説明

ステアバイワイヤシステム

【課題】 操舵反力を路面の状況に対して敏感にも不感にも調整することが可能なステアバイワイヤシステムを提供する。
【解決手段】 本発明のステアバイワイヤシステム10によれば、路面反力に応じて決定される第1の操舵反力構成値Hc1と、ハンドル又は転舵輪の操転舵位置に応じて決定される第2の操舵反力構成値Hc2との両方から、それぞれ重み付けゲインG1,G2を介して操舵反力指令値Hを生成し、重み付けゲインの配分を路面の状況に応じて適宜変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のハンドルと1対の転舵輪との間を機械的に切り離し、ハンドルの操作に応じて転舵モータにより転舵輪を転舵すると共に、ハンドルの操作に対する操舵反力を反力モータにより発生させるステアバイワイヤシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般の車両では、走行中にハンドルを切って転舵輪を中立点(車両を直進させるための位置)から転舵させると、転舵輪を中立点に戻すための路面反力(この場合の路面反力は、「セルフアライニングトルク」と言われている)が作用する。そして、ハンドルと転舵輪との間が機械的に連結された操舵システム(以下、「従来車両の操舵システム」という)では、機械的な伝達系を通して路面反力がハンドルに伝達され、これを運転者はハンドルの操作に対する操舵反力として受ける。
【0003】
ステアバイワイヤシステムにおいても、運転者が、ハンドルの操作に対する操舵反力を受けるようにすることが望まれている。そのために、従来のステアバイワイヤシステムは、車両の操舵位置や車速などの情報を基に、人工的に操舵反力を生成していた(例えば、特許文献1参照、以下、この方式を「従来のステアバイワイヤ方式1」という)、あるいは、特許文献2の請求項1、特許文献3の請求項3のように、車両の操舵輪が路面から受ける反力を検出し、その検出した路面反力に応じて操舵反力を生成していた(以下、この方式を「従来のステアバイワイヤ方式2」という)。
【特許文献1】特開2002−145099号公報(請求項1、段落[0026]〜[0029])
【特許文献2】特開2003−81111号公報(請求項1,2、段落[0021]、[0026])
【特許文献3】特開2004−34923号公報(請求項3,8、段落[0033]〜[0067])
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ステアバイワイヤシステムでは、一般に、1対の転舵輪の間に差し渡された転舵輪間シャフトと転舵モータとの間に、ボールネジ機構又はラックアンドピニオン機構を備えた構成になっており、これらの機構には機械的な摩擦が存在している。この摩擦は、従来車両の操舵システムにおいては、ハンドルが中立位置に戻る場合に抵抗として作用し、ハンドル戻りが悪化する原因となっているが、同様の現象は特許文献2の請求項1、特許文献3の請求項3,8に例示される従来のステアバイワイヤ方式2でも発生し、問題となる。
一方、特許文献1に例示される従来のステアバイワイヤ方式1では、このような摩擦に起因するハンドル戻り悪化の現象は生じないが、その反面、従来車両の操舵システムが有している、路面反力に直接対応した操舵反力が得られず、ドライバに路面状況が伝達されないという問題がある。
この従来のステアバイワイヤ方式1の問題を解決するための従来例としては、特許文献2の請求項2に記載されているように、従来のステアバイワイヤ方式1による操舵反力に対して、従来のステアバイワイヤ方式2による路面外乱を反映した操舵反力を加える手法がある。しかしながら、この従来例では、従来のステアバイワイヤ方式1,2による操舵反力を単純に加算しただけであるので、両者の特徴が十分活かされず、従来車両の操舵システムと比較すると操舵フィーリングが劣っていた。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、路面反力に直接対応した操舵反力を適度に与えることによって従来車両の操舵システムと同等の操舵フィーリングを確保しつつ、ハンドル戻りを改善し、かつ、操舵反力を路面の状況に対して敏感にも不感にも調整することが可能なステアバイワイヤシステムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための請求項1の発明に係るステアバイワイヤシステムは、車両のハンドルと1対の転舵輪との間を機械的に切り離し、ハンドルの操作に応じて転舵モータにより転舵輪を転舵すると共に、ハンドルの操作に対する操舵反力を反力モータにより発生させるステアバイワイヤシステムにおいて、転舵輪が路面から受ける路面反力を検出するための路面反力検出手段と、路面反力検出手段が検出した路面反力に応じて、第1の操舵反力構成値Hc1を決定する第1の構成値決定手段と、ハンドル又は転舵輪が中立点からオフセットした操転舵位置を検出するための操転舵位置検出手段と、操転舵位置検出手段が検出した操転舵位置に応じて、第2の操舵反力構成値Hc2を決定する第2の構成値決定手段と、第1のゲインをG1とし、第2のゲインをG2とし、所定の定数をCとし、G1≦C,G2≦C,G1+G2=Cを満たすように第1及び第2のゲインG1,G2を決定し、かつ、それら第1及び第2のゲインG1,G2を用いて、反力モータに操舵反力を発生させるための操舵反力指令値Hを、H=G1・Hc1+G2・Hc2より生成する指令値生成手段とが備えられたところに特徴を有する。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載のステアバイワイヤシステムにおいて、第2の操舵反力構成値Hc2は、操転舵位置が所定の範囲を超える場合に一定値となると共に、指令値生成手段は、第1及び第2のゲインG1,G2をG1=G2=1として、操舵反力指令値Hを、第1及び第2の操舵反力構成値Hc1,Hc2を用いて、次式H=Hc1+Hc2より生成するところに特徴を有する。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1に記載のステアバイワイヤシステムにおいて、指令値生成手段は、第1及び第2のゲインG1,G2を、車両の挙動、又は、路面状態に応じて変更するように構成されたところに特徴を有する。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1に記載のステアバイワイヤシステムにおいて、車両の上下方向の加速度、又は、車両に備えたサスペンションの変動を検出する車両挙動検出手段を備え、指令値生成手段は、車両挙動検出手段が検出した車両の上下方向の加速度又はサスペンションの変動が大きくなるに従って、第1のゲインG1を小さくするように構成されたところに特徴を有する。
【0010】
請求項5の発明は、請求項1に記載のステアバイワイヤシステムにおいて、車両の上下方向の加速度、又は、車両に備えたサスペンションの変動を検出する車両挙動検出手段を備え、指令値生成手段は、車両挙動検出手段が検出した車両の上下方向の加速度又はサスペンションの変動が大きくなるに従って、第1のゲインG1を大きくするように構成されたところに特徴を有する。
【0011】
請求項6の発明は、請求項1乃至5の何れかに記載のステアバイワイヤシステムにおいて、一対の転舵輪の間には、転舵輪間シャフトが差し渡され、転舵輪間シャフトと転舵モータとの間には、転舵モータの出力回転を、転舵輪間シャフトの直動運動に変換するためのラックアンドピニオン機構又はボールネジ機構が備えられ、操転舵位置検出手段は、転舵輪間シャフトの直動位置を操転舵位置として検出するように構成されたところに特徴を有する。
【0012】
請求項7の発明は、請求項1乃至5の何れかに記載のステアバイワイヤシステムにおいて、第2の構成値決定手段は、操転舵位置と、操転舵位置の時間微分値とに応じて第2の操舵反力構成値を決定するように構成されたところに特徴を有する。
【0013】
請求項8の発明は、請求項1乃至5の何れかに記載のステアバイワイヤシステムにおいて、第2の構成値決定手段は、操転舵位置と、車速とに応じて第2の操舵反力構成値を決定するように構成されたところに特徴を有する。
【0014】
請求項9の発明は、請求項1乃至5の何れかに記載のステアバイワイヤシステムにおいて、第2の構成値決定手段は、操転舵位置と、操転舵位置の時間微分値と、車速とに応じて第2の操舵反力構成値を決定するように構成されたところに特徴を有する。
【0015】
請求項10の発明は、請求項9に記載のステアバイワイヤシステムにおいて、車速と第1係数とを予め対応させた第1データマップと、車速と第2係数とを予め対応させた第2データマップとを備え、操転舵位置をθとし、操転舵位置の時間微分値をωとし、車速をVとし、車速Vから決定される第1係数をK(V)とし、車速Vから決定される第2係数をD(V)とし、第2の操舵反力構成値をHc2とすると、第2の構成値決定手段は、次式、Hc2=K(V)・θ+D(V)・ω、によって操舵反力構成値Hc2を決定するように構成されたところに特徴を有する。
【発明の効果】
【0016】
[請求項1の発明]
請求項1の構成によれば、路面反力に応じて決定される第1の操舵反力構成値Hc1と、ハンドル又は転舵輪の操転舵位置に応じて決定される第2の操舵反力構成値Hc2との両方から、それぞれ重み付けゲインG1,G2を介して操舵反力指令値Hを生成するので、路面反力に直接対応した操舵反力を重み付けゲインG1を介して与えることにより、路面反力に含まれる路面の状況に関する情報を適度に運転者に伝達すると共に、第2の操舵反力構成値Hc2によって、摩擦の影響を受けずにハンドルを中立位置に戻すことが可能となる。さらに、路面反力に含まれる路面の状況に関する情報の伝達量はゲインG1により調整可能であり、情報伝達量を多くしたい場合はゲインG1を大きくし、伝達量を減らして路面に対するハンドルを不感にしたい場合はG1を小さな値にすればよい。
【0017】
[請求項2の発明]
請求項2の構成によれば、請求項1に記載のステアバイワイヤシステムにおいて、操舵反力構成値Hは第1の操舵反力構成値Hc1による路面反力に直接対応した操舵反力を主体とし、第2の操舵反力構成値Hc2はハンドル戻りを円滑に実行するための最小限の操舵反力を与える役割を受け持つように構成されているので、良好なハンドル戻りを確保しつつ、路面反力に直接対応した操舵反力を主体とした、従来車両と同等の操舵フィーリングを得ることができる。
【0018】
[請求項3の発明]
請求項3の構成によれば、第1及び第2の操舵反力構成値Hc1,Hc2に対するゲインG1,G2の重み付け配分を車両の挙動、又は、路面状態に応じて適宜変更する構成にすることができる。
【0019】
[請求項4の発明]
請求項4の構成によれば、車両の上下方向の加速度又はサスペンションの変動が大きくなった場合に、第1のゲインG1が小さくなり、操舵反力指令値Hのうち第1の操舵反力構成値Hc1(路面反力に応じて決定される値)に対する重み付けが小さくなる。これにより、路面の凹凸による振動が、操舵反力指令値Hに反映されることが規制され、運転者がハンドルを通して振動を受け難くなり、快適な操舵フィーリングを提供することが可能になる。
【0020】
[請求項5の発明]
請求項5の構成によれば、車両の上下方向の加速度又はサスペンションの変動が大きくなった場合に、第1のゲインG1が大きくなり、操舵反力指令値Hのうち第1の操舵反力構成値Hc1(路面反力に応じて決定される値)に対する重み付けが大きくなる。これにより、運転者にハンドルを通して路面の凹凸に関する情報を伝えることができる。
【0021】
[請求項6の発明]
操転舵位置を検出するための操転舵位置検出手段は、ハンドル又は転舵輪の舵角を操転舵位置として検出する構成であってもよいし、請求項6の発明のように、1対の転舵輪の間に差し渡された転舵輪間シャフトの直動位置を操転舵位置として検出するような構成であってもよい。
【0022】
[請求項7〜10の発明]
請求項7乃至10の構成によれば、操転舵位置と操転舵位置の時間微分値、あるいは操転舵位置と車速、あるいは操転舵位置と操転舵位置の時間微分値と車速によって、第2の操舵反力構成値Hc2を操転舵位置だけでなく、運転者の操舵状態や車両の走行状態に応じてきめ細かく設定することが可能となり、第1の操舵反力構成値Hc1による操舵反力成分がゲインG1によって小さく抑えられている場合に、運転者に適切な操舵反力を与えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
[第1実施形態]
以下、本発明の一実施形態を図1〜図11に基づいて説明する。図1には、本発明に係るステアバイワイヤシステム10の全体構成が示されている。このステアバイワイヤシステム10では、ハンドル11と転舵輪50,50とが機械的に切り離されている。まずは、転舵輪50,50側の部品に関して説明する。1対の転舵輪50,50の間には、転舵輪間シャフト16が差し渡され、その転舵輪間シャフト16の両端に連結されたタイロッド17,17が各転舵輪50,50に連結されている。
【0024】
転舵輪間シャフト16は、筒形ハウジング18の内部に挿通され、その筒形ハウジング18が車両の本体に固定されている。筒形ハウジング18の軸方向の中間部分には大径部18Dが備えられ、その大径部18Dに転舵モータ19が内蔵されている。転舵モータ19は、筒形ハウジング18の内面に嵌合固定されたステータ20と、ステータ20の内側に遊嵌された筒状のロータ21とを備えてなり、転舵輪間シャフト16はロータ21の内側を貫通している。また、ロータ21は、軸方向に移動不能になっている。さらに、筒形ハウジング18のうち大径部18Dの一端には、ロータ21の回転位置を検出するための回転位置センサ25(例えば、エンコーダ)が設けられている。
【0025】
ロータ21の内面には、ボールナット22が組み付けられている。また、転舵輪間シャフト16の軸方向の中間部分にはボールネジ部23が形成されている。これらボールナット22とボールネジ部23とからボールネジ機構24が構成され、ロータ21と共にボールナット22が回転すると、筒形ハウジング18に対してボールネジ部23が直動し、これにより転舵輪50,50が転舵する。なお、操舵輪50,50の近傍には、車速センサ27が備えられている。
【0026】
次に、ハンドル11側の部品に関して説明する。ハンドル11の中心から延びたステアリングシャフト12の先端部は、ギヤボックス30の内部に突入しており、そのギヤボックス30内においてステアリングシャフト12の先端にウォームホイール12Wが固定されている。また、ギヤボックス30には、反力モータ31が固定されており、その反力モータ31のロータ回転軸の一端にウォームギヤ31Wが取り付けられている。そして、ギヤボックス30内でこれらウォームギヤ31Wとウォームホイール12Wとが噛合している。これにより、ハンドル11の操舵に対する反力を、反力モータ31により適宜変更することが可能になっている。また、ステアリングシャフト12のうちハンドル11側の端部には、ハンドル11にかかった操舵反力Tを検出するためのトルクセンサ33が備えられている。さらに、反力モータ31には、反力モータ31の出力軸の回転位置を検出するための回転位置センサ32(例えば、エンコーダ)が備えられている。
【0027】
次に、ステアバイワイヤシステム10の制御について説明する。このステアバイワイヤシステム10は、制御装置40によって制御される。制御装置40は、図2に示した制御プログラムPG1を所定周期で実行することで、転舵モータ19を駆動するための位置指令値Pと、反力モータ31を駆動するための操舵反力指令値Hとを生成して、それぞれ転舵モータ駆動回路41と反力モータ駆動回路42とに出力する。具体的には、制御プログラムPG1が実行されると、制御装置40は、車速センサ27、回転位置センサ25,32の各センサの検出結果を取り込む(S1)。
【0028】
次いで、転舵モータ19の回転位置センサ25の検出結果を、転舵輪間シャフト16の直動位置Xに換算すると共に、反力モータ31の回転位置センサ32の検出結果をハンドル11の操舵角θ1に換算する(S2)。ここで、直動位置X及び操舵角θ1は、共に、本発明に係る「操転舵位置」に相当し、ハンドル11及び転舵輪50が中立点に位置した状態(車両が直進する状態)では、これら直動位置X及び操舵角θ1は共に「0」となり、ハンドル11及び転舵輪50が中立点からオフセットした状態(車両が旋回可能な状態)では、「0」からオフセットした値になる。
【0029】
次いで、転舵モータ用データ処理(S3)を実行する。図3に示すように、転舵モータ用データ処理(S3)では、予め設定された伝達比Rと、ハンドル11の操舵角θ1とから操舵輪50の目標転舵角θ2をθ2=R・θ1として求め、その目標転舵角θ2に転舵輪50の舵角を一致させるための転舵モータ19の位置指令値Pを決定する(S31)。なお、伝達比Rは一定値である必要はなく、前記特許文献3に例示されているように、車速Vに対応して変化する値であってもよい。
【0030】
そして、位置指令値Pを転舵モータ駆動回路41に出力する(S32)。すると、転舵モータ駆動回路41(図1参照)は、転舵モータ19の回転位置センサ25が検出した回転位置と位置指令値Pとの偏差に応じた駆動電流Ibを転舵モータ19に流す。これにより、転舵輪50が目標転舵角まで転舵される。
【0031】
転舵モータ用データ処理(S3)が終了すると、図2に示すように、反力モータ用データ処理(S4)が実行される。反力モータ用データ処理(S4)では、図4に示すように、まず、路面反力を検出するための路面反力検出処理(S11:本発明に係る「路面反力検出手段」に相当する)を行う。ここで、路面反力とは、転舵輪50の転舵に対して路面から受ける反力であり、転舵輪50の転舵動作と連動する部品にかかる力として検出することができる。その一例として転舵輪間シャフト16の軸力として路面反力を求めることができる。そこで、転舵輪間シャフト16に対し、軸方向に係る力に関する運動方程式を立てると以下の式(1)のようになる。
【0032】
M・(dX/dt)=u−(W−f2) ・・・・・・・・・・・・(1)
【0033】
上記式(1)のうち、Mは、転舵輪間シャフト16の質量であり、(dX/dt)は、直動位置Xの二階時間微分値、即ち、転舵輪間シャフト16の加速度であり、uは転舵モータ19の駆動力(以下、単に「モータ駆動力u」という)であり、Wは路面反力であり、f2はボールネジ機構等に含まれる機械的な摩擦力である。そして、路面反力検出処理(S11)では、モータ駆動力uと加速度(dX/dt)とを、転舵輪間シャフト16の直動位置Xに基づいて演算し、かつ、質量Mを予め定められた定数として、その値を上記式(1)に代入して、路面反力Wと摩擦力f2との差W2=(W−f2)(以下、W2を「路面反力推定値」という」を求める。
【0034】
具体的には、図5に示すように、路面反力検出処理(S11)を実行すると、制御装置40は、操舵角θ1と伝達比Rと所定のデータ変換用定数Jとを乗じて、転舵輪間シャフト16の目標直動位置Xrefを求める(S110)。次いで、直動位置Xと、目標直動位置Xrefとの位置偏差X1を求め(S111)、さらに、その位置偏差X1の一階時間微分値X2を求める(S112)。そして、位置偏差X1に所定の定数G11を乗じたものと、一階時間微分値X2に所定の定数G12を乗じたものとの和を、モータ駆動力uとして求める(S113)。
【0035】
次いで、直動位置Xの二階時間微分値である加速度(dX/dt)に転舵輪間シャフト16の質量Mを乗じて慣性力f1を求める(S114)。そして、上記式(1)に基づき、モータ駆動力uから、慣性力f1を減じて、路面反力推定値W2を求める(S115)。
【0036】
路面反力検出処理(S11)が終了すると、図4に示すように、第1の構成値決定処理(S12:本発明に係る「第1の構成値決定手段」に相当する)が実行される。すると、図6に示すように、第1構成値決定マップMP1(図7参照)に基づいて、車速V及び路面反力推定値W2から第1の操舵反力構成値Hc1が決定される(S121)。ここで、第1構成値決定マップMP1には、図7に示すように、車速V毎に分けて、路面反力推定値W2と第1の操舵反力構成値Hc1とを対応させて記憶されている。そして、車速Vが大きくなるに従って、路面反力推定値W2に対応する第1の操舵反力構成値Hc1が大きくなるように設定されている。また、各車速V毎では、路面反力推定値W2が大きくなるに従って、第1の操舵反力構成値Hc1が大きくなるように設定されている。
【0037】
第1の構成値決定処理(S12)が終了すると、図4に示すように、第2の構成値決定処理(S13:本発明に係る「第2の構成値決定手段」に相当する)が実行される。第2の構成値決定処理(S13)が実行されると、図8に示すように、第2構成値決定マップMP2(図9参照)に基づいて、転舵輪間シャフト16の直動位置Xから第2の操舵反力構成値Hc2が決定される(S131)。ここで、第2構成値決定マップMP2は、図9に示すように、直動位置Xと第2の操舵反力構成値Hc2とが対応させて記憶されており、直動位置Xの0点(ハンドル11及び転舵輪50の中立点)の近傍では、直動位置Xに比例して第2の操舵反力構成値Hc2が変化し、直動位置Xの絶対値が所定値より大きくなると、第2の操舵反力構成値Hc2が機械系摩擦力f2の操舵トルク換算値Tf2よりわずかに大きい値である一定の上限値に維持されるように設定されている。
【0038】
第2の構成値決定処理(S13)が終了すると、図4に示すように、指令値生成処理(S14:本発明に係る「指令値生成手段」に相当する)が実行される。すると図10及び下記式(2)の如く、第1の操舵反力構成値Hc1に第1のゲインG1を乗じたものと、第2の操舵反力構成値Hc2に第2のゲインG2を乗じたものとの和として、操舵反力指令値Hが求められる(S141)。
【0039】
H=G1・Hc1+G2・Hc2 ・・・・・・・・・・・・・・(2)
【0040】
詳細には、本実施形態では、G1=G2=1に設定されており(本発明に係る「請求項2」に相当する)、操舵反力指令値Hは、第1の操舵反力構成値Hc1と第2の操舵反力構成値Hc2との和として求められる。そして、指令値生成処理(S14)が終了すると、図4に示すように、操舵反力指令値Hが反力モータ駆動回路42に出力される(S15)。すると、反力モータ駆動回路42(図1参照)は、操舵反力指令値Hに応じた駆動電流Iaを反力モータ31に流し、これによりハンドル11に所定の操舵反力が付与される。また、反力モータ駆動回路42は、トルクセンサ33により検出したトルクTと操舵反力指令値Hとが一致するようにフィードバック制御を行う。
【0041】
制御プログラムPG1に関する説明は以上である。なお、本実施形態では、制御プログラムPG1を実行することで、図11のブロック図に示した制御系が構成される。
【0042】
次に、本実施形態の作用効果について説明する。本実施形態のステアバイワイヤシステム10では、路面反力推定値W2に応じて決定される第1の操舵反力構成値Hc1により、従来車両の操舵システムと同等に、路面反力を反映した操舵反力がハンドル11に与えられる。一方、操舵輪間シャフト16の直動位置Xに応じて決定される第2の操舵反力構成値Hc2は、直動位置Xが中立点(即ち、ハンドル11及び転舵輪50の操転舵位置が中立点)にある場合は「0」となり、中立点の近傍では直動位置Xに比例して第2の操舵反力構成値Hc2が増加し、直動位置Xの絶対値が所定値より大きくなると、第2の操舵反力構成値Hc2は機械系摩擦力f2の操舵トルク換算値Tf2よりわずかに大きい値に維持されるので、第2の操舵反力構成値Hc2によりボールネジ機構等の機械系摩擦力f2は打ち消され、良好なハンドル戻りが実現される。
【0043】
このように、本実施形態のステアバイワイヤシステム10によれば、路面反力推定値W2に応じて決定される第1の操舵反力構成値Hc1により、従来車両の操舵システムと同等の操舵反力を与えると共に、ハンドル11及び転舵輪50の操転舵位置の代用値(直動位置X)に応じて決定され、直動位置Xの絶対値が所定値より大きくなると一定値となる第2の操舵反力構成値Hc2により、第1の操舵反力構成値Hc1によって得られる従来車両の操舵システムと同等の操舵フィーリングを損なうことなく、ボールネジ機構等の機械系摩擦力f2を打ち消して良好なハンドル戻りを実現することができる。
【0044】
[第2実施形態]
本実施形態は、図12〜図17に示されており、前記第1実施形態とは第2の構成値決定処理(S200)と指令値生成処理(S300)の構成が異なる。以下、第1実施形態と異なる構成に関してのみ説明する。
【0045】
図12に示すように、本実施形態における第2の構成値決定処理(S200)が実行されると、第1係数決定マップMP4(図13参照)に基づいて車速Vから第1係数K(V)が決定される(S201)。次いで、第2係数決定マップMP5(図14参照)に基づいて、車速Vから第2係数D(V)が決定される。
【0046】
ここで、第1係数決定マップMP4は、図13に示すように車速Vが大きくなるに従って第1係数K(V)が大きくなるように設定されている。また、第2係数決定マップMP5も同様に、車速Vが大きくなるに従って第2係数D(V)が大きくなるように設定されている(図14参照)。そして、下記式(3)に示すように、上記第1係数K(V)とハンドル11の操舵角θ1との積と、第2係数D(V)と操舵角θ1の一階時間微分値ωとの積の和を、第2の操舵反力構成値Hc2として求める(S203)。
【0047】
Hc2=K(V)・θ1+D(V)・ω ・・・・・・・・・・・・・(3)
【0048】
また、本実施形態では、指令値生成処理(S300)が実行されると、図15に示すように、ゲイン決定マップMP6(図16参照)に基づいて、車両の上下加速度Ahから第1のゲインG1が決定される(S301)。なお、本実施形態では、車両の上下加速度Ahは、車両に備えた加速度ピックアップによって実測され、制御装置40に取り込まれている。
【0049】
次いで、定数「1」から第1のゲインG1を引いて第2のゲインG2(=1−G1)を求める(S302)。そして、下記式(4)に示すように、第1のゲインG1と第1の操舵反力構成値Hc1との積と、第2のゲインG2と第2の操舵反力構成値Hc2との積の和を、操舵反力指令値Hとして求める(S303)。
【0050】
H=G1・Hc1+G2・Hc2 ・・・・・・・・・(4)
【0051】
本実施形態と前記第1実施形態との相違点は以上である。なお、本実施形態では、制御プログラムを実行することで、図17のブロック図に示した制御系が構成される。
【0052】
次に、本実施形態の作用効果について説明する。本実施形態のステアバイワイヤシステムによれば、第1の操舵反力構成値Hc1と第2の操舵反力構成値Hc2とから操舵反力指令値Hを生成するにあたり、第1の操舵反力構成値Hc1と第2の操舵反力構成値Hc2との重み付けを適宜変更して、操舵フィーリングを調整することができる。具体的には、例えば、未舗装路面の走行時のように、車両の上下加速度Ahが大きな場合には、第1のゲインG1が小さくなり、操舵反力指令値Hのうち第1の操舵反力構成値Hc1(路面反力推定値W2に応じて決定される値)に対する重み付けが小さくなる。これにより、未舗装道路における凹凸による振動が、操舵反力指令値Hに反映されることが規制され、運転者がハンドル11を通して振動を受け難くなり、快適な操舵フィーリングを提供することが可能になる。
【0053】
また、本実施形態では、第2の操舵反力構成値Hc2に、操舵角θ1の一階時間微分値ωを含めたことで、減衰効果を与えてハンドル11のバネ的な動きを抑え、操舵フィーリングに落ち着きを与えることができる。
【0054】
さらに、第2の操舵反力構成値Hc2に、車速Vに応じて増加する第1及び第2の係数K(V)、D(V)を含めたことで、車速Vの変化に応じて第2の操舵反力構成値Hc2も変化する。即ち、第1の操舵反力構成値Hc1だけでなく、第2の操舵反力構成値Hc2も車速Vに対応して可変とすることにより、どの様な車速において、第1の操舵反力構成値Hc1,第2の操舵反力構成値Hc2の重み付けゲインG1,G2の配分を路面状況に応じて変更しても、一方の操舵反力構成値の減少を他方の操舵反力構成値によって適切に補うことが可能となるので、操舵フィーリングの調整をより良好に行うことができる。
【0055】
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0056】
(1)前記第1実施形態では、転舵輪間シャフト16の位置偏差等に基づいて路面反力推定値W2を検出していたが、ボールネジ機構等に含まれる機械系摩擦の測定実績から経験的に求められる摩擦力代表値f3(f3≒f2)を用いて、W3=W2+f3として路面反力補正値W3(W3≒W)を検出してもよい。また、路面反力Wを操舵輪間シャフト16に取り付けた軸力センサを用いて直接検出してもよい。さらに、外乱オブザーバの手法(例えば、前記特許文献3の[0046]〜[0057])を用いて路面反力を検出してもよい。あるいは、転舵モータ19に流した駆動電流Ib(図1参照)を、路面反力の代用値としてもよい。この場合、所定のマップ(図示せず)に基づき、転舵モータ19の駆動電流Ibから第1の操舵反力構成値Hc1を決定すればよい。
【0057】
(2)前記第1実施形態のボールネジ機構24に代えて、ラックアンドピニオン機構により、転舵モータ19の出力回転を転舵輪50の転舵動作に変換してもよい。
【0058】
(3)前記第2実施形態では、第2の操舵反力構成値Hc2を、ハンドル11の操舵角θ1と、操舵角θ1の一階時間微分値ωとから演算していたが(上記式(3)参照)、下記式(5)のように、転舵輪間シャフト16の直動位置Xと、直動位置Xの一階時間微分値(dx/dt)と、所定の単位換算係数q1,q2とから第2の操舵反力構成値Hc2を演算する構成としてもよい。また、下記式(6)のように、操舵角θ1と、直動位置Xの一階時間微分値(dx/dt)と、所定の単位換算係数q2とから第2の操舵反力構成値Hc2を演算してもよいし、さらには、下記式(7)のように、直動位置Xと、操舵角θ1の一階時間微分値ωと、所定の単位換算係数q1とから第2の操舵反力構成値Hc2を演算してもよい。
Hc2=K(V)・q1・X+D(V)・q2・(dx/dt) ・・・・(5)
Hc2=K(V)・θ1+D(V)・q2・(dx/dt) ・・・・・・(6)
Hc2=K(V)・q1・X+D(V)・ω ・・・・・・・・・(7)
【0059】
(4)前記第2実施形態では、車両の上下方向の加速度Ahに応じて第1のゲインG1を決定していたが、サスペンションの変動に応じて、第1のゲインG1を決定する構成にしてもよい。
【0060】
(5)前記第2実施形態では、車両の上下方向の加速度Ahが大きくなるに従って、第1のゲインG1が小さくなるように構成されていたが、車両の上下方向の加速度Ahが大きくなるに従って、第1のゲインG1が大きくなるように構成してもよい。この構成によれば、凹凸が大きな路面を走行中に、操舵反力指令値Hのうち第1の操舵反力構成値Hc1(路面反力に応じて決定される値)に対する重み付けが大きくなり、運転者にハンドルを通して路面の凹凸に関する情報を伝えることができる。
【0061】
(6)前記第2実施形態では、車両の上下方向の加速度Ahに応じて第1のゲインG1を決定していたが、図18に示すように、上下方向の振動の周波数fに応じて、加速度Ahと第1のゲインG1との対応関係を特定したマップを設け、これら周波数fと加速度Ahの両方に基づいて第1のゲインG1を決定する構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の第1実施形態に係るステアバイワイヤシステムの概念図
【図2】操舵系メインプログラムのフローチャート
【図3】転舵モータ用データ処理のフローチャート
【図4】反力モータ用データ処理のフローチャート
【図5】路面反力検出処理のフローチャート
【図6】第1の構成値決定処理のフローチャート
【図7】第1の構成値決定マップの概念図
【図8】第2の構成値決定処理のフローチャート
【図9】第2の構成値決定マップの概念図
【図10】指令値生成処理のフローチャート
【図11】ステアバイワイヤシステム全体のブロック線図
【図12】第2実施形態に係る第2の構成値決定処理のフローチャート
【図13】第1係数決定マップの概念図
【図14】第2係数決定マップの概念図
【図15】指令値生成処理のフローチャート
【図16】ゲイン決定マップの概念図
【図17】ステアバイワイヤシステム全体のブロック線図
【図18】周波数と加速度とによるゲイン決定マップの概念図
【符号の説明】
【0063】
10 ステアバイワイヤシステム
11 ハンドル
16 転舵輪間シャフト
19 転舵モータ
24 ボールネジ機構
27 車速センサ
31 反力モータ
40 制御装置
41 転舵モータ駆動回路
42 反力モータ駆動回路
50 転舵輪
H 操舵反力指令値
Hc1 第1の操舵反力構成値
Hc2 第2の操舵反力構成値

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のハンドルと1対の転舵輪との間を機械的に切り離し、前記ハンドルの操作に応じて転舵モータにより前記転舵輪を転舵すると共に、前記ハンドルの操作に対する操舵反力を反力モータにより発生させるステアバイワイヤシステムにおいて、
前記転舵輪が路面から受ける路面反力を検出するための路面反力検出手段と、
前記路面反力検出手段が検出した前記路面反力に応じて、第1の操舵反力構成値Hc1を決定する第1の構成値決定手段と、
前記ハンドル又は前記転舵輪が中立点からオフセットした操転舵位置を検出するための操転舵位置検出手段と、
前記操転舵位置検出手段が検出した前記操転舵位置に応じて、第2の操舵反力構成値Hc2を決定する第2の構成値決定手段と、
第1のゲインをG1とし、
第2のゲインをG2とし、
所定の定数をCとし、
G1≦C,G2≦C,G1+G2=C
を満たすように前記第1及び第2のゲインG1,G2を決定し、
かつ、それら第1及び第2のゲインG1,G2を用いて、前記反力モータに前記操舵反力を発生させるための操舵反力指令値Hを、
H=G1・Hc1+G2・Hc2
より生成する指令値生成手段とが備えられたことを特徴とするステアバイワイヤシステム。
【請求項2】
前記第2の操舵反力構成値Hc2は、前記操転舵位置が所定の範囲を超える場合に一定値となると共に、
前記指令値生成手段は、前記第1及び第2のゲインG1,G2を
G1=G2=1として、
前記操舵反力指令値Hを、前記第1及び第2の操舵反力構成値Hc1,Hc2を用いて、次式
H=Hc1+Hc2
より生成することを特徴とする請求項1に記載のステアバイワイヤシステム。
【請求項3】
前記指令値生成手段は、前記第1及び第2のゲインG1,G2を、前記車両の挙動、又は、路面状態に応じて変更するように構成されたことを特徴とする請求項1に記載のステアバイワイヤシステム。
【請求項4】
前記車両の上下方向の加速度、又は、前記車両に備えたサスペンションの変動を検出する車両挙動検出手段を備え、
前記指令値生成手段は、前記車両挙動検出手段が検出した前記車両の上下方向の加速度又は前記サスペンションの変動が大きくなるに従って、前記第1のゲインG1を小さくするように構成されたことを特徴とする請求項1に記載のステアバイワイヤシステム。
【請求項5】
前記車両の上下方向の加速度、又は、前記車両に備えたサスペンションの変動を検出する車両挙動検出手段を備え、
前記指令値生成手段は、前記車両挙動検出手段が検出した前記車両の上下方向の加速度又は前記サスペンションの変動が大きくなるに従って、前記第1のゲインG1を大きくするように構成されたことを特徴とする請求項1に記載のステアバイワイヤシステム。
【請求項6】
前記一対の転舵輪の間には、転舵輪間シャフトが差し渡され、
前記転舵輪間シャフトと前記転舵モータとの間には、前記転舵モータの出力回転を、前記転舵輪間シャフトの直動運動に変換するためのラックアンドピニオン機構又はボールネジ機構が備えられ、
前記操転舵位置検出手段は、前記転舵輪間シャフトの直動位置を前記操転舵位置として検出するように構成されたことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のステアバイワイヤシステム。
【請求項7】
前記第2の構成値決定手段は、前記操転舵位置と、前記操転舵位置の時間微分値とに応じて前記第2の操舵反力構成値を決定するように構成されたことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のステアバイワイヤシステム。
【請求項8】
前記第2の構成値決定手段は、前記操転舵位置と、車速とに応じて前記第2の操舵反力構成値を決定するように構成されたことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のステアバイワイヤシステム。
【請求項9】
前記第2の構成値決定手段は、前記操転舵位置と、前記操転舵位置の時間微分値と、車速とに応じて前記第2の操舵反力構成値を決定するように構成されたことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のステアバイワイヤシステム。
【請求項10】
前記車速と第1係数とを予め対応させた第1データマップと、
前記車速と第2係数とを予め対応させた第2データマップとを備え、
前記操転舵位置をθとし、
前記操転舵位置の時間微分値をωとし、
前記車速をVとし、
前記車速Vから決定される前記第1係数をK(V)とし、
前記車速Vから決定される前記第2係数をD(V)とし、
前記第2の操舵反力構成値をHc2とすると、
前記第2の構成値決定手段は、次式、
Hc2=K(V)・θ+D(V)・ω
、によって前記操舵反力構成値Hc2を決定するように構成されたことを特徴とする請求項9に記載のステアバイワイヤシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2006−130940(P2006−130940A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−318841(P2004−318841)
【出願日】平成16年11月2日(2004.11.2)
【出願人】(000003470)豊田工機株式会社 (198)
【出願人】(000003609)株式会社豊田中央研究所 (4,200)
【Fターム(参考)】