説明

配線基板及び配線基板の製造方法

【課題】反りを低減しつつも、微細配線を形成することができる配線基板を提供する。
【解決手段】配線基板1は、複数の配線層11,21,31,42,51,61と複数の絶縁層20,30,40,50,60とが積層された構造を有している。積層される複数の絶縁層のうち少なくとも1つの絶縁層40は、下層の配線層31の配線パターン31bを覆うように形成された補強材入りの絶縁層40Aと、その絶縁層40A上に積層され、絶縁層40Aよりも金属膜との密着性が高く、絶縁層40Aよりも薄い密着層41Aとを有している。また、積層される複数の配線層のうち少なくとも1つの配線層42は、絶縁層40A及び密着層41Aを貫通して下層の配線層31に接続されたビア配線42aと、密着層41A上に形成された配線パターン42bを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線基板及び配線基板の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、搭載される半導体チップの高密度化が進み、配線基板の薄型化や、配線パターンの高密度化が要求されている。このような要求に応えるために、高い剛性を有し層間絶縁膜よりも厚いコア基板(支持部材)を除去した配線基板、いわゆるコアレス基板が提案されている。
【0003】
コアレス基板の基本的なプロセスは、まず支持基板としての仮基板を用意し、この仮基板上にパッドとなる配線層を形成し、次いで所要の層数のビルドアップ配線層と絶縁層とを積層した後、最終的に仮基板を除去するものである。
【0004】
近年では、この種のコアレス基板において、積層される絶縁層のうち任意の絶縁層を、補強材を入れて機械的強度を高めた絶縁層とすることにより、当該基板の反りを低減する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−96260号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、上記補強材入りの絶縁層を有する配線基板では、補強材入りの絶縁層上に微細配線を形成することができないという問題がある。詳述すると、例えば補強材入りの絶縁層上にセミアディティブ法により配線パターンを形成する場合には、デスミア処理によって上記絶縁層の上面がエッチングされるため、上記絶縁層の上面の粗度が大きく(例えば、表面粗さRa値で800〜1000nm程度に)なる。このように上面(表面)が粗化されると、その上面に微細配線を高精度に形成することが困難となる。具体的には、上記デスミア処理後の補強材入りの絶縁層上には、L/S(ライン/スペース)=15μm/15μm以下の微細配線を高精度に形成することが困難である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一観点によれば、配線層と絶縁層とが複数層積層されてなる配線基板において、前記積層される複数の絶縁層のうち少なくとも1つの絶縁層は、下層の配線層の上面及び側面を覆うように形成された補強材入り絶縁層と、前記補強材入り絶縁層上に積層され、前記補強材入り絶縁層よりも金属膜との密着性が高く、前記補強材入り絶縁層よりも薄い密着層とを有し、前記積層される複数の配線層のうち少なくとも1つの配線層は、前記密着層上に積層されるとともに、前記下層の配線層とビア配線により接続されている。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一観点によれば、反りを低減しつつも、微細配線を形成することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1実施形態の配線基板を示す概略断面図。
【図2】第1実施形態の半導体パッケージを示す概略断面図。
【図3】(a)〜(e)は、第1実施形態の配線基板の製造方法を示す概略断面図。
【図4】(a)〜(c)は、第1実施形態の配線基板の製造方法を示す概略断面図。
【図5】(a)〜(c)は、第1実施形態の配線基板の製造方法を示す概略断面図。
【図6】(a)〜(c)は、第1実施形態の配線基板の製造方法を示す概略断面図。
【図7】(a)、(b)は、第1実施形態の配線基板の製造方法を示す概略断面図。
【図8】(a)は、第1実施形態の配線基板の製造方法を示す概略断面図、(b)は第1実施形態の半導体パッケージの製造方法を示す概略断面図。
【図9】(a)、(b)は、は第1実施形態の半導体パッケージの製造方法を示す概略断面図。
【図10】(a)、(b)は、第1実施形態の変形例の配線基板を示す概略断面図。
【図11】第1実施形態の変形例の配線基板を示す概略断面図。
【図12】(a)は、実施例1の配線基板を示す概略断面図、(b)は、シミュレーション条件を示すテーブル、(c)は、反りの測定方法を示す説明図。
【図13】(a)〜(f)は、実施例2,3及び比較例1〜4の配線基板を示す概略断面図。
【図14】第2実施形態の配線基板を示す概略断面図。
【図15】(a)〜(c)は、第2実施形態の配線基板の製造方法を示す概略断面図。
【図16】(a)〜(c)は、第2実施形態の配線基板の製造方法を示す概略断面図。
【図17】第2実施形態の変形例の配線基板を示す概略断面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して各実施形態を説明する。尚、添付図面は、構造の概略を説明するためのものであり、実際の大きさを表していない。
(第1実施形態)
以下、第1実施形態を図1〜図9に従って説明する。
【0011】
(第1実施形態に係る配線基板の構造)
まず、配線基板1の構造について説明する。
図1に示すように、配線基板1は、第1配線層11と、第1絶縁層20と、第2配線層21と、第2絶縁層30と、第3配線層31と、第3絶縁層40と、第4配線層42と、第4絶縁層50と、第5配線層51と、第5絶縁層60と、第6配線層61とが順次積層された構造を有している。このように、本実施形態の配線基板1は、一般的なビルドアップ法を用いて作製される配線基板(支持基材としてのコア基板の両面又は片面に所要数のビルドアップ層を順次形成して積層したもの)とは異なり、支持基材を含まない「コアレス基板」の形態を有している。
【0012】
なお、第2〜第6配線層21,31,42,51,61の材料としては、例えば銅や銅合金などの金属を用いることができる。
配線基板1において、第1配線層11は、図1では最下層に形成されている。この第1配線層11は、第1導電層12と第2導電層13とを有している。第1導電層12としては、例えば金(Au)膜、パラジウム(Pd)膜、ニッケル(Ni)膜を、Au膜が配線基板1の外部に露出するように、この順番で順次積層した導電層を用いることができる。また、第2導電層13としては、例えば銅(Cu)層等を含む導電層を用いることができる。
【0013】
第1配線層11の一部、つまり第1導電層12の第1主面12A(図中の下面)は第1絶縁層20から露出しており、半導体チップ70(図2参照)等と電気的に接続される電極パッド11Pとして機能する。すなわち、本実施形態では、電極パッド11Pが形成されている面がチップ搭載面となっている。第1絶縁層20から露出する第1配線層11の平面形状は例えば円形であり、その直径は例えば40〜120μm程度とすることができる。第1絶縁層20から露出する第1配線層11のピッチは、例えば100〜200μm程度とすることができる。第1配線層11の厚さは、例えば10〜20μm程度とすることができる。
【0014】
第1絶縁層20は、第1配線層11の第2主面(図中の上面)及び側面を覆い、第1配線層11の第1主面12Aを露出するように形成されている。第1絶縁層20の材料としては、熱硬化性を有するエポキシ系の絶縁性樹脂を用いることができる。なお、絶縁性樹脂としては、熱硬化性を有する樹脂に限定されず、感光性を有する絶縁性樹脂を用いることができる。第1絶縁層20の厚さは、例えば15〜35μm程度とすることができる。
【0015】
第2配線層21は、第1絶縁層20上に形成されている。第2配線層21は、第1絶縁層20を貫通して第1配線層11の上面を露出するビアホールVH1内に充填されたビア配線21aと、第1絶縁層20上に形成された配線パターン21bを有している。ビア配線21aは、(ビアホールVH1の底部に露出した)第1配線層11と電気的に接続されている。なお、ビアホールVH1及びそのビアホールVH1に形成されるビア配線21aは、図1において下側(電極パッド11P(チップ搭載面)側)から上側(第6配線層61側)に向かうにつれて径が大きくなるテーパ状に形成されている。第2配線層21の配線パターン21bの厚さは、例えば20〜35μm程度とすることができる。
【0016】
第2絶縁層30は、第1絶縁層20上に、第2配線層21を覆うように形成されている。第2絶縁層30の材料としては、例えば第1絶縁層20と同一組成の絶縁性樹脂を用いることができる。第2絶縁層30の厚さは、例えば15〜35μm程度とすることができる。
【0017】
第3配線層31は、第2絶縁層30上に形成されている。第3配線層31は、第2絶縁層30を貫通して第2配線層21の上面を露出するビアホールVH2内に充填されたビア配線31aと、第2絶縁層30上に形成された配線パターン31bを有している。ビア配線31aは、ビアホールVH2の底部に露出した第2配線層21と電気的に接続されている。なお、ビアホールVH2及びビア配線31aは、図1において下側から上側に向かうに連れて径が大きくなるテーパ状に形成されている。第3配線層31の配線パターン31bの厚さは、例えば20〜35μm程度とすることができる。
【0018】
第3絶縁層40は、絶縁層40Aと密着層41Aを有している。絶縁層40Aは、第2絶縁層30上に、第3配線層31(具体的には、配線パターン31b)の上面及び側面を覆うように形成されている。絶縁層40Aは、補強材入りの絶縁層であって、その他の絶縁層20,30,50,60よりも機械的強度(剛性や硬度等)が高い絶縁層である。この絶縁層40Aの材料としては、例えば熱硬化性樹脂に対し、補強材を入れた絶縁性樹脂を用いることができる。具体的には、絶縁層40Aの材料としては、ガラス、アラミド、LCP(Liquid Crystal Polymer)繊維の織布や不織布に、エポキシ系やポリイミド系の熱硬化性樹脂を含浸させた補強材入りの絶縁性樹脂を用いることができる。また、絶縁層40Aの材料としては、当該絶縁層40Aのガラス転移温度Tgがその他の絶縁層20,30,50,60のガラス転移温度Tg(例えば150℃程度)よりも高い温度(例えば200〜250℃程度)になるように調整された絶縁性樹脂であることが好ましい。さらに、絶縁層40Aの材料としては、当該絶縁層40Aの熱膨張係数が第3及び第4配線層31,42等の材料である銅の熱膨張係数(例えば17ppm/℃程度)に近づくように調整された絶縁性樹脂であることがより好ましい。なお、絶縁層40Aの厚さは、例えば30〜60μm程度とすることができる。この絶縁層40Aは、機械的強度を高める観点から、補強材の入っていない他の絶縁層20,30,50,60よりも厚く形成することが好適である。
【0019】
密着層41Aは、上記絶縁層40A上に、その絶縁層40Aの上面を覆うように形成されている。密着層41Aは、絶縁層40Aよりも金属膜(例えば、無電解めっき)との密着性が高い絶縁層であって、且つ絶縁層40Aよりも薄い絶縁層である。密着層41Aの厚さは、その密着層41A上に形成される第4配線層42の配線パターン42bよりも薄く形成することができる。すなわち、密着層41Aは、下層の第3配線層31を被覆する上記絶縁層40A上に形成され、その絶縁層40Aやその他の絶縁層20等のように、配線層を被覆して、積層された配線層同士の絶縁を確保する必要がないため、密着層41Aを配線パターン42bよりも薄く形成することができる。このため、密着層41Aの厚さは、配線基板1の薄型化の観点から、配線パターン42bよりも薄く設定することが好ましい。さらに言えば、密着層41Aの厚さは、配線基板1の反り低減の観点から、絶縁層40Aよりも十分に薄く設定することが好ましい。具体的には、密着層41Aの厚さは、絶縁層40Aの厚さの17%以下が好ましく、絶縁層40Aの厚さの10%以下がより好ましい。例えば密着層41Aの厚さは0.5〜5μm程度とすることができる。
【0020】
密着層41Aの材料としては、例えばエポキシ系樹脂を主成分とする熱硬化性樹脂と、無機フィラーとを含有する絶縁性樹脂を用いることができる。具体的には、密着層41Aの材料としては、当該密着層41A上に無電解めっきを形成した際のピール強度が、少なくとも、絶縁層40A上に無電解めっきを形成した際のピール強度(例えば100〜200N/m)よりも高くなるように組成(例えばエポキシ樹脂及び無機フィラーの含有量)が調整された絶縁性樹脂であることが好ましい。ここで、ピール強度とは、導体パターン(無電解めっき)と絶縁層との接着力を示す値(引き剥がし強度)のことである。このピール強度は、絶縁層から導体パターンを引き剥がすように垂直に引っ張ったときに、幅1mの導体パターンを絶縁層から引き剥がすために必要な力(N/m)で表され、この値が大きいほど、導体パターンと絶縁層との密着強度が高いことを示している。さらに、密着層41Aの材料としては、当該密着層41A上に無電解めっきを形成した際のピール強度が、第1絶縁層20上に無電解めっきを形成した際のピール強度(例えば600〜700N/m)よりも高い850N/m以上になるように調整された絶縁性樹脂であることがより好ましい。また、密着層41Aの材料としては、上記絶縁層40Aよりも耐薬品性(例えば、耐デスミア性)に優れた絶縁性樹脂であることが好ましい。すなわち、密着層41Aの材料としては、デスミア処理液によってエッチングされにくい絶縁性樹脂であることが好ましい。また、密着層41Aの材料としては、当該密着層41Aのガラス転移温度Tgが150℃以上となるように調整された絶縁性樹脂であることが好ましい。以上のような特性を実現するための密着層41Aの具体的な材料としては、例えばエポキシ樹脂を30vol%以上含有し、無機フィラーを比較的少量(例えば1vol%以上50vol%以下)含有した絶縁性樹脂であることが好ましい。また、密着層41Aの材料の具体的な材料としては、エポキシ樹脂を30vol%以上65vol%以下含有し、無機フィラーを1vol%以上30vol%以下含有した絶縁性樹脂であることがより好ましい。なお、密着層41Aは、上述のように無機フィラーの含有量が比較的少量であるため、熱膨張係数が40〜100ppm/℃程度と比較的高い値になる。
【0021】
さらに、密着層41Aは、絶縁層40Aよりも表面が平滑な絶縁層である。すなわち、密着層41Aの上面(絶縁層40Aと接する面とは反対側の面)は、凹凸が少ない平滑面(低粗度面)である。具体的には、密着層41Aの上面は、高低差の低い微細な凹凸が形成された低粗度面である。より具体的には、密着層41Aの上面の粗度は、表面粗さRa値で50〜350nmとなるように設定されている。ここで、表面粗さRa値とは、表面粗さを表わす数値の一種であり、算術平均粗さと呼ばれるものであって、具体的には測定領域内で変化する高さの絶対値を平均ラインである表面から測定して算術平均したものである。
【0022】
第4配線層42は、密着層41A上に形成されている。第4配線層42は、第3絶縁層40(絶縁層40A及び密着層41A)を貫通して第3配線層31の上面を露出するビアホールVH3内に充填されたビア配線42aと、密着層41A上に形成された配線パターン42bを有している。ビア配線42aは、ビアホールVH3の底部に露出した第3配線層31と電気的に接続されている。なお、ビアホールVH3及びビア配線42aは、図1において下側から上側に向かうに連れて径が大きくなるテーパ状に形成されている。第4配線層42の配線パターン42bの厚さは、例えば20〜35μm程度とすることができる。
【0023】
第4絶縁層50は、密着層41A上に、第4配線層42を覆うように形成されている。第4絶縁層50の材料としては、例えば第1絶縁層20と同一組成の絶縁性樹脂を用いることができる。第4絶縁層50の厚さは、例えば15〜35μm程度とすることができる。
【0024】
第5配線層51は、第4絶縁層50上に形成されている。第5配線層51は、第4絶縁層50を貫通して第4配線層42の上面を露出するビアホールVH4内に充填されたビア配線51aと、第4絶縁層50上に形成された配線パターン51bを有している。ビア配線51aは、ビアホールVH4の底部に露出した第4配線層42と電気的に接続されている。なお、ビアホールVH4及びビア配線51aは、図1において下側から上側に向かうに連れて径が大きくなるテーパ状に形成されている。第5配線層51の配線パターン51bの厚さは、例えば20〜35μm程度とすることができる。
【0025】
第5絶縁層60は、第4絶縁層50上に、第5配線層51を覆うように形成されている。第5絶縁層60の材料としては、例えば第1絶縁層20と同一組成の絶縁性樹脂を用いることができる。第5絶縁層60の厚さは、例えば15〜35μm程度とすることができる。
【0026】
第6配線層61は、第5絶縁層60上に形成された最上層(最外層)の配線層である。第6配線層61は、第5絶縁層60を貫通して第5配線層51の上面を露出するビアホールVH5内に充填されたビア配線61aと、第5絶縁層60上に形成された配線パターン61bを有している。ビア配線61aは、ビアホールVH5の底部に露出した第5配線層51と電気的に接続されている。なお、ビアホールVH5及びビア配線61aは、図1において下側から上側に向かうに連れて径が大きくなるテーパ状に形成されている。第6配線層61の配線パターン61bの厚さは、例えば20〜35μm程度とすることができる。
【0027】
上記電極パッド11Pが形成されている面と反対側(図1では上側)の最外層の第5絶縁層60には、ソルダレジスト層62が積層されている。ソルダレジスト層62の材料としては、例えばエポキシ系の絶縁性樹脂を用いることができる。ソルダレジスト層62の厚さは、例えば15〜35μm程度とすることができる。
【0028】
ソルダレジスト層62には、第6配線層61の配線パターン61bの一部を外部接続用パッド61Pとして露出させるための開口部62Xが形成されている。この外部接続用パッド61Pには、配線基板1をマザーボード等に実装する際に使用されるはんだボールやリードピン等の外部接続端子が接続されるようになっている。すなわち、本実施形態では、外部接続用パッド61Pの形成されている面が外部接続端子面となっている。なお、必要に応じて、上記開口部62Xから露出する配線パターン61b上に金属層を形成し、その金属層に上記外部接続端子を接続するようにしてもよい。金属層の例としては、Au層や、Ni/Au層(Ni層とAu層をこの順番で積層した金属層)や、Ni/Pd/Au層(Ni層とPd層とAu層をこの順番で積層した金属層)などを挙げることができる。また、上記開口部62Xから露出する配線パターン61b(又は、配線パターン61b上に金属層が形成されている場合には、その金属層)自体を、外部接続端子としてもよい。
【0029】
上記ソルダレジスト層62の開口部62X(外部接続用パッド61P)の平面形状は例えば円形であり、その直径は例えば200〜1000μm程度とすることができる。外部接続用パッド61Pのピッチは、例えば500〜1200μm程度とすることができる。
【0030】
(第1実施形態に係る半導体パッケージの構造)
次に、上記配線基板1を用いた半導体パッケージ2の構造を図2に従って説明する。なお、図2において、配線基板1は図1とは上下を反転して描かれている。
【0031】
図2に示すように、半導体パッケージ2は、配線基板1と、その配線基板1にフリップチップ接合される半導体チップ70と、アンダーフィル樹脂72とを有している。配線基板1の電極パッド11Pには、はんだ14が形成されている。このはんだ14としては、例えば共晶はんだや鉛(Pb)フリーはんだ(Sn−Ag系、Sn−Cu系、Sn−Ag−Cu系など)を用いることができる。
【0032】
半導体チップ70は、その回路形成面(図2では、下面)に、複数のバンプ71が形成されている。この半導体チップ70は、バンプ71及びはんだ14を介して、配線基板1の電極パッド11Pと電気的に接続されている。
【0033】
アンダーフィル樹脂72は、配線基板1と半導体チップ70との隙間を充填するように設けられている。このアンダーフィル樹脂72は、バンプ71と電極パッド11Pとの接続部分の接続強度を向上させると共に、電極パッド11Pの腐食やエレクトロマイグレーションの発生を抑制し、電極パッド11Pの信頼性の低下を防ぐための樹脂である。このアンダーフィル樹脂72の材料としては、例えばエポキシ系の絶縁性樹脂を用いることができる。
【0034】
(作用)
配線基板1では、補強材を入れることにより絶縁層20,30,50,60より機械的強度を高めた絶縁層40Aが、積層形成された配線基板1の積層方向の中心付近に位置するように設けられている。これにより、補強材入りの絶縁層40Aを中心としてその下部に配設される絶縁層20,30及び配線層11,21,31と、上部に配設される絶縁層50,60及び配線層42,51,61とが略対称に配置されることになる。したがって、配線基板1の絶縁層40Aを中心とした上下のバランスが良好となり、配線基板1に反りが発生するのを抑制することができる。
【0035】
さらに、配線基板1では、補強材入りの絶縁層40A上に密着層41Aを積層し、その密着層41A上に配線パターン42bを形成するようにした。ここで、密着層41Aは、その上面(配線パターン42bが形成される面)が低粗度面であって、且つ、金属膜(無電解めっき)との密着性が絶縁層40Aよりも高い絶縁層である。このため、このような密着層41Aの低粗度面に形成される配線パターン42bを微細化させることが可能となる。
【0036】
(第1実施形態に係る配線基板の製造方法)
次に、上記配線基板1の製造方法を説明する。
まず、配線基板1を製造するためには、図3(a)に示すように、支持基板80を用意する。この支持基板80としては、例えば金属板や金属箔を用いることができ、本実施形態では、例えば銅箔を用いる。この支持基板80の厚さは、例えば35〜100μmである。
【0037】
次に、図3(b)に示す工程では、支持基板80の一方の面(図中の上面)に、開口部81Xを有するレジスト層81を形成する。開口部81Xは、上記第1配線層11(図1参照)の形成領域に対応する部分の支持基板80の上面を露出するように形成される。レジスト層81の材料としては、感光性のドライフィルム又は液状のフォトレジスト(例えばノボラック系樹脂やエポキシ系樹脂等の液状レジスト)等を用いることができる。例えば感光性のドライフィルムを用いる場合には、支持基板80の上面にドライフィルムを熱圧着によりラミネートし、そのドライフィルムを露光・現像によりパターニングして、第1配線層11の形成領域に対応する所定パターンの開口部81Xを持つレジスト層81を形成する。なお、液状のフォトレジストを用いる場合にも、同様の工程を経て、レジスト層81を形成することができる。
【0038】
続いて、図3(c)に示す工程では、上記レジスト層81をめっきマスクとして、支持基板80の上面に、支持基板80をめっき給電層に利用する電解めっきを施す。具体的には、レジスト層81の開口部81Xから露出された支持基板80の上面に電解めっき法を施すことにより、開口部81X内に第1導電層12と第2導電層13とを順に積層して第1配線層11を形成する。例えば第1導電層12がAu膜、Pd膜、Ni膜をこの順番で順次積層した構造であり、第2導電層13がCu層である場合には、まず、支持基板80をめっき給電層に利用する電解めっき法により、Au膜、Pd膜、Ni膜を順に積層して第1導電層12を形成する。次いで、支持基板80をめっき給電層に利用する電解めっき法により、第1導電層12上にCu層を形成して第2導電層13を形成する。
【0039】
次に、図3(d)に示す工程(絶縁層形成工程)では、図3(c)に示したレジスト層81を除去した後、支持基板80の上面に、第1配線層11を覆うように第1絶縁層20を形成する。なお、第1絶縁層20は、例えば支持基板80に樹脂フィルムをラミネートした後に、樹脂フィルムを押圧しながら130〜150℃程度の温度で熱処理して硬化させることにより形成することができる。
【0040】
続いて、図3(e)に示す工程では、第1配線層11の上面が露出されるように、第1絶縁層20の所定箇所にビアホールVH1を形成する。このビアホールVH1は、例えば炭酸ガスレーザやUV−YAGレーザ等によるレーザ加工法によって形成することができる。なお、第1絶縁層20が感光性樹脂を用いて形成されている場合には、例えばフォトリソグラフィ法により所要のビアホールVH1を形成するようにしてもよい。
【0041】
次いで、ビアホールVH1をレーザ加工法によって形成した場合には、デスミア処理を行って、ビアホールVH1の底部に露出する第1配線層11の上面に付着した第1絶縁層20の樹脂残渣(樹脂スミア)を除去する。
【0042】
その後、図4(a)に示す工程(配線層形成工程)では、第1絶縁層20のビアホールVH1にビア導体を充填してビア配線21aを形成するとともに、そのビア配線21aを介して第1配線層11に電気的に接続される配線パターン21bを第1絶縁層20上に形成する。これらビア配線21a及び配線パターン21b、つまり第2配線層21は、例えばセミアディティブ法やサブトラクティブ法などの各種の配線形成方法を用いて形成することができる。
【0043】
次に、図4(b)に示す工程では、図3(d)〜図4(a)に示した工程を繰り返すことにより、第2絶縁層30と第3配線層31とを積層する。すなわち、図4(b)に示すように、第1絶縁層20及び第2配線層21上に第2絶縁層30を形成し、この第2絶縁層30に、配線パターン21bの上面に達するビアホールVH2を形成する。その後、上記ビアホールVH2にビア配線31aを形成するとともに、そのビア配線31aに電気的に接続される配線パターン31bを形成する。
【0044】
続いて、図4(c)に示す工程では、絶縁層40A(図1参照)となる絶縁層40B、つまりガラス、アラミド、LCP(Liquid Crystal Polymer)繊維の織布や不織布に未硬化の熱硬化性樹脂を含浸させた補強材入りの絶縁層40Bを用意する。この絶縁層40Bは、B−ステージ(半硬化状態)のものが使用される。絶縁層40Bの厚さは、例えば30〜80μmとすることができる。
【0045】
また、図4(c)に示す工程では、キャリア82に密着層41A(図1参照)となる絶縁層41Bが接着された構造体82Aを用意する。絶縁層41Bの材料としては、未硬化のエポキシ樹脂が30vol%以上含有され、無機フィラーが1〜50vol%の範囲で含有された絶縁性樹脂を用いることができる。絶縁層41Bは、半硬化状態のものが使用される。絶縁層41Bの厚さは、例えば1〜6μm程度とすることができる。また、絶縁層41Bを搬送するためのキャリア82としては、例えば銅箔を用いることができる。このキャリア82の厚さは、例えば2〜18μm程度とすることができる。
【0046】
また、図4(c)に示す工程(第1工程)では、図4(b)に示した構造体の上面側に下から順に上記絶縁層40Bと上記構造体82Aを配置する。このとき、構造体82Aは、絶縁層41Bが絶縁層40Bと対向するように絶縁層41Bを下側に向けた状態で配置される。そして、図4(b)に示した構造体、絶縁層40B及び構造体82Aを両面側から真空雰囲気で190〜250℃程度の温度で加熱・加圧する。これにより、図5(a)に示すように、絶縁層40B,41Bが硬化して、第2絶縁層30及び第3配線層31上に絶縁層40A及び密着層41Aが形成される。また、上記絶縁層40B,41Bの硬化に伴って、第2絶縁層30及び第3配線層31と絶縁層40Aとが接着されるとともに、絶縁層40Aと密着層41Aとが接着される。これにより、第2絶縁層30及び第3配線層31上に、絶縁層40Aと密着層41Aとが順に積層された第3絶縁層40が形成されたことになる。なお、例えば積層前の絶縁層40Bの厚さが60μm、配線パターン31bの厚さが35μmである場合には、積層後の絶縁層40Aの厚さは40μm程度となる。
【0047】
続いて、図5(b)に示す工程では、図5(a)に示したキャリア82(銅箔)を密着層41Aに対して選択的に除去する。例えば塩化第二鉄水溶液、塩化第二銅水溶液又は過硫酸アンモニウム水溶液などを用いたウェットエッチングにより、密着層41Aに対してキャリア82(銅箔)を選択的に除去することができる。
【0048】
次に、図5(c)に示す工程では、第3配線層31の配線パターン31bの上面が露出されるように、絶縁層40A及び密着層41Aの所定箇所にビアホールVH3を形成する。このビアホールVH3は、例えば炭酸ガスレーザやUV−YAGレーザ等によるレーザ加工法によって形成することができる。なお、レーザ加工法により形成したビアホールVH3は、第4絶縁層50(図1参照)が形成される側に開口されるとともに、第3配線層31の上面によって底面が形成された、開口部の面積が底面の面積よりも大きくなる円錐台状の凹部となる。
【0049】
次いで、ビアホールVH3をレーザ加工法によって形成した場合には、デスミア処理を行って、ビアホールVH3の底部に露出する第3配線層31の上面に付着した絶縁層40A及び密着層41Aの樹脂残渣を除去する。このデスミア処理は、例えば過マンガン酸塩法などを用いて行うことができる。このデスミア処理では、デスミア液(エッチング液)が密着層41Aの表面にも供給されるため、そのデスミア液によって密着層41Aの表面がエッチングされ、その密着層41Aの表面が粗面化される。但し、このとき、密着層41Aは、絶縁層40Aと比べて、熱硬化性樹脂(密着層41Aではエポキシ系樹脂)の含有量が30vol%以上と高く、無機フィラーの含有量が1〜50vol%と比較的少量であるため、デスミア処理の影響を受けにくい、つまり耐デスミア性に優れている。このため、この密着層41Aは、デスミア液によってエッチングされにくく、デスミア処理後もその表面が低粗度に維持される。具体的には、デスミア処理後の密着層41Aの表面の粗度は、表面粗さRa値で50〜350nm程度と低い値に維持される。換言すると、デスミア処理を行っても表面粗さRa値で50〜350nm程度と低い値に維持することの可能な耐デスミア性が得られるように、密着層41Aの組成(例えば、エポキシ系樹脂及び無機フィラーの含有量)が調整されている。
【0050】
次に、図6(a)に示す工程では、ビアホールVH3の底部に露出した配線パターン31bの上面、ビアホールVH3の内壁面及び密着層41Aの上面に銅等のシード層83を形成する。このシード層83は、例えば無電解銅めっき法やスパッタ法によって形成される。このとき、密着層41Aではシード層83(例えば無電解銅めっき)との密着性を低下させる要因となる無機フィラーの含有量が比較的少量であるため、密着層41Aに対してシード層83が良好に密着される。具体的には、密着層41Aでは無機フィラーの含有量が補強材の入っていない層間絶縁層(第1絶縁層20等)における無機フィラーの含有量と同等もしくはその含有量よりも少量になっている。このため、密着層41Aとシード層83との密着強度は、第1絶縁層20とシード層との密着強度と同等もしくはその密着強度よりも高くなる。さらに、上述したように密着層41Aの上面の粗度が低いため、この密着層41A上に形成される第4配線層42のファインライン化を実現することができる。
【0051】
続いて、図6(b)に示す工程では、第4配線層42のパターンに対応した開口部84Xを有するドライフィルムレジスト(DFR)等によりレジスト層84をシード層83上に形成する。このレジスト層84は、例えばフォトリソグラフィ法によって形成される。
【0052】
次いで、図6(c)に示す工程では、シード層83を給電層とする電解めっき法により、ビアホールVH3を含むレジスト層84の開口部84Xに銅などの金属めっき層42Cを充填して形成する。ビアホールVH3内では、シード層83から内側にめっきが施されてビアホールVH3内にビア導体42Dが充填される。これにより、シード層83及びビア導体42Dによって構成されるビア配線42aが形成されるとともに、シード層83及び金属めっき層42Cによって構成される配線パターン42bが形成される。このとき、上述したように低粗度面の密着層41A上に配線パターン42bが形成されるため、配線パターン42bのファインライン化を実現することができる。
【0053】
次に、図7(a)に示す工程では、図6(c)に示したレジスト層84を除去した後に、上記金属めっき層42C及びビア導体42Dをマスクにして、不要なシード層83をエッチングにより除去する。以上の図6(a)〜図7(a)に示した工程(第2工程)によって、絶縁層40A及び密着層41A上にビア配線42a及び配線パターン42bを有する第4配線層42が形成される。すなわち、第4配線層42はセミアディティブ法によって形成される。
【0054】
次に、図7(b)に示す工程では、図3(d)〜図4(a)に示した工程を再度繰り返すことにより、絶縁層と配線層とを交互に積層する。すなわち、図7(b)に示すように、
密着層41A及び第4配線層42上に第4絶縁層50を形成し、この第4絶縁層50に、第4配線層42の上面に達するビアホールVH4を形成する。その後、上記ビアホールVH4にビア配線51aを形成するとともに、そのビア配線51aに電気的に接続される配線パターン51bを形成し、第5配線層51を設ける。次に、第4絶縁層50及び第5配線層51上に第5絶縁層60を形成し、この第5絶縁層60に、配線パターン51bの上面に達するビアホールVH5を形成する。その後、上記ビアホールVH5にビア配線61aを形成するとともに、そのビア配線61aに電気的に接続される配線パターン61bを形成し、第6配線層61を設ける。
【0055】
次に、図7(b)に示す工程では、第6配線層61の所要の箇所に画定される外部接続用パッド61Pを露出させるための開口部62Xを有するソルダレジスト層62を第5絶縁層60及び第6配線層61上に形成する。このソルダレジスト層62は、例えば感光性のソルダレジストフィルムをラミネートし、又は液状のソルダレジストを塗布し、当該レジストを所要の形状にパターニングすることにより形成することができる。これにより、ソルダレジスト層62の開口部62Xから第6配線層61の一部が外部接続用パッド61Pとして露出される。なお、必要に応じて、外部接続用パッド61P上に、例えばNi層とAu層をこの順番で積層した金属層を形成するようにしてもよい。この金属層は、例えば無電解めっき法により形成することができる。
【0056】
次いで、図8(a)に示す工程では、仮基板として用いた支持基板80(図7(b)参照)を除去する。例えば支持基板80として銅箔を用いる場合には、塩化第二鉄水溶液、塩化第二銅水溶液、過硫酸アンモニウム水溶液等を用いたウェットエッチングにより、支持基板80の除去を行うことができる。この際、第1絶縁層20から露出する第1配線層11の最表層はAu膜等であるため、銅箔である支持基板80のみを選択的にエッチングすることができる。但し、第6配線層61が銅層である場合には、開口部62Xの底部に露出する第6配線層61が支持基板80とともにエッチングされることを防止するため、第6配線層61をマスクして上記ウェットエッチングを行う必要がある。
【0057】
以上の製造工程により、本実施形態の配線基板1を製造することができる。
(第1実施形態に係る半導体パッケージの製造方法)
次に、上述のように製造された配線基板1を用いた半導体パッケージ2の製造方法を説明する。
【0058】
まず、図8(b)に示す工程では、配線基板1の電極パッド11Pにはんだ14を形成する。このはんだ14は、例えばはんだペーストの塗布やはんだボールの搭載により形成することができる。続いて、図9(a)に示す工程では、端子にバンプ71を形成した半導体チップ70を、電極パッド11P上に位置決めし、はんだ14とバンプ71を溶融させ、半導体チップ70と電極パッド11Pとを電気的に接続する(フリップチップ接合)。そして、図9(b)に示す工程では、半導体チップ70と配線基板1の第1絶縁層20との間に、液状のアンダーフィル樹脂72を充填し、硬化する。以上の製造工程により、本実施形態の半導体パッケージ2を製造することができる。
【0059】
以上説明した本実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)配線基板1では、補強材入りの絶縁層40A上に密着層41Aを積層し、その密着層41A上に配線パターン42bを形成するようにした。ここで、密着層41Aは、その上面(配線パターン42bが形成される面)が低粗度面であって、且つ、金属膜(無電解めっき)との密着性が絶縁層40Aよりも高い絶縁層である。このため、このような密着層41Aの低粗度面に形成される配線パターン42bを微細化させることが可能となる。具体的には、配線パターン42bをL/S=8μm/8μm程度まで微細化させることが可能となる。
【0060】
(2)補強材入りの絶縁層40Aよりも耐デスミア性に優れた上記密着層41A上に配線パターン42bを形成するようにした。ここで、デスミア処理後の密着層41Aの上面の表面粗度は、表面粗さRa値で50〜350nmと低い値に維持される。このため、このような密着層41Aの上面(低粗度面)に配線パターン42bを形成する際に、セミアディティブ法を利用して微細配線形成を行うことができる。
【0061】
(3)本実施形態の製造方法では、配線層11,21,31及び絶縁層20,30の形成時には、それら配線層11,21,31及び絶縁層20,30が支持基板80に支持されるため、反りの発生が好適に抑制される。また、剛性の高い支持基板80に支持された状態で、配線層11,21,31及び絶縁層20,30等の形成が行われるため、配線基板の製造時に発生しうる薄板搬送の問題の発生を防止することができる。
【0062】
また、第2絶縁層30及び第3配線層31の形成後に、機械的強度の高い絶縁層40Aを含む第3絶縁層40が積層形成される。そして、配線層42,51,61及び絶縁層50,60は、上記機械的強度の高い絶縁層40Aを含む第3絶縁層40上に積層形成される。このため、配線層42,51,61及び絶縁層50,60は、第3絶縁層40及び支持基板80に支持されるため、これら配線層42,51,61及び絶縁層50,60の形成時にも、反りの発生が好適に抑制される。
【0063】
(4)従来から行われている多層配線基板の製造工程を大きく変更することなく、上記配線基板1を製造できるため、設備コストの低減を図ることができる。これにより、配線基板1の製造コストの低減も図ることができる。
【0064】
(5)配線基板1では、補強材を入れることにより絶縁層20,30,50,60より機械的強度を高めた絶縁層40Aが、積層形成された配線基板1の積層方向の中心付近に位置するように設けられている。これにより、補強材入りの絶縁層40Aを中心としてその下部に配設される絶縁層20,30及び配線層11,21,31と、上部に配設される絶縁層50,60及び配線層42,51,61とが略対称に配置されることになる。したがって、配線基板1の絶縁層40Aを中心とした上下のバランスが良好となり、配線基板1に反りが発生するのを抑制することができる。なお、樹脂よりなる絶縁層と金属よりなる配線層の熱膨張係数の違い等に起因して配線基板1に反りが発生すると、半導体チップ70を配線基板1に適正に実装することができなくなり、実装信頼性が低下してしまう。これに対し、本実施形態では、上記反りの発生が抑制されるため、半導体チップ70を配線基板1に適正に実装することができ、実装信頼性を向上させることができる。
【0065】
なお、上記第1実施形態は、これを適宜変更した以下の態様にて実施することもできる。
(第1実施形態の変形例)
・上記第1実施形態では、積層方向の中心付近に、補強材入りの絶縁層40Aと、低粗度で且つ無電解めっきとの密着性を向上させた密着層41Aとを有する絶縁層40を設けるようにした。これに限らず、配線基板において、積層される層間絶縁層の少なくとも1つの絶縁層が、上記絶縁層40A及び密着層41Aを有する絶縁層40であれば良いため、その絶縁層40の形成位置及び数は特に限定されない。
【0066】
・例えば図10(a)に示されるように、積層方向の中心付近に、補強材入りの絶縁層40Aと密着層41Aとを有する絶縁層40を複数(本例では、2つ)設けるようにしてもよい。すなわち、この2つの絶縁層40を有する配線基板1Aは、図1に示す配線基板1に対して絶縁層40(上側の絶縁層40)が追加され、その絶縁層40上に形成された配線層43が追加されている。この配線層43は、補強材入りの絶縁層40A及び密着層41Aを貫通して配線層42の上面を露出するビアホールVH6内に充填されたビア配線43aと、密着層41A上に形成された配線パターン43bを有している。このような構造とすることにより、積層方向の中心付近における配線基板1Aの剛性をより高めることができる。これにより、絶縁層40による補強効果を高めることができるため、配線基板1Aの反りを効果的に低減することができる。換言すると、上記複数の絶縁層40が高い剛性を有するコア基板(支持部材)と同等の効果を発揮する。
【0067】
ここで、コア基板の上下両面にビルドアップ配線層と絶縁層とを積層した配線基板では、コア基板にスルーホールを形成する必要がある。しかし、このスルーホールの微細化が困難であるため、配線基板全体の高密度を図ることができないという問題点がある。また、上記スルーホールにめっきを施す場合には、ボイドレスでスルーホールめっきを形成することが困難であるという問題もある。
【0068】
これに対し、図10(a)に示した構造によれば、複数の絶縁層40上に形成される配線層42,43は、各絶縁層40に形成されたビアホールVH3,VH6に充填されたビア配線42a,43aを介して層間接続される。このようなビア配線42a,43aは、微細化が容易であり、ボイドレスで形成することも容易である。このため、配線基板全体の高密度化を実現することができ、さらに配線層の層間接続の信頼性を向上させることができる。
【0069】
・また、例えば図10(b)に示されるように、外部接続端子面側の最外層の層間絶縁層を、補強材入りの絶縁層40Aと密着層41Aとを有する絶縁層40に変更するようにしてもよい。すなわち、配線基板1Bでは、図1に示す配線基板1における第5絶縁層60が絶縁層40に変更され、配線基板1における絶縁層40が補強材の入っていない絶縁層44に変更されている。また、配線基板1Bにおいて、絶縁層40上に積層された配線層63は、補強材入りの絶縁層40A及び密着層41Aを貫通して配線層51の上面を露出するビアホールVH7内に充填されたビア配線63aと、密着層41A上に形成された配線パターン63bを有している。なお、ソルダレジスト層62の開口部62Xから露出する配線層63は、外部接続用パッド63Pとして機能する。このように、補強材入りの絶縁層40Aと密着層41Aとを有する絶縁層40を、外部接続端子面側に偏らせて設けるようにしてもよい。また、図示は省略するが、補強材入りの絶縁層40Aと密着層41Aとを有する絶縁層40を、チップ搭載面側に偏らせて設けるようにしてもよい。
【0070】
・例えば図11に示されるように、全ての層間絶縁層を、補強材入りの絶縁層40Aと密着層41Aとを有する絶縁層40に変更するようにしてもよい。すなわち、配線基板1Cでは、図1に示す配線基板1における絶縁層20,30,50,60の全てが絶縁層40に変更されている。この場合には、配線基板1Cの反りを効果的に低減することができる。例えば配線基板1Cに用いられる材料などの応力や、積層される層の数、層の厚さ等から考えて、配線基板1Cの反りが大きくなる懸念がある場合には、本例のように全ての層間絶縁層を、補強材入りの絶縁層40Aと密着層41Aとを有する絶縁層40に変更することが好ましい。
【0071】
以上のように、上記第1実施形態の配線基板1において、積層される複数の層間絶縁層の任意の絶縁層を上記絶縁層40A及び密着層41Aを有する絶縁層40に変更してもよい。換言すると、上記第1実施形態の配線基板1の製造方法によれば、任意の絶縁層を上記絶縁層40に変更することができる。すなわち、配線基板の特性(積層される層の数、層の厚さや配線層の占有面積など)に応じて、任意の絶縁層を上記絶縁層40に適宜変更することができる。
【0072】
[実施例]
次に、実施例及び比較例を挙げて上記第1実施形態及びその変形例をさらに具体的に説明する。
【0073】
ここでは、密着層41Aを追加した場合に、その密着層41Aが配線基板の反り改善に対して悪影響を及ぼすか否かを検証した結果を説明する。すなわち、密着層41Aでは、無機フィラーの含有量が比較的少量であるため、熱膨張係数が他の絶縁層20,30,40A等に比べて高くなる(例えば、40〜100ppm/℃程度)。この密着層41Aの熱膨張係数は、配線層(銅)の熱膨張係数(例えば、17ppm/℃程度)と大きく相違する。このため、それら熱膨張係数の相違によって配線基板1に反りが生じることが懸念される。すなわち、補強材入りの絶縁層40Aを追加したことにより配線基板の反りが改善され、密着層41Aを形成したことにより配線パターンの微細化が実現されるものの、密着層41Aを追加したことにより上記絶縁層40Aによる反り改善に悪影響が及ぼされることが懸念される。そこで、図12(a)及び図13に示すように、絶縁層40Aと密着層41Aを有する絶縁層40を設けた配線基板(実施例1〜3)、絶縁層40の代わりに絶縁層40Aのみを設けた配線基板(比較例1〜3)、及び絶縁層40A及び密着層41Aを設けていない配線基板(比較例4)の各々について反りのシミュレーションを行った。
【0074】
(実施例1)
図12(a)に示すように、実施例1の配線基板は、7層の配線層C1〜C7と6層の絶縁層A1〜A6とを交互に積層し、最下層の絶縁層A6にソルダレジスト層SRを積層したものである。この配線基板は、上記第1実施形態の配線基板1の製造方法と同様に、チップ搭載面側の配線層C1〜C7及び絶縁層A1〜A6から順に支持基板上に積層して形成したものである。ここで、絶縁層A4は、補強材入りの絶縁層40Aと密着層41Aとが積層された絶縁層40であり、その他の絶縁層A1〜A3,A5,A6は補強材の入っていない絶縁層である。
【0075】
シミュレーション条件としては、絶縁層40Aの熱膨張係数を16.5ppm/℃、ヤング率を約30000MPaに調整し、密着層41Aの熱膨張係数を70〜90ppm/℃、ヤング率を約2000MPaに調整することで、絶縁層40の熱膨張係数を17.0ppm/℃、ヤング率を約29000MPaに調整した。また、補強材の入っていない絶縁層の熱膨張係数を39ppm/℃、ヤング率を約5000MPaに調整し、ソルダレジスト層SRの熱膨張係数を40ppm/℃、ヤング率を約3800MPaに調整した。
【0076】
また、配線基板の平面形状を45mm×45mmの矩形状とした。具体的には、図12(b)に示すように、配線層C1〜C7の層厚を15μm、絶縁層A1の層厚を15μm、補強材の入っていない絶縁層A2,A3,A5,A6の層厚を30μm、補強材入りの絶縁層A4の層厚を40μm、ソルダレジスト層SRの層厚を15μmとした。ここで、絶縁層40である絶縁層A4の層厚(40μm)は、絶縁層40Aの厚さ(38μm)と密着層41Aの厚さ(2μm)を合算した厚さである。また、配線層C1〜C7の残銅率がそれぞれ1.5%、66.8%、88.6%、62.3%、82.5%、76.1%、82.2%となるように、各配線層C1〜C7のCu面積を調整した。ここで、残銅率とは、ある絶縁層上の面積に占める、配線層を形成する銅層の面積の比率である。
【0077】
なお、以上説明したシミュレーション条件は、他の実施例2,3及び比較例1〜4でも同様である。
(実施例2)
図13(a)に示すように、実施例2の配線基板は、絶縁層A4に加えて絶縁層A3,A5を上記絶縁層40としたものである。
【0078】
(実施例3)
図13(b)に示すように、実施例3の配線基板は、全ての絶縁層A1〜A6を上記絶縁層40としたものである。
【0079】
(比較例1)
図13(c)に示すように、比較例1の配線基板は、実施例1の配線基板の絶縁層A4から密着層41Aを省略し、実施例1の配線基板の絶縁層40を補強材入りの絶縁層40A単体に変更したものである。
【0080】
(比較例2)
図13(d)に示すように、比較例2の配線基板は、実施例2の配線基板の絶縁層A3〜A5から密着層41Aを省略し、実施例2の配線基板の絶縁層40を補強材入りの絶縁層40A単体に変更したものである。
【0081】
(比較例3)
図13(e)に示すように、比較例3の配線基板は、実施例3の配線基板の絶縁層A1〜A6から密着層41Aを省略し、実施例3の配線基板の絶縁層40を補強材入りの絶縁層40A単体に変更したものである。
【0082】
(比較例4)
図13(f)に示すように、比較例4の配線基板は、全ての絶縁層A1〜A6を補強材の入っていない絶縁層としたものである。このとき、絶縁層A1の厚さを15μmとし、その他全ての絶縁層A2〜A6の厚さを30μmとした。
【0083】
(測定方法)
各例の配線基板を190度の環境下に置いて応力を開放後、温度を25度に下げたときの反りを測定した。反りは、図12(c)に示すように、配線基板の1/2対角長における各端部、つまり基板中央部B1と角部B2との高さの差を測定した。なお、チップ搭載面が凸状に反った場合の反り量をプラスとし、チップ搭載面が凹状に反った場合の反り量をマイナスとして、表1にシミュレーション結果を示した。
【0084】
【表1】

(シミュレーション結果)
表1に示すように、まず、全ての絶縁層A1〜A6が補強材の入っていない絶縁層である比較例4の配線基板では、反り量が−671μmであった。これに対し、絶縁層A1〜A6のうち少なくとも1つの絶縁層を絶縁層40(補強材入りの絶縁層40A+密着層41A)とした実施例1〜3の配線基板では、反り量がそれぞれ−643μm、−561μm、−89μmであり、上記比較例4よりも反り量が小さくなっていることが分かる。上述したように、熱膨張係数の高い密着層41Aを設けると、反り改善効果に悪影響が及ぼされることが懸念されたが、上記シミュレーション結果から明らかなように、密着層41Aを設けた場合であっても、配線基板の反りを十分に改善することができた。さらに、実施例1と比較例1、及び、実施例2と比較例2をそれぞれ比較すると、実施例1,2における反り量は、密着層41Aが存在しない場合(比較例1,2)の反り量と同等であった。このことから、熱膨張係数が配線層の熱膨張係数と大きく相違する密着層41Aを追加した場合であっても、その密着層41Aが上記絶縁層40Aによる配線基板の反り改善に対して悪影響を及ぼさないことが分かる。この理由について考察する。本実施例1,2では、密着層41Aの厚さが絶縁層40Aの厚さの約5.3%に調整され、密着層41Aのヤング率が絶縁層40Aのヤング率の約6.7%に調整されている。このように密着層41Aの厚さが絶縁層40Aに比べて十分に薄く、さらに密着層41Aのヤング率が絶縁層40Aに比べて小さいために、補強材入りの絶縁層40Aによる反り改善効果を弱める作用が少なく、密着層41Aが上記反り改善に対して悪影響を及ぼさなかったものと考えられる。
【0085】
また、全ての絶縁層A1〜A6を絶縁層40(補強材入りの絶縁層40A+密着層41A)とした実施例3では、反り量が−89μmであり、高い反り改善効果が得られることが分かる。但し、実施例3と比較例3を比較すると、実施例3における反り量の絶対値が比較例3のそれよりも50μm以上大きくなっている。これは、反り量の絶対値が小さくなるにつれて、反り量に対する密着層41Aの熱膨張係数(やヤング率)の影響が大きくなるためと考えられる。これに伴って、密着層41Aの有無により反り量の差が増加すると考えられる。しかし、このような反り量の差は、反り量の絶対値が十分に小さくなったときに生じる差である。従って、上記シミュレーション結果からも明らかなように、たとえ比較例3との反り量の差が増加したとしても、密着層41Aを有する絶縁層40による反り改善効果は十分に得られていると言える。
【0086】
(第2実施形態)
以下、第2実施形態を図14〜図16に従って説明する。
上記第1実施形態では、チップ搭載面側から配線層及び絶縁層を交互に積層して形成された配線基板について説明した。これに対し、本実施形態では、外部接続端子面側から配線層及び絶縁層を交互に積層して形成された配線基板について説明する。また、上記第1実施形態では、積層方向の中心付近に補強材入りの絶縁層と密着層とを有する絶縁層を設けるようにしたが、本実施形態では、外部接続端子面側の最外層に補強材入りの絶縁層と密着層とを有する絶縁層を設けるようにした。
【0087】
図14に示すように、配線基板3は、第1配線層111と、第1絶縁層120と、第2配線層122と、第2絶縁層130と、第3配線層131と、第3絶縁層140と、第4配線層141と、第4絶縁層150と、第5配線層151と、第5絶縁層160と、第6配線層161とが順次積層された構造を有している。このように、本実施形態の配線基板3は、上記第1実施形態の配線基板1と同様に、支持基材を含まない「コアレス基板」の形態を有している。
【0088】
なお、第2〜第6配線層122,131,141,151,161の材料としては、例えば銅や銅合金などの金属を用いることができる。
配線基板3において、第1配線層111は、図14では最下層に形成されている。この第1配線層111は、第1導電層112と第2導電層113とを有している。第1導電層112としては、例えばAu膜、Pd膜、Ni膜を、Au膜が配線基板3の外部に露出するように、この順番で順次積層した導電層を用いることができる。また、第2導電層113としては、例えばCu層等を含む導電層を用いることができる。
【0089】
第1配線層111の一部、つまり第1導電層112の第1主面112A(図中の下面)は第1絶縁層120から露出しており、マザーボード等に実装する際に使用されるはんだボールやリードピン等の外部接続端子が接続される外部接続用パッド111Pとして機能する。すなわち、本実施形態では、外部接続用パッド111Pが形成されている面が外部接続端子面となっている。また、本実施形態では、第1導電層112の第1主面112Aが第1絶縁層120の第1主面(図中の下面)と面一になっている。なお、第1絶縁層120から露出する第1配線層111自体を、外部接続端子としてもよい。
【0090】
第1絶縁層120から露出する第1配線層111の平面形状は例えば円形であり、その直径は例えば200〜1000μm程度とすることができる。第1絶縁層120から露出する第1配線層111のピッチは、例えば500〜1200μm程度とすることができる。第1配線層111の厚さは、例えば10〜20μm程度とすることができる。
【0091】
第1絶縁層120は、絶縁層120Aと密着層121Aとを有している。絶縁層120Aは、第1配線層111の第2主面(図中の上面)及び側面を覆い、第1配線層111の第1主面112Aを露出するように形成されている。絶縁層120Aは、上記第1実施形態の絶縁層40Aと同一組成の絶縁層であり、補強材入りの絶縁層である。絶縁層120Aの材料としては、熱硬化性を有するエポキシ系の絶縁性樹脂を用いることができる。なお、絶縁性樹脂としては、熱硬化性を有する樹脂に限定されず、感光性を有する絶縁性樹脂を用いることができる。絶縁層120Aの厚さは、例えば30〜60μm程度とすることができる。
【0092】
密着層121Aは、上記絶縁層120A上に、その絶縁層120Aの上面を覆うように形成されている。この密着層121Aは、上記第1実施形態の密着層41Aと同一組成の絶縁層であり、絶縁層120Aよりも表面が平滑(低粗度)であって且つ絶縁層120Aよりも金属膜(例えば、無電解めっき)との密着性が高い絶縁層である。密着層121Aの材料としては、例えばエポキシ樹脂の含有量を30vol%以上とし、無機フィラーの含有量を1〜50vol%の範囲内とした絶縁性樹脂を用いることができる。
【0093】
密着層121Aの表面粗度は、例えば表面粗さRa値で50〜350nmとなるように設定されている。また、密着層121Aの厚さは、例えば0.5〜5μm程度とすることができる。
【0094】
第2配線層122は、第1絶縁層120上に形成されている。第2配線層122は、絶縁層120A及び密着層121Aを貫通して第1配線層111の上面を露出するビアホールVH11内に充填されたビア配線122aと、密着層121A上に形成された配線パターン122bを有している。ビア配線122aは、ビアホールVH11の底部に露出した第1配線層111と電気的に接続されている。なお、ビアホールVH11及びビア配線122aは、図14において下側(外部接続端子面側)から上側(第6配線層161側)に向かうに連れて径が大きくなるテーパ状に形成されている。第2配線層122の配線パターン122bの厚さは、例えば20〜35μm程度とすることができる。
【0095】
第3〜第6配線層131,141,151,161は、第2〜第5絶縁層130,140,150,160を介在して積層され、各絶縁層130,140,150,160に形成されたビアホールVH12,VH13,VH14,VH15に充填されたビア配線131a,141a,151a,161aを介して層間接続されている。
【0096】
なお、第2〜第5絶縁層130,140,150,160の材料としては、熱硬化性を有するエポキシ系の絶縁性樹脂を用いることができる。なお、絶縁性樹脂としては、熱硬化性を有する樹脂に限定されず、感光性を有する絶縁性樹脂を用いることができる。これら第2〜第5絶縁層130,140,150,160の厚さは、例えば15〜35μm程度とすることができる。
【0097】
上記第3配線層131は、上記第2配線層122の配線パターン122bと電気的に接続されているビア配線131aと、そのビア配線131aに電気的に接続されている配線パターン131bとを有している。第4配線層141は、配線パターン131bと電気的に接続されているビア配線141aと、そのビア配線141aに電気的に接続されている配線パターン141bとを有している。第5配線層151は、配線パターン141bと電気的に接続されているビア配線151aと、そのビア配線151aに電気的に接続されている配線パターン151bとを有している。第6配線層161は、配線パターン151bと電気的に接続されているビア配線161aと、そのビア配線161aと電気的に接続されている配線パターン161bとを有している。これら第3〜第6配線層131,141,151,161のビア配線131a,141a,151a,161aはそれぞれ、図14において下側(外部接続用パッド111P側)から上側(配線パターン161b側)になるにつれて径が大きくなるテーパ状に形成されている。具体的には、ビア配線131a,141a,151a,161aはそれぞれ、外部接続用パッド111P側の端面が配線パターン161b側の端面よりも小径となる円錐台形状に形成されている。
【0098】
上記第5絶縁層160には、ソルダレジスト層162が積層されている。ソルダレジスト層162の材料としては、例えばエポキシ系の絶縁性樹脂を用いることができる。ソルダレジスト層162の厚さは、例えば15〜35μm程度とすることができる。
【0099】
ソルダレジスト層162には、上記配線パターン161bの一部を電極パッド161Pとして露出させるための開口部162Xが形成されている。この電極パッド161Pには、例えば半導体チップ等が電気的に接続されるようになっている。すなわち、本実施形態では、電極パッド161Pが形成されている面がチップ搭載面となっている。なお、必要に応じて、上記開口部162Xから露出する第6配線層161の配線パターン161b上に金属層を形成し、その金属層に半導体チップを電気的に接続するようにしてもよい。金属層の例としては、Au層や、Ni/Au層(Ni層とAu層をこの順番で積層した金属層)や、Ni/Pd/Au層(Ni層とPd層とAu層をこの順番で積層した金属層)などを挙げることができる。
【0100】
上記ソルダレジスト層162の開口部162X(電極パッド161P)の平面形状は例えば円形であり、その直径は例えば40〜120μm程度とすることができる。電極パッド161Pのピッチは、例えば100〜200μm程度とすることができる。
【0101】
(第2実施形態に係る配線基板の製造方法)
次に、上記配線基板3の製造方法を説明する。
まず、配線基板3を製造するためには、図15(a)に示すように、支持基板180を用意する。この支持基板180としては、例えば金属板や金属箔を用いることができ、本実施形態では、例えば銅箔を用いる。この支持基板180の厚さは、例えば35〜100μmである。続いて、支持基板180の一方の面(図中の上面)に、第1配線層111の形状に対応した開口部181Xを有するレジスト層181を形成する。次いで、レジスト層181をめっきマスクとして、支持基板180の上面に、支持基板180をめっき給電層に利用する電解めっきを施す。具体的には、レジスト層181の開口部181Xから露出された支持基板180の上面に電解めっき法を施すことにより、開口部181X内に第1導電層112と第2導電層113とを順に積層して第1配線層111を形成する。例えば第1導電層112がAu膜、Pd膜、Ni膜をこの順番で順次積層した構造であり、第2導電層113がCu層である場合には、まず、支持基板180をめっき給電層に利用する電解めっき法により、Au膜、Pd膜、Ni膜を順に積層して第1導電層112を形成する。次いで、支持基板180をめっき給電層に利用する電解めっき法により、第1導電層112上にCu層を形成して第2導電層113を形成する。
【0102】
次に、図15(b)に示す工程では、図15(a)に示したレジスト層181を除去する。また、絶縁層120A(図14参照)となる絶縁層120B、つまりガラス、アラミド、LCP(Liquid Crystal Polymer)繊維の織布や不織布に未硬化の熱硬化性樹脂(例えば、エポキシ系樹脂やポリイミド系樹脂など)を含浸させた補強材入りの絶縁層120Bを用意する。この絶縁層120Bは、B−ステージのものが使用される。絶縁層120Bの厚さは、例えば30〜80μmとすることができる。
【0103】
また、図15(b)に示す工程では、キャリア182に密着層121A(図14参照)となる絶縁層121Bが接着された構造体182Aを用意する。絶縁層121Bの材料としては、例えば未硬化のエポキシ樹脂が30vol%以上含有され、無機フィラーが1〜50vol%の範囲で含有された絶縁性樹脂を用いることができる。絶縁層121Bは、半硬化状態のものが使用される。絶縁層121Bの厚さは、例えば1〜6μm程度とすることができる。また、絶縁層121Bを搬送するためのキャリア182としては、例えば銅箔を用いることができる。このキャリア182の厚さは、例えば2〜18μm程度とすることができる。
【0104】
また、図15(b)に示す工程では、支持基板180の上面に第1配線層111が形成された構造体の上面側に、下から順に上記絶縁層120Bと上記構造体182Aを配置する。このとき、構造体182Aは、絶縁層121Bが絶縁層120Bと対向するように絶縁層121Bを下側に向けた状態で配置される。そして、支持基板180の上面に第1配線層111が形成された構造体、絶縁層120B及び構造体182Aを両面側から真空雰囲気で190〜250℃程度の温度で加熱・加圧する。これにより、図15(c)に示すように、絶縁層120B,121Bが硬化して、支持基板180及び第1配線層111上に絶縁層120A及び密着層121Aが積層形成される。また、上記絶縁層120B,121Bの硬化に伴って、支持基板180及び第1配線層111と絶縁層120Aとが接着されるとともに、絶縁層120Aと密着層121Aとが接着される。
【0105】
続いて、図15(c)に示す工程では、図15(b)に示したキャリア182(銅箔)を、密着層121Aに対して選択的にエッチングにより除去する。
次に、図16(a)に示す工程では、第1配線層111の上面が露出されるように、絶縁層120A及び密着層121Aの所定箇所にビアホールVH11を形成する。このビアホールVH11は、例えば炭酸ガスレーザやUV−YAGレーザ等によるレーザ加工法によって形成することができる。
【0106】
次いで、ビアホールVH11をレーザ加工法によって形成した場合には、デスミア処理を行って、ビアホールVH11の底部に露出する第1配線層111の上面に付着した絶縁層120A及び密着層121Aの樹脂残渣を除去する。このデスミア処理は、例えば過マンガン酸塩法などを用いて行うことができる。なお、このデスミア処理後の密着層121Aの上面の粗度は、表面粗さRa値で50〜350nm程度と低い値に維持される。
【0107】
次に、図16(b)に示す工程では、第1絶縁層120上に第2配線層122を形成する。この第2配線層122は、図6(a)〜図7(a)で説明した工程と同様に、セミアディティブ法によって形成することができる。
【0108】
すなわち、無電解めっき法やスパッタ法により、ビアホールVH11の底部に露出した第1配線層111の上面、ビアホールVH11の内壁面及び密着層121Aの上面に銅等のシード層(図示略)を形成する。このとき、密着層121Aの上面(低粗度面)にシード層が形成され、高い密着強度で密着層121Aとシード層とが密着される。次に、シード層上に第2配線層122の形状に対応する開口部を備えたレジスト層(図示略)を形成する。続いて、シード層を給電層に利用した電解めっき法により、レジスト層の開口部に銅等からなる配線層(図示略)を形成する。次いで、レジスト層を除去した後に、配線層をマスクにして、配線層に覆われていない部分のシード層をエッチングにより除去する。これにより、ビアホールVH11内に充填されたビア配線122aと、密着層121A上に形成された配線パターン122bとを有する第2配線層122が第1絶縁層120上に形成される。
【0109】
次に、図16(c)に示す工程では、図3(d)〜図4(a)に示した工程を再度繰り返すことにより、絶縁層と配線層とを交互に積層する。すなわち、図16(c)に示すように、密着層121A及び第2配線層122上に第2絶縁層130を形成し、この第2絶縁層130上に第3配線層131を形成する。同様に、第3絶縁層140、第4配線層141、第4絶縁層150、第5配線層151、第5絶縁層160、第6配線層161を順に積層形成する。
【0110】
次に、図16(c)に示す工程では、第6配線層161の所要の箇所に画定される電極パッド161Pを露出させるための開口部162Xを有するソルダレジスト層162を第5絶縁層160及び第6配線層161上に形成する。これにより、ソルダレジスト層162の開口部162Xから第6配線層161の一部が電極パッド161Pとして露出される。その後、支持基板180を除去することにより、図14に示した配線基板3を製造することができる。
【0111】
以上説明した実施形態によれば、第1実施形態の(1)〜(4)の効果に加えて以下の効果を奏する。
(1)外部接続用パッド111P側の最外層の層間絶縁層のみを、補強材入りの絶縁層120Aと密着層121Aとを有する絶縁層120とした。この理由を以下に説明する。
【0112】
まず、一般的に、外部接続用パッド111Pとして用いられる配線層(ここでは、第1配線層111)は残銅率が高く、電極パッド161Pとして用いられる配線層(ここでは、第6配線層161)は残銅率が低い。なお、本実施形態の場合には、金属層として銅を想定して残銅率と称するが、金属層は銅以外であってもよい。
【0113】
上述したような残銅率の差により配線基板3に反りが生じやすくなる。具体的には、層間絶縁層のガラス転移温度Tgよりも低い常温環境下では、残銅率の低い層、つまり絶縁樹脂の含有量の多い層の方が縮みやすいため、電極パッド161P側(チップ搭載面側)が凹状に反る傾向にある。その一方で、層間絶縁層のガラス転移温度Tgよりも高い高温環境下では、残銅率の低い層が残銅率の高い層に向かって反る、つまり外部接続用パッド111P側(外部接続端子面側)が凹状に反る傾向にある。
【0114】
これに対し、本実施形態では、外部接続用パッド111P側の最外層の層間絶縁層(ここでは、第1絶縁層120)、つまり反りの生じやすい第1絶縁層120に補強材入りの絶縁層120Aを設けるようにした。これにより、第1絶縁層120の剛性を高めることができるため、配線基板3の反りを効果的に低減することができる。すなわち、例えば高温環境下で配線基板3が反った場合に、凹状となる外部接続端子面側の最外層の絶縁層120の剛性を高めることにより、配線基板3を反らす応力に効果的に対抗でき、配線基板3の反りを低減できる効果が大きい。
【0115】
さらに、配線基板3が高温になり、上記絶縁層120A以外の絶縁層130,140,150,160のガラス転移温度Tgを超えた場合であっても、そのガラス転移温度Tgよりも絶縁層120Aのガラス転移温度Tgが高いため、その絶縁層120A内の補強材の剛性により反りの発生を抑制でき、高温環境下における挙動が安定する。
【0116】
(2)また、補強材入りの絶縁層120Aの厚さは、補強材を含まない他の絶縁層(例えば、第2絶縁層130)の厚さよりも厚くなる。これにより、第1絶縁層120に形成されるビアホールVH11は、第5絶縁層160に形成されるビアホールVH15よりも深くなり、且つ、開口端における径(ソルダレジスト層162側の径)も大きくなる。すなわち、ビアホールVH11はビアホールVH15よりも容積が大きくなる。但し、ビアホールVH11は外部接続端子面側に設けられており、この外部接続端子面側は外部接続用パッド111Pのピッチを電極パッド161Pよりも広くできる等、チップ搭載面側と比べてデザインルールが緩いため、ビアホールVH11の大容量は問題とならない。すなわち、上述のように外部接続用パッド111P側の最外層の絶縁層120に補強材入りの絶縁層120Aを設けるようにしても、デザインルールを緩めることなく、所望のビアホールVH11や配線層111,122等を形成することができる。
【0117】
なお、上記各実施形態は、これを適宜変更した以下の態様にて実施することもできる。
(第2実施形態の変形例)
・上記第2実施形態では、外部接続端子面側の最外層の層間絶縁層に、補強材入りの絶縁層120Aと、低粗度で且つ無電解めっきとの密着性を向上させた密着層121Aとを有する絶縁層120を設けるようにした。これに限らず、配線基板において、積層される層間絶縁層の少なくとも1つの絶縁層が、上記絶縁層120A及び密着層121Aを有する絶縁層120であれば良いため、その絶縁層120の形成位置及び数は特に限定されない。
【0118】
・例えば図17に示されるように、積層方向の中心付近の層間絶縁層を、補強材入りの絶縁層120Aと密着層121Aとを有する絶縁層120に変更するようにしてもよい。すなわち、配線基板3Aでは、図14に示す配線基板3における第3絶縁層140が絶縁層120に変更され、配線基板3における絶縁層120が補強材の入っていない絶縁層123に変更されている。また、配線基板3Aにおいて、絶縁層120上に積層された配線層142は、補強材入りの絶縁層120A及び密着層121Aを貫通して配線層131の上面を露出するビアホールVH16内に充填されたビア配線142aと、密着層121A上に形成された配線パターン142bを有している。このような構造とすることにより、上記第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0119】
(その他の変形例)
・上記各実施形態では、支持基板80,180上に1個の配線基板1,3を作成する例を示したが、支持基板80,180上に複数の配線基板1,3となる部材を作成し、それを個片化して複数の配線基板1,3を得るような工程としてもよい。
【0120】
・上記各実施形態では、絶縁層40A,120Aの材料としては、補強材入りの絶縁性樹脂を用いるようにした。これに限らず、例えば絶縁層40A,120Aの材料として、例えばシリカ(SiO)等のフィラーの含有量が20〜70%程度であるエポキシ系の絶縁性樹脂を用いるようにしてもよい。この場合には、フィラーの含有量を調整することにより、絶縁層40A,120Aの熱膨張係数が配線層の熱膨張係数(例えば17ppm/℃程度)に近づくように調整する(例えば、フィラーの含有量を増やすと熱膨張係数が小さくなる)。
【0121】
・上記各実施形態では、絶縁層40A,120A及び密着層41A,121Aを一括積層する際に、密着層41A,121Aとなる絶縁層41B,121Bをキャリア82,182にそれぞれ接着するようにした。これに限らず、例えばキャリア82上に絶縁層41Bと絶縁層40Bを設けた構造体を用意し、その構造体を下層の配線層及び絶縁層上に積層した後、キャリア82を除去するようにしてもよい。また、絶縁層40B上に絶縁層41Bを設けた構造体を用意し、その構造体を下層の配線層及び絶縁層上に積層するようにしてもよい。
【0122】
・上記各実施形態では、主にビルドアップ工法により支持基板の片側(一方の面)に配線層及び絶縁層を積層し、最後に支持基板を除去してコアレスの配線基板を製造するようにした。これに限らず、例えば主にビルドアップ工法により支持基板の両側(一方の面及び他方の面)に配線層及び絶縁層を積層し、最後に支持基板を除去して複数のコアレス配線基板を製造するようにしてもよい。この場合には、支持基板の一方の面及び他方の面の何れにも、図3〜図7に示した工程と同様にチップ搭載面側から配線層及び絶縁層を順次積層し、最後に支持基板を除去する。もしくは、支持基板の一方の面及び他方の面の何れにも、図15及び図16に示した工程と同様に外部接続端子面側から配線層及び絶縁層を順次積層し、最後に支持基板を除去する。
【0123】
・上記各実施形態では、配線基板1に半導体チップ70を実装する場合について説明したが、被実装体としては半導体チップ70に限定されない。例えば配線基板1の上に別の配線基板を積み重ねる構造を有するパッケージ(パッケージ・オン・パッケージ)にも、本発明を適用することが可能である。
【0124】
・上記各実施形態における配線基板1,3の層の数や配線の取り回し、もしくは半導体チップ70の実装の形態(例えばフリップチップ実装、ワイヤボンディングによる実装、又はこれらの組み合わせ)などは様々に変形・変更することが可能である。
【符号の説明】
【0125】
1,1A〜1C,3,3A 配線基板
11,21,31,42,51,61 配線層
20,30,40,50,60 絶縁層
40A,120A 絶縁層(補強材入り絶縁層)
41A,121A 密着層
40B,120B 絶縁層(第1樹脂)
41B,121B 絶縁層(第2樹脂)
80,180 支持基板
83,183 シード層
111,122,131,141,151,161 配線層
120,130,140,150,160 絶縁層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配線層と絶縁層とが複数層積層されてなる配線基板において、
前記積層される複数の絶縁層のうち少なくとも1つの絶縁層は、下層の配線層の上面及び側面を覆うように形成された補強材入り絶縁層と、前記補強材入り絶縁層上に積層され、前記補強材入り絶縁層よりも金属膜との密着性が高く、前記補強材入り絶縁層よりも薄い密着層とを有し、
前記積層される複数の配線層のうち少なくとも1つの配線層は、前記密着層上に積層されるとともに、前記下層の配線層とビア配線により接続されていることを特徴とする配線基板。
【請求項2】
前記密着層上に積層される配線層は、前記密着層上に形成された配線パターンと、前記密着層及び前記補強材入り絶縁層を貫通して形成された前記ビア配線からなり、
前記ビア配線が前記下層の配線層と接続されていることを特徴とする請求項1に記載の配線基板。
【請求項3】
前記密着層の前記配線層が形成される側の表面の粗度が、表面粗さRa値で50〜350nmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の配線基板。
【請求項4】
前記密着層は、エポキシ樹脂を主成分とする熱硬化性樹脂と、無機フィラーとを含有する絶縁層であって、
前記密着層は、該密着層上に無電解めっきを形成した際のピール強度が850N/m以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の配線基板。
【請求項5】
樹脂を用いて絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、配線層を形成する配線層形成工程とを支持基板上で繰り返し実施した後に、前記支持基板を除去する工程を実施する配線基板の製造方法において、
前記絶縁層形成工程のうち少なくとも1つの絶縁層形成工程は、補強材を含む第1樹脂により補強材入り絶縁層を形成し、前記補強材入り絶縁層よりも金属膜との密着性が高い第2樹脂により、前記補強材入り絶縁層よりも薄い密着層を前記補強材入り絶縁層上に形成する第1工程を有し、
前記配線層形成工程のうち少なくとも1つの配線層形成工程は、前記第1工程で形成された絶縁層の前記密着層上に前記配線層を形成する第2工程を有することを特徴とする配線基板の製造方法。
【請求項6】
前記第1工程では、
前記支持基板を含む構造体上に、半硬化状態の前記第1樹脂と半硬化状態の前記第2樹脂とを配置し、加熱・加圧によって前記第1樹脂及び前記第2樹脂を硬化させることにより、前記補強材入り絶縁層及び前記密着層を形成すると同時に、前記構造体上に前記補強材入り絶縁層及び前記密着層を積層することを特徴とする請求項5に記載の配線基板の製造方法。
【請求項7】
前記第2工程は、
前記第1工程で形成された前記絶縁層を貫通するビアホールを形成する工程と、
デスミア処理を実施する工程と、
セミアディティブ法により前記絶縁層上に前記配線層を形成する工程と、
を有することを特徴とする請求項5又は6に記載の配線基板の製造方法。
【請求項8】
前記デスミア処理後の前記密着層の前記配線層が形成される側の表面の粗度が、表面粗さRa値で50〜350nmであることを特徴とする請求項7に記載の配線基板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2013−62314(P2013−62314A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−198564(P2011−198564)
【出願日】平成23年9月12日(2011.9.12)
【出願人】(000190688)新光電気工業株式会社 (1,516)
【Fターム(参考)】