説明

半導体装置の製造方法

【課題】シリサイド化の工程をMOSトランジスタ及びHBTと別けることなく、抵抗値のばらつきが小さいヒューズ素子を形成する半導体装置の製造方法を実現できるようにする。
【解決手段】半導体装置の製造方法は、MOSトランジスタ形成領域11Bにゲート電極22及びソースドレイン領域25を形成する工程と、MOSトランジスタ形成領域11Bを除いて、半導体基板11の上にシリコン及びシリコン以外のIV族元素を含む混晶膜と、シリコン膜とが順次積層された積層膜31A、31Bを形成する工程と、シリコン膜30Bの露出部分、ゲート電極22の上部及びソースドレイン領域25の上部をシリサイド化する工程とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体装置の製造方法に関し、特にヒューズ素子を備えた半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、半導体装置にはメモリ回路の冗長回路を使うビットを指定したり、アナログ回路の抵抗値を調整したりするために、ヒューズ素子が用いられている。
【0003】
ヒューズ素子には、レーザ照射によりウェハ状態におけるチップ上のメタル配線を切断するレーザ溶断型のヒューズ素子及びチップ外部から与える信号によって切断をする電気ヒューズ素子等がある。
【0004】
レーザ溶断型のヒューズ素子は、パッケージ封入前にしかプログラミングをすることができない。一方、電気ヒューズ素子は、パッケージ封入後においてもプログラミングをすることができる。電気ヒューズ素子は、検査コスト等の削減に効果があるので、今後、半導体装置に広く用いられると予想されている。
【0005】
電気ヒューズ素子は、例えば多結晶シリコン等の半導体層とコバルトシリサイド層とによって形成された細長い形状を持つ積層体である。積層体に電圧を印加することにより、コバルトシリサイド層をエレクトロマイグレーションにより溶断する。
【0006】
電気ヒューズ素子を備えた半導体装置の一例として、移動体通信用の半導体チップがある。移動体通信用の半導体チップは、高周波回路、メモリ回路及び電源回路等を1チップ化する必要がある。このため、シリコンゲルマニウム(SiGe)又はシリコンゲルマニウムカーボン(SiGeC)等を用いたヘテロ接合バイポーラトランジスタ(HBT)と金属−酸化膜−半導体(MOS)トランジスタと電気ヒューズ素子とを同一のウェハ上に形成する必要がある。
【0007】
HBTとヒューズ素子とを形成する場合に、HBTのベース引き出し電極とヒューズ素子とを共にSiGe又はSiGeC層をシリサイド化することにより形成する方法が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
【0008】
以下に、従来のHBTとMOSトランジスタとヒューズ素子とを備えた半導体装置の製造方法について図面を参照して説明する。
【0009】
まず、図12に示すように、(100)面を主面とするシリコン単結晶からなるP型のSi基板301の、HBTを形成する領域にN型の埋め込み型不純物層302を形成後、全面にN型エピタキシャル層303を形成する。続いて、素子分離として、ディープトレンチ306、シャロートレンチ307A及びシャロートレンチ307Bを形成する。なお、ディープトレンチ306の直下には分離用P型拡散層308を形成する。この後、HBTのN型コレクタ引き出し層309を形成する。また、MOSトランジスタ形成領域にウェル310、ゲート酸化膜311、ゲート電極312を形成する。続いて温度が約950℃、時間が約10秒の熱処理を行い、不純物を活性化させる。引き続きLightly Doped Drain(LDD)領域(図示せず)、LDDサイドウォール314、ソースドレイン領域315を形成する。続いて温度が約1000℃、時間が約10秒の熱処理を行い、ソースドレイン領域315の不純物を活性化する。なおゲート電極312は多結晶シリコンで形成されており、膜厚は約200nmである。
【0010】
次に、図13に示すように、MOSトランジスタ形成領域に膜厚が約50nmのシリコン酸化膜316と、膜厚が約100nmの多結晶シリコン膜317とを形成する。続いて、Si基板301上に膜厚が約70nmのSiバッファ層(図示せず)を形成した後、膜厚が約70nmのSiGeC膜をエピタキシャル成長する。これにより、単結晶のSiからなるN型エピタキシャル層303の上には、厚さが約70nmのSiGeC膜319が形成される。また、シャロートレンチ307A、シャロートレンチ307B及び多結晶シリコン膜317の上には、厚さが約30nmの多結晶シリコンと、厚さが約35nmの多結晶SiGeCとからなる多結晶のSiGeC/Si膜320が形成される。SiGeC膜319及びSiGeC/Si膜320には、in-situドープによりボロン(B)を導入しP型とする。
【0011】
次に、図14に示すように、Si基板301上の全面に膜厚が約30nmのシリコン酸化膜321及び膜厚が約50nmで濃度約3×1015cm-3のリンを含むN型多結晶シリコン膜322を連続して堆積する。その後、フォトリソグラフィーとドライエッチングを用いてエミッタ形成領域においてN型多結晶シリコン膜322を選択的にエッチングし、その後ウェットエッチングにより、シリコン酸化膜321を除去し、エミッタ開口部323を形成する。
【0012】
次に、図15に示すように、膜厚が400nm程度で濃度が1×1020cm-3〜5×1020cm-3程度のリンを含むN型多結晶シリコン324を堆積する。続いて、フォトリソグラフィーにより、N型多結晶シリコン膜324をエミッタ電極となる部分以外をリソグラフィーとドライエッチングにより選択的にエッチングし、レジスト除去は行わず引き続き、ウェットエッチングによりシリコン酸化膜321を除去する。次に、外部ベースの抵抗を低減するために、多結晶のSiGeC/Si層320に、基板表面に実質的に垂直な方向(チャネリングを生じない程度の傾きしかない方向)から、加速エネルギー約8keV、ドーズ量2×1015cm-2の条件でボロンの追加注入を行う。その後、酸素プラズマアッシング等によりレジストを除去する。
【0013】
次に、図16に示すように、フォトリソグラフィーとドライエッチングにより、HBT形成領域及びヒューズ素子形成領域以外のSiGeC/Si膜320、多結晶シリコン膜317を選択的に除去する。SiGeC/Si膜320のうちHBT形成領域においてシャロートレンチ307Aの上に形成された部分320Aはベース電極となる。また、シャロートレンチ307Bの上に形成された部分320Bは、ヒューズ素子となる。
【0014】
次に、Si基板上に厚さが約30nm〜100nm程度の酸化膜を堆積した後、温度が約900度で、時間が約10秒の熱処理を行って、エミッタ電極324からSiGeC膜319中にリンを拡散させてエミッタ層326を形成する。続いて、異方性エッチングによりシリコン酸化膜をエッチングし、エミッタ電極324の側面上にサイドウォール325を形成する。このとき、HBTのエミッタ電極324の上面、ベース電極となるSiGeC/Si層320Aの上面、N型コレクタ引き出し層309の上面、MOSトランジスタのゲート電極312、ソースドレイン領域315の上面、及びヒューズ素子となるSiGeC/Si層320Bの上面は露出している。
【0015】
次に、図17に示すように、スパッタリングにより、Si基板上にCo膜を約10nm形成した後、温度が約500度で、時間が約60秒の1回目の熱処理(1st.RTA)を行い、HBTのエミッタ電極324の上部、SiGeC/Si層320Aの上部、N型コレクタ引き出し層309の上部、MOSトランジスタのゲート電極312、ソースドレイン部315の上部及びSiGeC/Si層320Bの上部においてCoとSiとを反応させてCoSi膜327A〜CoSi膜327Fを形成する。その後、硫酸と過酸化水素水の混合液により未反応のCoを除去し、その後、温度が約800度で、時間が約10秒の2回目の熱処理(2nd.RTA)を行い、CoSi膜をCoSi2膜へ相転移させる。
【0016】
この後、図示を省略するが、コンタクトプラグ及び配線等を形成することによりHBTとMOSトランジスタとヒューズ素子とを備えた半導体装置が得られる。
【0017】
以下において、電気ヒューズを備えた半導体装置の動作について図面を参照して説明する。
【0018】
図18は、ヒューズ素子の切断動作及びヒューズ素子の状態の読み出し動作に必要な回路構成図を示している(例えば、特許文献2を参照。)。なお、ここでは、ヒューズ素子201の1個分に必要な回路構成を示しているが、通常、半導体装置には、数個〜1000個のヒューズ素子が配列され、ヒューズ素子の数に対応して図18に示す回路が必要となる。
【0019】
図18に示すように、ヒューズ素子201の一方の端子は、配線205Aを介して、電源端子(電圧3.6V)211と接続されている。ヒューズ素子201の他方の端子は、配線205Bを介してカット用トランジスタ212のドレイン及びリード用トランジスタ213のドレインと接続されている。また、リファレンス抵抗素子214の一方の端子は、電源端子215(電圧3.6V)と接続されており、リファレンス抵抗素子214の他方の端子は、リード用トランジスタ216のドレインと接続されている。また、差動アンプ217の一方の端子は、ヒューズ素子201とリード用トランジスタ213との中間点と接続され、差動アンプ217の他方の端子は、リード用トランジスタ216のドレインと接続されている。また、カット用トランジスタ212、リード用トランジスタ213及び216のソースは、接地ノードと接続されている。
【0020】
また、ヒューズ素子201の抵抗値は、切断前が100Ω程度であり、切断後が1kΩ以上である。リファレンス抵抗素子214は、抵抗値が500Ω程度であり、ヒューズ素子201の切断前の抵抗値と切断後の抵抗値との中間の値となるように設計されている。VCは、電気ヒューズのカット信号であり、VRは、リード信号である。
【0021】
<電気ヒューズ素子201切断する動作について>
ヒューズ素子201を切断するときには、カット信号VCを3.6Vにする。このようにすると、ヒューズ素子201には、電源電圧3.6Vからカット用トランジスタ212による電圧降下分を差し引いた約3Vの電圧がかかり、数mA〜数10mAの電流が流れる。これにより、発生するジュール熱によってヒューズ素子201を構成するシリサイド膜のエレクトロマイグレーションが加速されて、ヒューズ素子201は断線状態となる。
【0022】
<読み出し動作について>
ヒューズ素子201が断線状態にあるか導通状態にあるかを読み出すときには、リード信号VRを3.6Vにする一方で、カット信号VCを0Vにする。このようにすると、図18に示す回路では、ヒューズ素子201とリファレンス抵抗素子214とに電流が流れ、抵抗値の差による電位差を差動アンプ217によって増幅し、増幅された電位差の値に基づいて、ヒューズ素子201が断線状態にあるか導通状態にあるかを検出する。例えば、ヒューズ素子201が断線状態にある場合には、ヒューズ素子201による電圧降下が小さいので、差動アンプ217によって増幅された電位差は大きくなる。この場合には、ヒューズ素子201が断線状態であることが検出できる。
【0023】
以上のように、ヒューズ素子はその抵抗値によって読み出しを行うため、プログラミング前はリファレンス抵抗よりも十分に小さく、プログラミング後はリファレンス抵抗よりも十分大きくする必要がある。
【特許文献1】特開2007−207831号公報
【特許文献2】特開2007−42780号公報
【非特許文献1】R.A. Donatona 他 "Appl.Phys.Lett." 70巻、10号、1997年、p.10
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
しかしながら、上記従来の半導体装置の製造方法では、HBT形成領域、MOSトランジスタ形成領域、ヒューズ素子形成領域に同時にコバルトシリサイド膜を形成するため、次のような制約がある。
【0025】
まず、コバルトシリサイド膜を形成する2nd.RTAを、850℃以上の温度で行うとシリサイド膜の凝集が生じる。MOSトランジスタのゲート電極の線幅が0.18μm以下の場合にはシリサイド膜の凝集により一部が断線してしまう。このため、シート抵抗がCoSi2のシート抵抗3Ω/sq.よりも高くなってしまい、シリサイド化の目的である低抵抗化ができない。
【0026】
一方、2nd.RTAを700度以下の温度で行うと、ソースドレイン形成時のイオン注入により生じた結晶欠陥が完全に回復しない。このため、CoがSi基板中の結晶欠陥に沿ってSi基板中に深く拡散してしまい、ソースドレインとウェル間の接合リークが生じる。
【0027】
以上のようなMOSトランジスタの不具合を発生させないために、2nd.RTAは700℃以上且つ850℃以下の範囲で行う必要がある。
【0028】
一方、HBT及びヒューズ素子においては、多結晶のSiGeC/Si膜上にコバルトシリサイドを形成する。Si膜上にCoをスパッタして熱処理する場合には、600℃以上の温度で行えばCoSiからCoSi2への相転移が生じ、シート抵抗を3Ω/sq.程度の低抵抗にできる。しかし、SiGeC上に直接Coをスパッタして熱処理を行った場合には、Ge及びCの存在によりCoとSiの反応が阻害される。このため、800℃まではCoSi2への相転移がほとんど生じず、CoSiのままとなりシート抵抗が約80Ω/sq.となる。また、800℃〜850℃の範囲では、CoSi2への相転移が一部で生じ、CoSiとCoSi2とが混在した膜となる(例えば、非特許文献1を参照。)。このため熱処理温度が800℃から850℃の範囲では、シート抵抗が80Ω/sq.から3Ω/sq.へと次第に低下する。つまり、熱処理温度によってシート抵抗が大きくばらついてしまう。
【0029】
ベース電極については、ある程度シート抵抗を低くできればよいため、CoSi2への相転移が生じる800℃以上の温度で熱処理を行えば大きな不具合が生じるおそれは小さい。しかし、ヒューズ素子については、抵抗値の精度が必要となるため、シート抵抗の値のばらつきが大きな問題となる。ウェハ面内においては10℃〜20℃程度の温度のばらつきが生じる。このため、シート抵抗が最も高い点と最も低い点では約30Ω/sq.の差が出てしまう。例えば、2回目の熱処理において処理温度をウェハ面内の平均で840℃となるように設定すると、ウェハ面内における実際の温度は830℃〜850℃の範囲となる。このため、シート抵抗は約34Ω/sq.〜3Ω/sq.の範囲でばらつく。
【0030】
抵抗値が100Ωのヒューズ素子を、シート抵抗の値が完全にCoSi2へ相転移した3Ω/sq.であるとして設計した場合、ヒューズ素子の実際の抵抗値は100Ω〜1100Ωの範囲でばらつく。このように、リファレンス抵抗(500Ω)よりも抵抗が大きいヒューズ素子が形成された場合には、半導体装置が誤動作するおそれがある。
【0031】
ヒューズ素子の抵抗のばらつきを低減するために、ヒューズ素子におけるシリサイド化をMOSトランジスタ及びHBTと別にすることも考えられるが、この場合には、工程が増加し、製造コストが増加してしまう。
【0032】
本発明は、前記従来の問題を解決し、シリサイド化の工程をMOSトランジスタ及びHBTと別けることなく、抵抗値のばらつきが小さいヒューズ素子を形成する半導体装置の製造方法を実現できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0033】
前記の目的を達成するため、本発明は半導体装置の製造方法を、混晶膜とシリコン膜との積層膜を形成した後、シリコン膜のみをシリサイド化する構成とする。
【0034】
具体的に、本発明に係る半導体装置の製造方法は、MOSトランジスタ形成領域と、バイポーラトランジスタ形成領域と、ヒューズ素子形成領域とを有する半導体基板を準備する工程(a)と、MOSトランジスタ形成領域にゲート電極及びソースドレイン領域を形成する工程(b)と、MOSトランジスタ形成領域を除いて、半導体基板の上にシリコン及びシリコン以外のIV族元素を含む混晶膜と、シリコン膜とが順次積層された積層膜を形成する工程(c)と、シリコン膜の露出部分、ゲート電極の上部及びソースドレイン領域の上部をシリサイド化する工程(d)とを備えていることを特徴とする。
【0035】
本発明の半導体装置の製造方法は、混晶膜と、シリコン膜とが順次積層された積層膜を形成する工程と、シリコン膜の露出部分、ゲート電極の上部及びソースドレイン領域の上部をシリサイド化する工程とを備えている。このため、シリサイド形成時の2回目の熱処理を0.18μm以下の細線のゲート電極においてシリサイド凝集による断線が起こらない温度以下としても、ヒューズ素子となるシリサイド膜を完全にCoSi2に転位させることができる。従って、トリミング前のヒューズ素子の抵抗をリファレンス抵抗よりも確実に小さくすることが可能となる。
【0036】
本発明の半導体装置の製造方法において、積層膜におけるバイポーラトランジスタ形成領域に形成された部分の一部は、真性ベースとなり、真性ベースと隣接した部分はベース電極となる構成としてもよい。
【0037】
本発明の半導体装置の製造方法において、工程(c)では、超高真空化学気相堆積法により積層膜を形成してもよい。
【0038】
本発明の半導体装置の製造方法において、シリコン膜におけるヒューズ素子形成領域の上に形成された部分に不純物を導入する工程(f)をさらに備えている構成としてもよい。この場合において、不純物はN型の不純物とすればよい。
【0039】
このようにすれば、ヒューズ素子においてシリサイド膜の粒界に不純物が析出する。これにより、ヒューズ素子のエレクトロマイグレーションが生じやすくなり、低い電圧でプログラミングが可能となる。また、不純物の一部は積層膜の下層に拡散する。下層の混晶膜がP型の場合には、N型の不純物が導入されることによりシート抵抗が上昇する。このため、シリサイド膜がある場合には、シリサイド膜に流れる電流密度が高くなり、プログラミング時の電流をさらに低減することが可能となる。また、シリサイド膜が切断された後は、ヒューズ素子の抵抗が高くなる。従って、リファレンス抵抗の抵抗値を大きくすることができ、読み出し時の誤検出を低減することができる。
【0040】
本発明の半導体装置の製造方法において、IV族元素は、ゲルマニウムであっても、ゲルマニウム及び炭素であってもよい。
【0041】
本発明の半導体装置の製造方法において、工程(d)では、半導体基板の上にコバルト膜を堆積した後、熱処理を行う構成としてもよい。
【0042】
本発明の半導体装置の製造方法において、シリコン膜のうちヒューズ素子形成領域の上に形成された部分の膜厚は5nm以上且つ30nm以下であり、コバルト膜の膜厚はシリコン膜の膜厚の3.64分の1以上である構成としてもよい。
【0043】
コバルトシリサイド膜はコバルトが1に対し、シリコンが3.63の膜厚の割合で反応し形成される。このため、ヒューズ素子形成領域に形成されたシリコン膜が全てコバルトと反応した時点において、シリコン以外のIV族元素の存在によりコバルトとシリコンの反応は阻害される。従って、積層膜の下層へのコバルトはほとんど拡散しないので、ヒューズ素子形成領域におけるシリサイド膜の膜厚を薄く制御することができる。その結果、ヒューズ素子のシリサイド膜においてエレクトロマイグレーションを生じやすくすることが可能となり、プログラミング時の電流を低減することができる。
【0044】
本発明の半導体装置の製造方法において、熱処理は、700℃以上且つ850℃以下の温度で行えばよい。
【発明の効果】
【0045】
本発明に係る半導体装置の製造方法によれば、シリサイド化の工程をMOSトランジスタ及びHBTと別けることなく、抵抗値のばらつきが小さいヒューズ素子を形成する半導体装置の製造方法を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。図1〜10は、一実施形態に係る半導体装置の製造工程を工程順に示している。
【0047】
まず、図1に示すように、(100)面を主面とするシリコン単結晶からなるP型のシリコン(Si)基板11の、HBT形成領域11AにN型の埋め込み不純物層12を形成した後、全面にN型のエピタキシャル層13を形成する。
【0048】
次に、図2に示すようにHBT形成領域11AとMOSトランジスタ形成領域11Bとを分離するディープトレンチ16及び第1のシャロートレンチ17Aと、HBT形成領域11Aにおいてコレクタ領域28を分離する第2のシャロートレンチ17Bと、ヒューズ素子形成領域となる第3のシャロートレンチ17Cとを形成する。ディープトレンチ16は、基板11に形成された凹部に埋め込まれた多結晶シリコン膜14及びそれを囲むシリコン酸化膜15からなる。第1のシャロートレンチ17A、第2のシャロートレンチ17B及び第3のシャロートレンチ17Cは、それぞれエピタキシャル層13に埋め込まれたシリコン酸化膜からなる。なお、ディープトレンチ16の直下には分離用P型拡散層18を形成する。ディープトレンチ16の深さは約3μmであり、第1のシャロートレンチ17A、第2のシャロートレンチ17B及び第3のシャロートレンチ17Cの深さは0.3μmである。
【0049】
次に、HBT形成領域11Aにおける第2のシャロートレンチ17Bにより他の領域と分離された領域に、N型のコレクタ引き出し層19を形成する。N型コレクタ引き出し層19は、HBTのコレクタ層となる埋め込み不純物層12を金属配線と接続するための引き出し層となる
次に、図3に示すように、既知の方法によりMOSトランジスタ形成領域11Bにウェル20、ゲート酸化膜21及びゲート電極22を形成する。続いて温度が約950℃、時間が約10秒の熱処理を行い、不純物を活性化させる。引き続きLDD(Lightly Doped Drain)領域(図示せず)、LDDサイドウォール23及びソースドレイン領域25を形成する。続いて温度が約1000度、時間が約10秒の熱処理を行い、MOSトランジスタのソースドレイン領域25の不純物を活性化する。なおゲート電極22は多結晶シリコンからなり、膜厚は約200nmである。
【0050】
次に、図4に示すように、基板11上の全面に膜厚が約50nmのシリコン酸化膜26と、膜厚が約100nmのシリコン多結晶膜27とを順次堆積する。この後、シリコン多結晶膜27におけるHBT形成領域11Aとヒューズ素子形成領域11Cの上に形成された部分を、フォトリソグラフィーとドライエッチングを用いて選択的にエッチングする。続いて、シリコン酸化膜26におけるHBT形成領域11Aとヒューズ素子形成領域11Cの上に形成された部分を、ウェットエッチングによりを除去する。
【0051】
次に、図5に示すように、超高真空化学気相堆積(UHV−CVD:ultrahigh vacuum chemical vapor deposition)法により、基板11上の全面に厚さが約70nmのSiバッファ層(図示せず)を形成した後、混晶膜であるシリコンゲルマニウムカーボン(SiGeC)膜をエピタキシャル成長し、引き続きSi膜をエピタキシャル成長する。なお、SiGeC膜のGe及びCの含有率はそれぞれ約25%及び0.1%とする。
【0052】
UHV−CVD法を用いて、高真空状態においてSiGeC膜等をエピタキシャル成長すると、成長反応が表面のみで生じ、成長レートが強い面方位依存性を示す。このため、Si単結晶層の表面(例えば(100)面)と、ポリシリコン層及び酸化膜の表面とでは結晶成長速度が異なる。つまり、多くの結晶方位が存在するポリシリコン膜及び非晶質である絶縁膜の表面における成長レートが遅くなる。実験によれば、ポリシリコン層及び酸化膜の上では、Si単結晶層の(100)面上に比べて成長レートが約半分になる。SiGeC膜に続いて高真空状態で成長されるSi膜についても同様にポリシリコン層及び酸化膜の上では、Si単結晶層の(100)面上に比べて成長レートが約半分になる。従って、コレクタ領域28の上に形成されたSiGeC膜29A及びSi膜30Aの膜厚よりも、第1のシャロートレンチ17A、第2のシャロートレンチ17B、第3のシャロートレンチ17C及びシリコン多結晶膜27の上に形成された多結晶SiGeC膜29B及び多結晶Si膜30Bの膜厚は薄くなる。
【0053】
このため、シリコン単結晶であるコレクタ領域28の上には、厚さが約70nmのバッファ層と、厚さが約45nmのSiGeC膜29Aと、厚さが25nmのSi膜30Aとが順次積層された第1の積層膜31Aが形成される。第1の積層膜31Aは、後の工程を経て真性ベースとなる。一方、第1のシャロートレンチ17A、第2のシャロートレンチ17B、第3のシャロートレンチ17C及びシリコン多結晶膜27の上には、厚さが約30nmの多結晶シリコン膜であるバッファ層の上に、厚さが約20nmの多結晶SiGeC膜29Bと、厚さが約15nmの多結晶Si膜30Bとが順次積層された第2の積層膜31Bが形成される。第2の積層膜31Bのうち真性ベースとなる第1の積層膜31Aの両側方の部分は後の工程を経てベース電極となる。また、ヒューズ素子形成領域11Cの第3のシャロートレンチ17Cの上に形成された部分は後の工程を経てヒューズ素子となる。なお、Si膜30Aの膜厚は5nm〜30nmの範囲で適宜変化させてよく、これに対応して多結晶Si膜30Bの膜厚も変化する。
【0054】
なお、in-situドープにより、SiGeC膜29A及び多結晶SiGeC膜29Bにはボロン(B)を導入しP型とする。ボロンの濃度は約5.0×19cm-3とする。
【0055】
次に、図6に示すように、基板11上の全面に膜厚が約30nmのシリコン酸化膜33及び膜厚が約50nmで濃度約3×1015cm-3のリンを含む第1のN型多結晶シリコン膜34を連続して堆積する。その後、フォトリソグラフィーとドライエッチングを用いてエミッタ形成領域の第1のN型多結晶シリコン膜34を選択的にエッチングし、その後ウェットエッチングにより、シリコン酸化膜33を除去し、エミッタ開口部35を形成する。
【0056】
次に、図7に示すように、膜厚が400nm程度で濃度が1×1020cm-3〜5×1020cm-3程度のリンを含む第2のN型多結晶シリコン膜を堆積する。この後、第2のN型多結晶シリコン膜をリソグラフィーとドライエッチングにより選択的にエッチングし、エミッタ電極36を形成する。引き続きレジスト除去を行わず、ウェットエッチングによりシリコン酸化膜33を除去する。第2のN型多結晶シリコン膜の厚さは、200nm以上且つ500nm以下の範囲にあることが好ましく、この範囲内で300nm以上であることがより好ましい。
【0057】
次に、外部ベースの抵抗を低減するために、第2の積層膜31Bに、基板11の表面と実質的に垂直な方向(チャネリングを生じない程度の傾きしかない方向)から、加速エネルギーが約8keVで、ドーズ量が2×1015cm-2の条件でボロンの追加注入を行う。その後、酸素プラズマアッシング等によりレジストを除去する。
【0058】
次に、図8に示すように、フォトリソグラフィーとドライエッチングとにより、第2の積層膜31BをHBT形成領域11A及びヒューズ素子形成領域11Cに形成された部分を除いて除去する。さらに、シリコン多結晶膜27及びシリコン酸化膜26を除去する。HBT形成領域11Aの第1のシャロートレンチ17A及び第2のシャロートレンチ17Bの上に残存する第2の積層膜31Bはベース電極となり、ヒューズ素子形成領域11Cの第3のシャロートレンチ17Cの上に残存する第2の積層膜31Bはヒューズ素子となる。
【0059】
続いて、基板11上の全面に厚さが約30nm〜100nm程度のシリコン酸化膜を堆積した後、温度が約900度で、時間が約10秒の熱処理を行って、エミッタ電極36からSi膜30A中にリンを拡散させてエミッタ層38を形成する。続いて、異方性エッチングによりシリコン酸化膜をエッチングし、エミッタ電極36の側面上にサイドウォール37Aを形成する。同時に、HBT形成領域11Aにおける第2の積層膜31Bの側壁上及びヒューズ素子形成領域11Cにおける第2の積層膜31Bの側壁上にサイドウォール37Bを形成する。このとき、HBTのエミッタ電極36の上面、ベース電極となる第2の積層膜31Bの上面、N型コレクタ引き出し層19の上面、MOSトランジスタのゲート電極22の上面、ソースドレイン領域25の上面及びヒューズ素子となる第2の積層膜31Bの上面は露出した状態となる。
【0060】
次に、図9に示すように、スパッタリングにより、Si基板上にコバルト(Co)膜を形成する。Co膜の膜厚は、多結晶Si膜30Bの膜厚の3.63分の1よりも大きく且つ11nm以下となるようにする。具体的には、多結晶Si膜30Bの膜厚が15nmの場合には、4.1nm〜11nmの範囲とすればよい。
【0061】
厚さが10nmのCo膜を形成した場合、温度が約500℃で、時間が約60秒の1回目の熱処理(1st.RTA)を行い、HBTのエミッタ電極36の上部、ベース電極となる第2の積層膜31Bの上部、N型コレクタ引き出し層19の上部、MOSトランジスタのゲート電極22の上部、ソースドレイン領域25の上部及びヒューズ素子となる第2の積層膜31Bの上部においてCoとSiとを反応させてCoSiからなる第1のシリサイド膜41A〜第6のシリサイド膜41Fを形成する。硫酸と過酸化水素水の混合液により未反応のCoを除去した後、温度が約800度で、時間が約10秒の2回目の熱処理(2nd.RTA)を行い、第1のシリサイド膜41A〜第6のシリサイド膜41FをCoSi2膜へ相転移させる。
【0062】
本実施形態においては、2nd.RTAの温度を約800度としているため、MOSトランジスタの線幅が0.18μm以下の細線のゲート電極においてもシリサイドの凝集が生じず、断線することはない、また、ソースドレイン注入時の結晶欠陥も回復させることができるため、コバルトの結晶欠陥に沿った拡散が防止でき、ソースドレインとウェル間の接合リークも発生しない。また、第4のシリサイド膜41D及び第5のシリサイド膜41EにおいてCoSi2への相転移が完全に行われる。このため、第4のシリサイド膜41D及び第5のシリサイド膜41Eは膜厚が約45nm、ウェハ面内のシート抵抗が8Ω/sq.〜10Ω/sq.となる。
【0063】
HBTのベース電極となる部分においては、第2の積層膜31Bの上にCo膜を堆積させ、上部の多結晶Si膜30BとCoとを反応させて第2のシリサイド膜41Bを形成しているため、CoSi2への相転移が完全に行われている。また、シリサイド化は、Coの膜厚1に対し、Siの膜厚3.63の割合で反応するため(特開2000−150669号公報を参照。)、多結晶Si膜30Bの膜厚が15nmである場合に、Co膜を10nm堆積して、シリサイド化を行うと、Siに対してCoが過多となる。しかし、下部の多結晶SiGeC膜29BはGe及びCを含んでいるためCoの拡散は阻害される。従って、多結晶Si膜30Bが全てCoと反応した時点で未反応のCoが残存する。その結果、第2のシリサイド膜41Bの膜厚は、第4のシリサイド膜41D及び第5のシリサイド膜41Eよりも膜厚が薄い、約30nmとなる。また、シート抵抗は約17Ω/sq.となる。
【0064】
ヒューズ素子となる部分における、第2の積層膜31Bの構造もベース電極となる部分と同じであるため、第6のシリサイド膜41Fの膜厚も約30nmとなり、シート抵抗は約17Ω/sq.となる。実際には、シート抵抗の値には多少のばらつきが生じるため、15Ω/sq.〜19Ω/sq.となる。
【0065】
次に、図10に示すように、標準的な多層配線工程プロセスを用いて配線等を形成する。具体的には、基板11上に酸化膜からなる層間絶縁膜50を堆積した後、層間絶縁膜50を貫通し第1のシリサイド膜41A〜第6のシリサイド膜41Fにそれぞれ到達する接続孔を形成する。その後に、各接続孔内にタングステン(W)膜を埋め込み、プラグ52を形成する。次に、スパッタリングにより、基板11上にアルミニウム合金膜を形成し、所定の領域を開口したレジスト膜をマスクとして用いて、アルミニウム合金膜をパターニングすることにより、各プラグ52と接続され、層間絶縁膜50の上に延びる金属配線53を形成する。
【0066】
本実施形態によれば、ヒューズ素子のウェハ面内の抵抗値が平均100Ωとなるよう、例えば、切断部の幅を0.2μm、長さを1.16μmとした場合、ウェハ面内のヒューズ素子の抵抗値は、90.4Ωから109.6Ωの間となり、最も抵抗が高い場合でもリファレンス抵抗の抵抗値500Ωよりも小さく、読み出し時の誤検出は起こらない。
【0067】
また、ヒューズ素子における第6のシリサイド膜41Fの膜厚は約30nmであり、ゲート電極22の第4のシリサイド膜41Dの膜厚の約3分の2となる。このため、ゲート電極と同じ幅でヒューズ素子の抵抗体を形成した場合、シリサイド膜の断面積を約3分の2とすることができる。従って、電流印加時の電流密度は約2分の3倍となり、ゲート電極と同じ構造のヒューズ素子とした場合よりも印加する電流を3分の2倍に低減することができる。
【0068】
本実施形態においては、ベース電極となる第1のシャロートレンチ17A及び第2のシャロートレンチ17Bの上に形成された第2の積層膜31Bを、UHV−CVD法により真性ベース部となるSiGeC膜29Aと同時に連続した膜として形成している。また、多結晶Si膜30Bを後の工程においてシリサイド化することによりHBTのベース抵抗を低減し、高速動作を可能としている。
【0069】

エミッタ電極を形成した後、図11に示すように、ヒューズ素子形成領域11Cに不純物注入を行ってもよい。例えば、加速エネルギーが約5keV(注入深さ、Rp=8.5nm)、ドーズ量が約4x1015cm-2の条件で砒素(As)の注入を行えばよい。
【0070】
このような不純物注入を行うと、第6のシリサイド膜41Fを形成する際に、多結晶Si膜30Bに導入されたAsがシリサイド膜の結晶粒界に析出する。また、シリサイド膜形成時の熱処理によりAsは下方へも拡散していくため、多結晶SiGeC膜29Bの結晶粒界にもAsが析出する。
【0071】
シリサイド膜の粒界にAsが析出すると、シリサイド膜の粒界に沿って電流が流れる場合に、粒界に析出していたAsが粒界部分に集中し、さらに電流が流れやすくなりエレクトロマイグレーションが生じやすくなる。このため、低い電圧でプログラミングが可能となる。4x1015cm-2のドーズ量でAsを導入した場合、Asを導入しない場合に対し、約8%トリミング電圧を低減することができる。
【0072】
また、Asは多結晶SiGeC膜29Bの粒界にも析出するため、Bが導入された多結晶SiGeC膜29Bのシート抵抗が高くなる。4x1015cm-2のドーズ量でAsを導入した場合に、導入したAsのうちの3分の1が多結晶SiGeC膜29Bの粒界に析出したとすると、Asを導入しない場合に約700Ωであったシート抵抗は、約2倍の1500Ωとなる。ヒューズ素子は、抵抗が低いシリサイド膜部分と抵抗が高い多結晶膜部分とが並列に接続された抵抗と等価の構造を有している。このように、多結晶SiGeC膜29Bの抵抗値を高くすることにより、シリサイド膜に流れる電流を、ヒューズ素子全体に流れる電流の98%から99%に増加させることができ、プログラミング時の電流を低減することが可能となる。
【0073】
また、プログラミング後のヒューズ素子の抵抗は、多結晶膜部分のシート抵抗に比例する。従って、Asを導入することにより、プログラミング後のヒューズ素子の抵抗を約2倍に高くすることができる。具体的には、プログラミング前の抵抗値が100Ωとなるように切断部の幅が0.2μmで長さが1.16μmとした場合、Asを導入しない場合には、プログラミング後の抵抗値が約3kΩであるのに対し、Asを導入した場合には約6kΩとなる。このように、リファレンス抵抗の抵抗値を大きくすることができるので、読み出し時の誤検出を低減することが可能となる。
【0074】
本実施形態において、HBTのヘテロ接合を形成する混晶膜を、SiGeC膜としたが、SiGe膜としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明の半導体装置の製造方法は、シリサイド化の工程をMOSトランジスタ及びHBTと別けることなく、抵抗値のばらつきが小さいヒューズ素子を形成することができ、ヒューズ素子を備えた半導体装置の製造方法として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法の一工程を示す断面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法の一工程を示す断面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法の一工程を示す断面図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法の一工程を示す断面図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法の一工程を示す断面図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法の一工程を示す断面図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法の一工程を示す断面図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法の一工程を示す断面図である。
【図9】本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法の一工程を示す断面図である。
【図10】本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法の一工程を示す断面図である。
【図11】本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法変形例を示す断面図である。
【図12】従来例に係る半導体装置の製造方法の一工程を示す断面図である。
【図13】従来例に係る半導体装置の製造方法の一工程を示す断面図である。
【図14】従来例に係る半導体装置の製造方法の一工程を示す断面図である。
【図15】従来例に係る半導体装置の製造方法の一工程を示す断面図である。
【図16】従来例に係る半導体装置の製造方法の一工程を示す断面図である。
【図17】従来例に係る半導体装置の製造方法の一工程を示す断面図である。
【図18】ヒューズ素子の動作を説明するための回路図である。
【符号の説明】
【0077】
11 基板
11A HBT形成領域
11B MOSトランジスタ形成領域
11C ヒューズ素子形成領域
12 不純物層
13 エピタキシャル層
14 多結晶シリコン膜
15 シリコン酸化膜
16 ディープトレンチ
17A 第1のシャロートレンチ
17B 第2のシャロートレンチ
17C 第3のシャロートレンチ
18 分離用P型拡散層
19 N型コレクタ引き出し層
20 ウェル
21 ゲート酸化膜
22 ゲート電極
24 LDDサイドウォール
25 ソースドレイン領域
26 シリコン酸化膜
27 シリコン多結晶膜
28 コレクタ領域
29A SiGeC膜
29B 多結晶SiGeC膜
30A Si膜
30B 多結晶Si膜
31A 第1の積層膜
31B 第2の積層膜
33 シリコン酸化膜
34 第1のN型多結晶シリコン膜
35 エミッタ開口部
36 エミッタ電極
37A サイドウォール
37B サイドウォール
38 エミッタ層
41A 第1のシリサイド膜
41B 第2のシリサイド膜
41D 第4のシリサイド膜
41E 第5のシリサイド膜
41F 第6のシリサイド膜
50 層間絶縁膜
52 プラグ
53 金属配線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
MOSトランジスタ形成領域と、バイポーラトランジスタ形成領域と、ヒューズ素子形成領域とを有する半導体基板を準備する工程(a)と、
前記MOSトランジスタ形成領域にゲート電極及びソースドレイン領域を形成する工程(b)と、
前記MOSトランジスタ形成領域を除いて、前記半導体基板の上にシリコン及びシリコン以外のIV族元素を含む混晶膜と、シリコン膜とが順次積層された積層膜を形成する工程(c)と、
前記シリコン膜の露出部分、ゲート電極の上部及びソースドレイン領域の上部をシリサイド化する工程(d)とを備えていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記積層膜における前記バイポーラトランジスタ形成領域に形成された部分の一部は、真性ベースとなり、前記真性ベースと隣接した部分はベース電極となることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記工程(c)では、超高真空化学気相堆積法により前記積層膜を形成することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記シリコン膜における前記ヒューズ素子形成領域の上に形成された部分に不純物を導入する工程(f)をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記不純物はN型の不純物であることを特徴とする請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記IV族元素は、ゲルマニウムであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記IV族元素は、ゲルマニウム及び炭素であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記工程(d)では、前記半導体基板の上にコバルト膜を堆積した後、熱処理を行うことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記シリコン膜のうち前記ヒューズ素子形成領域の上に形成された部分の膜厚は5nm以上且つ30nm以下であり、前記コバルト膜の膜厚は前記シリコン膜の膜厚の3.64分の1以上であることを特徴とする請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記熱処理は、700℃以上且つ850℃以下の温度で行うことを特徴とする請求項8又は9に記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2009−238774(P2009−238774A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−78932(P2008−78932)
【出願日】平成20年3月25日(2008.3.25)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】