説明

駐車支援装置

【課題】駐車場所の幅に応じた駐車が可能で安価な駐車支援装置を提供する。
【解決手段】車両の操舵輪3を操舵する操舵手段を備え、車両の駐車場所への駐車を支援する駐車支援装置において、駐車場所に対して所定間隔を空けて車両を走行させる際に駐車場所の幅Lを計測する計測手段を設け、計測された幅Lに基づいて左最大舵角θと右最大舵角θとを求め、当該左最大舵角と右最大舵角と予め決められた走行距離および走行方向でなる走行パターンに基づいて操舵輪の目標舵角を求め、目標舵角に基づいて舵角を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車支援装置および駐車支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、駐車支援装置にあっては、たとえば、電動パワーステアリング装置を利用して、駐車モードのスイッチがオンされると、運転者のブレーキ解除で駐車を補助する補助機能が作動し、車両の前進、停止および後退といった駐車に必要な指示を運転者に与えつつ、車両の移動距離に応じた舵角で操舵輪を自動操舵し、車両を駐車場所へ半自動的に駐車させることができるものがある(たとえば、特許文献1,2参照)。
【0003】
この従来の駐車支援装置にあっては、駐車支援を行う制御を開始するに当たって、車両を予め決められた位置に停車する必要があり、運転者の望んだ位置に駐車できない場合がある。
【0004】
そこで、他の駐車支援装置にあっては、駐車支援制御の開始をするための停車位置に車両を停車できるように、上記の駐車支援装置の構成に加えて、車両の前側ドアの内側に駐車場所の一端へ照準させる目印を設けている(たとえば、特許文献3参照)。
【0005】
この駐車支援装置によれば、矩形の駐車場所の幅側の一辺に対して車両を平行としつつ、駐車場所の奥行側の一辺に上記目印を照準させることで、常に、駐車支援の開始位置を一定とすることができるようになっており、これによって、確実に狙った場所へ車両を駐車することができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平03−74256号公報
【特許文献2】特開平04−55168号公報
【特許文献3】特開2003−40060号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の駐車支援装置にあっては、駐車場所の幅に応じて車両を駐車することができず、駐車場所における幅が駐車可能な幅であるかの判断を駐車支援の実行前に運転者が行わなくてはならない。
【0008】
また、駐車場所の幅について把握できないので、モニタ等を搭載して運転者が注意しながら駐車を実行しなくてはならないので、駐車支援装置以外にも駐車に関連する機器が必要でありシステム全体として高価となる問題がある。
【0009】
そこで、本発明は、上記不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、駐車場所の幅に応じた駐車が可能で安価な駐車支援装置および駐車支援方法を提供する事である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記した目的を達成するため、本発明の課題解決手段は、車両の操舵輪を操舵する操舵手段を備え、車両の駐車場所への駐車を支援する駐車支援装置において、駐車場所に対して所定間隔を空けて車両を走行させる際に駐車場所の幅を計測する計測手段を設け、計測された幅に基づいて左最大舵角と右最大舵角とを求め、当該左最大舵角と右最大舵角と予め決められた走行距離および走行方向でなる走行パターンに基づいて操舵輪の目標舵角を求め、目標舵角に基づいて舵角を制御することを特徴とする。
【0011】
また、上記した目的を達成するため、本発明の課題解決手段における他の手段は、操舵手段で車両の操舵輪を操舵して車両の駐車場所への駐車を支援する駐車支援方法において、駐車場所に対して所定間隔を空けて車両を走行させる際に駐車場所の幅を計測するステップと、計測された幅に基づいて左最大舵角と右最大舵角とを求めるステップと、当該左最大舵角と右最大舵角と予め決められた操舵方向、走行距離および走行方向でなる走行パターンに基づいて操舵輪の目標舵角を求め、目標舵角に基づいて舵角を制御するステップとを備えた。
【発明の効果】
【0012】
本発明の駐車支援装置および駐車支援方法によれば、駐車場所に対して所定間隔を空けて車両を走行させる際に駐車場所の幅を計測し、計測された幅に基づいて左最大舵角と右最大舵角とを求め、当該左最大舵角と右最大舵角と予め決められた操舵方向、走行距離および走行方向でなる走行パターンに基づいて操舵輪の目標舵角を求め、目標舵角に基づいて舵角を制御するので、駐車場所の幅に応じて車両を駐車することができ、駐車場所における幅が駐車可能な幅であるかの判断を駐車支援の実行前に運転者が行わなくてすむようになり、実用的な駐車支援を行うことができる。
【0013】
また、駐車場所の幅について把握することができるので、車両の後方を映すモニタ等を搭載して運転者が障害物に注意しながら駐車を実行するような手間が省けるとともに、モニタ等の設置も不要となるので、駐車支援装置が安価となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】一実施の形態における駐車支援装置が適用された電動パワーステアリングの概略図である。
【図2】一実施の形態における駐車支援装置が適用された車両の平面図である。
【図3】一実施の形態における駐車支援装置における駐車場所の幅と直線区間における距離との関係を示すマップである。
【図4】一実施の形態における駐車支援装置における駐車場所の幅と左右の最大舵角との関係を示すマップである。
【図5】一実施の形態における駐車支援装置における走行パターンで走行する車両の走行軌跡を示した図である。
【図6】一実施の形態における駐車支援装置が適用された車両の走行軌跡の一例を示した図である。
【図7】一実施の形態における駐車支援装置における制御手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図に示した実施の形態に基づき、本発明を説明する。一実施の形態の駐車支援装置は、図1に示すように、車両に搭載される電動パワーステアリング2に具現化されており、ハードウェアとしては具体的には、車両の操舵輪3を操舵する操舵手段としての電動パワーステアリング装置2と、電動パワーステアリング装置2を制御する制御装置1とを備えて構成されている。
【0016】
また、電動パワーステアリング2は、操舵輪3と、操舵輪3に軸4を介して連結されるピニオンギア5と、モータMと、モータMのロータに連結されるピニオンギア6と、上記各ピニオンギア5,6に歯合され各ピニオンギア5,6の回転運動により駆動されるラック7と、ラック7の両端にタイロッド8およびナックルアーム9を介して連結される操向輪W,Wとを備えて構成され、モータMが上記した制御装置1によって制御されるようになっている。
【0017】
なお、図示はしないが、軸4の中間部に、ユニバーサルジョイント等を介装して、軸4がエンジンルーム等の空間を占拠しないようにしてもよく、また、操舵輪3とラック7とが機械的に連結されないステアバイワイヤ方式を採用してもよい。さらに、操舵輪3は、その中心部に連結される軸4を介してラック7に歯合するピニオンギア5が連結されているが、軸4の途中に減速機を設けて、操舵輪3の回転速度を減速してラック7に伝達するようにしてもよい。
【0018】
制御装置1は、図1および図2に示すように、車両の走行速度を検出する速度センサ10と、モータMの図示しない巻線に流れる電流を検出する電流センサ11と、操舵輪3の舵角を検出する舵角センサ21と、車両の前端の左右に設けられて車両の側方に障害物がある場合、これを検知する障害物検知センサ12,13と、車両の後端の左右に設けられて車両の後方に障害物がある場合、これを検知する後方障害物検知センサ14,15と、速度センサ10、電流センサ11、舵角センサ21、障害物検知センサ12,13および後方障害物検知センサ14,15から入力される信号を処理してモータMを制御する制御部16と、制御部16によって制御されるスピーカ17と、運転者に押されると駐車支援制御の開始のトリガとなる信号を制御部16へ入力するスイッチ19と、運転者が駐車形式の選択を行うための切換スイッチ20と備えて構成されている。
【0019】
なお、電動パワーステアリング2は、車両が通常走行を行っており駐車支援を要しない場合には、モータMに運転者の操舵を補助する補助トルクを出力させて運転者の操舵をアシストするようになっている。そのため、運転者が操舵輪3を操作した際の操舵トルクをトルクセンサ18で検出して、このトルクセンサ18で検出したトルクに基づいて制御装置1で補助トルクを求めて、モータMを駆動するようになっている。具体的には、トルクセンサ18は、上記軸4の途中に取付けられており、操舵輪3が回転操作された時の操舵トルクを検出するようになっている。トルクセンサ18は、操舵輪3に作用するトルクを検出することができるものであればよく、詳しくは、軸4の中間に設けたトーションバーの捩れ角度を検出して、これをトルクとして電圧、電流等の信号として出力することができるようになっている。
【0020】
また、上記したところでは、モータMが出力する補助トルクをラックピニオン機構によってラック7の軸方向の力に変換してラック7に伝達するようにしているが、ラック7の一部を螺子軸とし、この螺子軸に螺合されるボール螺子ナットにモータMの補助トルクを伝達するようにして、上記補助トルクをラック7の軸方向の力に変換してラック7に伝達するようにしてもよい。
【0021】
速度センサ10は、車両の操向輪W,Wを含む四つの車輪のうちいずれか一つにおける回転数を検知するようになっており、制御部16は、速度センサ10で検知した当該回転数と車輪外径から車両の速度のみならず走行距離を求めることができるようになっている。
【0022】
舵角センサ21は、軸4等に取付けられていて、操舵輪3の舵角θを検出して、舵角θに応じた信号を制御部16へ出力するようになっている。そして、操舵輪3の舵角θは、操向輪W,Wの操向角に一対一で対応しているので、操向輪W,Wの操向角を検出することで操舵輪3の舵角θを得るようにしてもよい。
【0023】
モータMとしては、種々のモータを使用することができ、電流センサ11でモータM内に設けた巻線に流れる電流を検出することができるようになっている。また、上述したところでは、モータMのシャフトにラック7に歯合するピニオンギア6を設けているが、減速機を介してモータMのロータの回転速度を減速してピニオンギア6に伝達するようにしてもよい。
【0024】
そして、モータMは、補助トルクで運転者の操舵をアシストするだけでなく、駐車支援の際には、制御部16の指令によってラック7を図1中左右方向に駆動して、運転者の操舵なくして操向輪W,Wを操舵することができるようになっている。
【0025】
障害物検知センサ12,13は、図2に示すように、車両の前端の左右にそれぞれ取付けられており、車両の左右側方に設定された検知範囲内に障害物がある場合これを検知することができるようになっていて、具体的にはたとえば、超音波センサやレーザ光センサとされている。
【0026】
また、後方障害物検知センサ14,15は、図2に示すように、車両の後端の左右にそれぞれ取付けられており、車両の左右後方に設定された検知範囲内に障害物がある場合これを検知することができるようになっていて、具体的にはたとえば、超音波センサやレーザ光センサとされている。
【0027】
そして、制御部16は、モータMを駆動する図示しない駆動回路を備えており、モータMへ駆動電流を供給してモータMを駆動するとともに制御することができるようになっており、通常走行時には上述したように、運転者の操舵輪3の操舵をアシストする補助トルクをモータMに出力させる制御を実施する一方、駐車支援を実施する際には、モータMを駆動して操舵輪3を自動操舵して車両を駐車場所へ誘導する制御を行う。
【0028】
制御部16は、運転者から駐車支援の要求があった場合に駐車支援制御を開始する。具体的には、たとえば、制御装置1に駐車支援制御の開始指令を制御部16に与えるスイッチ19を設けておき、運転者によって当該スイッチ19がオンされたことをもって、上記開始指令が制御部16に与えられるようにしておくなどとすればよい。また、車両の右側にある駐車場所へ駐車するのか、左側にある駐車場所へ駐車するのかを、さらには、駐車形式が車庫入れ型か縦列型かを、別途設けた切換スイッチ20によって運転者が選択することができるようになっており、当該切換スイッチ20からの信号によって制御部16は左右のいずれか一方に選択された駐車形式で駐車する駐車支援制御を行うようになっている。なお、駐車場所が左右のいずれにあるのか、および、駐車形式は、運転者の意思を確認することができる手段を用いればよいので、切換スイッチ20の切換による以外の手段を用いてもよい。
【0029】
そして、制御部16は、左右の障害物検知センサ12,13のうち上記のように選択された方に設置された障害物検知センサ12,13で障害物の有無を検知する。具体的には、運転者が駐車場所に対して所定間隔を空けて駐車場所の幅方向に平行に車両を直進走行させる際に選択された障害物検知センサ12(13)で継続的に障害物を検知するようにして、障害物を検知しない距離を計測する。制御部16は、車両が直進中に速度センサ10で検知した速度と車輪の外径とから走行距離を把握しつつ、選択された障害物検知センサ12(13)で障害物を検知しなくなってから障害物を検知するまでの距離を計測する。なお、上記所定間隔は、たとえば、任意であって、たとえば、1m程度に設定されるが、50cmから1mというように所定間隔が駐車に際して不都合を生じない程度の範囲で設定されるとしてもよい。上記したところから、本実施の形態における計測手段は、障害物検知センサ12,13と速度センサ10と制御部16とで構成されている。
【0030】
より詳細には、駐車支援制御が開始されると、選択された障害物検知センサ12(13)で障害物を検知している場合には、車両の上記走行に伴って障害物が検知されなくなったことをトリガとして距離の計測を開始し、再び障害物が検知されることをトリガとして距離の計測を終了する。これに対して、駐車支援制御が開始される際に、選択された障害物検知センサ12(13)で障害物を検知していない場合には、車両の上記走行と同時に距離を計測し、障害物が検知されることをトリガとして距離の計測を終了する。
【0031】
また、上記車両の直進の際に全く障害物を検知しない場合には、車両の上記走行と同時に距離を計測し、運転者の計測終了の指示入力をトリガとして、あるいは、駐車に全く問題が無い程度の距離となると距離の計測を終了する。なお、運転者の計測終了の支持は、スイッチ19或いは他にスイッチを設けておき、オン信号の入力によって制御部16で認識するようにしておけばよい。
【0032】
駐車場所の幅Lの計測が終了すると、制御部16は、車両の停車を運転者に促すとともに、上記幅Lが車両の駐車が可能な最低幅以上であるか否かを判断するとともに、駐車可能であれば後述する走行パターンの直線区間Aにおいて、車両が直進走行する距離aを求める。なお、制御部16は、上記幅Lが最低幅以上でない場合には、駐車支援制御を中止し、その旨を運転者へ伝える。
【0033】
上記した距離aは、具体的にはたとえば、図3に示すように、車両の諸元(全長、全幅、ホイールベース)によって予めマップ化或いはテーブル化されており、計測された幅Lの長さから上記マップ或いはテーブルを参照して演算によって求めるようになっており、また、車庫入れ型の駐車であれば、車両の全幅を、縦列型の駐車であれば車両の全長を基準として最低幅が決められている。なお、距離aは、たとえば、ベテラン運転手による駐車時の走行軌跡を計測するなどして、駐車場所の幅Lに応じた最適値をマップ化或いはテーブル化すればよい。
【0034】
つづいて、制御部16は、駐車場所の幅Lの計測が終了し、駐車場所の幅Lが駐車可能であるので、駐車場所の幅Lから左最大舵角θと右最大舵角θとを求め、駐車に際しての走行パターンと求めた左右の最大舵角に基づいて、操舵輪3の目標舵角を求めて、操舵輪3の舵角θと制御して車両を駐車場所へ誘導する。なお、左最大舵角θと右最大舵角θにあっても、距離aを求める場合と同様にたとえば、ベテラン運転手による駐車時の走行軌跡を計測するなどして、図4に示すように、駐車場所の幅Lに応じた最適値をマップ化或いはテーブル化すればよく、マップ或いはテーブルを用いて左最大舵角θと右最大舵角θを演算するようにしておけばよい。また、左最大舵角θと右最大舵角θをマップやテーブルを用いて演算する場合、たとえば50cm刻みで駐車場所幅に最適となる左最大舵角θと右最大舵角θをマップ化或いはテーブル化しておき、計測された幅Lに応じて線形補間して左最大舵角θと右最大舵角θを求めるなどすればよい。なお、この実施の形態では、舵角θは、操舵輪3を中立から右へ回転させると正の値をとり、操舵輪3を中立から左へ回転させると負の値をとるように設定されている。したがって、この場合、右最大舵角θは正の値となり、左最大舵角θは負の値となる。
【0035】
走行パターンは、予め決められた操舵方向、走行距離および走行方向の組み合わせでなる複数の走行区間の集合でなり、当該走行パターンにおける各走行区間と、左最大舵角θおよび右最大舵角θとに基づいて操舵輪3の目標舵角θ*を求め、制御部16は、走行パターンにおける各走行区間における目標舵角θ*に基づいて操舵輪3の舵角θを制御する。
【0036】
走行パターンは、予め制御部16で記憶しており、具体的には、車両の左側にある駐車場所へ車庫入れ型の駐車する場合、図5および図6に示すように、操舵輪3の舵角θを中立に保って駐車場所の幅Lに基づいて求められる距離aだけ車両を前方へ直進させる直線区間Aと、直線区間Aの後に操舵輪3の舵角θを右最大舵角θまで増加させつつ車両を予め決められた距離bだけ前進させる前進操舵増加区間Bと、前進舵角増加区間Bの後に操舵輪3の舵角θを右最大舵角θのまま保持しつつ車両を予め決められた距離cだけ前進させる前進舵角保持区間Cと、前進舵角保持区間Cの後に操舵輪3の舵角θを中立に戻しつつ車両を予め決められた距離dだけ前進させる前進舵角減少区間Dと、前進舵角減少区間Dの後に操舵輪3の舵角θを左最大舵角θまで増加させつつ車両を予め決められた距離eだけ後退させる後退舵角増加区間Eと、後退舵角増加区間Eの後に操舵輪3の舵角θを左最大舵角θのまま保持しつつ車両を予め決められた距離fだけ後退させる後退舵角保持区間Fと、後退舵角保持区間Fの後に操舵輪3の舵角θを中立に戻しつつ車両を予め決められた距離gだけ後退させる後退舵角減少区間Gの各走行区間を備えている。なお、車両の右側にある駐車場所へ駐車する場合は、前進舵角増加区間B、前進舵角保持区間Cおよび前進舵角減少区間Dにおいて左最大舵角θを用い、後退舵角増加区間E、後退舵角保持区間Fおよび後退舵角減少区間Gにおいて右最大舵角θを用いるようにする。
【0037】
また、この走行パターンは、車庫入れ型以外にも、各走行区間の動作は同じであるが各走行区間の距離が縦列型の駐車形式に適した縦列駐車用のものが用意されていて、縦列型の駐車を行う場合には、制御にあたって縦列駐車用の走行パターンが使用される。縦列型の駐車であって駐車場所が左の場合における走行パターンの一例としては、たとえば、駐車場所の幅Lの計測のための走行の後に操舵輪3の舵角θを中立に保って駐車場所の幅Lに基づいて求められる距離hだけ車両を前方へ直進させる直線区間Hと、直線区間Hの後に操舵輪3の舵角θを左最大舵角θまで増加させつつ車両を予め決められた距離iだけ後退させる後退舵角増加区間Iと、後退舵角増加区間Iの後に操舵輪3の舵角θを左最大舵角θのまま保持しつつ車両を予め決められた距離jだけ後退させる後退舵角保持区間Jと、後退舵角保持区間Jの後に操舵輪3の舵角θを中立に戻しつつ車両を予め決められた距離kだけ前進させる後退舵角減少区間Kと、後退舵角減少区間Kの後に操舵輪3の舵角θを右最大舵角θまで増加させつつ車両を予め決められた距離mだけ後退させる後退舵角増加区間Mと、後退舵角増加区間Mの後に操舵輪3の舵角θを右最大舵角θのまま保持しつつ車両を予め決められた距離nだけ後退させる後退舵角保持区間Nと、後退舵角保持区間Nの後に操舵輪3の舵角θを中立に戻しつつ車両を予め決められた距離oだけ後退させる後退舵角減少区間Oの各走行区間で構成することができる。なお、この走行パターン以外の走行パターンを使用してもよい。
【0038】
各走行区間における目標舵角θ*は、その走行区間における車両の走行距離xと、その走行区間における舵角の傾きαと、切片値βからθ*=α×x+βで演算される。なお、操舵輪3が中立から左右のいずれに操舵されているかを判断できるように、
そして、たとえば、車両の左側にある駐車場所へ駐車する場合、直線区間Aにおけるαは、舵角θを中立である0に維持するので、0となり、切片値βも0となる。
【0039】
前進舵角増加区間Bにおける傾きαは、車両が距離bを移動する間に舵角θを0から右最大舵角θへ増加させるため、右最大舵角θ/bとなり、切片値βは0となる。
【0040】
前進舵角保持区間Cにおける傾きαは、車両が距離cを移動する間に舵角θを右最大舵角θに保持するため、0となり、切片値βは右最大舵角θとなる。
【0041】
前進舵角減少区間Dにおける傾きαは、車両が距離dを移動する間に舵角θを右最大舵角θから0へ戻すため、−右最大舵角θ/dとなり、切片値βは右最大舵角θとなる。
【0042】
後退舵角増加区間Eにおける傾きαは、車両が距離eを移動する間に舵角θを0から左最大舵角θへ増加させるため、左最大舵角θ/eとなり、切片値βは0となる。
【0043】
後退舵角保持区間Fにおける傾きαは、車両が距離fを移動する間に舵角θを左最大舵角θに保持するため、0となり、切片値βは左最大舵角θとなる。
【0044】
後退舵角減少区間Gにおける傾きαは、車両が距離gを移動する間に舵角θを左最大舵角θから0へ戻すため、−左最大舵角θ/gとなり、切片値βは左最大舵角θとなる。
【0045】
そして、直線区間Aでは、車両を上述した距離aだけ直進させる必要があるので、車両を前進させるべく運転者へその旨を指示するとともに、速度センサ10で検知した速度から求められる直進中の車両の移動距離をモニタする。また、直線区間Aでは、操舵輪3と中立とするので、制御部16は、車両走行距離が距離aとなるまでは、目標舵角θ*を0度として、操舵輪3の舵角θを0度となるように制御するべくモータMを駆動する。
【0046】
具体的にはたとえば、制御部16は、舵角センサ21で検出した操舵輪3の舵角θをフィードバックして、目標舵角θ*との偏差を採り比例積分動作や比例積分微分動作等によってモータMを制御する。より詳細には、制御部16が速度ループ、電流ループを備えている場合、舵角θと目標舵角θ*の偏差からモータMの目標速度を求め、目標速度とモータMの実際の回転速度との偏差から目標電流を求め、さらに、この目標電流とモータMに流れる電流との偏差からモータMを駆動する駆動電流を求め、当該駆動電流をモータMへ供給してモータMを駆動する。
【0047】
つづいて、車両が距離aを前進すると、制御部16は、直線区間Aが終了したと判断し、前進舵角増加区間Bにおける傾きαと切片値βを使用して、モニタしている車両の当該走行区間Bにおける走行距離xから目標舵角θ*を求め、操舵輪3の舵角θを目標舵角θ*となるように制御するべくモータMを駆動する。
【0048】
さらに、車両が距離bを前進すると、制御部16は、前進舵角増加区間Bが終了したと判断し、前進舵角保持区間Cにおける傾きαと切片値βを使用して、モニタしている車両の当該走行区間Cにおける走行距離xから目標舵角θ*を求め、操舵輪3の舵角θを目標舵角θ*となるように制御するべくモータMを駆動する。
【0049】
またさらに、車両が距離cを前進すると、制御部16は、前進舵角保持区間Cが終了したと判断し、前進舵角減少区間Dにおける傾きαと切片値βを使用して、モニタしている車両の当該前進舵角減少区間Dにおける走行距離xから目標舵角θ*を求め、操舵輪3の舵角θを目標舵角θ*となるように制御するべくモータMを駆動する。
【0050】
そして、この前進舵角減少区間Dにおける車両の走行距離が距離dに達すると、制御部16は、車両を停止して車両を後退させるようスピーカ17から音声出力させてその旨を運転者に指示する。
【0051】
なお、車両が上記前進舵角減少区間Dの距離dをオーバーランした場合には、後退舵角増加区間Eにおいてオーバーランした距離分だけ操舵輪3の舵角θを中立に維持したまま車両を後退させ、オーバーランが解消してから操舵輪3の舵角θを左最大舵角θまで増加させる制御を行うようにしてもよい。また、オーバーランした距離が長い場合には、駐車支援制御を停止するようにしてもよい。
【0052】
後退舵角増加区間Eでは、車両の後退が開始されると、制御部16は、後退舵角増加区間Eにおける傾きαと切片値βを使用して、モニタしている車両の当該走行区間Eにおける走行距離xから目標舵角θ*を求め、操舵輪3の舵角θを目標舵角θ*とするようにモータMを制御する。
【0053】
後退舵角増加区間Eにおける車両の走行距離が距離eに達すると、後退舵角保持区間Fにおける傾きαと切片値βを使用して、モニタしている車両の当該走行区間Fにおける走行距離xから目標舵角θ*を求め、操舵輪3の舵角θを目標舵角θ*とするようにモータMを制御する。
【0054】
後退舵角保持区間Fにおける車両の走行距離が距離fに達すると、後退舵角減少区間Gにおける傾きαと切片値βを使用して、モニタしている車両の当該走行区間Gにおける走行距離xから目標舵角θ*を求め、操舵輪3の舵角θを目標舵角θ*とするようにモータMを制御する。
【0055】
そして、後退舵角減少区間Gにおける車両の走行距離が距離gに達すると、制御部16は、車両を停止させるようスピーカ17から音声出力させてその旨を運転者に指示するとともに車両が駐車場所に駐車されるので、駐車支援制御を中止する。
【0056】
以上の一連の走行区間でなる走行パターンを車両が走行する際に後方障害物検知センサ14,15にて障害物を車両の至近に検知すると、制御部16は、スピーカ17から音声出力させて運転者喚起し、駐車支援制御を中断する。
【0057】
制御部16は、上述のようにモータMを制御して車両を駐車場所へ誘導するが、ハードウェア資源としては、図示はしないが具体的にはたとえば、速度センサ10、電流センサ11、舵角センサ21、障害物検知センサ12,13、後方障害物検知センサ14,15が出力する信号を取り込むためのA/D変換器と、駐車支援に係るモータMの制御に必要な処理に使用されるプログラムおよび距離a、左右の最大舵角θ,θの演算必要なマップ或いはテーブルが格納されるROM(Read Only Memory)等の記憶装置と、上記プログラムに基づいた処理を実行するCPU(Central Processing Unit)などの演算装置と、上記CPUに記憶領域を提供するRAM(Random Access Memory)等の記憶装置とを備えて構成されればよく、CPUが上記プログラムを実行することで制御部16の上述の制御動作が実現される。
【0058】
以下、車両の左側にある駐車場所へ駐車する際の手順について説明する。駐車支援の要求があると、図7に示した制御手順の一例のように、制御装置1は、駐車場所の車両に対する位置(左右の別)、車庫入れ型と縦列型のいずれが選択されているか、および駐車支援制御の開始の宣言と、車両から見て駐車場所の手前に駐車場所の幅方向に対して所定間隔を空けて車両を平行に配置する指示をスピーカ17から音声出力する(ステップS1)。
【0059】
つづいて、ステップS2では、車両の配置が終了したか否かを判断する。この判断は、たとえば、再度のスイッチ19がオンされると上記配置が終了したと判断するなどとされればよい。なお、スイッチ19以外のスイッチを設けておき、当該スイッチのオン信号で上記判断を行うようにしてもよい。また、運転者がスイッチ19を短時間の間に複数回オンする場合には、駐車支援制御を中止するなど、運転者の意思によって駐車支援制御の中止を受け付けるようにしておいてもよい。なお、車両の配置が終了していない場合は、スピーカ17から音声出力して車両配置を運転者に促して(ステップS3)、所定時間経過後に再度ステップS2と同様の判断を行い(ステップS4)、配置が終了しない場合は、スピーカ17から音声出力して運転者へ制御停止を知らせて(ステップS5)、駐車支援制御を終了する。
【0060】
そして、上記車両配置が終了したと判断すると、制御装置1は、操舵輪3の舵角が0度となる中立にあるか否かを判断し(ステップS6)、舵角が0度でない場合、モータMを駆動して操舵輪3の舵角を中立へ戻す(ステップS7)。なお、操舵輪3が中立にある際には、操向輪W,Wの舵角も0度であって、そのまま車両を前進させると車両が直進する状態となっている。また、舵角が0度である場合には、操舵輪3の舵角を0度の中立に保ったまま、スピーカ17から音声出力して運転者に前進を促すよう指示する(ステップS8)。
【0061】
ステップS9へ移行して、制御装置1は、車両の前進中に駐車場所の幅Lを計測し、駐車場所の幅Lが最低幅以上であるか否かを判断し(ステップS10)、駐車場所の幅Lが最低幅に満たない場合、スピーカ17からその旨を音声出力して運転者へ制御停止を知らせて(ステップS11)、駐車支援制御を終了する。これに対して、駐車場所の幅Lが最低幅以上である場合、左右の最大舵角θ,θを求める(ステップS12)。
【0062】
つづいて、制御装置1は、ステップS13に移行し、車両の走行距離をモニタしつつ、順次、目標舵角θ*を求めつつ操舵輪3の舵角θが目標舵角θ*となるようにモータMを駆動する。
【0063】
そして、ステップS14に移行して、制御装置1は、前進舵角減少区間Dにおける走行距離が距離dに達すると、車両を停止して車両を後退させるようスピーカ17から音声出力させてその旨を運転者に指示する。
【0064】
さらに、ステップS15に移行して、車両が後退し始めると制御装置1は、車両の走行距離をモニタしつつ、順次、目標舵角θ*を求めつつ操舵輪3の舵角θが目標舵角θ*となるようにモータMを制御する。
【0065】
つづき、ステップS16に移行して、制御装置1は、後退舵角減少区間Gにおける走行距離が距離gに達すると、車両が駐車場所へ駐車された状態となるので、車両を停止させるようスピーカ17から音声出力させてその旨を運転者に指示し、駐車支援制御をする。
【0066】
なお、この制御手順を実行している最中に、後方障害物検知センサ14,15にて障害物を車両の至近に検知すると、すなわち、車両の後端と障害物との距離が所定距離以内となると操舵輪3の舵角θの制御を中止する処理が割り込み処理として実行される。
【0067】
このように駐車支援装置および駐車支援方法にあっては、駐車場所に対して所定間隔を空けて車両を走行させる際に駐車場所の幅Lを計測し、計測された幅Lに基づいて左最大舵角θと右最大舵角θとを求め、当該左最大舵角θと右最大舵角θと予め決められた操舵方向、走行距離および走行方向でなる走行パターンに基づいて操舵輪の目標舵角θ*を求め、目標舵角θ*に基づいて舵角θを制御するので、駐車場所の幅Lに応じて車両を駐車することができ、駐車場所における幅Lが駐車可能な幅であるかの判断を駐車支援の実行前に運転者が行わなくてすむようになり、実用的な駐車支援を行うことができる。
【0068】
また、駐車場所の幅Lについて把握することができるので、車両の後方を映すモニタ等を搭載して運転者が障害物に注意しながら駐車を実行するような手間が省けるとともに、モニタ等の設置も不要となるので、駐車支援装置が安価となる。
【0069】
さらに、走行パターンが、舵角を中立に保って駐車場所の幅Lに基づいて求められる距離だけ車両を前方へ直進させる直線区間Aを備えているので、車両を障害物間の駐車場所における適正位置に車両を駐車させることができるのである。
【0070】
また、走行パターンが直線区間Aと、前進舵角増加区間Bと、前進舵角保持区間Cと、前進舵角減少区間Dと、後退舵角増加区間Eと、後退舵角保持区間Fと、後退舵角減少区間Gとを備えているので、目標舵角θ*を簡単な計算で演算することができ、制御装置1において安価な演算装置を使用することができ、駐車支援装置のコストを低減することができる。なお、縦列型の駐車形式においても走行パターンを備えることで、車庫入れ型と同様に目標舵角θ*を簡単な計算で演算することができるので、同様の効果を奏する。
【0071】
さらに、走行パターンの区間における車両の移動距離xと走行パターンの区間の操舵パターンとから求めた目標舵角θ*と、操舵輪3の実際の舵角θとの偏差に基づいて操舵輪3の舵角θを制御するので、操舵輪3の舵角θをフィードバック制御によって目標舵角θ*に追随させることができる。
【0072】
また、駐車場所の幅Lが所定長さ以下では操舵輪3の舵角θの制御を行なわず、駐車支援制御を中止するので、駐車不能であるのに制御を継続するような無駄を省くことができ、運転者の負担も軽減される。
【0073】
車両の後端と障害物との距離が所定距離以内となると操舵輪3の舵角θの制御を中止するので、駐車場所の幅Lを測定した際に駐車場所に障害物があることを検知できなかった場合でも、駐車走行中に障害物を発見して、障害物と車両との衝突を回避することが可能である。
【0074】
上記したところでは、駐車支援制御において、操舵輪3の舵角θのみを制御するようになっているが、車両を前進および後退させる走行手段と、車両を停止させる制動手段とを設けることで、上述した一連の舵角制御に加えて、車両の自動走行および自動停車させて、車両を自動駐車させることができる。
【0075】
なお、アクセル操作を実行可能な機構と、オートマティック車のセレクトレバーを切換可能な機構と、ブレーキ操作を実行可能な機構と、これら機構を制御する制御装置を設けて走行手段と制動手段とすればよい。
【0076】
また、少なくとも、駐車支援装置が制動手段を備えている場合には、後方障害物検知センサ14,15にて障害物を車両の至近に検知すると、操舵輪3の舵角θの制御を中止するだけでなく、車両を停車させることができるので、自動的に障害物と車両との衝突を回避することが可能である。
【0077】
さらに、上記したところでは、本発明を電動パワーステアリング装置2に具現化した場合を例に挙げて説明したが、電動パワーステアリング装置2とは独立に操舵手段を備えていてもよい。
【0078】
以上で、本発明の実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されないことは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明の駐車支援装置は、車両に利用することができる。
【符号の説明】
【0080】
1 制御装置
2 電動パワーステアリング
3 操舵輪
4 軸
5,6 ピニオンギア
7 ラック
8 タイロッド
9 ナックルアーム
10 速度センサ
11 電流センサ
12,13 障害物検知センサ
14,15 後方障害物検知センサ
16 制御部
17 スピーカ
18 トルクセンサ
19 スイッチ
20 切換スイッチ
21 舵角センサ
A 直線区間
B 前進舵角増加区間
C 前進舵角保持区間
D 前進舵角減少舵区間
E 後退舵角増加区間
F 後退舵角保持区間
G 後退舵角減少区間
M モータ
W 操向輪
θ 舵角
θ左最大舵角
θ 右最大舵角

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の操舵輪を操舵する操舵手段を備え、車両の駐車場所への駐車を支援する駐車支援装置において、駐車場所に対して所定間隔を空けて車両を走行させる際に駐車場所の幅を計測する計測手段を設け、計測された幅に基づいて左最大舵角と右最大舵角とを求め、当該左最大舵角と右最大舵角と予め決められた操舵方向、走行距離および走行方向でなる走行パターンに基づいて操舵輪の目標舵角を求め、目標舵角に基づいて舵角を制御することを特徴とする駐車支援装置。
【請求項2】
走行パターンは、舵角を中立に保って駐車場所の幅に基づいて求められる距離だけ車両を前方へ直進させる直線区間を含むことを特徴とする請求項1に記載の駐車支援装置。
【請求項3】
走行パターンは、直線区間の後に操舵輪を左最大舵角と右最大舵角の一方まで舵角を増加させつつ車両を前進させる前進舵角増加区間と、前進舵角増加区間の後に操舵輪を左最大舵角と右最大舵角の一方のまま保持しつつ車両を前進させる前進舵角保持区間と、前進舵角保持区間の後に操舵輪の舵角を中立に戻しつつ車両を前進させる前進舵角減少区間と、前進舵角減少区間の後に操舵輪を左最大舵角と右最大舵角の他方まで舵角を増加させつつ車両を後退させる後退舵角増加区間と、後退舵角増加区間の後に操舵輪を左最大舵角と右最大舵角の他方のまま保持しつつ車両を後退させる後退舵角保持区間と、後退舵角保持区間の後に操舵輪の舵角を中立に戻しつつ車両を後退させる後退舵角減少区間とを備えていることを特徴とする請求項2に記載の駐車支援装置。
【請求項4】
走行パターンの区間における車両の移動距離と走行パターンの区間の操舵パターンとから求めた目標舵角と、操舵輪の実際の舵角との偏差に基づいて操舵輪の舵角を制御することを特徴とする請求項2または3に記載の駐車支援装置。
【請求項5】
駐車場所の幅が所定長さ以下では操舵輪の舵角の制御を行わない請求項1から4のいずれかに記載の駐車支援装置。
【請求項6】
車両を前進および後退させる走行手段と、車両を停止させる制動手段とを備え、走行パターンに則って車両を自動走行させることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の駐車支援装置。
【請求項7】
車両の後端と障害物との距離が所定距離以内となると操舵輪の舵角の制御を中止することを特徴とする請求項6に記載の駐車支援装置。
【請求項8】
操舵手段で車両の操舵輪を操舵して車両の駐車場所への駐車を支援する駐車支援方法において、駐車場所に対して所定間隔を空けて車両を走行させる際に駐車場所の幅を計測するステップと、計測された幅に基づいて左最大舵角と右最大舵角とを求めるステップと、当該左最大舵角と右最大舵角と予め決められた操舵方向、走行距離および走行方向でなる走行パターンに基づいて操舵輪の目標舵角を求め、目標舵角に基づいて舵角を制御するステップとを備えた駐車支援方法。
【請求項9】
走行パターンが舵角を中立に保って駐車場所の幅に基づいて求められる距離だけ車両を前方へ直進させる直線区間を含むことを特徴とする請求項8に記載の駐車支援方法。
【請求項10】
駐車場所の幅が所定長さ以下では操舵輪の舵角の制御を行わない請求項8または9に記載の駐車支援方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−285028(P2010−285028A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−139380(P2009−139380)
【出願日】平成21年6月10日(2009.6.10)
【出願人】(000000929)カヤバ工業株式会社 (2,151)
【Fターム(参考)】