説明

プリント配線板及びプリント配線板の製造方法

【課題】 ループインダクタンスを低減できると共に高い信頼性を有するプリント配線板、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 ICチップ90の直下にチップコンデンサ20を配置するため、ICチップとコンデンサとの距離が短くなり、ループインダクタンスを低減できる。また、コア基板30の凹部30aに収容されたチップコンデンサ20の第1、第2端子21,22と、層間樹脂絶縁層40に形成されたバイアホール46とを、導電性バンプ31と導体回路34とを介して接続するため、高い接続信頼性を達成することができる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】ICチップなどの電子部品を載置するプリント配線板に関し、特にコンデンサを内蔵するプリント配線板に関するのもである。
【0002】
【従来の技術】現在、パッケージ基板用のプリント配線板では、ICチップへの電力の供給を円滑にする等の目的のため、チップコンデンサを表面実装することがある。
【0003】チップコンデンサからICチップまでの配線のリアクタンス分は周波数に依存するため、ICチップの駆動周波数の増加に伴い、チップコンデンサを表面実装させても十分な効果を得ることができなかった。このため、本出願人は、特願平11−248311号にて、コア基板に凹部を形成し、凹部にチップコンデンサを収容させる技術を提案した。また、コンデンサを基板に埋め込む技術としては、特開平6−326472号、特開平7−263619号、特開平10−256429号、特開平11−45955号、特開平11−126978号、特開平11−312868号等がある。
【0004】特開平6−326472号には、ガラスエポキシからなる樹脂基板に、コンデンサを埋め込む技術が開示されている。この構成により、電源ノイズを低減し、かつ、チップコンデンサを実装するスペースが不要になり、絶縁性基板を小型化できる。また、特開平7−263619号には、セラミック、アルミナなどの基板にコンデンサを埋め込む技術が開示されている。この構成により、電源層及び接地層の間に接続することで、配線長を短くし、配線のインダクタンスを低減している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述した特開平6−326472号、特開平7−263619号は、ICチップからコンデンサの距離をあまり短くできず、ICチップの更なる高周波数領域においては、現在必要とされるようにインダクタンスを低減することができなかった。特に、樹脂製の多層ビルドアップ配線板においては、セラミックから成るコンデンサと、樹脂からなるコア基板及び層間樹脂絶縁層の熱膨張率の違いから、チップコンデンサの端子とビアとの間に断線、チップコンデンサと層間樹脂絶縁層との間で剥離、層間樹脂絶縁層にクラックが発生し、長期に渡り高い信頼性を達成することができなかった。
【0006】一方、特願平11−248311号の発明では、コンデンサの配設位置ずれがあったとき、コンデンサの端子とビアとの接続が正確にできず、コンデンサからICチップへの電力供給ができなくなる恐れがあった。
【0007】また、パッケージ基板として用いられる多層ビルドアップ配線板は、各層間樹脂絶縁層を以下の工程を経てビルドアップしていく。まず、ロールーコーターや印刷により層間絶縁樹脂を塗布、露光、現像して、層間導通のためのバイアホール開口部を形成させて、UV硬化、本硬化を経て層間樹脂絶縁層を形成する。さらに、その層間絶縁層に酸や酸化剤などにより粗化処理を施した粗化面にパラジウムなどの触媒を付ける。そして、薄い無電解めっき膜を形成し、そのめっき膜上にドライフィルムにてパターンを形成し、電解めっきで厚付けしたのち、アルカリでドライフィルムを剥離除去し、エッチングして導体回路を作り出させる。即ち、1層を形成する毎に上述した工程を繰り返すこと必要があり、層数が増大すると、工程数が増すと共に歩留まりが低下する。
【0008】本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、コンデンサを内蔵し、接続信頼性を高めたプリント配線板及びプリント配線板の製造方法を提供することにある。
【0009】また、本発明は、ループインダクタンスを低減でき、なおかつ、層間樹脂絶縁層の層数を削減したプリント配線板およびプリント配線板の製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決するため、請求項1では、凹部にコンデンサを収容するコア基板に、樹脂絶縁層と導体回路とを積層してなるプリント配線板であって、前記コア基板の凹部の底部に通孔が形成され、前記コア基板の表面に、前記通孔の開口部を塞ぐ導体回路が形成され、前記凹部に収容されたコンデンサの端子と前記通孔を塞ぐ導体回路とが、前記通孔内で導電性バンプを介して接続されていることを技術的特徴とする。
【0011】請求項1では、プリント配線板内にコンデンサを配置するため、ICチップとコンデンサとの距離が短くなり、ループインダクタンスを低減することができる。また、コンデンサの端子と導体回路とが、コア基板の通孔内で導電性バンプを介して接続されるため、高い接続信頼性を達成することができる。また、ヒートサイクル条件化などの信頼性試験を行ってもコンデンサと導体回路との間の剥離やクラックなどを誘発しないのである。
【0012】コア基板内にコンデンサを収容することが可能となり、ICチップとコンデンサとの距離が短くなるため、プリント配線板のループインダクタンスを低減できる。また、導体回路が形成された樹脂基板を複数枚積層してコア基板を形成しているため、コア基板内の配線密度が高まり、層間樹脂絶縁層の層数を減らすことが可能となる。
【0013】コア基板上に層間樹脂絶縁層を設けて、該層間樹脂絶縁層にバイアホールもしくはスルーホールを施して、導電層である導体回路を形成するビルドアップ法によって形成する回路を意味している。それらには、セミアディティブ法、フルアディティブ法のいずれかを用いることができる。
【0014】空隙には、樹脂を充填させることが望ましい。コンデンサ、コア基板間の空隙をなくすことによって、内蔵されたコンデンサが、挙動することが小さくなるし、コンデンサを起点とする応力が発生したとしても、該充填された樹脂により緩和することができる。また、該樹脂には、コンデンサとコア基板との接着やマイグレーションの低下させるという効果も有する。
【0015】また、請求項1のプリント配線板は、表層にはフリップチップ実装により、ICである半導体素子が配設されて、コア基板に収容したコンデンサへと接続される。そのとき、半導体素子−導体回路−導電性バンプ−コンデンサの順で伝わる。導電性バンプが電気接続性と基板の収容性を向上させるのである。この場合は、コンデンサの収容位置は、ICである半導体素子の直下であることが望ましい。
【0016】さらに、コンデンサの下面より、電気的接続を行ってもよい。この場合は、コンデンサの上面と同じように導電性バンプで接続を行うか、あるいはコンデンサの端子部分に直接、導体層で接続させてもよい。また、一つの凹部内に複数のコンデンサを収容してもよい。
【0017】導電性バンプは、メッキ膜、半田ペースト、導電性ペースト、絶縁性樹脂に金属粒子が含浸されたものを示唆する。メッキ膜としては、ニッケル、銅、銀、金、チタン、スズ等の金属めっきにより形成する。半田としては、Sn/Pb、Sn/Sb、Sn/Ag、Sn/Ag/Cuなどの合金を用いることができる。導電性ペーストとしては、金、銀、銅、鉄などの導電性のある金属粒子であるものを主成分とする導電性を有するものを用いることができる。樹脂に金属粒子が含浸されたもの等の導電性と接着性を兼ね備えるものを用いることができる。
【0018】請求項2では、導電性バンプが、圧接ペーストから成るため、コンデンサの端子と導体回路との高い接続信頼性を達成することができる。
【0019】導電性バンプは、ニッケル、銅、銀、金、チタン等の金属めっきにより形成する。これらを2層以上の複数層で形成させてもよい。また、それ以外にも半田(Sn/Pb、Sn/Sb、Sn/Ag、Sn/Ag/Cu)、導電性ペースト(金、銀、銅などの金属粒子をメインにしたものをペースト状にしたものを意味する)、あるいはエポキシ樹脂、フェノール樹脂などの絶縁性樹脂に金属粒子が含浸されたもの等の導電性有するものを用いることができる。つまり、導電性と接着性を兼ね備えるものを用いることができ、コンデンサの収容とコンデンサとの電気的接続を行うことができるのである。
【0020】請求項3では、樹脂基板は、心材に樹脂を含浸させてなるため、コア基板に高い強度を持たせることができる。
【0021】請求項4では、コア基板内に複数個のコンデンサを収容するため、コンデンサの高集積化が可能となる。
【0022】請求項5では、基板内に収容したコンデンサに加えて表面にコンデンサを配設してある。プリント配線板内にコンデンサが収容してあるために、ICチップとコンデンサとの距離が短くなり、ループインダクタンスを低減し、瞬時に電源を供給することができ、一方、プリント配線板の表面にもコンデンサが配設してあるので、大容量のコンデンサを取り付けることができ、ICチップに大電力を容易に供給することが可能となる。
【0023】請求項6では、表面のコンデンサの静電容量は、内層のコンデンサの静電容量以上であるため、高周波領域における電源供給の不足がなく、所望のICチップの動作が確保される。
【0024】請求項7では、表面のコンデンサのインダクタンスは、内層のコンデンサのインダクタンス以上であるため、高周波領域における電源供給の不足がなく、所望のICチップの動作が確保される。
【0025】請求項8、請求項9では、金属膜を形成したチップコンデンサの電極へめっきによりなるバイアホールで電気的接続を取ってある。ここで、チップコンデンサの電極は、メタライズからなり表面に凹凸があるが、金属膜により表面が平滑になり、導電性バンプとの接続させた際、隙間が形成されにくい。そのため、電気接続性が向上される。また、信頼性試験を行っても、その接続部分を起点とする剥離やクラックなどを引き起こさない。また、そのコンデンサの裏面から電気接続を行うためにバイアホールを形成させたとしても、電極上に被覆された樹脂に通孔を形成した際に、樹脂残さが残らず、バイアホールと電極との接続信頼性を高めることができる。更に、めっきの形成された電極に、めっきによりバイアホールを形成するため、電極とバイアホールとの接続性が高く、ヒートサイクル試験を実施しても、電極とバイアホール間の断線が生じることがない。
【0026】コンデンサの電極の金属膜には、銅、ニッケル、貴金属のいずれかの金属が配設されているものが望ましい。内蔵したコンデンサにスズや亜鉛などの層は、バイアホールとの接続部におけるマイグレーションを誘発しやすいからである。故に、マイグレーションの発生を防止することも出来る。
【0027】また、チップコンデンサの表面に粗化処理を施してもよい。これにより、セラミックから成るチップコンデンサと樹脂からなる層間樹脂絶縁層との密着性が高く、ヒートサイクル試験を実施しても界面での層間樹脂絶縁層の剥離が発生することがない。
【0028】請求項10では、絶縁性接着剤の熱膨張率を、コア基板よりも小さく、即ち、セラミックからなるコンデンサに近いように設定してある。このため、ヒートサイクル試験において、コア基板とコンデンサとの間に熱膨張率差から内応力が発生しても、コア基板にクラック、剥離等が生じ難く、高い信頼性を達成できる。
【0029】請求項11では、チップコンデンサの電極の被覆層から、少なくとも一部が露出してプリント配線板に収容し、被覆層から露出した電極に電気的接続を取ってある。このとき、被覆層から露出した金属は、主成分がCuであることが望ましい。接続抵抗を低減することができるからである。
【0030】請求項12では、外縁の内側に電極の形成されたチップコンデンサを用いるため、導電性バンプを経て導通を取っても外部電極が大きく取れ、アライメントの許容範囲が広がるために、接続不良がなくなる。
【0031】請求項13では、マトリクス状に電極が形成されたコンデンサを用いるので、大判のチップコンデンサをコア基板に収容することが容易になる。そのため、静電容量を大きくできるので、電気的な問題を解決することができる。さらに、種々の熱履歴などを経てもプリント配線板に反りが発生し難くなる。
【0032】請求項14では、コンデンサに多数個取り用のチップコンデンサを複数連結させてもよい。それによって、静電容量を適宜調整することができ、適切にICチップを動作させることができる。
【0033】請求項15では、コンデンサの電極に導電性ペーストを塗布し、導電性ペーストを塗布した電極へめっきにより電気的接続を取ってある。導電性ペーストが被覆されているため、電極の表面が平滑になり、製造工程において、電極の上に層間樹脂絶縁層を設けて、レーザでバイアホール用開口を形成した際に、樹脂残りがなくなり、めっきによりバイアホールを形成した際の接続信頼性を高めることができる。
【0034】請求項16のプリント配線板の製造方法は、少なくとも以下(a)〜(f)の工程を備えることを技術的特徴とする:(a)コア基板に凹部及び、該凹部の底部に通孔を形成する工程;
(b)前記コア基板の表面に、前記通孔の開口部を塞ぐ導体回路を形成する工程;
(c)前記コア基板の凹部に樹脂を配設する工程;
(d)コンデンサの端子に導電性バンプを配設する工程;
(e)前記コア基板の凹部に前記コンデンサを収容し、前記導電性バンプを介して前記通孔の開口部を塞ぐ導体回路と接続を取る工程:(f)前記コア基板に、樹脂絶縁層と導体回路とを積層する工程。
【0035】請求項16では、プリント配線板内にコンデンサを配置するため、ICチップとコンデンサとの距離が短くなり、ループインダクタンスを低減することができる。また、コンデンサの端子と導体回路とが、コア基板の通孔内で導電性バンプを介して接続されるため、高い接続信頼性を達成することができる。
【0036】請求項17では、導電性バンプを介して通孔の開口部を塞ぐ導体回路と接続を取る工程において、超音波振動を与える。このため、コア基板の凹部に樹脂を配置してからコンデンサを載置しても、コンデンサの端子と導体回路との高い接続信頼性を達成することができる。
【0037】請求項18のプリント配線板の製造方法は、少なくとも以下(a)〜(e)の工程を備えることを技術的特徴とする:(a)コア基板に凹部及び、該凹部の底部に通孔を形成する工程;
(b)前記コア基板の表面に、前記通孔の開口部を塞ぐ導体回路を形成する工程;
(c)前記コア基板の通孔に導電性バンプを配設する工程;
(d)前記コア基板の凹部に前記コンデンサを収容し、前記導電性バンプを介して前記コンデンサの端子と前記通孔の開口部を塞ぐ導体回路との接続を取る工程:(e)前記コア基板に、樹脂絶縁層と導体回路とを積層する工程。
【0038】請求項18では、プリント配線板内にコンデンサを配置するため、ICチップとコンデンサとの距離が短くなり、ループインダクタンスを低減することができる。また、コンデンサの端子と導体回路とが、コア基板の通孔内で導電性バンプを介して接続されるため、高い接続信頼性を達成することができる。
【0039】請求項19では、導電性バンプが、圧接ペーストから成るため、コンデンサの端子と導体回路との高い接続信頼性を達成することができる。
【0040】なお、コア基板の凹部内には、樹脂を充填させることが望ましい。コンデンサ、コア基板間の空隙をなくすことによって、内蔵されたコンデンサが、挙動することが小さくなるし、コンデンサを起点とする応力が発生したとしても、該充填された樹脂により緩和することができる。また、該樹脂には、コンデンサとコア基板との接着やマイグレーションの低下させるという効果も有する。
【0041】チップコンデンサの表面に粗化処理が施すことができる。これにより、セラミックから成るチップコンデンサと樹脂からなる層間樹脂絶縁層との密着性が高く、ヒートサイクル試験を実施しても界面での層間樹脂絶縁層の剥離が発生することがない。
【0042】また、コンデンサの端子の周囲に銅をめっき等により形成することが好適である。これにより、内蔵したコンデンサには、マイグレーションの発生することがなくなる。また、コンデンサを充填させる樹脂との剥離やクラックがなくなり、収容性が向上される。そのため、電気特性の低下もない。
【0043】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について図を参照して説明する。先ず、本発明の第1実施形態に係るプリント配線板の構成について図7、図8を参照して説明する。図7は、プリント配線板10の断面を示し、図8は、図7に示すプリント配線板10にICチップ90を搭載し、ドータボード94側へ取り付けた状態を示している。
【0044】図7に示すようにプリント配線板10は、チップコンデンサ20と、チップコンデンサ20を収容するコア基板30と、ビルドアップ層80A、80Bを構成する層間樹脂絶縁層40、層間樹脂絶縁層60とからなる。コア基板30にはチップコンデンサ20を収容するための凹部30aと、チップコンデンサ20の第1、第2端子21,22との接続を取る導電性バンプ31を収容するための通孔30bとが形成されている。層間樹脂絶縁層40には、バイアホール46及び導体回路48が形成され、層間樹脂絶縁層60には、バイアホール66及び導体回路68が形成されている。
【0045】図8に示すように上側のビルドアップ層80Aのバイアホール66には、ICチップ90のパッド92S1、92S2、92P1,92P2へ接続するためのバンプ76が形成されている。一方、下側のビルドアップ層80Bのバイアホール66には、ドータボード94のパッド96S1、96S2、96P1、96P2へ接続するためのバンプ76が配設されている。コア基板30にはスルーホール36が形成されている。
【0046】チップコンデンサ20は、図9(A)に示すように第1端子21と第2端子22と、該第1、第2端子に挟まれた誘電体23とから成り、該誘電体23には、第1端子21側に接続された第1導電膜24と、第2端子22側に接続された第2導電膜25とが複数枚対向配置されている。第1端子21と第2端子22は、焼成により形成されたメタライズ層26からなり、メタライズ層26の表面には、銅めっき等の金属被覆29が被せられている。この金属被覆29により導電性バンプ31との電気接続性を改善でき、また、マイグレーションの発生を防止できる。なお、図9(B)に示すように金属被覆29を被覆することなくメタライズ層26を露出させた状態で用いることも可能である。
【0047】図8中に示すICチップ90の信号用のパッド92S2は、バンプ76−導体回路68−バイアホール66−スルーホール36−バイアホール66−バンプ76を介して、ドータボード94の信号用のパッド96S2に接続されている。一方、ICチップ90の信号用のパッド92S1は、バンプ76−バイアホール66−スルーホール36−バイアホール66−バンプ76を介して、ドータボード94の信号用のパッド96S1に接続されている。
【0048】ICチップ90の電源用パッド92P1は、バンプ76−バイアホール66−導体回路48−バイアホール46を介してチップコンデンサ20の第1端子21へ接続されている。一方、ドータボード94の電源用パッド96P1は、バンプ76−バイアホール66−スルーホール36−導体回路48−バイアホール46を介してチップコンデンサ20の第1端子21へ接続されている。
【0049】ICチップ90の電源用パッド92P2は、バンプ76−バイアホール66−導体回路48−バイアホール46を介してチップコンデンサ20の第2端子22へ接続されている。一方、ドータボード94の電源用パッド96P2は、バンプ76−バイアホール66−スルーホール36−導体回路48−バイアホール46を介してチップコンデンサ20の第2端子22へ接続されている。
【0050】本実施形態のプリント配線板10では、ICチップ90の直下にチップコンデンサ20を配置するため、ICチップとコンデンサとの距離が短くなり、電力を瞬時的にICチップ側へ供給することが可能になる。即ち、ループインダクタンスを決定するループ長さを短縮することができる。
【0051】更に、本実施形態では、コア基板30の凹部30aに収容されたチップコンデンサ20の第1、第2端子21,22と、層間樹脂絶縁層40に形成されたバイアホール46とを、導電性バンプ31と導体回路34とを介して接続するため、高い接続信頼性を達成することができる。
【0052】更に、チップコンデンサ20とチップコンデンサ20との間にスルーホール36を設け、チップコンデンサ20を信号線が通過しない。このため、コンデンサを通過させた際に発生する高誘電体によるインピーダンス不連続による反射、及び、高誘電体通過による伝搬遅延を防ぐことができる。
【0053】また、プリント配線板の裏面側に接続される外部基板(ドータボード)94とコンデンサ20の第1端子21,第2端子22とは、ICチップ側の層間樹脂絶縁層40に設けられたバイアホール46及びコア基板30に形成されたスルーホール36を介して接続される。
【0054】本実施形態では、図9(A)に示すようにチップコンデンサ20のセラミックから成る誘電体23の表面には粗化層23aが設けられている。このため、セラミックから成るチップコンデンサ20と樹脂からなる層間樹脂絶縁層40との密着性が高く、ヒートサイクル試験を実施しても界面での層間樹脂絶縁層40の剥離が発生することがない。この粗化層23aは、焼成後に、チップコンデンサ20の表面を研磨することにより、また、焼成前に、粗化処理を施すことにより形成できる。なお、本実施形態では、コンデンサの表面に粗化処理を施し、樹脂との密着性を高めたが、この代わりに、コンデンサの表面にシランカップリング処理を施すことも可能である。また、コンデンサには粗化層がなくてもよい。
【0055】また、本実施形態では、図7に示すようにコア基板30の凹部30aの側面とチップコンデンサ20との間に樹脂充填材32を介在させてある。ここで、樹脂充填材32の熱膨張率を、コア基板30及び層間樹脂絶縁層40よりも小さく、即ち、セラミックからなるチップコンデンサ20に近いように設定してある。このため、ヒートサイクル試験において、コア基板及び層間樹脂絶縁層40とチップコンデンサ20との間に熱膨張率差から内応力が発生しても、コア基板30及び層間樹脂絶縁層40にクラック、剥離等が生じ難く、高い信頼性を達成できる。また、マイグレーションの発生を防止することも出来る。
【0056】ひき続き、図7を参照して上述したプリント配線板の製造方法について、図1〜図5を参照して説明する。
(1)コア基板30にザグリ加工により凹部30aを形成する(図1(A))。ここでは、ザグリ加工により凹部を形成したが、通孔を有するプリプレグと通孔を有しないプリプレグとを積層して凹部を有するコア基板を形成することもできる。又は、射出成形により凹部を有するコア基板を形成できる。コア基板30としては、エポキシ樹脂をガラスクロス等の心材に含浸させたプリプレグを積層してなる積層板を用いることができる。エポキシ以外でも、BT、フェノール樹脂あるいはガラスクロスなどの強化材を含有しているもの等、一般的にプリント配線板で使用されるものを用い得る。なお、ガラスクロスなどの心材を有しない樹脂基板を用いることもできる。しかし、コア基板をセラミックやAINなどの基板を用いることはできなかった。該基板は外形加工性が悪く、コンデンサを収容することができないことがあり、樹脂で充填させても空隙が生じてしまうためである。樹脂基板は融点が300℃以下であるため、350℃を越える温度を加えると溶解、軟化もくしは炭化してしまう。
【0057】(2)凹部30aの底部に、ドリル加工又はレーザにより通孔30bを形成する(図1(B))。場合によっては、開口した部分をデスミア処理やプラズマ処理を行ってもよい。
【0058】(3)コア基板30の下面に、均一に銅めっき膜を形成した後、所定のパターンにエッチングを行い、通孔30bの開口部を塞ぐ導体回路34を形成する(図1(C))。また、銅箔を貼り付けて、テンティング法を経てパターン形成してもよい。
【0059】(4)チップコンデンサ20の第1端子21及び第2端子22に導電性バンプ31を形成する(図1(D))。導電性バンプ31は、ニッケル、銅、銀、金、チタン等の金属めっきにより形成する。あるいは、導電性バンプ31として、半田(Sn/Pb、Sn/Sb、Sn/Ag、Sn/Ag/Cu)、導電性ペースト、あるいは樹脂に金属粒子が含浸されたもの等の導電性と接着性を兼ね備えるものを用いることができる。この場合は、銅メッキ膜によって形成された導電性バンプとした。
【0060】(5)コア基板30の凹部30aに、印刷、ポッティングによりコア基板よりも熱膨張率の小さな樹脂、例えばエポキシを主としてなる充填樹脂32を配置した後、チップコンデンサ20を該凹部32aに嵌入する(図1(E))。この状態で超音波振動を与えることにより、チップコンデンサ20を凹部30a内に沈み込ませ、第1端子21,第2端子22の導電性バンプ31と導体回路34とを接触させることで接続を取る(図2(A))。ここで、チップコンデンサ20に上側から圧力を加えることで導電性バンプ31と導体回路34とを接触させることもできる。その後、加熱して硬化させることで、チップコンデンサ20を収容するコア基板30を形成する。充填樹脂としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、もしくはその複合体を用いることができる。粘度調整やコア基板との熱膨張率との差を整合させるために、シリカ、アルミナなどの無機粒子、金属粒子、樹脂粒子を配合させてもよい。
【0061】(6)上記工程を経た基板に、厚さ50μmの熱硬化型樹脂シートを温度50〜150℃まで昇温しながら圧力5kg/cm2で真空圧着ラミネートし、層間樹脂絶縁層40を設ける(図2(B)参照)。真空圧着時の真空度は、10mmHgである。
【0062】(7)次に、波長10.4μmのCO2ガスレーザにて、ビーム径5mm、トップハットモード、パルス幅5.0μ秒、マスクの穴径0.5mm、1ショットの条件で、層間樹脂絶縁層40に直径80μmのバイアホール用開口43を設ける(図2(C)参照)。また、クロム酸を用いて、開口43内の樹脂残りを除去してもよい。なお、ここでは、クロム酸を用いて樹脂残さを除去したが、酸素プラズマを用いてデスミア処理を行うことも可能である。
【0063】(8)引き続き、層間樹脂絶縁層40を形成したコア基板30に対して、ドリル、又は、レーザでスルーホール用の通孔33を100〜500μmで穿設する(図2(D))。
【0064】(9)次に、クロム酸、過マンガン酸塩などの酸化剤等に浸漬させることによって、層間樹脂絶縁層40の粗化面(図示せず)を設ける。該粗化面は、0.1〜5μmの範囲で形成されることがよい。その一例として、過マンガン酸ナトリウム溶液50g/l、温度60℃中に5〜25分間浸漬させることによって、2〜3μmの粗化面を設ける。上記以外には、日本真空技術株式会社製のSV−4540を用いてプラズマ処理を行い、層間樹脂絶縁層40の表面に粗化面を形成することもできる。この際、不活性ガスとしてはアルゴンガスを使用し、電力200W、ガス圧0.6Pa、温度70℃の条件で、2分間プラズマ処理を実施する。
【0065】(10)粗化面が形成された層間樹脂絶縁層40上に、金属層44を設ける(図4(A)参照)。金属層44は、無電解めっきによって形成させる。予め層間樹脂絶縁層40の表層にパラジウムなどの触媒を付与させて、無電解めっき液に5〜60分間浸漬させることにより、0.1〜5μmの範囲でめっき膜である金属層52を設ける。その一例として、〔無電解めっき水溶液〕
NiSO4 0.003 mol/l酒石酸 0.200 mol/l硫酸銅 0.030 mol/lHCHO 0.050 mol/lNaOH 0.100 mol/lα、α′−ビピルジル 100 mg/lポリエチレングリコール(PEG) 0.10 g/l34℃の液温度で40分間浸漬させた。上記以外でも上述したプラズマ処理と同じ装置を用い、内部のアルゴンガスを交換した後、Ni及びCuをターゲットにしたスパッタリングを、気圧0.6Pa、温度80℃、電力200W、時間5分間の条件で行い、Ni/Cu金属層を層間樹脂絶縁層40の表面に形成することもできる。このとき、形成されるNi/Cu金属層の厚さは0.2μmである。
【0066】(11)上記処理を終えた基板30に、市販の感光性ドライフィルムを貼り付け、フォトマスクフィルムを載置して、100mJ/cm2で露光した後、0.8%炭酸ナトリウムで現像処理し、厚さ25μmのめっきレジスト51を設ける。次に、以下の条件で電解めっきを施して、厚さ18μmの電解めっき膜45を形成する(図3(B)参照)。なお、電解めっき水溶液中の添加剤は、アトテックジャパン社製のカパラシドHLである。
【0067】〔電解めっき水溶液〕
硫酸 2.24 mol/l硫酸銅 0.26 mol/l添加剤(アトテックジャパン製、カパラシドHL)
19.5 ml/l〔電解めっき条件〕
電流密度 1A/dm時間 65分温度 22±2℃
【0068】(12)めっきレジスト54を5%NaOHで剥離除去した後、そのめっきレジスト下の金属層44を硝酸および硫酸と過酸化水素の混合液を用いるエッチングにて溶解除去し、金属層44と電解めっき膜45からなる厚さ16μmの導体回路48及びバイアホール46を形成し、第二銅錯体と有機酸とを含有するエッチング液によって、粗化面(図示せず)を形成する(図3(C)参照)。
【0069】(13)次いで、上記(6)工程と同様に基板30に層間樹脂絶縁層60を設ける(図4(A)参照)。
【0070】(14)次に、上記(7)工程と同様に層間樹脂絶縁層40に直径80μmのバイアホール用開口63を設け、層間樹脂絶縁層60の粗化面(図示せず)を設ける。(図4(B)参照)。
【0071】(15)層間樹脂絶縁層40上に金属層64を設けた後、めっきレジスト70を設ける(図4(C)参照)。
【0072】(16)上記(12)工程と同様に電解めっきを施して、厚さ15μmの電解めっき膜65を形成する(図5(A)参照)。
【0073】(17)めっきレジスト70を剥離除去した後、そのめっきレジスト下の金属層64を硝酸および硫酸と過酸化水素の混合液を用いるエッチングにて溶解除去し、金属層64と電解めっき膜65からなる厚さ16μmの導体回路68及びバイアホール66を形成し、第二銅錯体と有機酸とを含有するエッチング液によって、粗化面(図示せず)を形成する(図5(B)参照)。あるいは、無電解メッキ膜や酸化還元処理によって粗化層を形成させてもよい。
【0074】(18)次に、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)に60重量%の濃度になるように溶解させた、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬社製)のエポキシ基50%をアクリル化した感光性付与のオリゴマー(分子量4000)46.67重量部、メチルエチルケトンに溶解させた80重量%のビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル社製、商品名:エピコート1001)15重量部、イミダゾール硬化剤(四国化成社製、商品名:2E4MZ−CN)1.6重量部、感光性モノマーである多官能アクリルモノマー(共栄化学社製、商品名:R604)3重量部、同じく多価アクリルモノマー(共栄化学社製、商品名:DPE6A)1.5重量部、分散系消泡剤(サンノプコ社製、商品名:S−65)0.71重量部を容器にとり、攪拌、混合して混合組成物を調整し、この混合組成物に対して光重量開始剤としてベンゾフェノン(関東化学社製)2.0重量部、光増感剤としてのミヒラーケトン(関東化学社製)0.2重量部を加えて、粘度を25℃で2.0Pa・sに調整したソルダーレジスト組成物(有機樹脂絶縁材料)を得る。粘度測定は、B型粘度計(東京計器社製、DVL−B型)で60rpmの場合はローターNo.4、6rpmの場合はローターNo.3によった。なお、ソルダーレジストとして市販のソルダーレジストを用いることもできる。
【0075】(19)次に、基板30に、上記ソルダーレジスト組成物を20μmの厚さで塗布し、70℃で20分間、70℃で30分間の条件で乾燥処理を行った後、ソルダーレジストレジスト開口部のパターンが描画された厚さ5mmのフォトマスクをソルダーレジスト層72に密着させて1000mJ/cm2の紫外線で露光し、DMTG溶液で現像処理し、200μmの直径の開口72aを形成する(図5(C)参照)。
【0076】(20)次に、ソルダーレジスト層(有機樹脂絶縁層)72を形成した基板を、塩化ニッケル(2.3×10-1mol/l)、次亞リン酸ナトリウム(2.8×10-1mol/l)、クエン酸ナトリウム(1.6×10-1mol/l)を含むpH=4.5の無電解ニッケルめっき液に20分間浸漬して、開口部72aに厚さ5μmのニッケルめっき層73を形成する。さらに、その基板を、シアン化金カリウム(7.6×10-3mol/l)、塩化アンモニウム(1.9×10-1mol/l)、クエン酸ナトリウム(1.2×10-1mol/l)、次亜リン酸ナトリウム(1.7×10-1mol/l)を含む無電解めっき液に80℃の条件で7.5分間浸漬して、ニッケルめっき層73上に厚さ0.03μmの金めっき層74を形成することで、半田パッド75を形成する(図6参照)。
【0077】(21)この後、ソルダーレジスト層70の開口部71に、はんだペーストを印刷して、200℃でリフローすることにより、半田バンプ76を形成する。これにより、チップコンデンサ20を内蔵し、半田バンプ76を有する多層プリント配線板10を得ることができる(図7参照)。
【0078】次に、該プリント配線板へのICチップの載置及び、ドータボードへの取り付けについて、図8を参照して説明する。完成したプリント配線板10の半田バンプ76にICチップ90の半田パッド92S1、92S2、92P1、92P2が対応するように、ICチップ90を載置し、リフローを行うことで、ICチップ90の取り付けを行う。同様に、プリント配線板10の半田バンプ76にドータボード94のパッド96S1、96S2、96P1、96P2をリフローすることで、ドータボード94へプリント配線板10を取り付ける。
【0079】上述した実施形態では、層間樹脂絶縁層40、60に熱硬化型樹脂シートを用いた。この熱硬化型樹脂シート樹脂には、難溶性樹脂、可溶性粒子、硬化剤、その他の成分が含有されている。それぞれについて以下に説明する。
【0080】第1実施形態の製造方法において使用する熱硬化型樹脂シートは、酸または酸化剤に可溶性の粒子(以下、可溶性粒子という)が酸または酸化剤に難溶性の樹脂(以下、難溶性樹脂という)中に分散したものである。なお、第1実施形態で使用する「難溶性」「可溶性」という語は、同一の酸または酸化剤からなる溶液に同一時間浸漬した場合に、相対的に溶解速度の早いものを便宜上「可溶性」と呼び、相対的に溶解速度の遅いものを便宜上「難溶性」と呼ぶ。
【0081】上記可溶性粒子としては、例えば、酸または酸化剤に可溶性の樹脂粒子(以下、可溶性樹脂粒子)、酸または酸化剤に可溶性の無機粒子(以下、可溶性無機粒子)、酸または酸化剤に可溶性の金属粒子(以下、可溶性金属粒子)等が挙げられる。これらの可溶性粒子は、単独で用いても良いし、2種以上併用してもよい。
【0082】上記可溶性粒子の形状は特に限定されず、球状、破砕状等が挙げられる。また、上記可溶性粒子の形状は、一様な形状であることが望ましい。均一な粗さの凹凸を有する粗化面を形成することができるからである。
【0083】上記可溶性粒子の平均粒径としては、0.1〜10μmが望ましい。この粒径の範囲であれば、2種類以上の異なる粒径のものを含有してもよい。すなわち、平均粒径が0.1〜0.5μmの可溶性粒子と平均粒径が1〜3μmの可溶性粒子とを含有する等である。これにより、より複雑な粗化面を形成することができ、導体回路との密着性にも優れる。なお、第1実施形態において、可溶性粒子の粒径とは、可溶性粒子の一番長い部分の長さである。
【0084】上記可溶性樹脂粒子としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等からなるものが挙げられ、酸あるいは酸化剤からなる溶液に浸漬した場合に、上記難溶性樹脂よりも溶解速度が速いものであれば特に限定されない。上記可溶性樹脂粒子の具体例としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂等からなるものが挙げられ、これらの樹脂の一種からなるものであってもよいし、2種以上の樹脂の混合物からなるものであってもよい。
【0085】また、上記可溶性樹脂粒子としては、ゴムからなる樹脂粒子を用いることもできる。上記ゴムとしては、例えば、ポリブタジエンゴム、エポキシ変性、ウレタン変性、(メタ)アクリロニトリル変性等の各種変性ポリブタジエンゴム、カルボキシル基を含有した(メタ)アクリロニトリル・ブタジエンゴム等が挙げられる。これらのゴムを使用することにより、可溶性樹脂粒子が酸あるいは酸化剤に溶解しやすくなる。つまり、酸を用いて可溶性樹脂粒子を溶解する際には、強酸以外の酸でも溶解することができ、酸化剤を用いて可溶性樹脂粒子を溶解する際には、比較的酸化力の弱い過マンガン酸塩でも溶解することができる。また、クロム酸を用いた場合でも、低濃度で溶解することができる。そのため、酸や酸化剤が樹脂表面に残留することがなく、後述するように、粗化面形成後、塩化パラジウム等の触媒を付与する際に、触媒が付与されなたかったり、触媒が酸化されたりすることがない。
【0086】上記可溶性無機粒子としては、例えば、アルミニウム化合物、カルシウム化合物、カリウム化合物、マグネシウム化合物およびケイ素化合物からなる群より選択される少なくとも一種からなる粒子等が挙げられる。
【0087】上記アルミニウム化合物としては、例えば、アルミナ、水酸化アルミニウム等が挙げられ、上記カルシウム化合物としては、例えば、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム等が挙げられ、上記カリウム化合物としては、炭酸カリウム等が挙げられ、上記マグネシウム化合物としては、マグネシア、ドロマイト、塩基性炭酸マグネシウム等が挙げられ、上記ケイ素化合物としては、シリカ、ゼオライト等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上併用してもよい。
【0088】上記可溶性金属粒子としては、例えば、銅、ニッケル、鉄、亜鉛、鉛、金、銀、アルミニウム、マグネシウム、カルシウムおよびケイ素からなる群より選択される少なくとも一種からなる粒子等が挙げられる。また、これらの可溶性金属粒子は、絶縁性を確保するために、表層が樹脂等により被覆されていてもよい。
【0089】上記可溶性粒子を、2種以上混合して用いる場合、混合する2種の可溶性粒子の組み合わせとしては、樹脂粒子と無機粒子との組み合わせが望ましい。両者とも導電性が低くいため樹脂フィルムの絶縁性を確保することができるとともに、難溶性樹脂との間で熱膨張の調整が図りやすく、樹脂フィルムからなる層間樹脂絶縁層にクラックが発生せず、層間樹脂絶縁層と導体回路との間で剥離が発生しないからである。
【0090】上記難溶性樹脂としては、層間樹脂絶縁層に酸または酸化剤を用いて粗化面を形成する際に、粗化面の形状を保持できるものであれば特に限定されず、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、これらの複合体等が挙げられる。また、これらの樹脂に感光性を付与した感光性樹脂であってもよい。感光性樹脂を用いることにより、層間樹脂絶縁層に露光、現像処理を用いてバイアホール用開口を形成することできる。これらのなかでは、熱硬化性樹脂を含有しているものが望ましい。それにより、めっき液あるいは種々の加熱処理によっても粗化面の形状を保持することができるからである。
【0091】上記難溶性樹脂の具体例としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。さらには、1分子中に、2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂がより望ましい。前述の粗化面を形成することができるばかりでなく、耐熱性等にも優れているため、ヒートサイクル条件下においても、金属層に応力の集中が発生せず、金属層の剥離などが起きにくいからである。
【0092】上記エポキシ樹脂としては、例えば、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、アルキルフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェノールF型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、フェノール類とフェノール性水酸基を有する芳香族アルデヒドとの縮合物のエポキシ化物、トリグリシジルイソシアヌレート、脂環式エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。それにより、耐熱性等に優れるものとなる。
【0093】第1実施形態で用いる樹脂フィルムにおいて、上記可溶性粒子は、上記難溶性樹脂中にほぼ均一に分散されていることが望ましい。均一な粗さの凹凸を有する粗化面を形成することができ、樹脂フィルムにバイアホールやスルーホールを形成しても、その上に形成する導体回路の金属層の密着性を確保することができるからである。また、粗化面を形成する表層部だけに可溶性粒子を含有する樹脂フィルムを用いてもよい。それによって、樹脂フィルムの表層部以外は酸または酸化剤にさらされることがないため、層間樹脂絶縁層を介した導体回路間の絶縁性が確実に保たれる。
【0094】上記樹脂フィルムにおいて、難溶性樹脂中に分散している可溶性粒子の配合量は、樹脂フィルムに対して、3〜40重量%が望ましい。可溶性粒子の配合量が3重量%未満では、所望の凹凸を有する粗化面を形成することができない場合があり、40重量%を超えると、酸または酸化剤を用いて可溶性粒子を溶解した際に、樹脂フィルムの深部まで溶解してしまい、樹脂フィルムからなる層間樹脂絶縁層を介した導体回路間の絶縁性を維持できず、短絡の原因となる場合がある。
【0095】上記樹脂フィルムは、上記可溶性粒子、上記難溶性樹脂以外に、硬化剤、その他の成分等を含有していることが望ましい。上記硬化剤としては、例えば、イミダゾール系硬化剤、アミン系硬化剤、グアニジン系硬化剤、これらの硬化剤のエポキシアダクトやこれらの硬化剤をマイクロカプセル化したもの、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスフォニウム・テトラフェニルボレート等の有機ホスフィン系化合物等が挙げられる。
【0096】上記硬化剤の含有量は、樹脂フィルムに対して0.05〜10重量%であることが望ましい。0.05重量%未満では、樹脂フィルムの硬化が不十分であるため、酸や酸化剤が樹脂フィルムに侵入する度合いが大きくなり、樹脂フィルムの絶縁性が損なわれることがある。一方、10重量%を超えると、過剰な硬化剤成分が樹脂の組成を変性させることがあり、信頼性の低下を招いたりしてしまうことがある。
【0097】上記その他の成分としては、例えば、粗化面の形成に影響しない無機化合物あるいは樹脂等のフィラーが挙げられる。上記無機化合物としては、例えば、シリカ、アルミナ、ドロマイト等が挙げられ、上記樹脂としては、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリフェニレン樹脂、メラニン樹脂、オレフィン系樹脂等が挙げられる。これらのフィラーを含有させることによって、熱膨脹係数の整合や耐熱性、耐薬品性の向上などを図り多層プリント配線板の性能を向上させることができる。
【0098】また、上記樹脂フィルムは、溶剤を含有していてもよい。上記溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテートやトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上併用してもよい。ただし、これらの層間樹脂絶縁層は、350℃以上の温度を加えると溶解、炭化をしてしまう。
【0099】ひき続き、本発明の第1実施形態の第1改変例に係るプリント配線板の製造方法について、図10を参照して説明する。図1(A)〜図1(C)を参照して上述した工程については、第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0100】(1)第1実施形態では、コア基板30の通孔30b側に導電性バンプ31を設ける(図10(A))。導電性バンプ31としては、異方導電性ペースト、異方導電性フィルム、絶縁性ペーストのいずれかを用いることができる。
【0101】異方導電性ペースト、異方導電性フィルムに用いるものは、樹脂と異方導電粒子からなる物を用い得る。樹脂としては、電子用途に高い実績のあるエポキシ樹脂を用いることが望ましが、種々の樹脂を用いることができる。異方導電粒子としては、粒子径の揃った樹脂球に金属めっきを施したものを用い得る。異方導電粒子に施すめっきとしては、銅、ニッケル及び貴金属めっきを用いれる。その中でも、金で形成するのが望ましい。その理由としては、樹脂全体を完全にめっきで覆うことができ、且つ、粒子同士が接触して導通を取った際に不都合が生じ難いからである。
【0102】絶縁性ペーストは、ペースト自体に導電性を有しているものがよい。その中に、樹脂や無機粒子などを含浸させ、ペースト自体の熱膨張係数を整合させてもよい。
【0103】(2)次に、チップコンデンサ20の裏面側に充填樹脂32を塗布し、コア基板30の凹部30aに位置決めする(図10(B))。
【0104】(3)チップコンデンサ20に上方から圧力を加え、第1、第2端子21,22で導電性バンプ31を押圧することで、導電性を持たせ、該第1、第2端子21、22と導体回路34との接続を取る(図10(C))。
【0105】(4)チップコンデンサ20とコア基板30の凹部30aの側壁との間に樹脂32aを充填する(図10(D))。以降の工程は、図2〜図7を参照して上述した第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0106】この第1実施形態の第1改変例では、導電性バンプ31としては、異方導電性ペースト、異方導電性フィルム、絶縁性ペーストのいずれかを用いるため、チップコンデンサ20の第1、第2端子21、22と導体回路34との高い接続信頼性を達成することができる。また、可撓性を備える異方導電性ペースト、異方導電性フィルム、絶縁性ペーストを用いて導電性バンプ31と形成するため、チップコンデンサ20とコア基板30の熱膨張率の違いを吸収することができ、高い信頼性を得ることができる。
【0107】本発明は、コア基板30を樹脂で形成するため、外形加工性が高く、チップコンデンサ20を確実に収容することができる。更に、チップコンデンサ20の充填される樹脂32、32aとの熱膨張との整合を取ることができるので、信頼性も向上する。
【0108】また、コア基板30とチップコンデンサ20の間に樹脂32が充填されているので、コンデンサなどが起因する応力が発生しても緩和されるし、マイグレーションの発生がない。そのために、チップコンデンサ20の端子21、22とバイアホール46の接続部への剥離や溶解などの影響がない。そのために、信頼性試験を実施しても所望の性能を保つことができるのである。また、コンデンサを銅によって被覆されている場合にも、マイグレーションの発生を防止することができる。
【0109】引き続き、本発明の第2実施形態の改変例に係るプリント配線板について、図11を参照して説明する。改変例のプリント配線板は、上述した第1実施形態とほぼ同様である。但し、第1実施形態では、コア基板30に収容されるチップコンデンサ20のみを備えていたが、改変例では、表面に大容量のチップコンデンサ86が実装されている。
【0110】ICチップは、瞬時的に大電力を消費して複雑な演算処理を行う。ここで、ICチップ側に大電力を供給するために、改変例では、プリント配線板に電源用のチップコンデンサ20及びチップコンデンサ86を備えてある。このチップコンデンサによる効果について、図12を参照して説明する。
【0111】図12は、縦軸にICチップへ供給される電圧を、横軸に時間を取ってある。ここで、二点鎖線Cは、電源用コンデンサを備えないプリント配線板の電圧変動を示している。電源用コンデンサを備えない場合には、大きく電圧が減衰する。破線Aは、表面にチップコンデンサを実装したプリント配線板の電圧変動を示している。上記二点鎖線Cと比較して電圧は大きく落ち込まないが、ループ長さが長くなるので、律速の電源供給が十分に行えていない。即ち、電力の供給開始時に電圧が降下している。また、二点鎖線Bは、第1実施形態に係るチップコンデンサを内蔵するプリント配線板の電圧降下を示している。ループ長さは短縮できているが、コア基板30に容量の大きなチップコンデンサを収容することができないため、電圧が変動している。ここで、実線Eは、図11を参照して上述したコア基板内のチップコンデンサ20を、また表面に大容量のチップコンデンサ86を実装する改変例のプリント配線板の電圧変動を示している。ICチップの近傍にチップコンデンサ20を、また、大容量(及び相対的に大きなインダクタンス)のチップコンデンサ86を備えることで、電圧変動を最小に押さえている。
【0112】引き続き、本発明の第3実施形態に係るプリント配線板の構成について図13を参照して説明する。この第3実施形態のプリント配線板の構成は、上述した第1実施形態とほぼ同様である。但し、コア基板30への収容されるチップコンデンサ20が異なる。図13は、チップコンデンサの平面図を示している。図13(A)は、多数個取り用の裁断前のチップコンデンサを示し、図中で一点鎖線は、裁断線を示している。上述した第1実施形態のプリント配線板では、図13(B)に平面図を示すようにチップコンデンサの側縁に第1電極21及び第2電極22を配設してある。図13(C)は、第3実施形態の多数個取り用の裁断前のチップコンデンサを示し、図中で一点鎖線は、裁断線を示している。第3実施形態のプリント配線板では、図13(D)に平面図を示すようにチップコンデンサの側縁の内側に第1電極21及び第2電極22を配設してある。
【0113】この第3実施形態のプリント配線板では、外縁の内側に電極の形成されたチップコンデンサ20を用いるため、容量の大きなチップコンデンサを用いることができる。
【0114】引き続き、第3実施形態の第1改変例に係るプリント配線板を参照して説明する。図14(A)は、第1改変例に係るプリント配線板のコア基板に収容されるチップコンデンサ20の平面図を示し、図14(B)は断面図を示している。上述した第1実施形態では、複数個の小容量のチップコンデンサをコア基板に収容したが、第1改変例では、大容量の大判のチップコンデンサ20をコア基板に収容してある。ここで、チップコンデンサ20は、第1電極21と第2電極22と、誘電体23と、第1電極21へ接続された第1導電膜24と、第2電極22側に接続された第2導電膜25と、第1導電膜24及び第2導電膜25へ接続されていないチップコンデンサの上下面の接続用の電極27とから成る。この電極27を介して、コア基板のスルーホールを同様にしてICチップ側とドータボード側とが接続される。
【0115】この第1改変例のプリント配線板では、大判のチップコンデンサ20を用いるため、容量の大きなチップコンデンサを用いることができる。また、大判のチップコンデンサ20を用いるため、ヒートサイクルを繰り返してもプリント配線板に反りが発生することがない。
【0116】図15を参照して第2改変例に係るプリント配線板について説明する。図15(A)は、多数個取り用の裁断前のチップコンデンサを示し、図中で一点鎖線は、通常の裁断線を示し、図15(B)は、チップコンデンサの平面図を示している。図15(B)に示すように、この第2改変例では、多数個取り用のチップコンデンサを複数個(図中の例では3枚)連結させて大判で用いている。
【0117】この第2改変例では、大判のチップコンデンサ20を用いるため、容量の大きなチップコンデンサを用いることができる。また、大判のチップコンデンサ20を用いるため、ヒートサイクルを繰り返してもプリント配線板に反りが発生することがない。
【0118】上述した第3実施形態では、チップコンデンサをプリント配線板に内蔵させたが、チップコンデンサの代わりに、セラミック板に導電体膜を設けてなる板状のコンデンサを用いることも可能である。
【0119】引き続き、本発明の第4実施形態に係るプリント配線板について図16を参照して説明する。第4実施形態のプリント配線板は、内蔵されるチップコンデンサ20を除き、第1〜第3実施形態と同様である。図16(A)は、第4実施形態のチップコンデンサ20を示している。上述した第1実施形態では、図9(A)を参照して上述したように、チップコンデンサ20のメタライズ層26からなる第1端子21及び第2端子22の上に、銅めっきからなる金属被覆29が形成されていた。これに対して、第4実施形態では、メタライズ層26からなる第1端子21及び第2端子22の上に、導電性ペースト27が被覆されている。ここで、メタライズ層26は、ニッケル、白金、銀からなり、導電性ペーストは、粒径0.1〜1.0μm(好適には1〜5μm)の少なくとも1種類以上の銅、ニッケル、銀粒子が含まれている。ここでは、1層から形成したが、種類の異なる金属粒子からなる導電性ペーストを2層以上被覆することができる。導電性ペースト27の厚みは、1〜30μm(好適には、5〜20μm)である。
【0120】第4実施形態では、凹凸のあるメタライズ層26の上に導電性ペースト27が被覆されているため、第1端子21及び第2端子22の上の表面が平滑になり、製造工程において、第1端子21及び第2端子22の上に層間樹脂絶縁層を設けて、レーザでバイアホール用開口を形成した際に、樹脂残りがなくなり、バイアホールを形成した際の接続信頼性を高めることができる。即ち、凹凸のあるメタライズ層26上にバイアホール用開口を形成した際の樹脂残りの問題を解消することができる。
【0121】図16(B)は、第4実施形態の第1改変例に係るチップコンデンサ20を示している。第1改変例では、導電性ペースト27上に、無電解めっき28a及び電解めっき膜28bからなるめっき層28が形成されている。第1改変例では、第1端子21及び第2端子22の上の表面が完全に平滑になり、バイアホールを形成した際の接続信頼性を高めることができる。
【0122】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、コア基板内にコンデンサを収容することが可能となり、ICチップとコンデンサとの距離が短くなるため、プリント配線板のループインダクタンスを低減できる。また、導体回路が形成された樹脂基板を複数個積層してコア基板を形成しているため、コア基板内の配線密度が高まり、層間樹脂絶縁層の層数を減らすことが可能となる。
【0123】また、コア基板とコンデンサの間に樹脂が充填されているので、コンデンサなどが起因する応力が発生しても緩和されるし、マイグレーションの発生がない。そのために、コンデンサの電極とバイアホールの接続部への剥離や溶解などの影響がない。そのために、信頼性試験を実施しても所望の性能を保つことができるのである。また、コンデンサを銅によって被覆されている場合にも、マイグレーションの発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)、(B)、(C)、(D)、(E)は、本発明の第1実施形態に係るプリント配線板の製造工程図である。
【図2】(A)、(B)、(C)、(D)は、本発明の第1実施形態に係るプリント配線板の製造工程図である。
【図3】(A)、(B)、(C)は、本発明の第1実施形態に係るプリント配線板の製造工程図である。
【図4】(A)、(B)、(C)は、本発明の第1実施形態に係るプリント配線板の製造工程図である。
【図5】(A)、(B)、(C)は、本発明の第1実施形態に係るプリント配線板の製造工程図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係るプリント配線板の製造工程図である。
【図7】第1実施形態に係るプリント配線板の断面図である。
【図8】第1実施形態に係るプリント配線板の断面図である。
【図9】(A)、(B)は、チップコンデンサの断面図である。
【図10】(A)、(B)、(C)、(D)は、第1実施形態の第1改変例に係るプリント配線板の製造工程図である。
【図11】本発明の第2実施形態に係るプリント配線板にICチップを搭載した状態を示す断面図である。
【図12】ICチップへの供給電圧と時間との変化を示すグラフである。
【図13】(A)、(B)、(C)、(D)は、第3実施形態のプリント配線板のチップコンデンサの平面図である。
【図14】(A)は、第3実施形態に係るプリント配線板のチップコンデンサの平面図であり、(B)は断面図である。
【図15】(A)、(B)は、第3実施形態の改変例に係るプリント配線板のチップコンデンサの平面図である。
【図16】(A)、(B)は、第4実施形態の改変例に係るプリント配線板のチップコンデンサの断面図である。
【符号の説明】
10 プリント配線板
20 チップコンデンサ
21 第1端子
22 第2端子
30 コア基板
30a 凹部
30b 通孔
32 導電性接着剤
34 導体回路
36 スルーホール
40 接続層
42 回路パターン
43 非貫通孔
46 バイアホール
60 層間樹脂絶縁層
66 バイアホール
68 導体回路
90 ICチップ
94 ドータボード

【特許請求の範囲】
【請求項1】 凹部にコンデンサを収容するコア基板に、樹脂絶縁層と導体回路とを積層してなるプリント配線板であって、前記コア基板の凹部の底部に通孔が形成され、前記コア基板の表面に、前記通孔の開口部を塞ぐ導体回路が形成され、前記凹部に収容されたコンデンサの端子と前記通孔を塞ぐ導体回路とが、前記通孔内で導電性バンプを介して接続されていることを特徴とするプリント配線板。
【請求項2】 前記導電性バンプが、圧接ペーストから成ることを特徴とする請求項1のプリント配線板。
【請求項3】 前記樹脂基板は、心材に樹脂を含浸させてなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプリント配線板。
【請求項4】 前記コンデンサは、複数個であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1に記載のプリント配線板。
【請求項5】 前記プリント配線板の表面にコンデンサを実装したことを特徴とする請求項1〜4の内1に記載のプリント配線板。
【請求項6】 前記表面のチップコンデンサの静電容量は、内層のチップコンデンサの静電容量以上であることを特徴とする請求項5に記載のプリント配線板。
【請求項7】 前記表面のチップコンデンサのインダクタンスは、内層のチップコンデンサのインダクタンス以上であることを特徴とする請求項5に記載のプリント配線板。
【請求項8】 前記コンデンサの電極に金属膜を形成し、前記金属膜を形成させた電極へめっきにより電気的接続を取ったことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1のプリント配線板。
【請求項9】 前記コンデンサの電極に形成した金属膜は、銅を主とするめっき膜であることを特徴とする請求項8に記載のプリント配線板。
【請求項10】 前記コア基板にコンデンサは絶縁性接着剤により接合され、絶縁性接着剤は、前記コア基板よりも熱膨張率が小さいことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のプリント配線板。
【請求項11】 前記コンデンサの電極の被覆層を少なくとも一部を露出させて、前記被覆層から露出した電極にめっきにより電気的接続を取ったことを特徴とする請求項1〜請求項10の内1に記載のプリント配線板。
【請求項12】 前記コンデンサとして、外縁の内側に電極が形成されたチップコンデンサを用いたことを特徴とする請求項1〜請求項11の内1に記載のプリント配線板。
【請求項13】 前記コンデンサとして、マトリクス状に電極を形成されたチップコンデンサを用いたことを特徴とする請求項1〜請求項12の内1に記載のプリント配線板
【請求項14】 前記コンデンサとして、多数個取り用のチップコンデンサを複数個連結させて用いたことを特徴とする請求項1〜請求項13の内1に記載のプリント配線板。
【請求項15】 前記コンデンサの電極に導電性ペーストを塗布し、前記導電性ペーストを塗布した電極へめっきにより電気的接続を取ったことを特徴とする請求項1〜14のいずれか1のプリント配線板。
【請求項16】 少なくとも以下(a)〜(f)の工程を備えることを特徴とするプリント配線板の製造方法:(a)コア基板に凹部及び、該凹部の底部に通孔を形成する工程;
(b)前記コア基板の表面に、前記通孔の開口部を塞ぐ導体回路を形成する工程;
(c)前記コア基板の凹部に樹脂を配設する工程;
(d)コンデンサの端子に導電性バンプを配設する工程;
(e)前記コア基板の凹部に前記コンデンサを収容し、前記導電性バンプを介して前記通孔の開口部を塞ぐ導体回路と接続を取る工程:(f)前記コア基板に、樹脂絶縁層と導体回路とを積層する工程。
【請求項17】 前記前記導電性バンプを介して前記通孔の開口部を塞ぐ導体回路と接続を取る工程において、超音波振動を与えることを特徴とする請求項16のプリント配線板の製造方法。
【請求項18】 少なくとも以下(a)〜(e)の工程を備えることを特徴とするプリント配線板の製造方法:(a)コア基板に凹部及び、該凹部の底部に通孔を形成する工程;
(b)前記コア基板の表面に、前記通孔の開口部を塞ぐ導体回路を形成する工程;
(c)前記コア基板の通孔に導電性バンプを配設する工程;
(d)前記コア基板の凹部に前記コンデンサを収容し、前記導電性バンプを介して前記コンデンサの端子と前記通孔の開口部を塞ぐ導体回路との接続を取る工程:(e)前記コア基板に、樹脂絶縁層と導体回路とを積層する工程。
【請求項19】 前記導電性バンプとして、圧接ペーストを用いることを特徴とする請求項18に記載のプリント配線板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図14】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2002−100876(P2002−100876A)
【公開日】平成14年4月5日(2002.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2000−390353(P2000−390353)
【出願日】平成12年12月22日(2000.12.22)
【出願人】(000000158)イビデン株式会社 (856)
【Fターム(参考)】