説明

多層配線基板及びそれを用いた電子装置

【課題】半導体チップ実装基板、マザーボード、プローブカード用基板などに適用され得る多層配線基板に関し、重量や厚さを増やすことなく、適切に低熱膨張率化を図ることのできる多層配線基板を提供する。
【解決手段】
磁性材料を含む導体層11と、前記導体層11の少なくとも一方の表面に形成され、導電粒子を含む絶縁樹脂層12とを有する多層配線基板。絶縁樹脂層12は金属材料よりも比重を小さくできるため、コア基板を軽量化することができ、ひいては多層配線基板を軽量化することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体チップ実装基板、マザーボード、プローブカード用基板などに適用され得る多層配線基板及びそれを用いた電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器に対する高性能化および小型化などの要求に伴い、電子機器に組み込まれる電子部品の高密度実装化が急速に進んでいる。そのような高密度実装化に対応するために、半導体チップについては、ベアチップの状態で配線基板に面実装される即ちフリップチップ実装される場合が増えてきている。
【0003】
フリップチップ実装するための配線基板については、半導体チップの多ピン化に伴って、配線の高密度化を達成するうえで好適な多層配線基板が採用される傾向にある。このような半導体チップおよび多層配線基板による実装構造を有する半導体パッケージは、所定の電子回路の一部を構成すべく、更にマザーボードに実装される。マザーボードについても、配線の高密度化を達成するうえで好適な多層配線基板が採用される場合がある。
【0004】
また、複数の半導体素子が造り込まれた半導体ウエハや単一の半導体チップを検査する際に当該ウエハやチップが搭載されるプローブカードの基板においても、素子やチップの多ピン化に応じて多層配線基板が採用されている。
【0005】
フリップチップ実装においては、配線基板と半導体チップの間に熱膨張率の差が存在する。シリコンを用いた一般的な半導体チップにおける面内方向の熱膨張率は約3.5ppm/℃であるのに対し、コア基板にガラスエポキシ基板を用いた一般的な配線基板における面内方向の熱膨張率は12〜20ppm/℃であり、両者の熱膨張率の差は比較的大きい。そのため、環境温度の変化により、或は、環境温度の変化を経ることにより、配線基板と半導体チップの間における電気的接続部には応力が発生しやすくなる。電気的接続部にて所定以上の応力が発生すると、電気的接続部における半導体チップのバンプと配線基板の電極パッドとの界面においてクラックや剥がれが生じやすくなる。
【0006】
とりわけ近年では、半導体チップの高速化を図るために、従来の材料よりも機械的な物性の劣るlow−k材料が採用されるようになっている。また、環境への配慮から鉛フリーはんだが採用され、リフロー温度が高温化したことで、この問題が以前よりも顕在化してきている。フリップチップ実装において半導体チップと配線基板の間に充填されるアンダーフィル剤は、電気的接続部に発生するこのような応力を緩和する機能を有している。この応力緩和機能により、電気的接続部におけるクラックや剥がれが抑制され、フリップチップ実装における接続信頼性の確保が図られている。
【0007】
しかしながら、大型の半導体チップを配線基板に実装する場合には、アンダーフィル剤の応力緩和機能のみでは、充分な接続信頼性を確保できない場合が多い。これは、半導体チップおよび配線基板の熱膨張率の差に起因する両者の熱膨張差の絶対量が、チップが大型であるほど大きくなり、電気的接続部にて発生する応力が大きくなるからである。このような不具合は、半導体ウエハや比較的大型の半導体チップの機能を検査する際、これらをプローブカードに搭載した状態においても生じ得る。
【0008】
配線基板および半導体チップの熱膨張率の差に起因する上述の不具合を解消ないし軽減するための手法の一つとして、熱膨張率の小さな配線基板を採用することが考えられる。熱膨張率の小さな配線基板としては、低熱膨張率の金属をコア基板として採用する配線基板が知られている。例えば、熱膨張率が1〜3ppm/℃であるインバーを用いたCIC(銅/インバー/銅クラッド材)をコア基板として採用し、コア基板と電源層或いはグランド層を兼ねるようにした多層配線基板が提案されている。
【0009】
その他の例としては、カーボンファイバ材に樹脂材料を含浸させたカーボンファイバ強化樹脂をコア基板に使用して低熱膨張率化を図った多層配線基板が知られている。
【特許文献1】特開平08−316377号公報
【特許文献2】特開2000−138453号公報
【特許文献3】特開2003−273482号公報
【特許文献4】特開2004−87856号公報
【特許文献5】特開2004−119691号公報
【非特許文献1】Ryan D. McBride et al. "Modeling and Simulation of 12.5 Gb/s on a HyperBGAR Package", 2003 IEEE/CPMT/SEMIR Int'l Electronics Manufacturing Technology Symposium, pp.143-147, July 2003
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述の通り、CICをコア基板に用いた場合、所要部位に電気的に接続することにより、コア基板と電源層或いはグランド層を兼ねることができる。しかしながら、CICは材料自体の比重が大きいため、得られる配線基板の重量が大きくなり、回路基板の搬送やハンドリング等が困難となるという問題点があった。
【0011】
これに対して、上述のカーボンファイバ強化樹脂をコア基板に用いた場合は、カーボンファイバ材の比重が小さいため、配線基板の重量の増大を抑えることができる。しかしながら、カーボンファイバ強化樹脂は樹脂材料であるため、CICのようにコア基板と電源層或いはグランド層を兼ねることはできず、別途、配線層が必要となる。その結果、層数が増えて配線基板の厚さが大きくなるだけでなく、配線基板の製造工程数が増加して製造コストが上昇するという問題点が生じた。
【0012】
本発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、重量や厚さを増やすことなく、適切に低熱膨張率化を図ることのできる多層配線基板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
発明の一観点によれば、磁性材料を含む導体層と、前記導体層の少なくとも一方の表面に形成され、導電粒子を含む絶縁樹脂層とを有する多層配線基板が提供される。
【発明の効果】
【0014】
開示の多層配線基板は、例えば磁性材料であるインバーに絶縁樹脂を被覆した材料をコア基板とした場合、CICのような、インバーに銅を被覆した材料を使用する場合に比べてコア基板を軽量化することができ、ひいては配線基板を軽量化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について、添付の図面を参照して具体的に説明する。
(第一の実施形態)
図1(a)は、本発明に係る多層配線基板が用いられた、フリップチップ・ボール・グリッド・アレイ(FC−BGA)と呼ばれる電子装置の一実施例の断面図を示している。ここでは、多層配線基板を構成する配線パターンや層間絶縁膜などの詳細構造は省略してある。
【0016】
半導体チップ1は、多層配線基板3に備えられている半導体チップ用電極52上でバンプ2を介してフリップチップ実装されており、半導体チップ1と多層配線基板3の間隙はアンダーフィル剤4で充填されている。バンプ2は、例えば半田、金、導電ペーストを用いることができる。そして、半導体チップ1の周囲には、多層配線基板3に備えられているキャパシタ用電極53上でキャパシタ6aが複数個実装されている。
【0017】
また、多層配線基板3の、半導体チップ1が実装された面と反対の面では、複数の外部接続端子5が半田などの接合材を介してランド電極55に接続されている。そして、多層配線基板3の中央部では、複数のキャパシタ6bが半田などの接合材を介してキャパシタ用電極56に接続されている。外部接続端子5は、例えば半田ボールや半田バンプが用いられる。
【0018】
上記電子装置に採用されている多層配線基板3の半導体チップ搭載面の平面図を図1(b)、外部接続端子面の平面図を図1(c)にそれぞれ示す。ここでも、配線パターンやビアホール、ソルダレジストなどは省略してある。
【0019】
半導体チップ搭載面には、多層配線基板3の中央部に半導体チップ1が搭載される半導体チップ実装領域51を有しており、その領域内では、フリップチップ接続用の電極パッド52がマトリックス状に配置されている。半導体チップ実装領域51の周囲には、複数のキャパシタ6aが搭載されるキャパシタ用電極53が備えられており、各々のキャパシタ6aは、半田などの接合材を介してキャパシタ実装領域54のごとく2対のキャパシタ用電極に接続される。
【0020】
外部接続端子面では、外部接続端子5が接続されるランド電極55が規則的に配置されており、多層配線基板3の中央部には、複数のキャパシタ6bを搭載するためのキャパシタ用電極56を有している。そして、各々のキャパシタ6bは、半田などの接合材を介してキャパシタ実装領域57のごとく2対のキャパシタ用電極56に接続される。
【0021】
上述の実施例ではキャパシタ6a,6bが搭載された電子装置について示したが、電子装置の変形例として、図2(a)に示すように、半導体チップと多層配線基板との接続にワイヤボンディング法が採用された電子装置を用いることができる。また、キャパシタ6a、6bに代えて、インダクタや抵抗など、キャパシタ以外の電子部品が搭載されている電子装置を用いることもできる。さらに、図2(b)に示すように、半導体チップのみ搭載され、前記電子部品が全く搭載されていない電子装置も一実施例として挙げることができる。
【0022】
本発明の第一の実施形態に係る多層配線基板の部分断面図を図3に示す。多層配線基板は、コア基板10およびコア基板10の両面に積層形成されたコア上配線部20を有するベース基板100と、当該ベース基板100の両面に積層形成されたビルドアップ部30とを備えている。ベース基板100には、その厚み方向に延びるスルーホール電極40が形成されている。
【0023】
コア基板10は、磁性材料の板材から加工されたものであり、磁性材料を含む導体層11と、導体層11の両面を被覆している絶縁樹脂層12と、絶縁樹脂部13とを含むものである。
【0024】
導体層11は、インバーや42アロイに代表される鉄とニッケルを含む合金、スーパーインバーに代表される鉄とニッケルとコバルトを含む合金、ステンレスインバーに代表される鉄とコバルトとクロムを含む合金など、シリコンチップと同程度の低い熱膨張率を持つものが広く利用可能である。
【0025】
絶縁樹脂層12は、導電粒子をバインダ樹脂に含ませて得られる材料層である。導電粒子は、例えば鉄、コバルト、ニッケル、クロムのうちの少なくとも一つを含む材料を用いることができる。バインダ樹脂は、例えばエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、オレフィン系樹脂、フッ素系樹脂を用いることができる。絶縁樹脂層12は金属材料よりも比重を小さくすることが可能であるため、例えば磁性材料であるインバーに絶縁樹脂層12を被覆した材料をコア基板10とした場合、CICのような、インバーに銅を被覆した材料を使用する場合に比べてコア基板10を軽量化することができ、ひいては多層配線基板を軽量化することができる。
【0026】
また、コア基板10に導体層11が用いられていることから、電源層或いはグランド層を兼ねることができる。そのため、新たに配線層を増やす必要がなく、多層配線基板の厚さの増大を抑えることができる。
【0027】
磁性材料を含む導体層11を絶縁樹脂層12で被覆するその他の利点として、多層配線基板の熱膨張率の増大を抑えながら、導体層11から発生する電磁ノイズを遮蔽できる点を挙げることができる。
【0028】
磁性材料を多層配線基板のコア基板10に使用し、電源層或いはグランド層を兼ねるようにした際に、導体層11から電磁ノイズが発生し、他の配線層に干渉して信号の劣化や誤動作を引き起こすことがある。CICをコア基板10に用いた多層配線基板では、インバー層の両面が非磁性体の金属、即ち銅で被覆されていることから、インバー層から発生する電磁ノイズを減衰させることが構造上可能である。ただし、銅の熱膨張率が約17ppm/℃とインバーに比べて大きいため、熱膨張率の低い磁性材料を用いているにも関わらず、基板の低熱膨張率化の効果が小さくなるという問題がある。
【0029】
そこで、銅の代わりに絶縁樹脂層12で導体層11を被覆すると、絶縁樹脂層12中に含まれる導電粒子の含有率を変化させるなどの手段により、絶縁樹脂層12の熱膨張率を銅よりも下げることができる。
【0030】
絶縁樹脂層12の薄型化を図る際には、導電粒子の表面を絶縁樹脂で被覆した複合フィラーがより好ましい。当該複合フィラーは表面が絶縁樹脂で被覆されているため、たとえ複合フィラー同士の平均距離が短くなっても樹脂の絶縁性を維持することができ、薄型化にとって好都合である。
【0031】
複合フィラーは、これまでに例えばアンダーフィル用途の導電材料に採用されている。複合フィラーの形状は、図4(a)から図4(e)に示すように、代表例として球状、楕円球状、針状、破砕状など、種々の例が挙げられるが、導電粒子16が絶縁樹脂17で被覆されていればよく、形状について特に限定はない。多層配線基板が製造される前のバインダ樹脂の材料形態は、シート状、ワニス状、シート状とワニス状の複合形態のいずれでも構わない。
【0032】
導電粒子16の表面を絶縁樹脂17で被覆する方法としては、例えば1種類のモノマを導電粒子の表面でin−situ重合させてポリマ化し、コーティングする方法や、2種類以上のモノマを用いて導電粒子16の表面で界面重合させてポリマ化し、コーティングする方法などが知られている。
【0033】
図3を参照して、絶縁樹脂層12中における複合フィラーの含有率は、50重量%未満では十分な遮蔽効果が得にくくなり、また95重量%を超えると複合フィラーを樹脂へ含有させることが難しくなる傾向があるため、50〜95重量%であることが好ましい。
【0034】
絶縁樹脂部13は、コア基板10の導体層11とスルーホール電極40との間の電気的絶縁を確保するためのものである。絶縁樹脂部13は、例えば、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリフェニルサルホン、ポリフタルアミド、ポリアミドイミド、ポリケトン、ポリアセタール、ポリイミド、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンオキサイド、ポリブチレンテレフタレート、ポリアクリレート、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、テトラフルオロエチレン、エポキシ、シアネートエステル、ビスマレイミドから選択される材料を用いることができる。
【0035】
コア上配線部20は、コア基板10の両面に形成した部位であり、プリプレグ21および配線パターン32による積層構造を有する。プリプレグ21は、ガラスクロスに樹脂材料を含浸させて形成されたものであって、当該樹脂は硬化されている。プリプレグ21の樹脂材料としては、絶縁樹脂部13に関して上述した樹脂を採用することができる。
【0036】
ビルドアップ部30は、いわゆるビルドアップ法により配線が多層化された部位であり、絶縁層31および配線パターン32cによる積層構造を有する。絶縁層31は、例えば、絶縁樹脂部13に関して上述した樹脂を用いることができる。配線パターン32cは、例えば銅を用いることができ、各々所望の形状を有している。各層の配線パターン32cは、ビア33によって相互に電気的に接続されている。
【0037】
最上層の配線パターン32cには、外部接続用の電極パッド34が形成されている。ビルドアップ部30の最上表面には、電極パッド34に対応して開口しているソルダレジスト層35が設けられている。
【0038】
スルーホール電極40は、ベース基板100の両側に設けられている配線構造、即ち、コア上配線部20の配線パターン32およびビルドアップ部30の配線パターン32cによる配線構造を、相互に電気的に接続するためのものである。
【0039】
次に、当該多層配線基板の製造方法について説明する。
【0040】
図5乃至図8は、第一の実施形態に係る多層配線基板の製造工程を示す工程断面図である。
【0041】
まず、物理的、若しくは例えばクロメート処理などの化学的な表面粗化処理を施した200μm厚さの磁性材料を含むインバー箔11aを準備する。
【0042】
次に、図5(a)に示すように、鉄粉末の表面を絶縁被覆した複合フィラーを60重量%含有した膜厚40μmの絶縁樹脂シート12aをインバー箔11aの両面に貼り付けた後、真空プレスで押圧しながら加熱処理を行い、硬化させて一体化する。なお、インバー箔11aは後の工程を経てインバー層11となり、絶縁樹脂シート12aは絶縁樹脂層12となる。
【0043】
次に、図5(b)に示すように、その上から、両側に100μm厚さのBステージ状態のガラス繊維強化樹脂であるプリプレグ21と35μm厚さの銅箔32aを、真空プレスにより3MPaおよび180℃の条件で積層し、硬化させる。
【0044】
次に、図5(c)に示すように、所定の箇所に、ドリルにより、開口径0.5mmのスルーホール41aを形成する。スルーホール41aの形成方法としては、ドリル加工の他に、パンチング金型による打ち抜き加工、或いは、レーザによるアブレーション加工を採用することができる。なお、孔の数、位置および形状は特に限定されず、配線引き回しの設計情報に基づいてこれらを決定すればよい。
【0045】
その後、図6(a)に示すように、スルーホール41a内を穴埋め樹脂で充填した後に、孔径がスルーホール41aの径よりも小さいスルーホール41をドリル加工により形成する。当該スルーホール41は、その軸心がスルーホール41aのそれと略一致するように形成する。この工程によって、スルーホール41の内壁に残存する穴埋め樹脂は、インバー層11と、後で説明するスルーホール電極40との間の電気的絶縁を確保するための絶縁樹脂部13として機能することとなる。スルーホール41の形成方法としては、ドリル加工の他に、炭酸ガスレーザ、UV−YAGレーザ、エキシマレーザ、プラズマを利用するドライエッチング法などを採用することができる。
【0046】
次に、図6(b)に示すように、配線パターン32を形成するとともにスルーホール41壁面にスルーホール電極40を形成する。具体的には、まず、必要に応じてデスミア処理を行った後、無電解めっき法および電気めっき法により、銅箔層32aの表面と絶縁樹脂部13の表面に無電解銅めっき膜および電気銅めっき膜32bを一括形成する。次に、無電解銅めっき膜および電気銅めっき膜32bの上に図示しないフォトレジストを成膜した後、これを露光および現像することによって、レジストパターンを形成する。当該レジストパターンは、形成を目的とする配線パターンに対応するマスク領域を有する。次に、マスク開口部に対してエッチングを行い、表出している無電解銅めっき膜および電気銅めっき膜32bとその直下の銅箔32aを一括でエッチング除去する。
【0047】
そして最後に、レジストパターンを剥離除去する。このようなサブトラクティブ法により、ビルドアップ部における最下層の配線パターン32と、コア基板を貫通して当該最下層配線パターン間を電気的に接続するスルーホール電極40が形成できる。本発明では、スルーホール電極40を形成する際に、銅めっきに代えて、或は銅めっきに加えて、銀粉末や銅粉末を含有する導電ペーストをスルーホール41に対して充填してもよい。
【0048】
次に、最下層配線パターン32の上方から更にビルドアップ部30を積層形成する。具体的には、まず、図6(c)に示すように、最下層配線パターン32の表面を粗化処理した後、真空プレスにより、150℃,1MPa,3分間の条件で、ビルドアップ絶縁樹脂シート31aを基板両面にラミネートする。その後、大気圧下で170℃および1時間の条件でキュアを行う。このとき、スルーホール41内はビルドアップ絶縁樹脂シート31aの一部によって充填されている。スルーホール41の穴埋めについては、ビルドアップ絶縁樹脂シート31aをラミネートする前に、別の樹脂材料を用いて穴埋めを行っても良い。
【0049】
次に、図7(a)に示すように、ビルドアップ絶縁樹脂シート31aを供給して形成したビルドアップ絶縁層31の所定箇所に対して、炭酸ガスレーザによりφ60μmのビアホール33aを形成する。ビアホール33aの形成方法としては、炭酸ガスレーザ、UV−YAGレーザ、エキシマレーザ、プラズマを利用するドライエッチング法などを採用することができる。或は、ビルドアップ絶縁層31が感光性樹脂により形成されている場合にはフォトリソグラフィにより形成することができる。
【0050】
次に、ビアホール33aのスミアをデスミア処理し、無電解めっき法により、ビルドアップ絶縁層31およびビアホール33aの表面に図示しない無電解銅めっき膜を形成する。その後、無電解銅めっき膜上に図示しないフォトレジストを成膜した後、これを露光および現像することによって、レジストパターンを形成する。当該レジストパターンは、形成を目的とする配線パターンに対応する非マスク領域を有する。
【0051】
次に、電気めっき法により、当該非マスク領域に対して、無電解銅めっき膜をシード層として利用して電気銅めっきを堆積させる。その際の電気銅めっき厚は約30μmとする。レジストパターンを剥離除去した後、それまでレジストパターンで被覆されていた無電解銅めっき膜をエッチング除去することにより配線パターン32cが完成し、図7(b)に示す構造を得る。エッチング液としては、例えば過酸化水素水および硫酸の混合液が使用可能である。
【0052】
この後、ビルドアップ絶縁層31の積層形成から配線パターン32cおよびビア33の形成までの一連の工程を、コア基板の両面にて所定の回数繰り返すことにより、多層配線構造のビルドアップ層を形成する。本実施形態では、図8(a)に示すように、ビルドアップ絶縁層31の積層形成から配線パターン32cおよびビア33の形成までの一連の工程を更に2回繰り返すことにより、コア基板の両面において3層配線構造のビルドアップ部30が形成されている。
【0053】
そして最後に、図8(b)に示すように、スクリーン印刷およびフォトリソグラフィにより、ビルドアップ部の表面にソルダレジスト層35を形成する。ソルダレジスト層35の所定箇所には、ビルドアップ部における最上層の配線パターンの一部が電極パッド34として臨むように開口部を設けた。このようにして、本実施例の多層配線基板を製造する。
【0054】
多層配線基板の熱膨張率を比較すると、インバー層11をガラスエポキシ樹脂に置き換えて製造した多層配線基板の熱膨張率が約20ppm/℃であるのに対して、上記実施例をもとに製造した、インバー層11を含む多層配線基板の熱膨張率は約10ppm/℃となる。
【0055】
以上の実施形態は、インバー層11とスルーホールビア配線40との電気的絶縁性を保つ場合における実施形態であり、スルーホール41の形成位置一箇所について、孔形成および穴埋め工程を各々2回ずつ行っている。しかし、インバー層11とスルーホール電極40との電気的絶縁性を必要としない場合は、これらの孔形成および穴埋め工程は各々1回のみとしても構わない。その例として、第一の実施形態に係る多層配線基板の変形例を図9に示す。図9は孔形成および穴埋め工程を各々1回のみ行って製造した多層配線基板を示しており、図2に示されているような絶縁樹脂部13を持たないため、インバー層11とスルーホール電極40が電気的に接続されている。この構成を適宜採用すると、配線基板の回路設計を行う上での自由度が広がり、配線の引き回しがより容易になる作用がある。
【0056】
さらに、同一多層配線基板内に複数のインバー層11が存在し、これらのインバー層11が前記絶縁樹脂層により各々被覆されていても構わない。第一の実施形態に係る多層配線基板の別の変形例として、インバーがコア基板10に使用され、これに加えてビルドアップ部30にインバー層11を有する多層配線基板の部分断面図を図10に示す。
【0057】
また、同一基板内において、インバー層11と絶縁性を保つスルーホールビア配線40と、絶縁性を保たないスルーホールビア配線40は混在していてもよい。一箇所のスルーホール形成位置に対する孔形成の回数を、インバー層11と絶縁性を保つ場合は2回、絶縁性を保たない場合は1回とすることで容易に実現可能である。
【0058】
なお、上述の多層配線基板は、いずれもコア基板10の両面にコア上配線部20およびビルドアップ部30を形成した実施例であったが、コア基板の片面のみにコア上配線部20およびビルドアップ部30を積層した形態であっても構わない。
(第二の実施形態)
図11乃至図14は、第二の実施形態に係る多層配線基板の製造工程を示す工程断面図である。
【0059】
まず、物理的、若しくは例えばクロメート処理などの化学的な表面粗化処理を施した厚さ0.2mmのインバー箔11aを準備する。
【0060】
次に、図11(a)に示すように、鉄粉末の表面を絶縁被覆した複合フィラーを55重量%含有した膜厚0.1mmの絶縁樹脂シート12aを両側に貼り付けた後、真空プレスで押圧しながら加熱処理を行い、硬化させて一体化する。なお、インバー箔11aは後の工程を経てインバー層11となり、絶縁樹脂シート12aは絶縁樹脂層12となる。
【0061】
次に、図11(b)に示すように、所定の箇所に、ドリルにより、開口径0.5mmのスルーホール41aを形成する。スルーホール41aの形成方法としては、ドリル加工の他に、パンチング金型による打ちぬき加工、或いは、レーザによるアブレーション加工を採用することができる。
【0062】
その後、図11(c)に示すように、スルーホール41a内を穴埋め樹脂で充填した後に、ドリルにより、開口径0.2mmのスルーホール41を形成する。当該スルーホール41は、その軸心がスルーホール41aのそれと略一致するように形成する。この工程によって、スルーホール41の内壁に残存する穴埋め樹脂は、インバー層11と、後で説明するスルーホール電極40との間の電気的絶縁を確保するための絶縁樹脂部13として機能することとなる。
【0063】
次に、図12(a)に示すように、配線パターン32を形成するとともに、スルーホール41壁面にスルーホール電極40を形成する。具体的には、まず、必要に応じてデスミア処理を行った後、無電解めっき法および電気めっき法により、絶縁樹脂層12の表面と絶縁樹脂部13の表面に無電解銅めっき膜および電気銅めっき膜を一括形成する。
【0064】
次に、無電解銅めっき膜および電気銅めっき膜の上に図示しないフォトレジストを成膜した後、これを露光および現像することによって、レジストパターンを形成する。当該レジストパターンは、形成を目的とする配線パターンに対応するマスク領域を有する。次に、マスク開口部に対してエッチングを行い、表出している無電解銅めっき膜および電気銅めっき膜をエッチング除去して配線パターン32を得る。
【0065】
そして最後に、レジストパターンを剥離除去する。このようなサブトラクティブ法により、ビルドアップ部における最下層の配線パターン32と、コア基板10を貫通して当該最下層配線パターン間を電気的に接続するスルーホール電極40が形成される。
【0066】
次に、配線パターン32から更にビルドアップ絶縁層31を積層形成する。具体的には、図12(b)に示すように、配線パターン32の表面を粗化処理した後、真空プレスにより、150℃,1MPa,3分間の条件で、基板両面にビルドアップ絶縁樹脂シート31aをラミネートする。その後、大気圧下で170℃および1時間の条件でキュアを行う。このとき、スルーホール41内は、ビルドアップ絶縁樹脂シート31aの一部によって充填される。
【0067】
次に、図12(c)に示すように、ビルドアップ絶縁樹脂シート31aの所定箇所に対して、炭酸ガスレーザによりφ60μmのビアホール33aを形成する。
【0068】
次に、図13(a)に示すように、ビアホール33aのスミアをデスミア処理し、無電解めっき法により、ビルドアップ絶縁層31およびビアホール33aの表面に無電解銅めっき膜32bを形成する。その後、無電解銅めっき膜32b上に図示しないフォトレジストを成膜した後、これを露光および現像することによって、レジストパターンを形成する。当該レジストパターンは、形成を目的とする配線パターンに対応する非マスク領域を有する。
【0069】
次に、電気めっき法により、当該非マスク領域に対して、無電解銅めっき膜32bをシード層として利用して電気銅めっきを堆積させる。その際の電気銅めっき厚は約30μmとした。次に、レジストパターンを剥離除去した後、それまでレジストパターンで被覆されていた無電解銅めっき膜32bをエッチング除去することにより配線パターン32cおよびビア33が完成し、図13(b)に示す構造を得る。エッチング液としては、過酸化水素水および硫酸の混合液を使用する。
【0070】
この後、ビルドアップ絶縁層31の積層形成から配線パターン32cおよびビア33の形成までの一連の工程を、コア基板の両面にて所定の回数繰り返すことにより、多層配線構造のビルドアップ層を形成する。本実施形態では、図14(a)に示すように、ビルドアップ絶縁層31の積層形成から配線パターン32およびビア33の形成までの一連の工程を更に2回繰り返すことにより、コア基板の両面において3層配線構造のビルドアップ部30が形成されている。
【0071】
そして最後に、図14(b)に示すように、スクリーン印刷およびフォトリソグラフィにより、ビルドアップ部の表面にソルダレジスト層35を形成する。ソルダレジスト層35の所定箇所には、ビルドアップ部における最上層の配線パターンの一部が電極パッド34として臨むように開口部を設けた。このようにして、本実施例の多層配線基板を製造する。
【0072】
この構成によると、コア基板はインバー層11とその両面を覆う絶縁樹脂層12による3層構成のみとなっているため、プリプレグを有する第一の実施形態よりも配線基板の薄型化や低熱膨張率化がより容易になる作用がある。
【0073】
多層配線基板の熱膨張率を比較すると、インバー層11をガラスエポキシ樹脂に置き換えて製造した多層配線基板の熱膨張率が約28ppm/℃であるのに対して、上記実施例をもとに製造した、インバー層11を含む多層配線基板の熱膨張率は約12ppm/℃となる。
【0074】
なお、上述の多層配線基板は、コア基板10の両面にコア上配線部20およびビルドアップ部30を形成した実施例であったが、コア基板10の片面のみにコア上配線部20およびビルドアップ部30を積層した形態であっても構わない。
(第三の実施形態)
図15乃至図18は、第三の実施形態に係る多層配線基板の製造工程を示す工程断面図である。
【0075】
まず、フェライト粉末の表面を絶縁被覆して形成した複合フィラーを60重量%含有した、膜厚60μmの未硬化の絶縁樹脂シート12aを準備する。
【0076】
次に、図15(a)に示すように、ガラス繊維強化樹脂14に銅箔を貼着させた厚さ0.5mmの銅張積層板に、サブトラクティブ法により配線パターン32を形成する。
【0077】
その後、配線パターン32の表面に対して物理的、若しくは化学的な粗化処理を施した後、図15(b)に示すように、真空プレスにより150℃,1MPa,3分間の条件で、銅張積層板の両面に絶縁樹脂シート12aと50μm厚さのインバー箔11aを順々にラミネートして一体化する。その後、大気圧下で170℃および1時間の条件でキュアを行う。なお、インバー箔11aは後の工程を経てインバー層11となり、絶縁樹脂シート12aは絶縁樹脂層12となる。
【0078】
次に、図15(c)に示すように、インバー層11に対してサブトラクティブ法を施すことにより配線を形成するとともに、所定の箇所にドリルにより、開口径0.5mmの貫通孔41aを形成する。
【0079】
次に、図16(a)に示すように、貫通孔41a内を穴埋め樹脂13aで充填した後、インバー層11表面を粗化処理し、新たな絶縁樹脂シート12aを上記と同様に両側にラミネートして硬化させ、絶縁樹脂層12を形成する。スルーホール41aの穴埋めについては、絶縁樹脂シート12aの一部によりスルーホール41aの穴埋めを行っても良い。
【0080】
その後、図16(b)に示すように、ドリルにより、開口径0.2mmのスルーホール41を形成する。当該スルーホール41は、その軸心がスルーホール41aのそれと略一致するように形成する。この工程によって、スルーホール41の内壁に残存する穴埋め樹脂13aは絶縁樹脂部13となり、インバー層11と後で説明するスルーホールビア40との間の電気的絶縁を確保するために機能することとなる。
【0081】
次に、図16(c)に示すように、絶縁樹脂層12の所定箇所に対して、炭酸ガスレーザによりφ60μmのビアホール33aを形成する。
【0082】
次に、図17(a)に示すように、ビアホールのスミアをデスミア処理し、無電解めっき法により、絶縁樹脂層12の表面およびビアホールの表面に無電解銅めっき膜32bを一括形成する。その後、無電解銅めっき膜32b上にフォトレジストを成膜した後、これを露光および現像することによって、レジストパターンを形成する。当該レジストパターンは、形成を目的とする配線パターンに対応する非マスク領域を有する。
【0083】
次に、電気めっき法により、当該非マスク領域に対して、無電解銅めっき膜32bをシード層として利用して電気銅めっきを堆積させる。その際の電気銅めっき厚は約30μmとした。次に、レジストパターンを剥離除去した後、それまでレジストパターンで被覆されていた無電解銅めっき膜32bをエッチング除去することにより配線パターン32が完成し、図17(b)に示す構造を得る。エッチング液としては、過酸化水素水および硫酸の混合液を使用する。
【0084】
この後、ビルドアップ絶縁層31の積層形成から配線パターン32およびビア33の形成までの一連の工程を、コア基板の両面にて所定の回数繰り返すことにより、多層配線構造のビルドアップ層を形成する。本実施形態では、図18(a)に示すように、ビルドアップ絶縁層31の積層形成から配線パターン32cおよびビア33の形成までの一連の工程を更に2回繰り返すことにより、コア基板の両面において3層配線構造のビルドアップ部30を形成する。
【0085】
そして最後に、図18(b)に示すように、スクリーン印刷およびフォトリソグラフィにより、ビルドアップ部30の表面にソルダレジスト層35を形成する。ソルダレジスト層35の所定箇所には、ビルドアップ部30における最上層の配線パターンの一部が電極パッド34として臨むように開口部を設ける。このようにして、本実施例の多層配線基板を製造する。
【0086】
この構成によると、コア上配線層にもインバー層11を設けることができるため、回路設計情報をもとに配線基板の構成材料を検討する上で、材料選択の幅が広がる作用がある。
【0087】
多層配線基板の熱膨張率を比較すると、インバー層11を銅に置き換えて製造した多層配線基板の熱膨張率が約18ppm/℃であるのに対して、上記実施例をもとに製造した、インバー層11を含む多層配線基板の熱膨張率は約9ppm/℃となる。
【0088】
本発明の第三の実施形態に係る多層配線基板の変形例として、インバーがコア基板に使用され、これに加えてコア上配線層20にインバー層11を有する多層配線基板の部分断面図を図19に示す。図に示されるように、同一多層配線基板内に複数のインバー層11が存在し、これらのインバー層11が前記絶縁樹脂層により各々被覆されていても構わない。この構成によると、熱膨張率の小さいインバー層11を複数層で使用できるため、配線基板の熱膨張率を半導体チップにより近づけられる作用がある。
【0089】
なお、上述の多層配線基板は、いずれもコア基板10の両面にコア上配線部20およびビルドアップ部30を形成した実施例であったが、コア基板10の片面のみにコア上配線部20およびビルドアップ部30を積層した形態であっても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】図1は、本発明に係る多層配線基板およびこれを用いた半導体装置の実施例について、その構成を説明するための図である。
【図2】図2は、本発明に係る半導体装置の変形例について、その構成を説明するための図である。
【図3】図3は、本発明の第一実施形態による多層配線基板の部分断面図である。
【図4】図4は、本発明に係る、複合フィラーの形状の一実施例である。
【図5】図5は、第一の実施形態による多層配線基板の製造工程を示す工程断面図(その1)である。
【図6】図6は、第一の実施形態による多層配線基板の製造工程を示す工程断面図(その2)である。
【図7】図7は、第一の実施形態による多層配線基板の製造工程を示す工程断面図(その3)である。
【図8】図8は、第一の実施形態による多層配線基板の製造工程を示す工程断面図(その4)である。
【図9】図9は、第一の実施形態による多層配線基板の変形例である。
【図10】図10は、第一の実施形態による多層配線基板の別の変形例である。
【図11】図11は、第二の実施形態による多層配線基板の製造工程を示す工程断面図(その1)である。
【図12】図12は、第二の実施形態による多層配線基板の製造工程を示す工程断面図(その2)である。
【図13】図13は、第二の実施形態による多層配線基板の製造工程を示す工程断面図(その3)である。
【図14】図14は、第二の実施形態による多層配線基板の製造工程を示す工程断面図(その4)である。
【図15】図15は、第三の実施形態による多層配線基板の製造工程を示す工程断面図(その1)である。
【図16】図16は、第三の実施形態による多層配線基板の製造工程を示す工程断面図(その2)である。
【図17】図17は、第三の実施形態による多層配線基板の製造工程を示す工程断面図(その3)である。
【図18】図18は、第三の実施形態による多層配線基板の製造工程を示す工程断面図(その4)である。
【図19】図19は、第三の実施形態による多層配線基板の変形例である。
【符号の説明】
【0091】
3 多層配線基板
11 導体層
12 絶縁樹脂層
13 絶縁樹脂部
16 導電粒子
17 絶縁樹脂
32 配線パターン
40 スルーホール電極
41 スルーホール


【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁性材料を含む導体層と、
前記導体層の少なくとも一方の表面に形成され、導電粒子を含む絶縁樹脂層と
を有することを特徴とする多層配線基板。
【請求項2】
前記導体層が、電源層若しくはグランド層の少なくとも一部であることを特徴とする、請求項1に記載の多層配線基板。
【請求項3】
前記導体層が、複数備えられていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の多層配線基板。
【請求項4】
前記絶縁樹脂層が、前記導電粒子の表面の全部或いは一部を絶縁性樹脂が被覆された複合フィラーを含むことを特徴とする、請求項1から3のいずれか1つに記載の多層配線基板。
【請求項5】
前記導体層と、
前記導体層の両面に、前記絶縁樹脂層を含む絶縁層を介して形成される配線層と、
前記導体層を貫通するスルーホールの内壁に形成され、前記配線層同士を電気的に接続するスルーホール電極と、
前記導体層と前記スルーホール電極との間を電気的に絶縁するように備えられる絶縁樹脂部と
を有することを特徴とする、請求項1から4のいずれか1つに記載の多層配線基板。
【請求項6】
前記導体層と、
前記導体層の両面に、前記絶縁樹脂層を含む絶縁層を介して形成される配線層と、
前記導体層を貫通するスルーホールの内壁に形成され、前記配線層同士と前記導体層を電気的に接続するスルーホール電極と
を有することを特徴とする、請求項1から4のいずれか1つに記載の多層配線基板。
【請求項7】
磁性材料を含む導体層と、
前記導体層の少なくとも一方の表面に形成され、導電粒子を含む絶縁樹脂層とを含む多層配線基板と、
前記多層配線基板に電気的に接続する半導体チップと
を有することを特徴とする電子装置。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2010−50154(P2010−50154A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−210904(P2008−210904)
【出願日】平成20年8月19日(2008.8.19)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】