説明

操向装置

【課題】従来、例えば田植機においては、大容量の電磁クラッチを必要とし、更に、ハンドルシャフト、電磁クラッチ、自動操向用のアクチュエータ等の従来のステアリング系統の構成においては、必ず連続的に上下方向に接続する必要があるため、設計上の自由度が少なかった。
【解決手段】ハンドルシャフト41及びパワーステアリングユニット51が設けられる位置とは異なる位置に、ステアリングギアボックス81を回動させるための油圧モータ71を制御する電磁バルブユニット61を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手動操向と自動操向を切換可能とする、所謂、半自動の操向制御を可能とする田植機の操向装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、田植機が圃場を自動的に直進走行できるように、ステアリングを微調整する自動操向装置を搭載するものがある。
しかしながら、このような田植機はハンドルシャフトと自動操向用のアクチュエータとが連結されているため、自動操向時においては、該アクチュエータの動作によってハンドルも動いてしまうという不具合が生じていた。
そこで、特許文献1に示すように、自動操向時においては、ハンドルシャフトと自動操向用のアクチュエータとの連結を解くための電磁クラッチを設けるものがある。
このように構成することで、手動操作においては電磁クラッチを「入」としてハンドルシャフトと該アクチュエータとを連結し、他方、自動操向時においては該電磁クラッチを「切」として該連結を解いて、上記不具合が発生することを解消していた。
【特許文献1】特開平5−284803号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載される技術でも以下のような問題があった。
例えば、水田等の圃場においては、手動操作時に操作者がハンドルに入力する操作量は大きく力強いものである。
そのため、上記電磁クラッチの適正としては、上述のような大きく力強い操作に対して耐えうる大容量の電磁クラッチを必要する。
このような大容量の電磁クラッチは、サイズも大きくコスト高の原因となるので好ましいとは言えない。
また、上述のようにハンドルシャフト、電磁クラッチ、自動操向用のアクチュエータ等の従来のステアリング系統の構成においては、連続的に上下方向に接続する必要があるため、設計上の自由度が小さかった。
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、上述のような電磁クラッチを設けることなく、田植機に利用できる、構成上の自由度の大きい操向装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0005】
請求項1においては、ハンドルシャフト及びパワーステアリングユニットが設けられる位置とは異なる位置に、ステアリングギアを回動させるための油圧アクチュエータを制御する電磁バルブユニットを設けるものである。
【0006】
請求項2においては、前記ステアリングギアと、前記油圧アクチュエータとなる油圧モータと、を連続的に連結して構成してなるものである。
【0007】
請求項3においては、前記ハンドルシャフトと、前記パワーステアリングユニットと、前記ステアリングギアと、前記油圧アクチュエータとを、連続的で略上下の位置関係となるように構成してなるものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0009】
請求項1の構成により、ステアリング系統の省スペース化を図ることが可能となり、ステアリング系統の設計やレイアウトの自由度を高めることが可能となる。
【0010】
請求項2の構成により、ステアリング系統の省スペース化を図ることが可能となり、組立、分解、製造時における作業量を減らすことが可能となり、整備性に優れたステアリング系統を提供することが可能となる。
【0011】
請求項3の構成により、従来の機械的に接続されるステアリング系統の設計と同様の設計とすることが可能となり、従来の設計思想を有効に活用することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、添付図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態について説明し、本発明の理解に供する。尚、以下の本発明を実施するための最良の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
図1は本発明の実施の形態に係る田植機の外観を示す概略構成図(側面図)、図2は本発明の実施の形態に係る田植機の外観を示す概略構成図(平面図)、図3は本発明の実施の形態に係る田植機の操作部の構成を示した図、図4は一般的な田植機のステアリングに関する部位の概略構成図(側面図)、図5は一般的な田植機のステアリングに関する部位の概略構成図(後方側から見た図)、図6は本発明の実施の形態に係る田植機のステアリングに関する部位の油圧回路図、図7は本発明の実施の形態に係る田植機の制御系に関するブロック図、図8は本発明の実施の形態に係る田植機の外観を示す概略構成図(電磁バルブユニット61の配設例)、である。
【0013】
<全体構成>
先ず、本発明を実施するための最良の形態に係る田植機の全体構成について、図1及び図2を用いて説明する。
ここで説明する田植機1は、例えば6条植えの乗用田植機とし、機体の後部に昇降リンク機構27を介して植付部4を装着している。
また、車体フレーム3の前部上方にエンジン2を搭載し、前下部にフロントアクスルケース6aを介して前輪6を支持するとともに、後部にリアアクスルケース8aを介して後輪8を支持している。
上記エンジン2はボンネット9に覆われ、該ボンネット9の両側に予備苗載台10・10を配設し、該ボンネット9の後部のダッシュボード5上にハンドル14を配置している。該ボンネット9の両側とその後部の車体フレーム3上は車体カバー12で覆われている。ハンドル14の後方位置には座席13を配置し、ボンネット9の両側と座席13の前部、座席13の左右両側、及び座席13の後方をステップとしている。
【0014】
<植付部4>
田植機1の後部に設けられる植付部4には、ここでは6条分の苗載台16が設けられ、植付爪支持部となる植付伝動ケースの後部に設けるロータリーケース22・22・・・や該ロータリーケース22に取り付けられる植付爪や、センターフロート34や、サイドフロート35等が設けられている。
前記苗載台16は前高後低に配設して、苗載台16の下部は下ガイドレール18、前面の上部は上ガイドレール19によって左右往復摺動自在に支持されている。
この下ガイドレール18及び上ガイドレール19は、植付センターケース20や植付フレーム23等を介して支持されている。
また、植付センターケース20より左右両側方へ連結パイプ(不図示)を突設して、伝動ケース(不図示)を固設し、該伝動ケースを平行に後方へ突出させて、該伝動ケースの後部両側に一方向に回転させるロータリーケース22・22・・・を配置し、該ロータリーケース22・22・・・に植付爪を設けている。
尚、ロータリーケース22・22・・・は、1条分の苗載台16に対して1組配設されるので、上記6条用の田植機の場合には6つ設けられている。
更に、前記植付センターケース20の前部にはローリング支点軸を介して前記昇降リンク機構27と連結され、該昇降リンク機構27はトップリンク25やロワーリンク26等より構成され、座席13下方に配置したアクチュエータと油圧シリンダとからなる昇降シリンダ(不図示)によって植付部4を昇降できるようにしている。
センターフロート34及びサイドフロート35は、上述した昇降リンク機構27の後部に連結される植付センターケース20や植付伝動ケースの下方にリンク機構を介して支持されている。
このセンターフロート34又はサイドフロート35には、角度センサが設けられ、後述する昇降用等のコントロールユニットに接続されている。
これにより、該コントロールユニットは、該角度センサより得られるフロートの角度に応じて、昇降シリンダを作動させて昇降リンク機構27を上下動させることによって、植付部4の昇降制御を行って適切に植付作業を行えるようにしている。
左右両側方の苗載台16の下方に設けられるパイプにはマーカ36・36設けられており、該パイプを回動させることでマーカ36・36を左右両側へ突出させることが可能となり圃場にマーキングが可能となる。
【0015】
<操作部>
また、図1及び図2においては図面の縮尺の関係上明示していないが、ダッシュボード5の近傍は、詳しくは図3に示すようなレバーやスイッチ等の操作部90が設けられている。
図3に示すように、ダッシュボード5の後部側(座席13側)で左右方向の中央部分にはハンドル14が設けられ、該ハンドル14近傍には植付部4の植付作業に関わるスイッチ類とレバー類が配設されている。
このスイッチ類の具体例としては、植付深さ設定SW61と圃場硬度設定SW62と作業選択SW63と苗継SW64が配置されている(ここで、「SW」とは「スイッチ」を意味している。以下同様)。
上記レバー類としては、ハンドル14に対して、ダッシュボード5の左側の近傍には主変速レバー94等の操作領域90bが設けられ、他方、ハンドル14に対して、ダッシュボード5の右側の近傍にはクルーズコントロールレバー92、アクセルレバー93、ユーザによって植付部4を手動で昇降操作するための昇降レバー91等の操作領域90aが設けられている。
上記操作領域90a・90bには、図3に示すように、上記各々のレバーの揺動範囲や保持位置を規定するガイド溝91a・92a・93a・94aが設けられている。
また、操作領域90a・90bは、図3に示すようにダッシュボード5とは分離された部材よりなるものであってもよいし、或いは、ダッシュボード5と一体に形成されるものであってもよい。
また、ダッシュボード5の下部の座席13側面には、エンジン2を始動入力するためのキーSW65が設けられている。
【0016】
<ステアリング系統の構成>
次に、ハンドル14の操作によって前輪6の方向を変化させるためのステアリング系統の概略構成について、図4及び図5を用いて説明する。
尚、図4及び図5に示すステアリング系統の概略構成は、図1等に示す田植機1のダッシュボード5等によって隠される部分を露出させた状態を示している。
先ず、ハンドル14の中心部分と接続するためのハンドル接続部42を上部の先端部分とするハンドルシャフト41が、上下方向でやや後方側に傾けられて設けられている。
このハンドルシャフト41の下端側は、パワーステアリングユニット51の入力軸と接続されている。
このパワーステアリングユニット51の下方側には、油圧アクチュエータの一例である油圧モータ71が設けられている。
この油圧モータ71は、別途設けられる油圧ポンプ(不図示)から送出される圧油によって駆動するものである。
更に、該油圧モータ71の下部にはステアリングギアボックス81が設けられている。
このステアリングギアボックス81は、油圧モータ71の出力軸と接続されるものであり、油圧モータ71の回転を減速して最終的に前輪6を左右方向に操向操作するためのステアリングギアが内蔵されるものである。
また、電磁バルブユニット61が、図4に示すようにパワーステアリングユニット51の前後一側(本実施例では前方側)に設けられている。
この電磁バルブユニット61は、既に上述した油圧モータ71を駆動するための油圧ポンプからの圧油の送出や停止を制御する方向制御弁から成るものであって、パワーステアリングユニット51の回動に応じて、該方向制御弁を制御するものである。
このように構成されているので、手動操作時においては、ハンドル14が操作されると、パワーステアリングユニット51の回動に応じて電磁バルブユニット61の方向制御弁が制御され、圧油の送出や停止の制御がなされるので、油圧モータ71を制御することが可能となる。
他方、自動制御時においては、コントローラユニットの指令によって電磁バルブユニット61の方向制御弁を制御することによって、油圧ポンプからの圧油の送出や停止を制御して、油圧モータ71の制御を行っている。
このような、操作や制御が行われる仕組みを、図6を用いて詳しく説明する。
【0017】
<油圧回路図(手動操作時)>
図6は、主に上述したパワーステアリングユニット51、電磁バルブユニット61、油圧モータ71、ステアリングギアボックス81、油圧ポンプ101等を記号で示した油圧回路図である。
先ず、パワーステアリングユニット51は、主として6ポート3位置切換の方向制御弁52と、メータリングポンプ53とを具備するものである。
方向制御弁52の一次側は、オイルタンク102で貯溜する油を送出するための油圧ポンプ101に接続される油路103と、電磁バルブユニット61の電磁切換弁62に接続される油路65とに接続される。
更に、油路103は途中にカウンタバランス弁105を介して油路64と接続し、他の油圧機器に送油可能としている。
また、方向制御弁52には、ハンドルシャフト41の回転に連動するコントロール軸49が接続され、該コントロール軸49の回動に応じてスプールが左右に移動して弁が切り換えられるものである。尚、図6は、方向制御弁52が中立位置ある場合を示している。
メータリングポンプ53は、方向制御弁52の2次側に設けられ、方向制御弁52のスプールが左右のいずれかに位置した場合に油圧ポンプ101からの圧油によって回転されると共に、油路56・57を介して該圧油を油圧モータ71に伝達するものである。
また、メータリングポンプ53の回転量に相当する圧油を送出又は吸入するフィードバック配管54は、方向制御弁52のスプールに対して上記コントロール軸49とは反対側に接続されている。
このように構成されているので、手動によるハンドル14の操作に応じて方向制御弁52は左右何れかの作用位置に切り換えられ、油圧ポンプ101からの圧油で油圧モータ71が回転されてステアリングギアボックス81が作動されることにより、前輪6の旋回角度を変化させることが可能となる。
【0018】
<油圧回路図(自動操向時)>
電磁バルブユニット61は、主として電磁切換弁62が設けられ、ここでは電磁切換弁62は比例ソレノイド等を用いた電磁比例弁である。
電磁切換弁62の一次側には、上記油路65と、他の油圧回路等に接続される油路64とに接続される。更に、油路65の中途部には、バルブ63が設けられる。
このバルブ63は、基本的には図6に示すようにバネによって常時開側に付勢されるものであるが、電磁切換弁62が中立位置のときはブロックされているので、パイロット油路からの油圧によってスプールは閉側に移動され、油路64を介して他の油圧回路へ流れるようにしている。
そして、バルブ63は、電磁切換弁62が作動されて切り換わると、前記パイロット油路の油圧が減少してバネ力により開側に切り換えられる。
また更に、2次側の油路66a・66bの圧力差によりシャトル弁67cが切り換えられると、パイロット油路を介してバルブ63が開側に付勢されてその状態が維持される。
電磁切換弁62の2次側に接続される油路66a・66bの各々は、上述した油圧モータ71に接続される油路56・57に合流点68a・68bで接続される。
更に、油路66a・66bの中途部には、逆止弁67a・67bが設けられ、圧油が電磁切換弁62から油圧モータ71へのみ流れるように構成されている。
また、自動操向時には、後述するコントロールユニット等によって上記電磁切換弁62のスプールの位置が変更されて切り換えられる。
このように構成されているので、手動によるハンドル操作がなされない自動操向時には方向制御弁52は中立の状態となり、油圧ポンプ101から送出される圧油は、油路103、方向制御弁52の中立位置、油路65、バルブ63の順で送油されて、電磁切換弁62によって送出方向が切り換えられ、油圧モータ71が駆動される。
この電磁切換弁62によって切り換えられるのは、合流点68a・68bで油路56・57に接続される油路66a・66bにおける圧油の送出方向なので、油圧モータ71の回転方向を切り換えることが可能となり、最終的にステアリングギアボックス81の作動方向を切り換えて、前輪6の旋回角度を変化させることが可能となる。
また、上述の構成においては、ハンドル14とステアリングギアボックス81とは、図6に示すように、パワーステアリングユニット51等の油圧系統を介して接続されており、直接機械的には接続されていない。
更に、自動操向時において、方向制御弁52は中立状態のため、ステアリングギアボックス81や油圧モータ71等の操舵用アクチュエータの変化の影響はハンドル14に及ばないため、従来のようにハンドルシャフトと操舵用アクチュエータとの縁を切るための電磁クラッチ等も必要としない構成となっている。
【0019】
<油圧回路図(自動操向・手動操作)>
上述より、手動操作時は、電磁切換弁62は中立位置に保持されて方向制御弁52が切り換わることによって、油圧モータ71に接続される油路56・57を流れる圧油の方向を切り換えることが可能となる。
他方、自動操向時には、方向制御弁52は中立位置に保持されて電磁切換弁62が切り換わることによって、油圧モータ71に接続される油路56・57を流れる圧油の方向を切り換えることが可能となる。
【0020】
<ブロック図>
次に、田植機1の制御系の概略構成について図7を用いて説明する。
田植機1には、機体各部の情報と制御の統括行うためのコントロールユニット200が設けられている。
このコントロールユニット200には、図7に示すように、操作部90、電磁切換弁62、地磁気センサ211、傾斜センサ212、角速度センサ213、舵角センサ221、車速センサ222、作業機各部223が接続されている。操作部90は、上述したレバーやスイッチ等を意味している。
電磁切換弁62は、上述の図6を用いて説明したものであって、例えば比例ソレノイド等を用いた電磁比例弁であり、前輪6の旋回角度を変化させるアクチュエータの動作を切り換えるものである。
地磁気センサ211は、地磁気を検知する検知手段の一例であって、方位磁石の機能を有するものである。
傾斜センサ212は、田植機1の機体の前後左右方向の傾斜角度等を検知する検知手段の一例である。
角速度センサ213は、田植機1の機体がヨー方向に傾く場合の強さを角速度で検知する検知手段の一例である。
舵角センサ221は、ハンドル14、油圧モータ71、ステアリングギアボックス81等の何れかの回転量に基づいて、前輪6の旋回角度を検知する検知手段の一例である。
車速センサ222は、フロントアクスルケース6a、リアアクスルケース8a、プロペラシャフト等の回転速度等から田植機1の車速を検知する検知手段の一例である。
作業機各部223は、植付部4の昇降制御や植付クラッチの入・切の状態等を知るための各部に設けたセンサや操作部位を意味している。
このように構成されているので、コントロールユニット200は、上記各部より情報を取得して、上記各部の操作や自動制御等を行うことが可能となる。
【0021】
<レイアウト;電磁バルブユニット61の配設例>
上述で説明した電磁バルブユニット61は、パワーステアリングユニット51の前方側に設けられるものであるが、ダッシュボード5の内部スペースの事情によっては、この構成が難しい場合がある。
また、電磁バルブユニット61とパワーステアリングユニット51や油圧モータ71とは油圧回路によって互いに接続される関係にあるので、油圧配管を伸ばすことで、電磁バルブユニット61をハンドルシャフト41やパワーステアリングユニット51等のステアリング系統から離れた位置に設けることが可能である。
そこで、パワーステアリングユニット51等が設けられる位置とは異なる位置に電磁バルブユニット61を設ける場合の本発明に係る具体例について、図8を用いて説明する。
例えば、図8に示すように、電磁バルブユニット61を、エンジン2の下方で車体フレーム3によって支持される位置61aに設けても良い。
また他の例としては、電磁バルブユニット61を、座席13とハンドル14との間で車体フレーム3によって支持される位置61bに設けても良い。
勿論、可能であるならば図8に示した具体例以外の位置に電磁バルブユニット61を設けても良い。
このように電磁バルブユニット61を設けることで、上述したようなダッシュボード5の内部スペースの問題を解消して、田植機を設計する上で空いたスペースを有効に利用することが可能となる。
換言するならば、ステアリング系統の省スペース化を図ることが可能となり、ステアリング系統の設計やレイアウトの自由度を高めることが可能となる。
また、図4に示すように、パワーステアリングユニット51と油圧モータ71との中心を、前後方向に長さLだけずらして設けても良い。
このように構成することで、電磁バルブユニット61をパワーステアリングユニット51の前方側に一体的に設ける場合に、ダッシュボード5内において電磁バルブユニット61のスペースを確保することが可能となる。
【0022】
<レイアウト;ステアリングギアボックス81と油圧モータ71>
また、ステアリングギアボックス81と油圧モータ71との構成は、図4に示すように、連続的に連結されるように構成されている。
換言すれば、ステアリングギアボックス81と油圧モータ71とは、一体的に構成されている。
このように構成することで、ステアリング系統の省スペース化を図ることが可能となり、組立、分解、製造時における作業量を減らすことが可能となり、整備性に優れたステアリング系統を提供することが可能となる。
【0023】
<レイアウト;略上下方向の配置>
また、ハンドルシャフト41と、パワーステアリングユニット51と、ステアリングギアボックス81と、油圧モータ71との構成は、図4に示すように、連続的で略上下の位置関係となるように構成されている。
このように構成することで、従来の機械的に接続されるステアリング系統の設計と同様の設計とすることが可能となり、従来の設計思想を有効に活用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施の形態に係る田植機の外観を示す概略構成図(側面図)。
【図2】本発明の実施の形態に係る田植機の外観を示す概略構成図(平面図)。
【図3】本発明の実施の形態に係る田植機の操作部の構成を示した図。
【図4】一般的な田植機のステアリングに関する部位の概略構成図(側面図)。
【図5】一般的な田植機のステアリングに関する部位の概略構成図(後方側から見た図)。
【図6】本発明の実施の形態に係る田植機のステアリングに関する部位の油圧回路図。
【図7】本発明の実施の形態に係る田植機の制御系に関するブロック図。
【図8】本発明の実施の形態に係る田植機の外観を示す概略構成図(電磁バルブユニット61の配設例)。
【符号の説明】
【0025】
1 田植機
14 ハンドル
51 パワーステアリングユニット
52 方向制御弁
61 電磁バルブユニット
62 電磁切換弁
71 油圧モータ
81 ステアリングギアボックス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドルシャフト及びパワーステアリングユニットが設けられる位置とは異なる位置に、ステアリングギアを回動させるための油圧アクチュエータを制御する電磁バルブユニットを設けることを特徴とする操向装置。
【請求項2】
前記ステアリングギアと、前記油圧アクチュエータとなる油圧モータと、を連続的に連結して構成してなる請求項1記載の操向装置。
【請求項3】
前記ハンドルシャフトと、前記パワーステアリングユニットと、前記ステアリングギアと、前記油圧アクチュエータとを、連続的で略上下の位置関係となるように構成してなる請求項1又は請求項2記載の操向装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−131111(P2006−131111A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−322629(P2004−322629)
【出願日】平成16年11月5日(2004.11.5)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】