説明

産業用車両の操舵装置

【課題】配管装置や油圧機器を簡略化できてコストを低減できる。
【解決手段】運転席5F,5Bのステアリングホイール6F,6Bの操舵角度を検出し、この操舵角に基いて車輪装置3La〜3Ld,3Ra〜3Rdの走行車輪4を転舵する旋回用モータ10を制御する産業用車両の操舵装置において、ステアリングホイール6F,6Bにより回転されるステアリングシャフト21の回転方向と回転角度に応じて所定量のオイルを2つの操作ポートP1,P2の間で吐出・吸引するハンドリング用制御弁23と、ハンドリング用制御弁23の両操作ポートP1,P2を互いに接続する循環配管28と、循環配管29に介在されて流路抵抗を調整しステアリングシャフト21の回転抵抗を調整可能な絞り弁29とを具備した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、独立換向式の複数の車輪装置を有し、たとえば荷を搭載して運搬する産業用車両の操舵装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、独立換向式の車輪装置を有する産業用車両の操舵装置は、ステアリングホイールの操舵角をロータリーエンコーダなどの回転角度検出器で電気的に検出し、検出した操舵角に基いて操舵制御装置により目標舵角を演算し、操舵制御装置から各車輪装置のステアリング用の旋回駆動装置に目標舵角指令を出力して車輪を転舵するように構成されている。この時のステアリングホイールの抵抗はロータリーエンコーダを回転させるのみで操作力が極めて小さくてすむため、ステアリングホイールの操舵速度に車輪の転舵速度が追従できず、ステアリングホイールの操舵角と車輪の転舵角とが比例しないと、車輪が思わぬ方向に向いてしまい、ステアリングがスムーズに行えないという問題が生じる。
【0003】
このため、本出願人は、特許文献1において、ステアリングホイールに油圧式操舵用制御弁[オービットロール(登録商標)またはハイドロ・スタテック・パワーステアリングと呼ばれる]を連結し、この油圧式操舵用制御弁を介して供給、排出される油圧を、選択された1つの車輪装置の旋回駆動装置の旋回駆動シリンダに供給し、車輪を転舵することにより、車輪の転舵抵抗に応じた回転抵抗、回転重さ(重み付け)をステアリングホイールに与える操舵装置を提案している。
【特許文献1】特開2002−302056
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に示すように、大型の荷を運搬する運搬用車両では、車体の前部と後部とにそれぞれ運転席を設置し、走行方向に応じて使い分けるように構成されている。これら前部または後部の運転席のステアリングホイール付きシャフトに設けられた操舵用制御弁から、油圧を1つの車輪装置の旋回駆動シリンダに供給し、ステアリングホイールを重み付けしている。この車輪装置の旋回駆動シリンダと他の車輪装置の旋回駆動シリンダへの油圧駆動力は均等に供給する必要があることから、単一の油圧ユニットから全体の各車輪装置にそれぞれ油圧を供給する配管装置が必要となる。
【0005】
ところで大型の運搬用車両は、前後の運転席間の距離がたとえば10m前後あり、操舵用の油圧を給排出するための配管装置が車両全体にわたって必要となる。このため、ステアリングホイールの重み付けのための配管装置や油圧機器(油圧ポンプやフィルタ、操舵用シリンダ、比例制御弁など)に、部品コスト、メンテナンスなどが嵩むという問題があった。
【0006】
本発明は上記問題点を解決して、配管装置や油圧機器を簡略化できてコストを低減できる産業用車両の操舵装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の発明は、車体の前後方向に配置された複数組の独立換向式車輪装置と、車体の前部および後部に配置されてステアリングホイールを有する運転席とを有し、前記ステアリングホイールにより回転されるステアリングシャフトの操舵角を回転角度検出器により検出し、前記操舵角に基いて車輪装置の操舵用旋回駆動装置を制御する産業用車両の操舵装置において、前記ステアリングシャフトの回転方向と回転角度に応じて所定量の作動流体を2つの操作ポートの間で吐出・吸引するハンドリング用制御弁と、前記ハンドリング用制御弁の2つの操作ポートを互いに接続する循環配管と、前記循環配管に介在されて流路抵抗を調整しステアリングシャフトに回転抵抗を与えてステアリングホイールを重み付け可能な絞り弁とを具備したものである。
【0008】
請求項2記載の発明は、循環配管に、ステアリングシャフトの回転限で該循環配管を閉鎖する回転限規制用開閉弁を介在させたものである。
請求項3記載の発明は、車体の前後方向に配置された複数組の独立換向式車輪装置と、車体の前部および後部に配置されてステアリングホイールを有する運転席とを有し、前記ステアリングホイールにより回転されるステアリングシャフトの操舵角を回転角度検出器により検出し、前記操舵角に基いて車輪装置の操舵用旋回駆動装置を制御する産業用車両の操舵装置において、前記ステアリングシャフトの回転方向と回転角度に応じて所定量の作動流体を2つの操作ポートの間で吐出・吸引するハンドリング用制御弁と、前記ハンドリング用制御弁の2つの操作ポートを互いに接続する循環配管と、前記循環配管に介在されて流路抵抗を調整しステアリングシャフトに回転抵抗を与えてステアリングホイールを重み付け可能なハンドリング用比例制御弁とを具備し、車体の荷重を検出する荷重検出器の検出値に基いて、前記ハンドリング用比例制御弁の開度を調整する重み付け制御部を設けたものである。
【0009】
請求項4記載の発明は、荷重検出器は、車輪装置のサスペンションシリンダの油圧に基いて検出するように構成されたものである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載の発明によれば、ステアリングホイールの回転方向(操舵方向)と回転角度(操舵角度)に応じて、ハンドリング用制御弁から所定方向に所定量の作動流体を循環配管に流動させ、この循環配管の絞り弁を開度調整することで循環配管の流路抵抗を調整してステアリングホイールを重み付けをすることができる。したがって、車輪装置の操舵用回転駆動装置の油圧配管とは別に、運転席ごとにハンドリング用制御弁と循環配管を有する作動流体の油圧回路を独立して設置すればよい。これにより車両全体にわたる配管装置を不要とすることができ、また油圧機器を簡略化できて部品コストやメンテナンスコストを低減することができる。
【0011】
請求項2記載の発明によれば、回転限規制用開閉弁により、従来に比較して簡単な構造でかつ小電力でステアリングホイールの操作を回転限で規制することができる。
請求項3記載の発明によれば、請求項1と同様の効果を奏するとともに、荷重検出器の検出値に基いて重み付け制御部により、循環配管に介在されたハンドリング用比例制御弁の開度を調整して循環配管の流路抵抗を増減することにより、車体に負荷された荷重に応じてステアリングホイールに重み付けをすることができる。したがって、車体の荷重に応じたハンドリングが可能となり、安全に走行することができる。
【0012】
請求項4記載の発明によれば、過大荷重を検出するために車輪装置に設けられたサスペンションシリンダの油圧を検出する荷重検出器を利用して、車体の荷重を検出し、その検出値に基いてハンドリング用比例制御弁を制御するように構成したので、通常の設置される荷重検出器を利用できて部品コストの低減に寄与することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[実施の形態1]
大型の荷を運搬する運搬用車両の操舵装置を、図1〜図4に基いて説明する。図3,図4に示すように、上面が荷台2に形成された車体1の底部に、走行車輪4を有する独立換向式の車輪装置3La〜3Ld,3Ra〜3Rdが左右一対で前後に複数組(図では4組)設けられている。また車体1の底部で前部および後部には、操舵用のステアリングホイール6F,6Bを有する運転席5F,5Bがそれぞれ設けられている。
【0014】
前記車輪装置3La〜3Ld,3Ra〜3Rdは、図1に示すように、車体1の底部に油圧式の旋回用モータ(操舵用旋回駆動装置)10により旋回自在な旋回アーム7が支持され、旋回アーム7の下端部に水平軸を介して揺動アーム8が上下揺動自在に取付けられている。前記揺動アーム8の遊端側には、軸受を介して走行車輪4が回転自在に支持されるとともに、走行車輪4に減速用ギヤボックス9を介して連結され走行車輪4を回転駆動する油圧式の走行用モータ11が設けられている。また旋回アーム7と揺動アーム8の間に油圧式のサスペンションシリンダ12が連結配置されている。
【0015】
操舵装置は、図1に示すように、各車輪装置3La〜3Ld,3Ra〜3Rdの走行車輪4をそれぞれ転舵するための操舵用油圧回路40と、ステアリングホイール6F,6Bの重み付けを制御するためのハンドリング用油圧回路20F,20Bとを具備している。前記運転席5F,5Bのステアリングホイール6F,6Bには、ステアリングシャフト21,21を介してロータリーエンコーダ(回転角度検出器)22とハンドリング用制御弁[オービットロール(登録商標)またはハイドロ・スタテック・パワーステアリングと呼ばれる]23がそれぞれ連結されている。
【0016】
前記操舵用油圧回路40は、ステアリング用タンク41から油圧ポンプ42を介して油圧を供給するステアリング用配管43が、各車輪装置3La〜3Ld,3Ra〜3Rdの操舵用比例弁44を介して旋回用モータ10にそれぞれ接続されている。また前記ロータリーエンコーダ22により検出されたステアリングホイール6F,6Bの操舵角は、それぞれ電気信号として操舵用制御部45に送られている。操舵用制御部45では、前記操舵角に基いて各車輪装置3La〜3Ld,3Ra〜3Rdの目標舵角がそれぞれ演算され、各車輪装置3La〜3Ld,3Ra〜3Rdの操舵用比例弁44に舵角指令が出力されて旋回用モータ10が駆動制御される。
【0017】
図2に示すように、前記ハンドリング用油圧回路20F,20Bは、ハンドリング用タンク27と前記ハンドリング用制御弁23とを接続する供給管26Aおよび排出管26Bと、ハンドリング用制御弁23の操作ポートP1,P2を互いに接続する循環配管28とを具備している。
【0018】
前記ハンドリング用制御弁23は、スプールとハウジングからなるステアバルブ24と、ローターとステータからなる2方向油圧ポンプ25とでそれぞれ構成されている。前記ステアバルブ24は、3位置切換弁であり、ステアリングシャフト21の回転方向に応じてI位置⇔II位置(中立位置)⇔III位置に切替えられ、オイルの供給排出方向を選択する。また2方向油圧ポンプ25は、ステアリングシャフト21の回転角度に応じて、所定量のオイル(作動流体)を吸引・排出する。これにより、ステアリングホイール6F,6Bが操作されると、所定量のオイルをハンドリング用制御弁23の供給ポートQ1から吸引して他方の操作ポートP2(または一方の操作ポートP1)に吐出すると同時に、一方の操作ポートP1(または他方の操作ポートP2)から吸引して排出ポートQ2に吐出する。前記供給ポートQ1および排出ポートQ2に接続された供給管26Aと排出管26Bは、運転席5F,5B近傍にそれぞれ設けられたハンドリング用タンク27にそれぞれ接続されている。
【0019】
また前記循環配管28には、(可変)絞り弁29と回転限規制用開閉弁30がそれぞれ介在されている。前記絞り弁29は、たとえば手動式で、循環配管28の流路抵抗を調整してステアリングシャフト21に回転抵抗を与えステアリングホイール6F,6Bを重み付けするものである。また回転限規制用開閉弁30は、ロータリーエンコーダ22により検出されたステアリングホイール6F,6Bの操舵角が回転限に達したのを回転限規制部31で検出すると、閉鎖指令が回転限規制用開閉弁30に出力され、循環配管28を閉じてオイルの移動を停止しステアリングホイール6F,6Bの回転限とする。
【0020】
上記構成において、選択された前部または後部の運転席5F(または5B)のステアリングホイール6F(または6B)が操作されると、ステアリングシャフト21を介してロータリーエンコーダ22により回転方向(操舵方向)と回転角度(操舵角)が検出されて操舵用制御部45に入力される。そして操舵用制御部45で演算された目標舵角指令が各車輪装置3La〜3Ld,3Ra〜3Rdの操舵用比例弁44に出力され、これにより旋回用モータ10が駆動制御されて走行車輪4が転舵される。
【0021】
同時に、ステアリングシャフト21を介してハンドリング用制御弁23が操作されると、その回転方向および回転量(角度)に応じてステアバルブ24が切替えられるとともに2方向油圧ポンプ25が作動され、ハンドリング用タンク27のオイルが所定量、供給管26A、ステアバルブ24、循環配管28を介して2方向油圧ポンプ25に吸引され、さらに2方向油圧ポンプ25から循環配管28、ステアバルブ24、排出管26Bを介してハンドリング用タンク27に循環される。この時、循環配管28に介在された絞り弁29により、流路抵抗を調整することでステアリングシャフト21の回転に抵抗を付与し、ステアリングホイール6F,6Bを重み付けする。このステアリングホイール6F,6Bの重み付けは手動により調整される。
【0022】
さらにステアリングホイール6Fまたは6Bが回転限に達すると、ロータリーエンコーダ22で検出された操舵角に基いて、回転限規制部31から回転限規制用開閉弁30に閉鎖指令が出力されて循環配管28が閉鎖される。これによりステアリングホイール6Fまたは6Bが回転限で停止される。
【0023】
上記実施の形態1によれば、ステアリングホイール6F,6Bの重み付けを、ステアリングシャフト21に連結されたハンドリング用制御弁23から循環配管28を流れるオイルの流路抵抗を絞り弁29で調整することにより行うので、ステアリングホイール6F,6Bを有する運転席5F,5B毎にハンドリング用油圧回路20F,20Bを独立して設置することができ、車輪装置3La〜3Ld,3Ra〜3Rdの操舵用油圧回路40とは別に独立させることができる。したがって、前部と後部に離れて運転席5F,5Bが設置された場合であっても、運転席5F,5B間にわたる長く複雑な配管装置(油圧回路)が不要となり、配管装置や油圧機器を簡略化できてコストを低減することができる。
【0024】
またステアリングホイール6F,6Bの回転限で、回転限規制用開閉弁30により循環配管28を閉鎖することで、ステアリングホイール6F,6Bの操作を回転限で規制することができ、従来に比較して、簡単な構造でかつ小電力で実施することができる。
[実施の形態2]
実施の形態1では、手動で絞り弁29を操作することにより、ステアリングホイール6F,6Bの重み付けを調整したが、この実施の形態2では、荷台2に積載された荷重に応じて自動的にステアリングホイール6F,6Bの重み付け調整を行うことができるものである。なお、実施の形態1と同一部材には同一符号を付して説明を省略する。
【0025】
図5は、前部の運転席5Fを示し、後部の運転席5Bと同一に構成されている。各車輪装置3La〜3Ld,3Ra〜3Rdのサスペンションシリンダ12は、荷重検出器13により、荷台2に積載された荷の荷重を検出しており、図示しないが、最大積載荷重以上の負荷が荷台2にかかると、警告ランプやブザーなどにより警告を発する警告手段の一部を構成している。
【0026】
ハンドリング用制御弁23の循環配管28には、回転限規制用開閉弁30に代えて、ハンドリング用比例制御弁52が介在されている。また荷重検出器13の出力信号に基いて、ハンドリング用比例制御弁52に操作信号を出力する重み付け制御部51が設けられている。この重み付け制御部51により、荷重検出器13の検出値が大きい場合にはハンドリング用比例制御弁52を絞って循環配管28の流路抵抗を増大させ、ステアリングホイール6Fの回転抵抗を大きくするように制御し、反対に荷重検出器13の検出値が小さい場合には、ハンドリング用比例制御弁52を開放して循環配管28の流路抵抗を小さくし、ステアリングホイール6Fの回転抵抗を小さくするように制御される。またこの重み付け制御部51には、ロータリーエンコーダ22の検出信号が入力されており、ステアリングホイール6Fが回転限になると、重み付け制御部51からハンドリング用比例制御弁52に閉鎖指令が出力されて循環配管28を閉鎖し、ステアリングホイール6Fの回転を規制するように構成されている。
【0027】
上記実施の形態によれば、実施の形態1の作用効果に加えて、荷重検出器13の検出値に基いて重み付け制御部51によりハンドリング用比例制御弁52を操作し、ステアリングホイール6F,6Bの操作時の回転重さを自動的に調整することができる。これにより、荷の重さに従ってハンドリングの操舵速度を自動的に調整することができ、重い荷を運搬する時には、ステアリングホイール6F,6Bの操作を重くして走行車輪4の転舵速度を遅くし、軽い荷の場合には、ステアリングホイール6F,6Bの操作を軽くして走行車輪4の転舵速度を速くし、安全でかつ能率のよい運搬が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明に係る運搬用車両の操舵装置の実施の形態1を示す全体構成図である。
【図2】同操舵装置のハンドリング用油圧回路の構成図である。
【図3】同運搬用車両の側面図である。
【図4】同運搬用車両の平面図である。
【図5】本発明に係る運搬用車両の操舵装置の実施の形態2を示し、ハンドリング用油圧回路の構成図である。
【符号の説明】
【0029】
1 車体
2 荷台
3La〜3Ld,3Ra〜3Rd 車輪装置
4 走行車輪
5F,5B 運転席
6F,6B ステアリングホイール
12 サスペンションシリンダ
13 荷重検出器
20F,20B ハンドリング用油圧回路
21 ステアリングシャフト
22 ロータリーエンコーダ
23 ハンドリング用制御弁
24 ステアバルブ
25 2方向油圧ポンプ
27 ハンドリング用タンク
28 循環配管
29 絞り弁
30 回転限規制用開閉弁
31 回転限規制部
40 操舵用油圧回路
44 操舵用比例弁
45 操舵用制御部
51 重み付け制御部
52 ハンドリング用比例制御弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体の前後方向に配置された複数組の独立換向式車輪装置と、車体の前部および後部に配置されてステアリングホイールを有する運転席とを有し、前記ステアリングホイールにより回転されるステアリングシャフトの操舵角を回転角度検出器により検出し、前記操舵角に基いて車輪装置の操舵用旋回駆動装置を制御する産業用車両の操舵装置において、
前記ステアリングシャフトの回転方向と回転角度に応じて所定量の作動流体を2つの操作ポートの間で吐出・吸引するハンドリング用制御弁と、
前記ハンドリング用制御弁の2つの操作ポートを互いに接続する循環配管と、
前記循環配管に介在されて流路抵抗を調整しステアリングシャフトに回転抵抗を与えてステアリングホイールを重み付け可能な絞り弁とを具備した
ことを特徴とする産業用車両の操舵装置。
【請求項2】
循環配管に、ステアリングシャフトの回転限で該循環配管を閉鎖する回転限規制用開閉弁を介在させた
ことを特徴とする請求項1記載の産業用車両の操舵装置。
【請求項3】
車体の前後方向に配置された複数組の独立換向式車輪装置と、車体の前部および後部に配置されてステアリングホイールを有する運転席とを有し、前記ステアリングホイールにより回転されるステアリングシャフトの操舵角を回転角度検出器により検出し、前記操舵角に基いて車輪装置の操舵用旋回駆動装置を制御する産業用車両の操舵装置において、
前記ステアリングシャフトの回転方向と回転角度に応じて所定量の作動流体を2つの操作ポートの間で吐出・吸引するハンドリング用制御弁と、
前記ハンドリング用制御弁の2つの操作ポートを互いに接続する循環配管と、
前記循環配管に介在されて流路抵抗を調整しステアリングシャフトに回転抵抗を与えてステアリングホイールを重み付け可能なハンドリング用比例制御弁とを具備し、
車体の荷重を検出する荷重検出器の検出値に基いて、前記ハンドリング用比例制御弁の開度を調整する重み付け制御部を設けた
ことを特徴とする産業用車両の操舵装置。
【請求項4】
荷重検出器は、車輪装置のサスペンションシリンダの油圧に基いて検出するように構成された
ことを特徴とする請求項3記載の産業用車両の操舵装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−1429(P2006−1429A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−180351(P2004−180351)
【出願日】平成16年6月18日(2004.6.18)
【出願人】(000003241)TCM株式会社 (319)
【Fターム(参考)】