説明

産業用ロボット

【課題】小型化が可能でかつパスラインを低くすることが可能な産業用ロボットを提供する。
【解決手段】産業用ロボット1は、本体部3と、第1アーム4と、第2アーム5と、第3アーム6と、本体部3と第1アーム4とを繋ぐ第1減速機21と、第1アーム4と第2アーム5とを繋ぐ第2減速機22と、第1減速機21の入力軸25と第2減速機22の入力軸32とを連結する連結機構23と、第3アーム6を回転駆動する第2駆動用モータ40とを備えている。産業用ロボット1では、第2アーム5と第3アーム6とを繋ぐ第3関節部の移動軌跡が直線状となるように、第1減速機21の減速比および第2減速機22の減速比が設定されるとともに、連結機構23が所定の速比で入力軸25と入力軸32とを連結している。また、第2駆動用モータ40は、第2アーム5の、第3関節部よりも先端側に、かつ、第1アーム4側へ突出するように第2アーム5に取り付けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の関節部を有する多関節型の産業用ロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体ウエハ等のワークを搬送する産業用ロボットとして、基台と、リンク機構と、アーム部と、ハンド部とから構成された産業用ロボットが知られている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の産業用ロボットでは、リンク機構は、基台に回動可能に取り付けられる基台側リンク部と、基台側リンク部に回動可能に取り付けられるアーム部側リンク部とを備えている。
【0003】
基台側リンク部は、基台に内蔵されたリンク機構モータに回動可能に保持されている。また、基台側リンク部には、基台に固定される基台側プーリと、アーム部側リンク部に固定されるアーム部側プーリと、基台側プーリとアーム部側プーリとに架け渡されるベルトとが内蔵されている。この産業用ロボットでは、基台側プーリとアーム部側プーリとは、その径の比が2:1となるように形成されており、リンク機構モータが回動すると、アーム部側リンク部の先端側は、直線動作を行うように構成されている。
【0004】
また、この産業用ロボットでは、アーム部は、アーム部側リンク部の先端側に回転可能に取り付けられている。このアーム部は、アーム部側リンク部に内蔵されたアーム部モータに連結されている。アーム部モータは、上下方向を回転軸の方向としてアーム部側リンク部に内蔵されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−152490号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の産業用ロボットでは、基台側プーリの径とアーム部側プーリの径との比が2:1となっている。また、基台側プーリとアーム部側プーリとに架け渡されるベルトには、アーム部側リンク部、アーム部およびハンド部の負荷がかかる。そのため、基台側リンク部の内部に配置される基台側プーリ、アーム部側プーリおよびベルトが大型化しやすい。したがって、この産業用ロボットでは、基台側リンク部が大型化しやすくなり、その結果、産業用ロボットが大型化しやすくなる。
【0007】
また、この産業用ロボットでは、アーム部モータが上下方向を回転軸の方向としてアーム部側リンク部に内蔵されているため、アーム部側リンク部が厚くなる。そのため、この産業用ロボットでは、ハンド部の高さが高くなりやすく、ロボットがアクセス可能な最低高さ(パスライン)が高くなるおそれがある。
【0008】
そこで、本発明の課題は、小型化が可能でかつパスラインを低くすることが可能な産業用ロボットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、本発明の産業用ロボットは、本体部と、その基端側が本体部に回動可能に取り付けられる第1アームと、その基端側が第1アームの先端側に回動可能に取り付けられる第2アームと、その基端側が第2アームの先端側に回転可能に取り付けられる先端側動作部と、本体部と第1アームとを繋ぐ第1関節部を構成する第1減速機と、第1アームと第2アームとを繋ぐ第2関節部を構成する第2減速機と、第2アームと先端側動作部とを繋ぐ第3関節部と、第1減速機の入力軸である第1入力軸と第2減速機の入力軸である第2入力軸とを連結するとともに第1アームの内部に配置される連結機構と、第1入力軸に連結される第1駆動用モータと、先端側動作部を回転駆動する第2駆動用モータとを備え、第3関節部の移動軌跡が直線状となるように、第1減速機の減速比および第2減速機の減速比が設定されるとともに、連結機構が所定の速比で第1入力軸と第2入力軸とを連結し、第2駆動用モータは、第2アームの、第3関節部よりも先端側に、かつ、第1アーム側へ突出するように第2アームに取り付けられていることを特徴とする。
【0010】
本発明の産業用ロボットでは、第2駆動用モータは、第2アームの、第3関節部よりも先端側に、かつ、第1アーム側へ突出するように第2アームに取り付けられている。そのため、第2アームの、第2関節部と第3関節部との間に第2駆動用モータが内蔵される場合と比較して、第2アームを薄くすることが可能になる。したがって、本発明では、産業用ロボットのパスラインを低くすることが可能になる。
【0011】
また、本発明では、連結機構は、第1減速機の入力軸である第1入力軸と第2減速機の入力軸である第2入力軸とを連結している。そのため、連結機構にかかる負荷を小さくすることが可能になる。したがって、第1アームの内部に配置される連結機構を小型化することが可能になり、第1アームを小型化することが可能になる。また、第1アームを小型化することが可能になるため、第1アーム側へ突出するように第2駆動用モータが第2アームに取り付けられていても、第2アームを大型化させることなく、第1アームと第2駆動用モータとの干渉を防止することが可能になる。すなわち、本発明では、第1アーム側へ突出するように第2駆動用モータが第2アームに取り付けられていても、第1アームと第2駆動用モータとの干渉を防止しつつ、第2アームを小型化することが可能になる。このように、本発明では、第1アームおよび第2アームを小型化することが可能になる。また、本発明では、上述のように、第2アームを薄くすることが可能になる。したがって、本発明では、産業用ロボットを小型化することが可能になる。
【0012】
また、本発明では、第1減速機によって第1関節部が構成され、第2減速機によって第2関節部が構成されているため、第1関節部および第2関節部の剛性を高めることが可能になる。
【0013】
本発明において、産業用ロボットは、第1減速機および/または第2減速機の中心を通過するように配置される中空状の中空軸を備え、第1入力軸および/または第2入力軸は、中空軸の外周側に回転可能に配置されていることが好ましい。このように構成すると、第1関節部や第2関節部が減速機で構成されている場合であっても、第1関節部や第2関節部では、中空軸の内周側を使って、産業用ロボットの配線を引き回すことが可能になる。すなわち、第1関節部や第2関節部において、減速機の外周側に配線を引き回すためのスペースを設けなくても、産業用ロボットの配線を引き回すことが可能になる。したがって、第1関節部および/または第2関節部の径を小さくすることが可能になり、産業用ロボットを小型化することが可能になる。
【0014】
本発明において、第3関節部は、第3減速機で構成されていることが好ましい。このように構成すると、第3関節部の剛性を高めることが可能になる。
【0015】
本発明において、産業用ロボットは、第3減速機の中心を通過するように配置される中空状の第2中空軸を備え、第3減速機の入力軸である第3入力軸は、第2中空軸の外周側に回転可能に配置されていることが好ましい。このように構成すると、第3関節部が減速機で構成されている場合であっても、第3関節部では、第2中空軸の内周側を使って、産業用ロボットの配線を引き回すことが可能になる。すなわち、第3関節部において、減速機の外周側に配線を引き回すためのスペースを設けなくても、産業用ロボットの配線を引き回すことが可能になる。したがって、第3関節部の径を小さくすることが可能になり、産業用ロボットを小型化することが可能になる。
【0016】
本発明において、連結機構は、たとえば、第1入力軸に固定される第1プーリと、第2入力軸に固定される第2プーリと、第1プーリと第2プーリとに架け渡されるベルトとを備えている。
【0017】
本発明において、先端側動作部は、その基端側が第2アームの先端側に回転可能に取り付けられる第3アームと、その基端側が第3アームの先端側に回転可能に取り付けられるハンドと、ハンドを回転駆動するハンド駆動機構とを備え、ハンド駆動機構は、ハンド駆動用モータと、ハンド駆動用モータの出力軸に取り付けられるハンド用減速機と、ハンド用減速機に取り付けられるハンド用プーリとを備え、ハンド用プーリは、略筒状に形成され、ハンド駆動用モータの本体の外周面の一部を覆うようにハンド用減速機に取り付けられていることが好ましい。このように構成すると、ハンド用プーリが、ハンド駆動用モータの本体の外周面の一部を覆うようにハンド用減速機に取り付けられているため、ハンド駆動機構の高さを低くして、産業用ロボットのパスラインを低くすることが可能になる。
【0018】
本発明において、ハンド用減速機は、ハンド駆動用モータの出力軸の外周面を覆うようにハンド駆動用モータの出力軸に取り付けられていることが好ましい。このように構成すると、ハンド駆動機構の高さをより低くして、産業用ロボットのパスラインをより低くすることが可能になる。
【0019】
本発明において、先端側動作部は、ハンドとして、上下方向に重なるように配置される第1ハンドと第2ハンドとを備えるとともに、ハンド駆動機構として、第1ハンドを回転駆動する第1ハンド駆動機構と第2ハンドを回転駆動する第2ハンド駆動機構とを備え、第1ハンド駆動機構は、ハンド駆動用モータとしての第1ハンド駆動用モータと、ハンド用減速機としての第1ハンド用減速機と、ハンド用プーリとしての第1ハンド用プーリとを備え、第2ハンド駆動機構は、ハンド駆動用モータとしての第2ハンド駆動用モータと、ハンド用減速機としての第2ハンド用減速機と、ハンド用プーリとしての第2ハンド用プーリとを備え、第1ハンド駆動用モータと第2ハンド駆動用モータとは、略同じ高さで配置され、第1ハンド用減速機と第2ハンド用減速機とは、略同じ高さで配置され、第1ハンド用プーリと第2ハンド用プーリとは、上下方向にずれた位置に配置されていることが好ましい。このように構成すると、先端側動作部が2個のハンドを備えている場合であっても、ハンド駆動機構の高さを低くして、産業用ロボットのパスラインを低くすることが可能になる。
【発明の効果】
【0020】
以上のように、本発明の産業用ロボットでは、小型化が可能でかつパスラインを低くすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施の形態にかかる産業用ロボットの概略側面図である。
【図2】図1のE−E方向から産業用ロボットを示す概略平面図である
【図3】図1に示す産業用ロボットが使用される半導体製造システムの概略平面図である。
【図4】図1に示す産業用ロボットの内部構成を示す断面図である。
【図5】図4に示す第1減速機およびその周辺部分の構成を示す拡大断面図である。
【図6】図4に示す第2減速機およびその周辺部分の構成を示す拡大断面図である。
【図7】図4のF部の拡大図である。
【図8】図7に示す第1ハンド駆動用モータおよびその周辺部分の構成を示す拡大断面図である。
【図9】図7に示す第2ハンド駆動用モータおよびその周辺部分の構成を示す拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0023】
(産業用ロボットの概略構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかる産業用ロボット1の概略側面図である。図2は、図1のE−E方向から産業用ロボット1を示す概略平面図である。図3は、図1に示す産業用ロボット1が使用される半導体製造システム16の概略平面図である。なお、図2では、ハンド7、8の図示を省略している。
【0024】
本形態の産業用ロボット1は、半導体ウエハ2(図3参照)を搬送するための多関節型のロボットである。この産業用ロボット1は、図1に示すように、本体部3と、本体部3に回動可能に取り付けられる第1アーム4と、第1アーム4に回動可能に取り付けられる第2アーム5と、第2アーム5に回転可能に取り付けられる第3アーム6と、第3アーム6に回転可能に取り付けられるハンド7、8とを備えている。なお、以下の説明では、産業用ロボット1を「ロボット1」とし、半導体ウエハ2を「ウエハ2」とする。
【0025】
また、ロボット1は、第1アーム4および第2アーム5を回動させて第1アーム4と第2アーム5とからなるアーム部9を伸縮させるアーム部駆動機構11と、第3アーム6を回転駆動する第3アーム駆動機構12と、ハンド7を回転駆動するハンド駆動機構13と、ハンド8を回転駆動するハンド駆動機構14とを備えている。
【0026】
図3に示すように、ロボット1は、たとえば、半導体製造システム16に組み込まれて使用される。具体的には、ロボット1は、半導体製造システム16の入り口に配置され、カセット17に収納されているウエハ2を取り出して処理装置18の中へウエハ2を収納する。
【0027】
本体部3は、円筒状に形成されている。本体部3の内部には、第1アーム4を昇降させる昇降機構(図示省略)が収納されている。第1アーム4、第2アーム5および第3アーム6は、中空状に形成されている。第1アーム4の基端側は、本体部3に回動可能に取り付けられている。第2アーム5の基端側は、第1アーム4の先端側に回動可能に取り付けられている。第3アーム6の基端側は、第2アーム5の先端側に回転可能に取り付けられている。本形態では、上下方向において、本体部3と第1アーム4と第2アーム5と第3アーム6とが下側からこの順番で配置されている。
【0028】
ハンド7は、図3に示すように、上下方向から見たときの形状が略Y形状となるように形成されており、二股状になっているハンド7の先端部にウエハ2が搭載される。ハンド8は、ハンド7と同形状に形成されており、二股状になっているハンド8の先端部にウエハ2が搭載される。
【0029】
ハンド7、8の基端側は、第3アーム6の先端側に回転可能に取り付けられている。ハンド7、8は、上下方向で重なるように配置されている。具体的には、ハンド7が上側に配置され、ハンド8が下側に配置されている。また、ハンド7、8は、第3アーム6よりも上側に配置されている。本形態では、たとえば、ハンド7は第1ハンドであり、ハンド8は第2ハンドである。また、本形態では、第3アーム6とハンド7、8とによって、その基端側が第2アーム5の先端側に回転可能に取り付けられる先端側動作部が構成されている。
【0030】
なお、図3では、ハンド8の図示を省略している。また、本形態のロボット1の動作時には、ハンド7とハンド8とが上下方向で重なる場合もあるが、ほとんどの場合、ハンド7とハンド8とは、上下方向で重なっていない。たとえば、図3の二点鎖線で示すように、ハンド7がカセット7の中へ入り込んでいるときには、ハンド8は、本体部3側へ回転しており、カセット7の中に入っていない。このときのハンド7に対するハンド8の回転角度は、たとえば、120°〜150°である。
【0031】
(アーム部駆動機構の構成)
図4は、図1に示す産業用ロボット1の内部構成を示す断面図である。図5は、図4に示す第1減速機21およびその周辺部分の構成を示す拡大断面図である。図6は、図4に示す第2減速機22およびその周辺部分の構成を示す拡大断面図である。
【0032】
アーム部駆動機構11は、駆動源となる第1駆動用モータ20と、第1駆動用モータ20の動力を減速して第1アーム4に伝達するための第1減速機21と、第1駆動用モータ20の動力を減速して第2アーム5に伝達するための第2減速機22と、第1減速機21と第2減速機22とを連結する連結機構23とを備えている。
【0033】
第1駆動用モータ20は、本体部3の内部に配置されている。この第1駆動用モータ20の出力軸には、プーリ24が固定されている。
【0034】
第1減速機21は、本体部3と第1アーム4とを繋ぐ第1関節部を構成している。この第1減速機21は、たとえば、波動歯車装置であるハーモニックドライブ(登録商標)であり、図5に示すように、ウェーブジェネレータ25と、サーキュラスプライン26と、フレクスプライン27とから構成されている。フレクスプライン27は、本体部3に固定されている。サーキュラスプライン26は、第1アーム4の基端側に固定されている。ウェーブジェネレータ25の下端には、プーリ28が固定されている。このプーリ28と第1駆動用モータ20の出力軸に固定されるプーリ24とには、ベルト29が架け渡されている。
【0035】
第1アーム4の基端側には、第1減速機21の中心を通過するように配置される中空軸30が固定されている。ウェーブジェネレータ25は、中空軸30の外周側に回転可能に配置されている。本形態では、中空軸30の内周側を利用して、所定の配線が引き回されている。
【0036】
第2減速機22は、第1アーム4と第2アーム5とを繋ぐ第2関節部を構成している。この第2減速機22は、第1減速機21と同形状のハーモニックドライブ(登録商標)であり、図6に示すように、ウェーブジェネレータ32と、サーキュラスプライン33と、フレクスプライン34とから構成されている。フレクスプライン34は、第2アーム5の基端側に固定されている。サーキュラスプライン33は、第1アーム4の先端側に固定されている。
【0037】
第1アーム4の先端側には、第2減速機22の中心を通過するように配置される中空軸35が固定されている。ウェーブジェネレータ32は、中空軸35の外周側に回転可能に配置されている。本形態では、中空軸35の内周側を利用して、所定の配線が引き回されている。
【0038】
連結機構23は、ウェーブジェネレータ25の上端に固定されるプーリ36と、ウェーブジェネレータ32の下端に固定されるプーリ37と、プーリ36、37に架け渡されるベルト38とを備えている。プーリ36、37およびベルト38は、第1アーム4の内部に配置されている。
【0039】
ウェーブジェネレータ25の下端に固定されるプーリ28には、上述のように、ベルト29を介して第1駆動用モータ20の出力軸が連結されており、本形態のウェーブジェネレータ25は、第1減速機21の入力軸である第1入力軸となっている。また、ウェーブジェネレータ32には、ウェーブジェネレータ25、ベルト29、38およびプーリ28、36、37を介して第1駆動用モータ20の出力軸が連結されており、本形態のウェーブジェネレータ32は、第2減速機22の入力軸である第2入力軸となっている。また、プーリ36は、第1入力軸であるウェーブジェネレータ25に固定される第1プーリであり、プーリ37は、第2入力軸であるウェーブジェネレータ32に固定される第2プーリである。
【0040】
本形態では、第1減速機21と第2減速機22とは同形状の減速機であるが、その減速比は異なっている。また、本形態では、第1減速機21の減速比、第2減速機22の減速比およびプーリ36の径とプーリ37の径との比は、第2アーム5と第3アーム6とを繋ぐ第3関節部を構成する後述の第3減速機41の中心の移動軌跡が直線状となるように設定されている。すなわち、連結機構23は、第3減速機41の中心の移動軌跡が直線状となるように、第1減速機21および第2減速機22の減速比を考慮した上で、所定の速比でウェーブジェネレータ25、32を連結している。具体的には、上下方向から見たときに、アーム部9の伸縮時の第3減速機41の中心の移動軌跡が第1減速機21の中心を通過する直線L(図2、図3参照)となるように、プーリ36の径とプーリ37の径との比が設定されている。
【0041】
(第3アーム駆動機構の構成)
図7は、図4のF部の拡大図である。第3アーム部駆動機構12は、駆動源となる第2駆動用モータ40と、第2駆動用モータ40の動力を減速して第3アーム6に伝達するための第3減速機41とを備えている。
【0042】
第2駆動用モータ40は、第2アーム5の先端側に取り付けられている。具体的には、第2駆動用モータ40は、第2アーム5の、第3減速機41が配置された箇所よりも先端側に固定されている。第2駆動用モータ40は、第2アーム5の先端側に固定されており、図4に示すように、第2駆動用モータ40の本体は、第2アーム5の下面よりも第1アーム4側(すなわち、下側)へ突出している。第2駆動用モータ40の出力軸には、プーリ42が固定されている。なお、第2アーム5の下面よりも下側へ突出している第2駆動用モータ40の本体部分は、カバーによって覆われている。
【0043】
また、第2駆動用モータ40は、アーム部9が縮んだとき(図2、図4等に示す状態のとき)に、第2駆動用モータ40の本体が第1アーム4の基端側の側方に配置されて第1アーム4と干渉しないように、第2アーム5の先端側に固定されている。また、図2に示すように、アーム部9が縮んだときに、第2駆動用モータ40が本体部3の外周面よりも径方向外側へはみ出さないように、第2駆動用モータ40が第2アーム5の先端側に固定されている。
【0044】
第3減速機41は、第2アーム5と第3アーム6とを繋ぐ第3関節部を構成している。この第3減速機41は、ハーモニックドライブ(登録商標)であり、図7に示すように、ウェーブジェネレータ45と、サーキュラスプライン46と、フレクスプライン47とから構成されている。フレクスプライン47は、第3アーム6に固定されている。サーキュラスプライン46は、第2アーム5の先端側に固定されている。ウェーブジェネレータ45の下端には、プーリ48が固定されている。このプーリ48と第2駆動用モータ40の出力軸に固定されるプーリ42とには、ベルト49が架け渡されている。このように、プーリ48にはベルト49を介して第2駆動用モータ40の出力軸が連結されており、本形態のウェーブジェネレータ45は、第3減速機41の入力軸である第3入力軸となっている。
【0045】
第2アーム5の先端側には、第3減速機41の中心を通過するように配置される第2中空軸としての中空軸50が固定されている。ウェーブジェネレータ45は、中空軸50の外周側に回転可能に配置されている。本形態では、中空軸50の内周側を利用して、所定の配線が引き回されている。
【0046】
(ハンド駆動機構の構成)
図8は、図7に示すハンド駆動用モータ52およびその周辺部分の構成を示す拡大断面図である。図9は、図7に示すハンド駆動用モータ58およびその周辺部分の構成を示す拡大断面図である。
【0047】
ハンド駆動機構13は、駆動源となるハンド駆動用モータ52と、ハンド駆動用モータ52の動力を減速してハンド7に伝達するためのハンド用減速機53と、ハンド用減速機53に取り付けられるプーリ54と、ハンド7に取り付けられるプーリ55と、プーリ54、55に架け渡されるベルト56とを備えている。図7に示すように、ハンド駆動用モータ52、ハンド用減速機53、プーリ54、55およびベルト56は、第3アーム6の内部に配置されている。
【0048】
ハンド駆動機構14は、ハンド駆動機構13と同様に、駆動源となるハンド駆動用モータ58と、ハンド駆動用モータ58の動力を減速してハンド8に伝達するためのハンド用減速機59と、ハンド用減速機59に取り付けられるプーリ60と、ハンド8に取り付けられるプーリ61と、プーリ60、61に架け渡されるベルト62とを備えている。図7に示すように、ハンド駆動用モータ58、ハンド用減速機59、プーリ60、61およびベルト62は、第3アーム6の内部に配置されている。
【0049】
ハンド駆動用モータ52、58は、同じモータである。このハンド駆動用モータ52、58は、上下方向から見たときに第3減速機41の中心軸に対して点対称に配置されている。本形態では、ハンド駆動用モータ52が第3減速機41の中心軸よりも第3アーム6の先端側に固定され、ハンド駆動用モータ58が第3減速機41の中心軸よりも第3アーム6の基端側に固定されている。また、ハンド駆動用モータ52、58は、略同じ高さで配置されている。
【0050】
ハンド用減速機53は、ハーモニックドライブ(登録商標)であり、図8に示すように、ウェーブジェネレータ65と、サーキュラスプライン66と、フレクスプライン67とから構成されている。フレクスプライン67には、プーリ54が固定されている。サーキュラスプライン66は、第3アーム6に固定されている。ウェーブジェネレータ65は、ハンド駆動用モータ52の出力軸に固定されている。本形態では、ハンド用減速機53の厚さがハンド駆動用モータ52の出力軸の長さとほぼ同程度となっており、ハンド用減速機53は、ハンド駆動用モータ52の出力軸の外周面を覆うように配置されている。
【0051】
ハンド用減速機59は、ハンド用減速機53と同じ(同形状の)ハーモニックドライブ(登録商標)であり、図9に示すように、ウェーブジェネレータ69と、サーキュラスプライン70と、フレクスプライン71とから構成されている。フレクスプライン71には、プーリ60が固定されている。サーキュラスプライン70は、第3アーム6に固定されている。ウェーブジェネレータ69は、ハンド駆動用モータ58の出力軸に固定されている。本形態では、ハンド用減速機59の厚さがハンド駆動用モータ58の出力軸の長さとほぼ同程度となっており、ハンド用減速機59は、ハンド駆動用モータ58の出力軸の外周面を覆うように配置されている。また、本形態では、ハンド用減速機53、59は、略同じ高さで配置されている。
【0052】
プーリ54は、略円筒状に形成されている。図8に示すように、プーリ54の上端がフレクスプライン67の下端に固定されており、プーリ54は、ハンド駆動用モータ52の本体52aの上端側の外周面の一部を覆っている。プーリ54の側面の下端側には、ベルト56が係合する係合部54aが形成されている。
【0053】
プーリ60は、上下方向の長さがプーリ54よりも短い略円筒状に形成されている。図9に示すように、プーリ60の上端がフレクスプライン71の下端に固定されており、プーリ60は、ハンド駆動用モータ58の本体58aの上端側の外周面の一部を覆っている。プーリ60の側面には、ベルト62が係合する係合部60aが形成されている。
【0054】
図7に示すように、プーリ55は、ハンド7の基端側に固定される中空軸73の下端側に固定されている。すなわち、プーリ55は、中空軸73を介してハンド7に固定されている。プーリ61は、ハンド8の基端側に固定される中空軸74の下端に固定されている。すなわち、プーリ61は、中空軸74を介してハンド8に固定されている。中空軸74は、中空軸73の外周面を覆うように中空軸73と同心状に配置されており、プーリ55、61は、上下方向で重なるように配置されている。本形態では、プーリ55が下側に配置され、プーリ61が上側に配置されている。また、プーリ55、61が上下方向で重なるように配置されているため、プーリ54の係合部54aと、プーリ60の係合部60aとは、上下方向にずれた位置に配置されている。本形態では、係合部54aが下側に配置され、係合部60aが上側に配置されている。
【0055】
なお、本形態では、プーリ54、60は、ハンド用減速機53、59に取り付けられるハンド用プーリである。また、ハンド駆動機構13は、第1ハンドであるハンド7を回転駆動する第1ハンド駆動機構であり、ハンド駆動機構14は、第2ハンドであるハンド8を回転駆動する第2ハンド駆動機構である。さらに、ハンド駆動用モータ52は、第1ハンド駆動用モータであり、ハンド駆動用モータ58は、第2ハンド駆動用モータであり、ハンド用減速機53は、第1ハンド用減速機であり、ハンド用減速機59は、第2ハンド用減速機であり、プーリ54は、第1ハンド用プーリであり、プーリ60は、第2ハンド用プーリである。
【0056】
(産業用ロボットの概略動作)
以上のように構成されたロボット1では、第1駆動用モータ20が駆動すると、図3に示すように、第3減速機41の中心が直線L上を移動するように、アーム部9が伸縮する。また、第2駆動用モータ40が駆動すると、第3減速機41を中心にして、第3アーム6がアーム部9に対して相対回転する。さらに、ハンド駆動用モータ52が駆動すると、中空軸73を中心にしてハンド7が第3アーム6に対して相対回転し、ハンド駆動用モータ58が駆動すると、中空軸74を中心にしてハンド8が第3アーム6に対して相対回転する。
【0057】
以上の動作を組み合わせて、ロボット1は、カセット17に収納されているウエハ2を取り出して処理装置18の中へウエハ2を収納する。なお、ロボット1がウエハ2を搬送する際には、本体部3の内部に配置された昇降機構によって、必要に応じて、アーム部9、第3アーム6およびハンド7、8が昇降する。
【0058】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、第2駆動用モータ40は、第2アーム5の、第3減速機41が配置された箇所よりも先端側に、かつ、第1アーム4側へ突出するように第2アーム5に取り付けられている。そのため、第2アーム5の、第2減速機22と第3減速機41との間に第2駆動用モータ40が内蔵される場合と比較して、第2アーム5を薄くすることが可能になる。
【0059】
また、本形態では、ハンド駆動用モータ52の本体52aの上端側の外周面の一部を覆うようにプーリ54がハンド用減速機53に固定され、ハンド駆動用モータ58の本体58aの上端側の外周面の一部を覆うようにプーリ60がハンド用減速機59に固定されている。また、本形態では、ハンド駆動用モータ52の出力軸の長さとほぼ同程度の厚さのハンド用減速機53が、ハンド駆動用モータ52の出力軸の外周面を覆うように配置され、ハンド駆動用モータ58の出力軸の長さとほぼ同程度の厚さのハンド用減速機59が、ハンド駆動用モータ58の出力軸の外周面を覆うように配置されている。そのため、ハンド駆動用モータ52、58の出力軸にハンド用減速機53、59が固定され、かつ、ハンド用減速機53、59にプーリ54、60が固定されている場合であっても、ハンド駆動機構13、14の高さを低くして、第3アーム6を薄くすることが可能になる。
【0060】
特に、本形態では、プーリ54の形状とプーリ60の形状とが異なっているため、ハンド駆動用モータ52、58が略同じ高さで配置され、ハンド用減速機53、59が略同じ高さで配置されているにもかかわらず、プーリ54の係合部54aと、プーリ60の係合部60aとが上下方向にずれた位置に配置されている。したがって、ロボット1が2個のハンド7、8を備えている場合であっても、第3アーム6を薄くすることが可能になる。
【0061】
このように、本形態では、第2アーム5および第3アーム6を薄くすることが可能になる。したがって、本形態では、ハンド7、8の上面までの高さを低くすることが可能になり、ロボット1のパスラインを低くすることが可能になる。
【0062】
本形態では、第1減速機21の入力軸であるウェーブジェネレータ25と、第2減速機22の入力軸であるウェーブジェネレータ32とが連結機構23によって連結されている。そのため、連結機構23にかかる負荷を小さくすることが可能になる。したがって、第1アーム4の内部に配置される連結機構23を小型化することができ、第1アーム4を小型化することが可能になる。
【0063】
また、本形態では、第1アーム4を小型化することができるため、第2駆動用モータ40の本体が第2アーム5の下面よりも第1アーム4側へ突出するように第2駆動用モータ40が第2アーム5の先端側に固定されていても、第2アーム5を大型化させることなく、アーム部9が縮んだときの第2駆動用モータ40の本体と第1アーム4との干渉を防止することができる。すなわち、本形態では、第1アーム4側へ突出するように第2駆動用モータ40が第2アーム5に取り付けられていても、アーム部9が縮んだときの第2駆動用モータ40の本体と第1アーム4との干渉を防止しつつ、第2アーム5を小型化することが可能になる。
【0064】
このように、本形態では、第1アーム4および第2アーム5を小型化することが可能になる。また、本形態では、上述のように、第2アーム5および第3アーム6を薄くすることが可能になる。したがって、本形態では、ロボット1を小型化することが可能になる。
【0065】
本形態では、第1減速機21は、本体部3と第1アーム4とを繋ぐ第1関節部を構成し、第2減速機22は、第1アーム4と第2アーム5とを繋ぐ第2関節部を構成し、第3減速機41は、第2アーム5と第3アーム6とを繋ぐ第3関節部を構成している。そのため、第1関節部、第2関節部および第3関節部の剛性を高めることが可能になる。
【0066】
本形態では、第1減速機21の中心を通過するように配置される中空軸30、第2減速機22の中心を通過するように配置される中空軸35、および、第3減速機41の中心を通過するように配置される中空軸50の内周側を利用して所定の配線が引き回されている。そのため、第1関節部、第2関節部および第3関節部が減速機で構成されている場合であっても、第1関節部、第2関節部および第3関節部において、減速機の外周側で配線を引き回す必要がない。したがって、本形態では、第1関節部、第2関節部および第3関節部の径を小さくすることが可能になり、ロボット1を小型化することが可能になる。
【0067】
(他の実施の形態)
上述した形態は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
【0068】
上述した形態では、第1減速機21のフレクスプライン27が本体部3に固定され、サーキュラスプライン26が第1アーム4の基端側に固定されるとともに、第2減速機22のフレクスプライン34が第2アーム5の基端側に固定され、サーキュラスプライン33が第1アーム4の先端側に固定されている。この他にもたとえば、サーキュラスプライン26が本体部3に固定され、フレクスプライン27が第1アーム4の基端側に固定されるとともに、サーキュラスプライン33が第2アーム5の基端側に固定され、フレクスプライン34が第1アーム4の先端側に固定されても良い。すなわち、第1減速機21および第2減速機22が上下反転されて配置されても良い。この場合には、第3減速機41の中心の移動軌跡が直線状となるように、プーリ36の径とプーリ37の径との比が設定される。また、第3減速機41が上下反転されて配置されても良い。
【0069】
上述した形態では、第1減速機21、第2減速機22および第3減速機41は、ハーモニックドライブ(登録商標)であるが、第1減速機21、第2減速機22および/または第3減速機41は、ハーモニックドライブ(登録商標)以外の中空構造の歯車装置であっても良い。たとえば、第1減速機21、第2減速機22および/または第3減速機41は、サイクロ減速機(登録商標)であっても良いし、RV(Rotor Vector)減速機、あるいは、遊星歯車減速機等であっても良い。また、第1減速機21、第2減速機22および/または第3減速機41は、第1ハイポイドギアと、第1ハイポイドギアに噛合する第2ハイポイドギアとを備える減速機であっても良い。また、第1減速機21、第2減速機22および/または第3減速機41は、中空構造となっていなくても良い。
【0070】
上述した形態では、連結機構23は、プーリ36、37とベルト38とによって構成されている。この他にもたとえば、連結機構23は、歯車列によって構成されても良い。また、連結機構23は、スプロケットとチェーンとによって構成されても良い。
【0071】
上述した形態では、第3アーム6とハンド7、8とによって、その基端側が第2アーム5の先端側に回転可能に取り付けられる先端側動作部が構成されている。この他にもたとえば、ハンド7、8によって先端側動作部が構成されても良い。また、所定のエンドエフェクターによって先端側動作部が構成されても良い。
【0072】
上述した形態では、第3減速機41によって第2駆動用モータ40の動力が減速されて第3アーム6に伝達されている。この他にもたとえば、第3減速機41に代えて、プーリとベルトとによって、あるいは、スプロケットとチェーンとによって、第2駆動用モータ40の動力が減速されて第3アーム6に伝達されても良い。
【0073】
上述した形態では、第3アーム6の先端側に2個のハンド7、8が取り付けられているが、第3アーム6の先端側に1個のハンドが取り付けられても良い。また、上述した形態では、ロボット1は、半導体ウエハ2を搬送するためのロボットであるが、ロボット1は、液晶用のガラス基板等の他の搬送対象物を搬送する搬送用ロボットであっても良いし、組立用ロボット等の搬送用ロボット以外の産業用ロボットであっても良い。
【0074】
上述した形態では、ハンド7、8は、上下方向から見たときの形状が略Y形状となるように形成されているが、ハンド7、8は、その他の形状に形成されても良い。また、上述した形態では、ハンド7、8が同形状に形成されているが、またハンド7、8は、同形状でなくてもよい。
【符号の説明】
【0075】
1 ロボット(産業用ロボット)
3 本体部
4 第1アーム
5 第2アーム
6 第3アーム(先端側動作部の一部)
7 ハンド(第1ハンド、先端側動作部の一部)
8 ハンド(第2ハンド、先端側動作部の一部)
13 ハンド駆動機構(第1ハンド駆動機構)
14 ハンド駆動機構(第2ハンド駆動機構)
20 第1駆動用モータ
21 第1減速機(第1関節部)
22 第2減速機(第2関節部)
23 連結機構
25 ウェーブジェネレータ(第1入力軸)
30、35 中空軸
32 ウェーブジェネレータ(第2入力軸)
36 プーリ(第1プーリ)
37 プーリ(第2プーリ)
38 ベルト
40 第2駆動用モータ
41 第3減速機(第3関節部)
45 ウェーブジェネレータ(第3入力軸)
50 中空軸(第2中空軸)
52 ハンド駆動用モータ(第1ハンド駆動用モータ)
53 ハンド用減速機(第1ハンド用減速機)
54 プーリ(ハンド用プーリ、第1ハンド用プーリ)
58 ハンド駆動用モータ(第2ハンド駆動用モータ)
59 ハンド用減速機(第2ハンド用減速機)
60 プーリ(ハンド用プーリ、第2ハンド用プーリ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部と、その基端側が前記本体部に回動可能に取り付けられる第1アームと、その基端側が前記第1アームの先端側に回動可能に取り付けられる第2アームと、その基端側が前記第2アームの先端側に回転可能に取り付けられる先端側動作部と、前記本体部と前記第1アームとを繋ぐ第1関節部を構成する第1減速機と、前記第1アームと前記第2アームとを繋ぐ第2関節部を構成する第2減速機と、前記第2アームと前記先端側動作部とを繋ぐ第3関節部と、前記第1減速機の入力軸である第1入力軸と前記第2減速機の入力軸である第2入力軸とを連結するとともに前記第1アームの内部に配置される連結機構と、前記第1入力軸に連結される第1駆動用モータと、前記先端側動作部を回転駆動する第2駆動用モータとを備え、
前記第3関節部の移動軌跡が直線状となるように、前記第1減速機の減速比および前記第2減速機の減速比が設定されるとともに、前記連結機構が所定の速比で前記第1入力軸と前記第2入力軸とを連結し、
前記第2駆動用モータは、前記第2アームの、前記第3関節部よりも先端側に、かつ、前記第1アーム側へ突出するように前記第2アームに取り付けられていることを特徴とする産業用ロボット。
【請求項2】
前記第1減速機および/または前記第2減速機の中心を通過するように配置される中空状の中空軸を備え、
前記第1入力軸および/または前記第2入力軸は、前記中空軸の外周側に回転可能に配置されていることを特徴とする請求項1記載の産業用ロボット。
【請求項3】
前記第3関節部は、第3減速機で構成されていることを特徴とする請求項1または2記載の産業用ロボット。
【請求項4】
前記第3減速機の中心を通過するように配置される中空状の第2中空軸を備え、
前記第3減速機の入力軸である第3入力軸は、前記第2中空軸の外周側に回転可能に配置されていることを特徴とする請求項3記載の産業用ロボット。
【請求項5】
前記連結機構は、前記第1入力軸に固定される第1プーリと、前記第2入力軸に固定される第2プーリと、前記第1プーリと前記第2プーリとに架け渡されるベルトとを備えることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の産業用ロボット。
【請求項6】
前記先端側動作部は、その基端側が前記第2アームの先端側に回転可能に取り付けられる第3アームと、その基端側が前記第3アームの先端側に回転可能に取り付けられるハンドと、前記ハンドを回転駆動するハンド駆動機構とを備え、
前記ハンド駆動機構は、ハンド駆動用モータと、前記ハンド駆動用モータの出力軸に取り付けられるハンド用減速機と、前記ハンド用減速機に取り付けられるハンド用プーリとを備え、
前記ハンド用プーリは、略筒状に形成され、前記ハンド駆動用モータの本体の外周面の一部を覆うように前記ハンド用減速機に取り付けられていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の産業用ロボット。
【請求項7】
前記ハンド用減速機は、前記ハンド駆動用モータの出力軸の外周面を覆うように前記ハンド駆動用モータの出力軸に取り付けられていることを特徴とする請求項6記載の産業用ロボット。
【請求項8】
前記先端側動作部は、前記ハンドとして、上下方向に重なるように配置される第1ハンドと第2ハンドとを備えるとともに、前記ハンド駆動機構として、前記第1ハンドを回転駆動する第1ハンド駆動機構と前記第2ハンドを回転駆動する第2ハンド駆動機構とを備え、
前記第1ハンド駆動機構は、前記ハンド駆動用モータとしての第1ハンド駆動用モータと、前記ハンド用減速機としての第1ハンド用減速機と、前記ハンド用プーリとしての第1ハンド用プーリとを備え、
前記第2ハンド駆動機構は、前記ハンド駆動用モータとしての第2ハンド駆動用モータと、前記ハンド用減速機としての第2ハンド用減速機と、前記ハンド用プーリとしての第2ハンド用プーリとを備え、
前記第1ハンド駆動用モータと前記第2ハンド駆動用モータとは、略同じ高さで配置され、前記第1ハンド用減速機と前記第2ハンド用減速機とは、略同じ高さで配置され、前記第1ハンド用プーリと前記第2ハンド用プーリとは、上下方向にずれた位置に配置されていることを特徴とする請求項6または7記載の産業用ロボット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−230256(P2011−230256A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−104066(P2010−104066)
【出願日】平成22年4月28日(2010.4.28)
【出願人】(000002233)日本電産サンキョー株式会社 (1,337)
【Fターム(参考)】