仮接着する。
【0028】
その後、図4(b)に示されるように、第1の収容孔6に第1の収容孔6と同じ形状の補強板7を配置し、第2の収容孔8に電子部品9を配置する。
【0029】
続いて、図4(c)に示されるように、積層した絶縁基板1の表面に最表面となる絶縁基板1を配置する。そして、約320℃、4MPaで一括熱プレスを行うことにより対応する絶縁基板1間を接続させると共に、複数の絶縁基板1と補強板7とを接続し、ビア11と電子部品9、ランド10および配線12とを拡散接合により電気的に接続させる。なお、この最表面となる絶縁基板1は、電子部品9と電気的に接続されるビア11を構成する工程以外は最下面となる絶縁基板1と同様に製造される。
【0030】
最後に、図4(d)に示されるように、カッター等によりスリット4を形成して捨て板2と本体部分3とがカット板5で接続されるようにする。
【0031】
このような多層配線板によれば、捨て板2に補強板7が配置されているので、製品部分1に部品をリフロー工程等により取り付ける際に、製品部分1が反ることを防止できる。
【0032】
また、従来の多層配線板では、捨て板2の強度を上げるためには、対向する絶縁基板1間の複数箇所にそれぞれ凹部を形成して補強板7を配置しなければならないが、本実施形態では、補強板7の厚さを変更することで捨て板2の強度を変更させることができ、補強板7が配置される部分は1箇所のみでよい。このため、補強板7と補強板7が配置される部分の大きさに誤差がある場合においても、本実施形態では1箇所のみの誤差でよいため、従来の多層配線板よりも本体部分に余分な応力が印加されることを抑制することができる。
【0033】
さらに、本実施形態では、補強板7を配置する第1の収容孔6を第1の貫通孔13aにより形成している。このため、従来の多層配線板のように補強板7を配置する部分にトレンチによる凹部を形成する場合と比較すると、本実施形態では、第1の貫通孔13aの深さは絶縁基板1の厚みによって一義的に決まり、トレンチを形成する場合のように深さのバラつきが起きないため、従来の多層配線板より補強板7と補強板7を配置する部分との大きさのバラつきを小さくすることができる。
【0034】
また、本実施形態の多層配線板の製造方法では、熱プレスにより複数の対向する絶縁基板1間を同時に接続している。このため、従来の多層配線板のように、絶縁基板1間に補強板7を挟み込んでプレス加工する工程を繰り返すことで多層配線板を形成する場合と比較して、本実施形態では本体部分3に余分な応力が印加されることを抑制することができる。
【0035】
さらに、第1の貫通孔13aが連通されるように絶縁基板1を配置することで第1の収容孔6を形成し、この第1の収容孔6に補強板7を配置しているので、複数の絶縁基板1を跨いで補強板7を配置することができ、絶縁基板1の厚さを厚くしなくても捨て板2の強度を向上させることができる。
【0036】
また、本実施形態では、絶縁基板1に熱可塑性樹脂を用いているので、捨て板と本体部分3とを分離した後に、捨て板2に再び熱を加えることにより捨て板2と補強板7とを分離することができ、どちらもリサイクルすることができるのでコストの増加を抑えることもできる。
【0037】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態の多層配線板の製造方法は第1実施形態に対して、積層体のうち最表面および最下面を構成する絶縁基板1の構成を変更したものであり、その他に関しては第1実施形態と同様であるのでここでは説明を省略する。
【0038】
図5は本実施形態の多層配線板の製造方法により製造された多層配線板の断面図である。図5に示されるように、本実施形態の多層配線板は、積層体の最下面を構成する絶縁基板1のうち、捨て板2を構成する部分の裏面にランド10が形成されており、内部にビア11が形成されている。また、最表面を構成する絶縁基板1のうち、捨て板2を構成する部分の表面にランド10が形成されており、内部にビア11が形成されている。そして、補強板7は、最表面および最下面を構成する絶縁基板1に形成されたビア11を介してそれぞれのランド10と機械的に接続されている。
【0039】
このような多層配線板は、まず、最下面および最表面となる絶縁基板1を製造する際に、上記の最下面および最表面となる絶縁基板1の製造方法に加えて、絶縁基板1のうち、第1の貫通孔13aと対応する部分にもビアホール15を形成すると共に、ビアホール15に金属ペーストを配置してビア11を形成する。そして、このビアホール15を覆うようにランド10を新たに形成することで最下面および最表面となる絶縁基板1が製造される。続いて、一括熱プレスを行う工程において、補強板7とランド10とをビア11を介して機械的に接続すればよい。
【0040】
このような多層配線板の製造方法によれば、補強板7とランド10とがビア11を介して機械的に接続されているので、捨て板2の強度をさらに向上させることができ、上記第1実施形態よりリフロー工程時の反りを防止することができる。なお、本実施形態では、補強板7の表面をSnめっきなどにより表面処理をしておくことが好ましい。
【0041】
(他の実施形態)
上記第第1実施形態では、積層体の最表面および最下面を構成する絶縁基板1には補強板7が配置されていない構成を例に挙げて説明したが、もちろん補強板7が最表面および最下面を構成する絶縁基板1にまで配置されている構成としてもよく、補強板7の厚さは適宜変更可能である。
【0042】
また、上記各実施形態では、多層配線板の内部に電子部品9を搭載する構成としているが、電子部品9を搭載しない構成としてもよい。
【0043】
さらに、上記各実施形態では、補強板7が本体部分の外側を一周するように配置された例を挙げて説明したが、補強板7の形状はもちろんこれに限定されるものではない。例えば、本体部分3が四角形状で構成されている場合には、外側を囲む捨て板2のうち、対向する二辺にのみ補強板7を配置する構成とすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる多層配線板の断面図を示す図である。
【図2】図1に示す多層配線板の上面レイアウトを示す図である。
【図3】図1に示す多層配線板の製造方法を示す図である。
【図4】図1に示す多層配線板の製造方法を示す図である。
【図5】本発明の第2実施形態にかかる多層配線板の断面図を示す図である。
【符号の説明】
【0045】
1 絶縁基板
2 捨て板
3 本体部分
6 第1の収容孔
7 補強板
8 第2の収容孔
9 電子部品
10 ランド
11 ビア


【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁基板(1)を複数積層することで積層体を構成し、前記積層体のうち、外縁部を製品外の捨て板(2)とすると共に、前記捨て板(2)の内側を製品を構成する本体部分(3)とし、前記捨て板(2)に補強板(7)を備えた構成とすることにより、前記積層体を熱プレスした後に前記本体部分(3)に部品を搭載する際に前記本体部分(3)が反ることを防止し、前記本体部分(3)に前記部品を搭載した後に前記捨て板(2)を前記本体部分(3)から分離して前記本体部分(3)を構成する多層配線板の製造方法であって、
前記絶縁基板(1)を熱可塑性樹脂で構成し、前記積層体を構成する複数の前記絶縁基板(1)のうち少なくとも一部に対して、その絶縁基板(1)における前記捨て板(2)を構成する部分に第1の貫通孔(13a)を形成する工程と、
前記第1の貫通孔(13a)が連通されるように複数の前記絶縁基板(1)を積層することにより第1の収容孔(6)を形成すると共に、前記第1の収容孔(6)に前記補強板(7)を配置する工程と、
積層した複数の前記絶縁基板(1)を熱プレスすることにより、対向する前記絶縁基板(1)間および複数の前記絶縁基板(1)と前記補強板(7)とを接着する工程と、を含むことを特徴とする多層配線板の製造方法。
【請求項2】
前記第1の貫通孔(13a)を形成する工程では、前記本体部分(3)の外側を一周するように前記第1の貫通孔(13a)を形成し、
前記補強板(7)を配置する工程では、前記第1の収容孔(6)と同じ形状の前記補強板(7)を配置することを特徴とする請求項1に記載の多層配線板の製造方法。
【請求項3】
前記積層体のうち積層方向において最も外側に位置する絶縁基板(1)のうちの一方を前記積層体の最表面を構成する前記絶縁基板(1)とし、他方を前記積層体の最下面を構成する前記絶縁基板(1)とすると、
前記積層体の最表面を構成する前記絶縁基板(1)における前記捨て板(2)を構成する部分のうち、前記第1の貫通孔(13a)と対向する部分にビアホール(15)を形成すると共に、前記ビアホール(15)内に金属材料を配置してビア(11)を形成する工程と、
前記積層体の最下面を構成する前記絶縁基板(1)における前記捨て板(2)を構成する部分のうち、前記第1の貫通孔(13a)と対向する部分に、前記ビアホール(15)を形成すると共に、前記ビアホール(15)内に金属材料を配置して前記ビア(11)を形成する工程と、
前記積層体の最表面を構成する前記絶縁基板(1)のうち表面に前記ビアホール(15)が覆われるようにランド(10)を形成する工程と、
前記積層体の最下面を構成する前記絶縁基板(1)のうち前記裏面に前記ビアホール(15)が覆われるように前記ランド(10)を形成する工程と、を含み、
前記熱プレス工程では、前記補強板(7)と前記ランド(10)とを前記ビア(11)を介して機械的に接続することを特徴とする請求項1または2に記載の多層配線板の製造方法。
【請求項4】
前記第1の貫通孔(13a)を形成する工程では、前記積層体を構成する複数の前記絶縁基板(1)のうち少なくとも一部に対して、その絶縁基板(1)における前記本体部分(3)を構成する部分に第2の貫通孔(13b)を同時に形成する工程を含み、
前記第1の収容孔(6)を形成する工程では、前記第2の貫通孔(13b)が連通されるように複数の前記絶縁基板(1)を積層することにより第2の収容孔(8)を形成する工程を含み、
前記第2の収容孔(8)に電子部品(9)を配置する工程を含んでいることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の多層配線板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−212417(P2009−212417A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−55880(P2008−55880)
【出願日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】