説明

産業用ロボット

【課題】基板が搭載される複数の搭載部間のピッチを変えるピッチ変更機構を備えている場合であっても、小型化することが可能な産業用ロボットを提供すること。
【解決手段】産業用ロボットを構成する基板搭載機構3は、上下方向に重なるように配置され基板が搭載される搭載部13〜17間のピッチを変えるピッチ変更機構26と、上下方向に移動可能な複数の可動ハンド18〜21とを備えている。ピッチ変更機構26は、Y方向を軸方向として配置される支点軸に回動可能に支持され可動ハンド18〜21が連結されるレバー部材52、53と、レバー部材52、53を回動させる駆動機構58とを備え、可動ハンド18〜21とレバー部材52、53との連結部となるハンド連結部は、レバー部材52、53に取り付けられY方向に突出する突出部材と、可動ハンド18〜21に取り付けられ突出部材が係合する係合溝が形成されるガイド部材とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウェハ等の基板を搬送する産業用ロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の半導体ウェハが所定のピッチで積層されて収納されるカセットと、半導体ウェハに所定の処理を行う半導体製造装置内の収納部との間で、複数の半導体ウェハを同時に搬送する産業用ロボットが広く利用されている。かかる産業用ロボットは、一般的に、上下方向で重なるように配置される複数のハンドを備えている。
【0003】
ここで、カセットに収納される半導体ウェハのピッチと、半導体製造装置内の収納部に収納される半導体ウェハのピッチとが異なることがある。そのため、半導体ウェハが搭載される複数のハンド間のピッチを任意に変えることが可能な基板保持装置を備えるロボットが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
この特許文献1に記載の基板保持装置は、上下方向で固定された1個のハンドと、この固定されたハンドに対して上下動可能な4個のハンドとを備えている。この基板保持装置では、固定されたハンドが上下方向の中心に配置され、この固定されたハンドの上側および下側のそれぞれに移動可能なハンドが2個ずつ配置されている。
【0005】
また、この基板保持装置は、上下動可能なハンドの基端側に回動可能に連結される従動リンク部材と、4本の従動リンク部材が回動可能に連結される駆動リンク部材とからなるリンク機構を備えている。駆動リンク部材の中心には、歯車列を介してモータが連結されており、駆動リンク部材は、上下方向に直交するハンドの移動方向(カセットまたは収納部へ半導体ウェハを搬入する際、あるいは、カセットまたは収納部から半導体ウェハを搬出する際のハンドの移動方向)を軸方向として回動可能となっている。また、駆動リンク部材の中心から駆動リンク部材の長手方向の一方側に向かって所定の間隔をあけた状態で2本の従動リンク部材がハンドの移動方向を軸方向として回動可能に駆動リンク部材に連結され、駆動リンク部材の中心から駆動リンク部材の長手方向の他方側に向かって所定の間隔をあけた状態で残りの2本の従動リンク部材がハンドの移動方向を軸方向として回動可能に駆動リンク部材に連結されている。
【0006】
さらに、この基板保持装置は、上下動可能なハンドを上下方向に案内する案内部を備えている。そのため、この基板保持装置では、モータの動力で駆動リンク部材が回動すると、駆動リンク部材の回動量に応じて、従動リンク部材が連結された4個のハンドが上下動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−116807号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載の基板保持装置では、ハンドの移動方向を軸方向として回動する駆動リンク部材に、4本の従動リンク部材がハンドの移動方向を軸方向として回動可能に連結されている。そのため、ハンドを上下動させる際に、駆動リンクおよび従動リンクがハンドの移動方向を軸方向として回動する。したがって、特許文献1に記載の基板保持装置では、回動する駆動リンクおよび4本の従動リンクと干渉しないようにその他の部品を配置する必要があり、部品配置の自由度が低い。その結果、この基板保持装置では、装置が大型化しやすくなる。
【0009】
また、この基板保持装置では、駆動リンク部材に回動可能に連結された従動リンク部材を用いて、ハンドを上下動させているため、ハンドを適切に上下動させるためには、駆動リンク部材と従動リンク部材との角度をある程度大きくする必要がある。すなわち、リンク機構をあまり折り曲げた状態で使用することができず、リンク機構をある程度伸ばした状態で使用する必要がある。したがって、この基板保持装置では、上下方向で装置が大型化しやすくなる。
【0010】
そこで、本発明の課題は、基板が搭載される複数の搭載部間のピッチを変えるピッチ変更機構を備えている場合であっても、小型化することが可能な産業用ロボットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するため、本発明は、複数の基板が所定のピッチで積層されて収納される収納部から基板を搬出する産業用ロボットにおいて、複数の基板が搭載される基板搭載機構を備え、基板搭載機構は、基板が搭載され所定のピッチで上下方向に重なるように配置される搭載部を有する複数のハンドと、収納部から基板を搬出する際に複数のハンドとともに移動するベース部材と、複数の搭載部間のピッチを変えるピッチ変更機構とを備えるとともに、ハンドとして、ベース部材に対して上下方向に相対移動可能な複数の可動ハンドを備え、ピッチ変更機構は、収納部からの基板の搬出方向と上下方向とに略直交する直交方向を軸方向として配置される支点軸と、支点軸に回動可能に支持され可動ハンドが連結されるレバー部材と、レバー部材の長手方向に沿って支点軸から所定の距離だけ離れた位置に配置されるとともに可動ハンドとレバー部材との連結部となる複数のハンド連結部と、レバー部材を回動させるための駆動機構とを備え、駆動機構は、上下方向に直線状に移動する直動部材を備え、レバー部材は、直動部材の上下動に伴って支点軸を中心にして回動することを特徴とする。
【0012】
本発明の産業用ロボットでは、直交方向を軸方向として配置される支点軸にレバー部材が回動可能に支持され、レバー部材の長手方向に沿って支点軸から所定の距離だけ離れた位置でレバー部材に可動ハンドが連結されている。また、レバー部材は、上下方向に直線状に移動する直動部材の上下動に伴って支点軸を中心にして回動する。そのため、本発明では、直交方向を軸方向とする支点軸を中心にしてレバー部材を回動させることで、可動ハンドを上下動させて複数の搭載部間のピッチを変えることができる。
【0013】
したがって、本発明では、基板の搬出方向を軸方向としてレバー部材が回動する場合と比較して他の部品を配置しやすくなり、部品配置の自由度を高めることが可能になる。その結果、本発明では、基板搭載機構を小型化することが可能になる。すなわち、本発明では、複数の搭載部間のピッチを変えるピッチ変更機構を備えている場合であっても、基板搭載機構を小型化することが可能になり、産業用ロボットを小型化することが可能になる。
【0014】
本発明において、ハンド連結部は、レバー部材または可動ハンドの一方に取り付けられ直交方向に突出する突出部材と、レバー部材または可動ハンドの他方に取り付けられ突出部材が係合するガイド部を有するガイド部材とを備えることが好ましい。このように構成すると、特許文献1に記載のリンク機構を用いる場合と比較して、上下方向で基板搭載機構を小型化することが可能になり、上下方向で産業用ロボットをさらに小型化することが可能になる。
【0015】
本発明において、ピッチ変更機構は、レバー部材として、第1レバー部材および第2レバー部材を備え、第1レバー部材の力点は、支点軸よりも搬出方向の一方側に配置され、第2レバー部材の力点は、支点軸よりも搬出方向の他方側に配置され、第1レバー部材および第2レバー部材は、直動部材の上下動に伴って互いに逆方向へ回動することが好ましい。このように構成すると、1本のレバー部材によって複数の可動ハンドを上下動させる場合と比較して、ピッチ変更機構の構成を簡素化することが可能になる。
【0016】
本発明において、基板搭載機構は、ハンドとして、ベース部材に固定される固定ハンドを備えるとともに、可動ハンドとして、固定ハンドの搭載部の上側に配置される搭載部を有する複数の上可動ハンドと、固定ハンドの搭載部の下側に配置される搭載部を有する複数の下可動ハンドとを備え、ハンド連結部は、支点軸からレバー部材の長手方向の一方向へ向かって配置され、上可動ハンドは、第1レバー部材に連結され、下可動ハンドは、第2レバー部材に連結されていることが好ましい。このように構成すると、支点軸からレバー部材の長手方向の両方向へ向かってハンド連結部が配置されている場合と比較して、基板搭載機構の構成を簡素化しやすくなる。
【0017】
本発明において、基板搭載機構は、たとえば、上可動ハンドとして、上側から順番に配置される第1可動ハンドと第2可動ハンドとを備えるとともに、下可動ハンドとして、上側から順番に配置される第3可動ハンドと第4可動ハンドとを備えている。この場合には、5枚の基板を一度に搬送することが可能になる。
【0018】
本発明において、ハンド連結部は、レバー部材または可動ハンドの一方に取り付けられ直交方向に突出する突出部材と、レバー部材または可動ハンドの他方に取り付けられ突出部材が係合するガイド部を有するガイド部材とを備え、ピッチ変更機構は、支点軸として、第1レバー部材を支持する第1支点軸と、第2レバー部材を支持する第2支点軸とを備え、搬出方向において、第1レバー部材の力点から第1支点軸までの距離と、第2レバー部材の力点から第2支点軸までの距離とが略等しく、搬出方向において、第1可動ハンドと第1レバー部材とのハンド連結部を構成する突出部材から第1支点軸までの距離と、第4可動ハンドと第2レバー部材とのハンド連結部を構成する突出部材から第2支点軸までの距離とが略等しく、搬出方向において、第2可動ハンドと第1レバー部材とのハンド連結部を構成する突出部材から第1支点軸までの距離と、第3可動ハンドと第2レバー部材とのハンド連結部を構成する突出部材から第2支点軸までの距離とが略等しく、搬出方向において、第1可動ハンドと第1レバー部材とのハンド連結部を構成する突出部材から第1支点軸までの距離は、第2可動ハンドと第1レバー部材とのハンド連結部を構成する突出部材から第1支点軸までの距離の略2倍となっていることが好ましい。このように構成すると、4個の可動ハンドが上下動する場合であっても、各搭載部間のピッチを同じピッチで維持することが可能になる。
【0019】
本発明において、第1支持軸と第2支持軸とは、搬出方向において、略同一位置に配置されていることが好ましい。このように構成すると、第1支持軸と第2支持軸とが搬出方向でずれている場合と比較して、可動ハンドの昇降量の設定が容易になる。また、搬出方向において、基板搭載機構を小型化することが可能になる。
【0020】
本発明において、たとえば、直動部材には、第2可動ハンドが固定されるとともに、第2レバー部材の端部が連結され、直動部材と第2レバー部材との連結部となるレバー連結部は、直動部材または第2レバー部材の一方に取り付けられ直交方向を軸方向として回転するローラと、直動部材または第2レバー部材の他方に取り付けられローラが係合する係合溝が形成される係合部材とを備えている。
【0021】
本発明において、第1可動ハンドは、搭載部として、第1搭載部を備えるとともに、第1搭載部が固定される第1固定部材を備え、第2可動ハンドは、搭載部として、第2搭載部を備えるとともに、第2搭載部が固定される第2固定部材を備え、第3可動ハンドは、搭載部として、第3搭載部を備えるとともに、第3搭載部が固定される第3固定部材を備え、第4可動ハンドは、搭載部として、第4搭載部を備えるとともに、第4搭載部が固定される第4固定部材を備え、上下方向から見たときに、第1固定部材への第1搭載部の固定位置と、第2固定部材への第2搭載部の固定位置とがずれており、かつ、第3固定部材への第3搭載部の固定位置と、第4固定部材への第4搭載部の固定位置とがずれていることが好ましい。このように構成すると、第1〜第4搭載部を個別に取り付けたり、取り外したりすることが可能になり、第1固定部材等への搭載部の取付作業を容易に行うことが可能になる。
【0022】
本発明において、基板搭載機構は、第1可動ハンドに搭載される基板を把持するための第1把持用ローラと、第2可動ハンドに搭載される基板を把持するための第2把持用ローラと、第3可動ハンドに搭載される基板を把持するための第3把持用ローラと、第4可動ハンドに搭載される基板を把持するための第4把持用ローラと、固定ハンドに搭載される基板を把持するための第5把持用ローラとを備え、上下方向から見たときに、直交方向において、第1把持用ローラと第2把持用ローラとがずれ、第2把持用ローラと第5把持用ローラとがずれ、第5把持用ローラと第3把持用ローラとがずれ、かつ、第3把持用ローラと第4把持用ローラとがずれていることが好ましい。このように構成すると、第1〜第5把持用ローラの上下方向の厚さが厚い場合であっても、上下方向における把持部の距離を近づけることが可能になり、基板搭載機構を上下方向で小型化することが可能になる。
【0023】
本発明において、第1レバー部材は、直交方向におけるベース部材の一方側に配置され、第2レバー部材は、直交方向におけるベース部材の他方側に配置されていることが好ましい。このように構成すると、レバー部材の配置の自由度を高めることが可能になる。
【0024】
本発明において、基板搭載機構は、第1レバー部材に連結される可動ハンドを上下方向へ案内するガイド部を直交方向におけるベース部材の一方側に備え、第2レバー部材に連結される可動ハンドを上下方向へ案内するガイド部を直交方向におけるベース部材の他方側に備えることが好ましい。このように構成すると、ハンド連結部の近傍にガイド部を配置することが可能になる。したがって、可動ハンドの昇降動作を安定させることが可能になる。
【0025】
本発明において、たとえば、可動ハンドは、搭載部が固定される2個の固定部材と、2個の固定部材同士を繋ぐ接続部材を備え、第1レバー部材に連結される可動ハンドが有する2個の固定部材の一方は、直交方向におけるベース部材の一方側に配置されるとともに第1レバー部材に連結され、第1レバー部材に連結される可動ハンドが有する2個の固定部材の他方は、直交方向におけるベース部材の他方側に配置され、第2レバー部材に連結される可動ハンドが有する2個の固定部材の一方は、直交方向におけるベース部材の他方側に配置されるとともに第2レバー部材に連結され、第2レバー部材に連結される可動ハンドが有する2個の固定部材の他方は、直交方向におけるベース部材の一方側に配置されている。
【0026】
また、上記の課題を解決するため、本発明は、複数の基板が所定のピッチで積層されて収納される収納部から基板を搬出する産業用ロボットにおいて、複数の基板が搭載される基板搭載機構を備え、基板搭載機構は、基板が搭載され所定のピッチで上下方向に重なるように配置される搭載部を有する複数のハンドと、収納部から基板を搬出する際に複数のハンドとともに移動するベース部材と、複数の搭載部間のピッチを変えるピッチ変更機構とを備えるとともに、ハンドとして、ベース部材に対して上下方向に相対移動可能な複数の可動ハンドを備え、ピッチ変更機構は、収納部からの基板の搬出方向と上下方向とに略直交する直交方向を軸方向として配置される支点軸と、支点軸に回動可能に支持され可動ハンドに連結される2本のレバー部材と、可動ハンドとレバー部材との連結部となるハンド連結部と、2本のレバー部材を回動させるための駆動機構とを備え、駆動機構は、上下方向に直線状に移動する直動部材を備え、2本のレバー部材は、直動部材の上下動に伴って支点軸を中心にして互いに逆方向に回動することを特徴とする。
【0027】
本発明の産業用ロボットでは、直交方向を軸方向として配置される支点軸に2本のレバー部材が回動可能に支持され、このレバー部材に可動ハンドが連結されている。また、2本のレバー部材は、上下方向に直線状に移動する直動部材の上下動に伴って支点軸を中心にして互いに逆方向に回動する。そのため、本発明では、直交方向を軸方向とする支点軸を中心にしてレバー部材を回動させることで、可動ハンドを上下動させて複数の搭載部間のピッチを変えることができる。
【0028】
したがって、本発明では、基板の搬出方向を軸方向としてレバー部材が回動する場合と比較して他の部品を配置しやすくなり、部品配置の自由度を高めることが可能になる。その結果、本発明では、基板搭載機構を小型化することが可能になる。すなわち、本発明では、複数の搭載部間のピッチを変えるピッチ変更機構を備えている場合であっても、基板搭載機構を小型化することが可能になり、産業用ロボットを小型化することが可能になる。
【0029】
本発明において、ハンド連結部は、レバー部材または可動ハンドの一方に取り付けられ直交方向に突出する突出部材と、レバー部材または可動ハンドの他方に取り付けられ突出部材が係合するガイド部を有するガイド部材とを備えることが好ましい。このように構成すると、特許文献1に記載のリンク機構を用いる場合と比較して、上下方向で基板搭載機構を小型化することが可能になり、上下方向で産業用ロボットをさらに小型化することが可能になる。
【0030】
本発明において、突出部材は、直交方向を軸方向として回転するローラを備えていることが好ましい。このように構成すると、突出部材とガイド部との摩擦抵抗を軽減することが可能になる。
【0031】
本発明において、たとえば、駆動機構は、駆動源となる1個のモータと、モータの動力で回転する1本のオネジ部材と、直動部材に取り付けられオネジ部材に係合する1個のナット部材とを備えている。
【発明の効果】
【0032】
以上のように、本発明では、基板が搭載される複数の搭載部間のピッチを変えるピッチ変更機構を産業用ロボットが備えている場合であっても、産業用ロボットの小型化を図ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施の形態にかかる産業用ロボットの平面図であり、(A)は第1アームおよび第2アームが縮んでいる状態を示す図、(B)は第1アームが縮み、第2アームが伸びている状態を示す図である。
【図2】図1に示す産業用ロボットの側面図である。
【図3】図1に示す基板搭載機構を基端側から示す斜視図である。
【図4】図3の基板搭載機構を基端側の他方向から示す斜視図である。
【図5】図3の基板搭載機構からハンドフォーク等を取り外した状態を先端側から示す斜視図である。
【図6】図3に示すハンドおよび第2ベース部材の構成を説明するための斜視図である。
【図7】図3に示すハンドおよび第2ベース部材の構成を説明するための斜視図である。
【図8】図3に示すハンドおよび第2ベース部材の構成を説明するための斜視図である。
【図9】図3に示すハンドおよび第2ベース部材の構成を説明するための斜視図である。
【図10】図3に示すハンドおよび第2ベース部材の構成を説明するための正面図である。
【図11】図3に示すピッチ変更機構およびガイド部の構成を説明するための概略平面図である。
【図12】図11のE−E方向からピッチ変更機構およびガイド部の構成を説明するための概略図である。
【図13】図11のF−F方向からピッチ変更機構およびガイド部の構成を説明するための概略図である。
【図14】図11のG−G方向からピッチ変更機構およびガイド部の構成を説明するための概略図である。
【図15】図11のH−H方向からピッチ変更機構の構成を説明するための概略図である。
【図16】図3に示す把持機構の構成を説明するための斜視図である。
【図17】図3に示す把持機構の構成を説明するための斜視図である。
【図18】図3に示す把持機構の構成を説明するための斜視図である。
【図19】図3に示す把持機構の構成を説明するための概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0035】
[産業用ロボットの概略構成]
図1は、本発明の実施の形態にかかる産業用ロボット1の平面図であり、(A)は第1アーム4および第2アーム6が縮んでいる状態を示す図、(B)は第1アーム4が縮み、第2アーム6が伸びている状態を示す図である。図2は、図1に示す産業用ロボット1の側面図である。
【0036】
本形態の産業用ロボット1(以下、「ロボット1」とする。)は、半導体ウェハ等の所定の基板2を搬送するためのロボットである。このロボット1は、たとえば、複数の基板2が所定のピッチで積層されて収納されるカセット(図示省略)から複数の基板2を同時に搬出して、半導体製造システム(図示省略)を構成するとともに基板2が所定のピッチで積層されて収納される加熱炉の中へカセットから搬出した複数の基板2を搬入する。また、ロボット1は、加熱炉から複数の基板2を同時に搬出して、この搬出した複数の基板2をカセットの中へ搬入する。本形態では、カセットに収納される基板2のピッチと、加熱炉に収納される基板2のピッチとが異なっている。
【0037】
図1、図2に示すように、ロボット1は、複数の基板2が搭載される基板搭載機構3と、基板搭載機構3の基端側を回動可能に支持する第1アーム4と、カセット内あるいは加熱炉内の基板2の収納状態を検出するためのセンシング用ハンド5と、センシング用ハンド5の基端側を回動可能に支持する第2アーム6と、第1アーム4および第2アーム6の基端側を回動可能に支持する旋回機構部7と、旋回機構部7を上下方向に移動可能に支持する本体部8とを備えている。
【0038】
基板搭載機構3は、後述のように、所定のピッチで上下方向に重なるように配置されるハンドフォーク13〜17を有する複数のハンド18〜22を備えている。また、上述のように、本形態では、カセットに収納される基板2のピッチと、加熱炉に収納される基板2のピッチとが異なっているため、基板搭載機構3は、後述のように、複数のハンドフォーク13〜17間のピッチを変えるピッチ変更機構26を備えている。この基板搭載機構3の詳細な構成については後述する。
【0039】
センシング用ハンド5は、その先端側(図1の左端側)に、発光素子と受光素子とからなる光学式のセンサを備えている。本形態のセンシング用ハンド5は、カセット等の内部に収納される基板2の傾きや出っ張りを検出するため、カセット等から基板2を搬出する前に、旋回機構部7等とともに上下動する。なお、図1の二点鎖線で示すように、センシング用ハンド5に基板2が搭載されて、センシング用ハンド5によって、カセットと加熱炉との間で基板2が搬送されても良い。
【0040】
第1アーム4および第2アーム6は、2個の関節部を有し全体として伸縮するように構成されている。第1アーム4の基端側と第2アーム6の基端側とは、図1の上下方向で隣接するように、旋回機構部7に支持されている。本形態では、第1アーム4と第2アーム6とは、個別に伸縮する。
【0041】
旋回機構部7は、第1アーム4および第2アーム6を支持する第1支持部9と、第1支持部9を支持する第2支持部10とを備えている。第2支持部10の内部には、第1支持部9を回動させるための旋回機構が収納されており、第1支持部9は、第2支持部10に回動可能に支持されている。また、本体部8は、旋回機構部7の第2支持部10が固定される昇降部材と、この昇降部材を昇降させる昇降機構とを備えている。
【0042】
なお、本形態のロボット1は、センシング用ハンド5および第2アーム6を備えているが、ロボット1は、センシング用ハンド5および第2アーム6を備えていなくても良い。
【0043】
[基板搭載機構の構成]
図3は、図1に示す基板搭載機構3を基端側から示す斜視図である。図4は、図3の基板搭載機構3を基端側の他方向から示す斜視図である。図5は、図3の基板搭載機構3からハンドフォーク13〜17等を取り外した状態を先端側から示す斜視図である。
【0044】
以下の説明では、図3等に示すように、互いに直交する3方向のそれぞれをX方向、Y方向およびZ方向とする。また、X1方向側は、基板搭載機構3の先端側であり、X2方向側は、基板搭載機構3の基端側であるため、以下の説明では、X1方向側を「先端」側または「前」側、X2方向側を「基端」側または「後(後ろ)」側とする。また、以下の説明では、Y1方向側を「右」側、Y2方向側を「左」側、Z1方向側を「上」側、Z2方向側を「下」側とする。さらに、以下の説明では、X方向とY方向とから形成される平面をXY平面、Y方向とZ方向とから形成される平面をYZ平面、Z方向とX方向とから形成される平面をZX平面とする。
【0045】
なお、本形態では、X1方向は、カセットや加熱炉に基板2を搬入するための搬入方向であり、X2方向は、カセットや加熱炉から基板2を搬出するための搬出方向である。すなわち、前後方向(X方向)は搬送方向である。また、本形態の左右方向(Y方向)は、搬出方向(X2方向)と上下方向(Z方向)とに直交する直交方向である。
【0046】
基板搭載機構3は、基板2が搭載される搭載部としてのハンドフォーク13〜17を有する5個のハンド18〜22を備えている。すなわち、本形態のロボット1では、5枚の基板2を同時に搬送することが可能になっている。5個のハンドフォーク13〜17は、図3、図4に示すように、所定のピッチで上下方向に重なるように配置されている。具体的には、5個のハンドフォーク13〜17は、略同じピッチで配置されている。また、図3、図4に示すように、ハンドフォーク13〜17は、上からハンドフォーク13、ハンドフォーク14、ハンドフォーク17、ハンドフォーク15、ハンドフォーク16の順番で重なるように配置されている。
【0047】
また、基板搭載機構3は、第1アーム4に取り付けられるベース部材23と、ハンド18〜22に搭載された基板2を把持するための把持機構24と、把持機構24を構成する後述の把持部80が基板2を把持していることを検出するための検出機構25(図17参照)とを備えている。また、本形態のロボット1は、上述のように、ピッチが異なるカセットと加熱炉との間で基板2の搬送を行うため、基板搭載機構3は、ハンドフォーク13〜17間のピッチを変えるピッチ変更機構26を備えている。なお、基板搭載機構3の基端側は、図示を省略するカバーで覆われている。また、基板搭載機構3の基端側には、カバー内部の排気を行うためのファン(図示省略)と、ファンの排気側に取り付けられるフィルタ(図示省略)とが配置されている。
【0048】
本形態では、上から3番目に配置されるハンドフォーク17を有するハンド22は、ベース部材23に固定されている。また、ハンドフォーク13〜16を有するハンド18〜21は、ベース部材23に対して上下方向に相対移動可能となっている。すなわち、ハンドフォーク13〜16は、ハンドフォーク17に対して相対移動可能となっている。そのため、基板搭載機構3は、ハンド18〜21のそれぞれを上下方向に案内するためのガイド部28〜31を備えている。
【0049】
(ベース部材およびハンドの構成)
図6〜図9は、図3に示すハンド18〜22および第2ベース部材34の構成を説明するための斜視図である。図10は、図3に示すハンド18〜22および第2ベース部材34の構成を説明するための正面図である。
【0050】
ベース部材23は、基板搭載機構3の底面となる平板状の第1ベース部材33(図3参照)と、第1ベース部材33の上面に固定される第2ベース部材34とを備えている。このベース部材23は、基板2の搬送時にハンド18〜22とともに搬送方向や上下方向に移動する。
【0051】
第2ベース部材34は、図6〜図10に示すように、ZX平面に略平行な2個の起立部34a、34bを備えている。起立部34a、34bは、左右方向に所定の間隔をあけた状態で形成されている。右側に配置される起立部34aの右側面には、ガイド部28、29を構成する後述のガイドレール50が固定されるレール固定溝34cが形成され、左側に配置される起立部34bの左側面には、ガイド部30、31を構成する後述のガイドレール50が固定されるレール固定溝34dが形成されている。また、起立部34aの後端側の上端には、ピッチ変更機構26を構成する後述の第1レバー部材52が回動可能に取り付けられるレバー取付部34eが形成されている。
【0052】
ハンドフォーク13〜17の先端側は、図3、図4に示すように、二股状に形成されている。また、ハンドフォーク13〜17の基端側も二股状に形成されている。また、ハンドフォーク13〜17の先端側には、把持機構24とともに基板2を把持するための基板端当接部材12が取り付けられている。
【0053】
ハンド18は、ハンドフォーク13に加え、図6〜図10に示すように、ハンドフォーク13が固定される2個の固定部材35、36と、固定部材35、36を繋ぐ接続部材37とを備えている。同様に、ハンド19は、ハンドフォーク14に加え、ハンドフォーク14が固定される2個の固定部材38、39と、固定部材38、39を繋ぐ接続部材40とを備え、ハンド20は、ハンドフォーク15に加え、ハンドフォーク15が固定される2個の固定部材41、42と、固定部材41、42を繋ぐ接続部材43とを備え、ハンド21は、ハンドフォーク16に加え、ハンドフォーク16が固定される2個の固定部材44、45と、固定部材44、45を繋ぐ接続部材46とを備えている。また、ハンド22は、ハンドフォーク17に加え、ハンドフォーク17が固定される固定部材47を備えている。
【0054】
固定部材35、36、44、45は、第2ベース部材34の前面側に配置され、接続部材37、46によって第2ベース部材34の前面側で接続されている。また、固定部材38、39、41、42は、第2ベース部材34の後面側に配置され、接続部材40、43によって第2ベース部材34の後面側で接続されている。また、固定部材35、38、42、45は、第2ベース部材34の右側に配置され、固定部材36、39、41、44は、第2ベース部材34の左側に配置されている。
【0055】
固定部材35は、XY平面に略平行でハンドフォーク13の基端側が固定されるフォーク固定部35aと、YZ平面に略平行で接続部材37が固定される接続部材固定部35bと、ZX平面に略平行でガイド部28を構成する後述のガイドブロック51が固定されるブロック固定部35cとから構成されている。ブロック固定部35cは、上下方向を長手方向とする略長方形状に形成されている。フォーク固定部35aおよび接続部材固定部35bは、ブロック固定部35cの上端側に形成されている。また、フォーク固定部35aは、右側へ突出するように配置されている。
【0056】
固定部材36は、XY平面に略平行でハンドフォーク13の基端側が固定されるフォーク固定部36aと、YZ平面に略平行で接続部材37が固定される接続部材固定部36bとから構成されている。フォーク固定部36aは、左側に突出するように配置されている。
【0057】
接続部材37は、YZ平面に略平行で接続部材固定部35bおよび接続部材固定部36bに固定される接続部37aと、XY平面に略平行で把持機構24を構成する後述の軸部材87を保持する軸保持部37bとから構成され、上下方向から見たときの形状がT形状となるように形成されている。接続部37aは、第2ベース部材34の前面側に配置され、軸保持部37bは、第2ベース部材34の起立部34a、34bの間に配置されている。
【0058】
固定部材38は、XY平面に略平行でハンドフォーク14の基端側が固定されるフォーク固定部38aと、YZ平面に略平行で接続部材40が固定される接続部材固定部38bと、ZX平面に略平行でガイド部29を構成する後述のガイドブロック51が固定されるブロック固定部38cと、XY平面に略平行でピッチ変更機構26を構成する後述の接続板70が固定される接続板固定部38dとから構成されている。ブロック固定部38cは、上下方向を長手方向とする略長方形状に形成されている。フォーク固定部38aおよび接続部材固定部38bは、上下方向におけるブロック固定部38cの中間位置に形成され、接続板固定部38dは、ブロック固定部38cの下端側に形成されている。また、フォーク固定部38aおよび接続板固定部38dは、右側へ突出するように配置されている。
【0059】
固定部材39は、XY平面に略平行でハンドフォーク14の基端側が固定されるフォーク固定部39aと、YZ平面に略平行で接続部材40が固定される接続部材固定部39bとから構成されている。フォーク固定部39aは、左側に突出するように配置されている。
【0060】
接続部材40は、YZ平面に略平行で接続部材固定部38bおよび接続部材固定部39bに固定される接続部40aと、XY平面に略平行で後述の軸部材87を保持する軸保持部40bとから構成され、上下方向から見たときの形状がT形状となるように形成されている。接続部40aは、第2ベース部材34の後面側に配置され、軸保持部40bは、第2ベース部材34の起立部34a、34bの間に配置されている。
【0061】
固定部材41は、XY平面に略平行でハンドフォーク15の基端側が固定されるフォーク固定部41aと、YZ平面に略平行で接続部材43が固定される接続部材固定部41bと、ZX平面に略平行でガイド部30を構成する後述のガイドブロック51が固定されるブロック固定部41cとから構成されている。ブロック固定部41cは、上下方向を長手方向とする略長方形状に形成されている。フォーク固定部41aおよび接続部材固定部41bは、上下方向におけるブロック固定部41cの中間位置に形成されている。また、フォーク固定部41aは、左側へ突出するように配置されている。
【0062】
固定部材42は、XY平面に略平行でハンドフォーク15の基端側が固定されるフォーク固定部42aと、YZ平面に略平行で接続部材43が固定される接続部材固定部42bとから構成されている。フォーク固定部42aは、右側に突出するように配置されている。
【0063】
接続部材43は、YZ平面に略平行で接続部材固定部41bおよび接続部材固定部42bに固定される接続部43aと、XY平面に略平行で後述の軸部材87を保持する軸保持部43bとから構成され、上下方向から見たときの形状がT形状となるように形成されている。接続部43aは、第2ベース部材34の後面側に配置され、軸保持部43bは、第2ベース部材34の起立部34a、34bの間に配置されている。
【0064】
固定部材44は、XY平面に略平行でハンドフォーク16の基端側が固定されるフォーク固定部44aと、YZ平面に略平行で接続部材46が固定される接続部材固定部44bと、ZX平面に略平行でガイド部31を構成する後述のガイドブロック51が固定されるブロック固定部44cとから構成されている。ブロック固定部44cは、上下方向を長手方向とする略長方形状に形成されている。フォーク固定部44aおよび接続部材固定部44bは、ブロック固定部41cの下端側に形成されている。また、フォーク固定部44aは、左側へ突出するように配置されている。
【0065】
固定部材45は、XY平面に略平行でハンドフォーク16の基端側が固定されるフォーク固定部45aと、YZ平面に略平行で接続部材46が固定される接続部材固定部45bとから構成されている。フォーク固定部45aは、右側に突出するように配置されている。
【0066】
接続部材46は、YZ平面に略平行で接続部材固定部44bおよび接続部材固定部45bに固定される接続部46aと、XY平面に略平行で後述の軸部材87を保持する軸保持部46bとから構成され、上下方向から見たときの形状がT形状となるように形成されている。接続部46aは、第2ベース部材34の前面側に配置され、軸保持部46bは、第2ベース部材34の起立部34a、34bの間に配置されている。
【0067】
固定部材47は、XY平面に略平行でハンドフォーク17の基端側が固定される2個のフォーク固定部47aと、XY平面に略平行で後述の軸部材87を保持する軸保持部47bとから構成され、上下方向から見たときの形状が略T形状となるように形成されている。この固定部材47は、フォーク固定部47aが第2ベース部材34の前面側に配置されるように、第2ベース部材34に固定されている。また、フォーク固定部47aは、前側に突出している。
【0068】
上述のように、固定部材35、36は、第2ベース部材34の前面側に配置され、固定部材38、39は、第2ベース部材34の後面側に配置されている。そのため、上下方向から見たときに、フォーク固定部35aとフォーク固定部38aとが前後方向にずれており、フォーク固定部36aとフォーク固定部39aとが前後方向にずれている。また、固定部材41、42は、第2ベース部材34の後面側に配置され、固定部材44、45は、第2ベース部材34の前面側に配置されている。そのため、上下方向から見たときに、フォーク固定部41aとフォーク固定部44aとが前後方向にずれており、フォーク固定部42aとフォーク固定部45aとが前後方向にずれている。
【0069】
なお、フォーク固定部35aとフォーク固定部45aとは、上下方向で重なるように配置され、フォーク固定部38aとフォーク固定部42aとは、上下方向で重なるように配置されている。また、フォーク固定部36aとフォーク固定部44aとは、上下方向で重なるように配置され、フォーク固定部39aとフォーク固定部41aとは、上下方向で重なるように配置されている。
【0070】
本形態では、フォーク固定部35a、36aの下面にハンドフォーク13が固定され、フォーク固定部38a、39aの下面にハンドフォーク14が固定されている。また、フォーク固定部41a、42aの上面にハンドフォーク15が固定され、フォーク固定部38a、39aの上面にハンドフォーク16が固定されている。さらに、フォーク固定部47aの上面にハンドフォーク17が固定されている。
【0071】
(ピッチ変更機構およびガイド部の構成)
図11は、図3に示すピッチ変更機構26およびガイド部28〜31の構成を説明するための概略平面図である。図12は、図11のE−E方向からピッチ変更機構26およびガイド部28〜31の構成を説明するための概略図である。図13は、図11のF−F方向からピッチ変更機構26およびガイド部28〜31の構成を説明するための概略図である。図14は、図11のG−G方向からピッチ変更機構26およびガイド部28〜31の構成を説明するための概略図である。図15は、図11のH−H方向からピッチ変更機構26の構成を説明するための概略図である。
【0072】
ガイド部28〜31は、第2ベース部材34に固定されるガイドレール50と、ガイドレール50に係合するガイドブロック51とから構成されている。
【0073】
ガイド部28、29を構成するガイドレール50は、起立部34aのレール固定溝34cに前後方向で隣接するように固定されている。具体的には、ガイド部28を構成するガイドレール50がレール固定溝34cの前端側に固定され、ガイド部29を構成するガイドレール50がレール固定溝34cの後端側に固定されている。また、ガイド部30、31を構成するガイドレール50は、起立部34bのレール固定溝34dに前後方向で隣接するように固定されている。具体的には、ガイド部30を構成するガイドレール50がレール固定溝34dの後端側に固定され、ガイド部31を構成するガイドレール50がレール固定溝34dの前端側に固定されている。
【0074】
図11に示すように、前後方向において、ガイド部28を構成するガイドレール50とガイド部31を構成するガイドレール50とが略同一位置に配置され、ガイド部29を構成するガイドレール50とガイド部30を構成するガイドレール50とが略同一位置に配置されている。
【0075】
ガイド部28を構成するガイドブロック51は、ブロック固定部35cの左側面に固定され、ガイド部29を構成するガイドブロック51は、ブロック固定部38cの左側面に固定されている。すなわち、ハンド18を案内するガイド部28およびハンド19を案内するガイド部29は、第2ベース部材34の右側に配置されている。また、ガイド部30を構成するガイドブロック51は、ブロック固定部41cの右側面に固定され、ガイド部31を構成するガイドブロック51は、ブロック固定部44cの右側面に固定されている。すなわち、ハンド20を案内するガイド部30およびハンド21を案内するガイド部31は、第2ベース部材34の左側に配置されている。本形態では、ブロック固定部35c、38c、41c、44cのそれぞれには、上下方向に所定の間隔をあけた状態で配置される2個のガイドブロック51が固定されている。
【0076】
ピッチ変更機構26は、ハンド18、19が連結される第1レバー部材52と、ハンド20、21が連結される第2レバー部材53と、第1レバー部材52を回動可能に支持する第1支点軸54と、第2レバー部材53を回動可能に支持する第2支点軸55と、ハンド18、19と第1レバー部材52との連結部となるハンド連結部56と、ハンド20、21と第2レバー部材53との連結部となるハンド連結部57と、第1レバー部材52および第2レバー部材53を回動させるための駆動機構58とを備えている。
【0077】
第1支点軸54は、左右方向を軸方向として、第2ベース部材34のレバー取付部34eに固定されている。第2支点軸55は、図11に示すように、第2ベース部材34の起立部34bの後方で第1ベース部材33の上面に固定された軸支持部材59に、左右方向を軸方向として固定されている。本形態では、図11に示すように、前後方向において、第1支点軸54と第2支点軸55とは、略同一位置に配置されている。
【0078】
第1レバー部材52は、図12に示すように、基板搭載機構3の上端側に配置されている。図11に示すように、第1レバー部材52の先端側は、ブロック固定部35c、38cの右側に配置され、第1レバー部材52の基端は、軸受を介して第1支点軸54に回動可能に支持されている。すなわち、第1レバー部材52は、第2ベース部34の右側に配置されている。
【0079】
第2レバー部材53は、図13に示すように、基板搭載機構3の下端側に配置されている。図11に示すように、第2レバー部材53の先端側は、ブロック固定部41c、44cの左側に配置されている。また、前後方向における第2レバー部材53の中間位置は、軸受を介して第2支点軸55に回動可能に支持されている。すなわち、第2レバー部材53は、第2ベース部材34の左側に配置されている。また、第2レバー部材53の基端は、第2レバー部材53と駆動機構58との連結部となるレバー連結部60を介して駆動機構58に連結されている。
【0080】
ハンド連結部56、57は、左右方向を軸方向とする固定軸61と固定軸61に回転可能に支持されるローラ62とを有する突出部材(具体的には、カムフォロア)63と、ローラ62が係合する係合溝64aが形成されるガイド部材64とを備えている。ガイド部材64は、全体として略角溝形状に形成されている。
【0081】
ハンド連結部56を構成するガイド部材64は、図12等に示すように、ブロック固定部35c、38cの上端側に固定されている。すなわち、第1レバー部材52には、固定部材35、38が連結されている。また、ハンド連結部57を構成するガイド部材64は、図13等に示すように、ブロック固定部41c、44cの下端側に固定されている。すなわち、第2レバー部材53には、固定部材41、44が連結されている。本形態では、係合溝64aの長手方向が前後方向と略一致するように、ブロック固定部35c、38c、41c、44cにガイド部材64が固定されている。本形態の係合溝64aは、突出部材63(具体的には、ローラ62)が係合するガイド部である。
【0082】
ハンド連結部56を構成する固定軸61は、図11、図12に示すように、第1レバー部材52の長手方向に沿って第1支点軸54から所定の距離だけ離れた位置に固定されている。本形態では、ハンド連結部56を構成する2本の固定軸61と第1支点軸54とは、図12に示すように、左右方向から見ると、略同一直線上に配置されている。また、この固定軸61は、第1レバー部材52から左方向に突出するように第1レバー部材52に固定されている。本形態では、ハンド18と第1レバー部材52とのハンド連結部56を構成する固定軸61から第1支点軸54までの前後方向における距離は、ハンド19と第1レバー部材52とのハンド連結部56を構成する固定軸61から第1支点軸54までの前後方向における距離の略2倍となっている。
【0083】
ハンド連結部57を構成する固定軸61は、図11、図13に示すように、第2レバー部材53の長手方向に沿って第2支点軸55から所定の距離だけ離れた位置に固定されている。本形態では、ハンド連結部57を構成する2本の固定軸61と第2支点軸55とは、図13に示すように、左右方向から見ると、略同一直線上に配置されている。また、この固定軸61は、第2支点軸55よりも前側で第2レバー部材53に固定されるとともに、第2レバー部材53から右方向に突出するように第2レバー部材53に固定されている。本形態では、ハンド21と第2レバー部材53とのハンド連結部57を構成する固定軸61から第2支点軸55までの前後方向における距離は、ハンド20と第2レバー部材53とのハンド連結部57を構成する固定軸61から第2支点軸55までの前後方向における距離の略2倍となっている。
【0084】
また、本形態では、ハンド18と第1レバー部材52とのハンド連結部56を構成する固定軸61から第1支点軸54までの前後方向における距離と、ハンド21と第2レバー部材53とのハンド連結部57を構成する固定軸61から第2支点軸55までの前後方向における距離とが略等しくなっている。すなわち、ハンド19と第1レバー部材52とのハンド連結部56を構成する固定軸61から第1支点軸54までの前後方向における距離と、ハンド20と第2レバー部材53とのハンド連結部57を構成する固定軸61から第2支点軸55までの前後方向における距離とが略等しくなっている。
【0085】
駆動機構58は、駆動源となる1個のモータ65と、モータ65の動力で回転する1本のオネジ部材66と、オネジ部材66に係合するナット部材67と、ナット部材67が固定され上下方向に直線状に移動する直動部材68と、直動部材68を上下方向に案内するガイド部69と、直動部材68と固定部材38とを繋ぐ接続板70とを備えている。モータ65、オネジ部材66およびナット部材67は、基板搭載機構3の右基端側の隅に配置されている。また、直動部材68は、基板搭載機構3の基端側に配置されている。
【0086】
モータ65の動力は、プーリ71およびベルト72を介してオネジ部材66に伝達されている。オネジ部材66は、第1ベース部材33の上面に固定される支持部材73(図15参照)に軸受等を介して回動可能に支持されている。ガイド部69は、支持部材73に固定されるガイドレール74と、直動部材68に固定されガイドレール74に係合するガイドブロック75とから構成されている。接続板70は、直動部材68の前端側に固定されるとともに、固定部材38の接続板固定部38dに固定されている。すなわち、ハンド19は、接続板70を介して直動部材68に固定されている。
【0087】
第2レバー部材53と駆動機構58との連結部となるレバー連結部60は、左右方向を軸方向として第2レバー部材53の基端に固定される固定軸に回転可能に支持されるローラ76と、ローラ76が係合する係合溝77aが形成される係合部材77とを備えている。係合部材77は、直動部材68に固定されている。具体的には、直動部材68の左端側に形成された貫通孔に挿通されるボルト(図示省略)によって、係合部材77は直動部材68に固定されている。直動部材68に形成される貫通孔は、上下に長い長孔となっており、上下方向における直動部材68への係合部材77の固定位置を調整することが可能になっている。なお、ローラ76を回動可能に支持する固定軸と、ハンド連結部57を構成する2本の固定軸61と、第2支点軸55とは、図13に示すように、左右方向から見ると、略同一直線上に配置されている。また、ローラ76を回動可能に支持する固定軸とローラ76とによってカムフォロアが構成されている。
【0088】
本形態では、ローラ76から第2支点軸55までの前後方向における距離は、ハンド20と第2レバー部材53とのハンド連結部57を構成する固定軸61から第2支点軸55までの前後方向における距離と略等しくなっている。すなわち、ローラ76から第2支点軸55までの前後方向における距離は、ハンド19と第1レバー部材52とのハンド連結部56を構成する固定軸61から第1支点軸54までの前後方向における距離と略等しくなっている。
【0089】
以上のように構成されたピッチ変更機構26では、モータ65が回転して直動部材68が上昇すると、直動部材68とともに接続板70が上昇する。接続板70が上昇すると、接続板70が固定された固定部材38が上昇するため、固定部材38に固定されたガイド部材64に係合するローラ62が上昇して、第1レバー部材52の先端側が上昇するように、第1レバー部材52は第1支点軸54を支点にして回動する。すなわち、本形態では、ハンド19と第1レバー部材52とのハンド連結部56は、第1レバー部材52の力点となっている。第1レバー部材52の先端側が上昇すると、固定部材35も上昇する。すなわち、直動部材68が上昇すると、ハンド18、19が上昇する。
【0090】
一方、直動部材68とともに接続板70が下降すると、固定部材38が下降し、第1レバー部材52の先端側が下降するように、第1レバー部材52は第1支点軸54を支点にして回動する。第1レバー部材52の先端側が下降すると、固定部材35も下降する。すなわち、直動部材68が下降すると、ハンド18、19が下降する。
【0091】
また、モータ65が回転して直動部材68が上昇すると、直動部材68とともに係合部材77が上昇する。係合部材77が上昇すると、第2レバー部材53の先端側が下降するように、第2レバー部材53は第2支点軸55を支点にして回動する。すなわち、本形態では、レバー連結部60は、第2レバー部材53の力点となっている。第2レバー部材53の先端側が下降すると、固定部材41、44も下降する。すなわち、直動部材68が上昇すると、ハンド20、21が下降する。
【0092】
一方、直動部材68とともに係合部材77が下降すると、第2レバー部材53の先端側が上昇するように、第2レバー部材53は第2支点軸55を支点にして回動する。第2レバー部材53の先端側が上昇すると、固定部材41、44も上昇する。すなわち、直動部材68が下降すると、ハンド20、21が上昇する。
【0093】
このように、本形態では、第1レバー部材52の力点が第1支点軸54よりも前側に配置され、第2レバー部材53の力点が第2支点軸55よりも後ろ側に配置されているため、第1レバー部材52および第2レバー部材53は、直動部材68の上下動に伴って互いに逆方向へ回動する。
【0094】
また、本形態では、上述のように、前後方向において、第1支点軸54と第2支点軸55とは、略同一位置に配置されている。また、ローラ76から第2支点軸55までの前後方向における距離は、ハンド19と第1レバー部材52とのハンド連結部56を構成する固定軸61から第1支点軸54までの前後方向における距離と略等しくなっている。すなわち、第1レバー部材52の力点から第1支点軸54までの距離と、第2レバー部材53の力点から第2支点軸55までの距離とが略等しくなっている。さらに、ハンド18と第1レバー部材52とのハンド連結部56を構成する固定軸61から第1支点軸54までの前後方向における距離は、ハンド19と第1レバー部材52とのハンド連結部56を構成する固定軸61から第1支点軸54までの前後方向における距離の略2倍となり、ハンド21と第2レバー部材53とのハンド連結部57を構成する固定軸61から第2支点軸55までの前後方向における距離は、ハンド20と第2レバー部材53とのハンド連結部57を構成する固定軸61から第2支点軸55までの前後方向における距離の略2倍となっている。さらにまた、ハンド18と第1レバー部材52とのハンド連結部56を構成する固定軸61から第1支点軸54までの前後方向における距離と、ハンド21と第2レバー部材53とのハンド連結部57を構成する固定軸61から第2支点軸55までの前後方向における距離とが略等しくなっている。
【0095】
そのため、直動部材68が上昇したときのハンド18の上昇量とハンド21の下降量とが略等しく、かつ、ハンド19の上昇量とハンド20の下降量とが略等しい。また、直動部材68が上昇したときのハンド18の上昇量は、ハンド19の上昇量の略2倍であり、直動部材68が上昇したときのハンド21の下降量は、ハンド20の下降量の略2倍である。また、直動部材68が下降したときのハンド18の下降量とハンド21の上昇量とが略等しく、かつ、ハンド19の下降量とハンド20の上昇量とが略等しい。また、ハンド18の下降量は、ハンド19の下降量の略2倍であり、ハンド21の上昇量は、ハンド20の上昇量の略2倍である。
【0096】
なお、本形態では、ハンドフォーク13〜17の間のピッチの変更動作は、カセットと加熱炉との間における基板2の搬送中に行われる。すなわち、ハンドフォーク13〜17の間のピッチの変更動作は、ハンドフォーク13〜17に基板2が搭載されている状態で行われる。
【0097】
(把持機構の構成)
図16〜図18は、図3に示す把持機構24の構成を説明するための斜視図である。図19は、図3に示す把持機構24の構成を説明するための概略平面図である。
【0098】
把持機構24は、ハンド18〜22に搭載される基板2に当接して基板2を把持するための複数の把持部80と、基板2を把持する把持方向へ把持部80を付勢する付勢部材としての複数の圧縮コイルバネ81とを備えている。本形態では、ハンド18〜22に搭載される基板2を個別に把持するため、把持機構24は、5個の把持部80と5個の圧縮コイルバネ81とを備えている。また、把持機構24は、5個の把持部80に当接して基板2から退避する退避方向へ把持部80を移動させる移動部材82と、移動部材82に連結され把持方向および退避方向へ移動部材82を駆動するエアシリンダ83と、把持方向への把持部80の動きを規制する規制部材84とを備えている。なお、本形態では、X1方向が把持方向となり、X2方向が退避方向となる。
【0099】
把持部80は、把持部80の先端側に配置され基板2に当接可能な2個の把持用ローラ85と、把持用ローラ85を回動可能に支持するローラ支持部86と、ローラ支持部86から把持部80の基端側に向かって伸びる2本の軸部材87と、2本の軸部材87の基端部を連結する連結部材88と、圧縮コイルバネ81に挿通されるバネ挿通軸89とを備えている。2個の把持用ローラ85は、左右方向に所定の間隔をあけた状態で配置されている。また、2本の軸部材87も左右方向に所定の間隔をあけた状態で配置されている。
【0100】
本形態では、ハンド13、16、17に搭載される基板2を把持する把持部80の把持用ローラ85の配置ピッチと、ハンド14、15に搭載される基板2を把持する把持部80の把持用ローラ85の配置ピッチとが異なる。そのため、把持用ローラ85の配置ピッチの異なる2種類の把持部80を区別して表す場合には、ハンド13、16、17に搭載される基板2を把持する把持部80を「把持部80A」、ハンド14、15に搭載される基板2を把持する把持部80を「把持部80B」と表記する。
【0101】
把持用ローラ85は、ハンドフォーク13〜17の基端側に配置されている。図18に示すように、把持部80Bの把持用ローラ85の配置ピッチは、把持部80Aの把持用ローラ85の配置ピッチよりも広くなっている。具体的には、上下方向から見たときに、把持部80Aの把持用ローラ85と、把持部80Bの把持用ローラ85とは重なっておらず、左右方向にずれている。
【0102】
軸部材87の先端は、ローラ支持部86に固定され、軸部材87の基端は、連結部材88に固定されている。また、軸部材87は、接続部材37、40、43、46の軸保持部37b、40b、43b、46bおよび固定部材47の軸保持部47bに、前後方向に貫通するように形成される2個の挿通孔37c、40c、43c、46c、47c(図10参照)に挿通されている。この軸部材87は、前後方向にスライド可能となるように、挿通孔37c、40c、43c、46c、47cに挿通されている。
【0103】
バネ挿通軸89の先端は、ローラ支持部86に固定されている。また、バネ挿通軸89の基端側は、接続部材37、40、43、46の軸保持部37b、40b、43b、46bおよび固定部材47の軸保持部47bに、前後方向に貫通するように形成される貫通孔37d、40d、43d、46d、47d(図10参照)に挿入されている。この軸部材87は、前後方向にスライド可能となるように、貫通孔37d、40d、43d、46d、47dに挿入されている。また、バネ挿通軸89の先端側には、図19に示すように、圧縮コイルバネ81の先端が当接する当接段部89aが形成されている。
【0104】
上述のように、挿通孔37c、40c、43c、46c、47cに軸部材87が挿通され、貫通孔37d、40d、43d、46d、47dにバネ挿通軸89が挿入されている。すなわち、把持部80は、接続部材37、40、43、46および固定部材47に保持されている。そのため、挿通孔37c、40c、43c、46cに挿通される軸部材87および貫通孔37d、40d、43d、46dに挿入されるバネ挿通軸89は、ハンド18〜21と一緒に上下動する。すなわち、ハンドフォーク13〜16に搭載される基板2を把持するための把持部80は、ハンド18〜21と一緒に上下動する。
【0105】
ハンド18に搭載される基板2を把持するための把持部80を付勢する圧縮コイルバネ81は、図19に示すように、その内周側にバネ挿入軸89の基端側が挿入された状態で、貫通孔37dの内部に配置されている。圧縮コイルバネ81の基端は、貫通孔37dに形成された当接段部37eに当接している。同様に、他の4個の圧縮コイルバネ81も、その内周側にバネ挿入軸89の基端側が挿入された状態で、貫通孔40d、43d、46d、47dの内部に配置され、この圧縮コイルバネ81の基端は、貫通孔40d、43d、46d、47dに形成された当接段部(図示省略)に当接している。
【0106】
エアシリンダ83は、第1ベース部材33の上面に固定された支持部材90に固定されている。具体的には、エアシリンダ83のロッドが基端側に向かって突出するように、支持部材90に固定されている。支持部材90には、図16に示すように、移動部材82を前後方向へ案内するためのガイド筒91が固定されている。
【0107】
移動部材82は、エアシリンダ83のロッドが固定されるロッド固定部82aと、基板2から5個の把持部80を退避させる際に連結部材88に当接する第1当接部82bと、連結部材88の後面に当接可能な第2当接部82cとを備えている。ロッド固定部82aには、ガイド筒91の内周側を通過するガイド軸92が固定されている(図16参照)。
【0108】
第1当接部82bは、上下方向を長手方向とする長方形状に形成されており、図18に示すように、左右方向において、2本の軸部材87の間に配置されている。具体的には、連結部材88に、その前面から後面に向かって窪む凹部が形成されており、第1当接部82bは、連結部材88の凹部の中に配置されている。また、第1当接部82bの上下方向の長さは、5個の連結部材88の全てに当接可能な長さとなっている。そのため、基板2から5個の把持部80を退避させる際には、第1当接部82bは、5個の連結部材88の凹部の底面に当接する。
【0109】
第2当接部82cは、上下方向を長手方向とする長方形状に形成されており、図19等に示すように、連結部材88の後ろ側に配置されている。第2当接部82cの上下方向の長さは、5個の連結部材88の全てに当接可能な長さとなっている。本形態では、把持部80は、圧縮コイルバネ81によって、基板2を把持する把持方向に付勢されており、通常、把持部80は、圧縮コイルバネ81の付勢力で把持方向へ移動する。ただし、圧縮コイルバネ81等に不具合が生じて、圧縮コイルバネ81の付勢力で把持部80が把持方向へ円滑に移動しないときには、第2当接部82cが連結部材88の裏面に当接して、把持部80を把持方向へ移動させる。
【0110】
ハンド18に搭載される基板2を把持する把持部80の動きを規制する規制部材84は、図19に示すように、接続部材37の軸保持部37bの後面に固定されており、接続部材37の後面から後方に向かって突出している。同様に、他の規制部材84も、接続部材40、43、46の軸保持部40b、43b、46bの後面および固定部材47の軸保持部47bの後面に固定されており、接続部材40、43、46の後面および固定部材47の後面から後方に向かって突出している。規制部材84は、ハンドフォーク13〜17に基板2が搭載されていない状態で、移動部材82が把持方向へ移動したときに、連結部材88の凹部に固定された当接ブロック93(図19参照)に当接して、把持方向へ向かう把持部80の動きを規制する。
【0111】
以上のように構成された把持機構24では、圧縮コイルバネ81の付勢力で把持部80が基板2を把持する。このとき、前後方向において、第1当接部82bおよび第2当接部82cと連結部材88との間には隙間が形成されている。すなわち、把持部80が基板2を把持しているときには、移動部材82は、把持部80から離れている。
【0112】
この状態で、エアシリンダ83のロッドが突出して移動部材82が後方へ移動すると、第1当接部82bが連結部材88に当接して、把持部80が基板2から退避する。また、把持部80が基板2から退避している状態で、エアシリンダ83のロッドが引っ込んで移動部材82が前方へ移動すると、圧縮コイルバネ81の付勢力で把持部80が前方へ移動して基板2に当接する。このとき、把持部80が基板2に当接するまでは、第1当接部82bは連結部材88に当接している。また、把持部80が基板2に当接した後も、第1当接部82bおよび第2当接部82cと連結部材88との間に隙間が形成されるように移動部材82はさらに前方へ移動する。すなわち、エアシリンダ83のストロークエンドになると、第1当接部82bおよび第2当接部82cと連結部材88との間に隙間が形成される。
【0113】
上述のように、ハンドフォーク13〜17の間のピッチの変更動作は、ハンドフォーク13〜17に基板2が搭載されている状態で行われる。具体的には、ハンドフォーク13〜17に基板2が搭載され、把持部80によって基板2が把持されている状態で、ハンドフォーク13〜17の間のピッチの変更動作が行われる。そのため、ハンドフォーク13〜17の間のピッチの変更動作が行われるときには、第1当接部82bおよび第2当接部82cと連結部材88との間に隙間が形成されている。すなわち、ハンドフォーク13〜17の間のピッチの変更動作が行われるときには、移動部材82は、把持部80から離れている。
【0114】
なお、ハンドフォーク13〜17に基板2が搭載されておらず、規制部材84が当接ブロック93に当接している状態でも、前後方向において、第1当接部82bおよび第2当接部82cと連結部材88との間には隙間が形成されている。
【0115】
(検出機構の構成)
検出機構25は、図17に示すように、5個の把持部80のそれぞれの位置を検出するための5個のセンサ95を備えている。本形態のセンサ95は、発光素子と受光素子とが対向配置された光学式のセンサである。5個のセンサ95は、接続部材37、40、43、46の軸保持部37b、40b、43b、46bおよび固定部材47の軸保持部47bに所定の取付部材を介して固定されている。そのため、軸保持部37b、40b、43b、46bに固定されるセンサ95は、ハンド18〜21と一緒に上下動する。
【0116】
また、検出機構25は、センサ95の発光素子と受光素子との間を通過する検出板96を備えている。検出板96は、5個の連結部材88のそれぞれに固定または形成されている。すなわち、検出板96は、5個の把持部80のそれぞれに固定または形成されている。そのため、ハンドフォーク13〜16に搭載される基板2を把持するための把持部80に固定される検出板96は、この把持部80と一緒に上下動する。
【0117】
検出板96には、図19に示すように、スリット96aが形成されている。本形態では、把持部80が基板2を把持しているときに、このスリット96aがセンサ95の発光素子と受光素子の間に配置される。そのため、センサ95の受光素子が発光素子からの光を受光することで、把持部80によって基板2が把持されていることが検出される。
【0118】
[本形態の主な効果]
以上説明したように、本形態では、左右方向を軸方向として配置される第1支点軸54に第1レバー部材52が回動可能に支持され、左右方向を軸方向として配置される第2支点軸55に第2レバー部材53が回動可能に支持されている。また、第1レバー部材52の長手方向に沿って第1支点軸54から所定の距離だけ離れた位置でハンド18、19が第1レバー部材52に連結され、第2レバー部材53の長手方向に沿って第2支点軸55から所定の距離だけ離れた位置でハンド20、21が第2レバー部材53に連結されている。さらに、ハンド連結部56、57は、左右方向を軸方向とする固定軸61と固定軸61に回転可能に支持されるローラ62とを有する突出部材63と、ローラ62が係合する係合溝64aが形成されるガイド部材64とを備えている。また、直動部材68の上下動に伴って、第1レバー部材52は第1支点軸54を中心に回動し、第2レバー部材53は第2支点軸55を中心にして回動する。そのため、第1支点軸54を中心に第1レバー部材52を回動させ、第2支点軸55を中心に第2レバー部材53を回動させることで、ハンド18〜21を上下動させてハンドフォーク13〜17の間のピッチを変えることができる。
【0119】
したがって、本形態では、ハンド18〜21に連結されるレバー部材が前後方向を軸方向として回動する場合と比較して、把持機構24や検出機構25等の他の部品を配置しやすくなり、部品配置の自由度を高めることができる。その結果、本形態では、基板搭載機構3を小型化することが可能になる。また、ハンド連結部56、57は、突出部材63とガイド部材64とによって構成されているため、特許文献1に記載されているようなリンク機構を用いる場合と比較して、上下方向で基板搭載機構3を小型化することが可能になる。このように、本形態では、複数のハンドフォーク13〜17間のピッチを変えるピッチ変更機構26を備えている場合であっても、基板搭載機構3を小型化することが可能になり、その結果、ロボット1を小型化することが可能になる。
【0120】
本形態では、第1レバー部材52の力点が第1支点軸54よりも前側に配置され、第2レバー部材53の力点が第2支点軸55よりも後ろ側に配置されており、第1レバー部材52および第2レバー部材53は、直動部材68の上下動に伴って互いに逆方向へ回動する。そのため、1本のレバー部材によってハンド18〜21を上下動させる場合と比較して、第1レバー部材52、第2レバー部材53の長さを短くすることができ、ピッチ変更機構26の構成を簡素化することが可能になる。
【0121】
また、本形態では、2個のハンド連結部56は、第1支点軸54よりも前側に配置され、2個のハンド連結部57は、第2支点軸55よりも前側に配置されている。また、ハンド18、19は、第1レバー部材52に連結され、ハンド20、21は、第2レバー部材53に連結されている。そのため、前後方向における第1支点軸54あるいは第2支点軸55の両側にハンド連結部56、57が配置されている場合と比較して、基板搭載機構3の構成を簡素化しやすくなる。
【0122】
本形態では、直動部材68が上昇したときのハンド18の上昇量とハンド21の下降量とが略等しく、かつ、ハンド19の上昇量とハンド20の下降量とが略等しい。また、直動部材68が上昇したときのハンド18の上昇量は、ハンド19の上昇量の略2倍であり、直動部材68が上昇したときのハンド21の下降量は、ハンド20の下降量の略2倍である。また、直動部材68が下降したときのハンド18の下降量とハンド21の上昇量とが略等しく、かつ、ハンド19の下降量とハンド20の上昇量とが略等しい。また、ハンド18の下降量は、ハンド19の下降量の略2倍であり、ハンド21の上昇量は、ハンド20の上昇量の略2倍である。そのため、ハンド18〜21が上下動しても、ハンドフォーク13〜17間のピッチを同じピッチで維持することができる。
【0123】
本形態では、前後方向において、第1支点軸54と第2支点軸55とは、略同一位置に配置されている。そのため、第1支点軸54と第2支点軸55とが前後方向でずれている場合と比較して、ハンド18〜21の昇降量の設定が容易になる。また、前後方向において、基板搭載機構3を小型化することが可能になる。
【0124】
本形態では、上下方向から見たときに、フォーク固定部35aとフォーク固定部38aとが前後方向にずれており、フォーク固定部36aとフォーク固定部39aとが前後方向にずれている。また、上下方向から見たときに、フォーク固定部41aとフォーク固定部44aとが前後方向にずれており、フォーク固定部42aとフォーク固定部45aとが前後方向にずれている。そのため、ハンドフォーク13〜17を個別に取り付けたり、取り外したりすることができ、ハンドフォーク13〜17の取付作業を容易に行うことが可能になる。
【0125】
本形態では、上下方向から見たときに、把持部80Aの把持用ローラ85と、把持部80Bの把持用ローラ85とは重なっておらず、左右方向にずれている。そのため、把持用ローラ85の上下方向の厚さが厚い場合であっても、上下方向における把持部80の距離を近づけることが可能になり、基板搭載機構3を上下方向で小型化することが可能になる。
【0126】
本形態では、第1レバー部材52は、第2ベース部材34の右側に配置され、第2レバー部材53は、第2ベース部材34の左側に配置されている。そのため、第1レバー部材52および第2レバー部材53を比較的自由に配置しやすくなる。
【0127】
本形態では、第1レバー部材52に連結されるハンド18、19を案内するガイド部28、29は、第2ベース部材34の右側に配置されている。また、第2レバー部材53に連結されるハンド20、21を案内するガイド部30、31は、第2ベース部材34の左側に配置されている。すなわち、ハンド連結部56の近傍にガイド部28、29が配置され、ハンド連結部57の近傍にガイド部30、31が配置されている。そのため、ハンド18〜21の昇降動作を安定させることができる。
【0128】
本形態では、突出部材63は、固定軸61に回転可能に支持されるローラ62を備えている。そのため、突出部材63と係合溝64aとの摩擦抵抗を軽減することができる。
【0129】
[他の実施の形態]
上述した形態は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
【0130】
上述した形態では、ピッチ変更機構26は、第1レバー部材52と第2レバー部材53との2本のレバー部材を備えている。この他にもたとえば、ピッチ変更機構26が備えるレバー部材の数は1本でも良い。この場合には、たとえば、レバー部材を回動可能に支持する支点軸の前側および後ろ側に2個ずつハンド連結部を配置して、4個のハンド18〜21を上下動させても良い。また、たとえば、レバー部材を回動可能に支持する支点軸よりも前側に4個のハンド連結部を配置して、4個のハンド18〜21を上下動させても良い。また、ピッチ変更機構26が備えるレバー部材の数は3本以上であっても良い。なお、レバー部材を回動可能に支持する支点軸よりも前側に4個のハンド連結部を配置する場合には、一番下に配置されるハンドを固定して、その他のハンドが上下動するようにしても良い。
【0131】
上述した形態では、第1レバー部材52に2個のハンド18、19が連結され、第2レバー部材53に2個のハンド20、21が連結されている。この他にもたとえば、第1レバー部材52および/または第2レバー部材53に連結されるハンドは、1個でも良いし、3個以上であっても良い。すなわち、ロボット1が備えるハンドの数は、5個には限定されない。また、上述した形態では、直動部材68の上下動に伴って、第1レバー部材52と第2レバー部材53とが互いに逆方向に回転しているが、直動部材68の上下動に伴って、第1レバー部材52と第2レバー部材53とが同じ方向に回転しても良い。
【0132】
上述した形態では、第1レバー部材52は第1支点軸54に回動可能に支持され、第2レバー部材53は第2支点軸55に回動可能に支持されている。この他にもたとえば、第1レバー部材52と第2レバー部材53とが共通の支点軸によって回動可能に支持されても良い。また、上述した形態では、第1レバー部材52は、第2ベース部34の右側に配置され、第2レバー部材53は、第2ベース部34の左側に配置されている。この他にもたとえば、第1レバー部材52および第2レバー部材53が第2ベース部34の右側あるいは左側に配置されても良い。また、上述した形態では、前後方向において、第1支点軸54と第2支点軸55とは、略同一位置に配置されているが、前後方向において、第1支点軸54と第2支点軸55とがずれた位置に配置されても良い。
【0133】
上述した形態では、突出部材63が第1レバー部材52、第2レバー部材53に取り付けられ、ガイド部材64がハンド18〜21に固定されている。この他にもたとえば、突出部材63がハンド18〜21に取り付けられ、ガイド部材64が第1レバー部材52、第2レバー部材53に固定されても良い。また、上述した形態では、ローラ76が第2レバー部材53に取り付けられ、係合部材77が直動部材68に固定されている。この他にもたとえば、ローラ76が直動部材68に取り付けられ、係合部材77が第2レバー部材53に固定されても良い。
【0134】
上述した形態では、固定部材35、38、41、44のブロック固定部35c、38c、41c、44cのそれぞれに、上下方向に所定の間隔をあけた状態で2個のガイドブロック51が固定されている。この他にもたとえば、固定部材36、39、42、45のそれぞれに、ガイドブロック51が固定されるブロック固定部が形成されるとともに、固定部材36のブロック固定部とブロック固定部35cとにハンド18を案内するためのガイドブロック51が1個ずつ固定され、固定部材39のブロック固定部とブロック固定部38cとにハンド19を案内するためのガイドブロック51が1個ずつ固定され、固定部材42のブロック固定部とブロック固定部41cとにハンド20を案内するためのガイドブロック51が1個ずつ固定され、固定部材45のブロック固定部とブロック固定部44cとにハンド21を案内するためのガイドブロック51が1個ずつ固定されても良い。
【0135】
すなわち、ハンド18を案内するためのガイドブロック51が接続部材37の左右両側に1個ずつ配置され、ハンド19を案内するためのガイドブロック51が接続部材40の左右両側に1個ずつ配置され、ハンド20を案内するためのガイドブロック51が接続部材43の左右両側に1個ずつ配置され、ハンド21を案内するためのガイドブロック51が接続部材46の左右両側に1個ずつ配置されても良い。この場合には、レール固定溝34cの前端側に固定されるガイドレール50に、ブロック固定部35cに固定されるガイドブロック51と固定部材45のブロック固定部に固定されるガイドブロック51とが係合し、レール固定溝34dの前端側に固定されるガイドレール50に、固定部材36のブロック固定部に固定されるガイドブロック51とブロック固定部44cに固定されるガイドブロック51とが係合し、レール固定溝34cの後端側に固定されるガイドレール50に、ブロック固定部38cに固定されるガイドブロック51と固定部材42のブロック固定部に固定されるガイドブロック51とが係合し、レール固定溝34dの後端側に固定されるガイドレール50に、固定部材39のブロック固定部に固定されるガイドブロック51と、ブロック固定部41cに固定されるガイドブロック51とが係合する。
【0136】
この場合には、接続部材37の左右両側に、ハンド18を案内するためのガイドブロック51が配置され、接続部材40の左右両側に、ハンド19を案内するためのガイドブロック51が配置され、接続部材43の左右両側に、ハンド20を案内するためのガイドブロック51が配置され、接続部材46の左右両側に、ハンド21を案内するためのガイドブロック51が配置されるため、ハンド18〜21を上下方向へ安定した状態で案内することが可能になる。
【0137】
上述した形態では、ガイド部材64に係合溝64aが形成されている。この他にもたとえば、ハンド18〜21が自重で円滑に下降するのであれば、ガイド部材64には、ローラ62の上端が当接する当接部のみが形成されていても良い。すなわち、図12、図13に示すように、係合溝64aの上側面部64bに相当する当接部のみがガイド部材64に形成されても良い。この場合には、この当接部は、突出部材63に係合するガイド部となる。また、上述した形態では、突出部材63はローラ62を備えているが、突出部材63が潤滑性および耐摩耗性に優れた材料で形成されるのであれば、突出部材63は、ローラ62を備えていない突起であっても良い。
【0138】
上述した形態では、直動部材68が昇降したときのハンド18の昇降量とハンド21の昇降量とが略等しく、かつ、ハンド19の昇降量とハンド20の昇降量とが略等しくなっている。この他にもたとえば、直動部材68が昇降したときのハンド18の昇降量とハンド21の昇降量とが異なっていても良いし、ハンド19の昇降量とハンド20の昇降量とが異なっていても良い。すなわち、直動部材68が昇降したときのハンド18の昇降量とハンド21の昇降量とが異なるように、あるいは、直動部材68が昇降したときのハンド19の昇降量とハンド20の昇降量とが異なるように、ハンド連結部56、57が配置されても良い。
【0139】
また、上述した形態では、直動部材68が昇降したときのハンド18の昇降量は、ハンド19の昇降量の略2倍であり、ハンド21の昇降量は、ハンド20の昇降量の略2倍である。この他にもたとえば、直動部材68が昇降したときのハンド18の昇降量は、ハンド19の昇降量の2倍より大きくても良いし、2倍より小さくても良い。同様に、ハンド21の昇降量は、ハンド20の昇降量の2倍より大きくても良いし、2倍より小さくても良い。
【0140】
上述した形態では、直動部材68は、オネジ部材66と、オネジ部材66に係合するナット部材67とによって上下方向に直線状に移動する。この他にもたとえば、ラックとピニオンとを用いて、直動部材68を上下方向に直線状に移動させても良い。また、エアシリンダ等を用いて、直動部材68を上下方向に直線状に移動させても良い。
【0141】
上述した形態では、ロボット1に搬送される基板2は、たとえば、半導体ウェハであるが、基板2は、液晶ディスプレイ用ガラス基板や露光装置で使用されるマスク等であっても良い。
【符号の説明】
【0142】
1 ロボット(産業用ロボット)
2 基板
3 基板搭載機構
13 ハンドフォーク(搭載部、第1搭載部)
14 ハンドフォーク(搭載部、第2搭載部)
15 ハンドフォーク(搭載部、第3搭載部)
16 ハンドフォーク(搭載部、第4搭載部)
17 ハンドフォーク(搭載部)
18 ハンド(可動ハンド、上可動ハンド、第1可動ハンド)
19 ハンド(可動ハンド、上可動ハンド、第2可動ハンド)
20 ハンド(可動ハンド、下可動ハンド、第3可動ハンド)
21 ハンド(可動ハンド、下可動ハンド、第4可動ハンド)
22 ハンド(固定ハンド)
23 ベース部材
26 ピッチ変更機構
28〜31 ガイド部
35、36 固定部材(第1固定部材)
37 接続部材
38、39 固定部材(第2固定部材)
40 接続部材
41、42 固定部材(第3固定部材)
43 接続部材
44、45 固定部材(第4固定部材)
46 接続部材
52 第1レバー部材(レバー部材)
53 第2レバー部材(レバー部材)
54 第1支点軸(支点軸)
55 第2支点軸(支点軸)
56、57 ハンド連結部
58 駆動機構
60 レバー連結部
62 ローラ
63 突出部材
64 ガイド部材
64a 係合溝(ガイド部)
65 モータ
66 オネジ部材
67 ナット部材
68 直動部材
76 ローラ
77 係合部材
77a 係合溝
85 把持用ローラ(第1〜第5把持用ローラ)
X2 搬出方向
Y 直交方向
Z 上下方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の基板が所定のピッチで積層されて収納される収納部から前記基板を搬出する産業用ロボットにおいて、
複数の前記基板が搭載される基板搭載機構を備え、
前記基板搭載機構は、前記基板が搭載され所定のピッチで上下方向に重なるように配置される搭載部を有する複数のハンドと、前記収納部から前記基板を搬出する際に複数の前記ハンドとともに移動するベース部材と、複数の前記搭載部間のピッチを変えるピッチ変更機構とを備えるとともに、前記ハンドとして、前記ベース部材に対して上下方向に相対移動可能な複数の可動ハンドを備え、
前記ピッチ変更機構は、前記収納部からの前記基板の搬出方向と上下方向とに略直交する直交方向を軸方向として配置される支点軸と、前記支点軸に回動可能に支持され前記可動ハンドが連結されるレバー部材と、前記レバー部材の長手方向に沿って前記支点軸から所定の距離だけ離れた位置に配置されるとともに前記可動ハンドと前記レバー部材との連結部となる複数のハンド連結部と、前記レバー部材を回動させるための駆動機構とを備え、
前記駆動機構は、上下方向に直線状に移動する直動部材を備え、
前記レバー部材は、前記直動部材の上下動に伴って前記支点軸を中心にして回動することを特徴とする産業用ロボット。
【請求項2】
前記ハンド連結部は、前記レバー部材または前記可動ハンドの一方に取り付けられ前記直交方向に突出する突出部材と、前記レバー部材または前記可動ハンドの他方に取り付けられ前記突出部材が係合するガイド部を有するガイド部材とを備えることを特徴とする請求項1記載の産業用ロボット。
【請求項3】
前記ピッチ変更機構は、前記レバー部材として、第1レバー部材および第2レバー部材を備え、
前記第1レバー部材の力点は、前記支点軸よりも前記搬出方向の一方側に配置され、前記第2レバー部材の力点は、前記支点軸よりも前記搬出方向の他方側に配置され、
前記第1レバー部材および前記第2レバー部材は、前記直動部材の上下動に伴って互いに逆方向へ回動することを特徴とする請求項1または2記載の産業用ロボット。
【請求項4】
前記基板搭載機構は、前記ハンドとして、前記ベース部材に固定される固定ハンドを備えるとともに、前記可動ハンドとして、前記固定ハンドの前記搭載部の上側に配置される前記搭載部を有する複数の上可動ハンドと、前記固定ハンドの前記搭載部の下側に配置される前記搭載部を有する複数の下可動ハンドとを備え、
前記ハンド連結部は、前記支点軸から前記レバー部材の長手方向の一方向へ向かって配置され、
前記上可動ハンドは、前記第1レバー部材に連結され、前記下可動ハンドは、前記第2レバー部材に連結されていることを特徴とする請求項3記載の産業用ロボット。
【請求項5】
前記基板搭載機構は、前記上可動ハンドとして、上側から順番に配置される第1可動ハンドと第2可動ハンドとを備えるとともに、前記下可動ハンドとして、上側から順番に配置される第3可動ハンドと第4可動ハンドとを備えることを特徴とする請求項4記載の産業用ロボット。
【請求項6】
前記ハンド連結部は、前記レバー部材または前記可動ハンドの一方に取り付けられ前記直交方向に突出する突出部材と、前記レバー部材または前記可動ハンドの他方に取り付けられ前記突出部材が係合するガイド部を有するガイド部材とを備え、
前記ピッチ変更機構は、前記支点軸として、前記第1レバー部材を支持する第1支点軸と、前記第2レバー部材を支持する第2支点軸とを備え、
前記搬出方向において、前記第1レバー部材の力点から前記第1支点軸までの距離と、前記第2レバー部材の力点から前記第2支点軸までの距離とが略等しく、
前記搬出方向において、前記第1可動ハンドと前記第1レバー部材との前記ハンド連結部を構成する前記突出部材から前記第1支点軸までの距離と、前記第4可動ハンドと前記第2レバー部材との前記ハンド連結部を構成する前記突出部材から前記第2支点軸までの距離とが略等しく、
前記搬出方向において、前記第2可動ハンドと前記第1レバー部材との前記ハンド連結部を構成する前記突出部材から前記第1支点軸までの距離と、前記第3可動ハンドと前記第2レバー部材との前記ハンド連結部を構成する前記突出部材から前記第2支点軸までの距離とが略等しく、
前記搬出方向において、前記第1可動ハンドと前記第1レバー部材との前記ハンド連結部を構成する前記突出部材から前記第1支点軸までの距離は、前記第2可動ハンドと前記第1レバー部材との前記ハンド連結部を構成する前記突出部材から前記第1支点軸までの距離の略2倍となっていることを特徴とする請求項5記載の産業用ロボット。
【請求項7】
前記第1支持軸と前記第2支持軸とは、前記搬出方向において、略同一位置に配置されていることを特徴とする請求項6記載の産業用ロボット。
【請求項8】
前記直動部材には、前記第2可動ハンドが固定されるとともに、前記第2レバー部材の端部が連結され、
前記直動部材と前記第2レバー部材との連結部となるレバー連結部は、前記直動部材または前記第2レバー部材の一方に取り付けられ前記直交方向を軸方向として回転するローラと、前記直動部材または前記第2レバー部材の他方に取り付けられ前記ローラが係合する係合溝が形成される係合部材とを備えていることを特徴とする請求項5から7のいずれかに記載の産業用ロボット。
【請求項9】
前記第1可動ハンドは、前記搭載部として、第1搭載部を備えるとともに、前記第1搭載部が固定される第1固定部材を備え、
前記第2可動ハンドは、前記搭載部として、第2搭載部を備えるとともに、前記第2搭載部が固定される第2固定部材を備え、
前記第3可動ハンドは、前記搭載部として、第3搭載部を備えるとともに、前記第3搭載部が固定される第3固定部材を備え、
前記第4可動ハンドは、前記搭載部として、第4搭載部を備えるとともに、前記第4搭載部が固定される第4固定部材を備え、
上下方向から見たときに、前記第1固定部材への前記第1搭載部の固定位置と、前記第2固定部材への前記第2搭載部の固定位置とがずれており、かつ、前記第3固定部材への前記第3搭載部の固定位置と、前記第4固定部材への前記第4搭載部の固定位置とがずれていることを特徴とする請求項5から8のいずれかに記載の産業用ロボット。
【請求項10】
前記基板搭載機構は、前記第1可動ハンドに搭載される前記基板を把持するための第1把持用ローラと、前記第2可動ハンドに搭載される前記基板を把持するための第2把持用ローラと、前記第3可動ハンドに搭載される前記基板を把持するための第3把持用ローラと、前記第4可動ハンドに搭載される前記基板を把持するための第4把持用ローラと、前記固定ハンドに搭載される前記基板を把持するための第5把持用ローラとを備え、
上下方向から見たときに、前記直交方向において、前記第1把持用ローラと前記第2把持用ローラとがずれ、前記第2把持用ローラと前記第5把持用ローラとがずれ、前記第5把持用ローラと前記第3把持用ローラとがずれ、かつ、前記第3把持用ローラと前記第4把持用ローラとがずれていることを特徴とする請求項5から9のいずれかに記載の産業用ロボット。
【請求項11】
前記第1レバー部材は、前記直交方向における前記ベース部材の一方側に配置され、
前記第2レバー部材は、前記直交方向における前記ベース部材の他方側に配置されていることを特徴とする請求項3から10のいずれかに記載の産業用ロボット。
【請求項12】
前記基板搭載機構は、前記第1レバー部材に連結される前記可動ハンドを上下方向へ案内するガイド部を前記直交方向における前記ベース部材の一方側に備え、前記第2レバー部材に連結される前記可動ハンドを上下方向へ案内するガイド部を前記直交方向における前記ベース部材の他方側に備えることを特徴とする請求項11記載の産業用ロボット。
【請求項13】
前記可動ハンドは、前記搭載部が固定される2個の固定部材と、2個の前記固定部材同士を繋ぐ接続部材を備え、
前記第1レバー部材に連結される前記可動ハンドが有する2個の前記固定部材の一方は、前記直交方向における前記ベース部材の一方側に配置されるとともに前記第1レバー部材に連結され、前記第1レバー部材に連結される前記可動ハンドが有する2個の前記固定部材の他方は、前記直交方向における前記ベース部材の他方側に配置され、
前記第2レバー部材に連結される前記可動ハンドが有する2個の前記固定部材の一方は、前記直交方向における前記ベース部材の他方側に配置されるとともに前記第2レバー部材に連結され、前記第2レバー部材に連結される前記可動ハンドが有する2個の前記固定部材の他方は、前記直交方向における前記ベース部材の一方側に配置されていることを特徴とする請求項12記載の産業用ロボット。
【請求項14】
複数の基板が所定のピッチで積層されて収納される収納部から前記基板を搬出する産業用ロボットにおいて、
複数の前記基板が搭載される基板搭載機構を備え、
前記基板搭載機構は、前記基板が搭載され所定のピッチで上下方向に重なるように配置される搭載部を有する複数のハンドと、前記収納部から前記基板を搬出する際に複数の前記ハンドとともに移動するベース部材と、複数の前記搭載部間のピッチを変えるピッチ変更機構とを備えるとともに、前記ハンドとして、前記ベース部材に対して上下方向に相対移動可能な複数の可動ハンドを備え、
前記ピッチ変更機構は、前記収納部からの前記基板の搬出方向と上下方向とに略直交する直交方向を軸方向として配置される支点軸と、前記支点軸に回動可能に支持され前記可動ハンドに連結される2本のレバー部材と、前記可動ハンドと前記レバー部材との連結部となるハンド連結部と、2本の前記レバー部材を回動させるための駆動機構とを備え、
前記駆動機構は、上下方向に直線状に移動する直動部材を備え、
2本の前記レバー部材は、前記直動部材の上下動に伴って前記支点軸を中心にして互いに逆方向に回動することを特徴とする産業用ロボット。
【請求項15】
前記ハンド連結部は、前記レバー部材または前記可動ハンドの一方に取り付けられ前記直交方向に突出する突出部材と、前記レバー部材または前記可動ハンドの他方に取り付けられ前記突出部材が係合するガイド部を有するガイド部材とを備えることを特徴とする請求項14記載の産業用ロボット。
【請求項16】
前記突出部材は、前記直交方向を軸方向として回転するローラを備えていることを特徴とする請求項2または15記載の産業用ロボット。
【請求項17】
前記駆動機構は、駆動源となる1個のモータと、前記モータの動力で回転する1本のオネジ部材と、前記直動部材に取り付けられ前記オネジ部材に係合する1個のナット部材とを備えることを特徴とする請求項1から16のいずれかに記載の産業用ロボット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2010−179419(P2010−179419A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−25949(P2009−25949)
【出願日】平成21年2月6日(2009.2.6)
【出願人】(000002233)日本電産サンキョー株式会社 (1,337)
【Fターム(参考)】