基板搬送ロボット
【課題】搬送ロボットを用いて、カセットに収容された液晶基板等の板状の基板を搬出する際に、基板検出センサを用いて基板の位置を検出していた。従来は、基板がカセットの手前側(入り口側)に寄せられてカセット内部に収容されていたが、基板がカセットの奥側に寄せられる場合があり、従来の搬送ロボットでは対応できない。
【解決手段】本発明の搬送ロボットは、振動吸収体6の先端部に取り付けられた基板の有無を検出する基板検出センサ5と、ハンドの位置を移動させる移動機構11(アーム機構2等)と、ハンドの位置及び移動速度を制御する動作制御部12と、基板のエッジ位置を演算する基板エッジ位置解析部13とを備えた。上記構成にすると、基板がカセットの奥側に寄せられて収容された場合であっても、基板の位置を検出できる。
【解決手段】本発明の搬送ロボットは、振動吸収体6の先端部に取り付けられた基板の有無を検出する基板検出センサ5と、ハンドの位置を移動させる移動機構11(アーム機構2等)と、ハンドの位置及び移動速度を制御する動作制御部12と、基板のエッジ位置を演算する基板エッジ位置解析部13とを備えた。上記構成にすると、基板がカセットの奥側に寄せられて収容された場合であっても、基板の位置を検出できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶基板等の板状の基板を搬送する搬送ロボットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
搬送ロボットを用いて、カセットに収容された液晶基板等の板状の基板を搬出する際には、基板の位置を検出する必要がある。これは搬送ロボットに設けたハンドと基板の位置との相対位置が許容値よりもずれているとハンドが基板を把持できないためである。そのため、搬送ロボットに基板の有無を検出する基板検出センサを取り付けている。そして、基板検出センサから出力される検出信号に基づいて基板の位置を検出している。
【0003】
図12は、従来の搬送ロボットの概略構成図である。
この図12に示すように、搬送ロボット10’は、旋回ベース1と、図示しない昇降機構と、第1アーム2a及び第2アーム2bからなるアーム機構2、第2アーム2bの先端に設けられたハンドホルダ3、ハンドホルダ3に取り付けられたハンド4及び基板の位置を検出する基板検出センサ8によって概略構成されている。なお、ハンド4は、第1のハンド4a〜第4のハンド4dによって構成されている。
【0004】
このような搬送ロボット10’の機構は周知であるために、詳細は省略するが、アーム機構2の第1アーム2a及び第2アーム2bを回動させることによって、図12(a)に示すようにハンド4を前進させ、また図12(b)に示すように、ハンド4を後退させることができる。また図示しない昇降機構によって、アーム機構2等を上下に昇降させる機能を有する。また、ハンド4は、基板を把持する機能を有する。そのため、搬送ロボット10’によって、基板をカセット内部に搬入させ、また基板をカセット内部から搬出することができる。
【0005】
図13は、基板検出センサの構成図である。
基板検出センサ8は、非接触型のセンサであり、図13に示すように、センサ取付部材9に取り付けられている。そして、投光部から光線等を発射し、それを検出対象物である基板等によって反射させ、受光部で検出することによって、基板等の有無を検出する機能を有する。基板検出センサ8の検出信号は、図示しないケーブルを介して出力される。また、基板検出センサ8への指令等も図示しないケーブルを介して行われる。
【0006】
なお、従来の搬送ロボット10’では、基板検出センサ8がハンドホルダ3に取り付けられるか、ハンド4のハンドホルダ3寄りに取り付けられていた。すなわち、若干の位置の違いはあるものの図12に示すように、基板検出センサ8は、ハンドホルダ3の近傍に配置されていた。また、ハンド4の移動に伴って、基板検出センサ8の位置も移動する。
【0007】
図14は、従来の搬送ロボット10’が、カセット内部の基板を搬出させるために、ハンド4を前進させて、ハンド4をカセット内部に進入させたときの概略平面図である。なお、図14において、点線で図示した部分はカセット内部を透過して図示した部分であり、ハンド4や基板検出センサ8等の位置が分るようにしている。
【0008】
この図14に示すように、基板は複数種類の大きさ(例えば、大サイズ、中サイズ、小サイズ)があるが、いずれの場合でも、基板がカセットの手前側(入り口側)に寄せられてカセット内部に収容されていた。そのために、カセット内部にハンド4を進入させたときに、カセットに基板が収容されていれば、基板検出センサ8を、基板の手前側のエッジ位置よりも奥側に進入させることができた。
【0009】
図15は、基板検出センサ8の検出動作を説明するための図である。
図15(a)は、図12(b)に示すようなハンド4が後退した位置から、ハンド4をカセット側に前進させている状態を示す。この状態では、基板検出センサ8の上部に基板がない。そのため、基板検出センサ8の投光部から発射される光線等が基板で反射しないので、受光部で検出することができない。そのため、基板が無いことがわかる。
【0010】
搬送ロボット10’のハンド4がカセット内部に進入して、図15(b)に示すように基板検出センサ8の上部に基板があると、基板検出センサ8の投光部から発射される光線等が基板で反射して受光部で検出できるようになる。より具体的には、受光部で検出する光量が多くなり、光量がしきい値よりも大きくなるので、基板が有ることがわかる。
【0011】
なお、カセットは、図15に示すように、通常は上下に多段構成になっており、複数の基板を収容できるようになっているが、図15では一部の基板のみ図示している。また、カセットには基板を保持する保持部材等が設けられているが、図示を省略している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2006−273524号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上述したように、従来は図14に示すように、基板がカセットの手前側(入り口側)に寄せられてカセット内部に収容されていた。そのために、カセット内部にハンド4を進入させたときに、カセットに基板が収容されていれば、基板検出センサ8によって、基板の有無を検出することができた。しかし、最近では、必ずしも基板がカセットの手前側に寄せられておらず、図16に示すように、基板がカセットの奥側に寄せられる場合が生じてきた。
【0014】
そうなると、ハンド4を従来よりもカセットの奥側にまで挿入しないと、基板の位置を検出することができない。しかし、搬送ロボット10’のハンドホルダ3は厚みがあるため、ハンド4を従来よりもカセットの奥側まで進入させることが難しい。なぜならば、ハンドホルダ3が他の基板等に衝突する恐れがあるからである。すなわち、従来の搬送ロボット10’では、図16に示すように、基板がカセットの奥側に寄せられた場合に対応できない。
【0015】
本発明は、上記事情のもとで考え出されたものであって、基板がカセットの奥側に寄せられて収容された場合であっても、基板の位置を検出できる搬送ロボットを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
第1の発明によって提供される基板搬送ロボットは、
基板を保持するためのハンドを用いて、板状の基板をカセットに搬入およびカセットから搬出するための基板搬送ロボットを対象とし、
基板を保持するためのハンドと、
前記ハンドと並んで設けられた振動吸収体と、
前記ハンドの基端部及び前記振動吸収体の基端部を支持するハンドホルダと、
前記振動吸収体の先端部又は先端部近傍に取り付けられた基板の有無を検出する基板検出センサと、
前記ハンドの位置及び前記振動吸収体の位置を移動させる移動機構と、
前記ハンド及び前記振動吸収体の位置及び移動速度を制御する制御部と、
前記基板検出センサの検出信号と前記制御部から出力される前記基板検出センサの位置の情報に基づいて、基板のエッジ位置を演算する基板エッジ位置解析部と、
を備えたことを特徴としている。
【0017】
第2の発明によって提供される基板搬送ロボットは、前記制御部が、
予め与えられた前記カセット及び基板に関する情報に基づいて、前記ハンド及び振動吸収体が検出対象となる基板の下側を通過して前記カセットの奥側方向に移動できるようなカセット進入位置を求める機能と、
前記ハンド及び振動吸収体が前記カセット進入位置に移動するように移動機構を制御する機能と、
予め与えられた基板の規定位置情報又は演算によって求めた基板の規定位置情報に基づいて、前記カセットに収容されている基板の奥側のエッジ位置を推測する機能と、
前記カセット進入位置から前記カセットの奥側へ向かう方向を基準方向とした場合に、前記ハンド及び振動吸収体を、前記基準方向に沿って予め定めた速度で前進させ、前記ハンド及び振動吸収体をカセット内に進入させることによって、振動吸収体の先端部又は先端部近傍に設けた前記基板検出センサがカセットの奥側に移動するように移動機構を制御する機能と、
前記ハンドとともに移動する前記振動吸収体の先端部又は先端部近傍に設けられた基板検出センサが、推測した奥側のエッジ位置と前記基準方向上で同じ位置から予め定めた距離だけ手前の位置に到達したときに、前記ハンドの移動速度が減速するように移動機構を制御する機能と、
前記基板検出センサが、推測した基板の奥側のエッジ位置と前記基準方向上で同じ位置よりもカセットの奥側の予め定めた位置まで移動するように移動機構を制御する機能と、
基板エッジ位置解析部で求めた基板の奥側のエッジ位置に基づいて、前記基板検出センサが取り付けられている位置を含む基準方向上における基板の位置ずれ量を演算する機能と、
前記演算された前記基準方向上における基板の位置ずれ量に基づいて、基板を把持するときのハンド位置を補正演算する機能と、
前記補正演算されたハンド位置に、ハンドが移動するように移動機構を制御する機能と、
を有することを特徴としている。
【0018】
第3の発明によって提供される基板搬送ロボットは、
前記基板エッジ位置解析部が、
前記基板検出センサの位置情報と前記基板検出センサの検出信号とを記憶しておき、前記基板検出センサの検出信号が基板有りを示す状態から基板無しを示す状態に変化し、かつ基板無しを示す状態が予め定めた確認距離だけ連続したときに、そのときの前記基板検出基板検出センサの位置を基準位置として、前記基準位置からみて前記確認距離だけカセットの手前側の位置を基板の奥側のエッジ位置として解析することを特徴としている。
【0019】
第4の発明によって提供される基板搬送ロボットは、
前記基板エッジ位置解析部が、
前記基板検出センサの位置情報と前記基板検出センサの検出信号とを記憶しておき、前記基板検出センサの検出信号が基板有りを示す状態から基板無しを示す状態に変化し、かつ基板無しを示す状態が予め定めた確認時間の間連続したときに、そのときからみて確認時間だけ過去の前記基板検出センサの位置を基板の奥側のエッジ位置として解析することを特徴している。
【0020】
第5の発明によって提供される基板搬送ロボットは、
前記基板エッジ位置解析部が、
前記基板検出センサの位置情報と前記基板検出センサの検出信号とを記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶されているデータに基づいて、基板の奥側のエッジ位置を解析する解析部と、
を備えていることを特徴としている。
【0021】
第6の発明によって提供される基板搬送ロボットは、
前記ハンドの全て又は一部は、前記ハンドホルダの外側に、基端部がハンドホルダに支持され、かつ前記前記振動吸収体よりも長さが短いハンドであること特徴としている。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、基板がカセットの奥側に寄せられて収容された場合であっても、基板の位置を検出できる搬送ロボットを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】第1実施形態に係る搬送ロボット10の概略構成を示す図である。
【図2】基板検出センサ5の投光部、受光部の配置例を示す図である。
【図3】第1実施形態に係わる搬送ロボット10が、カセット内部の基板を搬出させるために、ハンド4を前進させて、ハンド4をカセット内部に進入させたときの概略平面図である。
【図4】基板検出センサ5が基板の手前側から奥側へ進行していく過程において、基板検出センサ5の受光部で検出する光量を示す図である。
【図5】基板の位置と基板検出センサ5の受光部で検出する光量との関係を示すイメージ図である。
【図6】基板検出センサ5が基板の下側を通過する際の速度パターンを示す図である。
【図7】第1実施形態に係る搬送ロボット10が備える機能を示す機能ブロック図である。
【図8】基準方向に対して基板が左右非対称にずれているか場合の一例を示す図である。
【図9】第2実施形態に係る搬送ロボット10aの概略構成を示す図である。
【図10】搬送ロボット10aの旋回半径の一例を示す図である。
【図11】ハンド4の長手方向の長さを示す図である。
【図12】従来の搬送ロボットの概略構成図である。
【図13】基板検出センサの構成図である。
【図14】従来の搬送ロボット10’が、カセット内部の基板を搬出させるために、ハンド4を前進させて、ハンド4をカセット内部に進入させたときの概略平面図である。
【図15】基板検出センサ8の検出動作を説明するための図である。
【図16】基板がカセットの奥側に寄せられる場合を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下図面を参照して本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
[第1実施形態]
図1は第1実施形態に係る搬送ロボット10の概略構成を示す図である。なお、従来と同一または類似の要素には、同一の符号を付している。
図1に示すように、搬送ロボット10は、旋回ベース1と、図示しない昇降機構と、第1アーム2a及び第2アーム2bからなるアーム機構2、第2アーム2bの先端に設けられたハンドホルダ3、ハンドホルダ3に取り付けられたハンド4、基端部がハンドホルダ3に取り付けられたトラフ構造の振動吸収体6及び振動吸収体6の先端部(又は先端部近傍)に取り付けられた基板の有無を検出する基板検出センサ5によって概略構成されている。そして、基板検出センサ5から出力される検出信号に基づいて基板の位置を検出している。
なお、ハンド4は、第1のハンド4a〜第4のハンド4dによって構成されている。また、基板検出センサ5は、第1の基板検出センサ5a及び第2の基板検出センサ5bによって構成されている。また、振動吸収体6は、第1の振動吸収体6a及び第2の振動吸収体6bによって構成されている。また、各振動吸収体6a、6bの先端には、基板検出センサ5a、5bを取り付けるセンサ取付部7a、7bがそれぞれ設けられ、このセンサ取付部7に基板検出センサ5が取り付けられているが、振動吸収体6a、6bに、基板検出センサ5a、5bを直接取り付けることができれば、センサ取付部7a、7bを設けないでもよい。また、上記のような構成に限定されるものではない。例えば、ハンド4の数、基板検出センサ5の数、振動吸収体6の数は、上記と異なってもよい。
【0025】
第1アーム2aは、一端が旋回ベース1に連結され、垂直状の連結軸L1周りに回動させられる。第2アーム2bは、一端が第1アーム2aの他端に連結され、垂直状の連結軸L2周りに回動させられる。ハンドホルダ3は、第2アーム2bの他端に連結され、垂直状の連結軸L3周りに回転可能に取り付けられる。また、搬送ロボット10のアーム機構2を動作させるため、また昇降させるために、図示しないモータ、プーリー等が用いられている。
【0026】
このような搬送ロボット10の機構は周知であるために、詳細は省略するが、アーム機構2の第1アーム2a及び第2アーム2bを回動させることによって、図12で説明した従来技術の搬送ロボット10と同様に、ハンド4を前進/後退させるとともに、図示しない昇降機構によって、アーム機構2を上下させる機能を有する。また、ハンド4は、基板を把持する機能を有する。そのため、搬送ロボット10によって、基板をカセット内部に搬入させ、また基板をカセット内部から搬出することができる。なお、カセット側に昇降機構を備えている場合等では、昇降機構を備えない搬送ロボット10もある。
また、図1のように、ハンド4と振動吸収体6とが並んで設けられているため、ハンド4を前進/後退させると、それに伴い、振動吸収体6も前進/後退する。
【0027】
なお、ハンド4及び振動吸収体6をカセット内部に進入させたときに、ハンド4及び振動吸収体6がカセット及び基板に衝突しないようにする必要がある。例えば、振動吸収体6の上面がハンド4の上面よりも高さ方向において下方に位置するように、振動吸収体6及びハンド4の位置関係を定める必要がある。この理由は、もし、振動吸収体6の上面がハンド4の上面よりも高さ方向において高い位置であると、基板を保持するためにハンド4を上昇させたときに、振動吸収体6が基板に衝突してしまい、基板が破損するおそれがある。また、カセットに収容された基板間の間隔が限られているので、振動吸収体6の位置がハンド4の位置よりも下方すぎても、検出対象でない下側の基板に衝突してしまう。そのため、振動吸収体6の上面がハンド4の上面よりも高さ方向において若干下方に位置するようにするのが好ましい。
【0028】
また、図1では、左右方向において振動吸収体6の外側にハンド4(4a,4d)を設けた構成を例示したが、このような構成に限定されるものではなく、例えば、振動吸収体6をハンド4(4a,4d)の外側に設けるような構成にしてもよい。この場合は、振動吸収体6がカセットに衝突しないように設計する必要がある。
【0029】
基板検出センサ5は、非接触型のセンサであり、投光部から光線等を発射し、それを検出対象物である基板等によって反射させ、受光部で検出することによって、基板等の有無を検出する機能を有する。基板検出センサ5の検出信号は、図示しないケーブルを介して出力される。また、基板検出センサ5への指令等も図示しないケーブルを介して行われる。この基板検出センサ5は、図13で説明した従来技術と同様のものであるが、本実施形態では、図1に示すように、基板検出センサ5が振動吸収体6の先端部に取り付けられている。
【0030】
なお、非接触型の基板検出センサ5には様々なタイプがあり、例えば、レーザ光線を用いるタイプ、発光ダイオードを用いるタイプ、超音波を用いるタイプ等があるが、目的や状況に応じて最適なタイプを選択している。また、基板等の有無を検出する機能だけでなく、基板検出センサ5と基板等との間の距離を計測できるタイプもあるが、少なくとも基板等の有無を検出する機能を有するものを用いればよい。
【0031】
また、例えば、基板を多段に収容する構成のカセットで、検出対象となる基板がなく、その上段に基板がある場合が考えられる。このような場合を想定して、上段の基板を誤検出しないように、基板検出センサ5の検出距離が短いタイプが選択される場合がある。
【0032】
図2は、基板検出センサ5の投光部、受光部の配置例を示す図である。
この図2(a)、図2(b)に示すように、基板検出センサ5の投光部、受光部は、ハンド4の進行方向に対して投光部、受光部が直列(図面では縦方向)に並んでいてもよいし、図2(c)に示すように、ハンド4の進行方向に対して投光部、受光部が並列(図面では横方向)に並んでいてもよい。
【0033】
振動吸収体6はトラフ構造をしている。すなわち、三角形を基本にして組んだ構造体である。トラフ構造は、一般に変形が小さいことで知られている。したがって、振動吸収体6は、振動を吸収し低減できる構造体である。そのため、ハンド4及び振動吸収体6を前進/後退させた場合に、ハンド4の先端部に生じる振動と、振動吸収体6の先端部に生じる振動とを比較すると、振動吸収体6の先端部に生じる振動の方が小さい。
【0034】
図3は、本実施形態に係わる搬送ロボット10が、カセット内部の基板を搬出させるために、ハンド4を前進させて、ハンド4をカセット内部に進入させたときの概略平面図である。このとき、振動吸収体6及び基板検出センサ5もカセット内部に進入している。なお、図3において、点線で図示した部分はカセット内部を透過して図示した部分であり、ハンド4や基板検出センサ5等の位置が分るようにしている。
【0035】
この図3に示すように、基板は複数種類の大きさ(例えば、大サイズ、中サイズ、小サイズ)があるが、いずれの場合でも、基板がカセットの奥側に寄せられてカセット内部に収容されている場合を示している。この図3に示すように、基板がカセットの奥側に寄せられてカセット内部に収容されている場合であっても、振動吸収体6をカセットの奥側まで移動させたときに、振動吸収体6の先端部(又は先端部近傍)に設けられた基板検出センサ5の位置が、基板の奥側エッジ位置よりも奥側に位置するように、振動吸収体6の長さが設定される。そのため、たとえ基板がカセットの奥側に寄せられてカセット内部に収容されていても、基板検出センサ5の検出信号に基づいて、基板の奥側エッジ位置を検出することができる。なお、本明細書では、カセット進入位置からカセットの奥側へ向かう方向を基準方向(又は前後方向)とする。また、水平面内において基準方向と垂直な方向を左右方向とする。
【0036】
なお、図3に示した例では、ハンド4及び振動吸収体6の長手方向の長さは、同一あるいは略同一である。しかし、ハンド4及び振動吸収体6の長手方向の長さは、これに限定されるものではない。すなわち、ハンド4の長さは、基板がカセットの奥側に寄せられてカセット内部に収容されている場合であっても基板を保持できればよいので、例えば、振動吸収体6の長さよりも短くても良いし、長くてもよい。
【0037】
図4は、基板検出センサ5が基板の手前側から奥側へ進行していく過程において、基板検出センサ5の受光部で検出する光量を示す図である。ただし、図4は、理想的な検出信号を表す図であり、実際には後述するように、光量が一定しない等の問題があるが、まずは理想的な状態における基板検出センサ5の検出動作の説明をする。
【0038】
図4に示すように、基板検出センサ5の上部に基板がないときは、受光部で検出する光量がしきい値に達しないので、「基板無し」と検出する。また、基板検出センサ5の上部に基板があるときは、受光部で検出する光量がしきい値以上になるので、「基板有り」と検出する。すなわち、本実施形態のように基板検出センサ5を振動吸収体6の先端部に設け、ハンド4及び振動吸収体6をカセットの手前側から奥側に進行させた場合、理想的には、図4に示すように、基板の手前側のエッジで「基板無し」→「基板有り」に変化し、その後、基板検出センサ5が基板の下側を通過している途中では、「基板有り」の状態を維持し、基板の奥側のエッジ位置で基板検出センサ5の出力が「基板有り」→「基板無し」へ変化することになる。
【0039】
このように、基板検出センサ5を振動吸収体6の先端部に取り付ければ、たとえ基板がカセットの奥側に配置されたとしても、基板検出センサ5の検出信号に基づいて、基板の有無を検出することができる。ひいては、基板のエッジ位置を検出することができる。しかし、以下のような問題があるため、図4に示したような理想的な状態でエッジ位置を検出することができない。
【0040】
[問題1]
図5は、基板の位置と基板検出センサ5の受光部で検出する光量との関係を示すイメージ図である。
液晶基板の場合、基板のパターンは、基板の端部(エッジ付近)には積層されないため、基板の端部は素ガラスのままである。そのため、プロセスが進行しても反射率が低いままである。そのため、図5に示すように、実際にはエッジ位置おいて受光部で検出する光量は、他の部分の光量に比べて少ない。なお、プロセスの進行に伴って付着物が付くことはあるが、それでもエッジ位置おいて受光部で検出する光量が少ない。以下、基板の手前側と奥側について、それぞれ説明する。
【0041】
(1)基板の手前側について
基板検出センサ5が基板の手前側のエッジ位置に到達しても、受光部で検出する光量がしきい値に達せず、「基板無し」と検出してしまう場合がある。その後、ハンド4が奥側へ進行するに伴い、受光部で検出する光量が多くなって、しきい値以上になると「基板有り」と検出する。すなわち、エッジ位置を精度良く検出できない。
【0042】
(2)基板の奥側について
基板の奥側では、まだ基板の奥側のエッジ位置に到達していないにも関わらず、受光部で検出する光量が少なくなり、「基板無し」と検出してしまう場合がある。すなわち、エッジ位置を精度良く検出できない。なお、図5では、奥側のエッジ位置付近で光量が少なくなっているが、しきい値よりも大きいため、「基板有り」と検出されている例を図示している。
【0043】
[問題2]
プロセス実施前(加工前)の素ガラスでは、透過率が高いため反射率が低いが、プロセスの進行に伴って基板上にパターンが生成されていくに従い反射率が高まってくる。すなわち、プロセスの進行状況によって反射率が異なる。また、基板の全ての箇所が同じ反射率ではなく、箇所によって反射率が異なる場合がある。さらに、基板検出センサ5が取り付けられた位置における振動が反射率に影響を与える場合がある。そのため、基板の箇所によっては、基板があるにも関わらず受光量が少なくなり、「基板無し」と誤検出する虞がある。なお、ハンド4とともに移動する振動吸収体6の移動速度が早いほど振動が生じやすい。また、振動が大きいほど、反射率に影響を与えて誤検出する可能性が高まる。すなわち、エッジ位置以外の箇所で、「基板有り」→「基板無し」と変化するので、エッジ位置以外の箇所をエッジ位置であると誤検出する可能性がある。図5では、エッジ位置以外の箇所で微少距離d1(微少時間t1)だけ誤検出している例を示している。
【0044】
そこで、本実施形態では、以下のように対策を施し、上記の問題を解決している。
【0045】
[問題1の対策]
基板検出センサ5は基板の直下を通過しているため、反射型のセンサであればある程度の受光量があり、充分に基板の有無を検出することが可能である。従来の搬送ロボット10’においても、基板のエッジを検出できていたことからもエッジ部分の検出に問題ないことが分る。すなわち、従来の搬送ロボット10’のように基板の手前側のエッジ位置を検出するのか、本実施形態のように基板の奥側のエッジ位置を検出するのかの違いはあるが、従来の搬送ロボット10’と同様に、検出対象となる基板の奥側のエッジ位置の直下に基板検出センサ5が到達したときの基板検出センサ5の移動速度が遅くなっていれば、基板の奥側のエッジ位置において基板の有無の変化を検出することができる。
なお、本実施形態のように、基板検出センサ5が振動吸収体6の先端部に設けられている場合、基板検出センサ5が基板の手前側のエッジ位置の直下を通過するときには、タクトタイムを短縮させるために、ハンド4の移動速度を遅くできない。すなわち、ハンド4とともに移動する振動吸収体6の先端部に設けられた基板検出センサ5の移動速度を遅くすることができない。そのため、基板の手前側のエッジ位置の検出時には誤検出をする可能性があるが、基板の手前側のエッジ位置は、検出対象でないので問題とはならない。
【0046】
上記の移動速度について、より具体的に説明する。
検出したいエッジ位置は、基板の奥側のエッジ位置である。そのため、図6に示すように、基板検出センサ5の位置が、基板の奥側のエッジ位置よりもある程度手前の位置から減速を開始していれば、基板検出センサ5が奥側のエッジ位置の直下を通過する際の移動速度が遅くなり、基板のエッジを検出することができる。
【0047】
ここで、基板の大きさの情報や、基板がカセットの奥側に配置されているか否かの情報は、予め与えられている。これらの情報に基づいて演算すれば基板の奥側のエッジ位置の規定値(規定位置)が分かる。あるいは、基板の奥側のエッジ位置の規定値が直接与えられる場合もある。すなわち、直接的または間接的に基板の奥側のエッジ位置の規定値が分かる。ところが、実際の基板の配置位置にはばらつきがあるため、上記の規定値通りとはならない。そのため、暫定的に、基板の奥側のエッジ位置の規定値を、基板の奥側のエッジ位置の推測値(推測位置)として採用する。
【0048】
また、上述したように、基板の配置位置にはばらつきがあるため、そのばらつきを考慮して、減速を開始する位置を定めればよい。例えば、基板の奥側のエッジ位置の推測値(規定値)の100mm手前から減速させたいとする。そして、基板の配置位置のばらつきが±20mmであるとする。この場合は、ばらつき分を考慮して、奥側のエッジ位置(規定値)の120mm手前から減速させればよい。
【0049】
なお、従来の搬送ロボット10’においても、基板検出センサ5の取り付け位置は異なるが、同様の速度制御をしているので、従来技術との比較という観点でも、タクトタイムに殆ど影響を与えるものではない。
【0050】
[問題2の対策]
エッジ以外の箇所(例えば基板の中央付近)をエッジ位置であると誤検出する可能性がある問題に対しても、ハンド4及び振動吸収体6の移動速度を遅くすれば、問題を解決できるが、そのようにすると、タクトタイムが遅くなり問題である。そのため、以下のような対策を行う。
【0051】
(1)エッジ以外の箇所をエッジであると検出する可能性が僅かであるという点に着目すると、仮に誤検出が生じたとしても、それは一部の箇所のみであり、それが連続することはない。そのため、「基板無し」と検出された状態が連続した場合にのみ、エッジ位置であるとすればよい。この場合の判定基準は、予め定めた距離だけ「基板無し」が続いた場合でもよいし、予め定めた時間だけ「基板無し」が続いた場合でもよい。もちろん、その間に基板のエッジ位置から行き過ぎているので、その分を差し引いた位置を基板のエッジ位置とすればよい。また、カセットの位置も分かっているので、ハンド4及び基板検出センサ5がカセットに衝突しないように位置制御される。
【0052】
(2)本実施形態では、トラフ構造の振動吸収体6を用い、その振動吸収体6の先端部に基板検出センサ5を設けている。そのため、基板検出センサ5の位置における振動を低減させる工夫をしている。
前述したように、ハンド4及び振動吸収体6を前進/後退させた場合に、ハンド4の先端部に生じる振動と、振動吸収体6の先端部に生じる振動とを比較すると、振動吸収体6の先端部に生じる振動の方が小さい。そのため、ハンド4の先端部に基板検出センサ5を設けるよりも、本実施形態のように振動吸収体6の先端部に基板検出センサ5に設ける方が振動を小さくできる。したがって、基板検出センサ5が取り付けられた位置における振動が反射率に影響を与える場合があるという問題についても、その影響を低減できるようにしている。
前述したように、基板の奥側のエッジ位置よりもある手前から減速を開始する必要があるが、本実施形態のように振動吸収体6の先端部に基板検出センサ5に設けて、基板検出センサ5の位置における振動を小さくする工夫をしていると、減速度合いを高くしても(より短い時間で減速しても)、十分に基板のエッジを検出することが可能となる。
例えば、ハンド4の先端部に基板検出センサ5を設けるよりも、減速度合いを高くすることができる。
【0053】
以上の対策を行うことにより、たとえ基板がカセットの奥側に配置されたとしても、基板検出センサ5の検出信号に基づいて、基板の有無を検出することができる。ひいては、基板のエッジ位置を検出することができるようになる。さらに基板検出センサ5が振動吸収体6の先端部、すなわち、ハンドホルダ3から離れた位置に取り付けられているにも関わらず、基板検出センサ5の位置における振動を小さくする工夫がされている。また、基板のエッジ位置が分かれば、基板を把持するときのハンド位置を補正演算できる。
【0054】
図7は、本実施形態に係る搬送ロボット10が備える機能を示す機能ブロック図である。
この図7に示すように、上記対策を実現するために、本実施形態は、機能面から見ると、移動機構11、動作制御部12、基板エッジ位置解析部13を備えている。
【0055】
移動機構11は、ハンド4及び振動吸収体6の位置を移動させる機構をいう。本実施形態では、主に第1アーム2a及び第2アーム2bからなるアーム機構2を含む機構を示しているが、本実施形態で示した搬送ロボット10はあくまでも一例であって、ハンド4及び振動吸収体6の位置を移動させる機構であればよい。例えば、昇降機構を備えていてもよいし、備えていなくてもよい。また、図示していないモータ等も移動機構11に含まれる。また、第2アーム2bに連結されたハンドホルダ3も移動機構11に含まれる。
【0056】
基板エッジ位置解析部13は、後述する動作制御部12から入力される基板検出センサ5の位置情報と、基板検出センサ5の検出信号とを入力として、基板の奥側のエッジ位置を解析する(求める)ものである。この基板エッジ位置解析部13は、記憶部14と解析部15とを備えた構成となっている。
【0057】
記憶部14は、動作制御部12から入力される位置情報と、基板検出センサ5の検出信号とを入力として、両者を関連つけて記憶するものである。
【0058】
解析部15は、記憶部14に記憶されているデータに基づいて基板の奥側のエッジ位置を解析する(求める)ものである。
具体的には、記憶部14に記憶されているデータを読み込み、基板検出センサ5の検出信号が基板有りを示す状態から基板無しを示す状態に変化し、かつ基板無しを示す状態が予め定めた確認距離だけ連続したときに、そのときの基板検出センサ5の位置を基準位置として、基準位置からみて上記確認距離だけカセットの手前側の位置を基板の奥側のエッジ位置として求める。
【0059】
データのサンプリング時間が分かっているので、次のようにすることもできる。すなわち、基板エッジ位置解析部13は、記憶部14に記憶されているデータを読み込み、基板検出センサ5の検出信号が基板有りを示す状態から基板無しを示す状態に変化し、かつ基板無しを示す状態が予め定めた確認時間の間連続したときに、そのときからみて確認時間だけ過去の基板検出センサ5の位置を基板の奥側のエッジ位置として求める。
【0060】
なお、基板エッジ位置解析部13で求めた基板の奥側のエッジ位置が、規定値(規定位置)に対して大きくずれている場合、すなわち、予め設定した許容値以上のずれがある場合には、異常であると判定することができる。その際には、ハンド4によって基板を把持させる動作を中止する等の処理を行うことができる。
【0061】
また、検出対象の基板がカセットに収容されていない場合は、基板検出センサ5の検出信号が基板無しを示す状態のままであるので、異常であることが分かる。その際にも、ハンド4によって基板を把持させる動作を中止する等の処理を行うことができる。
【0062】
ところで、本実施形態に係る搬送ロボット10は、上述したように、振動吸収体6が、第1の振動吸収体6a及び第2の振動吸収体6bによって構成されており、それぞれの先端部に第1の基板検出センサ5a及び第2の基板検出センサ5bが設けられているので、基板の回転ずれを検出することができる。すなわち、図8に示すように、基準方向のずれだけでなく、基準方向に対して基板が左右非対称にずれているか否かを検出することができる。
たとえば、基板の奥側のエッジ位置の規定値(規定位置)に対して、第1の基板検出センサ5a側では基準方向に対してハンドの前進方向に5mmずれていると検出され、第2の基板検出センサ5b側では基準方向に対してハンドの前進方向に10mmずれていると検出されたとする。そうなると、基準方向に対して基板が左右非対称にずれていることが分かる。
【0063】
そのため、基板エッジ位置解析部13で求めた基板の奥側のエッジ位置に基づいて、上記基準方向上において規定値(規定位置)を基準とした基板の位置ずれ量を演算することができる。この演算は、動作制御部12で行う。そのために、図7に示すように、基板エッジ位置解析部13(より具体的には後述する解析部15)で求めた基板の奥側のエッジ位置を動作制御部12に入力する。
【0064】
また、第1の基板検出センサ5aと第2の基板検出センサ5bとの距離が分かっているので、基板のずれ角度(角度ずれ量)を演算することができる。そのため、2つの基板検出センサを用いて、各基板検出センサが取り付けられている位置を含む基準方向上における基板の位置ずれ量を演算できると、さらに、基板のずれ角度(角度ずれ量)を演算することができる。よって、基板のずれ角度(角度ずれ量)を考慮して基板を把持するときのハンド位置を補正演算できる。そして、上記補正演算されたハンド位置に、ハンド4が移動するように移動機構11を制御すればよい。
【0065】
なお、基板検出センサ5はハンド4に取り付けられておらず、振動吸収体6の先端部に取り付けられているので、各基板検出センサ5(5a,5b)の位置と各ハンド4(4a〜4d)の位置とは異なる。しかし、基板検出センサ5とハンド4との位置関係が分かっているため、各ハンドの位置における基板の位置ずれ量を演算することができる。そのため、上述したように補正演算されたハンド位置に、ハンド4が移動するように制御することができる。
【0066】
3つ以上の基板検出センサを用いる場合は、少なくとも2つ以上の基板検出センサの検出信号に基づいて基板のずれ角度(角度ずれ量)を演算すればよい。
【0067】
動作制御部12は、上記の移動機構11の位置制御、速度制御を行う制御部である。
この動作制御部12の指令に基づいて上記の移動機構11がハンド4及び振動吸収体6を移動させる。また、基板検出センサ5の位置情報を基板エッジ位置解析部13(より具体的には記憶部14)に出力する。また動作制御部12は、次のような機能も有する。
【0068】
(1)予め与えられた前記カセット及び基板に関する情報に基づいて、ハンド4及び振動吸収体6が検出対象となる基板の下側を通過してカセットの奥側方向に移動できるようなカセット進入位置を求める(演算する)機能。
(2)ハンド4及び振動吸収体6が上記進入位置に移動するように移動機構11を制御する機能。
(3)予め与えられた基板の規定位置情報又は演算によって求めた基板の規定位置情報に基づいて、カセットに収容されている基板の奥側のエッジ位置を推測する機能。
(4)カセット進入位置からカセットの奥側へ向かう方向を基準方向とした場合に、ハンド4及び振動吸収体6を、基準方向に沿って予め定めた速度で前進させる。そして、前記ハンド4及び振動吸収体6をカセット内に進入させることによって、振動吸収体6の先端部に設けた基板検出センサ5がカセットの奥側に移動するように移動機構11を制御する機能。
(5)ハンド4とともに移動する振動吸収体6の先端部又は先端部近傍に設けられた基板検出センサ5が、推測した奥側のエッジ位置と上記基準方向上で同じ位置から予め定めた距離だけ手前の位置に到達したときに、前記ハンドの移動速度が減速するように移動機構を制御する機能。
(6)例えば、基板検出センサ5が、推測した基板の奥側のエッジ位置と上記基準方向上で同じ位置よりもカセットの奥側の予め定めた位置まで移動するように移動機構を制御する機能。
(7)基板エッジ位置解析部13で求めた基板の奥側のエッジ位置に基づいて、上記基板検出センサが取り付けられている位置を含む基準方向上における基板の位置ずれ量を演算する機能。
なお、この機能を実現するために、図7に示すように、基板エッジ位置解析部13(より具体的には後述する解析部15)で求めた基板の奥側のエッジ位置を動作制御部12に入力する。
(8)上記演算された上記基準方向上における基板の位置ずれ量に基づいて、基板を把持するときのハンド位置を補正演算する機能。
(9)上記補正演算されたハンド位置に、ハンド4が移動するように移動機構11を制御する機能。
【0069】
上記の機能を有することにより、許容範囲内であれば、たとえ基板の位置ずれがあったとしても、基準方向に対する位置ずれ、及び基板の角度ずれを補正することができる。このようにすると、搬送ロボット10によって、基板を次の場所に搬送する際に、基準方向に対する位置ずれ、及び基板の角度ずれを補正するためのアライメント工程を省略することができる。
【0070】
[第2の実施形態]
図9は第2実施形態に係る搬送ロボット10aの概略構成を示す図である。
この搬送ロボット10aは、図1に示した搬送ロボット10に比べて、第1のハンド4a及び第4のハンド4dの長手方向の長さが、第2のハンド4b及び第3のハンド4cの長手方向の長さよりも短くなっている。その他の構成は、図1に示した搬送ロボット10と同様である。なお、第1の実施形態と同一または類似の要素には、同一の符号を付している。
【0071】
図1に示した搬送ロボット10に比べて、第1のハンド4a及び第4のハンド4dの長手方向の長さが、第2のハンド4b及び第3のハンド4cの長手方向の長さよりも短くなっている理由を図10及び図11を用いて説明する。
【0072】
図10は、搬送ロボット10aの旋回半径の一例を示す図である。より具体的には、図10は、搬送ロボット10a全体を連結軸L1周りに回動させたときの旋回半径ができるだけ小さくなるように、搬送ロボット10aのハンド4及び振動吸収体6を後退させた状態を示す図である。すなわち、図10では、第1の振動吸収体6a又は第2の振動吸収体6bの先端部を基準とした場合に最小旋回半径を取り得る状態を示している。そして、このときの旋回半径がR1であることを示している。また、第1のハンド4a又は第4のハンド4dの先端部を基準とした場合の旋回半径がR2であることを示している。
【0073】
なお、図10では、第1のハンド4a〜第4のハンド4dの長手方向の長さ、第1の振動吸収体6a及び第2の振動吸収体6bの長手方向の長さ(第1の基板検出センサ5a及び第2の基板検出センサ5bを含む)を全て同一としている。
【0074】
厳密には、第1のハンド4a又は第4のハンド4dの先端部を基準とした場合における旋回半径R2は最小旋回半径ではないが、基準とする位置と連結軸L1との距離が短い程、旋回半径を小さくできることが分かる。図10の例では、R1<R2となる。
すなわち、ハンドホルダ3に取り付けるハンド4及び振動吸収体6が同じ長さであれば、取り付け位置をハンドホルダ3の中央に近づける程、基準位置と連結軸L1との距離が短くなって、旋回半径を小さくできることを示している。
【0075】
したがって、振動吸収体6の左右方向外側にハンド4を設ける場合は、振動吸収体6の長手方向の長さよりも短くした方が好ましい。さらに好ましくは、図11に示すように、第1の振動吸収体6a又は第2の振動吸収体6bの先端部を基準とした場合の最小旋回半径R内に収まるように、振動吸収体6の左右方向外側に設けるハンド4の長手方向の長さを設定するとよい。
【0076】
上記の説明では、アーム方式の搬送ロボット10を例にして説明したが、この方式の搬送ロボット10に限定されるものではなく、他の方式の搬送ロボット10でもよい。例えば、アーム方式ではなくスライド方式の搬送ロボットであってもよいし、アームとスライド機構の両方を用いた搬送ロボットであってもよい。また、昇降機構を備えない搬送ロボットであってもよいし、アーム機構2を2組備えた搬送ロボットであってもよい。要するに、水平方向に移動可能なハンドとは別に設けられる振動吸収体6の先端部(又は先端部近傍)に基板検出センサ5を設けられる構成の搬送ロボット10であればよい。
【0077】
また、上記の説明では、振動吸収体6は左右に2本の形態を例にして説明したが、この様な形態に限定されない。例えば、1つの振動吸収体6であってもよいし、3つ以上の振動吸収体6であってもよい。ただし、1つの振動吸収体6であると、角度ずれを検出できない。
【0078】
また振動吸収体6の形状も例示したものに限定されず、例えば、他のトラフ構造であってもよい。また、ハンド4に比べて振動が少ないものであればよい。
【0079】
また、上記の説明では、振動吸収体6に対してハンドホルダ3の左右方向の内側にも外側にもハンド4を設けた例を示したが、振動吸収体6に対してハンドホルダ3の内側又は外側だけにハンド4を設けることも可能である。例えば、振動吸収体6に対してハンドホルダ3の内側にある第2のハンド4b及び第3のハンド4cだけを設けることも可能であるし、振動吸収体6に対してハンドホルダ3の外側にある第1のハンド4a及び第4のハンド4dだけを設けることも可能である。ただし、ハンド間の間隔や基板の大きさ等によって、条件が異なるので、実情に応じて定めればよい。例えば、基板を保持したときの安定性を考慮して、振動吸収体6に対してハンドホルダ3の外側にハンド4を設けるか否かを定めればよい。
【符号の説明】
【0080】
1 旋回ベース
2a 第1アーム
2b 第2アーム
2 アーム機構
3 ハンドホルダ
4 ハンド
4a ハンド
4b ハンド
4c ハンド
4d ハンド
5 基板検出センサ
5a 基板検出センサ
5b 基板検出センサ
6 振動吸収体
7 センサ取付部
8 基板検出センサ
10 搬送ロボット
11 移動機構
12 動作制御部
13 基板エッジ位置解析部
14 記憶部
15 解析部
L1 連結軸
L2 連結軸
L3 連結軸
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶基板等の板状の基板を搬送する搬送ロボットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
搬送ロボットを用いて、カセットに収容された液晶基板等の板状の基板を搬出する際には、基板の位置を検出する必要がある。これは搬送ロボットに設けたハンドと基板の位置との相対位置が許容値よりもずれているとハンドが基板を把持できないためである。そのため、搬送ロボットに基板の有無を検出する基板検出センサを取り付けている。そして、基板検出センサから出力される検出信号に基づいて基板の位置を検出している。
【0003】
図12は、従来の搬送ロボットの概略構成図である。
この図12に示すように、搬送ロボット10’は、旋回ベース1と、図示しない昇降機構と、第1アーム2a及び第2アーム2bからなるアーム機構2、第2アーム2bの先端に設けられたハンドホルダ3、ハンドホルダ3に取り付けられたハンド4及び基板の位置を検出する基板検出センサ8によって概略構成されている。なお、ハンド4は、第1のハンド4a〜第4のハンド4dによって構成されている。
【0004】
このような搬送ロボット10’の機構は周知であるために、詳細は省略するが、アーム機構2の第1アーム2a及び第2アーム2bを回動させることによって、図12(a)に示すようにハンド4を前進させ、また図12(b)に示すように、ハンド4を後退させることができる。また図示しない昇降機構によって、アーム機構2等を上下に昇降させる機能を有する。また、ハンド4は、基板を把持する機能を有する。そのため、搬送ロボット10’によって、基板をカセット内部に搬入させ、また基板をカセット内部から搬出することができる。
【0005】
図13は、基板検出センサの構成図である。
基板検出センサ8は、非接触型のセンサであり、図13に示すように、センサ取付部材9に取り付けられている。そして、投光部から光線等を発射し、それを検出対象物である基板等によって反射させ、受光部で検出することによって、基板等の有無を検出する機能を有する。基板検出センサ8の検出信号は、図示しないケーブルを介して出力される。また、基板検出センサ8への指令等も図示しないケーブルを介して行われる。
【0006】
なお、従来の搬送ロボット10’では、基板検出センサ8がハンドホルダ3に取り付けられるか、ハンド4のハンドホルダ3寄りに取り付けられていた。すなわち、若干の位置の違いはあるものの図12に示すように、基板検出センサ8は、ハンドホルダ3の近傍に配置されていた。また、ハンド4の移動に伴って、基板検出センサ8の位置も移動する。
【0007】
図14は、従来の搬送ロボット10’が、カセット内部の基板を搬出させるために、ハンド4を前進させて、ハンド4をカセット内部に進入させたときの概略平面図である。なお、図14において、点線で図示した部分はカセット内部を透過して図示した部分であり、ハンド4や基板検出センサ8等の位置が分るようにしている。
【0008】
この図14に示すように、基板は複数種類の大きさ(例えば、大サイズ、中サイズ、小サイズ)があるが、いずれの場合でも、基板がカセットの手前側(入り口側)に寄せられてカセット内部に収容されていた。そのために、カセット内部にハンド4を進入させたときに、カセットに基板が収容されていれば、基板検出センサ8を、基板の手前側のエッジ位置よりも奥側に進入させることができた。
【0009】
図15は、基板検出センサ8の検出動作を説明するための図である。
図15(a)は、図12(b)に示すようなハンド4が後退した位置から、ハンド4をカセット側に前進させている状態を示す。この状態では、基板検出センサ8の上部に基板がない。そのため、基板検出センサ8の投光部から発射される光線等が基板で反射しないので、受光部で検出することができない。そのため、基板が無いことがわかる。
【0010】
搬送ロボット10’のハンド4がカセット内部に進入して、図15(b)に示すように基板検出センサ8の上部に基板があると、基板検出センサ8の投光部から発射される光線等が基板で反射して受光部で検出できるようになる。より具体的には、受光部で検出する光量が多くなり、光量がしきい値よりも大きくなるので、基板が有ることがわかる。
【0011】
なお、カセットは、図15に示すように、通常は上下に多段構成になっており、複数の基板を収容できるようになっているが、図15では一部の基板のみ図示している。また、カセットには基板を保持する保持部材等が設けられているが、図示を省略している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2006−273524号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上述したように、従来は図14に示すように、基板がカセットの手前側(入り口側)に寄せられてカセット内部に収容されていた。そのために、カセット内部にハンド4を進入させたときに、カセットに基板が収容されていれば、基板検出センサ8によって、基板の有無を検出することができた。しかし、最近では、必ずしも基板がカセットの手前側に寄せられておらず、図16に示すように、基板がカセットの奥側に寄せられる場合が生じてきた。
【0014】
そうなると、ハンド4を従来よりもカセットの奥側にまで挿入しないと、基板の位置を検出することができない。しかし、搬送ロボット10’のハンドホルダ3は厚みがあるため、ハンド4を従来よりもカセットの奥側まで進入させることが難しい。なぜならば、ハンドホルダ3が他の基板等に衝突する恐れがあるからである。すなわち、従来の搬送ロボット10’では、図16に示すように、基板がカセットの奥側に寄せられた場合に対応できない。
【0015】
本発明は、上記事情のもとで考え出されたものであって、基板がカセットの奥側に寄せられて収容された場合であっても、基板の位置を検出できる搬送ロボットを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
第1の発明によって提供される基板搬送ロボットは、
基板を保持するためのハンドを用いて、板状の基板をカセットに搬入およびカセットから搬出するための基板搬送ロボットを対象とし、
基板を保持するためのハンドと、
前記ハンドと並んで設けられた振動吸収体と、
前記ハンドの基端部及び前記振動吸収体の基端部を支持するハンドホルダと、
前記振動吸収体の先端部又は先端部近傍に取り付けられた基板の有無を検出する基板検出センサと、
前記ハンドの位置及び前記振動吸収体の位置を移動させる移動機構と、
前記ハンド及び前記振動吸収体の位置及び移動速度を制御する制御部と、
前記基板検出センサの検出信号と前記制御部から出力される前記基板検出センサの位置の情報に基づいて、基板のエッジ位置を演算する基板エッジ位置解析部と、
を備えたことを特徴としている。
【0017】
第2の発明によって提供される基板搬送ロボットは、前記制御部が、
予め与えられた前記カセット及び基板に関する情報に基づいて、前記ハンド及び振動吸収体が検出対象となる基板の下側を通過して前記カセットの奥側方向に移動できるようなカセット進入位置を求める機能と、
前記ハンド及び振動吸収体が前記カセット進入位置に移動するように移動機構を制御する機能と、
予め与えられた基板の規定位置情報又は演算によって求めた基板の規定位置情報に基づいて、前記カセットに収容されている基板の奥側のエッジ位置を推測する機能と、
前記カセット進入位置から前記カセットの奥側へ向かう方向を基準方向とした場合に、前記ハンド及び振動吸収体を、前記基準方向に沿って予め定めた速度で前進させ、前記ハンド及び振動吸収体をカセット内に進入させることによって、振動吸収体の先端部又は先端部近傍に設けた前記基板検出センサがカセットの奥側に移動するように移動機構を制御する機能と、
前記ハンドとともに移動する前記振動吸収体の先端部又は先端部近傍に設けられた基板検出センサが、推測した奥側のエッジ位置と前記基準方向上で同じ位置から予め定めた距離だけ手前の位置に到達したときに、前記ハンドの移動速度が減速するように移動機構を制御する機能と、
前記基板検出センサが、推測した基板の奥側のエッジ位置と前記基準方向上で同じ位置よりもカセットの奥側の予め定めた位置まで移動するように移動機構を制御する機能と、
基板エッジ位置解析部で求めた基板の奥側のエッジ位置に基づいて、前記基板検出センサが取り付けられている位置を含む基準方向上における基板の位置ずれ量を演算する機能と、
前記演算された前記基準方向上における基板の位置ずれ量に基づいて、基板を把持するときのハンド位置を補正演算する機能と、
前記補正演算されたハンド位置に、ハンドが移動するように移動機構を制御する機能と、
を有することを特徴としている。
【0018】
第3の発明によって提供される基板搬送ロボットは、
前記基板エッジ位置解析部が、
前記基板検出センサの位置情報と前記基板検出センサの検出信号とを記憶しておき、前記基板検出センサの検出信号が基板有りを示す状態から基板無しを示す状態に変化し、かつ基板無しを示す状態が予め定めた確認距離だけ連続したときに、そのときの前記基板検出基板検出センサの位置を基準位置として、前記基準位置からみて前記確認距離だけカセットの手前側の位置を基板の奥側のエッジ位置として解析することを特徴としている。
【0019】
第4の発明によって提供される基板搬送ロボットは、
前記基板エッジ位置解析部が、
前記基板検出センサの位置情報と前記基板検出センサの検出信号とを記憶しておき、前記基板検出センサの検出信号が基板有りを示す状態から基板無しを示す状態に変化し、かつ基板無しを示す状態が予め定めた確認時間の間連続したときに、そのときからみて確認時間だけ過去の前記基板検出センサの位置を基板の奥側のエッジ位置として解析することを特徴している。
【0020】
第5の発明によって提供される基板搬送ロボットは、
前記基板エッジ位置解析部が、
前記基板検出センサの位置情報と前記基板検出センサの検出信号とを記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶されているデータに基づいて、基板の奥側のエッジ位置を解析する解析部と、
を備えていることを特徴としている。
【0021】
第6の発明によって提供される基板搬送ロボットは、
前記ハンドの全て又は一部は、前記ハンドホルダの外側に、基端部がハンドホルダに支持され、かつ前記前記振動吸収体よりも長さが短いハンドであること特徴としている。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、基板がカセットの奥側に寄せられて収容された場合であっても、基板の位置を検出できる搬送ロボットを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】第1実施形態に係る搬送ロボット10の概略構成を示す図である。
【図2】基板検出センサ5の投光部、受光部の配置例を示す図である。
【図3】第1実施形態に係わる搬送ロボット10が、カセット内部の基板を搬出させるために、ハンド4を前進させて、ハンド4をカセット内部に進入させたときの概略平面図である。
【図4】基板検出センサ5が基板の手前側から奥側へ進行していく過程において、基板検出センサ5の受光部で検出する光量を示す図である。
【図5】基板の位置と基板検出センサ5の受光部で検出する光量との関係を示すイメージ図である。
【図6】基板検出センサ5が基板の下側を通過する際の速度パターンを示す図である。
【図7】第1実施形態に係る搬送ロボット10が備える機能を示す機能ブロック図である。
【図8】基準方向に対して基板が左右非対称にずれているか場合の一例を示す図である。
【図9】第2実施形態に係る搬送ロボット10aの概略構成を示す図である。
【図10】搬送ロボット10aの旋回半径の一例を示す図である。
【図11】ハンド4の長手方向の長さを示す図である。
【図12】従来の搬送ロボットの概略構成図である。
【図13】基板検出センサの構成図である。
【図14】従来の搬送ロボット10’が、カセット内部の基板を搬出させるために、ハンド4を前進させて、ハンド4をカセット内部に進入させたときの概略平面図である。
【図15】基板検出センサ8の検出動作を説明するための図である。
【図16】基板がカセットの奥側に寄せられる場合を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下図面を参照して本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
[第1実施形態]
図1は第1実施形態に係る搬送ロボット10の概略構成を示す図である。なお、従来と同一または類似の要素には、同一の符号を付している。
図1に示すように、搬送ロボット10は、旋回ベース1と、図示しない昇降機構と、第1アーム2a及び第2アーム2bからなるアーム機構2、第2アーム2bの先端に設けられたハンドホルダ3、ハンドホルダ3に取り付けられたハンド4、基端部がハンドホルダ3に取り付けられたトラフ構造の振動吸収体6及び振動吸収体6の先端部(又は先端部近傍)に取り付けられた基板の有無を検出する基板検出センサ5によって概略構成されている。そして、基板検出センサ5から出力される検出信号に基づいて基板の位置を検出している。
なお、ハンド4は、第1のハンド4a〜第4のハンド4dによって構成されている。また、基板検出センサ5は、第1の基板検出センサ5a及び第2の基板検出センサ5bによって構成されている。また、振動吸収体6は、第1の振動吸収体6a及び第2の振動吸収体6bによって構成されている。また、各振動吸収体6a、6bの先端には、基板検出センサ5a、5bを取り付けるセンサ取付部7a、7bがそれぞれ設けられ、このセンサ取付部7に基板検出センサ5が取り付けられているが、振動吸収体6a、6bに、基板検出センサ5a、5bを直接取り付けることができれば、センサ取付部7a、7bを設けないでもよい。また、上記のような構成に限定されるものではない。例えば、ハンド4の数、基板検出センサ5の数、振動吸収体6の数は、上記と異なってもよい。
【0025】
第1アーム2aは、一端が旋回ベース1に連結され、垂直状の連結軸L1周りに回動させられる。第2アーム2bは、一端が第1アーム2aの他端に連結され、垂直状の連結軸L2周りに回動させられる。ハンドホルダ3は、第2アーム2bの他端に連結され、垂直状の連結軸L3周りに回転可能に取り付けられる。また、搬送ロボット10のアーム機構2を動作させるため、また昇降させるために、図示しないモータ、プーリー等が用いられている。
【0026】
このような搬送ロボット10の機構は周知であるために、詳細は省略するが、アーム機構2の第1アーム2a及び第2アーム2bを回動させることによって、図12で説明した従来技術の搬送ロボット10と同様に、ハンド4を前進/後退させるとともに、図示しない昇降機構によって、アーム機構2を上下させる機能を有する。また、ハンド4は、基板を把持する機能を有する。そのため、搬送ロボット10によって、基板をカセット内部に搬入させ、また基板をカセット内部から搬出することができる。なお、カセット側に昇降機構を備えている場合等では、昇降機構を備えない搬送ロボット10もある。
また、図1のように、ハンド4と振動吸収体6とが並んで設けられているため、ハンド4を前進/後退させると、それに伴い、振動吸収体6も前進/後退する。
【0027】
なお、ハンド4及び振動吸収体6をカセット内部に進入させたときに、ハンド4及び振動吸収体6がカセット及び基板に衝突しないようにする必要がある。例えば、振動吸収体6の上面がハンド4の上面よりも高さ方向において下方に位置するように、振動吸収体6及びハンド4の位置関係を定める必要がある。この理由は、もし、振動吸収体6の上面がハンド4の上面よりも高さ方向において高い位置であると、基板を保持するためにハンド4を上昇させたときに、振動吸収体6が基板に衝突してしまい、基板が破損するおそれがある。また、カセットに収容された基板間の間隔が限られているので、振動吸収体6の位置がハンド4の位置よりも下方すぎても、検出対象でない下側の基板に衝突してしまう。そのため、振動吸収体6の上面がハンド4の上面よりも高さ方向において若干下方に位置するようにするのが好ましい。
【0028】
また、図1では、左右方向において振動吸収体6の外側にハンド4(4a,4d)を設けた構成を例示したが、このような構成に限定されるものではなく、例えば、振動吸収体6をハンド4(4a,4d)の外側に設けるような構成にしてもよい。この場合は、振動吸収体6がカセットに衝突しないように設計する必要がある。
【0029】
基板検出センサ5は、非接触型のセンサであり、投光部から光線等を発射し、それを検出対象物である基板等によって反射させ、受光部で検出することによって、基板等の有無を検出する機能を有する。基板検出センサ5の検出信号は、図示しないケーブルを介して出力される。また、基板検出センサ5への指令等も図示しないケーブルを介して行われる。この基板検出センサ5は、図13で説明した従来技術と同様のものであるが、本実施形態では、図1に示すように、基板検出センサ5が振動吸収体6の先端部に取り付けられている。
【0030】
なお、非接触型の基板検出センサ5には様々なタイプがあり、例えば、レーザ光線を用いるタイプ、発光ダイオードを用いるタイプ、超音波を用いるタイプ等があるが、目的や状況に応じて最適なタイプを選択している。また、基板等の有無を検出する機能だけでなく、基板検出センサ5と基板等との間の距離を計測できるタイプもあるが、少なくとも基板等の有無を検出する機能を有するものを用いればよい。
【0031】
また、例えば、基板を多段に収容する構成のカセットで、検出対象となる基板がなく、その上段に基板がある場合が考えられる。このような場合を想定して、上段の基板を誤検出しないように、基板検出センサ5の検出距離が短いタイプが選択される場合がある。
【0032】
図2は、基板検出センサ5の投光部、受光部の配置例を示す図である。
この図2(a)、図2(b)に示すように、基板検出センサ5の投光部、受光部は、ハンド4の進行方向に対して投光部、受光部が直列(図面では縦方向)に並んでいてもよいし、図2(c)に示すように、ハンド4の進行方向に対して投光部、受光部が並列(図面では横方向)に並んでいてもよい。
【0033】
振動吸収体6はトラフ構造をしている。すなわち、三角形を基本にして組んだ構造体である。トラフ構造は、一般に変形が小さいことで知られている。したがって、振動吸収体6は、振動を吸収し低減できる構造体である。そのため、ハンド4及び振動吸収体6を前進/後退させた場合に、ハンド4の先端部に生じる振動と、振動吸収体6の先端部に生じる振動とを比較すると、振動吸収体6の先端部に生じる振動の方が小さい。
【0034】
図3は、本実施形態に係わる搬送ロボット10が、カセット内部の基板を搬出させるために、ハンド4を前進させて、ハンド4をカセット内部に進入させたときの概略平面図である。このとき、振動吸収体6及び基板検出センサ5もカセット内部に進入している。なお、図3において、点線で図示した部分はカセット内部を透過して図示した部分であり、ハンド4や基板検出センサ5等の位置が分るようにしている。
【0035】
この図3に示すように、基板は複数種類の大きさ(例えば、大サイズ、中サイズ、小サイズ)があるが、いずれの場合でも、基板がカセットの奥側に寄せられてカセット内部に収容されている場合を示している。この図3に示すように、基板がカセットの奥側に寄せられてカセット内部に収容されている場合であっても、振動吸収体6をカセットの奥側まで移動させたときに、振動吸収体6の先端部(又は先端部近傍)に設けられた基板検出センサ5の位置が、基板の奥側エッジ位置よりも奥側に位置するように、振動吸収体6の長さが設定される。そのため、たとえ基板がカセットの奥側に寄せられてカセット内部に収容されていても、基板検出センサ5の検出信号に基づいて、基板の奥側エッジ位置を検出することができる。なお、本明細書では、カセット進入位置からカセットの奥側へ向かう方向を基準方向(又は前後方向)とする。また、水平面内において基準方向と垂直な方向を左右方向とする。
【0036】
なお、図3に示した例では、ハンド4及び振動吸収体6の長手方向の長さは、同一あるいは略同一である。しかし、ハンド4及び振動吸収体6の長手方向の長さは、これに限定されるものではない。すなわち、ハンド4の長さは、基板がカセットの奥側に寄せられてカセット内部に収容されている場合であっても基板を保持できればよいので、例えば、振動吸収体6の長さよりも短くても良いし、長くてもよい。
【0037】
図4は、基板検出センサ5が基板の手前側から奥側へ進行していく過程において、基板検出センサ5の受光部で検出する光量を示す図である。ただし、図4は、理想的な検出信号を表す図であり、実際には後述するように、光量が一定しない等の問題があるが、まずは理想的な状態における基板検出センサ5の検出動作の説明をする。
【0038】
図4に示すように、基板検出センサ5の上部に基板がないときは、受光部で検出する光量がしきい値に達しないので、「基板無し」と検出する。また、基板検出センサ5の上部に基板があるときは、受光部で検出する光量がしきい値以上になるので、「基板有り」と検出する。すなわち、本実施形態のように基板検出センサ5を振動吸収体6の先端部に設け、ハンド4及び振動吸収体6をカセットの手前側から奥側に進行させた場合、理想的には、図4に示すように、基板の手前側のエッジで「基板無し」→「基板有り」に変化し、その後、基板検出センサ5が基板の下側を通過している途中では、「基板有り」の状態を維持し、基板の奥側のエッジ位置で基板検出センサ5の出力が「基板有り」→「基板無し」へ変化することになる。
【0039】
このように、基板検出センサ5を振動吸収体6の先端部に取り付ければ、たとえ基板がカセットの奥側に配置されたとしても、基板検出センサ5の検出信号に基づいて、基板の有無を検出することができる。ひいては、基板のエッジ位置を検出することができる。しかし、以下のような問題があるため、図4に示したような理想的な状態でエッジ位置を検出することができない。
【0040】
[問題1]
図5は、基板の位置と基板検出センサ5の受光部で検出する光量との関係を示すイメージ図である。
液晶基板の場合、基板のパターンは、基板の端部(エッジ付近)には積層されないため、基板の端部は素ガラスのままである。そのため、プロセスが進行しても反射率が低いままである。そのため、図5に示すように、実際にはエッジ位置おいて受光部で検出する光量は、他の部分の光量に比べて少ない。なお、プロセスの進行に伴って付着物が付くことはあるが、それでもエッジ位置おいて受光部で検出する光量が少ない。以下、基板の手前側と奥側について、それぞれ説明する。
【0041】
(1)基板の手前側について
基板検出センサ5が基板の手前側のエッジ位置に到達しても、受光部で検出する光量がしきい値に達せず、「基板無し」と検出してしまう場合がある。その後、ハンド4が奥側へ進行するに伴い、受光部で検出する光量が多くなって、しきい値以上になると「基板有り」と検出する。すなわち、エッジ位置を精度良く検出できない。
【0042】
(2)基板の奥側について
基板の奥側では、まだ基板の奥側のエッジ位置に到達していないにも関わらず、受光部で検出する光量が少なくなり、「基板無し」と検出してしまう場合がある。すなわち、エッジ位置を精度良く検出できない。なお、図5では、奥側のエッジ位置付近で光量が少なくなっているが、しきい値よりも大きいため、「基板有り」と検出されている例を図示している。
【0043】
[問題2]
プロセス実施前(加工前)の素ガラスでは、透過率が高いため反射率が低いが、プロセスの進行に伴って基板上にパターンが生成されていくに従い反射率が高まってくる。すなわち、プロセスの進行状況によって反射率が異なる。また、基板の全ての箇所が同じ反射率ではなく、箇所によって反射率が異なる場合がある。さらに、基板検出センサ5が取り付けられた位置における振動が反射率に影響を与える場合がある。そのため、基板の箇所によっては、基板があるにも関わらず受光量が少なくなり、「基板無し」と誤検出する虞がある。なお、ハンド4とともに移動する振動吸収体6の移動速度が早いほど振動が生じやすい。また、振動が大きいほど、反射率に影響を与えて誤検出する可能性が高まる。すなわち、エッジ位置以外の箇所で、「基板有り」→「基板無し」と変化するので、エッジ位置以外の箇所をエッジ位置であると誤検出する可能性がある。図5では、エッジ位置以外の箇所で微少距離d1(微少時間t1)だけ誤検出している例を示している。
【0044】
そこで、本実施形態では、以下のように対策を施し、上記の問題を解決している。
【0045】
[問題1の対策]
基板検出センサ5は基板の直下を通過しているため、反射型のセンサであればある程度の受光量があり、充分に基板の有無を検出することが可能である。従来の搬送ロボット10’においても、基板のエッジを検出できていたことからもエッジ部分の検出に問題ないことが分る。すなわち、従来の搬送ロボット10’のように基板の手前側のエッジ位置を検出するのか、本実施形態のように基板の奥側のエッジ位置を検出するのかの違いはあるが、従来の搬送ロボット10’と同様に、検出対象となる基板の奥側のエッジ位置の直下に基板検出センサ5が到達したときの基板検出センサ5の移動速度が遅くなっていれば、基板の奥側のエッジ位置において基板の有無の変化を検出することができる。
なお、本実施形態のように、基板検出センサ5が振動吸収体6の先端部に設けられている場合、基板検出センサ5が基板の手前側のエッジ位置の直下を通過するときには、タクトタイムを短縮させるために、ハンド4の移動速度を遅くできない。すなわち、ハンド4とともに移動する振動吸収体6の先端部に設けられた基板検出センサ5の移動速度を遅くすることができない。そのため、基板の手前側のエッジ位置の検出時には誤検出をする可能性があるが、基板の手前側のエッジ位置は、検出対象でないので問題とはならない。
【0046】
上記の移動速度について、より具体的に説明する。
検出したいエッジ位置は、基板の奥側のエッジ位置である。そのため、図6に示すように、基板検出センサ5の位置が、基板の奥側のエッジ位置よりもある程度手前の位置から減速を開始していれば、基板検出センサ5が奥側のエッジ位置の直下を通過する際の移動速度が遅くなり、基板のエッジを検出することができる。
【0047】
ここで、基板の大きさの情報や、基板がカセットの奥側に配置されているか否かの情報は、予め与えられている。これらの情報に基づいて演算すれば基板の奥側のエッジ位置の規定値(規定位置)が分かる。あるいは、基板の奥側のエッジ位置の規定値が直接与えられる場合もある。すなわち、直接的または間接的に基板の奥側のエッジ位置の規定値が分かる。ところが、実際の基板の配置位置にはばらつきがあるため、上記の規定値通りとはならない。そのため、暫定的に、基板の奥側のエッジ位置の規定値を、基板の奥側のエッジ位置の推測値(推測位置)として採用する。
【0048】
また、上述したように、基板の配置位置にはばらつきがあるため、そのばらつきを考慮して、減速を開始する位置を定めればよい。例えば、基板の奥側のエッジ位置の推測値(規定値)の100mm手前から減速させたいとする。そして、基板の配置位置のばらつきが±20mmであるとする。この場合は、ばらつき分を考慮して、奥側のエッジ位置(規定値)の120mm手前から減速させればよい。
【0049】
なお、従来の搬送ロボット10’においても、基板検出センサ5の取り付け位置は異なるが、同様の速度制御をしているので、従来技術との比較という観点でも、タクトタイムに殆ど影響を与えるものではない。
【0050】
[問題2の対策]
エッジ以外の箇所(例えば基板の中央付近)をエッジ位置であると誤検出する可能性がある問題に対しても、ハンド4及び振動吸収体6の移動速度を遅くすれば、問題を解決できるが、そのようにすると、タクトタイムが遅くなり問題である。そのため、以下のような対策を行う。
【0051】
(1)エッジ以外の箇所をエッジであると検出する可能性が僅かであるという点に着目すると、仮に誤検出が生じたとしても、それは一部の箇所のみであり、それが連続することはない。そのため、「基板無し」と検出された状態が連続した場合にのみ、エッジ位置であるとすればよい。この場合の判定基準は、予め定めた距離だけ「基板無し」が続いた場合でもよいし、予め定めた時間だけ「基板無し」が続いた場合でもよい。もちろん、その間に基板のエッジ位置から行き過ぎているので、その分を差し引いた位置を基板のエッジ位置とすればよい。また、カセットの位置も分かっているので、ハンド4及び基板検出センサ5がカセットに衝突しないように位置制御される。
【0052】
(2)本実施形態では、トラフ構造の振動吸収体6を用い、その振動吸収体6の先端部に基板検出センサ5を設けている。そのため、基板検出センサ5の位置における振動を低減させる工夫をしている。
前述したように、ハンド4及び振動吸収体6を前進/後退させた場合に、ハンド4の先端部に生じる振動と、振動吸収体6の先端部に生じる振動とを比較すると、振動吸収体6の先端部に生じる振動の方が小さい。そのため、ハンド4の先端部に基板検出センサ5を設けるよりも、本実施形態のように振動吸収体6の先端部に基板検出センサ5に設ける方が振動を小さくできる。したがって、基板検出センサ5が取り付けられた位置における振動が反射率に影響を与える場合があるという問題についても、その影響を低減できるようにしている。
前述したように、基板の奥側のエッジ位置よりもある手前から減速を開始する必要があるが、本実施形態のように振動吸収体6の先端部に基板検出センサ5に設けて、基板検出センサ5の位置における振動を小さくする工夫をしていると、減速度合いを高くしても(より短い時間で減速しても)、十分に基板のエッジを検出することが可能となる。
例えば、ハンド4の先端部に基板検出センサ5を設けるよりも、減速度合いを高くすることができる。
【0053】
以上の対策を行うことにより、たとえ基板がカセットの奥側に配置されたとしても、基板検出センサ5の検出信号に基づいて、基板の有無を検出することができる。ひいては、基板のエッジ位置を検出することができるようになる。さらに基板検出センサ5が振動吸収体6の先端部、すなわち、ハンドホルダ3から離れた位置に取り付けられているにも関わらず、基板検出センサ5の位置における振動を小さくする工夫がされている。また、基板のエッジ位置が分かれば、基板を把持するときのハンド位置を補正演算できる。
【0054】
図7は、本実施形態に係る搬送ロボット10が備える機能を示す機能ブロック図である。
この図7に示すように、上記対策を実現するために、本実施形態は、機能面から見ると、移動機構11、動作制御部12、基板エッジ位置解析部13を備えている。
【0055】
移動機構11は、ハンド4及び振動吸収体6の位置を移動させる機構をいう。本実施形態では、主に第1アーム2a及び第2アーム2bからなるアーム機構2を含む機構を示しているが、本実施形態で示した搬送ロボット10はあくまでも一例であって、ハンド4及び振動吸収体6の位置を移動させる機構であればよい。例えば、昇降機構を備えていてもよいし、備えていなくてもよい。また、図示していないモータ等も移動機構11に含まれる。また、第2アーム2bに連結されたハンドホルダ3も移動機構11に含まれる。
【0056】
基板エッジ位置解析部13は、後述する動作制御部12から入力される基板検出センサ5の位置情報と、基板検出センサ5の検出信号とを入力として、基板の奥側のエッジ位置を解析する(求める)ものである。この基板エッジ位置解析部13は、記憶部14と解析部15とを備えた構成となっている。
【0057】
記憶部14は、動作制御部12から入力される位置情報と、基板検出センサ5の検出信号とを入力として、両者を関連つけて記憶するものである。
【0058】
解析部15は、記憶部14に記憶されているデータに基づいて基板の奥側のエッジ位置を解析する(求める)ものである。
具体的には、記憶部14に記憶されているデータを読み込み、基板検出センサ5の検出信号が基板有りを示す状態から基板無しを示す状態に変化し、かつ基板無しを示す状態が予め定めた確認距離だけ連続したときに、そのときの基板検出センサ5の位置を基準位置として、基準位置からみて上記確認距離だけカセットの手前側の位置を基板の奥側のエッジ位置として求める。
【0059】
データのサンプリング時間が分かっているので、次のようにすることもできる。すなわち、基板エッジ位置解析部13は、記憶部14に記憶されているデータを読み込み、基板検出センサ5の検出信号が基板有りを示す状態から基板無しを示す状態に変化し、かつ基板無しを示す状態が予め定めた確認時間の間連続したときに、そのときからみて確認時間だけ過去の基板検出センサ5の位置を基板の奥側のエッジ位置として求める。
【0060】
なお、基板エッジ位置解析部13で求めた基板の奥側のエッジ位置が、規定値(規定位置)に対して大きくずれている場合、すなわち、予め設定した許容値以上のずれがある場合には、異常であると判定することができる。その際には、ハンド4によって基板を把持させる動作を中止する等の処理を行うことができる。
【0061】
また、検出対象の基板がカセットに収容されていない場合は、基板検出センサ5の検出信号が基板無しを示す状態のままであるので、異常であることが分かる。その際にも、ハンド4によって基板を把持させる動作を中止する等の処理を行うことができる。
【0062】
ところで、本実施形態に係る搬送ロボット10は、上述したように、振動吸収体6が、第1の振動吸収体6a及び第2の振動吸収体6bによって構成されており、それぞれの先端部に第1の基板検出センサ5a及び第2の基板検出センサ5bが設けられているので、基板の回転ずれを検出することができる。すなわち、図8に示すように、基準方向のずれだけでなく、基準方向に対して基板が左右非対称にずれているか否かを検出することができる。
たとえば、基板の奥側のエッジ位置の規定値(規定位置)に対して、第1の基板検出センサ5a側では基準方向に対してハンドの前進方向に5mmずれていると検出され、第2の基板検出センサ5b側では基準方向に対してハンドの前進方向に10mmずれていると検出されたとする。そうなると、基準方向に対して基板が左右非対称にずれていることが分かる。
【0063】
そのため、基板エッジ位置解析部13で求めた基板の奥側のエッジ位置に基づいて、上記基準方向上において規定値(規定位置)を基準とした基板の位置ずれ量を演算することができる。この演算は、動作制御部12で行う。そのために、図7に示すように、基板エッジ位置解析部13(より具体的には後述する解析部15)で求めた基板の奥側のエッジ位置を動作制御部12に入力する。
【0064】
また、第1の基板検出センサ5aと第2の基板検出センサ5bとの距離が分かっているので、基板のずれ角度(角度ずれ量)を演算することができる。そのため、2つの基板検出センサを用いて、各基板検出センサが取り付けられている位置を含む基準方向上における基板の位置ずれ量を演算できると、さらに、基板のずれ角度(角度ずれ量)を演算することができる。よって、基板のずれ角度(角度ずれ量)を考慮して基板を把持するときのハンド位置を補正演算できる。そして、上記補正演算されたハンド位置に、ハンド4が移動するように移動機構11を制御すればよい。
【0065】
なお、基板検出センサ5はハンド4に取り付けられておらず、振動吸収体6の先端部に取り付けられているので、各基板検出センサ5(5a,5b)の位置と各ハンド4(4a〜4d)の位置とは異なる。しかし、基板検出センサ5とハンド4との位置関係が分かっているため、各ハンドの位置における基板の位置ずれ量を演算することができる。そのため、上述したように補正演算されたハンド位置に、ハンド4が移動するように制御することができる。
【0066】
3つ以上の基板検出センサを用いる場合は、少なくとも2つ以上の基板検出センサの検出信号に基づいて基板のずれ角度(角度ずれ量)を演算すればよい。
【0067】
動作制御部12は、上記の移動機構11の位置制御、速度制御を行う制御部である。
この動作制御部12の指令に基づいて上記の移動機構11がハンド4及び振動吸収体6を移動させる。また、基板検出センサ5の位置情報を基板エッジ位置解析部13(より具体的には記憶部14)に出力する。また動作制御部12は、次のような機能も有する。
【0068】
(1)予め与えられた前記カセット及び基板に関する情報に基づいて、ハンド4及び振動吸収体6が検出対象となる基板の下側を通過してカセットの奥側方向に移動できるようなカセット進入位置を求める(演算する)機能。
(2)ハンド4及び振動吸収体6が上記進入位置に移動するように移動機構11を制御する機能。
(3)予め与えられた基板の規定位置情報又は演算によって求めた基板の規定位置情報に基づいて、カセットに収容されている基板の奥側のエッジ位置を推測する機能。
(4)カセット進入位置からカセットの奥側へ向かう方向を基準方向とした場合に、ハンド4及び振動吸収体6を、基準方向に沿って予め定めた速度で前進させる。そして、前記ハンド4及び振動吸収体6をカセット内に進入させることによって、振動吸収体6の先端部に設けた基板検出センサ5がカセットの奥側に移動するように移動機構11を制御する機能。
(5)ハンド4とともに移動する振動吸収体6の先端部又は先端部近傍に設けられた基板検出センサ5が、推測した奥側のエッジ位置と上記基準方向上で同じ位置から予め定めた距離だけ手前の位置に到達したときに、前記ハンドの移動速度が減速するように移動機構を制御する機能。
(6)例えば、基板検出センサ5が、推測した基板の奥側のエッジ位置と上記基準方向上で同じ位置よりもカセットの奥側の予め定めた位置まで移動するように移動機構を制御する機能。
(7)基板エッジ位置解析部13で求めた基板の奥側のエッジ位置に基づいて、上記基板検出センサが取り付けられている位置を含む基準方向上における基板の位置ずれ量を演算する機能。
なお、この機能を実現するために、図7に示すように、基板エッジ位置解析部13(より具体的には後述する解析部15)で求めた基板の奥側のエッジ位置を動作制御部12に入力する。
(8)上記演算された上記基準方向上における基板の位置ずれ量に基づいて、基板を把持するときのハンド位置を補正演算する機能。
(9)上記補正演算されたハンド位置に、ハンド4が移動するように移動機構11を制御する機能。
【0069】
上記の機能を有することにより、許容範囲内であれば、たとえ基板の位置ずれがあったとしても、基準方向に対する位置ずれ、及び基板の角度ずれを補正することができる。このようにすると、搬送ロボット10によって、基板を次の場所に搬送する際に、基準方向に対する位置ずれ、及び基板の角度ずれを補正するためのアライメント工程を省略することができる。
【0070】
[第2の実施形態]
図9は第2実施形態に係る搬送ロボット10aの概略構成を示す図である。
この搬送ロボット10aは、図1に示した搬送ロボット10に比べて、第1のハンド4a及び第4のハンド4dの長手方向の長さが、第2のハンド4b及び第3のハンド4cの長手方向の長さよりも短くなっている。その他の構成は、図1に示した搬送ロボット10と同様である。なお、第1の実施形態と同一または類似の要素には、同一の符号を付している。
【0071】
図1に示した搬送ロボット10に比べて、第1のハンド4a及び第4のハンド4dの長手方向の長さが、第2のハンド4b及び第3のハンド4cの長手方向の長さよりも短くなっている理由を図10及び図11を用いて説明する。
【0072】
図10は、搬送ロボット10aの旋回半径の一例を示す図である。より具体的には、図10は、搬送ロボット10a全体を連結軸L1周りに回動させたときの旋回半径ができるだけ小さくなるように、搬送ロボット10aのハンド4及び振動吸収体6を後退させた状態を示す図である。すなわち、図10では、第1の振動吸収体6a又は第2の振動吸収体6bの先端部を基準とした場合に最小旋回半径を取り得る状態を示している。そして、このときの旋回半径がR1であることを示している。また、第1のハンド4a又は第4のハンド4dの先端部を基準とした場合の旋回半径がR2であることを示している。
【0073】
なお、図10では、第1のハンド4a〜第4のハンド4dの長手方向の長さ、第1の振動吸収体6a及び第2の振動吸収体6bの長手方向の長さ(第1の基板検出センサ5a及び第2の基板検出センサ5bを含む)を全て同一としている。
【0074】
厳密には、第1のハンド4a又は第4のハンド4dの先端部を基準とした場合における旋回半径R2は最小旋回半径ではないが、基準とする位置と連結軸L1との距離が短い程、旋回半径を小さくできることが分かる。図10の例では、R1<R2となる。
すなわち、ハンドホルダ3に取り付けるハンド4及び振動吸収体6が同じ長さであれば、取り付け位置をハンドホルダ3の中央に近づける程、基準位置と連結軸L1との距離が短くなって、旋回半径を小さくできることを示している。
【0075】
したがって、振動吸収体6の左右方向外側にハンド4を設ける場合は、振動吸収体6の長手方向の長さよりも短くした方が好ましい。さらに好ましくは、図11に示すように、第1の振動吸収体6a又は第2の振動吸収体6bの先端部を基準とした場合の最小旋回半径R内に収まるように、振動吸収体6の左右方向外側に設けるハンド4の長手方向の長さを設定するとよい。
【0076】
上記の説明では、アーム方式の搬送ロボット10を例にして説明したが、この方式の搬送ロボット10に限定されるものではなく、他の方式の搬送ロボット10でもよい。例えば、アーム方式ではなくスライド方式の搬送ロボットであってもよいし、アームとスライド機構の両方を用いた搬送ロボットであってもよい。また、昇降機構を備えない搬送ロボットであってもよいし、アーム機構2を2組備えた搬送ロボットであってもよい。要するに、水平方向に移動可能なハンドとは別に設けられる振動吸収体6の先端部(又は先端部近傍)に基板検出センサ5を設けられる構成の搬送ロボット10であればよい。
【0077】
また、上記の説明では、振動吸収体6は左右に2本の形態を例にして説明したが、この様な形態に限定されない。例えば、1つの振動吸収体6であってもよいし、3つ以上の振動吸収体6であってもよい。ただし、1つの振動吸収体6であると、角度ずれを検出できない。
【0078】
また振動吸収体6の形状も例示したものに限定されず、例えば、他のトラフ構造であってもよい。また、ハンド4に比べて振動が少ないものであればよい。
【0079】
また、上記の説明では、振動吸収体6に対してハンドホルダ3の左右方向の内側にも外側にもハンド4を設けた例を示したが、振動吸収体6に対してハンドホルダ3の内側又は外側だけにハンド4を設けることも可能である。例えば、振動吸収体6に対してハンドホルダ3の内側にある第2のハンド4b及び第3のハンド4cだけを設けることも可能であるし、振動吸収体6に対してハンドホルダ3の外側にある第1のハンド4a及び第4のハンド4dだけを設けることも可能である。ただし、ハンド間の間隔や基板の大きさ等によって、条件が異なるので、実情に応じて定めればよい。例えば、基板を保持したときの安定性を考慮して、振動吸収体6に対してハンドホルダ3の外側にハンド4を設けるか否かを定めればよい。
【符号の説明】
【0080】
1 旋回ベース
2a 第1アーム
2b 第2アーム
2 アーム機構
3 ハンドホルダ
4 ハンド
4a ハンド
4b ハンド
4c ハンド
4d ハンド
5 基板検出センサ
5a 基板検出センサ
5b 基板検出センサ
6 振動吸収体
7 センサ取付部
8 基板検出センサ
10 搬送ロボット
11 移動機構
12 動作制御部
13 基板エッジ位置解析部
14 記憶部
15 解析部
L1 連結軸
L2 連結軸
L3 連結軸
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を保持するためのハンドを用いて、板状の基板をカセットに搬入およびカセットから搬出するための基板搬送ロボットにおいて、
基板を保持するためのハンドと、
前記ハンドと並んで設けられた振動吸収体と、
前記ハンドの基端部及び前記振動吸収体の基端部を支持するハンドホルダと、
前記振動吸収体の先端部又は先端部近傍に取り付けられた基板の有無を検出する基板検出センサと、
前記ハンドの位置及び前記振動吸収体の位置を移動させる移動機構と、
前記ハンド及び前記振動吸収体の位置及び移動速度を制御する制御部と、
前記基板検出センサの検出信号と前記制御部から出力される前記基板検出センサの位置の情報に基づいて、基板のエッジ位置を演算する基板エッジ位置解析部と、
を備えたことを特徴とする基板搬送ロボット。
【請求項2】
前記制御部は、
予め与えられた前記カセット及び基板に関する情報に基づいて、前記ハンド及び振動吸収体が検出対象となる基板の下側を通過して前記カセットの奥側方向に移動できるようなカセット進入位置を求める機能と、
前記ハンド及び振動吸収体が前記カセット進入位置に移動するように移動機構を制御する機能と、
予め与えられた基板の規定位置情報又は演算によって求めた基板の規定位置情報に基づいて、前記カセットに収容されている基板の奥側のエッジ位置を推測する機能と、
前記カセット進入位置から前記カセットの奥側へ向かう方向を基準方向とした場合に、前記ハンド及び振動吸収体を、前記基準方向に沿って予め定めた速度で前進させ、前記ハンド及び振動吸収体をカセット内に進入させることによって、振動吸収体の先端部又は先端部近傍に設けた前記基板検出センサがカセットの奥側に移動するように移動機構を制御する機能と、
前記ハンドとともに移動する前記振動吸収体の先端部又は先端部近傍に設けられた基板検出センサが、推測した奥側のエッジ位置と前記基準方向上で同じ位置から予め定めた距離だけ手前の位置に到達したときに、前記ハンドの移動速度が減速するように移動機構を制御する機能と、
前記基板検出センサが、推測した基板の奥側のエッジ位置と前記基準方向上で同じ位置よりもカセットの奥側の予め定めた位置まで移動するように移動機構を制御する機能と、
基板エッジ位置解析部で求めた基板の奥側のエッジ位置に基づいて、前記基板検出センサが取り付けられている位置を含む基準方向上における基板の位置ずれ量を演算する機能と、
前記演算された前記基準方向上における基板の位置ずれ量に基づいて、基板を把持するときのハンド位置を補正演算する機能と、
前記補正演算されたハンド位置に、ハンドが移動するように移動機構を制御する機能と、
を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の基板搬送ロボット。
【請求項3】
前記基板エッジ位置解析部は、
前記基板検出センサの位置情報と前記基板検出センサの検出信号とを記憶しておき、前記基板検出センサの検出信号が基板有りを示す状態から基板無しを示す状態に変化し、かつ基板無しを示す状態が予め定めた確認距離だけ連続したときに、そのときの前記基板検出基板検出センサの位置を基準位置として、前記基準位置からみて前記確認距離だけカセットの手前側の位置を基板の奥側のエッジ位置として解析する、ことを特徴とする請求項1または2に記載の基板搬送ロボット。
【請求項4】
前記基板エッジ位置解析部は、
前記基板検出センサの位置情報と前記基板検出センサの検出信号とを記憶しておき、前記基板検出センサの検出信号が基板有りを示す状態から基板無しを示す状態に変化し、かつ基板無しを示す状態が予め定めた確認時間の間連続したときに、そのときからみて確認時間だけ過去の前記基板検出センサの位置を基板の奥側のエッジ位置として解析する、ことを特徴とする請求項1または2に記載の基板搬送ロボット。
【請求項5】
前記基板エッジ位置解析部は、
前記基板検出センサの位置情報と前記基板検出センサの検出信号とを記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶されているデータに基づいて、基板の奥側のエッジ位置を解析する解析部と、
を備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の基板搬送ロボット。
【請求項6】
前記ハンドの全て又は一部は、前記ハンドホルダの外側に、基端部がハンドホルダに支持され、かつ前記前記振動吸収体よりも長さが短いハンドであること特徴とする請求項1〜5に記載の基板搬送ロボット。
【請求項1】
基板を保持するためのハンドを用いて、板状の基板をカセットに搬入およびカセットから搬出するための基板搬送ロボットにおいて、
基板を保持するためのハンドと、
前記ハンドと並んで設けられた振動吸収体と、
前記ハンドの基端部及び前記振動吸収体の基端部を支持するハンドホルダと、
前記振動吸収体の先端部又は先端部近傍に取り付けられた基板の有無を検出する基板検出センサと、
前記ハンドの位置及び前記振動吸収体の位置を移動させる移動機構と、
前記ハンド及び前記振動吸収体の位置及び移動速度を制御する制御部と、
前記基板検出センサの検出信号と前記制御部から出力される前記基板検出センサの位置の情報に基づいて、基板のエッジ位置を演算する基板エッジ位置解析部と、
を備えたことを特徴とする基板搬送ロボット。
【請求項2】
前記制御部は、
予め与えられた前記カセット及び基板に関する情報に基づいて、前記ハンド及び振動吸収体が検出対象となる基板の下側を通過して前記カセットの奥側方向に移動できるようなカセット進入位置を求める機能と、
前記ハンド及び振動吸収体が前記カセット進入位置に移動するように移動機構を制御する機能と、
予め与えられた基板の規定位置情報又は演算によって求めた基板の規定位置情報に基づいて、前記カセットに収容されている基板の奥側のエッジ位置を推測する機能と、
前記カセット進入位置から前記カセットの奥側へ向かう方向を基準方向とした場合に、前記ハンド及び振動吸収体を、前記基準方向に沿って予め定めた速度で前進させ、前記ハンド及び振動吸収体をカセット内に進入させることによって、振動吸収体の先端部又は先端部近傍に設けた前記基板検出センサがカセットの奥側に移動するように移動機構を制御する機能と、
前記ハンドとともに移動する前記振動吸収体の先端部又は先端部近傍に設けられた基板検出センサが、推測した奥側のエッジ位置と前記基準方向上で同じ位置から予め定めた距離だけ手前の位置に到達したときに、前記ハンドの移動速度が減速するように移動機構を制御する機能と、
前記基板検出センサが、推測した基板の奥側のエッジ位置と前記基準方向上で同じ位置よりもカセットの奥側の予め定めた位置まで移動するように移動機構を制御する機能と、
基板エッジ位置解析部で求めた基板の奥側のエッジ位置に基づいて、前記基板検出センサが取り付けられている位置を含む基準方向上における基板の位置ずれ量を演算する機能と、
前記演算された前記基準方向上における基板の位置ずれ量に基づいて、基板を把持するときのハンド位置を補正演算する機能と、
前記補正演算されたハンド位置に、ハンドが移動するように移動機構を制御する機能と、
を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の基板搬送ロボット。
【請求項3】
前記基板エッジ位置解析部は、
前記基板検出センサの位置情報と前記基板検出センサの検出信号とを記憶しておき、前記基板検出センサの検出信号が基板有りを示す状態から基板無しを示す状態に変化し、かつ基板無しを示す状態が予め定めた確認距離だけ連続したときに、そのときの前記基板検出基板検出センサの位置を基準位置として、前記基準位置からみて前記確認距離だけカセットの手前側の位置を基板の奥側のエッジ位置として解析する、ことを特徴とする請求項1または2に記載の基板搬送ロボット。
【請求項4】
前記基板エッジ位置解析部は、
前記基板検出センサの位置情報と前記基板検出センサの検出信号とを記憶しておき、前記基板検出センサの検出信号が基板有りを示す状態から基板無しを示す状態に変化し、かつ基板無しを示す状態が予め定めた確認時間の間連続したときに、そのときからみて確認時間だけ過去の前記基板検出センサの位置を基板の奥側のエッジ位置として解析する、ことを特徴とする請求項1または2に記載の基板搬送ロボット。
【請求項5】
前記基板エッジ位置解析部は、
前記基板検出センサの位置情報と前記基板検出センサの検出信号とを記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶されているデータに基づいて、基板の奥側のエッジ位置を解析する解析部と、
を備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の基板搬送ロボット。
【請求項6】
前記ハンドの全て又は一部は、前記ハンドホルダの外側に、基端部がハンドホルダに支持され、かつ前記前記振動吸収体よりも長さが短いハンドであること特徴とする請求項1〜5に記載の基板搬送ロボット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−59951(P2012−59951A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−202232(P2010−202232)
【出願日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【出願人】(000000262)株式会社ダイヘン (990)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【出願人】(000000262)株式会社ダイヘン (990)
【Fターム(参考)】
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