説明

スイッチ回路装置およびその製造方法

【課題】 HBTは、HEMTより低オン抵抗を得ることができる。しかし各単位素子において動作上の微小なアンバランスから二次降伏による破壊を起こすため、信頼性が低い問題があった。
【解決手段】 単位HBTのベース電極に、ベース層に連続した抵抗層により形成されたバラスト抵抗を接続する。そしてHBTとバラスト抵抗が接続された単位素子を複数並列接続し、スイッチング素子を構成する。これにより各単位素子において単位HBTの発熱が直接バラスト抵抗に伝わる。抵抗は負の温度係数を持つため、単位HBTが発熱するとそれに接続するバラスト抵抗の抵抗値が大きくなりバラストとしての機能が増す。従って、HBTによるスイッチ回路装置において二次降伏による破壊を回避し、信頼性を大幅に向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘテロ接合型バイポーラトランジスタを用いたスイッチ回路装置およびその製造方法に係り、特に温度補償型のスイッチ回路装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ヘテロ接合型バイポーラトランジスタ(Heterojunction Bipolar Transistor:以下HBT)は、通常のホモ接合型バイポーラトランジスタに比べエミッタ効率が高く電流増幅率hFEが高いためベース濃度を大幅に上げることができ、ベース全体に渡ってトランジスタ動作を均一にできる。その結果、GaAs MESFET(Metal Semiconductor Field Effect Transistor)、GaAs JFET(Junction FET)、HEMT(High Electron Mobility Transistor)と比較して電流密度が高く低オン抵抗のため、効率性、利得性、歪特性が優れている。
【0003】
携帯電話等の移動体用通信機器では、高効率、小型の高周波スイッチング素子が不可欠となる。そこで、図13のごとく、双方向のヘテロ接合型バイポーラトランジスタをスイッチング素子としてスイッチ回路を構成したものが知られている。
【0004】
図13は、HBTをスイッチング素子として使用した、スイッチ回路の一例を示している。図13(A)が回路図であり図13(B)がHBTの構造を示す断面図である。
【0005】
図13(A)の如く、この回路はエミッタがアンテナANTに接続される第1のHBT320と、コレクタがアンテナANTに接続される第2のHBT321とを具備し、第1のHBT320のコレクタが発信用側回路Txに接続される。また第2のHBT321のエミッタが受信側回路Rxに接続され、HBT320、321の各ベースが抵抗122を介して発信用制御端子CtrlTxと受信用制御端子CtrlRxに各々接続される。
【0006】
図13(B)の如く、半絶縁性のGaAs基板310上にn型GaAsサブコレクタ層311が形成され、サブコレクタ層311上にn型AlGaAsコレクタ層312、p型GaAsベース層313、n型AlGaAsエミッタ層314、n型GaAsエミッタコンタクト層315等がメサ型に積層されて構成されている。
【0007】
サブコレクタ層311の表面には、コレクタ層312を挟む位置に、コレクタ電極316が配置される。ベース層313の表面には、エミッタ層314を挟む位置に、ベース電極317が配置される。エミッタコンタクト層315の上部にはエミッタ電極318が配置される。
【特許文献1】特開2000−260782号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
HBTのエミッタ電極318、ベース電極317、コレクタ電極316は櫛状に形成される。そして図13(B)に示した構造を1つの単位素子とし、複数の単位素子を並列に接続してスイッチング素子などの能動素子が構成される。
【0009】
HBTは、ベース−エミッタ間電流が正の温度係数を持つため、コレクタ電流も正の温度係数を持つ。従って、ベース電流を増加させて電流密度の向上を図ると、複数並列接続されたHBTの単位素子のうち、1つの単位素子に電流が集中して二次降伏を起し、破壊に至りやすくなる。
【0010】
従来ではこのような信頼性上の問題を回避するため、電流密度を十分向上させることができない問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明はかかる課題に鑑みてなされ、第1に、化合物半導体基板に複数積層され、少なくとも1つのヘテロ接合を形成する半導体層と、前記基板に設けられ、前記半導体層をコレクタ層、ベース層、エミッタ層としコレクタ電極、ベース電極、エミッタ電極を有するトランジスタと、前記基板に設けられ、前記ベース層に連続する抵抗層と、前記トランジスタの前記ベース電極に前記抵抗層を接続した単位素子と、前記単位素子を並列に接続したスイッチング素子と、前記スイッチング素子のコレクタ電極またはエミッタ電極に接続する第1RFポートと、前記スイッチング素子のエミッタ電極またはコレクタ電極に接続する複数の第2RFポートと、を具備し、前記スイッチング素子のベース電極に印加される制御信号により前記第1および第2RFポート間に信号経路を形成することにより解決するものである。
【0012】
第2に、化合物半導体基板に少なくとも1つのヘテロ接合を形成する複数の半導体層を積層する工程と、前記各半導体層をメサエッチングし、コレクタ層、ベース層、エミッタ層を形成する工程と、前記ベース層に連続する抵抗層を形成する工程と、オーミック金属層により、前記コレクタ層、ベース層、エミッタ層とそれぞれ接続するコレクタ電極、ベース電極、エミッタ電極を形成してトランジスタを形成する工程と、配線金属層により、前記抵抗層と他の前記抵抗層を接続し、前記トランジスタと他の前記トランジスタを接続する配線を形成する工程と、を具備することにより解決するものである。
【発明の効果】
【0013】
本実施形態によれば、単位HBTのベース層に連続する抵抗層により形成されたバラスト抵抗を単位HBTのベース電極に接続した素子を単位素子とし、単位素子を複数並列接続してスイッチング素子を構成する。これにより各単位素子において単位HBTの発熱が直接バラスト抵抗に伝わる。抵抗は負の温度係数を持つため、ある単位HBTが発熱するとそれに接続するバラスト抵抗の抵抗値が大きくなり、バラストとしての機能がより向上する。従って、HBTによるスイッチ回路装置において二次降伏による破壊を回避し、信頼性を大幅に向上させることができる。またベース電極に高周波信号が入力されることはないためベースにバラスト抵抗を接続しても、直接的にはスイッチ回路装置の高周波特性には影響しない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に図1から図12を用いて、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0015】
まず、図1から図6を用いて第1の実施形態を説明する。
【0016】
図1は本実施形態のスイッチング回路装置の回路図を示す。スイッチング回路装置は、例えば、SPDT(Single Pole Double Throw)スイッチMMICである。
【0017】
第1スイッチング素子SW1は、複数の単位素子100が並列接続する。各単位素子100は、最小の要素で構成されるHBT(以下単位HBTと称する。)101のベースにバラスト抵抗102を接続したものである。バラスト抵抗102の抵抗値は数百〜数KΩ程度である。また、第2スイッチング素子SW2も複数の単位素子100が並列接続して構成される。単位HBT101については後述する。
【0018】
第1スイッチング素子SW1、第2スイッチング素子SW2を構成する各単位素子100のコレクタが共通で、第1RFポートに接続する。第1RFポートは、例えば共通入力端子INである。
【0019】
また、第1スイッチング素子SW1を構成する各単位素子100のエミッタ電極、および第2スイッチング素子SW2を構成する各単位素子100のエミッタ電極がそれぞれ第2RFポートに接続される。第2RFポートは例えば第1出力端子OUT1と第2出力端子OUT2である。
【0020】
第1および第2スイッチング素子SW1、SW2を構成する各単位素子100のベース電極は、それぞれ分離素子30を介して制御端子に接続する。つまり、第1スイッチング素子SW1を構成する単位素子100のベース電極が第1制御端子Ctl1に接続し、第2スイッチング素子SW2を構成する単位素子100のベース電極が第2制御端子Ctl2に接続する。分離素子30は抵抗であり、交流接地となる制御端子Ctl1、Ctl2の直流電位に対して、ベース電極を介して高周波信号が漏出することを防止する目的で配置されている。分離素子30の抵抗値は5KΩ〜10KΩ程度である。
【0021】
第1制御端子Ctl1および第2制御端子Ctl2に印加される制御信号が相補信号の場合を説明する。その場合、第1制御端子Ctl1の信号がHレベル(例えば3V)の時は第2制御端子Ctl2の信号がLレベル(例えば、0V)になる。そして、Hレベルが印加された側のスイッチング素子が導通し、第1RFポートおよび第2RFポート間に信号経路を形成する。
【0022】
例えば、第1制御端子Ctl1にHレベルの信号が印加されると、第1スイッチング素子SW1の単位HBT101のベース−エミッタ間電圧が単位HBT101のオン電圧VBEを上まわり、単位HBT101がオンする。
【0023】
このとき、第2制御端子Ctl2はLレベルの信号が印可されるので、第2スイッチング素子SW2は動作しない。これにより、共通入力端子IN−第1出力端子OUT1間に1つの信号経路が形成され、例えば共通入力端子INに入力された高周波アナログ信号が第1出力端子OUT1より出力される。
【0024】
一方第2制御端子Ctl2にHレベルの信号が印可されると、共通入力端子IN−第2出力端子OUT2間に1つの信号経路が形成される。
【0025】
第1および第2スイッチング素子SW1、SW2のエミッタ電極およびコレクタ電極にはバイアスポイントBPをそれぞれ接続する。バイアスポイントBPは、第1スイッチング素子SW1および第2スイッチング素子SW2のエミッタ電極およびコレクタ電極に等しいバイアス電位(例えばGND電位)を印加する。
【0026】
そして、第1および第2スイッチング素子SW1、SW2のエミッタ電極とバイアスポイントBP間、および第1および第2スイッチング素子SW1、SW2のコレクタ電極とバイアスポイントBP間にそれぞれ高周波信号の分離素子30を接続する。分離素子30は、例えば抵抗値5KΩから10KΩの抵抗であり、バイアス電位(GND電位)に対して高周波信号が漏れることを防止する。
【0027】
以下、図1の回路動作について、説明する。単位HBT101のオン電圧(ベース−エミッタ間電圧)VBEは例えば1.6Vとする。単位HBT101は、ベース電極の電位がエミッタ電極およびコレクタ電極の電位より、1.6V以上高くなった時点でオンする。ここでは単位HBT101のエミッタ電極およびコレクタ電極の電位はGND電位(0V)としている。
【0028】
例えば第1制御端子Ctl1に3Vが印加されると、オン側のスイッチング素子(第1スイッチング素子SW1)では、第1制御端子Ctl1と、単位HBT101のエミッタ電極およびコレクタ電極の電位との電位差は3V(=3V−0V)となる。これは、第1スイッチング素子SW1の単位HBT101がオンする電位(1.6V)より十分高い。
【0029】
バイアスポイントBPに接続する分離素子30である抵抗の抵抗値は5〜10KΩ程度である。この抵抗を流れるベース電流によって電圧ドロップが発生するが、それを考慮しても第1制御端子Ctl1より印加される電位によって第1スイッチング素子SW1の単位HBT101は十分オンし、エミッタ−コレクタ間が導通する。
【0030】
一方オフ側(第2スイッチング素子SW2)は単位HBT101のエミッタ電極およびコレクタ電極の電位0V(GND)に対して、ベース電極の電位は0Vである。制御端子Ctlの電位が単位HBT101のエミッタ電極およびコレクタ電極の電位より1.6V以上高くなった時点で第2スイッチング素子SW2の単位HBT101がオンするため、オフ側の単位HBT101は1.6Vの振幅のパワーに耐えることができる。1.6Vの振幅は20.1dBmのパワーに対応し、無線LANやBluetoothに用途に十分使用できる。
【0031】
以上、第1の実施形態のスイッチング回路装置の動作として、第1制御端子Ctl1および第2制御端子Ctl2に印加される制御信号が相補信号であって、第1スイッチング素子SW1および第2スイッチング素子SW2のどちらかが導通する場合を示した。
【0032】
しかし第1制御端子Ctl1および第2制御端子Ctl2に印加される制御信号が両方Lレベルの場合もある。両方LレベルのときはSW1およびSW2が両方遮断する。
【0033】
またここではRFポートである共通入力端子IN、第1出力端子OUT1、第2出力端子OUT2をGND電位としている。FETをスイッチング素子とするスイッチ回路装置はRFポートがGND電位にできないため、RFポートに外付けで容量を接続する必要がある。しかし、本実施形態ではその必要がなく、FETをスイッチング素子とするスイッチ回路装置に比べ実装面積を減らすことができる。
【0034】
図2は、図1の回路を化合物半導体基板に集積化したスイッチMMICのパターン例を示す。
【0035】
GaAs基板にスイッチを行う第1および第2スイッチング素子SW1、SW2を配置する。また共通入力端子IN、第1出力端子OUT1、第2出力端子OUT2、第1制御端子Ctl1、第2制御端子Ctl2、接地端子GNDとなる各パッドI、O1、O2、C1、C2、Gが基板の周辺に設けられている。
【0036】
第1スイッチング素子SW1側と第2スイッチング素子SW2および各パッドは、チップの中心に対して対称に配置されている。従って、以下第1スイッチング素子SW1側について説明するが第2スイッチング素子SW2側も同様である。
【0037】
第1スイッチング素子SW1は、単位素子100を複数並列接続して構成され、各単位素子100は単位HBT101およびバラスト抵抗102からなる。単位HBT101およびバラスト抵抗102は、基板に複数の半導体層を積層し、各半導体層を所定のメサ構造にして形成される。また、半導体層よりなる不純物領域によって抵抗などのスイッチMMICを構成する素子が形成される。尚、後述するが本実施形態の不純物領域は、基板に達する分離領域20を設けることにより形成される。
【0038】
単位HBT101の1層目のエミッタ電極9、ベース電極8、コレクタ電極7は、オーミック金属層により櫛状に形成される。2層目のエミッタ電極15およびコレクタ電極13は配線金属層により形成され、エミッタ電極15は1層目のエミッタ電極9と同様の櫛状に形成される。2層目のコレクタ電極13は、コレクタ配線130により他の単位HBT101のコレクタ電極13と接続し、共通入力端子パッドIに接続する。2層目のエミッタ電極15上には金メッキ層によるエミッタ配線150が形成され、他の単位HBT101のエミッタ電極15と接続し、第1出力端子パッドO1に接続する。またコレクタ配線130上にも金メッキ層が重畳されている。
【0039】
単位HBT101はベース電流を引き込むため、エミッタ電極9、15およびコレクタ電極7、13をバイアスポイントBPとなるGNDパッドGに接続する。エミッタ電極15はエミッタ配線150により第1出力端子パッドO1に共通接続されている。従って出力端子パッドO1とGNDパッドGを接続することによりエミッタ電極9、15をバイアスポイントBPに接続できる。またコレクタ電極13はコレクタ配線130により共通接続されている。従ってコレクタ配線130とGNDパッドGを分離素子30の抵抗を介して接続することによりコレクタ電極7、13をバイアスポイントBPに接続できる。バイアスポイントBP(GNDパッドG)は、図2の如く第1出力端子パッドO1と第2出力端子パッドO2の間で、共通入力端子パッドIと反対側に配置する。この配置により、特に新たなスペースを確保することなく単位HBT101のエミッタ電極およびコレクタ電極にバイアス電位を与えることができる。
【0040】
バラスト抵抗102は、単位HBT101のベース電極8がコンタクトするベース層を所定の長さで延在したものである。ベース層は後述するが不純物濃度の高い半導体層であり、これを所定の長さでパターンニングして数百〜数KΩ程度の抵抗値を有するバラスト抵抗102とする。単位HBT101とそのベース電極8に接続するバラスト抵抗102により、本実施形態の単位素子100が構成される。
【0041】
バラスト抵抗102は、ベース配線120に接続し、分離素子30である抵抗を介して第1制御端子Ctl1に接続する。
【0042】
第1出力端子パッドO1と、接地端子パッドG間には分離素子30となる抵抗が接続される。さらに共通入力端子パッドI−接地端子パッドG間にも分離素子30となる抵抗が接続される。分離素子は高周波信号の漏出を防止する。
【0043】
分離素子30の抵抗は、分離領域20により分離された不純物領域23である。また、各パッドの周辺およびベース配線120の周辺にはそれぞれ、アイソレーション向上のため、周辺不純物領域170が設けられる。
【0044】
図3を参照して単位素子100について説明する。図3(A)は単位素子の拡大平面図であり、図3(B)は、図3(A)のa−a線断面図である。
【0045】
単位HBT101は、後述するが、所望のパターンで各半導体層をメサエッチングし、エミッタ層、ベース層となる各半導体層をメサ状に形成する。
【0046】
オーミック金属層(AuGe/Ni/Au)により、エミッタ層、コレクタ層とそれぞれ接続する1層目のエミッタ電極9、コレクタ電極7が設けられ、オーミック金属層(Pt/Ti/Pt/Au)によりベース層と接続するベース電極8が形成される。エミッタ電極9、およびコレクタ電極7は櫛状に設けられる。エミッタ電極9を中央としてその周囲にハッチングの如くベース電極8が配置される。そして、ベース電極8の外側のサブコレクタ層上に2本のコレクタ電極7が配置される。
【0047】
1層目のエミッタ電極9、コレクタ電極7の上にはそれらと重畳する配線金属層(Ti/Pt/Au)により2層目のエミッタ電極15、コレクタ電極13が設けられる。2層目のエミッタ電極15は1層目と同様の櫛状である。2層目のコレクタ電極13はコレクタ配線130と連続する。ベース電極8は、オーミック金属層のみで1層構造である。また2層目のエミッタ電極15上には、金メッキ層によりエミッタ配線150が設けられる。
【0048】
バラスト抵抗102は単位HBT101と同じ基板および半導体層上に設けられる。ベース層4のメサエッチングにより形成され、ベース層4と連続して一端にハッチングの如くベース電極8がコンタクトする。そして、他端にはハッチングの如く、抵抗オーミック電極12がコンタクトする。
【0049】
抵抗オーミック電極12は、ベース電極8と同じオーミック金属層により島状に形成される。バラスト抵抗102は、抵抗オーミック電極12と、単位HBT101のベース電極8とを両端の電極とする。本実施形態では、バラスト抵抗102の抵抗オーミック電極12を単位素子100のベース電極12とする。
【0050】
ベース電極12上には配線金属層(Ti/Pt/Au)によるベース配線120が形成される。ベース配線120は他の単位素子100のベース電極12と共通接続する。ベース配線120は、櫛状の単位HBT101の各電極の延在方向と直交する方向に延在する。
【0051】
一般に、HBTは増幅回路や局部発振回路に使用される場合がほとんどである。HBTを使用した増幅回路や局部発振回路においてはベースに高周波信号が入力されるため、ベースにバラスト抵抗を接続すると高周波特性が劣化する。しかしスイッチ回路にHBTを使用する場合においては、ベースに高周波信号が入力されることがないため、ベースにバラスト抵抗を接続しても、直接的にはスイッチ回路装置の高周波特性には影響しない。
【0052】
バラスト抵抗102は単位素子100毎に機能させて単位素子100の二次降伏を防ぐ必要がある。このため、単位HBT101を並列接続してスイッチング素子を形成する場合、単位HBT101のベース電極8は共通接続せず、単位素子100のベース電極12(バラスト抵抗102の抵抗オーミック電極12)を共通接続する。
【0053】
単位素子100のコレクタ電極およびエミッタ電極はそれぞれ単位HBT101のコレクタ電極7およびエミッタ電極9である。
【0054】
また、スイッチング素子のコレクタ電極、ベース電極およびエミッタ電極はそれぞれ単位素子100のコレクタ電極7、ベース電極8およびエミッタ電極9を共通接続したものである。つまり、つまりコレクタ配線130によって各単位HBT101のコレクタ電極13、7が互いに共通接続され、またエミッタ配線150によって各単位HBT101のエミッタ電極15、9が互いに共通接続される。尚、コレクタ電極7、13は隣り合う単位素子100で共用している。更に、ベース配線120によって、各単位素子のベース電極12が互いに共通接続される。
【0055】
各単位HBT101のエミッタ電極9およびコレクタ電極7には等しい電位のバイアスポイントが接続され、所定のベース−エミッタ間電圧バイアスおよびベース−コレクタ間電圧バイアスを与えると共に、ベース電流の引き込みを行っている。
【0056】
ベース配線120の周辺不純物領域170は、半導体層を分離領域20で分離した不純物領域23である。分離領域20はB+等のイオン注入による絶縁化領域であるので、本実施形態では分離領域20以外の領域は不純物領域23となる。
【0057】
本実施形態の単位素子100は、破線の如くエミッタ電極9、ベース電極8、コレクタ電極7を有する最小単位のメサ構造の単位HBT101と、単位HBT101のベース層4を延在したバラスト抵抗102よりなる。
【0058】
図3(B)を参照して、半絶縁性のGaAs基板1上に、複数の半導体層、すなわちn+型GaAs層のサブコレクタ層2、n型InGaP層のコレクタ層3、p+型GaAs層のベース層4、n型InGaP層のエミッタ層5、n+型GaAs層のエミッタコンタクト層6が積層される。半導体層の一部はエッチングにより除去され、メサ構造の単位HBT101およびバラスト抵抗102が形成される。
【0059】
エミッタコンタクト層6上には、1層目のエミッタ電極9、2層目のエミッタ電極15、3層目のエミッタ配線150が設けられる。
【0060】
バラスト抵抗102は、単位HBT101のベース層およびコレクタ層となるp+型GaAs層4およびn型InGaP層3を、所望の抵抗値を有するパターンにメサエッチングして形成する。つまり単位HBT101と同一基板に設けられ、ベース層4およびそれより下層の半導体層と連続する。抵抗層として機能するのは、p+型GaAs層である。
【0061】
ベース層4にはベース電極8がコンタクトし、バラスト抵抗102の一端には抵抗オーミック電極12がコンタクトする。抵抗オーミック電極(単位素子100のベース電極)12はベース配線120に更に接続する。ベース配線120は絶縁膜50を介してサブコレクタ層2上に延在し、各単位素子100のベース電極12と共通接続する。ベース配線120下方には、基板1に達する絶縁化領域20によって不純物領域23が分離される。
【0062】
尚、エミッタ層5およびコレクタ層3となる半導体層はInGaP層に代えてAlGaAs層であってもよく、いずれの場合もベース層4aのGaAs層と格子整合している。
【0063】
ここで、メサ形状と配線の方向について説明する。
【0064】
GaAsのメサエッチングにウエットエッチングを採用した場合、メサ形状に結晶面が影響する。結晶方向とメサ形状の関係として、[01バー1バー](以下[01−1−]と記載する)の方向と平行方向にエッチング段差表面をトレースする場合のメサ形状は順メサ形状(台形の形状)となる。また、[01−1−]の方向と垂直方向にエッチング段差表面をトレースする場合のメサ形状は逆メサ形状(オーバーハング形状)になる。
【0065】
つまり、例えば配線金属層がメサ段差を昇降する場合、メサ形状あるいは配線金属層の延在方向によってはステップカバレッジの問題が発生する。
【0066】
金属層が[01−1−]の方向と平行方向に延在してメサ段差を昇降する場合、順メサ形状であるのでステップカバレッジの問題は発生しない。ところが、配線が[01−1−]の方向と垂直方向に延在してメサ段差を昇り降りするときは、逆メサ形状となるため、ステップカバレッジの問題が発生する。
【0067】
本実施形態では、単位HBT101のエミッタコンタクト層6およびエミッタ層5を形成するメサエッチング(エミッタメサエッチング)により、図3(A)のエミッタメサEMが形成される。
【0068】
また、単位HBT101のベース層4およびコレクタ層3を形成するメサエッチング(ベースメサエッチング)により、同時にバラスト抵抗102の領域にもメサが形成される。つまり、図3(A)においてベースメサBMが同時に形成されるメサである。従って、バラスト抵抗102同士を接続するベース配線120がベースメサBMを昇降する。
【0069】
そこで、本実施形態ではベース配線120がメサを昇降する方向を揃えて、共に[01−1−]の方向と平行方向(図の矢印の方向)に延在させている。
【0070】
図4を参照して、本実施形態の単位HBTについて説明する。図4(A)は単位HBTの一例を示す断面図であり、図3(A)のb−b線断面図である。尚2層目以上の電極は省略している。また、図4(B)(C)は、単位HBTの特性図である。
【0071】
図4(A)を参照して、半絶縁性のGaAs基板1上にサブコレクタ層2が形成され、サブコレクタ層2上にコレクタ層3、ベース層4、エミッタ層5、エミッタコンタクト層6がメサ型に積層されて構成されている。
【0072】
単位HBT101のサブコレクタ層2は、基板1上にエピタキシャル成長法によって形成され、3〜6E18cm−3の比較的高不純物濃度にシリコン(Si)ドープされたn+型GaAs層である。その膜厚は数千Åである。コレクタ層3は、サブコレクタ層2の一部領域上に形成され、シリコンドープによって1〜5E17cm−3程度の不純物濃度にドープされたn型InGaP層である。その膜厚は1000〜5000Åである。ベース層4は、コレクタ層3の上に形成され、カーボン(C)ドープによって1〜50E18cm−3程度の不純物濃度にドープされたp+型GaAs層である。膜厚は数百〜2000Åである。エミッタ層5は、ベース層4の一部領域上に形成され、シリコンドープによって1〜5E17cm−3程度の不純物濃度にドープされたn型のInGaP層である。膜厚は1000〜5000Åである。エミッタ層5は、上層および下層のGaAs層と格子整合させる。エミッタコンタクト層6は、エミッタ層5の上に形成され、シリコンドープによって3〜6E18cm−3程度の不純物濃度にドープされたn+型GaAs層で、膜厚は数千Åである。
【0073】
サブコレクタ層2の表面には、コレクタ層3を挟む位置に、AuGe/Ni/Au層からなるコレクタ電極7が配置される。ベース層4の表面には、エミッタ層5を挟む位置に、Pt/Ti/Pt/Au層からなるベース電極8が配置される。エミッタコンタクト層6の上部にはAuGe/Ni/Au層からなるエミッタ電極9が配置される。本実施形態では、図の如く、最小単位で構成されるHBTを単位HBT101とする。
【0074】
単位HBT101は、エミッタ層5とベース層4とで、InGaP/GaAsへテロ接合を形成しているのに加え、コレクタ層3とベース層4とでもInGaP/GaAsへテロ接合を形成している。そして、エミッタ層5をエミッタとして動作する順方向のトランジスタ動作時(以下順トランジスタ動作時)と、エミッタ層5をコレクタとして動作する逆方向のトランジスタ動作時(以下逆トランジスタ動作時)とで、トランジスタ特性がほぼ同じ特性となるように構造上の各パラメータを制御し、コレクターエミッタ間電圧を0V、コレクターエミッタ間電流を0A付近のバイアスで動作させる。
【0075】
図4(B)(C)は、単位HBT101の特性図である。図は、所定のベース電流Iにおけるコレクタ−エミッタ電圧VCEとコレクタ電流IcのV−Iカーブを示す。
【0076】
ある所定のベース電流Iにおいてコレクタ−エミッタ電圧VCEおよびコレクタ電流Icが正(+)値を示すトランジスタを順トランジスタといい、負(−)の値を示すトランジスタを逆トランジスタという。
【0077】
図4(B)のごとく、本実施形態の単位HBT101は、順トランジスタ動作時のオン抵抗Ron(=ΔVCE/ΔI)と逆トランジスタ動作時のオン抵抗Ron’(=ΔVCE’/ΔI’)がほぼ等しくなるように構成したHBTである。これを実現するために、エミッタ層5とコレクタ層3は基本的に同じ構造とする。例えば、エミッタ層5にInGaP層を使用する場合はコレクタ層3にもInGaP層を使用する。そして、エミッタ層5とコレクタ層3にInGaP層を使用する場合はGaAs層(サブコレクタ層2およびエミッタコンタクト層6)とそれぞれ格子整合させる。また、エミッタ層5とコレクタ層3にAlGaAs層を使用する場合はAlのモル比率を同じにする。
【0078】
そして、エミッタ層5の不純物濃度とコレクタ層3の不純物濃度をほぼ同等の値に設定する。これにより、通常のHBTに比べベース−コレクタ耐圧が低下するが、スイッチ回路装置ではベース−コレクタ耐圧は7〜8Vあれば十分である。
【0079】
このように、単位HBT101には、ベースを基準としてエミッタとコレクタが対称なHBT(以下対称型HBT)を採用する。対称型HBTはコレクタ−エミッタ間電圧を0Vのバイアスで動作させることにより、基本的にコレクタ−エミッタ間の消費電流を0Aにすることができる。
【0080】
尚、順トランジスタの立ち上がり電圧(逆トランジスタの立ち上がり電圧と同じ)は図4(B)の如く0Vが望ましい。しかし、図4(C)の如く順トランジスタの立ち上がり電圧が0Vでなく、オフセット電圧VOFFを持つ場合がある。この場合、コレクターエミッタ間電圧VCEを0Vにバイアスしたとき、コレクタ−エミッタ間において若干の消費電流が発生してしまう。
【0081】
エミッタとコレクタが対称でないHBTにおいてオフセット電圧が発生する原因のひとつにエミッタとコレクタの非対称性がある。しかし、対称型HBTは、エミッタとコレクタを基本的にほぼ同じ構造とする場合が多い。従って対称型HBTは対称型でないHBTに比べオフセット電圧は非常に小さい。しかし、小さいながらもオフセット電圧が有る場合がある。原因のひとつはベース−エミッタ間、ベース−コレクタ間のヘテロ接合の伝導帯底におけるバンドスパイクである。従ってこのような場合には、バンドスパイクをなくす構造にするとよい。
【0082】
図5は、単位HBT101の他の構造を説明する断面図である。
【0083】
図5(A)は、バンドスパイクを無くすためGrading層を有する構造である。
【0084】
例えばエミッタ層5およびコレクタ層3にAl0.3Ga0.7As層を採用する。そして、ベース−エミッタ間、ベース−コレクタ間にGrading層32を配置する。すなわちベース−エミッタ間においてはGaAsからAl0.3Ga0.7Asに徐々に変化するn型のAlGa1−XAs(X=0→0.3)層を配置し、ベース−コレクタ間においては例えばAl0.3Ga0.7AsからGaAsに徐々に変化するn型のAlGa1−XAs(X=0.3→0)層を配置する。これにより、オフセット電圧をさらに極めて小さくすることができる。
【0085】
図5(B)は、ヘテロ接合をエミッタ−ベース間のpn接合からずらす場合であり、エミッタ層5はn型AlGaAs層とする。
【0086】
一般的なHBTの構造として、エミッタ層5のn型AlGaAs層とベース層4のp型GaAs層の間のエミッタ−ベース間pn接合が、ヘテロ接合に一致している。この場合において伝導帯の底にバンドスパイクが存在しており、このバンドスパイクがオフセット電圧発生の原因の1つとなっている。バンドスパイクによるオフセット電圧の発生を防ぐため、ベース層4(p型GaAs層)とエミッタ層5(n型AlGaAs層)の間にn型GaAs層5’を追加することにより、ヘテロ接合位置をベースーエミッタ間のpn接合位置からずらすとよい。また、対称型HBTであるため、さらにベース層4(p型GaAs層)とコレクタ層3(n型AlGaAs層)の間n型GaAs層3’を追加することによりヘテロ接合位置をベースーコレクタ間のpn接合位置からずらすとよい。この場合ヘテロ接合位置がエミッタ−ベース間のpn接合およびコレクタ−ベース間のpn接合と一致していないためオフセット電圧を非常に小さくすることができる。
【0087】
HBTの原理として、ベースのホールをエミッタ側に注入させないために、ベース層4であるGaAs層よりバンドギャップの大きいAlGaAs層をエミッタ層5として配置する。同様に逆トランジスタ動作時はコレクタがエミッタとして働くため、ベース層4であるGaAs層よりバンドギャップの大きいAlGaAs層をコレクタ層3として配置する。
【0088】
この構造の場合、追加したn型GaAs層5’とその上に位置するエミッタ層のn型AlGaAs層5の接合がヘテロ接合となる。同様に追加したn型GaAs層3’とその下に位置するコレクタ層のn型AlGaAs層3の接合がヘテロ接合になる。
【0089】
また、オフセット電圧以外の非対称性としてオン抵抗RonとRon’が多少異なる場合がある。原因は構造上のエミッタ寄生抵抗、コレクタ寄生抵抗の違いである。その場合はエミッタ層5やコレクタ層3さらにはエミッタコンタクト層6やサブコレクタ層2の不純物濃度や厚みを、オン抵抗RonとRon’が等しくなるように調整するとよい。
【0090】
本実施形態では上記の対称型HBTを単位HBT101とし、各単位HBT101にバラスト抵抗102を接続して、スイッチ回路装置を構成する。これによりコレクタ−エミッタ間の消費電流が0Aのスイッチ回路が実現する。さらに対称型HBTは順トランジスタ動作時のオン抵抗Ronと逆トランジスタ動作時のオン抵抗Ron’がほぼ等しいため、高周波信号の振幅においてコレクタ−エミッタ電圧VCEが正の部分と、コレクタ−エミッタ電圧VCEが負の部分の切り替え部分において線型性が良いスイッチ回路を得られる。
【0091】
GaAsMESFETやHEMTによるスイッチ回路は、ドレイン−ソース間のバイアスが0Vのためドレイン−ソース間の消費電流が0Aで、高周波信号の振幅においてドレイン−ソース電圧VDSが正の部分と、ドレイン−ソース電圧VDSが負の部分の切り替え部分において線型性が良い。つまり本実施形態のスイッチ回路は、GaAsMESFETやHEMTのスイッチ回路と同様の長所を有している。さらに、ユニポーラデバイスのFETよりもバイポーラデバイスのHBTの方が圧倒的にオン抵抗が低く、スイッチ回路を形成する場合、高周波特性が大幅に向上し、チップサイズを大幅に小型化できる。
【0092】
一般に、HBTはHEMTに比べ潜在的に非常に高い電流密度を得られ、非常に低いオン抵抗Ronを得ることができる。しかしHBTは温度による正帰還作用により電流が1つの単位HBTに集中して二次降伏により破壊するという問題をはらんでいる。すなわちHBTのベース−エミッタ間電圧−ベース電流の特性は温度に対して正の係数を持つ。このため、何らかの設計上の不均一要因により、ある単位HBT101素子が他の単位HBT101に対してベース−エミッタ間電圧バイアスが少し大きく印加される場合がある。その結果ベース電流、コレクタ電流が多く流れ、温度が上がってより多くのベース電流、コレクタ電流が流れ、最後に破壊に至る。これが通常の二次降伏のプロセスである。このため、実際のところ十分に電流密度を上げることができない。
【0093】
しかし、本実施形態の単位素子100は二次降伏のプロセスが実際に開始されることはない。単位素子100は、単位HBT101のベース層4に連続し、抵抗層により形成されたバラスト抵抗102を、単位HBT101のベース電極8に接続した構成である。つまり、単位HBT101の動作による発熱をバラスト抵抗102に直接伝えることが可能となる。バラスト抵抗102は負の温度係数を有するため、単位HBT101が発熱するとバラスト抵抗102の抵抗値が大きくなる。本来のバラスト抵抗102の働きは、ベース電流の増加に伴いバラスト抵抗102の両端の電圧ドロップを大きくすることにある。これによりベース−エミッタ間電圧が減少するのでベース電流、コレクタ電流を減少させ、二次破壊を防ぐことができる。
【0094】
従って、本実施形態の構造にすることにより単位HBT101の発熱によりさらにバラスト抵抗102の抵抗値を大きくできるため、よりバラストとしての機能を増加させることができる。単位HBT101の発熱は単位HBT101のベース電流、コレクタ電流を大幅に低減させ、十分単位HBT101を冷却することができる。つまり、結果として二次降伏の発生を効果的に防ぐことができる。またベース電極8に高周波信号が入力されることはないためベースにバラスト抵抗102を接続しても、直接的にはスイッチ回路装置の高周波特性には影響しない。
【0095】
つまり、本実施形態によればHBTにより構成されるスイッチ回路装置であっても二次降伏の発生を防ぐことができるため、従来よりHBTの電流密度を大幅に上げることができる。その結果、第1および第2スイッチング素子SW1、SW2のオン抵抗Ronを非常に小さくすることができ、スイッチMMICのインサーションロスを非常に小さくできる。
【0096】
スイッチMMICに一般的に使用されているHEMTはユニポーラデバイスであるのに比べHBTはバイポーラデバイスであるため、圧倒的に電流密度を上げることができ、オン抵抗Ronを非常に小さくできる。また単位HBT101は対称型HBTであるため、コレクタ−エミッタ間消費電流を0とするため省エネルギー動作が可能となる。理由はHEMTでドレイン−ソース間電圧を0Vにバイアスするのと同様に対称型HBT101でコレクタ−エミッタ間電圧を0Vにバイアスできるからである。
【0097】
図6には、パッドおよび配線の断面図を示す。図6(A)および図6(B)が図2のc−c線断面図であり、図6(C)が図2のd−d線断面図である。
【0098】
共通入力端子パッドI、第1出力端子パッドO1、第1制御端子パッドC1(第2スイッチング素子SW2側も同様)、接地端子パッドGとなるパッドPおよびベース配線120は、図の如くサブコレクタ層(n+型GaAs)層上に設けられている。パッドPおよびベース配線120は窒化膜51を介してサブコレクタ層2上に設けられる(図6(B))か、サブコレクタ層2上に直接設けられ、サブコレクタ層2表面とショットキー接合を形成する(図6(A)、(C))。
【0099】
そこで、パッドPおよびベース配線120周辺のアイソレーション対策として、パッドPおよびベース配線120の周囲に周辺不純物領域170(不純物領域23)を配置する。本実施形態の不純物領域23は、前述の如く絶縁化領域20で分離することにより、形成する。
【0100】
図7は、第2の実施形態を示す。第2の実施形態は単位素子100の構成が第1の実施形態のスイッチMMICと異なっており、それ以外は第1の実施形態と同様である。また、図は、図3(A)のa−a線断面図である。
【0101】
第2の実施形態の単位素子100は、第1の実施形態の単位素子100の寄生容量を低減した構造である。図3(B)の構造は、単位HBT101のベースメサエッチングのパターンを伸長することによりバラスト抵抗102を形成している。
【0102】
しかし、ベースメサエッチングのパターンを伸長すると、ベース層4下層のコレクタ層2も伸長することになる。つまりバラスト抵抗102部分のベース−コレクタ間に寄生容量が付加される。寄生容量の付加は、スイッチ回路装置のインサーションロスが増大する要因となる。そこで、バラスト抵抗102部分の寄生容量を低減するため、イオン注入によるコレクタ絶縁化領域21を設けるとよい。
【0103】
このイオン注入によりベースメサを伸長した領域においてコレクタ層2が絶縁化されるため、寄生容量はほとんど付加されない構造が実現する。
【0104】
ここで、コレクタ絶縁化領域21は、不純物領域23を分離するための絶縁化領域20と同様、不純物(B+)のイオン注入により絶縁化した領域であり、電気的に完全に絶縁化した領域ではない。また、全ての層が絶縁化するほど高いドーズ量のイオン注入ではない。すなわち、コレクタ層(n型InGaP層)2のみ絶縁化する程度のドーズ量(例えば0.5〜5×1012cm−2程度)のボロン注入で形成する。他の構成要素は、第1の実施形態(図3(B)と同様である)。
【0105】
p+型GaAs層であるベース層4は、不純物濃度が非常に高いためコレクタ絶縁化領域21を形成するためのイオン注入の影響をほとんど受けない。従ってバラスト抵抗102や、抵抗オーミック電極12は第1の実施形態(図3(B))と同一構成でよく、バラスト抵抗102の抵抗値も変化することはない。
【0106】
コレクタ絶縁化領域21は、GaAs基板1に達して設けられサブコレクタ層2にもボロンが注入されている。しかし、n+型GaAs層のサブコレクタ層2は、不純物濃度が高いため、コレクタ絶縁化領域21を形成するためのイオン注入では絶縁化されない。
【0107】
つまり、コレクタ絶縁化領域21は、バラスト抵抗102の下層のコレクタ層3のみを絶縁化する。図3(B)の構造の場合、数百Ω〜数KΩ程度の抵抗値のバラスト抵抗102であれば0.3pF〜数pF程度の寄生容量が付加される。一方、図7の構造にすることにより付加される寄生容量を大幅に低減できる。
【0108】
尚、コレクタ絶縁化領域21を形成するためのイオン注入をベース電極8の下にも行っても良い。これによりベース−コレクタ間の寄生容量をさらに低減することができる。
【0109】
図8から図10を参照して、本実施形態のスイッチ回路装置の製造方法について、単位素子を中心に説明する。また以下の説明では第2の実施形態の単位素子を例に説明するが、第1の実施形態の単位素子の製造方法は、以下の製造方法においてコレクタ絶縁化領域の形成工程を除いたものと同様であるので、説明は省略する。また、尚各図の左に図3のa−a線断面図を示し、右にb−b線断面図を示す。
【0110】
第1工程:化合物半導体基板に少なくとも1つのヘテロ接合を形成する複数の半導体層を積層する工程。
【0111】
GaAs基板1上に、n+型GaAs層2、n型InGaP層3、p+型GaAs層4、n型InGaP層5、n+型GaAs層6を順次形成する。n型InGaP層5は上層および下層のGaAs層と格子整合する(図8(A))。
【0112】
第2および第3工程:各半導体層をメサエッチングし、コレクタ層、ベース層、エミッタ層を形成し、ベース層に連続する抵抗層を形成する工程。
【0113】
単位HBTのエミッタ層を形成するためのフォトエッチングプロセスを行う。まず、n+型GaAs層6をメサエッチングし、引き続きn型InGaP層5の途中までをメサエッチングする。その後新たなフォトエッチングプロセスにより残りのn型InGaP層5をメサエッチングし、レジストを除去する。これにより、右図の如くエミッタコンタクト層6とエミッタ層5がメサ状に形成され(エミッタメサEM)、エミッタ層5の下方にレッジ(棚)Lが形成される。
【0114】
次に、コレクタ絶縁化領域形成のため、レジスト(不図示)を設けてフォトリソグラフィープロセスを行う。バラスト抵抗の形成領域を露出して例えばドーズ量0.5〜5×1012cm−2程度の不純物をイオン注入する。その後レジストを除去する(図8(B))。
【0115】
次に、ベース層を形成するためのフォトエッチングプロセスを行う。p+型GaAs層4とn型InGaP層3とをメサエッチングし、レジストを除去する。
【0116】
これにより、ベース層4およびコレクタ層3がメサ状に形成される(ベースメサBM)。最上層にエミッタコンタクト層6が露出し、エミッタ層5の外側にはベース層4が露出する。ベース層4の外側にはサブコレクタ層2が露出する。
【0117】
また、同時に、ベースメサのパターンを櫛の延在方向に数μm〜十数μm程度伸長することにより、数百〜数KΩ程度の抵抗値のバラスト抵抗102がメサ状に形成される。
【0118】
更に、HBTにより構成されたスイッチング素子、ベース配線120の周辺不純物領域170等の不純物領域23を分離する絶縁化領域を形成する。すなわち新たなレジスト(不図示)を設けてフォトリソグラフィープロセスを行う。絶縁化領域の形成領域を露出してボロン(B+)をイオン注入し、レジストを除去した後、500℃、30秒程度のアニールを行う。これにより基板1に達するコレクタ絶縁化領域形成21と絶縁化領域20を同時に形成する(図9(A))。バラスト抵抗102の下層のコレクタ層3は、コレクタ絶縁化領域21により絶縁化されている。すなわちバラスト抵抗102の領域においてベース−コレクタ間の寄生容量を大幅に低減できる。
【0119】
尚、スイッチ回路装置を構成する分離素子(抵抗)などの不純物領域も、同時に形成される。
【0120】
第4工程:オーミック金属層により、コレクタ層、ベース層、エミッタ層とそれぞれ接続するコレクタ電極、ベース電極、エミッタ電極を形成してトランジスタを形成する工程。
【0121】
次に、1層目のエミッタ電極、コレクタ電極を形成するためのフォトリソグラフィープロセスを行う。オーミック金属層(AuGe/Ni/Au)を蒸着後、リフトオフおよびアロイを行い、単位HBT101の1層目のエミッタ電極9、コレクタ電極7を形成する。エミッタ電極9とコレクタ電極7は櫛状に形成される。その後、ベース電極を形成するためのフォトリソグラフィープロセスを行う。オーミック金属層(Pt/Ti/Pt/Au)を蒸着後、リフトオフおよびアロイを行い、単位HBT101のベース電極8を形成する。また、同時にバラスト抵抗102の抵抗オーミック電極12を形成する。ベース電極8はエミッタ電極9を囲むパターンで、抵抗オーミック電極12は島状のパターンで、それぞれ図3(A)のハッチングの如く形成される(図9(B))。
【0122】
全面にパッシベーション膜となる窒化膜51を全面にデポジションする。窒化膜51をエッチングしてコンタクトホールCHを形成し、レジストを除去する(図10(A))。
【0123】
第5工程:配線金属層により、抵抗層と他の抵抗層を接続し、トランジスタと他のトランジスタを接続する配線を形成する工程。
【0124】
新たなフォトリソグラフィープロセスを行い、全面に、2層目の電極および配線となる配線金属層(Ti/Pt/Au)を蒸着する。すなわち、1層目のコレクタ電極7、エミッタ電極9とそれぞれコンタクトする2層目のコレクタ電極13、エミッタ電極15を形成する。また、抵抗オーミック電極12とコンタクトするベース配線120を形成する。
【0125】
その後、全面にポリイミド60を塗布する。フォトリソグラフィープロセスを行い、2層目のエミッタ電極15上のポリイミド60をエッチングする。その後レジストを除去しポリイミド60をキュアする。
【0126】
次に、全面に下地金属層(Ti/Pt/Au)(不図示)を蒸着する。フォトリソグラフィープロセスを行い、エミッタ配線150パターンを露出して金メッキを施す。レジストを除去した後、不要な下地金属層をイオンミリングにより除去する。これにより各HBT101のエミッタ電極15、9を配線するエミッタ配線150を形成する。また、コレクタ配線130に重畳する金メッキ層および各パッドも形成される。
【0127】
次に、図11および図12を参照して、本発明の第3の実施形態を示す。
【0128】
第3の実施形態は、ロジック回路を設けることにより、1つの制御端子で動作可能なスイッチ回路装置である。
【0129】
図11は回路図であり、図11(A)は、ロジック回路として抵抗負荷のインバータ回路41を接続した場合である。
【0130】
図11(A)では、抵抗負荷411と、GaAs MESFET412(ピンチオフ電圧Vp=0V:エンハンスメント型)を接続点CPにて直列接続し、接続点CPと、例えば第2スイッチング素子SW2のベースとを、分離素子30を介して接続する。また、MESFET412のゲートは、1つの制御端子Ctlに接続する。
【0131】
図11(B)は、ロジック回路としてエンハンスメント型/ディプレッション型DCFL(Direct Coupled FET Logic)のインバータ回路41を接続した場合である。すなわち、ディプレッション型MESFET413(ピンチオフ電圧Vp=−1V)のソースおよびゲートと、エンハンスメント型MESFET414(ピンチオフ電圧Vp=0V)のドレインを接続点CPにより直列接続し、接続点CPと、例えば第2スイッチング素子SW2のベースを分離素子30を介して接続する。また、エンハンスメント型MESFET414のゲートを、1つの制御端子Ctlに接続する。図11の何れも、他の構成要素は第1実施形態と同様であるので、説明は省略する。
【0132】
このようにインバータ回路41を接続することにより、制御端子Ctlに印加された制御信号が第1スイッチング素子SW1のベースに印加され、制御信号の相補信号が第2スイッチング素子SW2のベースに印加される。すなわちSPDTスイッチMMICで制御端子を1つにできる。
【0133】
ロジック回路41も、抵抗及び/又はMESFETで形成できる。つまりロジック回路を内蔵したスイッチMMICを、GaAs基板の1チップに全て集積化することができる。
【0134】
図12は、図11(B)に示したエンハンスメント型/ディプレッション型DCFLのインバータ回路41を示す。図12(A)は平面パターン図であり、図12(B)は図12(A)のe−e線断面図である。
【0135】
D型FET413は配線金属層よりなる2層目のソース電極135dとドレイン電極136d間に第1ゲート電極127が配置される。ソース電極135dおよびドレイン電極136dの下方にはオーミック金属層よりなる1層目のソース電極115d及びドレイン電極116dが配置され、二点鎖線で示す分離領域20により動作領域が分離される。ソース電極115dおよびドレイン電極116dは、コンタクト層6sd、6ddとそれぞれ接続する。
【0136】
第1ゲート電極127はソース電極およびドレイン電極間に配置され、動作領域外で2層目のソース電極135dに接続する。
【0137】
E型FET414は配線金属層よりなる2層目のソース電極135eとドレイン電極136eが交互に配置され、その間に第2ゲート電極128が配置される。
ソース電極135eおよびドレイン電極136eの下方にはオーミック金属層よりなる1層目のソース電極115e及びドレイン電極116eが配置される。ソース電極115eおよびドレイン電極116eは、コンタクト層6se、6deとそれぞれ接続する。
【0138】
E型FET414の端部の2層目のドレイン電極136e(1層目のドレイン電極116eも同様)はD型FET413の2層目のソース電極135d(1層目のソース電極115dも同様)と共用している。同様にE型FET414の端部のコンタクト層6deはD型FET413のコンタクト層6sdと共用している。
【0139】
第1ゲート電極127および第2ゲート電極128は、ゲート金属層(Pt/Mo)のPtの蒸着膜厚を異ならせ、チャネル層5aへの埋め込み深さを適宜選択し、所定のピンチオフ電圧Vpを実現している。
【0140】
尚、図の各半導体層は単位HBT101の半導体層と同層を利用できる。すなわち単位HBT101のエミッタコンタクト層6、エミッタ層5、ベース層4を,それぞれD型FET413およびE型FET414のコンタクト層6sd、6se、6dd、6de、チャネル層5a、p型バッファ層4aと共用できる。
【0141】
尚、本発明の実施形態のHBT101はすべて対称型のため、第1、第2、第3の実施の形態において、HBT101のエミッタとコレクタを入れ替えても良い。

【図面の簡単な説明】
【0142】
【図1】本発明を説明するための回路図である。
【図2】本発明を説明するための平面図である。
【図3】本発明を説明するための(A)平面図、(B)断面図である。
【図4】本発明を説明するための(A)断面図、(B)特性図、(C)特性図である。
【図5】本発明を説明するための断面図である。
【図6】本発明を説明するための断面図である。
【図7】本発明を説明するための断面図である。
【図8】本発明の製造方法を説明するための断面図である。
【図9】本発明の製造方法を説明するための断面図である。
【図10】本発明の製造方法を説明するための断面図である。
【図11】本発明を説明するための回路図である。
【図12】本発明を説明するための(A)平面図、(B)断面図である。
【図13】従来の技術を説明するための(A)回路図、(B)断面図である。
【符号の説明】
【0143】
1 GaAs基板
2 サブコレクタ層
3 コレクタ層
4 ベース層
5 エミッタ層
6 エミッタコンタクト層
7、13 コレクタ電極
8 ベース電極
9、15 エミッタ電極
4a p型バッファ層
5a チャネル層
6sd、6se、6dd、6de コンタクト層
12 抵抗オーミック電極
20 絶縁化領域
21 コレクタ絶縁化領域
23 不純物領域
30 分離素子
32 Grading層
41 インバータ回路
51 窒化膜
60 ポリイミド
100 単位素子
101 単位HBT
102 バラスト抵抗
115e、115d、135e、135d ソース電極
116e、116d、136e、136d ドレイン電極
120 ベース配線
127 第1ゲート電極
128 第2ゲート電極
130 コレクタ配線
150 エミッタ配線
170 周辺不純物領域
411 抵抗
412 MESFET
413 D型FET
414 E型FET
CP 接続点
IN 共通入力端子
OUT1 第1出力端子
OUT2 第2出力端子
Ctl 制御端子
Ctl1 第1制御端子
Crl2 第2制御端子
I、O1、O2、C1、C2、G パッド
P パッド
320 第1のHBT
321 第2のHBT
122 抵抗
311 サブコレクタ層
312 コレクタ層
313 ベース層
314 エミッタ層
315 エミッタコンタクト層
316 コレクタ電極
317 ベース電極
318 エミッタ電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化合物半導体基板に複数積層され、少なくとも1つのヘテロ接合を形成する半導体層と、
前記基板に設けられ、前記半導体層をコレクタ層、ベース層、エミッタ層としコレクタ電極、ベース電極、エミッタ電極を有するトランジスタと、
前記基板に設けられ、前記ベース層に連続する抵抗層と、
前記トランジスタの前記ベース電極に前記抵抗層を接続した単位素子と、
前記単位素子を並列に接続したスイッチング素子と、
前記スイッチング素子のコレクタ電極またはエミッタ電極に接続する第1RFポートと、
前記スイッチング素子のエミッタ電極またはコレクタ電極に接続する複数の第2RFポートと、を具備し、
前記スイッチング素子のベース電極に印加される制御信号により前記第1および第2RFポート間に信号経路を形成することを特徴とするスイッチ回路装置。
【請求項2】
前記抵抗層に接続する第1配線層を設け、該配線層により前記単位素子のベース電極と他の単位素子のベース電極を共通接続することを特徴とする請求項1に記載のスイッチ回路装置。
【請求項3】
前記エミッタ電極およびコレクタ電極にそれぞれ接続する第2配線層および第3配線層を設け、前記第2および第3配線層により前記単位素子と他の単位素子を共通接続することを特徴とする請求項1に記載のスイッチ回路装置。
【請求項4】
前記トランジスタは、前記エミッタ層および前記ベース層間と前記ベース層および前記コレクタ層間にヘテロ接合を有し、順トランジスタ動作時のオン抵抗値と逆トランジスタ動作時のオン抵抗値が、一つのベース電流値においてほぼ等しいことを特徴とする請求項1に記載のスイッチ回路装置。
【請求項5】
複数の前記スイッチング素子と、少なくとも1つの制御端子に接続するロジック回路を有し、該1つの制御端子から前記ベース電極にそれぞれ制御信号を印加することを特徴とする請求項1に記載のスイッチ回路装置。
【請求項6】
前記ベース層はp+GaAs層であることを特徴とする請求項1に記載のスイッチ回路装置。
【請求項7】
前記エミッタ層はInGaP層またはAlGaAs層であることを特徴とする請求項1に記載のスイッチ回路装置。
【請求項8】
前記トランジスタのコレクタ電流が負の温度係数を有することを特徴とする請求項1に記載のスイッチ回路装置。
【請求項9】
前記エミッタ電極およびコレクタ電極に等しいバイアス電位を与えるバイアスポイントをそれぞれ接続することを特徴とする請求項1に記載のスイッチ回路装置。
【請求項10】
前記エミッタ電極と前記バイアスポイント間、および前記コレクタ電極と前記バイアスポイント間にそれぞれ高周波信号の分離素子を接続することを特徴とする請求項9に記載のスイッチ回路装置。
【請求項11】
前記抵抗層の下層の前記コレクタ層は不純物のイオン注入により絶縁化されることを特徴とする請求項1に記載のスイッチ回路装置。
【請求項12】
化合物半導体基板に少なくとも1つのヘテロ接合を形成する複数の半導体層を積層する工程と、
前記各半導体層をメサエッチングし、コレクタ層、ベース層、エミッタ層を形成する工程と、
前記ベース層に連続する抵抗層を形成する工程と、
オーミック金属層により、前記コレクタ層、ベース層、エミッタ層とそれぞれ接続するコレクタ電極、ベース電極、エミッタ電極を形成してトランジスタを形成する工程と、
配線金属層により、前記抵抗層と他の前記抵抗層を接続し、前記トランジスタと他の前記トランジスタを接続する配線を形成する工程と、を具備することを特徴とするスイッチ回路装置の製造方法。
【請求項13】
前記抵抗層の形成以前に、前記抵抗層の下方の前記コレクタ層を絶縁化することを特徴とする請求項12に記載のスイッチ回路装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−278542(P2006−278542A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−92872(P2005−92872)
【出願日】平成17年3月28日(2005.3.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】